JP6382531B2 - 隙間落ち検知システム - Google Patents
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Description
また、近年では、プラットホームに沿って設置された超音波センサーを用いてプラットホームからの転落者を検知する、特許文献1の転落者検出システムも知られている。
隙間落ちは、プラットホームと鉄道車両との間に宙吊りになることが多く、既に採用されている転落検知マットでは検知することが難しいという問題がある。また、特許文献1の転落者検出システムは、プラットホームに鉄道車両が存在しない空線時の転落者検知には有効であるものの、プラットホームに鉄道車両が停止している場合に発生する隙間落ちを検知するためには更なる改善の余地がある。
初めに、図1を参照して、本発明の隙間落ち検知システムの概要について説明する。
即ち、停止位置によりプラットホームと鉄道車両との間の隙間が異なるため、図1B(B)に示すように、停止位置が停止位置2にずれた場合、監視エリアMA1内の地点P1に鉄道車両の一部が位置することになり、隙間落ちの誤検知に繋がる。同様に、地点P2は、プラットホームと鉄道車両との間の隙間であるのに監視エリアMA1に含まれないことになるため、地点P2で隙間落ちが起こった場合に検知漏れに繋がる。
即ち、図1B(C)に示すように、停止位置が停止位置1から停止位置2にずれた場合、停止位置2に応じた監視エリアMA2を設定し、プラットホームと鉄道車両との間の隙間を監視する。これにより、鉄道車両の停止位置に関わらず、乗客の隙間落ちを適切に検知することができる。
続いて、図2から図8を参照して、本発明の隙間落ち検知システムの第1実施形態について説明する。
図2は、第1実施形態に係る隙間落ち検知システム10の全体構成を示す図であり、図3A乃至3Cは、スキャン装置101の配置及び構成例を示す図である。
なお、隙間落ち検知システム10は、データ管理装置200とスキャン装置群100及び撮影装置群110との間にハブ300を備えてもよく、また、ハブ300に接続されるスキャン装置群100及び撮影装置群110を複数備えてもよい。この場合、例えば、夫々のスキャン装置群100及び撮影装置群110を、駅にある複数のプラットホームの夫々に設置することとしてもよい。また、隙間落ち検知システム10は、撮影装置群110で撮影された画像を表示するモニタ400を備えてもよい。
撮影装置111は、例えば、駅に停車中の鉄道車両のドアを含むドア周辺画像を俯瞰的に撮影する。なお、ドア周辺画像には、鉄道車両を待つ乗客やプラットホームの様子、及び、ドアの周辺の鉄道車両の一部を撮影した画像が含まれる。撮影装置111が撮影したドア周辺画像は、所定の通信線を介してデータ管理装置200に送信され、モニタ400に表示される。
図3Bに示すように、スキャン装置101は、プラットホームの長さ方向(水平方向)に沿って設置され、線路上を水平方向に走査し、異物を検知する。なお、スキャン装置101は、走査範囲が隣接するスキャン装置101の走査範囲と重なり合うように設置され、プラットホームよりも線路側の空間を複数のスキャン装置101で隙間なく走査する。
このように監視エリアMAを任意に設定できるスキャン装置101としては、ジック株式会社のレーザースキャナ「LMS100」が知られており、例えば、この「LMS100」を用いることで、スキャン装置101を実現することができる。もちろん、スキャン装置101は、「LMS100」に限らず他のレーザースキャナを用いて実現することとしてもよい。
図4は、データ管理装置200の機能構成を示すブロック図である。データ管理装置200は、検出部201と、設定部202と、検知部203と、記憶部205と、を含んで構成される。また、データ管理装置200は、乗降口検出部204を更に含むこととしてもよい。
なお、データ管理装置200が備える検出部201乃至記憶部205のうちの1部の機能を複数のスキャン装置101の夫々が備えることとしてもよい。即ち、本発明の制御装置(コンピュータ)は、データ管理装置200により実現されることとしてもよく、また、複数のスキャン装置101の夫々により実現されることとしてもよく、また、データ管理装置200と複数のスキャン装置101の夫々とにより実現されることとしてもよい。
この点、図5を参照して、具体的に説明する。
なお、制御箱Bの中には車両限界線Lよりも内側に設置されているものもあるため、検出部201は、制御箱Bの最凸部を直線で結ぶことで、鉄道車両の側面の位置(車両限界線L)を検出する。
所定範囲は、プラットホームと鉄道車両との間の最も広い隙間であっても漏れなく監視可能な範囲であり、スキャン装置101が設置された位置のプラットホームの形状と線路の形状とから、スキャン装置101毎に予め設定しておく。このような所定範囲では、監視エリアMAがプラットホームと鉄道車両との間の隙間よりもプラットホーム側に広くなるものの、プラットホーム側に広い分には誤検知及び検知漏れが発生することがないため好適である。
そこで、設定部202は、鉄道車両の連結部とプラットホームとの間の監視エリアを、鉄道車両の他の部分とプラットホームとの間の監視エリアよりも広く設定する。
図6A(A)に示すように、湾曲したプラットホームに鉄道車両が停止すると、車両の車両限界線Lの角度は、車両毎に異なる。検出部201は、検出した車両限界線Lの交点を変曲点Oとして、即ち連結部の位置として検出する。
そこで、図6B(B)に示すように、設定部202は、第1車両の側面と当該第1車両に隣接する第2車両の側面との角度に応じて広さが異なるように、第1車両及び第2車両の間の連結部に対する監視エリアを設定することとしてもよい。
ところで、隙間落ちは、鉄道車両がプラットホームに停止中に起こるものであり、プラットホームに鉄道車両が存在しない空線時には、隙間落ちに限らず線路への落下を検知することが好ましい。この点、スキャン装置101は、プラットホームの線路側側面に設置され、線路上を水平方向に走査するものであるため、プラットホームの状態に応じてスキャン装置101の監視パターンを切り替え、スキャン装置101を用いて隙間落ち及び線路落下を検知することとしてもよい。
設定部202は、スキャン装置101の監視パターンを、プラットホームの状態に応じて切り替え、隙間落ち及び線路落下を検知する。具体的には、設定部202は、プラットホームに鉄道車両が停止することを条件に、スキャン装置101の監視パターンを第2監視パターンに設定し、停止している鉄道車両が動くことを条件にスキャン装置101の監視パターンを第1監視パターンに設定する。
その後、図7(B)に示すように、プラットホームに鉄道車両が進入する入線時には、設定部202は、スキャン装置101の監視パターンをクリアし、スキャン装置101を用いた監視を停止する。
その後、図7(D)に示すように、プラットホームに停止していた鉄道車両が動き出す出線時には、設定部202は、スキャン装置101の監視パターンをクリアし、スキャン装置101を用いた監視を停止する。なお、鉄道車両がスキャン装置101の走査範囲から出てプラットホームが空線になると、図7(A)に示すように、設定部202は、スキャン装置101の監視パターンを第1監視パターンに設定し、線路の所定領域(例えば、全域)を監視エリアMA7に設定する。
なお、入線時及び出線時にスキャン装置101の監視パターンを第1監視パターンとするのは、鉄道車両が動いている状態では、プラットホームと鉄道車両との間の隙間が逐次変化するためである。
設定部202は、乗降口検出部204が乗降口を検出すると、乗降口からプラットホーム方向に所定範囲の領域を監視エリアMAとして設定する。
以上、隙間落ち検知システム10の構成について説明した。続いて、隙間落ち検知システム10の処理の流れについて図8を参照して説明する。
以上、本発明の隙間落ち検知システム10の第1実施形態について説明した。続いて、隙間落ち検知システム10における効果について説明する。
このとき、連結部の変形度合(即ち連結する車両間の角度)に応じて連結部に設定する監視エリアの広さを異ならせることで、連結部における隙間落ちをより適切に検知することができる。
続いて、図9を参照して、第2実施形態の隙間落ち検知システム10について説明する。第1実施形態の隙間落ち検知システム10では、停止パターンとして鉄道車両の側面の位置(車両限界線L)を検出し、鉄道車両の側面から所定範囲をスキャン装置101の監視エリアMAとして設定した。第2実施形態の隙間落ち検知システム10では、停止位置に応じた監視エリアを予め記憶しておき、停止パターンとして検出した鉄道車両の停止位置に応じた監視エリアを読み出すことで、スキャン装置101の監視エリアMAを設定する。
また、検出部201は、スキャン装置群100、撮影装置群110及び/又は他の測定装置と連動して、プラットホームに停止する鉄道車両の種別を検出することとしてもよい。
以上、本発明の隙間落ち検知システム10の第2実施形態について説明した。第2実施形態の隙間落ち検知システム10では、鉄道車両の停止位置に対応付けて監視エリアMAのパターンを予め記憶しておき、プラットホームに鉄道車両が停止すると、その停止位置に対応する監視エリアMAを設定する。これにより、鉄道車両の停止位置がずれた場合であっても、実際に鉄道車両が停止した位置に最適な監視エリアMAを設定することができ、誤検知や検知漏れを防止することができる。その結果、隙間落ち検知システム10によれば、プラットホームと鉄道車両との間の隙間に転落する隙間落ちを適切に検知することができる。
もちろん、任意の停止位置は1箇所に限られず、複数個所であってもよい。設定部202は、実際の停止位置が記憶部205に記憶された任意の停止位置と異なる場合に、任意の停止位置に対応する監視エリアMAを所定量ずらすことで実際の停止位置に対応する監視エリアMAを設定する。
Claims (6)
- プラットホームの線路側側面に設置され監視エリア内を走査するスキャン装置と、前記スキャン装置を制御する制御装置と、を備え、プラットホームにおける隙間落ちを検知する隙間落ち検知システムであって、
前記制御装置は、
プラットホームに停止中の鉄道車両の停止位置を検出する検出部と、
前記検出部が前記停止位置を検出した鉄道車両の前記停止位置に関連付けて記憶部に記憶された監視エリアのパターンを読み出すことにより、読み出した前記パターンに対応する前記鉄道車両の側面の位置とプラットホームとの間の領域を、前記スキャン装置の監視エリアとして設定する設定部と、
前記監視エリアにおいて前記スキャン装置が異物を走査すると、隙間落ちを検知する検知部と、
を備える隙間落ち検知システム。 - 前記制御装置は、鉄道車両の停止位置に対応付けて前記パターンを記憶する前記記憶部を更に備える、
請求項1に記載の隙間落ち検知システム。 - 前記設定部は、鉄道車両の連結部とプラットホームとの間の監視エリアを、鉄道車両の他の部分とプラットホームとの間の監視エリアよりも広く設定する、
請求項1又は2に記載の隙間落ち検知システム。 - 前記設定部は、第1車両の側面と当該第1車両に隣接する第2車両の側面との角度に応じて広さが異なるように、前記第1車両及び前記第2車両の間の連結部に対する監視エリアを設定する、
請求項1から3のいずれかに記載の隙間落ち検知システム。 - 前記スキャン装置は、線路の所定領域を監視エリアとする第1監視パターンと、前記第1監視パターンよりも狭い領域でありプラットホームに停止中の鉄道車両とプラットホームとの間の領域を監視エリアとする第2監視パターンと、を備え、
前記設定部は、プラットホームに鉄道車両が停止することを条件に前記スキャン装置の監視パターンを第2監視パターンに設定し、停止している鉄道車両が動くことを条件に前記スキャン装置の監視パターンを第1監視パターンに設定する、
請求項1から4のいずれかに記載の隙間落ち検知システム。 - 前記制御装置は、
プラットホームに停止中の鉄道車両の乗降口を検出する乗降口検出部を更に備え、
前記設定部は、前記乗降口からプラットホーム方向に所定範囲の領域を前記監視エリアとして設定する、
請求項1から5のいずれかに記載の隙間落ち検知システム。
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