JP6383160B2 - 紙管及び当該紙管を使用したロール状シート - Google Patents

紙管及び当該紙管を使用したロール状シート Download PDF

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Description

本発明は、紙管及び当該紙管を使用したロール状シートに関する。
従来、トイレットロールにおいて、トイレットペーパーが巻かれる紙管またはトイレットペーパー自体に香料を付与したものが知られている。香り付きトイレットロールにおいては、使用中の香りの持続性の他に、使用開始までは香料が揮発しない性能(以下、保香性)が要求される。
しかし、トイレットロールは製造後に複数個まとめてポリエチレンやポリプロピレン等からなる包装フィルムで包装された状態で出荷され、消費者に使用されるまでにはかなりの時間を要するため、使用時に香りが弱くなるという問題があった。また、倉庫保管時または店頭陳列時等に他製品へ臭気が影響するという問題もあった。
そこで、例えば、ロール状シートの紙管において、揮発性の芳香物質及び/又は消臭物質を内包するマイクロカプセルが混入され、シートが引き出される際など所定の荷重がロール状シートを保持するホルダーから付与された際に、マイクロカプセルが破裂して芳香物質や消臭物質が発散するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の発明によれば、香料が常時発散しないため、芳香や消臭効果の保香性が高い。
特開2009−242065号公報
しかし、上記特許文献1に記載の発明では、ロール状シートを支えるホルダーの形状によっては、紙管に混入したマイクロカプセルにマイクロカプセルが破裂するほどの荷重が付与されず、芳香物質や消臭物質が効率良く発散されないことがある。
本発明の主たる課題は、使用開始までの保香性が高く、使用時に効率的に新鮮な芳香を発生させることができる紙管、及び当該紙管を使用したロール状シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
ロール状シートの芯となる紙管において、
紙管原紙からなる原紙層と、前記原紙層の内面に形成された香料含有層と、前記香料含有層の原紙層側と反対側を被膜するフィルム層と、を有し、
前記香料含有層は、前記原紙層の内面に固定された香料入りのマイクロカプセルを備え、
前記フィルム層は、前記原紙層の内面を螺旋状に周回する帯状に形成され、前記香料含有層を覆う剥離可能なフィルムと、前記フィルムの前記マイクロカプセルに対向した面に形成された粘着層と、を備え、
前記フィルムは、前記紙管の周方向の長さが25mmから55mmであり、
前記粘着層は、前記紙管の周方向の長さが15mmから45mmであり、
前記フィルム層の前記紙管の周方向の両縁部には、前記紙管の周方向の長さが5mm以上の前記粘着層が備えられていない部分である掴み部が形成され、
前記フィルム層を前記香料含有層から剥離する際に、前記マイクロカプセルが破壊されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
ロール状シートの芯となる紙管において、
紙管原紙からなる原紙層と、前記原紙層の内面に形成された香料含有層と、前記香料含有層の原紙層側と反対側を被膜するフィルム層と、を有し、
前記香料含有層は、前記原紙層の内面に固定された香料入りのマイクロカプセルを備え、
前記フィルム層は、前記香料含有層を覆う剥離可能なフィルムと、前記フィルムの前記マイクロカプセルに対向した面に形成された粘着層と、を備え、
前記フィルム層は、前記粘着層の周縁部において前記原紙層と剥離可能に溶着又は接着され、
前記フィルム層を前記香料含有層から剥離する際に、前記マイクロカプセルが破壊されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の紙管において、
前記香料含有層は、接着剤からなる接着層を備え、
前記マイクロカプセルは、前記接着層を介して前記原紙層に固定され
前記接着層と前記マイクロカプセルの接着強度」>「前記粘着層と前記マイクロカプセルの接着強度」の関係を満たすことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の紙管において、
平面状の前記紙管原紙に、幅15mmの前記香料含有層を形成し、幅25mmの前記フィルム及び前記フィルムの幅方向中央に設けられた幅15mmの前記粘着層を備えた前記フィルム層を、前記香料含有層と前記粘着層とが重なるように貼り付けたものを試験片とし、
前記フィルム層の幅方向と引っ張り方向、すなわち上方向とが略直交するように、前記試験片を引張り試験機に固定し、前記フィルム層の下端を上方向に引っ張って、剥離角度180度、引張り速度20mm/分で、前記フィルム層を前記紙管原紙から剥離させ、剥離中の引っ張り荷重を記録し、引っ張り荷重が一定になるまで測定を行い、一定となった測定値を前記粘着層の幅で割った値が、0.15から0.8N/cmであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、ロール状シートにおいて、
請求項1から4のいずれか一項に記載の紙管と、
前記紙管を芯として捲回されたシートと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、香料がマイクロカプセルに封入され、さらにフィルムで被膜されているため、使用前のマイクロカプセルの破壊や脱落を防止できて保香性が高く、倉庫保管時または店頭陳列時等に他製品へ臭気が影響することもない。
また、使用時にフィルムを剥離することによって香料の揮発が始まるため、ロール状シートを設置するホルダーの形状に関わらず効率よく芳香を発生させることができる。
さらに、芳香を発生させるタイミングを使用者が決定することができる。
本発明のロール状トイレットペーパーの斜視図である。 本発明の紙管の断面図(a)および、その一部の拡大図(b)である。 本発明の実施形態の紙管の斜視図である。
以下、図を参照して、本発明に係る紙管及び当該紙管を使用したロール状シートについて詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本実施の形態では、シートとしてトイレットペーパーを例示して、ロール状シートとしてロール状トイレットペーパーを例示して、説明することとする。
<ロール状トイレットペーパー>
ロール状トイレットペーパー10は、例えば、図1に示すように、紙管30と、紙管30を芯として捲回されたトイレットペーパー20と、などを備えて構成され、紙管30内にペーパーホルダーの支持部を挿入した状態で、トイレットペーパー20を引き出して使用するのが一般的である。
ロール状トイレットペーパー10の大きさは特に限定されないが、直径100〜120mm、幅100〜115mm、紙管径35〜50mmのものが一般的であり、本発明においても好適である。
トイレットペーパー20を構成する原紙は、原料パルプを主原料とする薄葉紙用抄紙原料により製造できる。その原料パルプは、特に限定されるものではなく、トイレットペーパー20の具体的な用途に応じて適宜の原料パルプを選択し、また適宜配合して使用することができる。
また、トイレットペーパー20のプライ数及び坪量は、その用途によって適宜調整することができるが、プライ数が1プライから3プライ、全体での紙厚100〜270μm、坪量は10〜30g/mの範囲内にあるものを使用するのが望ましい。坪量が10g/m未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となる。逆に、坪量が30g/mを超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。なお、坪量の測定方法としては、例えば、JIS P8124に準じた方法等が挙げられる。
<紙管>
紙管30は、例えば、図1に示すように、略中空円筒形状をなしている。
具体的には、紙管30は、例えば、図2(a)に示すように、紙管原紙からなる原紙層31と、原紙層31の内面に配置された香料入りのマイクロカプセル42を含む香料含有層40と、香料含有層40を原紙層31と反対側から覆うフィルム層50と、を有している。
原紙層31は、例えば、2枚の紙管原紙が共に螺旋状に巻かれて接着剤で貼り合わされた二層積層構造のスパイラル紙管、平巻き紙管を用いることができる。好ましくは、米坪120〜220g/m、紙厚150μm〜500μmの紙管原紙を螺旋状に巻いて二層積層構造にしたスパイラル紙管が紙管30の強度及び後述の香料含有層40の強度を確保しやすい。
なお、原紙層31は、1枚の紙管原紙からなる層であっても良いし、3枚以上の紙管原紙を貼り合わせてなる層であっても良い。
香料含有層40は、図2(b)に示すように、接着剤からなる接着層41と、接着層41によって紙管30内面に固定された香料入りのマイクロカプセル42と、を有している。
フィルム層50剥離後の芳香は、香料をマイクロカプセル42に封入して塗布していることにより、紙管30に香料を直接塗布する場合に比して、徐放性が高まるという効果がある。
マイクロカプセル42に内包される香料は、芳香を有する揮発性の物質であれば任意であるが、揮発しやすさなどの観点から、香りのピラミッドでトップノートに分類される揮発性の高い香料が好ましい。
香りのピラミッドとは、香料を揮発度によって、トップノート、ミドルノート及びベースノート(ラストノート)の3つに分類する手法である。具体的には、保留性が小さく揮発度の高い香料はトップノートに属し、中間の揮発度と保留性を持つ香料はミドルノートに属し、揮発度が低く保留性の大きい香料はベースノートに属する。
マイクロカプセル42に封入される香料は、特に限定されるものではないが、例えば、リュウゼン香、安息香、海狸香、霊猫香、丁字油、ガルバナム、ジャスミンアブソリュート、ラブタナム、マテ茶、メリロット、ミモザ、ムスクトンキン、ミルラ、オークモスまたはモスドシェーヌ、乳香、ビャクシ香、オリス、バチュリ、ローズマリー油、白檀油、ベチバー油、バイオレットリーフアブソリュートなどの天然香料、高級アルコール、アルデヒド、ベンズアルデヒド、安息香酸、ケイ皮酸、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮アルコール、クマリン、エステル、インドール、ケトン、サリチル酸と関連化合物、テルペノイド、バニリンなどの各種の合成香料、あるいはこれらの2つ以上の混合物を上げることができる。市販品を使用することもできる。
また、マイクロカプセル42は、消臭物質を内包しても良い。内包される消臭物質は、臭い成分を分解、中和、吸着等して除去できる揮発性の物質であれば任意である。
具体的には、例えば、緑茶等より抽出されたフラボノイド系化合物を含有する消臭物質、オオバコ、ムジナオオバコ、ヘラオオバコの中から選択された少なくとも一種以上のオオバコ科植物の全草抽出物を含有する消臭物質、マメ科クララ属植物に含まれる消臭作用を有する成分を有効成分とする消臭物質、ひのき油や、ひば油、杉油、芳油、樟脳油などを構成成分とする消臭物質等である。
マイクロカプセル42の素材は任意であるが、具体的には、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、ゼラチン、寒天、各種天然ゲル化剤等である。
マイクロカプセル42の平均粒径が大きいほど、多くの香料を内包できるため芳香効果が高いという効果が得られるが、製造加工中の壊れにくさ、塗布のしやすさ等の操作性の問題が生じ得る。マイクロカプセル42の素材及び内包する香料の種類に応じて、十分な芳香効果が得られ、かつ、操作性の良いものを適宜選択すると良く、具体的には、マイクロカプセル42の平均粒径は10〜20μmの範囲が好ましい。
なお、「平均粒径」とは、粉状または粒状である原料物質の各粒子の粒径を平均した値をいうが、全原料物質を母集団とする統計指標としての平均を意味することは勿論である。つまり、母集団(全原料物質)から適当なサンプル(各粒子)を抽出し、このサンプルの粒径を測定して算術平均した値を「平均粒径」とする。統計的手法により求める値であるから測定ごとに値が変動する可能性があることはいうまでもない。
マイクロカプセル42に対する香料の添加量および紙管30へのマイクロカプセル42の塗布量は、内包する香料の揮発性や残香性、コスト等に応じて適宜任意に変更可能である。
フィルム層50は、例えば、香料含有層40を覆うとともに剥離可能なフィルム52と、フィルム52のマイクロカプセル42に対向した面に形成された、接着剤からなる粘着層51と、からなる層である。
フィルム52は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の任意の素材を用いることができ、フィルム52の端を指で摘まんで剥離する際に伸びすぎたり切れたりしない強度のものであれば、厚みは任意である。
保香性がより一層高まるという観点から、非通気性のフィルムを使用すると好ましい。
フィルム層50の端部には、掴み部50Tとして、原紙層31と接着されない部分を設けることが好ましい。使用者は掴み部50Tを摘まんで引っ張ることで、容易にフィルム層50を剥離することができる。フィルム層50の剥がしやすさの観点から、掴み部50Tの幅は5mm以上とすると好ましい。
フィルム層50における掴み部50Tの形成位置及び数及び形状は、適宜定めることができる。図2では紙管30の周方向両側の縁部にそれぞれ形成されているが、紙管30の周方向いずれか一方の縁部側にのみ形成したり、紙管30の長手方向両側の縁部又はいずれか一方の縁部側にのみ形成したり、また、フィルム層50の周縁部にその全周に亘って形成しても良い。
フィルム層50は、粘着層51を介して香料含有層40に固定されるだけでなく、図2(a)に示すように、粘着層51の周縁部において原紙層31と溶着または接着されることにより、さらに保香性を高めることができる。
なお、図3において、香料含有層40及びフィルム層50は、紙管30の長手方向両端部に亘り、原紙層31の内面上に螺旋状に、帯状をなして配置された例を示しているが、原紙層31内面への香料含有層40及びフィルム層50の配置形状は任意である。例えば、香料含有層を原紙層31の内面の全体に形成したり、紙管30の長手方向端部にのみ形成しても良い。
使用時に効率良く確実に新鮮な芳香を発生させるという観点によれば、フィルム層50は香料含有層40の全体を被覆していなくても良いが、フィルム層50が香料含有層40の全体を被覆する形状であれば、製造時や保管時の香り漏れが防止できるという効果も得られるという点で、さらに好適である。
粘着層51はマイクロカプセル42に接着しており、フィルム層50を剥離する際に、マイクロカプセル42の粘着層51と接着していた部分が破壊されて、香料の揮発が開始する程度の接着強度を有する。
香料含有層40に対するフィルム層50の接着強度の測定方法は、以下の通りである。
平面状の紙管原紙に、幅15mmの香料含有層40を形成し、幅25mmのフィルム52及び、その幅方向中央に設けられた幅15mmの粘着層51を備えたフィルム層50を、香料含有層40と粘着層51とが重なるように貼り付けたものを試験片とする。
フィルム層50の幅方向と引っ張り方向(上方向)が略直交するように、試験片を引張り試験機に固定する。フィルム層50の下端を上方向に引っ張って、剥離角度180度、引張り速度20mm/分で、フィルム層50を紙管原紙から剥離させ、剥離中の引っ張り荷重(単位:N)を記録する。引っ張り荷重が一定になるまで測定を行い、一定となった測定値を粘着層51の幅(1.5cm)で割った値(単位:N/cm)を、接着強度とする。
接着強度が0.8N/cm以上では、フィルム層50を剥がす際に香料含有層40がフィルム層50から分離されずに一緒に剥がれるなど、使用時の操作性の問題が生じる。また、接着強度が0.15N/cm以下では、フィルム層50の剥離時にマイクロカプセル42が破壊されず、芳香効果が十分に得られなかった。以上より、香料含有層40に対するフィルム層50の接着強度は、0.15〜0.8N/cmが好適である。
また、「接着強度(N/cm)×粘着層51の幅(cm)」で算出される引っ張り荷重が3.6N以上では、フィルム層50を指先で摘まんで剥離することが困難であるため、接着強度に粘着層51の幅を加味した引っ張り荷重は、3.6N以下が好ましい。
接着層41と粘着層51は、フィルム層50の剥離時にマイクロカプセル42が原紙層31から剥離または脱落することなく、粘着層51によって破壊された一部を除いては紙管30に定着する必要があるため、「接着層41とマイクロカプセル42の接着強度」>「粘着層51とマイクロカプセル42の接着強度」の関係を満たすように、接着層41と粘着層51のそれぞれを形成する接着剤の組み合わせが決められる。
接着層41及び粘着層51としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の中から、素材の組み合わせや厚みを変えることで接着強度を調整して用いる。
なお、接着層41の平均厚みは、マイクロカプセル42の平均粒径以下とすると、マイクロカプセル42が接着層41から十分に露出して、フィルム層50の剥離時に破壊されやすく、高い芳香効果が得られるため好ましい。
以上説明した実施の形態における紙管30及び紙管30を使用したロール状トイレットペーパー10によれば、香料がマイクロカプセル42に内包されて原紙層31の内面に固定され、マイクロカプセル42の、原紙層31の反対側が剥離可能なフィルム層50によって覆われているため、保香性が高い。
そして、使用者がフィルム層50を剥離することで、粘着層51に接着していたマイクロカプセル42の一部が破壊され、ロール状トイレットペーパー20を支えるホルダーの形状に関わらず、効率よく新鮮な芳香の発生が開始する。
さらに、紙管30の内面に接触する形状のホルダーに設置する場合は、トイレットペーパー20を引きだす際にホルダーに接触しているマイクロカプセル42に荷重がかかることにより、マイクロカプセル42がさらに破壊されるため、トイレットペーパー20の使用直後には新鮮な芳香が特に強く発生するという効果も得られる。
<実施例>
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
紙管原紙に、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤(商品名:木工用ボンド)を水で2倍に希釈して紙管原紙に塗布して接着層41とした。さらに、市販の香料を内包したメラミン樹脂製のマイクロカプセル42(平均粒径約10μm)のスラリーを塗布して、香料含有層40を形成した。接着層41を形成する接着剤の塗布量は8g/m、平均厚みは10μmであり、マイクロカプセルの塗布量は8〜12g/m(平均10g/m)である。
また、フィルム層50は、水性アクリル系樹脂からなる粘着層51と、PE/EVOH/PEからなる厚さ30μmのフィルム52により形成した。粘着層51はフィルム52の幅方向中央に設ける。香料含有層40に対するフィルム層50の接着強度は、0.2N/cmであった。
フィルム層50は、香料含有層40と粘着層51が重なるように、紙管原紙に貼り付ける。その後、図3に示すように、香料含有層40及びフィルム層50が紙管30の内面となるように紙管原紙を螺旋状に巻いて、内径41mm、回転軸方向の長さ114mmの紙管30を形成した。掴み部50Tは、図2(b)に示すように、フィルム52の周方向両縁部に設けられる。
表1に示すように、粘着層51及びフィルム52の幅(紙管30の周方向の長さ)を変えた実施例1、2及び比較例1〜3を作成し、操業性、香りの強さ、フィルム層50の剥がしやすさを評価した。
操業性は、フィルム層の形成のしやすさについて、〇:操業性問題なし、△:操業性やや問題あり、×:操業性問題あり、の3段階で評価した。
香りの強さは、紙管30からフィルム層50を剥がした直後に、ロールの近くに鼻を近づけて、〇:香りを実感する、△:香りをやや実感する、×:香りを実感できない、の3段階で評価した。
剥がしやすさは、〇:剥がし易い、△:やや剥がし難い、×:剥がし難い、の3段階で評価した。
Figure 0006383160
粘着層51の幅が10mmである比較例1及び比較例2は、香りが弱く、十分な芳香効果を得るには、粘着層51の幅が15mm以上必要であった。
フィルム52の幅が65mm以上である比較例3では、紙管30の成形が困難であり、操業性に問題があった。
粘着層51とフィルム52の幅の差が5mmである比較例1は、掴み部50Tの幅が片側当り2.5mmと狭くて摘まみ難いため、フィルム層50を剥がし難いという問題があった。粘着層51とフィルム52の幅の差が10mmである実施例1、2及び比較例2、3においては、掴み部50Tの幅が片側当り5mmであり、フィルム層50を容易に剥がすことができた。
以上より、操業性及びフィルム層50の剥がしやすさの観点から、フィルム52の幅は紙管30の周方向に55mm以下、掴み部50Tの幅は5mm以上とすると好適である。
本実施例で用いた香料含有層40においては、十分な芳香効果を得るという観点では、粘着層51の幅は紙管30の周方向に15mm以上必要であることを考慮すると、粘着層51の幅は紙管30の周方向に15mm〜45mm、フィルム52の幅は紙管30の周方向に25mm〜55mmが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
マイクロカプセル42は、接着層41を介することなく、熱融着等によって原紙層31の内面に固定されても良い。
また、フィルム層50は、粘着層51を介することなく、熱融着等によってフィルム52をマイクロカプセル42に接着しても良い。
接着層41とマイクロカプセル42は、接着剤とマイクロカプセル42を予め混合したものを噴霧又は塗布しても良いし、原紙層31に接着剤を噴霧または塗布して接着層41を形成した後で、マイクロカプセル42を噴霧又は塗布して埋め込んでも良い。
また、原紙層31の内面に香料含有層40を形成した後にフィルム層50を積層するのではなく、シート状フィルム等の上に香料含有層40及びフィルム層50を形成したものを予め作成しておき、これを原紙層31の内面に貼り付けても良い。
10 ロール状トイレットペーパー(ロール状シート)
20 トイレットペーパー(シート)
30 紙管
31 原紙層
40 香料含有層
41 接着層
42 マイクロカプセル
50 フィルム層
50T 掴み部
51 粘着層
52 フィルム

Claims (5)

  1. ロール状シートの芯となる紙管において、
    紙管原紙からなる原紙層と、前記原紙層の内面に形成された香料含有層と、前記香料含有層の原紙層側と反対側を被膜するフィルム層と、を有し、
    前記香料含有層は、前記原紙層の内面に固定された香料入りのマイクロカプセルを備え、
    前記フィルム層は、前記原紙層の内面を螺旋状に周回する帯状に形成され、前記香料含有層を覆う剥離可能なフィルムと、前記フィルムの前記マイクロカプセルに対向した面に形成された粘着層と、を備え、
    前記フィルムは、前記紙管の周方向の長さが25mmから55mmであり、
    前記粘着層は、前記紙管の周方向の長さが15mmから45mmであり、
    前記フィルム層の前記紙管の周方向の両縁部には、前記紙管の周方向の長さが5mm以上の前記粘着層が備えられていない部分である掴み部が形成され、
    前記フィルム層を前記香料含有層から剥離する際に、前記マイクロカプセルが破壊されることを特徴とする紙管。
  2. ロール状シートの芯となる紙管において、
    紙管原紙からなる原紙層と、前記原紙層の内面に形成された香料含有層と、前記香料含有層の原紙層側と反対側を被膜するフィルム層と、を有し、
    前記香料含有層は、前記原紙層の内面に固定された香料入りのマイクロカプセルを備え、
    前記フィルム層は、前記香料含有層を覆う剥離可能なフィルムと、前記フィルムの前記マイクロカプセルに対向した面に形成された粘着層と、を備え、
    前記フィルム層は、前記粘着層の周縁部において前記原紙層と剥離可能に溶着又は接着され、
    前記フィルム層を前記香料含有層から剥離する際に、前記マイクロカプセルが破壊されることを特徴とする紙管。
  3. 請求項1又は2に記載の紙管において、
    前記香料含有層は、接着剤からなる接着層を備え、
    前記マイクロカプセルは、前記接着層を介して前記原紙層に固定され
    前記接着層と前記マイクロカプセルの接着強度」>「前記粘着層と前記マイクロカプセルの接着強度」の関係を満たすことを特徴とする紙管。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の紙管において、
    平面状の前記紙管原紙に、幅15mmの前記香料含有層を形成し、幅25mmの前記フィルム及び前記フィルムの幅方向中央に設けられた幅15mmの前記粘着層を備えた前記フィルム層を、前記香料含有層と前記粘着層とが重なるように貼り付けたものを試験片とし、
    前記フィルム層の幅方向と引っ張り方向、すなわち上方向とが略直交するように、前記試験片を引張り試験機に固定し、前記フィルム層の下端を上方向に引っ張って、剥離角度180度、引張り速度20mm/分で、前記フィルム層を前記紙管原紙から剥離させ、剥離中の引っ張り荷重を記録し、引っ張り荷重が一定になるまで測定を行い、一定となった測定値を前記粘着層の幅で割った値が、0.15から0.8N/cmであることを特徴とする紙管。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の紙管と、
    前記紙管を芯として捲回されたシートと、を備えることを特徴とするロール状シート。
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