JP6390345B2 - 冷凍にぎり寿司収納用二重容器及び冷凍にぎり寿司収納物 - Google Patents
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特許文献1に記載の冷凍にぎり寿司は、ネタにマイクロ波遮断フィルムで包囲してシャリ上に載せるとともに複数個収納できる容器に収納し蓋部材を取り付けて密封し急速冷凍したものである。
この従来のお湯を用いた解凍は、適宜の容器に35〜40℃程度のお湯を入れ、そのお湯の中に凍結したにぎり寿司を包装容器のまま浸すと、容器本体の第1の収納部がお湯の中に没入し、第2の収納部はお湯の中に入らず、包装容器全体を浮かんだ状態にして解凍している。
つまり、シャリの部分は周囲からお湯によって加温されて解凍し、ネタは、加温されたシャリからの熱伝達と周囲の外気温とによって解凍し、やはり、シャリが温かくネタが冷たい状態で食することができるようにしたものである。
この温水による解凍システムの第一の例は、冷凍にぎり寿司を配置したトレイを斜めに配置して、温水源から60℃〜90℃の温水が寿司の下あるいは寿司に沿ってネタに達しないように水量を制御して流れるようにして、約5分〜20分で解凍するようにしている。
そして、特許文献2に記載の冷凍にぎり寿司の解凍システムでは、ネタの上に冷却パックを配設して、ネタを冷たく保持するようにしている。
さらに、特許文献1に記載の冷凍にぎり寿司の解凍手段は、容器に35〜40℃程度のお湯を入れて、冷凍にぎり寿司のパッケージを解凍するには、多量のお湯と大きな容器が必要となる課題もあった。
本発明は、このような従来の冷凍にぎり寿司の解凍手段又は解凍システムが有していた課題を解決しようとするものであり、温水解凍可能な冷凍にぎり寿司収納用二重容器及びそれを用いた温水解凍可能な冷凍にぎり寿司収納物を提供することを目的としている。
前記第1の容器を収容する第2の容器と、から構成され、
前記第1の容器と前記第2の容器の隙間に湯を注ぐことにより、前記第1の容器に収納された冷凍にぎり寿司を加温可能とする冷凍にぎり寿司収納用二重容器であって、
前記第1の容器は、
上部が開放され、上端に外向きの鍔部が形成され、高さ方向の中程に中間底面が形成され、前記中間底面から下方に窪み前記各冷凍されたシャリが接触収納される各凹部を間隔をあけて前記所定数形成した第1のトレイと、
前記第1のトレイの鍔部に取り外し可能に固着させて上部の開放された部分を塞ぐ第1の蓋体とを備え、
前記第2の容器は、
上部が開放され、前記第1の容器の高さよりも大きな深さを備える第2のトレイと、前記第2のトレイの上部の開放された部分を塞ぐ第2の蓋体とを備え、
前記第1の容器の上端縁の外方と前記第2の容器の内側面との間には、少なくとも一つの注湯可能な開口部が形成され、
前記第1のトレイの凹部に前記冷凍されたシャリが接触するように前記冷凍にぎり寿司を収納した状態において、前記冷凍されたシャリの上に直に載置された前記冷凍されたネタの下端と前記中間底面との間に間隙が生じるように、前記第1のトレイの中間底面及び凹部が形成されたものである。
前記第2の蓋体は前記第2のトレイの鍔部に剥離可能に接着されており、
前記第2の蓋体は、前記注湯可能な開口部の近傍に、剥離用摘み部を備えたものである。
しかも、冷凍されたシャリが接触収納される第1のトレイは、高さ方向の中程に中間底面が形成され、中間底面から下方に窪んだ各凹部を間隔をあけて所定数形成しているから、冷凍されたシャリをお湯により適温に解凍できながら、ネタを冷たい状態に解凍することができるのである。
本発明の第一の実施の形態を図1乃至図10に基づいて、本発明の第二の実施の形態を図11及び図12に基づいて、本発明の第三の実施の形態を図13及び図14に基づいてそれぞれ説明する。
1は、冷凍されたシャリ21と冷凍されたネタ22とからなる冷凍にぎり寿司2を10個並べて収納するため第1の容器3と、第1の容器3を収容する第2の容器6とから構成された冷凍にぎり寿司収納用二重容器である。
第1の容器3は、ポリプロピレン製の厚さ0.4mmの耐熱性の第1のトレイ4と、第1のトレイ4の上端に幅7mmの外向きに形成された鍔部41に取り外し可能に固着させて上部の解放された部分を塞ぐ第1の蓋体5とを備えている。
また、第1のトレイ4は、高さ33mmで高さ方向の中程に中間底面42が形成され、中間底面42から下方に14mm窪み各冷凍されたシャリ21が接触収納される各凹部43を10個形成している。
第1のトレイ4は、平面視において矩形状の対向する各隅部に、凹部43の20度の傾斜に沿って20度傾斜させた傾斜壁部44を形成している。
さらに、第1のトレイ4には、平面視において凹部43の長手方向の対向する前端部と後端部とに、凹部43に連続して指掛け用の窪み部46を一対形成している。
第1のトレイ43の各凹部43には、その底面及び側面に外方に突出する幅2.5mmで深さ1.3mmの溝状リブ47を交差状に複数本形成して、解凍後のシャリが第1のトレイ4に貼り付かず、解凍時の温水との伝熱面の減少が少なく、かつ、強度を保持できるようにしている。
次に、第1の容器3の第1の蓋体5は、第1のトレイ4の鍔部41の外形と同様な外形を備え、接着部41aの鋭角帯状部46aの外方に、解凍されたにぎり寿司を食するときに第1のトレイ4の上端を開口する開口用摘み部51を形成している。
すなわち、第1のトレイ4の凹部43に冷凍されたシャリ21が接触するように冷凍にぎり寿司2を収納した状態において、冷凍されたシャリ21の上に直に載置された冷凍されたネタ22の下端と中間底面42との間に間隙が生じるように、第1のトレイ4の中間底面42及び凹部43が形成されている。
第1の容器3の上端をシールする第1の蓋体5と冷凍にぎり寿司2の上端との間に1mm〜5mmの間隙が生ずるようにしており、この程度の間隙であれば、にぎり寿司を急速冷凍して、高温水で解凍し、湯切りを行う際に、解凍された冷凍にぎり寿司収納物11を傾けても解凍されたにぎり寿司23(図10(d)参照)は第1の蓋体5に遮られて収納状態が乱雑にされることがなく、第1の蓋体5を剥離してにぎり寿司23を食することができるのである。
第2のトレイ7は、例えば、外側にハイインパクトポリスチレンフィルム(厚さ100μm)を積層したポリスチレンペーパー製の発泡スチロールからなる厚さ3mmの耐熱性の断熱材により形成し、高さ53mmで上端に幅13mmの外向きの鍔部71を形成している。
第2の蓋体8は、少なくとも基材層と熱接着性樹脂層とが積層された積層フィルムであり、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)と片面コート紙79.4g/m2 とを2液型ウレタン接着剤により積層した積層体(基材層に相当)を作製し、片面コート紙にアルミニウム箔(厚さ7μm)を溶融押出しされたポリエチレン(厚さ15μm)により積層しアルミニウム箔面に熱接着性樹脂層としてのポリエチレン(厚さ20μm)を溶融押出しにより積層した積層フィルムであり、第二のトレイ7の鍔部71の全面に熱接着性樹脂層が対向するようにヒートシールにより剥離可能に接着させている。
第2の蓋体8は、剥離用摘み部81と対向する側縁部に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムから片面コート紙に達するミシン目状の切目線82が形成され剥離用摘み部81と対向する端縁には湯切り用摘み部82aを備えており、図10(c)に示す湯切り口73を第2のトレイ7に形成できるようにしている。
さらに、第2の蓋体8には、解凍時の捲る位置84を表示して第2の蓋体8を部分的に剥離するようにしており、第2のトレイ7の上端のシールによる第2の容器6内の圧力変動を防止し、第2のトレイ7の上端の全開による温水からの熱放散を防止している。
第2のトレイ7の注入位置表示部74は、所定温度例えば95℃の高温水を注入したときに、冷凍にぎり寿司2を収納した前記第1の容器3が浮き上がった状態で、冷凍にぎり寿司を解凍することができ、かつ、解凍時間が例えば20分程度となるように、高温水の注入量を設定するのである。
また、第2トレイ7の中央部は3mm高くして、強度を保持している。
冷凍にぎり寿司2を高温水で解凍する際に、高温水を注入位置表示部74まで注入すると、冷凍にぎり寿司2を収納した第1の容器3は高温水の浮力により上面が第2の容器6の第2の蓋体8に接し、中間底面42が高温水の水面下5mmに位置するように、各凹部43を含む第1のトレイ4の下方部の容積を、冷凍にぎり寿司2を収納した第1の容器3の重量に見合う高温水による浮力となるように形成している。
また、冷凍されたネタ22は、各凹部43を含む第1のトレイ4で直接熱交換をすることがないように中間底面42よりも上方に突出した冷凍されたシャリ21の上面に載置されているから、冷凍されたシャリ21と冷凍されたネタ22の解凍後の温度をそれぞれ適温にできるのである。
次に、第一の実施の形態の冷凍にぎり寿司収納物11の高温水による解凍方法について説明する。
そして、図10(a)に示すように、開口部72から第2のトレイ7の注入位置表示部74(段部74a)まで、約95℃の高温水を第2のトレイ7に注入するのである。
この状態を20分間保持することにより、注入時の95℃の高温水が55℃に低下して、熱を主として第1のトレイ4の凹部43から冷凍されたシャリ21に伝達して冷凍されたシャリ21を解凍するのである。
第2のトレイ7内の高温水は対流により熱をシャリなどに奪われて温水温度が約55℃に下がって、冷凍にぎり寿司2の解凍が終了するのであり、第2の容器6の内部温度を感知する前記インジケータ83は色が変化して解凍できたことを表示するのである。
ただし、解凍時間を例えば30分と長くしたとしても、温水の温度が徐々に低下し、シャリの温度が徐々に上昇するので温度差が小さくなり、シャリとネタの解凍後の温度に大きな変動はなく、厳密な解凍時間を気にする必要はない。
次に、図10(d)に示すように、第2の蓋体8を第2のトレイ7から剥離して、第1の容器3を一対の傾斜壁部44の上部の鍔部41を持って第2のトレイ7から取り出して、第1の蓋体5を第1のトレイ4から剥離することにより、解凍されたにぎり寿司23を食することができるのである。
第一の実施の形態では、第2の蓋体8は積層フィルムを用いて第二のトレイ7の鍔部71にヒートシールにより剥離可能に固着させたが、後記する本発明の第三の実施の形態に示すように、積層フィルムに替えて、第2のトレイの上端に嵌合させるオーバーキャップタイプとすることもできる。
さらに、第1の容器3の上端縁の外方と第2の容器6の内側面との間に形成された一対の開口部72の一方を注湯用とし、他方を湯切り用とすることもできる。
また、第一の実施の形態では、第1のトレイ4の各凹部43のそれぞれ底面及び側面には、それぞれ外方に突出する溝状リブ47を交差状に複数本形成したが、これら溝状リブ47を省略することもできる。
また、第1のトレイ4には、平面視において凹部43の長手方向の対向する前端部と後端部とに、凹部43に連続して指掛け用の窪み部46を一対形成したが、指掛け用の窪み部46は省略してもよい。
第一の実施の形態では、第1のトレイ4の各凹部43に冷凍されたシャリ21が接触するよう冷凍にぎり寿司2を収納した状態において、第1の蓋体5と冷凍にぎり寿司21の上端との間に1mm〜5mmの間隙が生ずるようにしたが、第1の蓋体5と冷凍にぎり寿司21の上端との間隙をこの範囲にしなくてもよいことはもちろんである。
第二の実施の形態は、第1の蓋体5aの構成を、第一の実施の形態の第1の蓋体5と異なる構成とした冷凍にぎり寿司用二重容器1a及び冷凍にぎり寿司収納物11aとしたものである。
第1の容器3aの第1の蓋体5aは、厚さ0.4mmのポリプロピレン製であり、図11に示すように、平面視において第一の実施の形態における第1の蓋体5と外形が同じであり、中央部に上方に膨出した第1の膨出部52と、第1の膨出部52の中央部から上方に膨出した第2の膨出部53とを二段に膨出させて形成している。
また、第1の蓋体5aの外周縁部には、第1のトレイ4の鍔部41の外周縁部と取り外し可能に嵌合して固着する嵌合片55を垂下して形成するとともに、解凍されたにぎり寿司を食するときに第1のトレイ4の上端を開口する開口用摘み部51aを形成している。
第二の実施の形態における他の構成については、第一の実施の形態と同様であるので、同一の符号を付して、説明を省略する。
第三の実施の形態は、第1のトレイ4a及び第2のトレイ7aと第2の蓋体8aとからなる第2の容器6aの構成を、第一の実施の形態の第1のトレイ4及び第2のトレイ7と第2の蓋体8とからなる第2の容器6と異なる構成としたものである。
第1のトレイ4aは、第1の容器3bの上端縁の外方と第2の容器6aの内側面との間に形成した一対の開口部72における前記上端縁に、一対のヒンジフラップ49を形成している。
また、第2の容器6aは、上部が開放され、第1の容器3bの高さよりも大きな深さを備える直方体状の第2のトレイ7aと、第2のトレイ7の上部の解放された部分を塞ぐ第2の蓋体8aとを備えている。
第2のトレイ7aは高さ53mmで、5mmの高さに亘って上端内周を大きくして厚みを1.5mmとし、第2の蓋体8aは高さが20mmで5mmの高さに亘って下端外周を小さくして厚みを1.5mmとして、第2のトレイ7aの上端内周に第2の蓋体8aの下端外周を嵌合して第2の容器6aとしている。
そして、冷凍にぎり寿司収納物11cの解凍に当たっては、図14(a)に示すように、第2の蓋体8aを開けてお湯を第2のトレイ7aに注ぎ、図14(b)に示すように、解凍中は蒸気及びシャリからの熱伝達により冷凍されたネタ22の解凍を行い、図14(c)及び(d)に示すように、第2のトレイ7aから取外して裏返しに置いた第2の蓋体8aに、解凍されたにぎり寿司23が収納された第1の容器3bを第2のトレイ7aから取出して置き、第2のトレ7aの湯を捨てるのである。
第三の実施の形態における他の構成については、第一の実施の形態と同様であるので、同一の符号を付して、説明を省略する。
11、11a11b 冷凍にぎり寿司収納物
2 冷凍にぎり寿司
21 冷凍されたシャリ
22 冷凍されたネタ
3、3a、3b 第1の容器
4、4a 第1のトレイ
41 鍔部
42 中間底面
43 凹部
47 溝状リブ
5、5a、5b 第1の蓋体
51、51a 開口用摘み部
6、6a、6b 第2の容器
7、7a、7b 第2のトレイ
71 鍔部
72 開口部
8、8a 第2の蓋体
81 剥離用摘み部
83 インジケータ
Claims (6)
- 冷凍されたシャリと冷凍されたネタとからなる冷凍にぎり寿司を所定数並べて収納するための第1の容器と、
前記第1の容器を収容する第2の容器と、から構成され、
前記第1の容器と前記第2の容器の隙間に湯を注ぐことにより、前記第1の容器に収納された冷凍にぎり寿司を加温可能とする冷凍にぎり寿司収納用二重容器であって、
前記第1の容器は、
上部が開放され、上端に外向きの鍔部が形成され、高さ方向の中程に中間底面が形成され、前記中間底面から下方に窪み前記各冷凍されたシャリが接触収納される各凹部を間隔をあけて前記所定数形成した第1のトレイと、
前記第1のトレイの鍔部に取り外し可能に固着させて上部の開放された部分を塞ぐ第1の蓋体とを備え、
前記第2の容器は、
上部が開放され、前記第1の容器の高さよりも大きな深さを備える第2のトレイと、前記第2のトレイの上部の開放された部分を塞ぐ第2の蓋体とを備え、
前記第1の容器の上端縁の外方と前記第2の容器の内側面との間には、少なくとも一つの注湯可能な開口部が形成され、
前記第1のトレイの凹部に前記冷凍されたシャリが接触するように前記冷凍にぎり寿司を収納した状態において、前記冷凍されたシャリの上に直に載置された前記冷凍されたネタの下端と前記中間底面との間に間隙が生じるように、前記第1のトレイの中間底面及び凹部が形成されている
ことを特徴とする冷凍にぎり寿司収納用二重容器。 - 前記第2のトレイの上端には外向きの鍔部が形成され、
前記第2の蓋体は前記第2のトレイの鍔部に剥離可能に接着されており、
前記第2の蓋体は、前記注湯可能な開口部の近傍に、剥離用摘み部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍にぎり寿司収納用二重容器。 - 前記第1のトレイの各凹部は、それぞれ底面及び側面を備えており、前記底面及び側面は、それぞれ外方に突出する溝状リブが交差状に複数本形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷凍にぎり寿司収納用二重容器。 - 前記第1のトレイの凹部に前記冷凍されたシャリが接触するよう前記冷凍にぎり寿司を収納した状態において、前記冷凍されたネタの上端との間に1mm〜5mmの間隙が生じるように、前記第1の蓋体が備えられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷凍にぎり寿司収納用二重容器。 - 前記第2の蓋体は、前記第2の容器の内部温度を感知して設定温度で変化するインジケータを備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の冷凍にぎり寿司収納用二重容器。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の冷凍にぎり寿司収納用二重容器に、冷凍にぎり寿司を収納したことを特徴とする冷凍にぎり寿司収納物。
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