以下、本発明に係るホイール式作業車両の実施の形態について、ホイールローダに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図14は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、ホイール式作業車両の代表例であるホイールローダ1は、左,右の前車輪2Aが設けられた前部車体2と、左,右の後車輪3Aが設けられた後部車体3とを有し、前部車体2と後部車体3とが、連結軸4を介して左,右方向に屈曲可能に連結されたアーティキュレート式車両として構成されている。
図14に示すように、前部車体2と後部車体3との間には、ステアリングアクチュエータとしての左ステアリングシリンダ5、右ステアリングシリンダ6が設けられている。連結軸4を中心として左側に配置された左ステアリングシリンダ5は、油圧シリンダからなり、ボトム側が後部車体3に取付けられると共にロッド側が前部車体2に取付けられている。一方、連結軸4を中心として右側に配置された右ステアリングシリンダ6は、油圧シリンダからなり、ボトム側が後部車体3に取付けられると共にロッド側が前部車体2に取付けられている。
従って、左ステアリングシリンダ5を縮小させると共に右ステアリングシリンダ6を伸長させることにより、連結軸4を中心として前部車体2を左方向(矢印L方向)に操舵させることができ、ホイールローダ1を左曲り走行させることができる。一方、左ステアリングシリンダ5を伸長させると共に右ステアリングシリンダ6を縮小させることにより、連結軸4を中心として前部車体2を右方向(矢印R方向)に操舵させることができ、ホイールローダ1を右曲り走行させることができる。
ホイールローダ1の前部車体2には、作業装置7が俯仰動可能に設けられている。作業装置7は、前部車体2に俯仰動可能に取付けられたブーム7Aと、ブーム7Aの先端部に回動可能に取付けられたローダバケット7Bと、ブーム7Aを俯仰動させるブームシリンダ7Cと、ローダバケット7Bを上,下方向に回動(ダンプまたはクラウド)させるバケットシリンダ7Dとにより構成されている。一方、ホイールローダ1の後部車体3には、後述するキャブ13、動力源としてのエンジン8、エンジン8の回転を減速して出力する動力伝達装置9等が設けられている。
また、前部車体2の下側には、左,右方向に延びるフロントアクスル10が設けられ、該フロントアクスル10の両端側には左,右の前車輪2Aが取付けられている。一方、後部車体3の下側には、左,右方向に延びるリヤアクスル11が設けられ、該リヤアクスル11の両端側には左,右の後車輪3Aが取付けられている。フロントアクスル10は、プロペラシャフト12Aを介して動力伝達装置9の出力軸に接続され、リヤアクスル11は、プロペラシャフト12Bを介して動力伝達装置9の出力軸に接続されている。
キャブ13は、後部車体3の前側に配置され、運転者が搭乗する運転室を画成している。キャブ13内の後側には、床板13A上に位置して運転席14が設けられ、運転者は、運転席14に着席した状態で、後述のステアリングホイール装置15、各ペダル16,17、変速レバー18、ブーム操作具21、バケット操作具22、ステアリングレバー装置24等を操作することにより、ホイールローダ1を操縦する。
ステアリングホイール装置15は、運転席14の前側に配置され、運転者(オペレータ)によって回転操作される。ステアリングホイール装置15は、その回転方向および回転量に応じて左,右のステアリングシリンダ5,6を伸縮させることにより、前部車体2を後部車体3に対して左,右方向に揺動させ、前部車体2を左曲り方向または右曲り方向に操舵するものである。ステアリングホイール装置15の下側には、キャブ13の床板13A上に位置してアクセルペダル16とブレーキペダル17とが設けられている。
ステアリングホイール装置15の左側には、変速レバー18が配置されている。この変速レバー18は、オペレータによって操作されることにより、ホイールローダ1の前後進を切換えると共に、変速段を切換えるものである。運転者は、例えばステアリングホイール装置15を把持して車体を操舵しつつ、変速レバー18を左手で操作することにより、ホイールローダ1の前後進、および変速段を切換えることができる。
運転席14の右側には、コンソール19が配置されている。コンソール19は、前,後方向に延びる箱形状を有し、キャブ13の床板13A上に立設されている。コンソール19の上面には、右アームレスト20が設けられている。右アームレスト20は、運転席14に着席した運転者の右腕(肘から先の部位)を乗せるもので、運転者は、右アームレスト20の上面20Aに右腕を乗せた状態で、後述のブーム操作具21、バケット操作具22等を操作する。
コンソール19の前部右側には、ジョイスティック式のブーム操作具21が設けられている。このブーム操作具21は、運転者によって前,後方向に傾動操作されるもので、ブーム操作具21を操作することにより、作業装置7のブームシリンダ7Cを伸縮させ、ブーム7Aを俯仰動させることができる。
コンソール19の前部左側には、ブーム操作具21に隣接してジョイスティック式のバケット操作具22が設けられている。このバケット操作具22は、運転者によって前,後方向に傾動操作されるもので、バケット操作具22を操作することにより、作業装置7のバケットシリンダ7Dを伸縮させ、ローダバケット7Bをダンプまたはクラウドさせることができる。
運転席14の左側には、運転者の左腕を乗せる左アームレスト23が設けられている。左アームレスト23は、運転席14から前方に延びる中空な箱体からなり、その内部には後述するステアリングレバー装置24が設けられている。運転者は、左アームレスト23の上面23Aに左腕を乗せた状態で、後述のステアリングレバー装置24を操作する。
本実施の形態によるホイールローダ1は、ステアリングホイール装置15とステアリングレバー装置24とが併用され、ステアリングホイール装置15およびステアリングレバー装置24のいずれかを操作することにより、前部車体2を後部車体3に対して左,右方向に操舵(舵取り操作)することができる構成となっている。
次に、本実施の形態に用いられるステアリングレバー装置24について説明する。
ステアリングレバー装置24は、運転席14の左側に位置して左アームレスト23の内部に配置されている。ステアリングレバー装置24は、運転席14に着席した運転者によって左,右方向に傾動操作されることにより、車体を左曲り方向または右曲り方向に操舵(舵取り操作)するものである。ステアリングレバー装置24は、図4ないし図7に示すように、後述の台座25、支柱26、自在継手27、操作レバー28、ガイド部材29、左,右の横アーム32,33、左,右の中立用ばね34,37、操作レバー付勢機構40を含んで構成されている。
台座25は、ステアリングレバー装置24のベースとなるもので、左,右方向に延びる長方形の板体により形成されている。台座25の上面側には、左,右方向の中間部に位置して支柱26が立設されている。台座25のうち支柱26を挟んで左,右方向の両側部位には、上,下方向に貫通する左,右の軸孔25A,25Bが設けられている。これら左,右の軸孔25A,25Bには、後述する左,右の昇降軸35,38が、それぞれ摺動可能に挿通されている。
支柱26は、台座25の左,右方向の中間部に位置して台座25の上面側に立設されている。支柱26は、上,下方向に延びる円柱体からなり、自在継手27を介して操作レバー28の下側を支持するものである。支柱26の下端は、台座25に形成された左,右の軸孔25A,25Bの孔中心を結ぶ直線の中間位置で台座25の上面に固定され、支柱26と左軸孔25Aとの間の距離と、支柱26と右軸孔25Bとの間の距離とは等しく設定されている。
自在継手27は、支柱26と操作レバー28との間に設けられ、支柱26に対して操作レバー28を左,右方向および前,後方向に傾動可能に支持するものである。自在継手27は、支柱26の上端に一体的に設けられた球面状の支柱側継手27Aと、操作レバー28の下端に一体的に設けられ、支柱側継手27Aの外周面に摺動可能に嵌合するレバー側継手27Bとを含んで構成されている。
操作レバー28は、自在継手27を介して支柱26の上側に設けられ、車体の直進方向である前,後方向と、左,右の曲り方向である左,右方向とに移動(傾動)可能となっている。操作レバー28は、上,下方向に延びる円柱体からなり、操作レバー28の下端には、自在継手27のレバー側継手27Bが一体的に設けられている。一方、操作レバー28の上端には、操作レバー28よりも外径寸法が大きな円筒状のグリップ28Aが設けられている。運転者は、グリップ28Aを把持した状態で、支柱26の上端に設けられた自在継手27の位置を中心として操作レバー28を左,右方向に傾動操作することにより、車体を左曲り方向または右曲り方向に操舵することができる。
ガイド部材29は、台座25の上方に間隔をもって設けられ、例えば左アームレスト23の上面23Aと同一平面上に配置されている(図3参照)。ガイド部材29は、台座25とほぼ等しい左,右方向に延びる長方形の板体により形成され、操作レバー28が前,後方向または左,右方向に移動するときの動きをガイドするもので、後述の操舵用ガイド溝30と、操舵禁止用ガイド溝31とが設けられている。
操舵用ガイドとしての操舵用ガイド溝30は、ガイド部材29の前,後方向の中央位置よりもやや後寄りに形成された長溝孔からなり、車体の曲り方向である左,右方向に直線的に延在している。操舵用ガイド溝30は、操作レバー28の外径寸法よりも若干大きな溝幅を有し、操作レバー28によって前部車体2を左,右方向に操舵するときに、この操作レバー28の左,右方向への移動をガイドするものである。
ここで、操舵用ガイド溝30の左,右方向の中間部(中央部)は、後述の操舵禁止用ガイド溝31と交わる中立位置30Aとなり、この中立位置30Aは、操作レバー28の傾動動作の中心となる自在継手27の鉛直上方(真上)に設定されている。従って、操作レバー28を、操舵用ガイド溝30の中立位置30Aから左方向に移動(傾動)させることにより、前部車体2を左曲り方向に操舵することができ、中立位置30Aから右方向に移動させることにより、前部車体2を右曲り方向に操舵することができる。
操舵禁止用ガイドとしての操舵禁止用ガイド溝31は、操舵用ガイド溝30の左,右方向の中間位置となる中立位置30Aから前方に延びて設けられている。即ち、操舵禁止用ガイド溝31と操舵用ガイド溝30とは中立位置30Aで交差し、操舵禁止用ガイド溝31は、操舵用ガイド溝30と直交して前方に延在している。操舵禁止用ガイド溝31は、操作レバー28の外径寸法よりも若干大きな溝幅を有する直線状の長溝孔からなり、操作レバー28による前部車体2の操舵を禁止するときに、操作レバー28が係合するものである。
従って、操作レバー28が操舵禁止用ガイド溝31に係合した状態では、例えば運転者が意図せずに操作レバー28に触れたとしても、操作レバー28の左,右方向への移動を禁止することができ、運転者の意に反して前部車体2が操舵されてしまうのを抑えることができる。
左横アーム32は、操作レバー28の下端に設けられた自在継手27のレバー側継手27Bに取付けられ、操作レバー28と一体に移動するものである。左横アーム32は、左,右方向に延びる角柱体からなり、左横アーム32の基端はレバー側継手27Bに溶接等の手段を用いて固着されている。左横アーム32の先端32Aは、ガイド部材29の操舵用ガイド溝30に沿ってレバー側継手27Bから左方向に延び、台座25に設けられた左軸孔25Aの上方まで延在している。
右横アーム33は、操作レバー28を挟んで左横アーム32とは反対側に配置され、操作レバー28の下端に設けられた自在継手27のレバー側継手27Bに取付けられている。右横アーム33は、操作レバー28と一体に移動するものである。右横アーム33は、左,右方向に延びる角柱体からなり、右横アーム33の基端はレバー側継手27Bに溶接等の手段を用いて固着されている。右横アーム33の先端33Aは、ガイド部材29の操舵用ガイド溝30に沿ってレバー側継手27Bから右方向に延び、台座25に設けられた右軸孔25Bの上方まで延在している。
左中立用ばね34は、左横アーム32と台座25との間に設けられている。左中立用ばね34は、後述の右中立用ばね37と協働して、操作レバー28をガイド部材29に形成された操舵用ガイド溝30の中立位置30Aに移動させるものである。ここで、左中立用ばね34は、後述の左昇降軸35と、左コイルばね36とにより構成されている。
左昇降軸35は、上,下方向に延びる軸体からなり、左昇降軸35の下側は、台座25の左軸孔25Aに摺動可能に挿通されている。左昇降軸35の上端は半球状の当接面35Aとなり、当接面35Aは左横アーム32の先端32Aに下方から当接している。左昇降軸35の軸方向(上,下方向)の途中部位には、左昇降軸35よりも大径な円板状のばね受板35Bが固定されている。左コイルばね36は、左昇降軸35のばね受板35Bと台座25との間に配置(縮装)されている。左コイルばね36は、圧縮ばねにより形成され、左昇降軸35を介して左横アーム32の先端32Aに上向きのばね力を常に付与している。
右中立用ばね37は、右横アーム33と台座25との間に設けられている。右中立用ばね37は、左中立用ばね34と同様に、後述の右昇降軸38と、右コイルばね39とにより構成されている。
右昇降軸38は、上,下方向に延びる軸体からなり、右昇降軸38の下側は、台座25の右軸孔25Bに摺動可能に挿通されている。右昇降軸38の上端は半球状の当接面38Aとなり、当接面38Aは右横アーム33の先端33Aに下方から当接している。右昇降軸38の軸方向の途中部位には、右昇降軸38よりも大径な円板状のばね受板38Bが固定されている。右コイルばね39は、右昇降軸38のばね受板38Bと台座25との間に配置(縮装)されている。右コイルばね39は、左コイルばね36と等しいばね力を有する圧縮ばねにより形成され、右昇降軸38を介して右横アーム33の先端33Aに上向きのばね力を常に付与している。
従って、左,右の横アーム32,33の先端32A,33Aには、それぞれ左,右の中立用ばね34,37から等しいばね力が上向きに作用する。このため、左,右の横アーム32,33が一体的に設けられた操作レバー28は、運転者によって操作されていない状態(運転者が手放した自然状態)では、ガイド部材29に設けられた操舵用ガイド溝30の中立位置30Aを保持する構成となっている。
操作レバー付勢機構40は、台座25と操作レバー28との間に設けられ、操作レバー28を、ガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31に向けて付勢するものである。ここで、操作レバー付勢機構40は、後述の縦アーム41と、操作禁止用ばね42とを含んで構成されている。
縦アーム41は、操作レバー28の下端に設けられた自在継手27のレバー側継手27Bに設けられ、操作レバー28と一体に移動するものである。縦アーム41は、前,後方向に延びる角柱体からなり、縦アーム41の基端はレバー側継手27Bに溶接等の手段を用いて固着されている。縦アーム41の先端41Aは、ガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31に沿ってレバー側継手27Bから前方に延びている。
操作禁止用ばね42は、縦アーム41の先端41Aと台座25との間に設けられている。操作禁止用ばね42は、引張りコイルばねにより形成され、長さ方向の一端が縦アーム41の先端41Aに係止され、長さ方向の他端が台座25に係止されている。操作禁止用ばね42は、縦アーム41の先端41Aに対し、台座25に向かう下向きのばね力を常に付与している。
従って、図5ないし図7に示すように、操作レバー28が、ガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31に係合しているときには、操作レバー付勢機構40の縦アーム41の先端41Aが、操作禁止用ばね42によって下向きに付勢される。このため、操作レバー28は、自在継手27を中心として前方に傾動し、操舵禁止用ガイド溝31に係合した状態を保持するので、操作レバー28が運転者の意に反して左,右方向に移動してしまうのを操舵禁止用ガイド溝31によって抑えることができる。
一方、運転者が操作レバー28を操作するときには、運転者は、操舵禁止用ガイド溝31に係合した操作レバー28を、操作禁止用ばね42のばね力に抗して後方に移動させ、図8ないし図10に示すように、操舵用ガイド溝30の中立位置30Aに移動させる。中立位置30Aに移動した操作レバー28は、図11ないし図13に示すように、操舵用ガイド溝30に係合した状態で左,右方向に移動させることができる。これにより、操作レバー28の移動方向および移動量に応じて、前部車体2を左曲り方向または右曲り方向に操舵することができる。
さらに、操作レバー28が操舵用ガイド溝30に係合した状態で、運転者が操作レバー28から手を放したときには、操作レバー28は、左,右の中立用ばね34,37によって操舵用ガイド溝30の中立位置30Aに移動した後、操作禁止用ばね42によって操舵禁止用ガイド溝31へと移動する。これにより、操作レバー28は、操舵禁止用ガイド溝31に係合した状態を保持するので、運転者が意図せずに操作レバー28に触れたとしても、操作レバー28が左,右方向に移動してしまうのを抑えることができる。
台座25の下面には、左軸孔25Aの近傍に位置して左ストロークセンサ43Aが設けられると共に、右軸孔25Bの近傍に位置して右ストロークセンサ43Bが設けられている。左ストロークセンサ43Aは、左軸孔25Aを通じて台座25の下面側に突出した左昇降軸35と対面する位置に設けられている。左ストロークセンサ43Aは、操作レバー28に対する操作に応じた左昇降軸35の変位量(ストローク量)を、操作レバー28に対する操作量として検出し、この検出信号を後述のコントローラ56に出力する。一方、右ストロークセンサ43Bは、右軸孔25Bを通じて台座25の下面側に突出した右昇降軸38と対面する位置に設けられている。右ストロークセンサ43Bは、操作レバー28に対する操作に応じた右昇降軸38の変位量(ストローク量)を、操作レバー28に対する操作量として検出し、この検出信号をコントローラ56に出力する。
また、ガイド部材29の下面には、操舵禁止用ガイド溝31の前端近傍に位置してレバー位置検出器44が設けられている。レバー位置検出器44は、例えば近接スイッチ等により構成され、操作レバー28が操舵禁止用ガイド溝31から離脱して操舵用ガイド溝30に係合したこと、即ち、運転者が操作レバー28を操作し得る状態にあることを検出する。そして、レバー位置検出器44は、操作レバー28が操舵禁止用ガイド溝31から離脱したことを検出したときに、この検出信号をパイロット信号として、後述するステアリング禁止弁57の電磁パイロット部57Bに出力する。
次に、ホイールローダ1の前部車体2と後部車体3との間に設けられた左,右のステアリングシリンダ5,6に対し、作動用の圧油を供給するための油圧回路について、図14を参照して説明する。
油圧ポンプ45は、エンジン8によって駆動されるもので、タンク46と共に油圧源を構成している。油圧ポンプ45は、左,右のステアリングシリンダ5,6に向けて圧油を吐出するものである。
一対の主管路47,48は、油圧源と左,右のステアリングシリンダ5,6との間を接続している。各主管路47,48は、後述する操舵方向切換弁50と油圧源との間が油圧源側管路47A,48Aとなり、操舵方向切換弁50と各ステアリングシリンダ5,6との間がシリンダ側管路47B,48Bとなっている。主管路47のシリンダ側管路47Bは、左ステアリングシリンダ5のロッド側油室5Aと右ステアリングシリンダ6のボトム側油室6Bに接続され、主管路48のシリンダ側管路48Bは、左ステアリングシリンダ5のボトム側油室5Bと右ステアリングシリンダ6のロッド側油室6Aに接続されている。
主管路47,48の途中には、ステアリングホイール装置15の操作に応じて左,右のステアリングシリンダ5,6の伸縮を制御するホイール式操舵ユニット49が設けられている。ホイール式操舵ユニット49は、ステアリングホイール装置15と、操舵方向切換弁50と、ジロータ51とを含んで構成されている。
操舵方向切換弁50は、油圧源と各ステアリングシリンダ5,6との間に位置して主管路47,48の途中に接続されている。操舵方向切換弁50は、中立位置50Aと、左操舵位置50Bと、右操舵位置50Cとの3位置を有する切換弁からなり、ステアリングホイール装置15に対する操舵が行われていないときには中立位置50Aを保持し、ステアリングホイール装置15を左方向に回転させたときには左操舵位置50Bに切換えられ、ステアリングホイール装置15を右方向に回転させたときには右操舵位置50Cに切換えられるものである。
ジロータ51は、運転者がステアリングホイール装置15を回転操作したときに、この操作量に応じた流量の圧油を、シリンダ側管路47B,48Bのうち一方に吐出するものである。例えばステアリングホイール装置15を左方向に回転させたときには、操舵方向切換弁50が左操舵位置50Bに切換えられ、油圧ポンプ45からの圧油は、ジロータ51によってステアリングホイール装置15の操作量に応じた流量に調整された後、シリンダ側管路47Bに吐出される。これにより、左ステアリングシリンダ5のロッド側油室5Aと右ステアリングシリンダ6のボトム側油室6Bとに圧油が供給され、前部車体2は、連結軸4を中心として左方向(矢印L方向)に操舵される。
一方、ステアリングホイール装置15を右方向に回転させたときには、操舵方向切換弁50が右操舵位置50Cに切換えられ、油圧ポンプ45からの圧油は、ジロータ51によってステアリングホイール装置15の操作量に応じた流量に調整された後、シリンダ側管路48Bに吐出される。これにより、右ステアリングシリンダ6のロッド側油室6Aと左ステアリングシリンダ5のボトム側油室5Bとに圧油が供給され、前部車体2は、連結軸4を中心として右方向(矢印R方向)に操舵される。
主管路47の油圧源側管路47Aと主管路48のシリンダ側管路48Bとは、操舵方向切換弁50をバイパスするバイパス管路52を介して接続されている。また、主管路48の油圧源側管路48Aと主管路47のシリンダ側管路47Bとは、操舵方向切換弁50をバイパスする他のバイパス管路53を介して接続されている。
バイパス管路52,53の途中には、ステアリングレバー装置24の操作に応じて左,右のステアリングシリンダ5,6の伸縮を制御する駆動制御装置54が設けられている。駆動制御装置54は、後述のステアリング制御弁55と、ステアリング禁止弁57とを含んで構成されている。
ステアリング制御弁55は、バイパス管路52,53の途中に設けられ、ステアリングレバー装置24の操作レバー28の操作に応じて、油圧源から左,右のステアリングシリンダ5,6に対する圧油の給排を制御するものである。ステアリング制御弁55は、電磁パイロット部55A,55Bを有する4ポート3位置の電磁比例弁により構成されている。
ここで、ステアリング制御弁55は、操作レバー28がガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31に係合し、または操舵用ガイド溝30の中立位置30Aを保持することにより、後述のコントローラ56から電磁パイロット部55A,55Bに対してパイロット信号が出力されないときには、中立位置55Cを保持する。
また、ステアリング制御弁55は、操作レバー28が操舵用ガイド溝30内で左方向に傾動操作されることにより、コントローラ56から電磁パイロット部55Aにパイロット信号が出力されたときには、左操舵位置55Dに切換えられる。従って、ステアリング禁止弁57が連通位置57Dを保持した状態で、ステアリング制御弁55が左操舵位置55Dに切換えられたときには、油圧ポンプ45からの圧油は、バイパス管路53、シリンダ側管路47Bを介して、左ステアリングシリンダ5のロッド側油室5Aと右ステアリングシリンダ6のボトム側油室6Bとに供給され、前部車体2は、連結軸4を中心として左方向(矢印L方向)に操舵される。
一方、ステアリング制御弁55は、操作レバー28が操舵用ガイド溝30内で右方向に傾動操作されることにより、コントローラ56から電磁パイロット部55Bにパイロット信号が出力されたときには、右操舵位置55Eに切換えられる。従って、ステアリング禁止弁57が連通位置57Dを保持した状態で、ステアリング制御弁55が右操舵位置55Eに切換えられたときには、油圧ポンプ45からの圧油は、バイパス管路53、シリンダ側管路48Bを介して、右ステアリングシリンダ6のロッド側油室6Aと左ステアリングシリンダ5のボトム側油室5Bとに供給され、前部車体2は、連結軸4を中心として右方向(矢印R方向)に操舵される。
コントローラ56の入力側には、ステアリングレバー装置24の左,右のストロークセンサ43A,43Bが接続され、コントローラ56の出力側は、ステアリング制御弁55の電磁パイロット部55A,55Bに接続されている。コントローラ56は、左,右のストロークセンサ43A,43Bによって検出される左,右の昇降軸35,38の変位量、即ち、操作レバー28の左,右方向への傾動操作量に応じた電流値を有する駆動信号を生成し、この駆動信号を電磁パイロット部55A,55Bに出力する。これにより、ステアリング制御弁55の左操舵位置55Dまたは右操舵位置55Eにおける油路の開口面積を、操作レバー28の左,右方向への傾動操作量に応じて制御することができ、操作レバー28の傾動操作量と後部車体3に対する前部車体2の揺動速度(操舵速度)とがほぼ一致する構成となっている。
ステアリング禁止弁57は、ステアリング制御弁55と各ステアリングシリンダ5,6との間に位置してバイパス管路52,53の途中に設けられている。ステアリング禁止弁57は、操作レバー28がガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31に係合しているときにはバイパス管路52,53を遮断し、ステアリングシリンダ5,6への圧油の給排を禁止するものである。
ステアリング禁止弁57は、油圧パイロット部57Aと電磁パイロット部57Bとを有する4ポート2位置の切換弁により構成され、バイパス管路52,53を遮断する遮断位置57Cと、バイパス管路52,53を連通させる連通位置57Dとに選択的に切換えられる。ステアリング禁止弁57の油圧パイロット部57Aには、パイロット管路58の一端側が接続され、パイロット管路58の他端側は油圧源側管路47Aに接続されている。一方、ステアリング禁止弁57の電磁パイロット部57Bには、ステアリングレバー装置24のレバー位置検出器44が電気的に接続されている。
従って、ステアリングホイール装置15の操作によって各ステアリングシリンダ5,6に対して圧油が給排されているとき(操舵方向切換弁50が左操舵位置50Bまたは右操舵位置50Cにあるとき)には、ステアリング禁止弁57の油圧パイロット部57Aにパイロット圧が供給される。これにより、ステアリング禁止弁57は遮断位置57Cを保持し、操作レバー28がガイド部材29の操舵用ガイド溝30内で操作されたとしても、この操作を無効とすることができる構成となっている。
一方、ステアリングホイール装置15が非操作状態となって操舵方向切換弁50が中立位置50Aを保持した状態では、ステアリング禁止弁57の油圧パイロット部57Aに対するパイロット圧の供給が停止する。一方、ステアリングレバー装置24の操作レバー28が、ガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31から離脱したときには、レバー位置検出器44からのパイロット信号が、ステアリング禁止弁57の電磁パイロット部57Bに出力される。これにより、ステアリング禁止弁57は遮断位置57Cから連通位置57Dに切換えられ、操作レバー28に対する操作に応じて左,右のステアリングシリンダ5,6に圧油を給排することができる構成となっている。
本実施の形態によるホイールローダ1は、上述の如き構成を有するもので、ホイールローダ1を走行させるときには、キャブ13内の運転席14に着席した運転者が、変速レバー18によってホイールローダ1の前進または後進を選択すると共に変速段を選択する。この状態で、アクセルペダル16を踏込み操作することにより、ホイールローダ1を走行させることができる。
ここで、ホイールローダ1の走行時には、運転者がステアリングホイール装置15およびステアリングレバー装置24のいずれかを操作することにより、前部車体2を後部車体3に対して左,右方向に操舵(舵取り操作)することができる。
まず、ステアリングホイール装置15によってホイールローダ1を操舵する場合について説明する。
運転者がステアリングホイール装置15を左方向に回転させたときには、操舵方向切換弁50が左操舵位置50Bに切換えられる。これにより、油圧ポンプ45からの圧油は、ジロータ51によってステアリングホイール装置15の操作量に応じた流量に調整された後、シリンダ側管路47Bに吐出される。この結果、左ステアリングシリンダ5のロッド側油室5Aと右ステアリングシリンダ6のボトム側油室6Bとに圧油が供給され、前部車体2を、連結軸4を中心として左方向に操舵することができる。
一方、運転者がステアリングホイール装置15を右方向に回転させたときには、操舵方向切換弁50が右操舵位置50Cに切換えられる。これにより、油圧ポンプ45からの圧油は、ジロータ51によってステアリングホイール装置15の操作量に応じた流量に調整された後、シリンダ側管路48Bに吐出される。この結果、右ステアリングシリンダ6のロッド側油室6Aと左ステアリングシリンダ5のボトム側油室5Bとに圧油が供給され、前部車体2を、連結軸4を中心として右方向に操舵することができる。
次に、ステアリングレバー装置24によってホイールローダ1を操舵する場合について説明する。
ステアリングレバー装置24によって操舵する場合には、ステアリングホイール装置15に対する回転操作が行われないため、操舵方向切換弁50は中立位置50Aを保持する。これにより、ステアリング禁止弁57の油圧パイロット部57Aに対するパイロット圧の供給が停止する。
次に、運転者は、ステアリングレバー装置24の操作レバー28を把持し、操作レバー28を、ガイド部材29の操舵禁止用ガイド溝31から離脱させて操舵禁止用ガイド溝31と操舵用ガイド溝30とが交差する中立位置30Aへと移動(傾動)させた後、操舵用ガイド溝30に沿って左方向または右方向に移動させる。ここで、操作レバー28が、操舵禁止用ガイド溝31から離脱したときには、レバー位置検出器44からのパイロット信号が、ステアリング禁止弁57の電磁パイロット部57Bに出力される。これにより、ステアリング禁止弁57は遮断位置57Cから連通位置57Dに切換えられる。
この状態で、例えば図11ないし図13に示すように、運転者が、操舵用ガイド溝30内で操作レバー28を左方向に傾動操作すると、左横アーム32によって押圧された左中立用ばね34の左昇降軸35が下向きに変位する。この左昇降軸35の変位量は、左ストロークセンサ43Aによって検出され、コントローラ56は、左ストロークセンサ43Aよって検出される左昇降軸35の変位量、即ち、操作レバー28の左方向への傾動操作量に応じた電流値を有する駆動信号を、ステアリング制御弁55の電磁パイロット部55Aに出力する。
これにより、ステアリング制御弁55が、中立位置55Cから左操舵位置55Dに切換えられると共に、左操舵位置55Dにおける油路の開口面積が、操作レバー28の傾動操作量に応じて制御される。この結果、油圧ポンプ45からの圧油が、バイパス管路53、シリンダ側管路47Bを介して、左ステアリングシリンダ5のロッド側油室5Aと右ステアリングシリンダ6のボトム側油室6Bとに供給されるので、前部車体2を、操作レバー28の傾動操作量に応じた操舵速度で連結軸4を中心として左方向に操舵することができる。
一方、運転者が、操舵用ガイド溝30内で操作レバー28を右方向に傾動操作すると、右横アーム33によって押圧された右中立用ばね37の右昇降軸38が下向きに変位する。これにより、コントローラ56は、右ストロークセンサ43Bよって検出される右昇降軸38の変位量、即ち、操作レバー28の右方向への傾動操作量に応じた電流値を有する駆動信号を、ステアリング制御弁55の電磁パイロット部55Bに出力する。
これにより、ステアリング制御弁55が、中立位置55Cから右操舵位置55Eに切換えられると共に、右操舵位置55Eにおける油路の開口面積が、操作レバー28の傾動操作量に応じて制御される。この結果、油圧ポンプ45からの圧油が、バイパス管路53、シリンダ側管路48Bを介して、右ステアリングシリンダ6のロッド側油室6Aと左ステアリングシリンダ5のボトム側油室5Bとに供給されるので、前部車体2を、操作レバー28の傾動操作量に応じた操舵速度で連結軸4を中心として右方向に操舵することができる。
このように、本実施の形態によるホイールローダ1は、ステアリングレバー装置24の操作レバー28を、ガイド部材29に設けられた操舵用ガイド溝30内で左,右方向に傾動操作することにより、前部車体2を左,右方向に操舵することができる。
ここで、ステアリングレバー装置24を用いて前部車体2を左方向に操舵する場合に、運転者が操作レバー28を手放したときには、左コイルばね36によって上向きに付勢された左昇降軸35が、左横アーム32を押圧する。これにより、操作レバー28は、図8ないし図10に示すように、操舵用ガイド溝30の中立位置30Aに移動する。
中立位置30Aに移動した操作レバー28は、操作レバー付勢機構40の操作禁止用ばね42によって、自在継手27を中心として前方に傾動し、操舵禁止用ガイド溝31に係合した状態を保持する。このように、運転者が操作レバー28を手放したときには、操作レバー28は、操作レバー付勢機構40によって、ガイド部材29の操舵用ガイド溝30から操舵禁止用ガイド溝31へと自動的に移動し、操舵禁止用ガイド溝31に係合する状態を保持する。
この結果、運転者が意図せずに操作レバー28に触れてしまった場合でも、操作レバー28が操舵用ガイド溝30内で傾動するのを抑え、運転者の意に反して前部車体2が操舵される不具合を回避できるので、ステアリングレバー装置24の信頼性を高めることができる。
また、操舵禁止用ガイド溝31に係合した操作レバー28を、操舵用ガイド溝30内で左,右方向に傾動操作する場合には、運転者は、操作レバー28を、操作レバー付勢機構40の操作禁止用ばね42に抗して後方に引張るだけで、操舵禁止用ガイド溝31と操舵用ガイド溝30とが交差する中立位置30Aに移動させることができ、その後、操作レバー28を、操舵用ガイド溝30に沿って左,右方向に傾動操作することができる。
このように、操作レバー28を、操舵用ガイド溝30から操舵禁止用ガイド溝31へと自動的に移動させることができると共に、操舵禁止用ガイド溝31に係合した操作レバー28を、簡単な操作で操舵用ガイド溝30へと移動させることができるので、操作レバー28に対する操作性を高めることができる。
かくして、本実施の形態によれば、ステアリングレバー装置24は、前,後方向と左,右方向とに移動可能な操作レバー28と、操作レバー28の動きをガイドするガイド部材29とを備え、ガイド部材29には、操作レバー28による操舵を行うときに操作レバー28が移動可能に係合する操舵用ガイド溝30と、操作レバー28による操舵を禁止するときに操作レバー28が係合する操舵禁止用ガイド溝31とを設ける構成としている。
これにより、操作レバー28を操舵用ガイド溝30に沿って左,右方向に移動させることにより、前部車体2を左曲り方向または右曲り方向に操舵することができる。一方、操作レバー28が操舵禁止用ガイド溝31に係合した状態では、操作レバー28の左,右方向への移動を禁止することができる。この結果、運転者が意図せずに操作レバー28に触れたとしても、運転者の意に反して前部車体2が操舵されるのを抑えることができ、ステアリングレバー装置24の信頼性を高めることができる。
しかも、操作レバー28を操舵禁止用ガイド溝31から離脱させて操舵用ガイド溝30に係合させるだけで、操作レバー28を操作可能とすることができるので、操作レバー28に対する操作性を高めることができる。
また、ステアリングレバー装置24には、操作レバー28を操舵禁止用ガイド溝31に向けて付勢する操作レバー付勢機構40を設けたので、運転者が操作レバー28から手を放したときに、操作レバー28は、操作レバー付勢機構40に付勢されることにより自動的に操舵禁止用ガイド溝31に係合する。
従って、運転者が操作レバー28を操作していないときには、操作レバー28を常に操舵禁止用ガイド溝31内に保持することができ、運転者の意に反して前部車体2が操舵されるのを抑えることができる。しかも、操作レバー付勢機構40(操作禁止用ばね42)の付勢力に抗して操作レバー28を操舵用ガイド溝30に係合させるだけで、操作レバー28を操作可能とすることができるので、操作レバー28に対する操作性を高めることができる。
また、ステアリングレバー装置24は、台座25に立設された支柱26に自在継手27を介して操作レバー28を連結し、操作レバー28に設けられた左,右の横アーム32,33と台座25との間には、左,右の中立用ばね34,37を設ける構成としている。これにより、運転者が操作レバー28から手を放したときには、操作レバー28を、左,右の中立用ばね34,37のばね力によって、操舵用ガイド溝30と操舵禁止用ガイド溝31とが交差する中立位置30Aに移動させることができる。また、中立位置30Aに移動した操作レバー28は、操作レバー付勢機構40を構成する操作禁止用ばね42のばね力によって、操舵禁止用ガイド溝31に係合させることができる。
さらに、本実施の形態によるホイールローダ1は、ステアリングホイール装置15とステアリングレバー装置24とを併用しているので、運転者は、ホイールローダ1の作業内容に応じて、ステアリングホイール装置15による操舵と、ステアリングレバー装置24による操舵を選択することができる。
次に、図15は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、例えばダンプトラック等の左,右の前車輪を操舵する前輪操舵式(リジッドフレーム式)の作業車両に、ステアリングレバー装置を搭載したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
図中、作業車両のシャーシ61には、左,右のキングピン62A,62Bが左,右方向に回動可能に取付けられ、左,右のキングピン62A,62Bは、左,右の前車輪2Aを支持している。各キングピン62A,62Bには、左,右のナックルアーム63A,63Bの一端側が取付けられている。左,右のナックルアーム63A,63Bの他端側は、タイロッド64によって連結され、シャーシ61、各キングピン62A,62B、各ナックルアーム63A,63B、タイロッド64はリンク機構を構成している。
シャーシ61と左ナックルアーム63Aとの間には、左ステアリングシリンダ5が設けられ、シャーシ61と右ナックルアーム63Bとの間には、右ステアリングシリンダ6が設けられている。そして、主管路47のシリンダ側管路47Bは、左ステアリングシリンダ5のロッド側油室5Aと右ステアリングシリンダ6のボトム側油室6Bに接続され、主管路48のシリンダ側管路48Bは、左ステアリングシリンダ5のボトム側油室5Bと右ステアリングシリンダ6のロッド側油室6Aに接続されている。
このように構成された前輪操舵式の作業車両においては、ステアリングホイール装置15およびステアリングレバー装置24のいずれかを操作することにより、前車輪2Aをシャーシ61に対して左,右方向に操舵(舵取り操作)することができる。
なお、実施の形態では、ガイド部材29に設けられる操舵用ガイド溝30を、左,右方向に延びる直線状の長溝孔によって形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図16に示す変形例のように、全体として左,右方向に延びると共に、左,右方向の両側から中間部に向けて徐々に前方に湾曲する円弧状の長溝孔からなる操舵用ガイド溝30′を用いてもよい。
また、実施の形態では、ステアリングホイール装置15とステアリングレバー装置24とを併用した場合を例示したが、本発明はこれに限らず、例えばステアリングレバー装置24のみを用いて車体を操舵する構成としてもよい。
また、実施の形態では、ステアリングアクチュエータとして、油圧シリンダからなる左,右のステアリングシリンダ5,6を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばリニアモータ等の電動アクチュエータを用いる構成としてもよい。
また、実施の形態では、ガイド部材29に設けられる操舵用ガイドとして長溝孔からなる操舵用ガイド溝30を用い、操舵禁止用ガイドとして長溝孔からなる操舵禁止用ガイド溝31を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばガイド部材の上面に突設されたレールによって操舵用ガイド、操舵禁止用ガイドを構成してもよい。
さらに、実施の形態では、ホイール式作業車両としてホイールローダ1を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式ショベル等の建設車両、リフトトラック等の運搬車両、トラクタ等の農業車両といった他のホイール式作業車両に広く適用することができる。