JP6384875B2 - 肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置、方法およびプログラム - Google Patents

肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置、方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置、方法およびプログラムに関する。
哺乳類の細胞内に存在するゲノムDNAの塩基配列は、同種生物の間であれば99%以上が同じ配列であるが、一部塩基配列が異なっている。このようなバリエーションは遺伝子多型と呼ばれている。このバリエーションの中で1塩基が相違する多型は1塩基多型(SNP:スニップ:single nucleotide polymorphism)とよばれ、これまでに動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞等の様々な疾患と特定の1塩基多型の存在との間で相関関係が報告されている(特許文献1)。また、ヒトの皮膚の健康、および皮膚疾患に対するヒトの感受性を評価する方法も報告されている(特許文献2、3)。
特開2008−191716号公報 特開2010−263906号公報 特開2013−240351号公報
近年、健康や美容に対する関心は老若男女問わず高まっており、そのニーズに応えるように経口組成物、外用組成物を含め健康や美を維持するための製品が多数販売されている。また、運動や、半身浴等の組成物に頼らない、健康維持方法や美容方法の膨大な情報がウェブ上に存在する。一方で、例えば一口に美容液といっても、アンチエイジング目的の製品、保湿目的の製品、美白目的の製品等様々な種類の製品が存在する。また、同じアンチエイジング目的の製品であっても、その作用は、しわやたるみの防止や改善に効果を期待するものもあれば、保湿に効果を期待するものもあり、様々である。
このように、多種多様の目的や作用を持つ健康維持方法や美容方法、健康維持製品や美容製品が存在する状況において、使用者自身が自らの肌の状態を正確に把握し、さらに使用者自身に本当にあった製品や方法を選ぶことは至難の業である。
そこで、本発明は、肌の状態が乱れるリスクをより的確に把握することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねたところ、特定の遺伝子内に存在する1塩基多型と肌の状態の乱れが相関することを見出した。
本発明は、当該知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を含む。
I.装置
(I−1.)
被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、及び
前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
前記被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、SLC6A4、NOS3、EPHX2、VEGF、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、装置。
(I−2.)
前記遺伝子多型情報が、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無である、I−1に記載の装置。
(I−3.)
前記遺伝子多型情報が配列情報であり、
前記配列情報に基づいて、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定するリスクアレル有無決定手段をさらに備える、I−1に記載の装置。
(I−4.)
前記肌の状態が、
潤い、
はり、
皮脂分泌、
体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに
色素沈着の強さ
からなる群から選択される少なくとも一種である、
I−1からI−3のいずれか一項に記載の装置。
(I−5.)
前記遺伝的リスク決定手段が、複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、前記肌の状態が乱れるリスクがあると決定する手段である、
I−4に記載の装置。
(I−6.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、及びVDRからなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−7.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、PON1、VDR、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種とENPP1とを含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−8.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、EPHX2、及びESR1からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−9.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種とSLC6A4とを含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−10.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−11.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種とVEGFとを含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−12.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−13.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がEDAR、SMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、TNF−αと、及びARとを含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−14.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がPON1、AKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、I−4又はI−5に記載の装置。
(I−15.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、OCA2、及びTYRからなる群から選択される一種又は複数種とPON1とを含む、
I−4又はI−5に記載の装置。
(I−16.)
被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、
前記被験遺伝子それぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出するリスクアレル数算出手段、
前記リスクアレル数算出手段が被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める総和算出手段、及び
前記総和算出手段が求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
前記複数種の被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、SLC6A4、NOS3、EPHX2、VEGF、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される複数種を含む、装置。
(I−17.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、及びVDRからなる群から選択される複数種である、
I−16に記載の装置。
(I−18.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、PON1、VDR、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種とENPP1とを含む、
I−16に記載の装置。
(I−19.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、EPHX2、及びESR1からなる群から選択される複数種である、
I−16に記載の装置。
(I−20.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種とSLC6A4とを含む、
I−16に記載の装置。
(I−21.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−16に記載の装置。
(I−22.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種とVEGFとを含む、
I−16記載の装置。
(I−23.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−16に記載の装置。
(I−24.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がEDAR、SMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、TNF−αと、及びARとを含む、
I−16に記載の装置。
(I−25.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がPON1、AKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
I−16に記載の装置。
(I−26.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、OCA2、及びTYRからなる群から選択される一種又は複数種とPON1とを含む、
I−16に記載の装置。
II.プログラム
(II−1.)
I−1からI−26のいずれかに記載の装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
III.記録媒体
(III−1.)
II−1に記載のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
IV.方法
(IV−1.)
(1)被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、及び
(2)前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する工程、
を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
前記被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、SLC6A4、VEGF、NOS3、EPHX2、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、方法。
(IV−2.)
前記遺伝子多型情報が、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無である、IV−1に記載の方法。
(IV−3.)
前記遺伝子多型情報が配列情報であり、
前記決定する工程(2)の前に、(3)前記配列情報に基づいて、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定する工程をさらに含む、IV−1に記載の方法。
(IV−4.)
前記肌の状態が、
潤い、
はり、
皮脂分泌、
体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに
色素沈着の強さ
からなる群から選択される少なくとも一種である、
IV−1からIV−3のいずれか一項に記載の方法。
(IV−5.)
前記決定する工程(2)が、複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、前記肌の状態が乱れるリスクがあると決定する工程である、
IV−4に記載の方法。
(IV−6.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、及びVDRからなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−7.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、PON1、VDR、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種とENPP1とを含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−8.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、EPHX2、及びESR1からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−9.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種とSLC6A4とを含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−10.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−11.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種とVEGFとを含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−12.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−13.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がEDAR、SMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、TNF−αと、及びARとを含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−14.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がPON1、AKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−15.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、OCA2、及びTYRからなる群から選択される一種又は複数種とPON1とを含む、
IV−4又はIV−5に記載の方法。
(IV−16.)
(I)被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、
(II)前記被験遺伝子のそれぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する工程、
(III)前記工程(II)において被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める工程、及び
(IV)前記工程(III)において求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する工程、
を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
前記複数種の被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、SLC6A4、NOS3、EPHX2、VEGF、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される複数種を含む、方法。
(IV−17.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、及びVDRからなる群から選択される複数種である、
IV−16に記載の方法。
(I−18.)
前記肌の状態がはりであり、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、PON1、VDR、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種とENPP1とを含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−19.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、EPHX2、及びESR1からなる群から選択される複数種である、
IV−16に記載の方法。
(IV−20.)
前記肌の状態が潤いであり、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種とSLC6A4とを含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−21.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−22.)
前記肌の状態が皮脂分泌であり、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種とVEGFを含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−23.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−24.)
前記肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであり、前記被験遺伝子がEDAR、SMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種、TNF−α、及びARを含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−25.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がPON1、AKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、
IV−16に記載の方法。
(IV−26.)
前記肌の状態が色素沈着であり、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、OCA2、及びTYRからなる群から選択される一種又は複数種とPON1を含む、
IV−16に記載の方法。
本発明によれば、特定の遺伝子内の1塩基多型の情報から、肌の状態が乱れるリスクをより的確に把握することができる。
本発明の一態様に係る予測方法を行うためのシステム100の概観図である。 図1に示すシステム100のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第1の態様に係る予測装置1の機能を説明するためのブロック図である。 本発明の第1の態様に係る予測装置1が行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。 本発明の第2の態様に係る予測装置2の機能を説明するためのブロック図である。 本発明の第2の態様に係る予測装置2が行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。 コンピュータ端末の表示部への予測結果の表示例である。 コンピュータ端末の表示部への予測結果の表示例である。 コンピュータ端末の表示部への予測結果の表示例である。 コンピュータ端末の表示部への予測結果の表示例である。 コンピュータ端末の表示部への予測結果の表示例である。
1.用語の説明
はじめに、本明細書、特許請求の範囲等で使用される用語について説明する。
「被験者」は、男性であっても女性であってもよい。また、年齢も特に制限されない。
「肌の状態」とは、人の皮膚の状態である限り制限されない。好ましくは、潤い;はり;皮脂分泌;体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き;並びに色素沈着の強さ等である。
また、「肌の状態が乱れる」とは、皮膚の状態が正常ではなくなることを意味する。
肌の「はり」とは、肌のしわ、たるみ等の状態をいう。肌のはりが乱れるとは、しわが増加する、たるみが目立つ等の状態になることをいう。
肌の「潤い」とは、肌の水分量の状態をいう。肌の潤いが乱れるとは、肌の水分量が低下や、これに伴う諸症状の増加、例えば小じわの増加等を示す。
肌の「皮脂分泌」とは、皮膚にある皮脂腺からの皮脂の分泌の状態をいう。肌の皮脂分泌が乱れるとは、皮脂が通常よりも多く分泌される、若しくは皮脂の分泌が低下することをいう。
肌の「体毛の濃さ」とは、皮膚に生える体毛の色の濃さ、体毛の本数、及び/又は体毛の太さの状態をいう。但し、この体毛からは、毛髪、眉毛、睫毛は除かれる。体毛の濃さが乱れるとは、体毛の色が濃くなる、体毛の本数が増える、及び/又は体毛の太さが太くなる状態をいう。
肌の「毛穴の開き」とは、皮膚の毛穴の大きさの状態をいう。肌の毛穴の開きが乱れるとは、肌の毛穴が広がることをいう。
肌の「色素沈着」とは、に肌表面に現れているシミや皮膚内に隠れている色素沈着(シミとして現れる前の状態)をいう。色素沈着が乱れるとは、シミが濃くなる、及び/又は皮膚内に隠れているシミが顕在化する、シミの数が増えることをいう。
上記肌の状態やその乱れは、例えば、肌診断機器A−ONE(株式会社ボムテク、韓国)」等を使用して測定することができる。
「被験遺伝子」とは、本発明において遺伝子多型を検出する対象となる遺伝子であり、表1に示す全ての遺伝子である。好ましくは、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、PON1、SLC6A4、NOS3、EPHX2、VEGF、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2らなる群から選択される一種又は複数種を含む。
表1において、染色体位置は、Genome Reference Consortium Human Build 38 patch release 2 (GRCh38.p2)の番号である。
なお、実施態様によりAKR1B1はALRと、PON1はPONと、TYRのrs4547091を示すときはOTX2と、ARID5Bのrs10821944を示すときはPEDFと、SMARCA4のrs1122608を示すときはLDLR、FLGのrs61816761を示すときはFLG1と、FLGのrs138726443を示すときはFLG2と、と標記することがある。
より好ましくは、SLC6A4、ENPP1、VEGF、PON1 、NOS3、EPHX2、IGF2BP2、AGER、ABCG2、GDF5、ABCA1、CARD11、AKR1B1、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む遺伝子である。
肌の状態が「はり」である場合、被験遺伝子として、好ましくはENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種を含む遺伝子である(但し、必要に応じてFLG、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される1種以上のみを被験遺伝子とする態様は除くことができる)。またAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種とENPP1とを組み合わせて被験遺伝子としてもよい。
肌の状態が「潤い」である場合、被験遺伝子として、好ましくはSLC6A4、NOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種を含む遺伝子である(但し、必要に応じてFLGのみを被験遺伝子とする態様は除くことができる)。またNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLG からなる群から選択される一種又は複数種とSLC6A4とを組み合わせて被験遺伝子としてもよい。
肌の状態が「皮脂分泌」である場合、被験遺伝子として、好ましくはVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種を含む遺伝子である(但し、必要に応じてEDAR、及びABCC11からなる群から選択される1種以上のみを被験遺伝子とする態様は除くことができる)。またAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種とENPP1とを組み合わせて被験遺伝子としてもよい。
肌の状態が「体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き」である場合、被験遺伝子として、好ましくはTNF−α、AR、EDAR、SMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種を含む遺伝子である(但し、必要に応じてTNF−α、及びARからなる群から選択される1種以上のみを被験遺伝子とする態様は除くことができる)。またEDAR、SMARCA4、SCNN1、PON1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、TNF−αと、及びARとを組み合わせて被験遺伝子としてもよい。
肌の状態が「色素沈着」である場合、被験遺伝子として、好ましくはPON1、FLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、OCA2、及びTYRからなる群から選択される一種又は複数種を含む遺伝子である(但し、必要に応じてSLC45A2、及びTYRからなる群から選択される1種以上のみを被験遺伝子とする態様は除くことができる)。またFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、OCA2、及びTYR からなる群から選択される一種又は複数種とPON1とを組み合わせて被験遺伝子としてもよい。
「遺伝子多型」とは、遺伝子を構成しているDNAの配列の個体差である。好ましくは、当該遺伝子にコードされているタンパク質の発現量や機能を変化させるDNA配列のバリエーションである。より好ましくは、遺伝子多型が1塩基多型(SNP: Single Nucleotide Polymorphism)であり、翻訳領域のサイレント変異以外の1塩基多型である。
ここで「翻訳領域のサイレント変異を含まない」とは、タンパク質をコードする領域に存在するサイレント変異(コドン表上、アミノ酸配列を変化させない変異)を含まないことを意味する。より具体的には、「翻訳領域のサイレント変異を含まない1塩基多型」とは、アミノ酸配列を変化させるミスセンス変異、及びナンセンス変異、タンパク質をコードする領域以外に存在するサイレント変異(好ましくは、転写調節領域に存在し、転写活性を変化させる可能性のある1塩基変異)、並びに1から3塩基程度の欠失及び挿入を含む。好ましくは、表1に示すrs番号で特定される1塩基多型である(配列番号1〜30)。
「リスクアレル」とは、1塩基多型におけるバリエーションの中で、肌の状態を乱す可能性のある配列を有する対立遺伝子をいう。好ましくは、遺伝子にコードされているタンパク質の発現量や機能を変化させる可能性がある配列を有する対立遺伝子をいう。取得された遺伝子多型の配列がリスクアレルであるか否かは、Database of Short Genetic Variations (dbSNP:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)、Database of Genotypes and Phenotypes (dbGaP:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gap)、Database of Genomic Variants (DGV:http://dgv.tcag.ca/dgv/app/home)、European Genome-phenome Archive (EGA:https://www.ebi.ac.uk)、PubMed (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)等のデータベース(以下、遺伝子多型データベースともいう)から検索することができる。リスクアレルの例を表1に示す。
「リスクアレル数」とは、リスクアレルを有する染色体の数であり、1つの被験遺伝子内の1つ(片側)の対立遺伝子のみにリスクアレルが存在する場合には、リスクアレル数は「1」となる(ヘテロ接合体)。また、1つの被験遺伝子内の2つ(両方)の対立遺伝子にリスクアレルが存在する場合(ホモ接合体)には、リスクアレル数は「2」となる。
ここで、1つの被験遺伝子内の複数箇所に遺伝子多型が存在する場合のリスクアレル数は、検出されたリスクアレルの数とする。例えば、1つの被験遺伝子内に遺伝子多型が2箇所存在する場合であって、そのうちの1箇所にリスクアレルがヘテロ接合体で存在しており、他の1箇所にリスクアレルが存在しない場合には、リスクアレル数は「1」である。例えば、1つの被験遺伝子内に遺伝子多型が2箇所存在する場合であって、そのうちの1箇所にリスクアレルがホモ合体で存在しており、他の1箇所にリスクアレルが存在しない場合には、リスクアレル数は「2」である。例えば、1つの被験遺伝子内に遺伝子多型が2箇所存在する場合であって、そのうちの1箇所にリスクアレルがホモ合体で存在しており、他の1箇所にリスクアレルがヘテロ接合体で存在している場合には、リスクアレル数は「3」である。例えば、1つの被験遺伝子内に遺伝子多型が2箇所存在する場合であって、そのうちの1箇所にリスクアレルがホモ合体で存在しており、他の1箇所にもリスクアレルがホモ接合体で存在している場合には、リスクアレル数は「4」である。
「被験遺伝子数」は、被験遺伝子の種類の数を示す。ここで、1つの遺伝子内の複数箇所に遺伝子多型部位が存在する場合には、被験遺伝子数は「1」ではなく、その遺伝子多型部位の数とする。例えば、1つの被験遺伝子内に遺伝子多型部位が2箇所存在する場合には、被験遺伝子数は「2」とする。
「総アレル数」は、被験遺伝子数に2を乗じて得られる値である。
2.遺伝子多型解析
遺伝子多型の解析は、被験者から採取されたサンプル由来のDNAを用いて、被験遺伝子内に存在する遺伝子多型を検出することにより行う。
「サンプル」は、被験者由来であってDNAを含むサンプルである限り制限されない。例えば、血液(全血)、唾液、口腔粘膜擦過物等を挙げることができる。
DNAの抽出方法も、DNAが採取できる限り制限されない。例えば「新遺伝子工学ハンドブック 改訂第5版」(村松正實、山本雅、岡崎康司/編、羊土社、2010年11月15日発行)に記載の方法によりDNAを抽出することができる。また、QIAamp DNA micro kit(QIAGEN、ドイツ、ヒルデン)等の市販のDNA抽出キットを使用してDNAを抽出してもよい。
被験者から採取されたサンプル由来のDNAは、被験者から採取されたサンプルから抽出されたDNA抽出そのものであってもよく、当該DNAを鋳型として増幅することによって得られる核酸であってもよい。
遺伝子多型の検出は、特に制限されないが、マイクロアレイ法、ビーズアレイ法、PCR法等によって検出することができる。商業ベースの遺伝子多型の検出方法としては、イルミナ株式会社より販売されているGolden Gate Analysis Kitや、iSelect HD BeadChipを使用することができる。また、これらのビーズアレイの検出装置としては、イルミナ株式会社のiScanシステムやHiScanSQ システムを使用することができる。
上記方法により検出された遺伝子多型に関し、検出装置は、遺伝子多型情報として、遺伝子名を含む配列情報を出力してもよい。この配列情報には、配列のどの位置の塩基が置き換わっているかという塩基の置換情報が含まれている。また、別の態様として、検出装置は、遺伝子多型情報として、遺伝子名を含むリスクアレル情報(リスクアレルの有無又はリスクアレル数を含む)を出力してもよい。このような検出装置としては、後述する検出装置5を使用することができる。
3.システム構成
本発明においては、上記「2.遺伝子多型解析」において取得された遺伝子多型情報を用いて、後述する「4.リスクアレルの存在に基づく遺伝的リスクの予測」に記載の予測方法、又は「5.リスクアレルの数に基づく遺伝的リスクの予測」に記載の予測方法を行う。まず、これらの処理を行うためのシステム構成について説明する。
図1は、本発明の一態様に係る予測方法を行うためのシステム100の概観図であり、図2は、図1に示すシステム100のハードウェア構成を示すブロック図である。システム100は、予測装置(以下では、同様のハードウェア構成を有し、後に説明するような異なる機能構成を有する予測装置に言及することになるため、これら異なる機能構成を有する予測装置を総称して、「予測装置1,2」と表記する)と、入力部3と、表示部4と、検出装置5とを備える。
予測装置1,2は、例えば汎用のパーソナルコンピュータで構成されており、後述するデータ処理を行うCPU101と、データ処理の作業領域に使用するメモリ102と、処理データを記録する記録部103と、各部の間でデータを伝送するバス104と、外部機器とのデータの入出力を行うインタフェース部105(以下、I/F部と記す)とを備えている。入力部3および表示部4は、予測装置1,2に接続されており、入力部3は、キーボード等で構成され、表示部4は、液晶ディスプレイ等で構成されている。入力部3と表示部4とは、一体化されてタッチパネル付き表示装置として実現されてもよい。なお、予測装置1,2は一体の装置である必要はなく、CPU101、メモリ102、記録部103等が別所に配置され、これらがネットワークで接続されていてもよい。また、入力部3や表示部4を省略した操作者を必要としない装置であってもよい。
また、予測装置1,2と、検出装置5とについても、一カ所に配置される必要は必ずしもなく、別所に設けられた装置間をネットワークで通信可能に接続した構成でもよい。
以下の説明においては、特に断らない限り予測装置1,2が行う処理は、図2に示す記録部103またはメモリ102に格納された予測プログラムに基づいて、実際には予測装置1,2のCPU101が行う処理を意味する。CPU101はメモリ102を作業領域として必要なデータ(処理途中の中間データ等)を一時記憶し、記録部103に演算結果等の長期保存するデータを適宜記録する。
検出装置5は、マイクロアレイ解析による遺伝子多型を検出するための装置であり、試料置き場51にセットされた被験者由来の核酸を反応部52にセットされたマイクロアレイチップ上に分注し、ハイブリダイゼーションを行い、洗浄した後、検出部53に移動させシグナルを検出する。
さらに、検出装置5の別態様は、PCRによって遺伝子多型を検出するための装置であり、試料置き場51にセットされた被験者由来の核酸を反応部52にセットされたマイクロチューブ内に分注し、続いて定量的PCR用試薬をマイクロチューブ内に分注する。反応部52でPCR反応を行いながら、検出部53でチューブ内のシグナルを検出する。
検出装置5は、有線または無線によって予測装置1,2に接続されている。検出装置5は、遺伝子多型解析の結果をA/D変換して、デジタルデータとして予測装置1,2に送信する。これにより、予測装置1,2は、上記「2.遺伝子多型解析」に記載する遺伝子多型解析の結果として、遺伝子多型情報を、演算処理可能なデジタルデータの形式で取得することができる。
4.リスクアレルの存在に基づく遺伝的リスクの予測
4−1.概要
本発明の第1の態様に係る予測方法では、「2.遺伝子多型解析」において取得された、被験者の遺伝子内に存在する遺伝子多型情報に基づいて、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクを予測する。具体的には、被験者の一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する工程(「工程(2)」ともいう)を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法である。
また、本発明の第1の態様では、工程(2)の前に、被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程(「工程(1)」ともいう)を含んでいてもよい。
工程(1)では、遺伝子多型情報を、遺伝子名及び配列情報として取得する。この場合、工程(2)の前に、遺伝子多型データベース上のリスクアレルの配列情報又は遺伝子多型データベースから取得したリスクアレルの配列情報と、工程1で取得した遺伝子多型情報とを照合し、被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定する工程(「工程(3)」ともいう)をさらに含んでいる。
あるいは、工程(1)において、遺伝子多型情報を、遺伝子名及びリスクアレルの有無として取得することができる。この場合、工程(2)において、被験者の遺伝子のうちの一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在した場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する。工程(3)は不要となる。
本発明の第1の態様において「複数種」とは、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、10種以上を意味し、被験遺伝子の種類の数(被験遺伝子数)に応じて適宜設定することができる。上限値は、被験遺伝子数である。
本発明の第1の態様における遺伝子多型情報の取得は、「2.遺伝子多型解析」に記載の方法によって得られる被験遺伝子の遺伝子多型情報を取得できる限り制限されない。例えば、予測を行う同一施設内で被験遺伝子の遺伝子多型解析を行うことによって取得してもよく、また他施設で遺伝子多型解析を行って取得した遺伝子多型情報を使用してもよい。
本発明の第1の態様における被験遺伝子内のリスクアレルの有無の決定方法は、制限されない。遺伝子多型情報を、遺伝子名および配列情報として取得する場合には、遺伝子多型データベース上のリスクアレルの配列情報又は遺伝子多型データベースから取得したリスクアレルの配列情報と、工程1で取得された被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)とを、人が目視で、または予測装置1等を用いて照合し、リスクアレルの配列情報の中に被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)と同じ配列情報が存在していた場合に、被験遺伝子内にリスクアレルが存在すると決定することができる。
本発明の第1の態様において、被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する方法も、制限されない。人が目視で行ってもよく、また後述する予測装置1等を用いて決定してもよい。
本態様は、工程1の前に、被験体から取得されたサンプルから抽出されたDNAを用いた遺伝子多型情報を取得する工程を含んでいてもよい。また、さらに、遺伝子多型情報を取得する前に、被験体のサンプルからDNAを抽出する工程、また必要に応じて抽出されたDNAをPCR法等で増幅する工程を含んでいてもよい。
また、本態様は工程2の後に、肌の状態に対する遺伝的なリスクに応じて、好ましい対処方法を被験者に提示する対処方法提示工程を含んでいてもよい。
例えば、肌のはりと関連する被験遺伝子にリスクアレルが存在した場合には、当該対処方法提示工程は、肌を紫外線から守ること、食事の食べ方(順番)に気を配ること、適度な運動を行うこと、動物性脂肪の摂取を控えること、肌を保湿すること、上質な睡眠をとること等のあらかじめ定められた対処方法を提示する方法を挙げることができる。
例えば、肌の潤いと関連する被験遺伝子にリスクアレルが存在した場合には、当該対処方法提示工程は、肌を保湿すること、ストレッチをおこなうこと、有酸素運動を行うこと、禁煙すること、上質な睡眠をとること、カフェインの摂取を控えること、ストレスを予防又は解消すること、半身浴を行うこと等のあらかじめ定められた対処方法を提示する方法を挙げることができる。
例えば、肌の皮脂分泌と関連する被験遺伝子にリスクアレルが存在した場合には、当該対処方法提示工程は、オイルマッサージを行うこと、ストレスを予防又は解消すること、上質な睡眠をとること、水分補給を行うこと、動物性脂肪の摂取を控えること、肌を保湿すること、有機酸素運動を行うこと、冷えを防止すること、正しい洗顔を行う等のあらかじめ定められた対処方法を提示する方法を挙げることができる。
例えば、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きと関連する被験遺伝子にリスクアレルが存在した場合には、当該対処方法提示工程は、アルコールの摂取を控えること、ストレスを予防又は解消すること、禁煙すること、肌を紫外線から守ること、上質な睡眠をとること、水分補給を行うこと、肌の毛穴を清浄する等のあらかじめ定められた対処方法を提示する方法を挙げることができる。
例えば、色素沈着と関連する被験遺伝子にリスクアレルが存在した場合には、当該対処方法提示工程は、肌を紫外線から守ること、食事の食べ方(順番)に気を配ること、適度な運動を行うこと、動物性脂肪の摂取を控えること、ストレスを予防又は解消すること、上質な睡眠をとること、肌を保湿すること、等のあらかじめ定められた対処方法を提示する方法を挙げることができる。
当該対処方法提示工程における提示は、人が被験者に対して提示してもよいが、後述する予測装置1が、予測結果を表示、又は出力する際に、予測結果と共に、又は予測結果に続いて表示、又は出力してもよい。
4−2.予測装置およびプログラム
本発明の第1の態様に係る予測装置1は、CPU101により下記の演算機能を実行する、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置である:
被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について、配列情報である遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得機能、
前記配列情報に基づいて、前記一種又は複数種の被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定するリスクアレル有無決定機能、及び、
前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定機能。
本態様では、上記装置として予測装置1を備えたシステム100(図1および図2参照)によって、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測することができる。
図3は、本発明の第1の態様に係る予測装置1の機能を説明するためのブロック図である。予測装置1は、取得部11と、リスクアレル有無決定部12と、遺伝的リスク決定部13と、対処方法提示部14とを備える。これらの機能ブロックは、本発明に係るプログラムを予測装置1の記録部103またはメモリ102にインストールし、このプログラムをCPU101が実行することにより実現される。なお、特許請求の範囲に記載の取得手段、リスクアレル有無決定手段および遺伝的リスク決定手段が、図3に示す取得部11、リスクアレル有無決定部12および遺伝的リスク決定部13にそれぞれ対応する。
本態様では、遺伝子多型情報Mは、遺伝子名および配列情報を含むデータであり、検出装置5から予測装置1に取り込まれる。もしくは、遺伝子多型情報Mは、ネットワークを介して外部の検査機関(図示せず)から取り込まれてもよい。また、本態様では、遺伝子多型データベースRは、ネットワークを介して予測装置1に接続されている、「2.遺伝子多型解析」に記載の外部機関(図示せず)のデータベースである。
また、取得部11、リスクアレル有無決定部12、遺伝的リスク決定部13および対処方法提示部14の各機能ブロックは、単一のCPUで実行されることは必ずしも必要なく、複数のCPUで分散して処理されてもよい。例えば、取得部11およびリスクアレル有無決定部12の機能は第1のコンピュータのCPUにより実行され、遺伝的リスク決定部13および対処方法提示部14の機能は別の第2のコンピュータのCPUにより実行される、という構成であってもよい。
また、予測装置1は、以下の図4で説明するステップS11〜S14の処理を行うために、本発明に係るプログラムを、例えば実行形式(例えばプログラミング言語からコンパイラにより変換されて生成される)で記録部103に予め記録しており、予測装置1は、記録部103に記録したプログラムを使用して処理を行う。なお、上記プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能であって一時的でない有形の記録媒体109から、予測装置1にインストールしてもよいし、予測装置1をインターネット(図示せず)と接続し、インターネットを介してプログラムのプログラムコードをダウンロードしてもよい。
4−3.予測方法
図4は、本発明の第1の態様に係る予測装置1が行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。本発明の第1の態様に係る予測装置1は、上述する本発明の第1の態様に係る予測方法を実行する。なお、図3に示す取得部11、リスクアレル有無決定部12、遺伝的リスク決定部13および対処方法提示部14により、図4に示すステップS11、S12、S13およびS14の処理がそれぞれ実行される。
ステップS11では、取得部11が、遺伝子名および配列情報を含む遺伝子多型情報Mを取得する。遺伝子多型情報Mは、被験者の一種又は複数種の被験遺伝子についての遺伝子多型情報であり、「2.遺伝子多型解析」に記載の方法によって配列情報のデータとして得られる。本態様では、取得部11は、検出装置5によって検出された遺伝子多型情報Mを、検出装置5から取得する。
ステップS12では、リスクアレル有無決定部12が、取得した遺伝子多型情報M(配列情報)に基づいて、被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定する。具体的には、リスクアレル有無決定部12が、遺伝子多型データベースR上のリスクアレルの配列情報又は遺伝子多型データベースRから取得したリスクアレルの配列情報と、取得部11が取得した被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)とを照合し、リスクアレルの配列情報の中に被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)と同じ配列情報が存在していた場合に、被験遺伝子内にリスクアレルがあると決定する。このようなステップS12の処理を、遺伝子多型情報M内のすべての被験遺伝子について実行する。
ステップS13では、遺伝的リスク決定部13が、ステップS12において決定した、被験遺伝子内のリスクアレルの有無に基づいて、遺伝的リスクを予測する。具体的には、遺伝的リスク決定部13は、被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合、予測結果として、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクがあると決定する。このようなステップS13の処理を、遺伝子多型情報M内のすべての被験遺伝子について実行する。
得られた予測結果は、予測装置1の表示部4に表示されるか、予測装置1内の記録部103に記録される。もしくは、インターネットを介して接続された、予測装置1の外部の例えば医療機関(クリニック等)におけるコンピュータ端末の表示部に表示されてもよいし、例えばプリンタによって紙等の媒体に印刷されてもよい。
ステップS14では、対処方法提示部14が、肌の状態に対する遺伝的なリスクに応じて、例えば記録部103内に予めデータとして記録されている好ましい対処方法を、被験者に提示する。
5.リスクアレルの数に基づく遺伝的リスクの予測
5−1.概要
本発明の第2の態様に係る予測方法では、「2.遺伝子多型解析」において取得された、被験者の複数の遺伝子内に存在する遺伝子多型情報に基づいて、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクを予測する。具体的には、被験者の複数種の被験遺伝子内に存在するリスクアレルの数に応じて、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクを予測することができる。
より具体的には、本発明の第2の態様に係る予測方法は、(I)被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(配列情報、又はリスクアレルの数)を取得する工程(「工程I」ともいう)、(II)前記被験遺伝子それぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する工程(「工程II」ともいう)、(III)前記工程(II)において被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める工程(「工程III」ともいう)、及び(IV)前記工程(III)において求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する工程(「工程IV」ともいう)、を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法である。
本発明の第2の態様において「複数種」とは、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、10種以上を意味し、被験遺伝子の種類の数(被験遺伝子数)に応じて適宜設定することができる。上限値は、被験遺伝子数である。
工程Iにおける遺伝子情報の取得は、「2.遺伝子多型解析」に記載の方法によって得られる被験遺伝子の遺伝子多型情報を取得できる限り制限されない。例えば、予測を行う同一施設内で被験遺伝子の遺伝子多型解析を行うことによって取得してもよく、また他施設で遺伝子多型解析を行って取得した遺伝子多型情報を使用してもよい。さらに、遺伝子多型情報は、遺伝子名を含む配列情報として取得してもよく、遺伝子名を含むリスクアレル情報(リスクアレル数を含む)として取得してもよい。
工程IIにおける、被験遺伝子それぞれについてリスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する方法は、特に制限されない。例えば、人が目視で数えてもよく、また、後述する予測装置2を使用して算出してもよい。工程Iにおいて、遺伝子多型情報として遺伝子名およびリスクアレル数を取得する場合には、取得した情報の中から各被験遺伝子のリスクアレル数を算出する。工程Iにおいて、遺伝子多型情報として遺伝子名および配列情報を取得する場合には、遺伝子多型データベース上のリスクアレルの配列情報又は遺伝子多型データベースから取得したリスクアレルの配列情報と、工程1で取得された被験遺伝子それぞれの遺伝子多型情報(配列情報)とを、人が目視で、または予測装置2等を用いて照合し、リスクアレルの配列情報の中に被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)と同じ配列情報が存在していた場合に、被験遺伝子それぞれについてその遺伝子内のリスクアレルの数を算出する。
工程IIIでは、各工程で被験遺伝子毎に求められたリスクアレル数の総和を求める。総和は、人が計算を行ってもよく、電算機が計算を行ってもよく、また後述する予測装置2を使用して計算を行ってもよい。
工程IVでは、工程IIIで得られたリスクアレル数の総和を総アレル数で除した値(リスクアレル数/総アレル数値)を求める。リスクアレル数/総アレル数値は、人が計算を行ってもよく、電算機が計算を行ってもよく、また後述する予測装置2を使用して計算を行ってもよい。リスクアレル数/総アレル数値が1/6以上である場合、好ましくは1/4以上である場合、より好ましくは1/3以上、さらに好ましくは1/2である場合に被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクが存在すると決定することができる。
具体的には、肌の状態が皮脂分泌である場合には、リスクアレル数/総アレル数値が1/4以上である場合、好ましくは1/3以上である場合に被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクが存在すると決定することができる。
肌の状態が潤いである場合には、リスクアレル数/総アレル数値が1/6以上である場合、好ましくは1/4以上である場合、より好ましくは1/3以上である場合に被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクが存在すると決定することができる。
肌の状態がはりである場合には、リスクアレル数/総アレル数値が1/4以上である場合、好ましくは1/3以上である場合に被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクが存在すると決定することができる。
肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きである場合には、リスクアレル数/総アレル数値が1/4以上である場合、好ましくは1/3以上である場合に被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクが存在すると決定することができる。
肌の状態が色素沈着である場合には、リスクアレル数/総アレル数値が1/4以上である場合、好ましくは1/3以上である場合に被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクが存在すると決定することができる。
また、工程IVには、リスクアレル数/総アレル数値に応じて、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度を段階的に決定する態様も含まれる。例えば、リスクアレル数/総アレル数値が0以上、かつ1/6未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が弱いと決定することができる。また、リスクアレル数/総アレル数値が1/6以上、かつ1/4未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度がやや弱いと決定することができる。さらに、リスクアレル数/総アレル数値が1/4以上、かつ1/2未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が平均的からやや高いと決定することができる。さらにまた、リスクアレル数/総アレル数値が1/2以上、かつ1以下である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が高いと決定することができる。
具体的には、肌の状態がはりである場合には、リスクアレル数/総アレル数値が0以上かつ1/5未満である場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が1/5以上かつ1/4未満である場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度がやや弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が1/4以上かつ2/5未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が平均的からやや高いであると決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が2/5以上かつ1以下である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が高いと決定することができる。
肌の状態が潤いである場合には、リスクアレル数/総アレル数値が0以上かつ1/12未満である場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が1/12以上かつ1/6未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度がやや弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が1/6以上かつ5/12未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が平均的からやや高いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が5/12以上かつ1以下である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が高いと決定することができる。
肌の状態が皮脂分泌である場合には、リスクアレル数/総アレル数値が0以上、かつ1/6未満である場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が1/6以上、かつ1/5未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度がやや弱いであると決定することができる。また、リスクアレル数/総アレル数値が1/5以上、かつ7/12未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が平均的からやや高いであると決定することができる。さらに、リスクアレル数/総アレル数値が7/12以上かつ1以下である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が高いと決定することができる。
肌の状態が体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きである場合には、リスクアレル数/総アレル数値が0以上かつ3/14未満である場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が3/14以上かつ4/14未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度がやや弱いであると決定することができる。また、リスクアレル数/総アレル数値が4/14以上かつ1/2未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が平均的からやや高いであると決定することができる。さらに、リスクアレル数/総アレル数値が1/2以上かつ1以下である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が高いと決定することができる。
肌の状態が色素沈着である場合には、リスクアレル数/総アレル数値が0以上かつ4/16未満である場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が弱いと決定することができ、リスクアレル数/総アレル数値が4/16以上かつ5/16未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度がやや弱いであると決定することができる。また、リスクアレル数/総アレル数値が5/16以上かつ7/16未満である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が平均的からやや高いであると決定することができる。さらに、リスクアレル数/総アレル数値が7/16以上かつ1以下である場合には、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクの程度が高いと決定することができる。
本態様は、工程Iの前に、被験体から取得されたサンプルから抽出されたDNAを用いた遺伝子多型情報を取得する工程を含んでいてもよい。また、さらに、遺伝子多型情報を取得する前に、被験体のサンプルからDNAを抽出する工程、また必要に応じて抽出されたDNAをPCR法等で増幅する工程を含んでいてもよい。
また、本態様は工程IVの後に、肌の状態に対する遺伝的なリスクに応じて、好ましい対処方法を被験者に提示する工程Vを含んでいてもよい。工程IVの具体的な提示方法は、上記4−1.に記載の対処方法提示工程に準ずる。
5−2.予測装置およびプログラム
本発明の第2の態様に係る予測装置2は、CPU101により下記の演算機能を実行する、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置である:
被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得機能、
前記被験遺伝子のそれぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出するリスクアレル数算出機能、
前記リスクアレル数算出機能が被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める総和算出機能、及び
前記総和算出機能が求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定機能。
本態様では、上記装置として予測装置2を備えたシステム100(図1および図2参照)によって、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測することができる。
図5は、本発明の第2の態様に係る予測装置2の機能を説明するためのブロック図である。予測装置2は、取得部21と、リスクアレル数算出部22と、総和算出部23と、遺伝的リスク決定部24と、対処方法提示部25とを備える。これらの機能ブロックは、本発明に係るプログラムを予測装置2の記録部103またはメモリ102にインストールし、このプログラムをCPU101が実行することにより実現される。なお、特許請求の範囲に記載の取得手段、リスクアレル数算出手段、総和算出手段および遺伝的リスク決定手段が、図5に示す取得部21、リスクアレル数算出部22、総和算出部23および遺伝的リスク決定部24にそれぞれ対応する。
本態様では、遺伝子多型情報Mは、検出装置5から予測装置2に取り込まれる。もしくは、遺伝子多型情報Mは、ネットワークを介して外部の検査機関(図示せず)から取り込まれてもよい。また、本態様では、遺伝子多型データベースRは、ネットワークを介して予測装置2に接続されている、「2.遺伝子多型解析」に記載の外部機関(図示せず)のデータベースである。
また、取得部21、リスクアレル数算出部22、総和算出部23、遺伝的リスク決定部24および対処方法提示部25の各機能ブロックは、単一のCPUで実行されることは必ずしも必要なく、複数のCPUで分散して処理されてもよい。例えば、取得部21、リスクアレル数算出部22および総和算出部23の機能は第1のコンピュータのCPUにより実行され、遺伝的リスク決定部24および対処方法提示部25の機能は別の第2のコンピュータのCPUにより実行される、という構成であってもよい。
また、予測装置2は、以下の図6で説明するステップS21〜S25の処理を行うために、本発明に係るプログラムを、例えば実行形式(例えばプログラミング言語からコンパイラにより変換されて生成される)で記録部103に予め記録しており、予測装置2は、記録部103に記録したプログラムを使用して処理を行う。なお、上記プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能であって一時的でない有形の記録媒体109から、予測装置2にインストールしてもよいし、予測装置2をインターネット(図示せず)と接続し、インターネットを介してプログラムのプログラムコードをダウンロードしてもよい。
5−3.予測方法
図6は、本発明の第2の態様に係る予測装置2が行うデータ処理の順序を示すフローチャートである。本発明の第2の態様に係る予測装置2は、上述する本発明の第2の態様に係る予測方法を実行する。なお、図5に示す取得部21、リスクアレル数算出部22、総和算出部23、遺伝的リスク決定部24および対処方法提示部25により、図6に示すステップS21、S22、S23、S24およびS25の処理がそれぞれ実行される。
ステップS21では、取得部21が、遺伝子多型情報Mを取得する。遺伝子多型情報Mは、被験者の複数種の被験遺伝子についての遺伝子多型情報であり、「2.遺伝子多型解析」に記載の方法によってデータとして得られる。本態様では、取得部21は、検出装置5によって検出された遺伝子多型情報Mを、検出装置5から取得する。
ステップS22では、リスクアレル数算出部22が、取得した遺伝子多型情報Mに基づいて、各被験遺伝子について、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する。
具体的には、取得部21が、遺伝子多型情報Mとして遺伝子名およびリスクアレル数を取得する場合には、取得した遺伝子多型情報Mの中から各被験遺伝子のリスクアレル数を算出する。
取得部21が、遺伝子多型情報Mとして遺伝子名と配列情報とを取得する場合には、遺伝子多型データベースR上のリスクアレルの配列情報又は遺伝子多型データベースRから取得したリスクアレルの配列情報と、取得部21が取得した各被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)とをリスクアレル数算出部22が照合し、リスクアレルの配列情報の中に被験遺伝子の遺伝子多型情報(配列情報)と同じ配列情報が存在していた場合に、各被験遺伝子についてその遺伝子内のリスクアレルの数を算出する。
このようなステップS22の処理を、遺伝子多型情報M内のすべての被験遺伝子について実行する。
ステップS23では、総和算出部23が、ステップS22において被験遺伝子それぞれについて求めたリスクアレル数の総和を求める。
ステップS24では、遺伝的リスク決定部24が、ステップS23において求めたリスクアレル数の総和に基づいて、遺伝的リスクを予測する。具体的には、遺伝的リスク決定部24は、リスクアレル数の総和が所定の割合以上である場合、予測結果として、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクがあると決定する。所定の割合は、例えば上記5−1.に記載のリスクアレル数/総アレル数値の値である。このようなステップS24の処理を、遺伝子多型情報M内のすべての被験遺伝子について実行する。
得られた予測結果は、予測装置2の表示部4に表示されるか、予測装置2内の記録部103に記録される。もしくは、インターネットを介して接続された、予測装置2の外部の例えば医療機関(クリニック等)におけるコンピュータ端末の表示部に表示されてもよいし、例えばプリンタによって紙等の媒体に印刷されてもよい。
ステップS25では、対処方法提示部25が、肌の状態に対する遺伝的なリスクに応じて、例えば記録部103内に予めデータとして記録されている好ましい対処方法を、被験者に提示する。
以下、本発明を、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
I.サンプル及び方法
1.被験者及びサンプルからのDNA抽出、及び1塩基多型の解析
赤坂AAクリニックに来院した144人の女性(年齢25〜70歳)の血液から細胞を含むサンプルを採取した。
DNA抽出及び1塩基多型の解析は、株式会社ジェネティックラボ又は株式会社理研ジェネシスに依頼した。
株式会社ジェネティックラボでは、QIAamp DNA micro kit(QIAGEN)を使用してDNAを抽出し、GoldenGate Assay kit(イルミナ株式会社)を使用して1塩基多型解析を行った。また、株式会社理研ジェネシスは、Maxwell(登録商標)16 Automated Purification System(プロメガ社)を使用して各サンプルからDNAを抽出し、Ilumina 24x1 Infinium HD iSelect SP Infinium01 Custom DNA Analysis Kitを使用して1塩基多型解析を行った。
2.肌の状態の解析
各被験者の肌の状態の解析は、肌診断機器A-ONE Lite(株式会社ボムテク、韓国)を使用し、肌のTゾーンの皮脂、しわ(はり)、毛穴、及び色素沈着について評価した。
3.統計解析
肌の状態と1塩基多型の有無との相関関係を、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)専用統計解析ソフトHALBAU7(株式会社ハルボウ研究所)を使用して単相関解析でもとめた。リスクアレルがヘテロ接合体である場合とホモ接合体である場合を考慮して相関関係を求めた。
II.結果
各遺伝子の1塩基と肌の状態の相関関係を表すp値を表2に示す。
予測装置により得られた予測結果のコンピュータ端末の表示部への表示例を、図7〜図11に示す。
1,2 予測装置
3 入力部
4 表示部
5 検出装置
11 取得部
12 リスクアレル有無決定部
13 遺伝的リスク決定部
14 対処方法提示部
21 取得部
22 リスクアレル数算出部
23 総和算出部
24 遺伝的リスク決定部
25 対処方法提示部
51 試料置き場
52 反応部
53 検出部
100 システム
101 CPU
102 メモリ
103 記録部
104 バス
105 インタフェース部(I/F部)
109 記録媒体
M 遺伝子多型情報
R 遺伝子多型データベース(リスクアレル参照情報)

Claims (20)

  1. 被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、及び
    前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
    を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
    前記被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、SLC6A4、NOS3、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、装置。
  2. 被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、及び
    前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
    を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、及びESR1からなる群から選択される一種又は複数種と、EPHX2とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、及びVDRからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、及び
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含む、
    装置。
  3. 被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、及び
    前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
    を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種と、SLC6A4とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種と、ENPP1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種と、VEGFとを含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子が(i)EDAR、SMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、(ii)PON1、TNF−α、及びARとを含み、及び
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、TYR及びPON1とを含む、
    装置。
  4. 前記遺伝子多型情報が、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記遺伝子多型情報が配列情報であり、
    前記配列情報に基づいて、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定するリスクアレル有無決定手段をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記遺伝的リスク決定手段が、複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、前記肌の状態が乱れるリスクがあると決定する手段である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、
    前記被験遺伝子それぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出するリスクアレル数算出手段、
    前記リスクアレル数算出手段が被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める総和算出手段、及び
    前記総和算出手段が求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
    を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
    前記複数種の被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、SLC6A4、NOS3、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される複数種を含む、装置。
  8. 被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、
    前記被験遺伝子それぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出するリスクアレル数算出手段、
    前記リスクアレル数算出手段が被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める総和算出手段、及び
    前記総和算出手段が求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
    を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、及びESR1からなる群から選択される一種又は複数種と、EPHX2とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、及びVDRからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、及び
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含む、
    装置。
  9. 被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する取得手段、
    前記被験遺伝子それぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出するリスクアレル数算出手段、
    前記リスクアレル数算出手段が被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める総和算出手段、及び
    前記総和算出手段が求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段、
    を備える、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種と、SLC6A4とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種と、ENPP1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種と、VEGFとを含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子が(i)EDAR、SMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、(ii)PON1、TNF−α、及びARとを含み、又は
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、TYR及びPON1とを含む、
    装置。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. (1)被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、及び
    (2)前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する工程、
    を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
    前記被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、SLC6A4、NOS3、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種を含む、方法。
  13. (1)被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、及び
    (2)前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する工程、
    を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、及びESR1からなる群から選択される一種又は複数種と、EPHX2とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、及びVDRからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、又は
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含む、
    方法。
  14. (1)被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、及び
    (2)前記一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する工程、
    を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種と、SLC6A4とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種と、ENPP1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種と、VEGFとを含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子が(i)EDAR、SMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、(ii)PON1、TNF−α、及びARとを含み、又は
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、TYR及びPON1とを含む、
    方法。
  15. 前記遺伝子多型情報が、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無である、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記遺伝子多型情報が配列情報であり、
    前記決定する工程(2)の前に、(3)前記配列情報に基づいて、前記被験遺伝子内のリスクアレルの有無を決定する工程をさらに含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記決定する工程(2)が、複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、前記肌の状態が乱れるリスクがあると決定する工程である、
    請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. (I)被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、
    (II)前記被験遺伝子のそれぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する工程、
    (III)前記工程(II)において被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める工程、及び
    (IV)前記工程(III)において求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する工程、
    を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
    前記複数種の被験遺伝子が、ENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、SLC6A4、NOS3、GDF5、ABCA1、CARD11、ARID5B、SMARCA4、SCNN1、及びOCA2からなる群から選択される複数種を含む、方法。
  19. (I)被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、
    (II)前記被験遺伝子のそれぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する工程、
    (III)前記工程(II)において被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める工程、及び
    (IV)前記工程(III)において求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する工程、
    を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がSLC6A4、NOS3、及びESR1からなる群から選択される一種又は複数種と、EPHX2とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がENPP1、AKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、及びVDRからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がVEGF、EDAR、GDF5、ABCA1、及びCARD11からなる群から選択される一種又は複数種を含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子がSMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含み、又は
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、PON1とを含む、
    方法。
  20. (I)被験者の複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報(但し、前記遺伝子多型情報の遺伝子多型には翻訳領域のサイレント変異を含まない)を取得する工程、
    (II)前記被験遺伝子のそれぞれについて、リスクアレルを有する染色体の数(リスクアレル数)を算出する工程、
    (III)前記工程(II)において被験遺伝子毎に求めたリスクアレル数の総和を求める工程、及び
    (IV)前記工程(III)において求めた総和が、被験遺伝子の数を2倍して得られる値(総アレル数)の1/6以上の値である場合に、被験者の肌の状態が乱れる遺伝的リスクがあると決定する工程、
    を含む、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する方法であって、
    前記肌の状態が、潤い、はり、皮脂分泌、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開き、並びに色素沈着の強さからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記肌の状態が、潤いであるとき、前記被験遺伝子がNOS3、EPHX2、ESR1、及びFLGからなる群から選択される一種又は複数種と、SLC6A4とを含み、
    前記肌の状態が、はりであるとき、前記被験遺伝子がAKR1B1、IGF2BP2、AGER、ABCG2、FLG、VDR、PON1、MMP1、及びMMP2からなる群から選択される一種又は複数種と、ENPP1とを含み、
    前記肌の状態が、皮脂分泌であるとき、前記被験遺伝子がEDAR、GDF5、ABCA1、CARD11、及びABCC11からなる群から選択される一種又は複数種と、VEGFとを含み、
    前記肌の状態が、体毛の濃さ及び/又は毛穴の開きであるとき、前記被験遺伝子が(i)EDAR、SMARCA4、SCNN1、及びARID5Bからなる群から選択される一種又は複数種と、(ii)PON1、TNF−α、及びARとを含み、又は
    前記肌の状態が、色素沈着の強さであるとき、前記被験遺伝子がFLG、AKR1B1、SLC45A2、MMP2、及びOCA2からなる群から選択される一種又は複数種と、TYR及びPON1とを含む、
    方法。
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