JP6382177B2 - 剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機 - Google Patents

剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機 Download PDF

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本発明は、剪断作用で被破砕物を破砕する剪断式破砕機の切断刃に関し、特に、刃物取付台に刃物取付用ボルトによって着脱可能に固定される切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機に関するものである。
従来、この種の剪断式破砕機として、例えば、二軸剪断式破砕機があり、二軸剪断式破砕機は、並設される2本の回転軸を備え、これら回転軸のそれぞれに軸方向に回転刃とスペーサとを交互に装着し、これら回転軸に装着された互いの回転刃とスペーサとを向かい合わせで噛み合わせるようにして構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−269261号公報
二軸剪断式破砕機においては、2本の回転軸に装着された回転刃を互いに内向きに回転させることにより、噛み合わされた互いの回転刃とスペーサとの間で被破砕物を剪断して破砕を行うようにされており、廃棄物処理、再資源化における前処理工程で主に減容・粒度調整を目的として使用される。
破砕対象は、例えば、可燃粗大ごみや不燃粗大ごみ、タイヤ、袋ごみ、ベール品などの圧縮梱包品、家電、木材、シート状物、プラスチック品など多岐にわたる。
回転刃は、回転軸の四角軸部が嵌挿される嵌合孔を有するとともに外形が略六角形状で外周に6つの刃物取付面を有する刃物取付台と、刃物取付台における刃物取付面に刃物取付用ボルトによって着脱可能に固定される6つの着脱式の切断刃とを備えて構成されている。
図6に示されるように、切断刃101Aにおける取付基部102には、切断刃101Aと刃物取付台109とを締結する刃物取付用ボルト110が差し込まれるボルト差込孔120が設けられている。
ボルト差込孔120は、座繰り孔部120aとボルト軸部挿通孔部120bとにより構成されている。
座繰り孔部120aは、切断刃101Aで被破砕物を破砕する際に被破砕物との摩擦によって刃物取付用ボルト110の頭部110a(以下、単に「ボルト頭部110a」と称する。)が摩耗するのを防ぐために設けられるもので、ボルト頭部110aが埋没するまで挿入可能な段付き丸孔形状で、ボルト頭部110aの外周面と対向する周壁面121及びボルト頭部110aが座金122を介して座る座面123を有している。
座繰り孔部120aにおける周壁面121と座面123との間の角部には、座繰り加工時に必然的に生じる角丸部124Aが形成され、角丸部124Aと座金122とが干渉しないように設計されている。
ところで、座繰り孔部120aの径寸法(図6中記号D1矢印寸法)を大きくすると、刃幅が既に決まっている切断刃101Aの場合、切断刃101Aにおける座繰り孔部120aが設けられている部分の刃幅方向の肉厚が薄くなってしまう。
こうなると、負荷のかかる被破砕物を破砕した場合に、切断刃101Aの破損を招き易くなるため、座繰り孔部120aの径寸法を極力小さくするようにしている。
このとき、座繰り孔部120aにおける角丸部124Aの曲率半径を大きくすると、座金122が角丸部124Aと干渉してしまい、ボルト頭部110aの座りが悪くなり、刃物取付用ボルト110の締付力が確実に伝わらないため、取付不良による切断刃101Aの破損や刃物取付用ボルト110の破損などが引き起こされる可能性がある。
したがって、角丸部124Aの曲率半径は非常に小さい値に設定せざるを得ない。
このため、従来の切断刃101Aでは、被破砕物の性状や破砕時の負荷状況によっては角丸部124Aの曲率半径が非常に小さいことによる応力集中が原因で、座繰り孔部120aの座面123から亀裂が生じて破損してしまうことがあるという問題があった。
なお、上記亀裂の発生を未然に防ぐために、図7に示される切断刃101Bのように、前述した角丸部124Aの曲率半径を大きくした角丸部124Bを採用することも考えられるが、この場合、座繰り孔部120aの径寸法を大きくする必要があり(図7中記号D2(>D1)矢印寸法)、前述したように、刃幅の制約があることから、切断刃101Bにおける座繰り孔部120aが設けられている部分の刃幅方向の肉厚が薄くなってしまうため、破砕時の衝撃力や剪断力に耐えるだけの強度を確保できなくなり、切断刃101Bの破損を引き起こす可能性があるため得策ではない。
本発明は、上記従来の剪断式破砕機の切断刃の有する問題点に鑑み、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を確保しつつ座繰り孔部の応力集中を低減することができる剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の剪断式破砕機の切断刃は、刃物取付用ボルトによって刃物取付台に着脱可能に固定され、刃物取付用ボルトの頭部の外周面と対向する周壁面及び該頭部を座らせるための座面とを有する座繰り孔部を備える剪断式破砕機の切断刃において、座繰り孔部における周壁面と座面との間の角部に、円弧面を有する凹溝を、該凹溝の凹円弧面の接線方向と座面とが一致し座面と面一に連続するとともに、周壁面側に切り込むようにした凹溝の深さが凹円弧面の曲率半径の大きさとなるように形成してなることを特徴とする。
この場合において、凹溝は、凹円弧面と周壁面との間で周壁面に対し鈍角をなすように傾斜が付された傾斜面を有するものとすることができる。
次に、本発明の剪断式破砕機は、本発明の剪断式破砕機の切断刃を備えることを特徴とする。
本発明の剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機によれば、座繰り孔部における周壁面と座面との間の角部に、座面と連続する凹円弧面を有する凹溝を形成することによって、座繰り孔部の径寸法を大きくすることなく、凹円弧面の曲率半径の寸法を座繰り孔部への応力集中を低減するのに必要十分な大きさの値に設定することができ、切断刃における座繰り孔部が設けられている部分の刃幅方向の肉厚を薄くすることなく座繰り孔部の応力集中が緩和されるので、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を確保しつつ座繰り孔部の応力集中を低減することができる。
また、凹溝は、凹円弧面と周壁面との間で周壁面に対し鈍角をなすように傾斜が付された傾斜面を有するものとすることにより、凹円弧面から周壁面への形状変化が傾斜面によって緩やかなものとされるので、座繰り孔部の応力集中をより低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る剪断式破砕機の切断刃を具備する二軸剪断式破砕機を模式的に示す平面図である。 同切断刃を組み立てて構成される回転刃を示す図で、(a)は一部を破断して表わす側面図、(b)は(a)のA矢視要部拡大図である。 図2(a)のB部拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る剪断式破砕機の切断刃の一部破断要部拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る剪断式破砕機の切断刃の変形例の一部破断要部拡大図である。 比較例1に係る剪断式破砕機の切断刃の一部破断要部拡大図である。 比較例2に係る剪断式破砕機の切断刃の一部破断要部拡大図である。 比較例3に係る剪断式破砕機の切断刃の一部破断要部拡大図である。 比較例4に係る剪断式破砕機の切断刃の一部破断要部拡大図である。
次に、本発明の剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
<二軸剪断式破砕機の概略説明>
図1に示される二軸剪断式破砕機1は、上下方向に開放された開口部2aを有するケーシング2と、ケーシング2の開口部2aにおいて互いに平行をなすように並設され、ケーシング2に両端部が回転可能に支持される2本の回転軸3とを備えている。
ケーシング2の上方には、図示されないホッパが配設されており、このホッパを介して開口部2a内に被破砕物を投入することができる。
各回転軸3には、図示されない動力伝達機構を介して、例えば、電動機又は油圧モータ等の駆動機4が接続されており、2本の回転軸3の回転数を自由に設定・変更できるのは勿論のこと、2つの駆動機4の同期運転により、2本の回転軸3を同期させて回転させることができる。
なお、2本の回転軸3を、例えば、歯車伝動機構等により連動して回転させるようにし、これら回転軸3の一方にのみ動力伝達機構を介して駆動機4を接続し、1つの駆動機4の作動によって2本の回転軸3を同時に回転させるようにしてもよい。
各回転軸3には、軸方向に回転刃5とスペーサ6とが所要個数交互に装着され、2本の回転軸3に装着された互いの回転刃5とスペーサ6とが向かい合わせで噛み合うように各回転軸3に対する回転刃5及びスペーサ6の配置や2本の回転軸3の軸間距離等が定められるとともに、軸方向にスペーサ6の厚み分ずれた状態で対向(以下、「オフセット対向」と称する。)する回転刃5における互いの側面間の軸方向隙間が被破砕物の縦切りを行う上で適正な範囲となる大きさに定められている。
二軸剪断式破砕機1においては、オフセット対向する複数の回転刃5が互いに内向きに回転するように駆動機4で2本の回転軸3を回転させることにより、ケーシング2の開口部2a内に投入された被破砕物をオフセット対向する複数の回転刃5間に引き込んで横切りするとともに、相互の回転刃5の側縁部で被破砕物を縦切りして、被破砕物を破砕することができるようになっている。
なお、破砕処理された処理物は、ケーシング2の下方に配設される図示されないベルトコンベヤ等の搬送装置により、所定の場所へと搬送される。
次に、回転刃5について図2(a)及び(b)並びに図3を用いて以下に説明する。
図2(a)に示されるように、回転刃5は、回転軸3の四角軸部3aが嵌挿される嵌合孔7を有するとともに外形が略六角形状で外周に6つの刃物取付面8を有する刃物取付台9と、刃物取付面8に刃物取付用ボルト10によって着脱可能に固定される6つの着脱式の切断刃11Aとを備えて構成されている。
<着脱式の切断刃の説明>
着脱式の切断刃11Aは、刃物取付面8に面接触可能な取付基部12と、取付基部12から回転刃5の径方向外側に突出して回転刃5の回転方向(図2(a)中記号C矢印方向)に尖り、かつ回転軸3の軸方向に沿う刃幅方向に刃先が連続する刃部13とを備えて構成されている。
なお、刃物取付面8には、回転刃5の回転方向に向かって後部位置に、回転刃5の径方向外側に突出するように係止凸部14が形成される一方、切断刃11Aの取付基部12には、係止凸部14と係合する係止段部15が形成され、係止凸部14と係止段部15とを係合させて破砕反力を受けるようにしている。
図2(b)に示されるように、切断刃11Aにおける取付基部12には、刃物取付用ボルト10が差し込まれる2つのボルト差込孔20が、回転刃5の回転方向(図2(b)中記号C矢印方向)に所定間隔を設けて形成されている。
図3に示されるように、ボルト差込孔20は、刃物取付用ボルト10の頭部10a(以下、「ボルト頭部10a」と称する。)が埋没するまで挿入可能な座繰り孔部20aと、刃物取付用ボルト10の軸部10bが挿通されるボルト軸部挿通孔部20bとにより構成されている。
座繰り孔部20aは、切断刃11Aで被破砕物を破砕する際に被破砕物との摩擦によってボルト頭部10aが摩耗するのを防ぐために設けられるもので、ボルト頭部10aの外周面と対向する周壁面21及びボルト頭部10aが座金22を介して座る座面23を有する段付き丸孔形状とされ、周壁面21と座面23との間の角部には、座面23と面一で連続する凹円弧面24Aを有する断面が略半円形で座繰り孔部20aの周方向に連続する円環状の凹溝25Aが形成されている。
ここで、座面23のボルト頭部10aが座金22を介して座る面は、平坦な面に形成し、この平坦な面に形成し部分の径寸法を、座繰り孔部120aの径寸法D1と同一寸法になるようにしている。
<二軸剪断式破砕機の破砕動作の説明>
以上に述べたような切断刃11Aを備える二軸剪断式破砕機1においては、オフセット対向する複数の回転刃5が互いに内向きに回転するように駆動機4で2本の回転軸3を回転させることにより、オフセット対向する複数の回転刃5における切断刃11Aの互いの側縁部で被破砕物を縦切りするとともに、各回転刃5における切断刃11Aの刃部13の刃先で被破砕物を横切りする。
<作用効果の説明>
第1の実施形態の切断刃11A及びそれを具備する二軸剪断式破砕機1によれば、座繰り孔部20aにおける周壁面21と座面23との間の角部に、座面23と連続する凹円弧面24Aを有する凹溝25Aを形成することによって、座繰り孔部20aの径寸法を大きくすることなく、凹円弧面24Aの曲率半径の寸法を座繰り孔部20aへの応力集中を低減するのに必要十分な大きさの値に設定することができ、切断刃11Aにおける座繰り孔部20aが設けられている部分の刃幅方向の肉厚(図2(b)中記号t寸法で示される厚み)を薄くすることなく座繰り孔部20aの応力集中が緩和されるので、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を確保しつつ座繰り孔部20aの応力集中を低減することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る剪断式破砕機の切断刃11Bについて、図4を用いて以下に説明することとする。
なお、第2の実施形態において、先に述べた第1の実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第2の実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
先に述べた第1の実施形態の切断刃11Aでは、座繰り孔部20aにおける周壁面21と座面23との間の角部に、座面23と面一で連続する凹円弧面24Aのみを有する凹溝25Aを形成するようにされているのに対し、第2の実施形態の切断刃11Bにおいては、座繰り孔部20aにおける周壁面21と座面23との間の角部に、上記の凹円弧面24Aと同様であるが弧長がやや短い凹円弧面24Bと、凹円弧面24Bと周壁面21との間で周壁面21に対してなす狭い方の角と広い方の角のうち狭い方の角が鈍角(本例では150°)をなすように傾斜が付された傾斜面30とを有する凹溝25Bを形成するようにされている。
座繰り孔部20aにおいては、周壁面21と座面23との間に傾斜面30を設けることにより、傾斜面30が設けられた部分が、座繰り孔部20aに対する刃物取付用ボルト10の抜き方向に進むに従って、座繰り孔部20aの中心を通る中心線に向けて近づくように傾斜する部分円錐面状に形成されている。
第2の実施形態の切断刃11Bによれば、第1の実施形態の切断刃11Aと同様の作用効果を得ることができるのは勿論のこと、凹円弧面24Bと傾斜面30とを有する凹溝25Bを採用する構成によって、凹円弧面24Bから周壁面21への形状変化が傾斜面30によって緩やかなものとされるので、座繰り孔部20aの応力集中をより低減することができる。
次に、本発明の剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機のより具体的な実施例について説明するが、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図3に示される第1の実施形態に係る切断刃11Aにおいて、座繰り孔部20aの径寸法をD1、凹円弧面24Aの曲率半径をR1とし、凹溝の深さをd1すると、d1≒R1とした場合のものを実施例1とした。
<実施例2>
図4に示される第2の実施形態に係る切断刃11Bにおいて、実施例1と同様に、座繰り孔部20aの径寸法はD1であるが、凹円弧面24Bの曲率半径がR1よりもやや小さいR2で、凹溝25Bの深さd2がd1よりも小さく、d2≒R2であり、周壁面21と傾斜面30とがなす狭い方の角と広い方の角のうち狭い方の角度θを約150°程度とした場合のものを実施例2とした。
<実施例3>
第1の実施形態に係る切断刃11Aの変形例を示す図5の切断刃11Cにおいて、凹円弧面24Cの曲率半径をR2よりも更に小さいR3し、凹溝25Cの深さd3≒R3とした場合のものを実施例3とした。
<比較例1>
図6に示される従来の切断刃101Aにおいて、座繰り孔部120aの径寸法をD1、角丸部124Aの曲率半径を極めて小さなr1とした場合のものを比較例1とした。
<比較例2>
図7に示される従来の切断刃101Bにおいて、角丸部124Bの曲率半径をr1よりも大きいr2とし、これに伴い座繰り孔部120aの径寸法がD1よりも大きいD2となった場合のものを比較例2とした。
<比較例3>
図6に示される比較例1のものにおいて、図3に示される実施例1と同様の凹溝25Aを形成するための加工を行う際に、図8に示されるように、曲率半径r1の角丸部124Aが残存し、凹円弧面24Aの曲率半径は実施例1におけるそれと同じであるが、凹溝25Aの深さがd1よりも小さいd4の場合のものを比較例3とした。
<比較例4>
図6に示される比較例1のものにおいて、図3に示される実施例1のものと同様の凹溝25Aを形成するための加工を行う際に、図9に示されるように、曲率半径r1の角丸部124Aが残存し、凹円弧面24Aの曲率半径は実施例1におけるそれと同じであるが、凹溝25Aの深さがd4よりも小さいd5とした場合のものを比較例4とした。
実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4について、以下の条件で荷重が作用する場合の衝撃荷重について解析ソフトを用いて計算し、座繰り孔部20a,120aにおける周壁面21,121と座面23,123との間の角部に生じる最大応力を求めた。
<条件>
刃幅:75mm
組立時の刃物先端径(回転刃の直径):650mm
フック先端部円周方向荷重: 200kN
フック先端部軸方向荷重:200kN
ここで、フック先端部円周方向荷重とは、例えば、図2(a)に示される回転刃5において、切断刃11Aにおける刃部13の先端部に対し、回転刃5の回転方向(図2(a)中記号C矢印方向)とは逆方向に作用する荷重(横切りの際に主として作用する荷重)のことであり、フック先端部軸方向荷重とは、切断刃11Aの刃部13の先端部に対し、回転軸3の軸方向と平行な刃幅方向(図2(a)において紙面を垂直に貫く方向)に作用する荷重(縦切りの際に主として作用する荷重)のことである。
上記の解析ソフトを用いた計算結果が以下の表1に示されている。
Figure 0006382177
表1から明らかなように、図3、図4及び図5に示される実施例1、実施例2及び実施例3のものでは、座繰り孔部20aにおける周壁面21と座面23との間の角部に凹溝25A,25B,25Cを形成することにより、座繰り孔部20aの応力集中を従来よりも大幅に低減することができ、刃物破損を防ぐことができる。
特に、傾斜面30を有する凹溝25Bを設けた実施例2のものでは、フック先端部円周方向荷重による応力集中のみならず、フック先端部軸方向荷重による応力集中も顕著に低減することができる。
また、実施例1、実施例2及び実施例3のものでは、座繰り孔部20aの径寸法が比較例1の座繰り孔部120aの径寸法と同じであり、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を従来と同様に確保しつつも座繰り孔部20aの応力集中を従来よりも低減することができる。
図7に示される比較例2のものでは、角丸部124Bの曲率半径が図6に示される比較例1の角丸部124Aの曲率半径よりも大きいので、応力集中を低減することができるが、刃幅は比較例1のものと同じであるから、切断刃101Bにおける座繰り孔部120aが設けられている部分の刃幅方向の肉厚が薄くなるため、座繰り孔部120aの応力集中は低減できても、かかる薄肉部分の強度不足に起因して刃物破損の可能性が新たに発生することになる。
図8及び図9に示される比較例3及び比較例4のものについては、曲率半径r1の角丸部124Aが残存しているため、応力集中低減効果が低い。したがって、図3、図4及び図5に示される実施例1、実施例2及び実施例3のものにおいて、座面23と凹円弧面24A,24B,24Cとが段差なく面一で連続することが重要であることが分かる。
以上、本発明の剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではない。
より具体的には、例えば、本発明の剪断式破砕機の切断刃の構成を、二軸剪断式破砕機以外の剪断式破砕機に適用したり、第1の実施形態の切断刃11Aにおける、凹円弧面24Aを有する凹溝25Aに代えて、座繰り孔部20aへの応力集中の低減効果が必要十分に図れるのであるならば、図5に示される当該切断刃11Aの変形例に係る切断刃11Cのように、必要最小限の大きさの曲率半径である凹円弧面24Cを有し、必要最小限の深さに設定された凹溝25Cを採用する等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機は、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を確保しつつ座繰り孔部の応力集中を低減することができるという特性を有していることから、比較的破砕負荷が高い被破砕物を破砕する用途に好適に用いることができ、産業上の利用可能性が大である。
1 二軸剪断式破砕機(剪断式破砕機)
9 刃物取付台
10 刃物取付用ボルト
11A〜11C 切断刃
20 ボルト差込孔
20a 座繰り孔部
21 周壁面
23 座面
24A〜24C 凹円弧面
25A〜25C 凹溝
30 傾斜面

Claims (3)

  1. 刃物取付用ボルトによって刃物取付台に着脱可能に固定され、刃物取付用ボルトの頭部の外周面と対向する周壁面及び該頭部を座らせるための座面とを有する座繰り孔部を備える剪断式破砕機の切断刃において、座繰り孔部における周壁面と座面との間の角部に、円弧面を有する凹溝を、該凹溝の凹円弧面の接線方向と座面とが一致し座面と面一に連続するとともに、周壁面側に切り込むようにした凹溝の深さが凹円弧面の曲率半径の大きさとなるように形成してなることを特徴とする剪断式破砕機の切断刃。
  2. 凹溝は、凹円弧面と周壁面との間で周壁面に対し鈍角をなすように傾斜が付された傾斜面を有することを特徴とする請求項1記載の剪断式破砕機の切断刃。
  3. 請求項1又は2記載の剪断式破砕機の切断刃を備えることを特徴とする剪断式破砕機。
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