JP6391042B2 - 複合ロールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗性を有する外層部材と強靭性に優れた内層部材を複合一体化せしめた複合ロールの製造方法に関するものである。
複合ロールは、通常、耐摩耗性に優れたハイス系合金、超硬合金等によって形成された圧延使用層である外層の内面に、ダクタイル鋳鉄や鋼により形成された内層が一体的に接合されて構成されたものであり、耐摩耗性と強靭性とを兼備したものである。複合ロールの形態は、一般的には中実であるが、中空状のもの(スリーブロールと呼ばれる。)もある。
外層がハイス系合金の場合は、主として遠心鋳造法を用いて鋳造段階で複合一体化されるが、外層材の合金成分が内層材の溶湯に混入して、内層材を劣化させる。このため、特許文献1には、ハイス系合金からなる外層とダクタイル鋳鉄から形成された内層とを別途製作しておき、両部材を嵌合し、熱間等方圧加圧(HIPという。)により拡散接合した複合ロールが開示されている。
しかしながら、HIP処理を行なうには、高価なHIP炉が必要であり、特にロールのような大型のものを処理するには、特別に製作したHIP炉を使用する必要があり、場合によってはロール全体が入るHIP炉がなく、HIP処理が不可能な場合もある。このようなHIP処理に関わる問題を解消するため、特許文献2には、鉄基耐摩耗材で形成された外層部材と鉄基強靭材で形成された内層部材とを嵌合して、両部材を拡散接合する複合円筒体の製造方法において、内層部材としてオーステナイト化温度が外層部材よりも低くかつオーステナイト域での熱膨張率が外層部材よりも大きいものを用い、外層部材と内層部材との嵌合体を真空下で加熱する方法が開示されている。この従来技術によれば、接合面が酸化することなく、内層部材の熱膨張に起因した外層部材への加圧力によって、HIP炉を用いなくても、両部材を簡単容易に接合できるとしている。
特開平4−270004号公報 特開平5−212558号公報
特許文献2は外層部材と内層部材とを焼ばめもしくは冷しばめにより嵌合し、軟鉄板カプセルによって包み込み、その内部を真空脱気し、脱気管を封止する接合方法であり、カプセルに封入漏れがないよう溶接し、これを真空ポンプにつないで脱気するという煩雑な工程が必要である。また内層部材としてオーステナイト化温度が外層部材より低くかつオーステナイト域での熱膨張率が外層部材よりも大きくなければならず、外層部材と内層部材の材質選択の自由度に制限がある。また、この方法では接合時の高温に至る際の材料の変形等のため、両部材の境界全面を接合することは困難であり、特に両部材の接合端面部に接合不良部が発生しやすく、この部分から境界剥離が生じるという接合の信頼性が低い問題があった。
本発明は、かかる問題に鑑みなされたもので、HIP炉を用いることなく、またカプセルへの封入作業も必要なく、外層部材と内層部材の材質選択の自由度に対し制約が少なく、耐摩耗性を有する外層部材と強靭性を有する内層部材を容易に複合一体化する複合ロールの製造方法を提供することを目的とする。さらに、外層部材の接合時の割れを防止でき、外層部材と内層部材の端面部に至るまで全面にわたって健全に接合できる複合ロールの製造方法を提供するものである。
本発明の複合ロールの製造方法は、外層部材と内層部材とが接合した複合ロールの製造方法において、円筒形状の外層部材の内側に円柱または円筒形状の内層部材を配置し、前記外層部材の外側に、室温から接合温度までの温度範囲において前記外層部材より熱膨張率が小さい中空状の拘束部材を配置し、加熱により熱膨張率が最も大きい前記内層部材の外面が前記外層部材の内面を押圧するとともに、熱膨張率が最も小さい前記拘束部材の内面が前記外層部材の外面を押圧するように、前記外層部材と前記内層部材及び前記拘束部材との間隙を設定し、加熱により前記外層部材の内面と前記内層部材の外面とを密接させ、もって前記外層部材と前記内層部材とを拡散接合することを特徴とする。
本発明の製造方法において、前記拘束部材の軸線方向両端部が前記外層部材の軸線方向両端面より突出しているのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記拘束部材が前記外層部材より厚いのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記拘束部材が黒鉛又はセラミックスからなるのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記拘束部材を複数のリング部材を同軸的に積み重ねることにより形成するのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記拘束部材と前記外層部材との間に反応防止材を介在させるのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記外層部材と内層部材の間に1層あるいは2層以上の中間層を介在させるのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記外層部材が超硬合金からなり、内層部材が鉄系材料からなるのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記外層部材がハイス系合金からなり、内層部材が鉄系材料からなるのが好ましい。
本発明の複合ロールの製造方法によれば、HIP炉を用いることなく、またカプセルへの封入作業も必要なく、外層部材と内層部材の材質選択の自由度に対し制約が少なく、耐摩耗性を有する外層部材と強靭性を有する内層部材を容易に複合一体化できる。また、外層部材の接合時の割れを防止でき、外層部材と内層部材の端面部に至るまで全面にわたって健全に接合できる。
本発明の複合ロールの製造方法を説明するための概略断面図である。 本発明の複合ロールの製造方法によって得られた複合ロールの概略断面図である。 本発明の複合ロールの製造方法の他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の複合ロールの製造方法の他の実施形態を示す概略断面図である。
本発明の実施形態を具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識にも基づいて、以下の実施形態に適宜変更、改良が加えられたものも本発明の範囲内に含まれる。
図1は本発明の複合ロールの製造方法を説明するための外層部材1、内層部材2および拘束部材3を配置した状態の概略断面図を示したものである。図1(a)は軸方向断面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図を示す。図1において、円筒形状の外層部材1の内側に円柱または円筒形状の内層部材2を配置し、外層部材1の外側に外層部材1より熱膨張率が小さい中空状の拘束部材3を配置して構成される。1a、1bは外層部材1の端面であり、3a、3bは拘束部材3の端面である。
図1に示すように、内層部材(ロール軸に相当)2を基台5の上に載置する。内層部材2を囲むように基台5上に円筒状受台6を載置した後、円筒状外層部材1を円筒状受台6の上に載置する。基台5及び受台6は後述する拘束部材3と同様に、外層部材1に対して不活性な材質からなるのが好ましい。具体的には、基台5及び受台6は黒鉛又はセラミックスからなるのが好ましい。次いで、外層部材1より熱膨張率が小さい円筒状拘束部材3を、外層部材1を囲むように基台5上に載置する。
このように配置した内層部材2、外層部材1及び拘束部材3を不活性雰囲気中で加熱し、外層部材1と内層部材2の拡散接合を行う。拡散接合温度は1000〜1280℃が好ましい。拡散接合温度が1000℃未満であると十分な接合強度が得られないことがあり、また拡散接合温度が1280℃を超えると、外層部材1が超硬合金の場合、接合界面付近の超硬合金内にη相が生成し、接合強度が低下する。拡散接合温度はより好ましくは1100〜1280℃であり、最も好ましくは1200〜1260℃である。拡散接合温度に保持する時間は1〜120分間程度で良く、30〜90分間が好ましい。不活性雰囲気として、N2、Ar等の不活性ガス、H2等の還元性ガス、又は真空を用いることができる。
室温から1000〜1280℃の拡散接合温度までの温度範囲において、内層部材2、外層部材1及び拘束部材3の熱膨張率は、内層部材2>外層部材1>拘束部材3の関係を満たすのがよい。室温から1000〜1280℃の温度までの範囲における内層部材2の熱膨張率は10〜15×10-6/℃程度であり、外層部材1の熱膨張率は6〜13×10-6/℃程度である。従って、拘束部材3の熱膨張率は、室温から拡散接合温度までの温度範囲においてこれらより十分に小さくなければならない。
このような熱膨張率条件を満たすために、拘束部材3は熱膨張率が3〜9×10-6/℃程度の黒鉛又はセラミックスからなるのが好ましい。拘束部材3はさらに拡散接合温度及び拡散接合応力に十分に耐えなければならないので、拡散接合温度で高強度かつ高剛性でなければならない。さらに、拘束部材3は、拡散接合温度で外層部材1と接合しない材質からなるのが望ましい。黒鉛又はセラミックスはこのような条件も満たす。中でも、熱膨張率が6×10-6/℃以下で、1000℃における曲げ強さが30 MPa以上の等方性黒鉛が特に好ましい。
このような熱膨張率の差を考慮して、加熱により熱膨張率が最も大きい内層部材2の外面が外層部材1の内面を十分に押圧するとともに、熱膨張率が最も小さい拘束部材3の内面が外層部材1の外面を十分に押圧するように、内層部材2と外層部材1との間隙G1、及び外層部材1と拘束部材3との間隙G2を設定する必要がある。例えば、鋼製内層部材2(熱膨張率:13×10-6/℃)の直径が275 mmであり、かつ超硬合金製外層部材1(熱膨張率:8×10-6/℃)の厚さが69 mmである場合、外層部材1と内層部材2との間隙G1は0.3〜1.5 mmであるのが好ましく、外層部材1と拘束部材3との間隙G2は1〜2 mmであるのが好ましい。
上記の通り、外層部材1の外側に外層部材1より熱膨張率が小さい拘束部材3を配置し、外層部材1及び内層部材2の熱膨張を拘束部材3により拘束するので、最も熱膨張する内層部材2の外面は外層部材1の内面と拡散接合に必要な面圧(接合面圧)で密接する。これにより外層部材1と内層部材2とが接合された複合ロールが得られる。
図3は本発明の複合ロールの製造方法の他の実施形態を示す概略断面図である。図3(a)(b)はそれぞれ図1(a)のA−A断面図を表わし、拘束部材の断面形状が異なる他の実施形態を示す。図3(a)は拘束部材3の外周の断面形状が角形であるもの、図3(b)は拘束部材3の内周の断面形状が角形であるものを示す。拘束部材3の外周および内周の断面形状が多角形であってもよい。つまり拘束部材3は図1、図3に示す形状に限定されず、外層部材1および内層部材2の熱膨張を拘束できる形状であれば適用可能である。
図1に示すように、拘束部材3の全長L3は外層部材1の全長L1より長いのが好ましく、また拘束部材3の軸線方向両端面3a、3bは外層部材1の軸線方向両端面1a、1bより長さDだけ突出しているのが好ましい。これにより、外層部材1を軸線方向両端間で均一に拘束できるので、外層部材1の全長L1にわたって内層部材2に均一に拡散接合する。例えば、外層部材1の全長L1が700 mmの場合、Dは10〜100 mmが好ましい。
拘束部材3は拡散接合温度で変形又は破損したりせずに、外層部材1を十分に拘束しなければならないので、径方向に拘束部材3を外層部材1より十分に厚くするのが好ましい。例えば、内層部材2の直径が275 mmで、外層部材1の厚さが35 mmの場合、拘束部材3の厚さは100〜150 mmが好ましい。図3(a)、(b)の場合、拘束部材の径方向の厚さのうち最も薄い部分の厚さを外層部材の径方向の厚さより厚くするのが好ましい。
図4は本発明の複合ロールの製造方法の他の実施形態を示す概略断面図である。図4において、拘束部材3は比較的短尺なリング部材(拘束部材)31〜36の計6個を軸方向に同軸上に積み重ねて構成されている例を示す。
図4に示すように、拘束部材3は、複数(図示の例では6個)の比較的短尺なリング部材31〜36を軸線方向に同軸的に積み重ねることにより構成することができる。拘束部材3の熱膨張拘束力は径方向に作用するので、軸線方向に分離したリング部材31〜36を用いても、熱膨張拘束効果は同じである。勿論、各リング部材31〜36は黒鉛又はセラミックスからなるのが好ましい。500 mm以上と長尺な複合ロールを製造する場合、製造の容易さの観点から複数のリング部材31〜36を用いるのが好ましい。
拡散接合温度で外層部材1と接しても反応が起こらないように、拘束部材3と外層部材1との間に反応防止材を介在させるのが好ましい。反応防止材としては外層部材1との反応性の低いアルミナ等のセラミックスが好ましい。反応防止材は粉末状でも織布状でも良い。粉末の場合、スラリーにして外層部材1の外面又は拘束部材3の内面に塗布しても良い。また織布状の場合、例えばアルミナなどのセラミックス繊維を製織したシートのような場合、外層部材1の外周に巻き付けても良い。
ロールの外層部材としては、耐摩耗性に優れた超硬合金、サーメット、ハイス合金等の硬質材料を用いるのが好ましい。中でも耐摩耗性に優れるタングステンカーバイド(WC)系の超硬合金が好ましい。また内層部材としては、靭性などの機械的性質に優れかつ安価な鉄系材料を用いるのが望ましい。鉄系材料は、構造用鋼のような鍛造、圧延材でも良いし、鋳鋼、鋳鉄のような鋳造材でも構わない。中でも機械構造用合金鋼鋼材、合金工具鋼鋼材が好ましい。
外層部材と内層部材の間には、必要に応じて1層あるいは2層以上の中間層を介在させてもよい。中間層は外層部材と内層部材の接合部の強度の向上等が必要な場合に介在させる。中間層は、あらかじめ外層部材の内周側あるいは内層部材の外周側に、溶接、焼結、拡散接合、メッキ等の施工方法を用いて付着させておいてもよい。
外層部材1と内層部材2が拡散接合すると、外層部材1は外層となり、内層部材2は内層となる。その後拘束部材3を取り外し、図2に示すような外層11と内層12が一体化した超硬合金複合ロール10を得る。必要に応じて超硬合金複合ロールの所望箇所を機械加工し、熱間薄板圧延に好適な寸法形状とする。
以下、本発明の実施例に基づいて詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず表1に示す材料からなり、表2に示す寸法の拘束部材、外層部材、内層部材をそれぞれ準備した。表3に、拘束部材、外層部材、内層部材として用いた各種材料の熱膨張率(×10-6/℃)を示す。
準備した各部材を図1に示すように、円筒形状の外層部材1の内径内に、内層部材2を嵌合し、外層部材1の外周面に、中空状の拘束部材3を嵌合して配置した。内層部材2、拘束部材3を黒鉛からなる基台5の上に載せ、外層部材1を黒鉛からなる円筒状受台6で支持した。内層部材2と基台5、拘束部材3と基台5、外層部材1と受台6とが接触する面に部材間の反応を防止するためにアルミナ繊維を製織した厚さ2mmのシートを介在させた。このように配置した後、表1に示す接合条件でそれぞれ接合を行った。
(実施例1)
円筒状の拘束部材はアルミナ、円筒状の外層部材はハイス系合金(C:2.21%、Si:0.58%、Mn:0.88%、Cr:3.35%、Mo:5.80%、V:5.81%、Fe:残部)、中実の内層部材はクロムモリブデン鋼を用いた。拘束部材は図4に示すように拘束部材31〜36を同軸上に6個積み重ねて構成した。また図4に示すように拘束部材3の端面3a、3bを外層部材1の端面1a、1bよりそれぞれ突出させた。また、外層部材と内層部材の拡散接合に必要な接合面圧を確保できるように、予め外層部材を内層部材に焼嵌めして嵌合し、外層部材の外径面と拘束部材の内面との間の隙間を0.5mmに設定した。このように配置した内層部材2、外層部材1及び拘束部材3を表1に示す接合条件で加熱し、外層部材1と内層部材2の拡散接合を行った。
(実施例2)
円筒状の拘束部材は窒化珪素、円筒状の外層部材はWC80%を含有する超硬合金、中実の内層部材はクロムモリブデン鋼を用いた。拘束部材は1個で構成し、拘束部材の軸方向の両端面を外層部材の軸方向の両端面より突出させた。また、外層部材と内層部材の拡散接合に必要な接合面圧を確保できるように、外層部材の内径面と内層部材の外径面の間の隙間を5mm、外層部材の外径面と拘束部材の内面との間の隙間を0.5mmに設定した。また中間層として外径339mm、厚さ4.5mm、長さ300mmの円筒形状のインバー合金を外層部材と内層部材との間隙に挿入した。このように配置した内層部材2、中間層、外層部材1及び拘束部材3を表1に示す接合条件で加熱し、外層部材1、中間層、内層部材2の拡散接合を行った。
(実施例3)
円筒状の拘束部材は黒鉛、円筒状の外層部材はWC80%を含有する超硬合金、中実の内層部材はクロムモリブデン鋼を用いた。拘束部材は6個積み重ねて構成し、拘束部材の軸方向の両端面を外層部材の軸方向の両端面より突出させた。また、外層部材と内層部材の拡散接合に必要な接合面圧を確保できるように、外層部材の内径面と内層部材の外径面の間の隙間を0.5mm、外層部材の外径面と拘束部材の内面との間の隙間を0.5mmに設定した。また外層部材と拘束部材との間に厚さ0.2mmのアルミナ繊維を製織したシート(アルミナシート)からなる反応防止材を挿入した。このように配置した内層部材2、外層部材1及び拘束部材3を表1に示す接合条件で加熱し、外層部材1と内層部材2の拡散接合を行った。
(実施例4)
円筒状の拘束部材は黒鉛、円筒状の外層部材はWC70%を含有する超硬合金、中実の内層部材はダクタイル鋳鉄を用いた。拘束部材は1個で構成し、拘束部材の軸方向の両端面を外層部材の軸方向の両端面より突出させた。また、外層部材と内層部材の拡散接合に必要な接合面圧を確保できるように、外層部材の内径面と内層部材の外径面の間の隙間を0.5mm、外層部材の外径面と拘束部材の内面との間の隙間を0.5mmに設定した。また外層部材と拘束部材との間に厚さ0.1mmのモリブデン箔を挿入した。このように配置した内層部材2、外層部材1及び拘束部材3を表1に示す接合条件で加熱し、外層部材1と内層部材2の拡散接合を行った。
(実施例5)
円筒状の拘束部材は黒鉛、円筒状の外層部材はWC80%を含有する超硬合金、中実の内層部材はニッケルクロムモリブデン鋼を用いた。拘束部材は1個で構成し、拘束部材の軸方向の両端面を外層部材の軸方向の両端面より突出させた。また、外層部材と内層部材の拡散接合に必要な接合面圧を確保できるように、外層部材の内径面と内層部材の外径面の間の隙間を5mm、外層部材の外径面と拘束部材の内面との間の隙間を0.5mmに設定した。また中間層として外径299mm、厚さ4.5mm、長さ300mmの円筒形状の炭素を0.6質量%含有する合金鋼を外層部材と内層部材との間隙に挿入した。また外層部材と拘束部材との間に厚さ0.2mmのアルミナ繊維を製織したシート(アルミナシート)からなる反応防止材を挿入した。このように配置した内層部材2、中間層、外層部材1及び拘束部材3を表1に示す接合条件で加熱し、外層部材1、中間層、内層部材2の拡散接合を行った。
(実施例6)
円筒状の拘束部材は黒鉛、円筒状の外層部材はWC80%を含有する超硬合金、中実の内層部材はクロムモリブデン鋼を用いた。拘束部材は4個で構成し、拘束部材の軸方向の両端面を外層部材の軸方向の両端面より突出させた。また、外層部材と内層部材の拡散接合に必要な接合面圧を確保できるように、外層部材の内径面と内層部材の外径面の間の隙間を5mm、外層部材の外径面と拘束部材の内面との間の隙間を0.5mmに設定した。また中間層として外径299mm、厚さ4.5mm、長さ1000mmの円筒形状の炭素を0.7質量%含有する合金鋼を外層部材と内層部材との間隙に挿入した。また拘束部材の内径面に反応防止材としてジルコニア塗型を塗布した。このように配置した内層部材2、中間層、外層部材1及び拘束部材3を表1に示す接合条件で加熱し、外層部材1、中間層、内層部材2の拡散接合を行った。
前記の実施例1〜6において、接合処理後、外層部材および内層部材の端面の目視検査、浸透探傷検査を行ったところ、割れ等の欠陥がないことを確認した。さらに外層部材を表面に形成したロール胴部全体を超音波探傷で検査したところ、各部材が全面に亘り接合されており、割れなどの欠陥が内在していないことを確認した。本発明の複合ロールの製造方法を適用するにあたっては、実施例2〜6のように超硬合金の外層部材と、鉄系材料の内層部材の組合せのように外層部材と内層部材の熱膨張率の差が大きい方がより好ましい。また本発明の複合ロールの製造方法により図2に示すように複合一体化し、所定の機械加工を施すことにより実施例4の複合ロールを製造したところ問題なく良好な圧延をすることができた。
以下に複合ロールの製造方法の比較例について説明する。
(比較例1)
比較例は従来技術である特許文献2の図1に示す方法で行った。すなわち拘束部材を用いない方法で行った。表1及び表2に示すように、別途準備した外層部材として円筒状でWC70%を含有する超硬合金からなり、内層部材として中実で合金工具鋼SKT4を用いた。そして、外層部材と内層部材とを焼ばめにより嵌合し、軟鉄板カプセルによって包み込み、その内部を真空脱気し、脱気管を封止する。そして、該カプセル付の嵌合体を加熱炉で接合温度まで昇温し保持することにより接合を行った。
前記の比較例1において、接合処理後、軟鉄板カプセルを除去し、外層部材および内層部材の端面の目視検査、浸透探傷検査を行ったところ、外層部材および内層部材の両端部共全周において接合されていないことを確認した。さらに、外層部材が軸方向に割れが発生していた。内層部材の熱膨張により外層部材の内面から割損したものと考えられる。
本発明の複合ロールの製造方法は各種ロール、ローラ類にもちろん適用できるものである。
1 外層部材、 1a 外層部材の端面、 1b 外層部材の端面、
2 内層部材、 3 拘束部材、 3a 拘束部材の端面、 3b 拘束部材の端面、
31〜36 リング部材、 5 基台、 6 受台

Claims (9)

  1. 外層部材と内層部材とが接合した複合ロールの製造方法において、円筒形状の外層部材の内側に円柱または円筒形状の内層部材を配置し、前記外層部材の外側に、室温から接合温度までの温度範囲において前記外層部材より熱膨張率が小さい中空状の拘束部材を配置し、加熱により熱膨張率が最も大きい前記内層部材の外面が前記外層部材の内面を押圧するとともに、熱膨張率が最も小さい前記拘束部材の内面が前記外層部材の外面を押圧するように、前記外層部材と前記内層部材及び前記拘束部材との間隙を設定し、加熱により前記外層部材の内面と前記内層部材の外面とを密接させ、もって前記外層部材と前記内層部材とを拡散接合することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の複合ロールの製造方法において、前記拘束部材の軸線方向両端部が前記外層部材の軸線方向両端面より突出していることを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の複合ロールの製造方法において、前記拘束部材が前記外層部材より厚いことを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合ロールの製造方法において、前記拘束部材が黒鉛又はセラミックスからなることを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合ロールの製造方法において、前記拘束部材を複数のリング部材を同軸的に積み重ねることにより形成することを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合ロールの製造方法において、前記拘束部材と前記外層部材との間に反応防止材を介在させることを特徴とする方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合ロールの製造方法において、前記外層部材と内層部材の間に1層あるいは2層以上の中間層を介在させ、前記中間層を介して、前記外層部材と前記内層部材とを拡散接合することを特徴とする方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の複合ロールの製造方法において、前記外層部材が超硬合金からなり、内層部材が鉄系材料からなることを特徴とする方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の複合ロールの製造方法において、前記外層部材がハイス系合金からなり、内層部材が鉄系材料からなることを特徴とする方法。
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