JP6281385B2 - 圧延ロール用超硬合金製外層の製造方法 - Google Patents
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Description
(1) 組立
図1に示すように、スリーブ1に液相が生成する温度以上の接合温度において溶融・軟化しない材料からなる支持板2上に、複数の超硬合金製中空円筒状スリーブ1を同軸的に積み重ねるとともに、その内側に同軸的に内側部材片3を配置する[工程(a)]。スリーブ1の積み重ねと内側部材片3の配置の順序は限定的でない。支持板2としては、黒鉛板が好ましい。必要に応じて、支持板2上にアルミナ粉末のような離型材を塗布しても良い。
組立体100を真空炉(図示せず)に入れ、真空中(1〜30 Pa)でスリーブ1に液相が生成する温度以上に加熱し、隣接するスリーブ1の界面で接合を起こさせる。この時の加熱温度(接合温度)はTL+30℃〜TL+100℃(ただし、TLはスリーブ1に液相が生成する温度である。)であるのが好ましい。接合温度がTL+30℃より低いと、十分な液相が生成しない。また、接合温度がTL+100℃より高いと、スリーブ1の熱変形が大きくなる。接合温度はTL+30℃〜TL+80℃がより好ましい。スリーブ1の液相生成温度TLは、スリーブ1の試料の示差熱分析(DTA)において加熱過程において吸熱反応開始温度とする。例えばWC-Co-Ni系超硬合金(WC:80質量%、Co/Niの質量比=2/1)の場合、液相生成温度TLは約1300℃である。
第二の方法は、主にスリーブ堆積体と内側部材及び外側部材との間隙に不活性の無機粉末を充填する点で第一の方法と異なる。以下、相違点を中心に第二の方法を説明するが、説明のない点については第一の方法と本質的に同じで良い。
図4に示すように、支持板2上に内側部材片3と複数の超硬合金製スリーブ1の堆積体11’とを同軸的に配置し[工程(a)]、さらにスリーブ堆積体11’の外側に、複数の外側部材片4からなる外側部材14を同軸的に配置する[工程(b)]。スリーブ堆積体11’と内側部材片3及び外側部材14との間隙16,17にそれぞれ、無機粉末18を充填する[工程(c)]。無機粉末18は接合温度において溶融せず、かつ不活性であることが必要である。ここで「不活性」とは、接合温度で超硬合金に対して実質的に悪影響を及ぼさないことを意味する。このような無機粉末18として、アルミナ粉末が好ましい。無機粉末18の平均粒径は10〜1000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
組立体110を、第一の方法と同様に真空炉(図示せず)に入れ、真空中(1〜30 Pa)でスリーブ1に液相が生成する温度以上に加熱し、隣接するスリーブ1の界面で接合を起こさせる。加熱接合時にスリーブ堆積体11が外側部材14より大きく半径方向に熱膨張するので、スリーブ堆積体11と外側部材14との間隙D2は減少し、そこに充填された無機粉末18は圧縮される。その結果、無機粉末18がスリーブ堆積体11に等方的な圧力を及ぼすので、スリーブ堆積体11の熱変形が効果的に抑制される。
第一及び第二の方法のいずれの場合も、得られた超硬合金製円筒状外層の中空部に軸材を嵌入し、真空炉中で加熱することにより外層と軸材との固相接合を行う。軸材は鋳鉄及び鋳鋼のいずれでも良い。鋳鉄及び鋳鋼の熱膨張係数は超硬合金製外層の熱膨張係数より大きいので、加熱により外層と軸材とは密着し、容易に固相接合される。外層と軸材との間に、必要に応じて中間層を介在させても良い。
WCが80質量%で、Co/Niの質量比が2/1の超硬合金製のスリーブ1(外径:365 mm、内径:310 mm、高さ120 mm)5個と、黒鉛製の内側部材片3(直径:300 mm、高さ250 mm)3個と、黒鉛製の外側部材片4(外径:500 mm、内径:405 mm、高さ250 mm)3個と、450〜600μmの範囲に80%以上が入る粒径分布及び500μmの平均粒径を有するアルミナ粉末とを用い、第二の方法により、図4(d)に示す組立体110を作製した。スリーブ堆積体11と内側部材13との間隙の幅D1は5 mmであり、スリーブ堆積体11と外側部材14との間隙の幅D2は20 mmであった。
11,11’・・・スリーブ堆積体
11a・・・接合体
2・・・支持板
3・・・内側部材片
13・・・内側部材
4・・・外側部材片
14・・・外側部材
16・・・スリーブ堆積体と内側部材との間隙
17・・・スリーブ堆積体と外側部材との間隙
18・・・無機粉末
100,110・・・組立体
D1・・・スリーブ堆積体と内側部材との間隙の幅
D2・・・スリーブ堆積体と外側部材との間隙の幅
Claims (7)
- 同軸的に積み重ねた複数の超硬合金製中空円筒状スリーブからなる堆積体の内側及び外側にそれぞれ同軸的に内側部材及び外側部材を配置した状態で、真空中で前記スリーブの堆積体を加熱して複数の前記スリーブを接合一体化させることにより圧延ロール用超硬合金製外層を製造する方法であって、(a) 前記スリーブの接合温度を、前記スリーブに液相が生成する温度以上とし、(b) 前記内側部材及び前記外側部材を、前記スリーブの接合温度において軟化せず、かつ室温から前記接合温度までの範囲で前記超硬合金より小さい熱膨張係数を有する材料により形成し、かつ(c) 前記スリーブの堆積体と前記内側部材との間隔D 1 、及び前記スリーブの堆積体と前記外側部材との間隔D 2 を、
D 1 ≦3 mm、及び
D 2 =(C 1 ×r 1 −C 2 ×r 2 )×(T L ’−T R ) [ただし、C 1 はスリーブの室温から接合温度までの熱膨張係数、C 2 は外側部材の室温から接合温度までの熱膨張係数、r 1 はスリーブの外径、r 2 は外側部材の内径、T L ’はスリーブの液相生成温度より50〜200℃低い温度、T R は室温を表す。]を満たすように設定することを特徴とする方法。 - 同軸的に積み重ねた複数の超硬合金製中空円筒状スリーブからなる堆積体の内側及び外側にそれぞれ同軸的に内側部材及び外側部材を配置した状態で、真空中で前記スリーブの堆積体を加熱して複数の前記スリーブを接合一体化させることにより圧延ロール用超硬合金製外層を製造する方法であって、(a) 前記スリーブの接合温度を、前記スリーブに液相が生成する温度以上とし、(b) 前記内側部材及び前記外側部材を、前記スリーブの接合温度において軟化せず、かつ室温から前記接合温度までの範囲で前記超硬合金より小さい熱膨張係数を有する材料により形成し、かつ(c) 前記スリーブの堆積体と前記内側部材との間隙、及び前記スリーブの堆積体と前記外側部材との間隙にそれぞれ、前記接合温度において溶融しない不活性の無機粉末を充填し、もって接合時の加熱による前記スリーブ堆積体の撓みを前記無機粉末により抑制することを特徴とする方法。
- 請求項1又は2に記載の圧延ロール用超硬合金製外層の製造方法において、前記内側部材及び前記外側部材の室温から前記接合温度までの熱膨張係数が3×10-6/℃〜10×10-6/℃であることを特徴とする方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の圧延ロール用超硬合金製外層の製造方法において、前記接合温度が前記スリーブに液相が生成する温度+(30〜100)℃であることを特徴とする方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の圧延ロール用超硬合金製外層の製造方法において、前記内側部材及び前記外側部材が黒鉛又はキャスタブル耐火物からなることを特徴とする方法。
- 請求項2に記載の圧延ロール用超硬合金製外層の製造方法において、前記無機粉末がアルミナ粉末であることを特徴とする方法。
- 請求項6に記載の圧延ロール用超硬合金製外層の製造方法において、前記アルミナ粉末が10〜1000μmの平均粒径を有することを特徴とする方法。
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