次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
遮蔽材の昇降装置は、この実施の形態では、ローマンシェードである。図1及び図12に示すように、ローマンシェード10は、窓枠、壁又は天井にブラケットを介して取付けられたヘッドレール13と、このヘッドレール13から垂下された一対の遮蔽材14,16と、ヘッドレール13内に昇降切換機構17を介して配索された第1昇降コード11と、ヘッドレール13内に取付けられ第1昇降コード11を固定可能なストッパ装置18とを備える。上記ヘッドレール13は水平方向に延びて設けられ、ヘッドレール13の両端は蓋体19,19により閉止される。また一対の遮蔽材14,16はそれぞれヘッドレールの13長さと略同一の幅を有し、一方の遮蔽材14の上端はヘッドレール13の後面(窓側の面)に直接取付けられ、他方の遮蔽材16の上端はヘッドレール13の前面(室内側の面)に直接取付けられる(図4及び図5)。ここで、一対の遮蔽材14,16の上端は、接着剤により取外し不能に又は面ファスナにより取外し可能にヘッドレールに取付けられる。また一対の遮蔽材14,16は、透光部14a,16a及び不透光部14b,16bを鉛直方向に交互に配置したスクリーンによりそれぞれ形成される、即ち一対の遮蔽材14,16には、透光部14a,16a及び不透光部14b,16bが鉛直方向に交互に連続してそれぞれ形成される(図1、図5及び図12)。透光部14a,16a及び不透光部14b,16bは、この実施の形態では、それぞれ水平方向に延びて形成される。透光部14a,16aは、光を透過可能なことを意味し、透明及び半透明の双方を含むものであり、生地の織組織を粗にすることにより通風も可能とされる。不透光部14b,16bは、光を透過不能なことを意味し、生地にアルミニウム等からなる金属箔を貼り付けることや、生地の織繊維を密にすることにより作られる。
この実施の形態では、一方の遮蔽材14は、ヘッドレール13への取付部を除いて最も上に不透光部14bが設けられ、下方に向って透光部14aと不透光部14bが交互に配置され、最も下に不透光部14bが設けられる(図1、図5(a)及び図12)。また他方の遮蔽材16は、ヘッドレール13への取付部を除いて最も上に透光部16aが設けられ、下方に向って不透光部16bと透光部16aが交互に配置され、最も下に透光部16aが設けられる。これにより一対の遮蔽材14,16を全て展開した状態で、一方の遮蔽材14の透光部14aが他方の遮蔽材16の不透光部16bに重なり、一方の遮蔽材14の不透光部14bが他方の遮蔽材16の透光部16aに重なるように構成される。また一方の遮蔽材14の前面(室内側の面)には、鉛直方向に間隔をあけて複数のコードリング21がそれぞれ取付けられ、他方の遮蔽材16の後面(窓側の面)には、鉛直方向に間隔をあけて複数のコードリング22がそれぞれ取付けられる(図5)。具体的には、一方の遮蔽材14の前面には、各不透光部14bの下端に位置するようにコードリング21がそれぞれ取付けられ、他方の遮蔽材16の後面には、各不透光部16bの下端に位置するようにコードリング22がそれぞれ取付けられる。この実施の形態では、コードリング21,22は、一対の遮蔽材14,16に水平方向に間隔をあけて2列ずつそれぞれ取付けられる。これらのコードリング21,22には第1昇降コード11が遊挿可能に構成される。また一対の遮蔽材14,16の下端には、一対のボトムレール23,24がそれぞれ水平方向に延びて設けられる(図1、図5及び図12)。
一方、第1昇降コード11の一端はヘッドレール13から垂下されて一対の遮蔽材14,16の下部にそれぞれ連結され、第1昇降コード11の他端は上記一端のヘッドレール13からの垂下位置とは別の位置で操作のためにヘッドレール13から垂下される(図5及び図12)。第1昇降コード11は、この実施の形態では、2本設けられる。2本の第1昇降コード11,11の一端は、ヘッドレール13の長手方向に間隔をあけてそれぞれ垂下され、一対の遮蔽材14,16に取付けられた複数のコードリング21,22に交互に遊挿されることにより、略鉛直方向下向きに若干ジグザグした状態で下方に向い、他方の遮蔽材16の最も下に位置するコードリング22に遊挿された後に、一方の遮蔽材14の最も下に位置するコードリング21に取付けられる(図5)。これにより第1昇降コード11の一端は一対の遮蔽材14,16の下部にそれぞれ連結される。また、2本の第1昇降コード11,11はヘッドレール13内を通り(図1及び図4)、これらの第1昇降コード11,11の他端は、上記一端のヘッドレール13からの垂下位置とは別の位置で、操作のためにヘッドレール13から垂下される(図12)。即ち、ヘッドレール13の一端近傍に引出口13aが形成され、2本の第1昇降コード11,11の他端は、この引出口13aからヘッドレール13外に引出され、コード止め26及び補助コード27を介して他方の遮蔽材16のボトムレール24の一端に連結される。
一方、昇降切換機構17は、ヘッドレール13内にその長手方向に間隔をあけてそれぞれ回転可能に取付けられた第1及び第2固定プーリ31,32と、第1及び第2固定プーリ31,32の間に位置しヘッドレール13の長手方向に所定長さだけ移動可能に設けられた移動体33と、この移動体33に回転可能に取付けられた移動プーリ34と、一端が一方の遮蔽材14の上部に連結され他端が第1固定プーリ31を介して移動体33に連結された第2昇降コード12とを有する(図1及び図4)。上記第1固定プーリ31は室内側から見てヘッドレール13の左端近傍に位置するようにヘッドレール13内に第1取付ブラケット41を介して水平面内で回転可能に取付けられる。また第2固定プーリ32は、第1固定プーリ31から比較的広い間隔をあけ、室内側から見て右寄りに位置するようにヘッドレール13内に第2取付ブラケット42を介して回転可能に取付けられる。第2固定プーリ32,32は、ヘッドレール13の前後方向に間隔をあけて2個設けられ、これらの第2固定プーリ32,32はそれぞれ水平面内で回転可能に構成される。
移動体33は、第1固定プーリ31に対向する面が開放された扁平の箱状に形成される(図1及び図4)。また移動プーリ34は移動体33に収容された状態で移動体33に回転可能に取付けられる。この移動プーリ34は、水平面内で回転可能に構成され、かつ移動体33とともにヘッドレール13の長手方向であって第1及び第2固定プーリ31,32間を往復動可能に構成される。また第2昇降コード12,12は、この実施の形態では2本設けられる。これらの第2昇降コード12,12の一端は移動体33にそれぞれ取付けられ、他端は一方の遮蔽材14の上部に取付けられる。更に2本の第1昇降コード11,11は第2固定プーリ32と移動プーリ34とに掛け渡される。なお、この実施の形態では、第1及び第2昇降コードを2本ずつ設け、これらの第1及び第2昇降コードをヘッドレールの長手方向に間隔をあけてヘッドレールからそれぞれ垂下したが、第1及び第2昇降コードを3本以上の同数ずつ設け、これらの第1及び第2昇降コードをヘッドレールの長手方向に間隔をあけてヘッドレールからそれぞれ垂下してもよい。
第1昇降コード11を操作してストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除した後に、第1昇降コード11を操作して移動体33を移動プーリ34とともに所定長さ以下の長さだけ移動させることにより、一対の遮蔽材14,16のうち一方の遮蔽材14を所定長さ以下の長さだけ昇降させて調光操作が行われるように構成される(図1、図2、図4及び図5)。このとき一方の遮蔽材14の透光部14aが他方の遮蔽材16の不透光部16bに重なる位置と他方の遮蔽材16の透光部16aに重なる位置との間を移動するように構成される。また移動体33を移動プーリ34とともに所定長さだけ移動した位置で停止させて、一方の遮蔽材14の上部を停止させた状態で、第1昇降コード11を操作することにより、一対の遮蔽材14,16の下部を同時に昇降させて昇降操作が行われるように構成される(図2、図3及び図5)。なお、図4中の符号51は移動体33を第1固定プーリ31側への移動を規制する第1ストッパピンであり、符号52は移動体33を第2固定プーリ32側への移動を規制する第2ストッパピンである。第1ストッパピン51と第2ストッパピン52との間隔、即ち移動体33が移動プーリ34とともに移動可能な距離は、一方の遮蔽材14の透光部14aが他方の遮蔽材16の不透光部16bと重なった位置から他方の遮蔽材16の透光部16aに重なった位置まで移動する距離に設定される。
一方、ストッパ装置18は、ヘッドレール13の引出口13aと第2固定プーリ32との間に位置するようにヘッドレール13内に取付けられる(図1及び図5)。このストッパ装置18は、第1昇降コード11の引下げ速度の差異により、第1昇降コード11を挟持する挟持位置(図6(a)、図6(i)、図7(a)、図9及び図11)と、操作側の第1昇降コード11の昇降を許容する許容位置(図7(d))とに切換え可能に構成される。具体的には、図6〜図11に詳しく示すように、ストッパ装置18は、ヘッドレール13内に取付けられヘッドレール13内に配索された第1昇降コード11が挿通されるケース63と、ケース63に第1昇降コード11とともに所定の距離だけ移動可能に設けられたスライダ64と、ケース63とスライダ64との間に設けられ挟持位置で第1昇降コード11を挟持し許容位置で第1昇降コード11の移動を許容するコード固定制御装置66と、ケース63に設けられた第1案内カム溝61と、スライダ64の第1案内カム溝61に対向する面に設けられた第2案内カム溝62と、第1案内カム溝61と第2案内カム溝62との間に収容されこれらの溝61,62内を移動する球状の係合子67とを有する。
コード固定制御装置66は、スライダ64の第1昇降コード移動方向の一端側に回転可能かつ上下動可能に取付けられ外周面に第1昇降コード11が食い込み可能な歯が形成された歯付きローラ66aと、蓋63aの第1昇降コード移動方向の一端側下面に形成され第1昇降コード11が食い込み可能なアッパ歯部66bと、ケース本体63bにアッパ歯部66bに対向して形成され第1昇降コード移動方向の一端側に向うに従って徐々に登る階段状に形成され歯付きローラ66aの歯に噛合可能なロア歯部66cとからなる(図8〜図11)。また第1案内カム溝61は、ケース63内のスライダ64が第1昇降コード11の許容位置で係合子67を係止する挟持部61aと、スライダ64が第1昇降コード11の許容位置で係合子67を係止する許容部61bと、第1昇降コード11の素早い引下げ操作時に係合子67が係止する高速操作係止部61cと、係合子67を一旦停止させるリブ61dと、第1昇降コード11の素早い引下げ操作時に係合子67を挟持部61aから高速操作係止部61cに移動させるように案内する第1溝61eと、第1昇降コード11の素早い引下げ操作を停止したときに係合子67を高速操作係止部61cから挟持部61aに移動させるように案内する第2溝61fとからなる(図6及び図7)。上記許容部61bは、第1溝61eの途中に形成され、挟持部61aから高速操作係止部61cに向う係合子67が高速操作係止部61cの手前で挟持部61aに戻ろうとするとき、第1溝61eを移動する係合子67が係止して、係合子67が第1溝61eを通って挟持部61aに戻ることを阻止するように構成される。更に第2案内カム溝62は、スライダ64の第1案内カム溝61に対向する面に設けられる。この第2案内カム溝62は、係合子67がリブ61dを乗り越えることを許容しない浅溝62aと、係合子67がリブ61dを乗り越えることを許容する深溝62bと、係合子67が浅溝62aから深溝62bに移動する際の移動抵抗を増大させる抵抗増大部62cと、浅溝62aの一端と深溝62bの一端とを連結する連結溝62dとからなる。ここで、抵抗増大部62cは浅溝62aの長手方向の中央と深溝62bの長手方向の中央とを連結しかつ浅溝62aより浅い溝である。そして第2案内カム溝62は、スライダ64の移動方向と直交する方向への係合子の移動を許容するように構成される。なお、図6及び図7中の符号61gは、第1案内カム溝61の中央に設けられた土手部である。この土手部61gは、第1昇降コード11の長手方向に対して略45度の方向に延びかつ高さが蓋63aの裏面と同一であり、この土手部61gにより第1案内カム溝61が第1溝61e及び第2溝61fに分離される。
第1昇降コード11を素早く引下げると、係合子67が抵抗増大部62cを速やかに通過して高速操作係止部61cに達することにより、第1昇降コード11の素早い引下げ操作を許容し、第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、係合子67が高速操作係止部61cから挟持部61aに移動することにより、ストッパ装置18が挟持位置に切換えられて、第1昇降コード11が停止するように構成される(図6〜図11)。このため第1昇降コード11を再び素早く引下げてもう一度停止させる引継ぎ操作を行うことにより、一対の遮蔽材14,16の下部の上昇、停止、上昇、停止を繰返すことができるようになっている(図6)。一方、第1昇降コード11を緩やかに引下げると、係合子67の移動抵抗が抵抗増大部62cで増大して係合子67が抵抗増大部62cに係止した状態に保たれることにより、第1昇降コード11の緩やかな引下げ操作を許容し、第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、係合子67が許容部61bに移動し、ストッパ装置18が許容位置に切換えられる(図7)。このため第1昇降コード11を保持する力を緩めると、移動体33が第2ストッパピン52に当接した状態で、一対の遮蔽材14,16の下部がこれらの自重で下降するように構成される。
一方、ヘッドレール13には、室内側から見て第1固定プーリ31の右隣に位置するように第1通孔13bが形成され、この第1通孔13bを臨むように第1ホルダ71がヘッドレール13に取付けられる(図1及び図4)。第1ホルダ71には一対の第1案内ドラム71a,71aが第1通孔13bを挟むように間隔をあけて回転可能に取付けられる。またヘッドレール13には、室内側から見て第2固定プーリ32の左隣に位置するように第2通孔13cが形成され、この第2通孔13cを臨むように第2ホルダ72がヘッドレール13に取付けられる。第2ホルダ72には一対の第2案内ドラム72a,72aが第2通孔13cを挟むように間隔をあけて回転可能に取付けられる。2本の第1昇降コード11,11のうち一方の第1昇降コード11の一端は第1案内ドラム71aに掛け渡されて第1通孔13bを通過した後(図4)、一対の遮蔽材14,16のコードリング21,22に交互に遊挿されて、一方の遮蔽材14の最も下に位置するコードリング21に取付けられる(図5)。上記一方の第1昇降コード11の他端は、2個の第2固定プーリ32,32に掛け渡された後に移動プーリ34に掛け渡され(図4)、ストッパ装置18を通って引出口13aから引出される(図12)。また2本の第1昇降コード11,11のうち他方の第1昇降コード11の一端は第2案内ドラム72aに掛け渡されて第2通孔13cを通過した後(図4)、一対の遮蔽材14,16のコードリング21,22に交互に遊挿されて、一方の遮蔽材14の最も下に位置するコードリング21に取付けられる(図5)。この他方の第1昇降コード11の他端は、2個の第2固定プーリ32,32のうち後側の第2固定プーリ32に掛け渡された後に移動プーリ34に掛け渡され(図4)、ストッパ装置18を通って引出口13aから引出される(図12)。更に2本の第2昇降コード12,12のうち一方の第2昇降コード12の一端は移動体33に取付けられ(図1及び図4)、他端は第1案内ドラム71aに掛け渡されて第1通孔13bを通過した後(図4)、一方の遮蔽材14の上部、即ち一方の遮蔽材14の最も上に位置する不透光部14aの下端に取付けられる(図5)。上記2本の第2昇降コード12,12のうち他方の第2昇降コード12の一端は移動体33に取付けられ(図1及び図4)、他端は第2案内ドラム72aに掛け渡されて第2通孔13cを通過した後(図4)、一方の遮蔽材14の上部、即ち一方の遮蔽材14の最も上に位置する不透光部14aの下端に取付けられる(図5)。
このように構成されたローマンシェード10の動作を説明する。
先ず、一対の遮蔽材14,16が全て展開した状態で(図1、図5(a)及び図12)、第1昇降コード11を素早く引下げると、ストッパ装置18の係合子67が抵抗増大部62cを速やかに通過して高速操作係止部61cに達するので(図6(a)〜図6(e))、ストッパ装置18による第1昇降コード11の固定が解除される。第1昇降コード11を所定長さ以下の長さだけ引下げると、昇降切換機構17の移動体33が移動プーリ34とともに第1固定プーリ31から離れ、第2固定プーリ32に近付く方向に移動する(図1、図2及び図4)。そして移動体33が移動プーリ34とともに移動した距離だけ一方の遮蔽材14のみが上昇する。このとき他方の遮蔽材16の下端は上昇しないため、移動体33及び移動プーリ34が移動している間は、他方の遮蔽材16の下端は停止した状態に保たれる。ここで、移動体33の移動により一方の遮蔽材14が上昇するのは、第2昇降コード12の一端が一方の遮蔽材14の上部に取付けられ、他端が移動体33に取付けられており、移動体33が移動した距離だけ、一方の遮蔽材14の上部が第2昇降コード12により引上げられるためであり、他方の遮蔽材16の下端が上昇しないのは、第1昇降コード11の引下げ量が全て移動体33の移動に吸収されるためである。
上記一方の遮蔽材14の上昇により、一方の遮蔽材14が他方の遮蔽材16に対し高さ方向にずれて、一方の遮蔽材14の透光部14aが他方の遮蔽材16の不透光部16bに重なって窓から光を全く通さない状態から、一方の遮蔽材14の透光部14aが他方の遮蔽材16の透光部16aに重なり始め、移動体33の移動量が大きくなるに従って、透光部14a,16a同士が重なる面積も次第に大きくなり、これらの透光部14a,16aの重なった部分を通る光の量が多くなる。次に、一方の遮蔽材14が所望の高さに達したときに、第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、係合子67が高速操作係止部61cから挟持部61aに移動するので(図6(i))、ストッパ装置18が挟持位置に切換えられて、第1昇降コード11は固定される。これにより一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16aの重なった部分が所望の面積になり、一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16aの重なった部分を通る光の量が所望の量に調節される。
また、上記のように一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16aの重なった部分を通る光の量を調節した後に、光の量を更に少なくしたい場合には、第1昇降コード11を緩やかに僅かな距離だけ引下げる。これにより係合子67の移動抵抗が抵抗増大部62cで増大して係合子67が抵抗増大部62cに係止した状態に保たれるので(図7(b))、第1昇降コード11の緩やかな引下げ操作が許容される。そして第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、係合子67が許容部61bに移動するので(図7(d))、ストッパ装置18が許容位置に切換えられる。この状態で第1昇降コード11を保持する力を緩めると、移動体33に第2昇降コード12を介して一方の遮蔽材14の自重が作用するので、移動体33が移動プーリ34とともに第2固定プーリ32から離れて第1固定プーリ31に近付く方向に移動するとともに(図1、図2及び図4)、操作側の第1昇降コード11が上昇し、一方の遮蔽材14が下降する。そして移動体33が移動プーリ34とともに第1固定プーリ31に近付く方向に所定長さ以下の長さだけ移動して、一方の遮蔽材14が所定長さ以下の長さだけ下降すると、一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16aの重なった部分の面積が少なくなって、一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16aの重なった部分を通る光の量を少なくすることができる。
一方、一対の遮蔽材14,16が全て展開した状態で(図1、図5(a)及び図12)、一対の遮蔽材14,16の下部を上昇させる場合には、先ず、第1昇降コード11を操作してストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除した後に、第1昇降コード11を引下げて、移動体33を移動プーリ34とともにヘッドレール13の長手方向に所定長さだけ移動させ、一方の遮蔽材14を所定長さだけ上昇させる。これにより一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16a同士が重なり、不透光部14b,16b同士が重なる(図2及び図5(b))。引続いて、第1昇降コード11を引下げると、移動体33が既に第2ストッパピン52に当接しているため、移動体33及び移動体プーリ34が第2固定プーリ32に最も近付いた位置で停止したまま、第1昇降コード11の一端が上昇する。これにより一対の遮蔽材14,16の下部が同時に上昇する。一対の遮蔽材14,16の下部が所望の高さに達するまで、第1昇降コード11の素早い引下げ及び停止を繰返す引継ぎ操作を行うことにより、一対の遮蔽材14,16の下部の上昇、停止、上昇、停止を繰返す。そして一対の遮蔽材14,16の下部が所望の高さに達したときに、第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、係合子67が高速操作係止部61cから挟持部61aに移動するので(図6(i))、ストッパ装置18が挟持位置に切換えられて、第1昇降コード11は固定される。
また、一対の遮蔽材14,16の下部の高さをもう一度調節したい場合には、第1昇降コード11を操作してストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除した後に、第1昇降コード11を引下げるか又は第1昇降コード11を保持する力を緩める。このとき移動体33に作用する力は、第2昇降コード12が一方の遮蔽材14の上部を吊下げることにより発生し移動体33を第1固定プーリ31側に近付けようとする第1の力と、第1昇降コード11が一対の遮蔽材14,16の下部を吊下げることにより発生し移動体33を第2固定プーリ32側に近付けようとする第2の力とがあり、第2の力は第1の力より大きいため、移動体33は第2ストッパピン52に当接して第2固定プーリ32に最も近付いた状態に保たれる。このため第1昇降コード11を昇降すると、一対の遮蔽材14,16の透光部14a,16a同士が重なりかつ不透光部14b,16b同士が重なった状態で、一対の遮蔽材14,16の下部が昇降する。そして一対の遮蔽材14,16の下部が所望の高さに達したときに第1昇降コード11をストッパ装置18により固定することにより、一対の遮蔽材14,16の下部を所望の高さで固定できる。このように第1昇降コード11を操作するだけで、一対の遮蔽材14,16に対し、調光操作と昇降操作を連動させて行うことができるので、第1昇降コード11の操作性を向上できる。
<第2の実施の形態>
図13〜図17は本発明の第2の実施の形態を示す。図13〜図17において図1〜図12と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、遮蔽材の昇降装置はプリーツスクリーンである。このプリーツスクリーン90は、鉛直方向に所定の間隔をあけかつ水平方向に延びる複数の折り目で折畳み可能に展開されるジグザグ状のスクリーンにより形成された単一の遮蔽材94を備える(図13及び図17)。このプリーツスクリーン90では、第1の実施の形態のローマンシェードの一対の遮蔽材及び一対のボトムレールが、上記単一の遮蔽材94、単一のボトムレール96及び単一の中間レール97に置き換えられる。上記単一の遮蔽材94の折り目で区画される複数のスクリーン片94aには、この遮蔽材94を展開した状態で、略鉛直方向に延びる長孔94bがそれぞれ形成される。また上記単一のボトムレール96は単一の遮蔽材94の下端に水平方向に延びて設けられ、上記単一の中間レール97は単一の遮蔽材94の上端に水平方向に延びて設けられる。
第1昇降コード11の一端はヘッドレール13から垂下されて単一の遮蔽材94の下端のボトムレール96に連結され、他端は上記一端のヘッドレール13からの垂下位置とは別の位置で操作のためにヘッドレール13から垂下される(図13及び図17)。具体的には、2本の第1昇降コード11,11のうち一方の第1昇降コード11の一端は第1案内ドラム71aに掛け渡されて第1通孔13bを通過した後(図16)、単一の遮蔽材94の各長孔94bに遊挿されて、ボトムレール96に取付けられる(図13及び図17)。上記一方の第1昇降コード11の他端は、2個の第2固定プーリ32,32に掛け渡された後に移動プーリ34に掛け渡され(図16)、ストッパ装置18を通って引出口13aから引出される(図17)。また2本の第1昇降コード11,11のうち他方の第1昇降コード11の一端は第2案内ドラム72aに掛け渡されて第2通孔13cを通過した後(図16)、単一の遮蔽材94の各長孔94bに遊挿されて、ボトムレール96に取付けられる(図13及び図17)。上記他方の第1昇降コード11の他端は、2個の第2固定プーリ32,32のうち後側の第2固定プーリ32に掛け渡された後に移動プーリ34に掛け渡され(図16)、ストッパ装置18を通って引出口13aから引出される(図17)。
第2昇降コード12の一端は移動体33に取付けられ、他端は上記第1昇降コード11の一端のヘッドレール13からの垂下位置と略同一位置でヘッドレール13から垂下されてボトムレール96に取付けられる。具体的には、2本の第2昇降コード12,12のうち一方の第2昇降コード12の一端は移動体33に取付けられ(図13及び図16)、他端は第1案内ドラム71aに掛け渡されて第1通孔13bを通過した後(図16)、中間レール97に取付けられる(図13及び図17)。また2本の第2昇降コード12,12のうち他方の第2昇降コード12の一端は移動体44に取付けられ(図13及び図16)、他端は第2案内ドラム72aに掛け渡されて第2通孔13cを通過した後(図16)、中間レール97に取付けられる(図13及び図17)。
一方、第1昇降コード11を操作してストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除した後に、第1昇降コード11を操作して移動体33を移動プーリ34とともに所定長さ以下の長さだけ移動させることにより、単一の遮蔽材94の下部を停止させた状態でその上部を所定長さ以下の長さだけ昇降させて調光操作が行われるように構成される(図13及び図14)。このとき中間レール97が、所定長さ以下の長さだけ昇降して、ヘッドレール13から所定長さだけ下がった位置とヘッドレール13に密着した位置との間を移動するように構成される(図13、図14及び図16)。また移動体33を移動プーリ34とともに所定長さだけ移動した位置で停止させて、単一の遮蔽材94の上部を停止させた状態で、第1昇降コード11を操作することにより、単一の遮蔽材94の下部を昇降させて昇降操作が行われるように構成される(図14〜図16)。上記以外は、第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたプリーツスクリーン90の動作を説明する。
先ず、単一の遮蔽材94を展開しかつ中間レール97を最も下げた状態で(図13及び図17)、第1昇降コード11を素早く引下げて、ストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除する。第1昇降コード11を所定長さ以下の長さだけ引下げると、昇降切換機構17の移動体33が移動プーリ34とともに第1固定プーリ31から離れ、第2固定プーリ32に近付く方向に移動する(図13、図14及び図16)。そして移動体33が移動プーリ34とともに移動した距離だけ中間レール97が上昇する。このときボトムレール96は上昇しないため、移動体33及び移動プーリ34が移動している間は、ボトムレール96は停止した状態に保たれる。ここで、移動体33の移動により中間レール97が上昇するのは、第2昇降コード12の一端が中間レール97に取付けられ、他端が移動体33に取付けられており、移動体33が移動した距離だけ、中間レール97が第2昇降コード12により引上げられるためであり、ボトムレール96が上昇しないのは、第1昇降コード11の引下げ量が全て移動体33の移動に吸収されるためである。
上記中間レール97が上昇して、ヘッドレール13及び中間レール97間の空間の高さが次第に小さくなることにより、即ちこの空間の高さが最も大きい状態から、中間レール97がヘッドレール13に密着して空間がなくなる状態まで変化することにより、上記空間を通る窓からの光が次第に少なくなる。次に、中間レール97が所望の高さまで上昇したときに、第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、第1昇降コード11は固定される。これによりヘッドレール13及び中間レール97間の空間が所望の高さになり、この空間を通る光の量が少なくなって所望の量に調節される。
また、上記のようにヘッドレール13及び中間レール97間の空間を通る光の量を少なくした後に、その光の量を多くしたい場合には、第1昇降コード11を緩やかに僅かな距離だけ引下げた後に、第1昇降コード11の引下げ操作を停止して、ストッパ装置18を許容位置に切換え、この状態で第1昇降コード11を保持する力を緩めると、移動体33に第2昇降コード12を介して中間レール97の重さが作用するので、移動体33が移動プーリ34とともに第2固定プーリ32から離れて第1固定プーリ31に近付く方向に移動するとともに(図13、図14及び図16)、操作側の第1昇降コード11が上昇し、中間レール97が下降する。そして移動体33が移動プーリ34とともに第1固定プーリ31に近付く方向に所定長さ以下の長さだけ移動して、中間レール97が所定長さ以下の長さだけ下降すると、ヘッドレール13及び中間レール97間の空間の高さが大きくなって、この空間を通る光の量を多くすることができる。
一方、単一の遮蔽材94を展開しかつ中間レール97を最も下げた状態で(図13及び図17)、単一の遮蔽材94の下端を上昇させる場合には、先ず、第1昇降コード11を操作してストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除した後に、第1昇降コード11を引下げて、移動体33を移動プーリ34とともにヘッドレール13の長手方向に所定長さだけ移動させ(図14及び図16)、中間レール97を所定長さだけ上昇させる。これにより中間レール97がヘッドレール13に密着する(図14)。引続いて、第1昇降コード11を引下げると、移動体33が既に第2ストッパピン52に当接しているため、移動体33及び移動体プーリ34が第2固定プーリ32に最も近付いた位置で停止したまま、第1昇降コード11の一端が上昇する。これによりボトムレール96が上昇する。ボトムレール96が所望の高さに達するまで、第1昇降コード11の素早い引下げ及び停止を繰返す引継ぎ操作を行うことにより、ボトムレール96の上昇、停止、上昇、停止を繰返す。そしてボトムレール96が所望の高さに達したときに、第1昇降コード11の引下げ操作を停止すると、第1昇降コード11はストッパ装置18により固定される。
また、ボトムレール96が所望の高さに達した後に、ボトムレール96の高さをもう一度調節したい場合には、第1昇降コード11を操作してストッパ装置18による第1昇降コード11の固定を解除した後に、第1昇降コード11を引下げるか又は第1昇降コード11を保持する力を緩める。このとき移動体33に作用する力は、第2昇降コード12が中間レール97を吊下げることにより発生し移動体33を第1固定プーリ31側に近付けようとする第1の力と、第1昇降コード11がボトムレール96を吊下げることにより発生し移動体33を第2固定プーリ32側に近付けようとする第2の力とがあり、第2の力は第1の力より大きいため、移動体33は第2ストッパピン52に当接して第2固定プーリ32に最も近付いた状態に保たれる。このため第1昇降コード11を昇降すると、中間レール97がヘッドレール13に密着した状態で、ボトムレール96が昇降する。そしてボトムレール96が所望の高さに達したときに第1昇降コード11をストッパ装置18により固定することにより、ボトムレール96を所望の高さで固定できる。このように第1昇降コード11を操作するだけで、単一の遮蔽材94に対し、調光操作と昇降操作を連動させて行うことができるので、第1昇降コード11の操作性を向上できる。
<第3の実施の形態>
図18及び図19は本発明の第3の実施の形態を示す。図18及び図19において図1及び図12と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第1の実施の形態のストッパ装置に替えて、ヘッドレール13の引出口13aに臨むようにヘッドレール13に収容されたストッパ装置118を備える。このストッパ装置118は、ヘッドレール13の引出口13aに挿着された筐体111と、この筐体111に収容されかつ筐体111にピン112を介して回転可能に取付けられた案内ローラ113と、筐体111に収容され案内ローラ113に対して接近又は離間する方向に平行移動可能にかつ回転可能に筐体111に取付けられた歯車114とを有する。上記筐体111には歯車114に隣接して傾斜壁111aが設けられ、この傾斜壁111aの両面のうち歯車114に対向する面には歯車114に噛合可能な直線状の歯列111bが形成される。歯車114が歯列111bに噛合した状態で歯列111bに沿って移動することにより、歯車114が案内ローラ113に接近又は離間するようになっている。なお、図18及び図19中の符号116は、両端が筐体111に固定され歯車114が筐体111から離脱するのを阻止する複数本のガードピンである。上記以外は、第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたローマンシェードでは、第1昇降コード11を僅かに引下げると、歯車114が筐体111の傾斜壁111aの歯列111bに噛合した状態で傾斜壁111aに沿いかつ案内ローラ113から離れる方向に移動するので、歯車114の昇降コード11に対する食い込みが解除される。この結果、昇降コード11を更に引下げることにより、一方の遮蔽材のみを上昇させて、一対の遮蔽材の透光部同士を重ねかつ不透光部同士を重ねた後に、一対の遮蔽材の下部を上昇させることができる。一方、昇降コード11を保持する力を緩めることにより、一対の遮蔽材の透光部同士を重ねかつ不透光部同士を重ねたまま、一対の遮蔽材の下部を下降させることができる。そして、昇降コード11を歯車114に押付けると、歯車114が筐体111の傾斜壁111aの歯列111bに噛合した状態で傾斜壁111aに沿いかつ案内ローラ113に近付く方向に移動するので、歯車114が昇降コード11に食い込む。この結果、昇降コード11が案内ローラ113及び歯車114により挟持されて、昇降コード11を所望の位置で固定できる。従って、この実施の形態のストッパ装置118は、第1の実施の形態のストッパ装置より、昇降コード11の操作性が若干劣るけれども、ストッパ装置118が第1の実施の形態のストッパ装置より簡単な構造であるので、ストッパ装置118の部品点数、製作工数及び組立工数を第1の実施の形態のストッパ装置より低減できる。上記以外の動作は、第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
なお、上記第1及び第2実施の形態において、第1固定プーリ及び移動体間に、移動体を第1固定プーリに近付ける方向に付勢する弾性体を設けてもよい。これにより移動体のヘッドレールに対する摺動抵抗が大きい等に起因して、一対の遮蔽材又は単一の遮蔽材を展開した状態でストッパを解除しても、一対の遮蔽材のうち一方の遮蔽材又は単一の遮蔽材の上部がその自重により下降しない場合、弾性体の弾性力により移動体が速やかに第1固定プーリに近付く方向に移動するので、一方の遮蔽材又は単一の遮蔽材の上部は移動体の移動した長さだけ下降する。上記弾性体としては、引っ張りコイルばね、圧縮コイルばね、ゴム紐等が挙げられる。
また、上記第1の実施の形態では、遮蔽材の昇降装置としてローマンシェードを挙げ、第2の実施の形態では、遮蔽材の昇降装置としてプリーツスクリーンを挙げたが、遮蔽材の昇降装置は、上記ローマンシェード及びプリーツスクリーン以外の日射遮蔽装置や、垂直折畳み型間仕切りドア等でもよい。また、上記第1の実施の形態では、一方の遮蔽材の上端をヘッドレールに直接取付けたが、一方の遮蔽材の上端を中間レール及び第2昇降コードを介してヘッドレールに取付けてもよい。具体的には、一方の遮蔽材の上端に中間レールを設け、この中間レールに第2昇降コードの一端を連結することにより、一方の遮蔽材をヘッドレールから垂下してもよい。
また、上記第1の実施の形態では、一対の遮蔽材の透光部及び不透光部を水平方向に延びて形成しかつ鉛直方向に交互に配置したスクリーンによりそれぞれ形成したが、透光部及び不透光部が鉛直方向に交互に配置されていれば、透光部が生地に孔あけ加工を施した図柄や模様からなるスクリーンにより一対の遮蔽材を構成してもよい。更に、上記第1の実施の形態では、一対の遮蔽材の透光部及び不透光部をそれぞれ水平方向に延びて形成したが、透光部及び不透光部が鉛直方向に交互に配置されていれば、透光部及び不透光部をそれぞれ水平方向に対して傾斜した方向に延びて形成してもよく、或いは透光部及び不透光部を市松状又は千鳥状にそれぞれ配列して形成してもよい。