JP6389972B1 - ブリケットマシンの製造方法及びその再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塊状物の成形を経済的に実施可能なブリケットマシン及びその製造方法並びにその再生方法を提供する。【解決手段】ブリケットマシン10は、周囲に複数の凹状開口部11が形成されたブリケット部12を備える、対向配置された回転ロール13、14を有し、使用にあっては、回転ロール13、14を互いに逆方向に回転させ、その間に供給された粉末原料を各凹状開口部11に収容し、各ブリケット部12の凹状開口部11を互いに合致させることで、粉末原料を塊状物15にして排出するものであり、各ブリケット部12の外周面に溶解除去可能な硬質皮膜層20が形成されている。硬質皮膜層20は、各ブリケット部12の外周面に溶射材を溶射して形成する。その再生方法は、ブリケット部12を溶解させることなく、各ブリケット部12の外周面から使用済みの硬質皮膜層20を溶解除去した後、その外周面に新たな硬質皮膜層20を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、粉末原料を塊状物に成形するブリケットマシンの製造方法及びその再生方法に関する。
粉末原料を塊状物に成形する装置として、例えば、特許文献1に開示のブリケットマシンがある。
このブリケットマシンは、外周面にポケットが形成され、粉粒状の原料(粉末原料)を圧縮形成してブリケット(塊状物)とする1対のブリケットロールを有するものであり、その外周面には高硬度材が溶射され研磨されている。
特開2007−50359号公報
しかしながら、外周面に高硬度材が溶射されていても、使用によって高硬度材が損傷してポケットの形状が変化するため、目的とする形状のブリケットに成形できなくなる。
この場合、ブリケットロールを交換する必要があるが、損傷した高硬度材だけでなくブリケットロール全体を交換しなければならず、コストがかかって不経済である。なお、ブリケットロールには、ブリケットロール全体を高硬度材で製造したものもあるが、この場合も同様である。
更に、高硬度材の損傷は局所的に発生し易くなる場合があり、ブリケットロールを早期に交換しなければならないこともある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、塊状物の成形を経済的に実施可能なブリケットマシンの製造方法及びその再生方法を提供することを目的とする。
参考例に係るブリケットマシンは、周囲に複数の凹状開口部が形成されたブリケット部、及び、該ブリケット部の両側に設けられた回転軸を備える、対向配置された対となる回転ロールを有し、使用にあっては、対となる前記回転ロールを互いに同期して逆方向に回転させ、前記ブリケット部間に供給された粉末原料を前記各凹状開口部に収容し、前記各ブリケット部に形成された前記凹状開口部を互いに合致させることで、前記粉末原料を塊状物にして排出するブリケットマシンにおいて、
前記各ブリケット部の外周面に溶解除去可能な硬質皮膜層が形成され、しかも、該硬質皮膜層を溶解除去する際には前記ブリケット部が溶解しない。
参考例に係るブリケットマシンにおいて、前記各凹状開口部の内表面の傾斜は、前記ブリケット部の回転方向上流側が回転方向下流側よりも緩やかであることが好ましい。
参考例に係るブリケットマシンにおいて、前記凹状開口部は、前記ブリケット部の軸方向中心位置を基準としてその両側に1列ずつ形成され、前記ブリケット部の軸方向における前記各凹状開口部の内表面の傾斜は、前記ブリケット部の軸方向中央側が軸方向両側よりも緩やかであることが好ましい。
参考例に係るブリケットマシンにおいて、前記ブリケット部は、周方向に複数に分割され、それぞれに複数の前記凹状開口部が形成されたセグメント部と、該各セグメント部が取付け取外し可能となった取付け部とを有し、該取付け部の両側に前記回転軸を設けることができる。
第1の発明に係るブリケットマシンの製造方法において、前記粉末原料が工業用原料又は農業用原料であることで、本発明の効果がより顕著になる。
前記目的に沿う第の発明に係るブリケットマシンの製造方法は、周囲に複数の凹状開口部が形成されたブリケット部、及び、該ブリケット部の両側に設けられた回転軸を備える、対向配置された対となる回転ロールを有し、使用にあっては、対となる前記回転ロールを互いに同期して逆方向に回転させ、前記ブリケット部間に供給された粉末原料を前記各凹状開口部に収容し、前記各ブリケット部に形成された前記凹状開口部を互いに合致させることで、前記粉末原料を塊状物にして排出するブリケットマシンの製造方法において、
前記各ブリケット部の外周面に粗面化処理を行い、
粗面化処理した前記ブリケット部に下記の(1)〜(4)のいずれか1からなる溶射材を溶射して、前記ブリケット部を溶解させることのないアルカリ性又は酸性の溶剤を用いた電解処理により溶解除去可能な硬質皮膜層を形成する
(1)コバルト(Co)を3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材aを有する溶射材。
(2)コバルト(Co)とクロム(Cr)を合計で3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材bを有する溶射材。
(3)溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケル粉末(Ni粉末)を5〜30質量%とを含み、しかも、溶射基材cは、炭化クロム(Cr )を5〜35質量%と、ニッケル(Ni)を3〜20質量%とを含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射材。
(4)上記した溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケルクロム粉末(Ni−Cr粉末)を5〜30質量%とを含む溶射材。
の発明に係るブリケットマシンの製造方法において、前記各凹状開口部の内表面への溶射材の溶射を、前記ブリケット部の回転方向上流側に対して行った後、回転方向下流側に対して行うことが好ましい。
更に、前記各凹状開口部の内表面の傾斜は、前記ブリケット部の回転方向上流側を回転方向下流側よりも緩やかにすることが好ましい。
の発明に係るブリケットマシンの製造方法において、前記凹状開口部を、前記ブリケット部の軸方向中心位置を基準としてその両側に1列ずつ形成し、前記ブリケット部の軸方向における前記各凹状開口部の内表面の傾斜は、前記ブリケット部の軸方向中央側を軸方向両側よりも緩やかにすることが好ましい。
ここで、前記ブリケット部の軸方向における前記各凹状開口部の内表面への溶射材の溶射を、前記ブリケット部の軸方向中央側に対して行った後、軸方向両側に対して行うことが好ましい
の発明に係るブリケットマシンの製造方法において、前記ブリケット部は、周方向に複数に分割され、それぞれに複数の前記凹状開口部が形成されたセグメント部と、該各セグメント部が取付け取外し可能となった取付け部とを有し、該取付け部の両側に前記回転軸が設けられ、
前記各セグメント部の外周面への前記溶射材の溶射を、前記セグメント部ごとに行うことができる。
前記目的に沿う第の発明に係るブリケットマシンの再生方法は、周囲に複数の凹状開口部が形成されたブリケット部、及び、該ブリケット部の両側に設けられた回転軸を備える、対向配置された対となる回転ロールを有し、使用にあっては、対となる前記回転ロールを互いに同期して逆方向に回転させ、前記ブリケット部間に供給された粉末原料を前記各凹状開口部に収容し、前記各ブリケット部に形成された前記凹状開口部を互いに合致させることで、前記粉末原料を塊状物にして排出するブリケットマシンの再生方法であって、
前記ブリケット部の外周面に、下記の(1)〜(4)のいずれか1からなる溶射材を予め溶射して形成された硬質皮膜層の除去は、前記ブリケット部を溶解させることのないアルカリ性又は酸性の溶剤を用いる電解処理によって行い、
使用済みの硬質皮膜層を溶解除去した後、該ブリケット部の外周面に、前記溶射材を溶射して、新たな硬質皮膜層を形成する。
(1)コバルト(Co)を3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材aを有する溶射材。
(2)コバルト(Co)とクロム(Cr)を合計で3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材bを有する溶射材。
(3)溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケル粉末(Ni粉末)を5〜30質量%とを含み、しかも、溶射基材cは、炭化クロム(Cr )を5〜35質量%と、ニッケル(Ni)を3〜20質量%とを含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射材。
(4)上記した溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケルクロム粉末(Ni−Cr粉末)を5〜30質量%とを含む溶射材。
の発明に係るブリケットマシンの再生方法において、前記ブリケット部は、周方向に複数に分割され、それぞれに複数の前記凹状開口部が形成されたセグメント部と、該各セグメント部が取付け取外し可能となった取付け部とを有し、該取付け部の両側に前記回転軸が設けられ、
前記使用済みの硬質皮膜層の溶解除去と前記新たな硬質皮膜層の形成を、前記セグメント部ごとに行うことができる。
本発明に係るブリケットマシンの製造方法及びその再生方法は、ブリケット部の外周面に溶解除去可能な硬質皮膜層を形成するので、硬質皮膜層が損耗した場合は、この硬質皮膜層を除去して新たな硬質皮膜層を形成できる。これにより、硬質皮膜層が損耗するごとに回転ロール全体を交換する必要がなくなるため、塊状物の成形を経済的に実施できる。
特に、ブリケット部の回転方向及び/又は軸方向における、凹状開口部の内表面の傾斜を規定した場合は、凹状開口部の局所的な負荷を低減でき、また、凹状開口部の内表面に対する溶射材の溶射の順番を規定した場合は、凹状開口部の内表面への硬質皮膜層の密着力を高めることができる。これにより、更なる長寿命化を図れるため、塊状物の成形を更に経済的に実施できる。
本発明の一実施の形態に係るブリケットマシンの使用状態の説明図である。 (A)は同ブリケットマシンのブリケットロールを構成するセグメント部の平面図、(B)は(A)のa−a´矢視断面図、(C)は側面図である。 (A)、(B)はそれぞれ各種材料の摩擦係数と摩耗特性を示すグラフである。 ブリケットマシンの操業時間とブリケットロールに形成されたポケットの底位置における摩耗量との関係を示すグラフである。 (A)は実施例に係るブリケットマシンのブリケットロールを構成するセグメント部の平面図、(B)は(A)のb−b´断面図、(C)は(B)における外周面プロフィール、(D)は(A)のc−c´断面図、(E)は(D)における外周面プロフィール、である。 (A)は同ブリケットマシンのブリケットロールを構成するセグメント部の平面図、(B)は(A)のd−d´断面図、(C)は(B)における外周面プロフィール、(D)は(A)のe−e´断面図、(E)は(D)における外周面プロフィール、である。 (A)、(B)はそれぞれ変形例に係るブリケットマシンの製造方法の説明図である。 基材上に硬質皮膜層を形成した試験片の耐衝撃性を示したグラフである。 (A)、(B)はそれぞれ変形例に係るブリケットマシンのブリケットロールに形成されたポケットの側断面図、正断面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2(A)〜(C)に示すように、本発明の一実施の形態に係るブリケットマシン10は、周囲に複数のポケット(凹状開口部の一例)11が形成されたブリケット部12、及び、このブリケット部12の両側に設けられた回転軸(図示しない)を備える、対向配置された対となるブリケットロール(回転ロールの一例)13、14を有し、粉末原料を上方から各ブリケットロール13、14のブリケット部12とブリケット部12との間に供給することで塊成化処理される塊状物(ブリケット)15の成形を、経済的に実施可能なものである。以下、詳しく説明する。
ブリケットマシン10で成形する粉末原料には、工業用原料(例えば、生石灰や製鉄原料等)や農業用原料(例えば、肥料等)があるが、塊成化処理が可能な粉状や粒状のものであれば、特に限定されるものでない。
対となるブリケットロール13、14のロール本体は同一形状であり、円盤状となったブリケット部12の作用部の直径が、例えば、150〜300mm程度、幅(軸方向の長さ)Wが、例えば、30〜100mm程度である。この対向配置されるブリケット部12は、僅少の隙間を有して配置されているが、接してもよい。なお、ブリケット部の寸法は、使用用途によって種々変更可能であり、特に限定されるものではない。
各ブリケットロール13、14は、それぞれの回転中心(軸心)が水平かつ平行となるように、ケーシング(図示しない)に回転可能に設けられている。
ブリケット部12は、周方向に複数(図1では12個)に分割された同一形状のセグメント部16と、各セグメント部16が取付け取外し可能となった取付け部(図示しない)とを有し、この取付け部の両側に軸心を合わせて回転軸が取付けられている。セグメント部16の軸方向両側には、固定部17、18が一体的に設けられ、セグメント部16の取付け部への取付け取外しは、固定部17、18に形成された貫通孔19にボルト(図示しない)を挿通することで行われる。
セグメント部16は、側面視して(側断面形状が)扇形(外周の輪郭形状が円弧状)となっており、複数(例えば3個以上、ここでは12個)のセグメント部16を取付け部の周囲に環状に配置し、周方向に当接(隣接)させることで、ブリケット部12となる。
各セグメント部16の構成材料としては、その外周面に形成される後述する硬質皮膜層20の溶解除去の際に、溶解しない材料であればよく、通常の鋼材(例えば、S45C)を使用できるが、使用用途によって種々変更可能であり、例えば、耐摩耗性を備えた軸受鋼(記号:SUJ)等の鋼材や、高硬度鋼や低炭素鋼等を使用することもできる。
セグメント部16(ブリケット部12)には複数のポケット11が、その周方向に渡って所定のピッチで形成されている。なお、セグメント部16に形成されるポケット11の数は、ブリケット部12に形成されるポケット11の全個数を、分割されたセグメント部16の個数(12個)で除した値となる。
ポケット11は、ブリケット部12の軸方向中心位置を基準としてその両側に1列ずつ(合計2列)形成されているが、例えば、粉末原料の種類や塊状物の形状等に応じて、軸方向中心位置に1列でもよく、また、3列以上の複数列でもよく、更には、不規則(ランダム)でもよい。
ポケット11の形状は、成形する塊状物15の形状に基づいて設定され、各ブリケット部12に形成されたポケット11を互いに合致させた形状が、塊状物15の形状を転写した形状となる。ここでは、塊状物15の形状が、円柱部の両端面に半球部を当接させた形状(アーモンド状)となっているため、ポケット11の形状は、塊状物15をその軸心を通る面で半割りした形状が転写された形状(例えば、深さ:3〜8mm、長軸長さ:20〜40mm、短軸長さ:15〜25mm)となっている。
なお、ポケットの形状は、上記した形状に限定されるものではなく、塊状物の形状に応じて種々変更できる。
セグメント部16(ブリケット部12)の外周面には、必要に応じてブラスト処理(粗面化処理)がなされていることが好ましい。
このブラスト処理は、セグメント部16と、その表面に形成される硬質皮膜層20との密着性を高めるために行う処理であり、例えば、塊状の金属や砂等を用いたサンドブラストにより実施できる。なお、ブラスト処理によるセグメント部16の表面粗度は、特に限定されるものではなく、セグメント部16と硬質皮膜層20との密着性を考慮して、適宜設定できる。
セグメント部16(ブリケット部12)の外周面には、溶解除去可能な硬質皮膜層20が形成されている。
ポケット11を除く領域(外部に露出する領域)に形成された硬質皮膜層20の厚み(層厚)は、特に限定しないが、例えば、0.1〜2mm(更には、下限が0.5mm、上限が1.2mm)の範囲で設定できる。また、ポケット11の内表面に形成される硬質皮膜層20の厚みは、ポケット11を除く領域に形成された硬質皮膜層20の厚みよりも厚くするのがよい(例えば、0.1mm以上、更には0.2mm以上厚くする)。
ここで、硬質皮膜層の厚みが0.1mm未満の場合、硬質皮膜層の厚みが薄過ぎて長寿命化が図れないおそれがある。一方、硬質皮膜層の厚みが2mmを超える場合、硬質皮膜層が厚過ぎて剥がれ易くなるおそれがある。
硬質皮膜層20の成分組成には、例えば、以下に示す(1)〜(4)がある。
(1)硬質皮膜層Aは、コバルト(Co)を3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材aを有する。
(2)硬質皮膜層Bは、コバルト(Co)とクロム(Cr)を合計で3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材bを有する。
(3)硬質皮膜層Cは、溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケル粉末(Ni粉末)を5〜30質量%とを含み、しかも、溶射基材cは、炭化クロム(Cr)を5〜35質量%と、ニッケル(Ni)を3〜20質量%とを含み、残部が炭化タングステン(WC)である。
(4)硬質皮膜層Dは、上記した溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケルクロム粉末(Ni−Cr粉末)を5〜30質量%とを含む。
まず、上記した(1)の硬質皮膜層Aについて説明する。
硬質皮膜層Aは、粒状の溶射基材a、及び、不可避的不純物からなり、この溶射基材a(溶射材、溶射粒子)を、セグメント部16の表面に溶射することで形成される。
この溶射基材aは、前記したように、Coを3〜30質量%(好ましくは、下限を5質量%、更には7質量%、上限を25質量%、更には20質量%)と、WCとからなる。なお、WCは、溶射基材aからCoを除いた残部のうち、その90質量%以上(更には95質量%以上)含まれていればよく、例えば、鉄(Fe)等の不可避的不純物が含まれてもよい。
次に、上記した(2)の硬質皮膜層Bについて説明する。
硬質皮膜層Bは、粒状の溶射基材b、及び、不可避的不純物からなり、この溶射基材b(溶射材、溶射粒子)を、セグメント部16の表面に溶射することで形成される。
この溶射基材bは、前記したように、CoとCrを合計で3〜30質量%(好ましくは、下限を5質量%、更には8質量%、上限を25質量%、更には20質量%)と、WCとからなる。ここで、Coを2〜18質量%(好ましくは、下限を6質量%、上限を13質量%)、Crを1〜12質量%(好ましくは、下限を2質量%、上限を7質量%)とするのがよい。
なお、WCは、溶射基材bからCoとCrを除いた残部のうち、その90質量%以上(更には95質量%以上)含まれていればよく、例えば、鉄(Fe)等の不可避的不純物が含まれてもよい。
続いて、上記した(3)の硬質皮膜層Cについて説明する。
硬質皮膜層Cは、粒状の溶射基材c、Ni粉末、及び、不可避的不純物からなり、70〜95質量%の量の溶射基材cと、この量に対応した30〜5質量%の量のNi粉末とを混合し、この混合した溶射材(溶射粒子)を、セグメント部16の表面に溶射することで形成される。なお、溶射材中の溶射基材cとNi粉末の各量が、上記した割合を満足すれば、他の元素が含まれてもよい。
上記した硬質皮膜層Cは、粒状の溶射基材cの粒界に、Niが存在するため、硬質皮膜層の脆さを低減でき、靱性の向上が図れる。
即ち、溶射材中のNi粉末の量が5質量%未満の場合、溶射基材cの粒界に存在するNiの量が少な過ぎて、靱性の改善効果が得られなくなる。一方、溶射材中のNi粉末の量が30質量%を超える場合、硬質皮膜層に含まれる溶射基材cの量が少な過ぎて、硬質皮膜層の耐摩耗性の低下を招く。なお、Niは、溶射基材cの全ての粒界に存在することが好ましいが、部分的であってもよい。
従って、溶射材中のNi粉末の量を5〜30質量%としたが、下限を8質量%、更には10質量%、上限を25質量%、更には20質量%とすることが好ましい。
溶射基材cは、前記したように、Crを5〜35質量%(好ましくは、下限を10質量%、更には15質量%、上限を30質量%、更には25質量%)と、Niを3〜20質量%(好ましくは、下限を5質量%、上限を15質量%、更には12質量%)とを含み、残部WCで構成されている。なお、WCは、溶射基材cから、CrとNiを除いた残部のうち、その90質量%以上(更には95質量%以上)含まれていればよく、例えば、鉄(Fe)等の不可避的不純物が含まれてもよい。
最後に、上記した(4)の硬質皮膜層Dについて説明する。
なお、(4)の硬質皮膜層Dは、上記した(3)の硬質皮膜層Cとは、ブレンド材の種類のみが異なるため、ブレンド材について説明する。
硬質皮膜層Dは、硬質皮膜層Cを構成するNiと同様、粒状の溶射基材cの粒界に、Ni−Crが存在することで、硬質皮膜層の脆さを低減でき、靱性の向上が図れる。このため、溶射材(溶射粒子)中のNi−Cr粉末の配合割合も、硬質皮膜層CのNi粉末と同様(5〜30質量%:好ましくは、下限を8質量%、更には10質量%、上限を25質量%、更には20質量%)である。
上記した硬質皮膜層A〜D(即ち、硬質皮膜層20)は、火炎溶射機でセグメント部16の表面(作用面)に溶射材を溶射することで形成される。
この火炎溶射機は、溶射材の速度を600m/秒(好ましくは700m/秒)以上にする高速火炎溶射機であるが、通常使用されている火炎溶射機を使用することもできる。なお、高速火炎溶射機を用いた場合には、硬質皮膜層20のセグメント部16への密着力を更に高めることもできる。
上記した理由により、溶射材の速度の上限については規定していないが、現実的には、例えば、1000m/秒程度である。
ここで、種々の試験を行った結果について説明する。
まず、各種材料の摩擦係数と摩耗特性(摩耗減少量)を調べた結果について、図3(A)、(B)を参照しながら説明する。
図3(A)に示す摩擦係数は、荷重が負荷されたボールを、回転するディスク上に押し当てるボールオンディスク試験により、図3(B)に示す摩耗特性は、筒状となったリングを、回転するディスク上に押し当てるリングオンディスク試験により、それぞれ求めた。なお、これらの試験は、従来から行われている試験方法である。
それぞれの試験に用いた材料は、粉末焼結ハイス(粉末ハイス)、WC/Co、WC/Co/Cr、及び、WC/CrC/Ni+NiCrの4種類である。
粉末焼結ハイスは、従来から使用されているブリケットロールの構成材料(硬質皮膜層は無し)であり、この試験では、Hv950(JIS B7725(2010))、粗度の指標である最大高さRy(JIS B0601(1994))が0.9〜1.5μmである試験片を用いた。
WC/Coは上記した(1)の硬質皮膜層Aである。
WC/Co/Crは、S45Cを焼入れしHv650とした基材上に、上記した(2)の硬質皮膜層Bを形成したものである(層厚:1mm)。なお、Hv1200、最大高さRyが27〜29μmである。
WC/CrC/Ni+NiCrは、S45Cを焼入れしHv650とした基材上に、上記した(4)の硬質皮膜層Dを形成したものである(層厚:1mm)。なお、Hv1200、最大高さRyが27〜29μmである。
摩擦係数は、図3(A)に示すように、粉末焼結ハイスと比較して、WC/CoとWC/Co/Crの方が低下できることを確認できた。なお、WC/CrC/Ni+NiCrについては、粉末焼結ハイスと略同等であった。
摩耗による減少量は、図3(B)に示すように、粉末焼結ハイスと比較して、WC/Co、WC/Co/Cr、及び、WC/CrC/Ni+NiCrの方が低減できることが確認できた。特に、WC/Co/CrやWC/CrC/Ni+NiCrの使用により、摩耗減少量を大幅に低減できることが分かった。
以上のことから、硬質被覆層を形成することにより、粉末焼結ハイスと比較して、ブリケットロールの長寿命化が図れることが分かる。
次に、ブリケットマシンの操業時間とブリケットロールに形成されたポケットの底位置における摩耗量(厚み)との関係を調べた結果について、図4を参照しながら説明する。
ここでは、上記した試験に用いた材料である、粉末焼結ハイスで構成されたブリケットロール(従来例:△)と、S45Cを焼入れしHv650とした基材上にWC/Co/Crの硬質皮膜層Bを形成したブリケットロール(実施例:●)をそれぞれ用いて、ブリケットマシンを操業する運転試験を行った。なお、ブリケットマシンで塊状物に成形する粉末原料には生石灰を使用した。
図4に示すように、実施例は従来例と比較して、ポケットの底位置(中央部)における摩耗量(摩耗で消失した厚み)を低減できることが分かった。具体的には、340時間操業後のポケットの底位置における摩耗量は、従来例では、平均1.7mm、最大:2.0mm、実施例では、平均0.8mm、最大:1.3mm、であった。
従って、硬質被覆層を形成することにより、粉末焼結ハイスと比較して、ブリケットロールの長寿命化が図れることが分かる。
続いて、上記した試験において340時間操業した後の、実施例のブリケットロールを構成するセグメント部のポケット形状を調べた結果について、図5(A)〜(E)と図6(A)〜(E)を参照しながら説明する。
図5(A)、図6(A)に示すセグメント部は、図2(A)に示すセグメント部16と略同様の構成のものである。ここで、図5(A)に示すセグメント部の回転方向における断面位置、即ち、図5(B)、(D)の各断面位置で測定した外周面プロフィールが、図5(C)、(E)である。また、図6(A)に示すセグメント部の軸方向における断面位置、即ち、図6(B)、(D)の各断面位置で測定した外周面プロフィールが、図6(C)、(E)である。
図5(C)、(E)、図6(C)、(E)にはそれぞれ、使用前のセグメント部の外周面プロフィール(△印)と、340時間操業した使用後のセグメント部の外周面プロフィール(●印)を図示している。
図5(C)、(E)に示すように、セグメント部の回転方向におけるポケットの損傷は、回転方向下流側よりも回転方向上流側(ポケットの噛み合いが先に行われる側よりも後に行われる側)の方が大きいことが分かる。なお、損傷した部位の硬質被覆層は消失していた。また、図6(C)、(E)に示すように、セグメント部の軸方向におけるポケットの損傷は、軸方向両側(両端部)よりも軸方向中央側(中央部:軸方向に隣り合うポケットの隣接側)の方が大きいことが分かる。
上記したように、ポケットの損傷は、セグメント部の回転方向上流側に発生した初期損傷が起点となって進行している(硬質被覆層と比較して基材(S45C)の損傷は速いため、硬質被覆層が消失してむき出しになった基材が選択的に損傷している)。この初期損傷は硬質被覆層の剥離や欠けによる。
そこで、初期損傷が確認された、セグメント部の回転方向におけるポケットの内表面への硬質被覆層の密着力を改善するため、図7(A)に示すように、溶射材の溶射を、セグメント部の回転方向上流側(点線で囲まれた領域)に対して行った後、回転方向に沿ってポケット11の底位置に行い、更に、回転方向下流側に対して行うことにより、硬質被覆層を形成することが好ましい。
更に、初期損傷が確認された、セグメント部の軸方向におけるポケットの内表面への硬質被覆層の密着力を改善するため、図7(B)に示すように、溶射材の溶射を、セグメント部の軸方向中央側(中央部:点線で囲まれた領域)に対して行った後、軸方向に沿ってポケット11の底位置に行い、更に、軸方向両側(両端部)に対して行って、硬質被覆層を形成することが好ましい。
これにより、初期損傷が発生し易いポケットの内表面に、溶射時に発生するヒュームが付着することを抑制できるため、密着力が高められ、硬質被覆層の長寿命化が図れる。
また、硬質被覆層の欠けについては、メタル含有量の大きい靱性の高い硬質皮膜層を用いることで、硬質皮膜層の欠けの発生を抑制することができる。
そこで、耐衝撃性を調べた結果について、図8を参照しながら説明する。なお、図8には、基材上にWC/Coの硬質皮膜層(上記した(1)の硬質皮膜層A)を形成した試験片と、基材上にWC/CrC/Ni+NiCrの硬質皮膜層(上記した(4)の硬質皮膜層D)を形成した試験片をそれぞれ用いて、硬球落下衝撃試験を行った結果を示す。
試験の評価は、基材上から硬質皮膜層が剥離する(剥離発生)までの衝撃負荷を与えた回数をカウントして行った。
図8に示すように、基材上にWC/CrC/Ni+NiCrの硬質皮膜層を形成した場合、基材上にWC/Coの硬質皮膜層を形成した場合と比較して、剥離発生までの衝撃負荷回数を増加できることを確認できた。
これは、メタル含有量の大きい靱性の高い硬質皮膜層を用いることで、硬質皮膜層の欠けの発生を抑制できたことによる。
従って、硬質皮膜層としては、上記した(4)の硬質皮膜層Dや(3)の硬質皮膜層Cを使用することが好ましい。
また、硬質被覆層の選択的損傷に対しては、損傷部位にかかる負荷を低減させるポケット形状、即ち、図9(A)、(B)に示すポケット11a、11b、11cの形状とすることで対応できる。なお、図9(A)、(B)には、従来のポケットの形状を二点鎖線で示している。
図9(A)に示すように、セグメント部の回転方向におけるポケット11aの内表面の傾斜は、セグメント部の回転方向上流側が回転方向下流側よりも緩やかである(ここでは、回転方向上流側の曲率半径を回転方向下流側よりも大きくする)。なお、これに伴うポケット容積の減少は、回転方向上流側を除くポケットの深さを、従来よりも深くすることで対応できる(容積を一定にする場合)。
また、図9(B)に示すように、セグメント部の軸方向におけるポケット11b、11cの内表面の傾斜は、セグメント部の軸方向中央側(中央部)が軸方向両側(両端部)よりも緩やかである(ここでは、軸方向中央側の曲率半径を軸方向両側よりも大きくする)。なお、これに伴うポケット容積の減少は、軸方向中央側を除くポケットの深さを、従来よりも深くすることで対応できる(容積を一定にする場合)。
以上に示した硬質皮膜層20(硬質皮膜層A〜D)は、例えば、溶剤を用いることでセグメント部16の表面から溶解除去できるものであり、具体的には、前記した硬質皮膜層A〜Dが損耗した場合に、例えば、アルカリ又は酸の溶剤を用いて電解処理することにより、使用済みの硬質皮膜層A〜Dをセグメント部16の表面から除去できる。なお、硬質皮膜層の溶解除去は、硬質皮膜層の成分に応じて種々選択する。
ブリケットマシン10の使用にあっては、図1に示すように、まず、対となるブリケットロール13、14を互いに同期して逆方向に回転させる(図1では、ブリケットロール13が右回り(時計回り)、ブリケットロール14が左回り(反時計回り))。
次に、粉末原料を上方からブリケットロール13、14のブリケット部12間に供給することで、粉末原料が各ポケット11に収容される。
そして、各ブリケットロール13、14の回転により、それぞれのブリケット部12に形成されたポケット11が互いに合致することで、粉末原料が塊状物15になって下方に排出される。
続いて、本発明の一実施の形態に係るブリケットマシン10の製造方法(ブリケットロール13、14の製造方法)について、図1を参照しながら説明する。
まず、扇形状のセグメント部16を準備する。
このセグメント部16には、複数のポケット11が軸方向に2列形成されている。なお、ポケット11の形状は、回転方向上流側と回転方向下流側が同一であり、軸方向中央側と軸方向両側が同一であるが、図9(A)、(B)に示した形状とすることが好ましい。具体的には、セグメント部の回転方向におけるポケットの内表面の傾斜について、回転方向上流側を回転方向下流側よりも緩やかに(図9(A)参照)、また、セグメント部の軸方向におけるポケットの内表面の傾斜について、軸方向中央側(中央部)を軸方向両側(両端部)よりも緩やかにする(図9(B)参照)。
このセグメント部16に、必要に応じてブラスト処理する。なお、ブラスト処理は、前記した、例えば、塊状の金属や砂等を用いたサンドブラストにより実施できる。
そして、セグメント部16の表面に、溶射材を溶射する(溶射材の溶射をセグメント部16ごとに行う)。
ここで、溶射材には、前記した硬質皮膜層Aを形成するための溶射基材a、硬質皮膜層Bを形成するための溶射基材b、硬質皮膜層Cや硬質皮膜層Dを形成するための溶射基材cとブレンド材からなる溶射材、を使用できる。なお、溶射材の粒度は、例えば、5〜100μm程度である。
これらの溶射材は、セグメント部16の使用用途(粉末材料の種類用)に応じて適宜選択する。
ポケット11の内表面への溶射材の溶射に際しては、溶射の順序を考慮することなく実施できるが、図7(A)、(B)に示した順序で行うことが好ましい。
具体的には、溶射材の溶射を、セグメント部の回転方向上流側(点線で囲まれた領域)に対して行った後、回転方向に沿ってポケット11の底位置に行い、更に、回転方向下流側に対して行う(図7(A)参照)。また、溶射材の溶射を、セグメント部の軸方向中央側(中央部:点線で囲まれた領域)に対して行った後、軸方向に沿ってポケット11の底位置に行い、更に、軸方向両側(両端部)に対して行う。
これにより、セグメント部16の表面に硬質皮膜層20を形成できる。
セグメント部16の表面に形成された硬質皮膜層20の表面に、仕上げ研磨を行う(必要に応じてピークカット処理(突出部分の除去)を行う)。
このセグメント部16を取付け部に固定部17、18を介して取付け固定し、複数(12個)のセグメント部16を環状に配置して、周方向に当接(隣接)させることで、ブリケット部12となり、更にはブリケットロール13となる(ブリケットロール14も同様)。
以上の方法により、長寿命化を図ることが可能なブリケットロール13、14を製造できるため、ブリケットマシン10の長寿命化が図れる。
次に、ブリケットマシン10の再生方法(ブリケットロール13、14の再生方法)について説明する。
ブリケットマシン10の使用にあっては、ブリケットロール13、14の表面に形成された硬質皮膜層20に損耗が発生する。
このため、例えば、硬質皮膜層20が損耗して目的とする形状の塊状物15を製造できなくなる場合、また、硬質皮膜層20が消失してセグメント部16が損耗するおそれがある場合は、セグメント部16の表面に形成された硬質皮膜層20を再生する。
まず、取付け部からセグメント部16を取外す。
次に、セグメント部16の表面に形成された使用済みの硬質皮膜層20を、例えば、アルカリ性の溶剤を用いて溶解除去する。そして、セグメント部16の表面に溶射材を溶射して、新たな硬質皮膜層20を形成する(上記したブリケットマシン(ブリケットロール13、14)の製造方法と同様)。
このように、使用済みの硬質皮膜層20の溶解除去と新たな硬質皮膜層20の形成を、セグメント部16ごとに行う。
このセグメント部16を取付け部に取付け固定し、複数(12個)のセグメント部16を環状に配置して、周方向に当接(隣接)させることで、ブリケットロール13を再生できる(ブリケットロール14も同様)。
以上のことから、本発明のブリケットマシンの製造方法及びその再生方法により、塊状物の成形を経済的に実施できる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のブリケットマシンの製造方法及びその再生方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、ブリケットマシンのブリケット部を複数のセグメント部で構成した場合について説明したが、一体となった(周方向に分割されていない)ブリケット部でもよい。なお、回転ロールの径が大きい場合は、ブリケット部を複数のセグメント部で構成するのが、製造時における作業性や製造コストの視点から好ましい。
また、前記実施の形態においては、硬質皮膜層の形成に火炎溶射機を用いた場合について説明したが、回転ロールの表面に硬質皮膜層を形成できれば、これに限定されるものではなく、密着性と緻密性の観点から、例えば、HVOF(High Velocity Oxigen Fuel)の溶射ガンや、D−Gun(Detonation Gun)を用いることもできる。
更に、前記実施の形態においては、回転ロールの表面に、硬質皮膜層を直接形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、硬質皮膜層を、例えば、下地めっき層(例えば、Ni、Co、若しくは、Feの単体又は合金)を介して、回転ロールの表面に形成することもできる。
10:ブリケットマシン、11、11a、11b、11c:ポケット(凹状開口部)、12:ブリケット部、13、14:ブリケットロール(回転ロール)、15:塊状物、16:セグメント部、17、18:固定部、19:貫通孔、20:硬質皮膜層

Claims (6)

  1. 周囲に複数の凹状開口部が形成されたブリケット部、及び、該ブリケット部の両側に設けられた回転軸を備える、対向配置された対となる回転ロールを有し、使用にあっては、対となる前記回転ロールを互いに同期して逆方向に回転させ、前記ブリケット部間に供給された粉末原料を前記各凹状開口部に収容し、前記各ブリケット部に形成された前記凹状開口部を互いに合致させることで、前記粉末原料を塊状物にして排出するブリケットマシンの製造方法において、
    前記各ブリケット部の外周面に粗面化処理を行い、
    粗面化処理した前記ブリケット部に下記の(1)〜(4)のいずれか1からなる溶射材を溶射して、前記ブリケット部を溶解させることのないアルカリ性又は酸性の溶剤を用いた電解処理により溶解除去可能な硬質皮膜層を形成することを特徴とするブリケットマシンの製造方法。
    (1)コバルト(Co)を3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材aを有する溶射材。
    (2)コバルト(Co)とクロム(Cr)を合計で3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材bを有する溶射材。
    (3)溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケル粉末(Ni粉末)を5〜30質量%とを含み、しかも、溶射基材cは、炭化クロム(Cr )を5〜35質量%と、ニッケル(Ni)を3〜20質量%とを含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射材。
    (4)上記した溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケルクロム粉末(Ni−Cr粉末)を5〜30質量%とを含む溶射材。
  2. 請求項記載のブリケットマシンの製造方法において、前記各凹状開口部の内表面の傾斜は、前記ブリケット部の回転方向上流側を回転方向下流側よりも緩やかにすることを特徴とするブリケットマシンの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のブリケットマシンの製造方法において、前記凹状開口部を、前記ブリケット部の軸方向中心位置を基準としてその両側に1列ずつ形成し、前記ブリケット部の軸方向における前記各凹状開口部の内表面の傾斜は、前記ブリケット部の軸方向中央側を軸方向両側よりも緩やかにすることを特徴とするブリケットマシンの製造方法。
  4. 請求項のいずれか1項に記載のブリケットマシンの製造方法において、前記ブリケット部は、周方向に複数に分割され、それぞれに複数の前記凹状開口部が形成されたセグメント部と、該各セグメント部が取付け取外し可能となった取付け部とを有し、該取付け部の両側に前記回転軸が設けられ、
    前記各セグメント部の外周面への前記溶射材の溶射を、前記セグメント部ごとに行うことを特徴とするブリケットマシンの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブリケットマシンの製造方法において、前記粉末原料は工業用原料又は農業用原料であることを特徴とするブリケットマシンの製造方法
  6. 周囲に複数の凹状開口部が形成されたブリケット部、及び、該ブリケット部の両側に設けられた回転軸を備える、対向配置された対となる回転ロールを有し、使用にあっては、対となる前記回転ロールを互いに同期して逆方向に回転させ、前記ブリケット部間に供給された粉末原料を前記各凹状開口部に収容し、前記各ブリケット部に形成された前記凹状開口部を互いに合致させることで、前記粉末原料を塊状物にして排出するブリケットマシンの再生方法であって、
    前記ブリケット部の外周面に、下記の(1)〜(4)のいずれか1からなる溶射材を予め溶射して形成された硬質皮膜層の除去は、前記ブリケット部を溶解させることのないアルカリ性又は酸性の溶剤を用いる電解処理によって行い、
    使用済みの硬質皮膜層を溶解除去した後、該ブリケット部の外周面に、前記溶射材を溶射して、新たな硬質皮膜層を形成することを特徴とするブリケットマシンの再生方法。
    (1)コバルト(Co)を3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材aを有する溶射材。
    (2)コバルト(Co)とクロム(Cr)を合計で3〜30質量%含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射基材bを有する溶射材。
    (3)溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケル粉末(Ni粉末)を5〜30質量%とを含み、しかも、溶射基材cは、炭化クロム(Cr )を5〜35質量%と、ニッケル(Ni)を3〜20質量%とを含み、残部が炭化タングステン(WC)である溶射材。
    (4)上記した溶射基材cを70〜95質量%と、ブレンド材としてのニッケルクロム粉末(Ni−Cr粉末)を5〜30質量%とを含む溶射材。
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