JP2007084884A - ロールの製造方法及びこれを用いて製造したロール - Google Patents

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【課題】 ロール本体と溶射被膜との密着性を従来よりも向上させ、溶射法により製造したロールの使用範囲を広げることが可能なロールの製造方法及びこれを用いて製造したロールを提供する。
【解決手段】 ロール本体10の表層部11を硬化させ、その表面に結合材を含む硬質セラミックスを、溶射速度800m/秒を超え1200m/秒以下で高速溶射し、気孔率が1.5体積%以下の溶射被膜12を形成する。また、ロール本体10の表層部11は、硬化肉盛層の形成又は焼入れにより硬化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、製鉄設備又は製紙設備に使用可能なロールの製造方法及びこれを用いて製造したロールに関する。
従来、例えば、製鉄設備の圧延において、圧延材の高品質化と省エネルギー化を図るため、その表層部に、より過酷な圧延条件に耐え、且つ長寿命とすることが可能な硬質クロム層を形成したロールが使用されている。
しかし、この硬質クロム層は、ロール本体の周囲にクロムめっきを施して形成したものであるため、めっき層の厚みを更に厚くすることに限度があり、しかも耐摩耗性の更なる向上を図ることも困難であった。
そこで、クロムめっきの代替プロセスとして、例えば、特許文献1のように、ロール本体の周囲にWCサーメットの溶射被膜を形成する方法が開示されている。これにより、ロールの耐摩耗性をクロムめっきが施されたロールよりも向上できる。
特開平2−187206号公報
しかしながら、WCサーメットを使用した溶射被膜とロール本体の硬度の差は大きく、溶射被膜のロール本体への密着性は、クロムめっきよりも大幅に劣るため(クロムめっきの約1/2程度)、ロールの使用の際に溶射被膜がロール本体から剥離し易くなる問題がある。このため、ロールの接触面圧が高くなる使用環境下では、溶射法で溶射被膜を形成したロールがあまり普及していない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ロール本体と溶射被膜との密着性を従来よりも向上させ、溶射法により製造したロールの使用範囲を広げることが可能なロールの製造方法及びこれを用いて製造したロールを提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るロールの製造方法は、ロール本体の表層部を硬化させ、その表面に結合材を含む硬質セラミックスを、溶射速度800m/秒を超え1200m/秒以下で高速溶射し、気孔率が1.5体積%以下の溶射被膜を形成する。
また、第1の発明に係るロールの製造方法において、前記ロール本体の表層部は、硬化肉盛層の形成又は焼入れにより硬化させることが好ましい。
そして、第1の発明に係るロールの製造方法において、前記ロール本体の表層部の硬度は、Hv700以上Hv1000以下であることが好ましい。
更に、第1の発明に係るロールの製造方法において、前記硬質セラミックスは、WC系複合材料であることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係るロールは、第1の発明に係るロールの製造方法を使用して製造する。
請求項1〜4記載のロールの製造方法、及び請求項5記載のロールは、ロール本体の表層部を硬化させ、その表面に規定した溶射速度で硬質セラミックスの溶射を行うので、ロール本体の表層部の硬度を硬質セラミックスで構成される溶射被膜の硬度に近づけ、ロール本体からの溶射被膜の剥離を抑制、更には防止でき、ロール本体と溶射被膜との密着性を従来よりも向上できる。また、溶射被膜の気孔率を規定することで、硬度の高い耐摩耗性に優れた溶射被膜を形成できる。
これにより、溶射法により製造したロールの使用範囲を、従来よりも広げることができる。
特に、請求項2記載のロールの製造方法は、例えば、ロールの使用用途、又はロール本体の形状に応じて、ロール本体の表層部の硬化方法を選択できる。
ここで、ロール本体の表層部の硬化肉盛層による硬化は、溶射被膜の密着性を更に向上させる場合に適している。また、ロール本体の表層部の焼入れによる硬化は、例えば、ロール本体として管状部材を使用する場合のように、その厚みが薄いものに適している。
請求項3記載のロールの製造方法は、ロール本体の表層部の硬度を規定するので、ロール本体と溶射被膜との密着性を更に向上できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係るロールの製造方法の説明図、図2は硬化処理していない基材と各溶射被膜との密着性を示す説明図、図3は基材硬度と溶射被膜との密着性の関係を示す説明図、図4は各溶射方法による溶射粉末の溶射速度の説明図、図5は基材硬度と溶射装置の燃焼内圧との関係を示す説明図、図6は溶射被膜を形成した基材の転動疲労試験の結果を示す説明図、図7は各溶射方法で形成した溶射被膜の気孔率の説明図、図8は溶射被膜の硬度と溶射装置の燃焼内圧との関係を示す説明図、図9は各溶射方法で形成した溶射被膜の硬度の説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るロールの製造方法は、ロール本体10の表層部11を硬化させ、その表面に結合材を含む硬質セラミックスを、溶射速度800m/秒を超え1200m/秒以下で高速溶射し、気孔率が1.5体積%以下の溶射被膜12を形成して、ロール13を製造する方法である。以下、詳しく説明する。
まず、例えば、一般炭素鋼(S45Cなど)、軸受鋼、機械構造用鋼(クロムモリブデン鋼など)、又は炭素工具鋼である鋼材を、機械加工によって削り出し、直径が例えば、200mm以上1500mm以下程度のロール用素材を製造する。このロール用素材の両側又は片側には回転軸部が設けられているが、この回転軸部は、ロール胴部と共に一体的に削り出すことも、また別個に製造して取付けることも可能である。
また、ロール胴部として、前記した鋼材の成分で構成される中空のパイプを使用することも可能であり、この場合、回転軸部をパイプの両側又は片側に焼きばめして取付け、ロール用素材を製造することもできる。
このロール用素材の表面に直接溶射被膜を形成した場合、ロール用素材の表層部と溶射被膜の硬度に大きな差があるため、溶射被膜の剥離が早期に発生し易い。ここで、図2に、ロール用素材として使用するS45Cの基材表面に硬化層を形成することなく各種溶射被膜を形成した後、その溶射被膜に鉄球を落下させ、基材表面から溶射被膜が剥離するまでの落下回数を測定した結果について示す。
図2から明らかなように、基材表面側を硬化させない場合、基材と溶射被膜との密着性が最も良好な溶射被膜(溶射粉末:WC−17Co、WC−14Cr−28Ni)でも、溶射被膜の剥離が、鉄球の落下回数6000回程度(12×500回)の少ない回数で生じている。なお、基材との密着性が最も悪い溶射被膜(溶射粉末:CrC−NiCr、WC−20Cr−7Ni)では、500回程度(1×500回)で剥離が生じている。
そこで、まず、ロール用素材の表面側又は表層部を硬化させ、以下に示す方法で基材硬度を高める。
ロール用素材の表面側の硬化は、例えば、サブマージアーク溶接法、PTA(粉体タングステンアーク溶接)、又は粉体プラズマ溶接法により、ロール用素材の表面側に硬化肉盛層(例えば、厚みが3mm以上7.5mm以下)を形成することで行う。この硬化肉盛層の材料としては、例えば、特開平8−158019号公報に開示された高硬度肉盛溶接材料を使用できる。
なお、ロール用素材の表面側の硬化は、主として硬化肉盛層を形成して行うが、硬化層を薄くする場合には、ロール用素材の表層部を高周波焼入れすることで行うこともできる。この場合、ロール用素材としては、焼入れ可能な成分(例えば、高速度工具鋼)で構成されたものを使用する。
このように、ロール用素材の表面に硬化肉盛層を形成、又はロール用素材の表層部を焼入れしてロール本体10を製造し、その表面に溶射被膜12を形成する。
ここで、ロール用素材の表面側又は表層部の硬化の影響について、図3を参照しながら説明する。図3は、鉄球の落下回数が1000回程度(2×500回)で剥離が生じた溶射粉末WC−12Co(図2参照)を、表面側を硬化させたS45Cの基材表面に溶射した後、形成された溶射被膜上に鉄球を落下し、基材表面から溶射被膜が剥離するまでの回数を測定した結果である。なお、基材硬度Hv180の基材は、硬化処理がなされていないものであり、一方、基材硬度Hv400〜Hv580は基材表層部の焼入れにより、Hv650及びHv900は基材表面に形成した硬化肉盛層により、それぞれ硬化処理がなされている。
図3から明らかなように、基材硬度を高めることで、ロール本体の表層部の硬度が溶射被膜の硬度(例えば、Hv1100以上1700以下程度)に近づくため、基材硬度がHv680程度に上昇するまでは、溶射被膜が剥離するまでに要する鉄球の落下回数の急激な上昇を確認できる。しかし、基材硬度がHv680程度では、基材から溶射被膜が剥離するまでの回数が、クロムめっきを施した場合の約半分程度となり、密着性は良好でない。
ここで、基材と溶射被膜の密着性を更に向上させるため、基材硬度の硬度を溶射被膜の硬度に更に近づける必要があるが、図3に示すように、基材硬度がHv700以上では、密着性の急激な低下がみられる。これは、基材に溶射粉末を吹付ける条件が適していないことに起因する。
このように、基材硬度を単に高めただけでは、溶射被膜の密着性を向上できない。
そこで、ロール本体10の表面に溶射被膜12を形成する条件について説明する。
溶射粉末の溶射装置として、例えば、溶射粉末の加熱用燃料として灯油及び純酸素を使用するHVOF(High Velocity Oxygen Fuel)方式の高速溶射装置14を使用する。
その溶射条件は、高速溶射装置14の火炎(フレーム)15温度が、例えば、2000℃以上3000℃以下、溶射粉末の溶射速度(吹付け速度)が800m/秒を超え1200m/秒以下(燃焼内圧は、例えば、0.7MPa以上1.0MPa以下程度)である。なお、燃焼内圧は、使用する高速溶射装置14の種類によって異なると考えられるため、ここでは、燃焼内圧と相関性を有する溶射粉末の溶射速度(燃焼内圧の上昇に伴って溶射速度も上昇)を規定している。
本発明で行う高速溶射の溶射速度は、図4に示すように、従来行われている溶射方法であるフレーム溶射、HEP(高出力のプラズマエネルギー溶射)、爆発溶射、HVOF−A(通常の高速溶射)、又はHVOF−B(他の高速溶射)の溶射速度(最高値が800m/秒)よりも速い。なお、溶射粉末の溶射速度を1200m/秒を超える速度に上昇させても、その効果は顕著に向上しない。
このように、溶射粉末の溶射速度を上昇させることで、図5に示すように、基材硬度をHv900まで上昇させても、基材と粉体との密着性を従来(図5の□及び△)よりも大幅に上昇(図5の○)できることを確認できた。
なお、更に安定した密着性と、溶射の際の経済性を考慮すれば、溶射粉末の溶射速度の下限値を好ましくは850m/秒、更に好ましくは900m/秒とし、上限値を好ましくは1150m/秒、更に好ましくは1100m/秒とする。
このとき、ロール本体10の表層部11の硬度は、ロール本体10と溶射被膜12との密着性を向上できるHv700以上Hv1000以下(押し込み荷重:2.9N)とする。
ここで、ロール本体の表層部の硬度がHv700未満の場合、基材と溶射被膜との密着性をクロムめっきに対して十分に向上できない。一方、ロール本体の表層部の硬度を、Hv1000を超える値まで上昇させても、その効果は顕著に向上しない。
以上のことから、基材と溶射被膜との密着性を、顕著でかつ十分に向上させるには、その硬度の下限を、好ましくはHv800、更に好ましくはHv850とし、硬度の上限を、好ましくはHv950とする。
ここで、以上の鉄球落下試験を基に、ロールとして使用する条件を疑似した転動疲労試験により、その密着性を評価した結果について、図6を参照しながら説明する。図6は、直径800mm、幅5mmの軸受鋼(SUJ2)で構成される基材表面に溶射被膜を形成し、これを接触応力250kgf/mm2 (2450MPa)で、回転速度3000rpmとし、すべり率0%で、潤滑材に水のみを使用して転動疲労試験を行った結果である。なお、比較例Aは従来使用されている市販の耐衝撃材を、比較例Bは従来の溶射方法によりWC−17Coを、実施例Aは本発明の方法を使用してWC−12Coをそれぞれ溶射した結果である。ここで、比較例Cは従来ロールとして使用しているクロムめっき(6μm)を施した結果である。
図6から明らかなように、実施例Aは、比較例A及び比較例Bと比較して、剥離するまでの転動回数を十分に向上できることを確認できた。また、本発明が目標とするクロムめっきと比較しても、略同程度の転動回数に耐え得ることを確認できた。
以上のことから、表層部11を硬化させたロール本体10の表面に、WC系複合材料(硬質セラミックスの一例)であるWC系サーメットの溶射粉末を前記した条件で吹付け、膜厚が例えば、100μm以上200μm以下程度のWC系サーメットの溶射被膜12を形成し、ロール13を製造する。
このWC系サーメットは、WC(炭化タングステン)とCo系又はNi系の結合材とで構成されるものであり、例えば、WC−17Co、WC−12Co、WC−20Cr−7Ni、WC−17Cr−17Ni、WC−16Cr−19Ni、又はWC−14Cr−28Niを使用できる。なお、WC系サーメットの溶射粉末は、WCと結合材とを予め造粒し、高温で焼結させた後に粉砕して、その粒径を、例えば、10μm以上60μm以下(ここでは、15μm以上45μm以下)に調整したものである。
なお、本実施の形態で形成する溶射被膜12の気孔率は、1.5体積%以下となっている。この気孔率は、基材(50mm×60mm×3mm)に対して溶射を行い、厚み150μm以上200μm以下の溶射被膜を形成し、これを精密カッターを用いて切断して樹脂埋めした後、研磨(1μmダイヤモンドペーストを使用)して、光学顕微鏡(倍率200倍)で溶射被膜の切断面を写真撮影して画像解析し、全面積中に占める気孔部分(例えば、黒色)の面積を算出することで得られる値である。
図7に示すように、本発明の方法で形成した溶射被膜の気孔率(0.5体積%)は、前記爆発溶射と同等ではあるが、プラズマ溶射又は前記HVOF−Bで形成した溶射被膜の気孔率よりも、大幅に小さい。
このように、溶射被膜12の気孔率を小さくすることで、溶射被膜12の硬度を上昇できる。
また、図8に、本発明の方法と前記HVOF−Aでそれぞれ形成した溶射被膜の硬度(押し込み荷重:2.9N)を測定した結果について示す。
図8に示すように、いずれの方法においても、燃焼内圧の上昇、即ち溶射速度の上昇に伴って溶射被膜の硬度が上昇する傾向がみられる。
更に、図9に、本発明(燃焼内圧0.85MPa)の方法と、前記したフレーム溶射、HEP、爆発溶射、HVOF−A、又はHVOF−Bで、それぞれ形成した溶射被膜の硬度(押し込み荷重:2.9N)を測定した結果について示す。
図9に示すように、本発明の方法を使用することで、他の方法よりも溶射被膜の硬度を向上できる傾向があることを確認できた。
従って、溶射速度を調整し、溶射被膜の気孔率を1.5体積%以下にすることで、溶射被膜12の硬度を上昇できるが、更に硬度を向上させるには、溶射被膜の気孔率を1.3体積%以下にすることが好ましく、更には1.0体積%以下にすることが好ましい。
一方、気孔率を小さくするに伴って、溶射被膜の硬度を上昇できるため、気孔率の下限値については規定していないが、実際に製造する溶射被膜は、少なくとも0.1体積%、又は0.2体積%、更には0.3体積%の気孔率を含んでいる。
これにより、溶射法によってロール本体10と溶射被膜12との密着性を従来よりも向上させ、耐摩耗性に優れ、しかも長寿命化を図ることが可能なロール13を提供できる。なお、ロール13は、必要に応じて研磨処理が施される。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
基材と溶射被膜との密着性の評価は、前記した転動疲労試験の接触応力を110kgf/mm2 (980MPa)又は250kgf/mm2 (2450MPa)とし、基材から溶射被膜が剥離するまでの転動回数を測定することで行った。ここで、基材として軸受鋼(SUJ2)を使用し、溶射装置としてHVOF方式の高速溶射装置を使用した。なお、実施例1〜5に使用した高速溶射装置は、溶射粉末の溶射速度を1000m/秒にするものであり、従来例1に使用した高速溶射装置(HVOF−B)は、溶射粉末の溶射速度を500m/秒にするものである。
この試験条件と試験結果を表1に示す。
Figure 2007084884
まず、転動疲労試験の接触応力を低い方の値(110kgf/mm2 )に設定した従来例1と実施例1及び2について説明する。
従来例1のように、実施例1及び2と比較して溶射被膜の気孔率が高い場合、溶射被膜の硬度が低くなり、その結果、基材から溶射被膜が剥離するまでの転動回数が大幅に低下する傾向があることを確認できた。
一方、実施例1及び2のように、溶射被膜の気孔率が1.3体積%以下であれば、基材と溶射被膜との密着性を良好にできる傾向があることを確認できた。
次に、転動疲労試験の接触応力を高い方の値(250kgf/mm2 )に設定した実施例3〜5について説明する。
実施例3〜5に示すように、基材に肉盛溶接を行ってその硬度を高め、溶射被膜の気孔率を0.61体積%以下にすることで、基材と溶射被膜との密着性を良好にできる傾向があることを確認できた。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のロールの製造方法及びこれを用いて製造したロールを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、硬質セラミックスとしてWCを使用する場合について説明したが、例えば、WmCn(mとnはそれぞれ整数)を使用することも、またCr32 、NbC、VC、MoC、又はTiCを使用することも可能である。
本発明の一実施の形態に係るロールの製造方法の説明図である。 硬化処理していない基材と各溶射被膜との密着性を示す説明図である。 基材硬度と溶射被膜との密着性の関係を示す説明図である。 各溶射方法による溶射粉末の溶射速度の説明図である。 基材硬度と溶射装置の燃焼内圧との関係を示す説明図である。 溶射被膜を形成した基材の転動疲労試験の結果を示す説明図である。 各溶射方法で形成した溶射被膜の気孔率の説明図である。 溶射被膜の硬度と溶射装置の燃焼内圧との関係を示す説明図である。 各溶射方法で形成した溶射被膜の硬度の説明図である。
符号の説明
10:ロール本体、11:表層部、12:溶射被膜、13:ロール、14:高速溶射装置、15:火炎

Claims (5)

  1. ロール本体の表層部を硬化させ、その表面に結合材を含む硬質セラミックスを、溶射速度800m/秒を超え1200m/秒以下で高速溶射し、気孔率が1.5体積%以下の溶射被膜を形成することを特徴とするロールの製造方法。
  2. 請求項1記載のロールの製造方法において、前記ロール本体の表層部は、硬化肉盛層の形成又は焼入れにより硬化させることを特徴とするロールの製造方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載のロールの製造方法において、前記ロール本体の表層部の硬度は、Hv700以上Hv1000以下であることを特徴とするロールの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のロールの製造方法において、前記硬質セラミックスは、WC系複合材料であることを特徴とするロールの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のロールの製造方法を使用して製造したことを特徴とするロール。
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