JP6109717B2 - 切り粉破砕装置、および切り粉破砕刃 - Google Patents
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Description
従来では、例えば特許文献1や特許文献2で示されているように、切削屑を効率良く確実に細かく破砕するための工夫がなされている。
一方、前記篩板を通過できない破砕片は、送風羽根の送風によって吹き上げられ、再び、上記の破砕工程を繰り返す。この間、破砕片は互いに衝突したり、装置の各部材に衝突したりして角が丸くなる。
ケーシング20は、前側板21、後側板22、左側板23、右側板24、前底板25、後底板26で構成されており、図2および図3に示すように左右方向に長く形成している。
前底板25と後底板26は、図1に示すように前後の幅方向のほぼ中央の下方に向けて斜め下へ傾斜しており、前底板25と後底板26の下端は、破砕後の切り粉が下方へ落下するための切り粉排出口27を形成している。
左側板23は、図2および図3に示すように前底板25と後底板26の左端にボルトにて固定されている。右側板24は、前底板25と後底板26の右端にボルトにて固定されている。前側板21は、前底板25の手前側、すなわち図1において左側の端面にボルトにて固定されている。後側板22は、後底板26の後側、すなわち図1において右側の端面にボルトにて固定されている。
なお、回転駆動軸11は、図1に示すように切り粉排出口27のほぼ真上に位置している。
複数の切り粉破砕刃30は、回転駆動軸11に挿脱可能な回転中心孔部32(図4(a)参照)を有する基部31と、基部31から外周方向に伸びた少なくとも一つの回転刃33と、を有している。本実施形態では、図1に示すように3つの回転刃33が、回転円周でほぼ均等に配置されている。また、各回転刃33は、側面の刃部と、外周の刃部とを有している。
なお、切り粉破砕刃30の形状について、詳しくは後述する。
基本的には、各切り粉破砕刃30の両側面に対して接触する第一固定刃41a,41bを設ければよいが、本実施形態では、図2および図3に示すように複数の各第一固定刃41a,41bが、各切り粉破砕刃30、左側板23、右側板24の間を塞ぐ厚さとなっている。しかし、この形態に限定されない。この場合、複数の第一固定刃41a,41bの両側面に、各切り粉破砕刃30における回転刃33の側面の刃部と協働する刃部を形成している。
基本的には、各切り粉破砕刃30に対応する第二固定刃43a,43bを、それぞれ対応する切り粉破砕刃30の回転円周上に設ければよいが、本実施形態では、図1および図3に示すように5つの切り粉破砕刃30に対応する第二固定刃43a,43bをそれぞれ一体的に設けている。しかも、正回転時に破砕を可能にするために、正回転時用の第二固定刃43aを、前底板25の下端にその長手方向に一体的に固定している。一方、逆回転時に破砕を可能にするために、逆回転時用の第二固定刃43bを、後底板26の下端にその長手方向に一体的に固定している。しかし、この形態に限定されない。
図4(a)及び(b)に示すように、切り粉破砕刃30は、前述したように少なくとも一つの回転刃33が、基部31から外周方向に伸びている。また、本実施形態では、3つの回転刃33が基部31の外周に回転円周でほぼ均等に配置されている。
また、直刃36a,36bは、刃先の強度アップに寄与する。もし直刃36a,36bを設けずに、単に掬い角を有する掬い刃34a,34bだけにすると、その先端が鋭角になるために刃先が破損しやすくなる。そこで、直刃36a,36bの幅は、破損を避けるために刃の肉厚を出すという点で、1mm〜5mmとすることが望ましい。
また、直刃36a,36bは、第二固定刃43a,43bと協働して切り粉を破砕する外周の刃部の機能も持っている。直刃36a,36bと第二固定刃43a,43bが協働して、掬い刃34からはみ出した切り粉を破砕するので、切り粉を効率よく破砕することができる。
また、面取り面36cは、直刃36a,36bの強度を確保しながら、掬い刃34a,34bと、直刃36a,36bと、第一固定刃41a,41bとの協働による切り粉破砕時における切り粉の引き込みを効果的に行う機能を持っている。
もし、曲線部35a,35bを設けずに、掬い刃34a,34bが掬い角を直線にして第一固定刃41a,41bに近づくと、切り粉に対する引込み力が弱くなる。また、曲線部35a,35bではなく、多角形状にすると、その多角形状の掬い刃34a,34bの製作が難しくなる。
また、回転刃33は、図5に示すように正回転方向側の直刃36aから逆回転方向側の直刃36bまでの外周が、切り粉破砕刃30の回転中心となす中心角θを、20°〜30°とすることが望ましい。もし、この範囲より小さい角度にすると、切り粉を掬うためのポケットが小さくなってしまう。すなわち、このような構成によれば、掬い刃で粉砕する切り粉を掬うポケットの大きさをより効果的なものとすることができるようになる。
そのように回転駆動軸11と回転中心孔部32の断面形状が六角形であることから、次に示す効果がある。
回転駆動軸11は、キー溝が無くても回転方向に位置決めされる。そのため、複数の切り粉破砕刃30を回転駆動軸11へ容易に取り付け、取り外しできる。また、回転駆動軸11は、キー溝を持たないために形状が複雑にならないので、製造上のコストアップや強度低下を避けることができる。
また、回転駆動軸11を旋盤で加工する場合、回転駆動軸11を3つ爪で掴むことができるので、たとえば4つ爪が必要な断面四角形状の加工より生産効率が良い。
切削加工で発生した切削屑などの切り粉を、ケーシング20の上面の開口から投入する。この時、ケーシング20内では、回転駆動軸11が駆動モータ14によって回転駆動され、複数の切り粉破砕刃30が正回転している。
切り粉破砕刃30は、図5の二点鎖線に示すように面取り面36cで効果的に掬い刃34aに投入された切り粉を引き込みながら、掬い刃34aが第一固定刃41aと協働して切り粉を破砕する。このとき、直刃36aも第一固定刃41aと協働して切り粉を破砕する。
さらに、掬い刃34aと直刃36aによる破砕をすり抜けた切り粉があっても、図5の二点鎖線に示すように切り粉を直刃36aが第二固定刃43aと協働して破砕する。次いで、外周刃37aも第二固定刃43aと協働して切り粉を破砕する。
切り粉破砕刃30が逆回転する場合も、基本的に前述した正回転時の破砕動作と同様である。すなわち、切り粉破砕刃30が逆回転することによって、たとえば回転刃33に絡みついた切り粉を開放する。その後、切り粉を逆回転方向側の掬い刃34bで引き込みながら、掬い刃34bが第一固定刃41bと協働して切り粉を破砕する。このとき、直刃36bも第一固定刃41bと協働して破砕する。
さらに、掬い刃34bと直刃36bによる破砕をすり抜けた切り粉があっても、切り粉を直刃36bが第二固定刃43bと協働して破砕する。次いで、外周刃37bも第二固定刃43bと協働して切り粉を破砕する。
11 回転駆動軸
12a,12b 軸受部
13 減速機
14 駆動モータ
20 ケーシング
21 前側板 22 後側板
23 左側板 24 右側板
25 前底板 26 後底板
27 切り粉排出口
30 切り粉破砕刃
31 基部
32 回転中心孔部
33 回転刃
34a,34b 掬い刃
35a,35b 曲線部
36a,36b 直刃 36c 面取り面
37a,37b 外周刃
38 溝部
41a,41b 第一固定刃
42 貫通孔部
43a,43b 第二固定刃
Claims (15)
- 上面を開口するケーシング内に設けた回転駆動軸に間隔をあけて固定装着する基部、および前記基部から外周方向に伸びた少なくとも一つの回転刃を有する複数の切り粉破砕刃と、
前記ケーシングの下方に固定され、前記複数の切り粉破砕刃の間であって、前記複数の切り粉破砕刃の両側面に対して接触する位置に配置され、当該切り粉破砕刃における前記回転刃の側面の刃部と協働して切り粉を破砕する複数の第一固定刃と、
前記複数の切り粉破砕刃の回転円周上であって、前記ケーシングの下端の長手方向に一体的に固定され、前記回転刃の外周の刃部と協働して切り粉を破砕する複数の第二固定刃と、を備えると共に、
前記回転刃は、回転円周方向に対して掬い角を有する掬い刃と、前記掬い刃から外周方向に伸びた直刃と、を備えており、
前記回転刃の側面は、外周面から前記掬い刃に向けて面取り形成された面取り面を備えていることを特徴とする切り粉破砕装置。 - 前記回転刃の掬い刃は、前記掬い角から前記基部に向けて曲線部を有することを特徴とする請求項1記載の切り粉破砕装置。
- 前記回転刃は、正回転方向側と逆回転方向側の両方に、前記掬い刃と前記直刃とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の切り粉破砕装置。
- 前記回転刃は、正回転方向側の前記直刃から逆回転方向側の前記直刃までの外周が、切り粉破砕刃の回転中心となす中心角を、20°〜30°とすることを特徴とする請求項3記載の切り粉破砕装置。
- 前記回転刃は、その外周に溝部を設けると共に前記溝部に前記第二固定刃と協働して切り粉を破砕する外周刃を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の切り粉破砕装置。
- 前記面取り面は、前記溝部を避けて形成されることを特徴とする請求項5記載の切り粉粉砕装置。
- 前記回転駆動軸は、軸方向に直交する垂直な断面で六角形をなすと共に、前記複数の切り粉破砕刃は、前記回転駆動軸に挿脱可能な断面六角形をなす回転中心孔部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の切り粉破砕装置。
- 第一固定刃および第二固定刃と協働して切り粉を破砕するために回転する切り粉破砕刃において、
上面を開口するケーシング内に設けた回転駆動軸に固定装着する基部と、
前記基部から外周方向に伸びた少なくとも一つの回転刃とを備え、
前記回転刃は、側面の刃部及び外周の刃部を有し、
前記側面の刃部は、前記ケーシングの下方に固定され且つ前記切り粉破砕刃の両側面に対して接触する位置にそれぞれ配置された前記第一固定刃と協働して切り粉を破砕するように構成され、
前記外周の刃部は、前記切り粉破砕刃の回転円周上であって前記ケーシングの下端の長手方向に一体的に固定された前記第二固定刃と協働して切り粉を破砕するように構成され、
前記回転刃は、回転円周方向に対して掬い角を有する掬い刃と、前記掬い刃から外周方向に伸びた直刃と、を備えており、
前記回転刃の側面は、外周面から前記掬い刃に向けて面取り形成された面取り面を備えていることを特徴とする切り粉破砕刃。
- 前記回転刃の掬い刃は、前記掬い角から前記基部に向けて曲線部を有することを特徴とする請求項8記載の切り粉破砕刃。
- 前記回転刃は、正回転方向側と逆回転方向側の両方に、前記掬い刃と前記直刃とを備えることを特徴とする請求項8又は9記載の切り粉破砕刃。
- 前記回転刃は、正回転方向側の前記直刃から逆回転方向側の前記直刃までの外周が、切り粉破砕刃の回転中心となす中心角を、20°〜30°とすることを特徴とする請求項10記載の切り粉破砕刃。
- 前記回転刃は、その外周に溝部を設けると共に前記溝部に前記第二固定刃と協働して切り粉を破砕する外周刃を備えていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1に記載の切り粉破砕刃。
- 前記回転刃は、正回転方向側と逆回転方向側の両方に、前記外周刃を備えることを特徴とする請求項12記載の切り粉破砕刃。
- 前記面取り面は、前記溝部を避けて形成されることを特徴とする請求項12又は13記載の切り粉破砕刃。
- 前記基部は、軸方向に直交する垂直な断面で六角形をなす回転駆動軸に挿脱可能な断面六角形をなす回転中心孔部を有することを特徴とする請求項8〜14のいずれか1に記載の切り粉破砕刃。
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