JP3287790B2 - 1軸破砕機 - Google Patents

1軸破砕機

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JP3287790B2 JP20147497A JP20147497A JP3287790B2 JP 3287790 B2 JP3287790 B2 JP 3287790B2 JP 20147497 A JP20147497 A JP 20147497A JP 20147497 A JP20147497 A JP 20147497A JP 3287790 B2 JP3287790 B2 JP 3287790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、産業廃棄物など
種々の廃棄物を効率的に破砕する1軸破砕機の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】1軸破砕機は、固定刃と回転刃を組合
せ、ホッパから投入される廃棄物をプッシャで押圧して
破砕機構により破砕する形式のものであり、このような
一般的な1軸破砕機は種々の文献により公知である。
【0003】このような1軸破砕機で、特に嵩高い廃棄
物を処理するのに適した基本構成のものが実公平5−1
3410号公報に記載されている。この公報による基本
構成の1軸破砕機は、台板の端と側壁の間の開口を排出
口として設け、台板の端に固定刃を固定し上記開口位置
に回転ロータに取付けた回転刃を設け、台板上を摺動す
るプッシャでその上方に設けたホッパから投入される廃
棄物を回転刃に押圧できるように構成されている。回転
刃の下方には多数の小孔を設けたスクリーンが設けられ
ている。
【0004】上記回転刃は回転ロータの半径方向にやや
斜めにして取付位置の凹所から若干突出する複数の平刃
から成るが、回転刃の形式についてはこの他にも回転ロ
ータに円周方向に多数のV溝を設け、このV溝の適宜位
置に設けた取付部材を介して四角形状のチップを回転刃
として設けたものが既に公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、1軸破砕機
では一般に回転刃とその下方に設けられたスクリーンと
の間には約5mm程度の隙間が設けられており、固定刃
と回転刃の間で破砕された被破砕物を隣り合う他の回転
刃により回転方向に押し出すと、その被破砕物の大きさ
がスクリーンの小孔の径より小さければ小孔から落下し
て下方のホッパに集められ外部へスクリューコンベアな
どで排出される。
【0006】しかし、上記スクリーンの多数の小孔には
上記被破砕物が2つの小孔に跨がってはまり込んで、そ
れらが小孔の孔径を大きく減少させる場合がある。この
ように小孔に被破砕物が詰まった状態になると、回転刃
とスクリーンとの間に隙間が設けられているため回転刃
が回転しても回転刃で被破砕物を取り除くことができな
くなり、益々小孔の孔径が小さくなり、本来はスクリー
ンから落下すべきサイズの被破砕物も仲々落下せず、必
要以上に破砕を繰り返すこととなる。
【0007】この発明は、かかる従来の1軸破砕機の構
造上の問題に留意して、回転刃と固定刃とで破砕された
廃棄物片を所定サイズ以下のもののみ通過させる排出ス
クリーンが廃棄物片が小孔に引っかかり目詰りするのを
回転刃で強制的に除去するようにして廃棄物片のサイズ
選別をスムースにできるようにした1軸破砕機構造を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、廃棄物を投入するホッパの下方
に台板と、この台板の端に固定刃と、台板の端と側壁と
の間に複数の回転刃を有する回転ロータとを設け、廃棄
物を回転刃に押圧する押込プッシャを台板上に摺動自在
かつ進退動自在に設けると共に回転刃の下方に多数の小
孔を有する排出スクリーンを設け、上記回転刃を排出ス
クリーンに、排出スクリーン内径面に設けた溝に回転刃
の尖端が嵌合して形成される両者間の隙間が0〜数mm
の負の隙間となるように押し当てて回転摺動自在に設け
て成る1軸破砕機としたのである。
【0009】上記の構成としたこの発明の1軸破砕機
は、廃棄物片により排出スクリーンの小孔の目詰りを防
止して廃棄物片のサイズが一定寸法以下であるものを通
過させ破砕処理をスムースに行なう。
【0010】押込プッシャで回転ロータに押圧された廃
棄物が回転刃と固定刃の作用で回転ロータの回転により
破砕処理されると種々のサイズの廃棄物片となるが、そ
のうち一定サイズ以下のものは排出スクリーンから落下
して集められ外部へ排出される。
【0011】上記廃棄物片はその材料、形状によっては
排出スクリーンの多数の小孔間に跨がって残り、小孔の
開口を次第に詰まらせることが一般には生じるが、上記
構成の破砕機では回転刃と排出スクリーンとの間に隙間
が全くなく、あるいは負の隙間で押圧状態で回転刃が回
転する。
【0012】従って、回転刃は小孔間に廃棄物片が残っ
ていてもこれを強制的に除去し、小孔を詰まらせること
が少なくなる。このため、排出スクリーンの小孔は常に
本来のフィルタとしての機能を発揮し、破砕処理がスム
ースに行なわれることとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は実施形態の1軸破
砕機の外観斜視図(一部断面部分含む)、図2は図1の
矢視II−IIから見た断面図である。図1において1は供
給ホッパ、2は本体フレーム、3は押込プッシャ、4は
台板である。図2に示すように、押込プッシャ3は台板
4上を摺動自在かつ進退動自在に設けられ、本体フレー
ム2の側壁に設けた案内部材3aにより押込の際に廃棄
物からの反力で浮き上がらないように案内されている。
【0014】台板4の一端と本体フレーム2の側壁との
間には複数個(図示の例では4ヶ)の回転刃5aを取付
けた回転ロータ5が設置され、これを挾んで台板4の端
に第1破砕用固定刃6と、その反対側のロータ中心点を
中心に対称位置に第2破砕用固定刃7とが設けられてい
る。回転ロータ5の下方には多数の小孔を設けた排出ス
クリーン8が設けられている。
【0015】9は排出スクリーン8から落下した破砕物
を横方向へ送るためのスクリューコンベア、10は回転
ロータ5の片側の突出軸に連結されている減速機、11
はこの減速機をベルト駆動するモータ、12は油圧ポン
プである。
【0016】油圧ポンプ12からの圧油は、図2に示す
油圧シリンダ13へ送られ、油圧シリンダの突出ピスト
ン13aが連結アーム14を介して押込プッシャ3の後
端に連結され、これにより押込プッシャ3は進退動自在
とされている。
【0017】図示省略しているが、回転ロータ5にはそ
の外周にV字状の溝が多数所定のピッチで互いに平行に
設けられ、このV字溝内に複数個の回転刃5aが取付座
を介して設けられている。回転刃5aは、隣り合うV字
溝に設けられているもの同士がその頂点を連ねるとジグ
ザグ状になるようにそれぞれ配置されている。
【0018】又、回転刃5aは四角柱のチップ片状に形
成され、中央に取付用のねじ穴が設けてある。取付座に
ねじボルトにより回転刃5aが取付けられ、従って回転
刃5aの頂点Pは回転ロータ5のV字溝の頂部よりさら
に少し突出状に設けられている。
【0019】なお、第1破砕用固定刃6も第2破砕用固
定刃7も回転ロータ5のV字溝と対向するV字状の刃を
多数、回転ロータ5の幅と略同じ幅にわたって設けたも
のから成り、かつ回転ロータ5のV字溝と固定刃6、7
のV字刃とが向い合ったときに略四角形状(又は菱形)
の空間ができるように固定刃6、7のV字刃を形成して
いる。
【0020】従って、回転刃5aは上記略四角形状空間
を通過して、その斜め上方へ向う2つの陵辺と固定刃
6、7のV字刃との間に噛み込んだ廃棄物を剪断破砕に
より破砕する。又、回転刃5aは表、裏面が平行に形成
されているため表面のエッジ陵辺が摩耗すると反対面に
取り付け直して繰り返し使用される。このため回転刃の
陵辺は8つが剪断破砕に利用される。
【0021】又、図2中に示すように、回転刃5aのチ
ップは取付座を回転ロータ5の半径方向と角度αに傾け
て設けることにより後退角度α傾斜してこれに取付けら
れている。この傾斜後退角度αは、回転刃5aが固定刃
6と噛み合う直前に固定刃6の上面と回転刃5aの下面
が互いに平行となるように選んだ角度である。そして、
この角度の関係は第2破砕用の固定刃7に対しても全く
同じとなるように固定刃7は対称位置に設けてある。
【0022】図3に回転ロータ5付近の断面図を示す。
図示のように、回転ロータ5に取り付けた回転刃5aは
その先端が排出スクリーン8の内径面に0〜−3mm程
の負の隙間、即ち回転刃5aをスクリーン8の内径面に
押し付けた状態で回転するように設けられている。
【0023】この状態を図4に部分拡大図として示す。
又、図示の排出スクリーン8を平板状に展開したものの
斜視図、平面図を図5、図6に示す。図示のように、排
出スクリーン8の内径面には所定の間隔で多数の溝8c
が設けられており、これらの溝8cにチップ状の回転刃
5aの尖端が嵌合摺動して移動する。
【0024】なお、溝8cの形状は図示のものに限ら
ず、例えばV字溝のようにどんな断面形状のものであっ
てもよい。又、溝8cの間隔は回転刃5aのピッチと同
じにするのが好ましいが、必ずしも一致しなくてもよ
い。
【0025】さらに、上記回転刃5aと排出スクリーン
8との隙間については−3mm以上の負の隙間とすると
回転刃5aが余り強く排出スクリーン8に押圧されなが
ら摺動回転するため回転ロータ5の回転動力が大きくな
り過ぎ、又回転刃5a、排出スクリーン8の摩耗が早く
生じるから、上述した0乃至−3mmまで程の隙間とす
るのが適当であることが経験的に確かめられている。
【0026】上記のように構成した実施態様の一軸破砕
機では廃棄物を2段に設けられた固定刃6、7と複数の
回転刃5aにより1次破砕及び2次破砕により剪断破砕
を繰り返して破砕する。
【0027】供給ホッパ1から廃棄物が投入されると、
その前に後退させておいた押込プッシャ3を前進させて
廃棄物を回転ロータ5に押付ける。回転ロータ5の複数
個の回転刃5aが回転して廃棄物をかじるように第1次
破砕用の固定刃6との間には噛み込んで剪断破砕により
細かく破砕する。
【0028】上記1次破砕で十分細かく破砕された廃棄
物は排出スクリーン8上へ押し出され、スクリーンの多
数の小孔から落下してスクリューコンベア9により横方
向へ排出される。
【0029】しかし、1次破砕でスクリーン8のメッシ
ュを通過できる程十分に細かく破砕されないものも必ず
含まれており、これら廃棄物はスクリーン8を通過でき
ず、回転刃5aで押されてスクリーン8の内周面を移動
し上方へ向う。
【0030】この回転刃5aで移動した廃棄物は、この
実施態様の破砕機では2次破砕用の固定刃7に再び噛み
込まれて2次破砕され、十分細かく破砕される。従っ
て、これら2次破砕された廃棄物は下方に落下し排出ス
クリーン8のメッシュを通過して排出される。従って、
この破砕機では廃棄物の破砕が従来より細かく、剪断破
砕の回数を多くすることにより破砕力、処理能力が向上
する。
【0031】上記の1次、2次破砕で破砕された廃棄物
は、排出スクリーン8のメッシュを通過して下方に排出
されるが、この実施形態では上述したように、回転刃5
aが排出スクリーン8の内径面に0〜数mmの負の隙間
で押し付けられながら回転する。このため、従来のよう
に排出スクリーン8の多数の小孔8aと8aに跨がって
残る廃棄物片が、強制的に回転刃5aで除去され、小孔
8aの開口を次第に詰めるようなことがなく、スムース
に排出スクリーン8から落下する。このため、廃棄物の
破砕処理が有効に効率よく行なわれる。
【0032】なお、この発明の破砕機では、包装材、プ
ラスチック、フィルム、シート類、グラスファイバー製
品、パソコン外装類、冷蔵庫、皮革類、紙類、わら・木
材類、トタン板、ケーブル・コード類、軽金属ボック
ス、ゴム類、電子部品廃棄物等を破砕対象としている。
【0033】
【効果】以上詳細に説明したように、この発明の1軸破
砕機は回転刃と排出スクリーンの間に上記回転刃を排出
スクリーンに、排出スクリーン内径面に設けた溝に回転
刃の尖端が嵌合して形成される両者間の隙間を隙間なし
乃至数mmの負の隙間となるように押圧摺動回転するよ
うに設けたものとしたから、排出スクリーンの小孔間に
廃棄物片が引っかかってもそれらを強制的に回転刃で除
去することにより排出スクリーンに目詰りが生じるのを
防止し、スムースな破砕処理効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1軸破砕機の一部断面を含む外観斜視図
【図2】図1の矢視II−IIから見た断面図
【図3】回転ロータ付近の拡大断面図
【図4】(a)回転刃と排出スクリーンの部分拡大断面
図 (b)矢視B−Bから見た断面図
【図5】排出スクリーンの部分拡大斜視図
【図6】(a)は排出スクリーンの平面図、(b)は矢
視B−Bの拡大正面図、(c)は矢視C−Cの拡大断面
【符号の説明】
1 供給ホッパ 2 本体フレーム 3 押込プッシャ 4 台板 5 回転ロータ 5a 回転刃 6 第1破砕用固定刃 7 第2破砕用固定刃 8 排出スクリーン 8a 小孔 8c 溝 9 スクリューコンベア 10 減速機 11 モータ 12 油圧ポンプ 13 油圧シリンダ 14 連結アーム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を投入するホッパの下方に台板
    と、この台板の端に固定刃と、台板の端と側壁との間に
    複数の回転刃を有する回転ロータとを設け、廃棄物を回
    転刃に押圧する押込プッシャを台板上に摺動自在かつ進
    退動自在に設けると共に回転刃の下方に多数の小孔を有
    する排出スクリーンを設け、上記回転刃を排出スクリー
    ンに、排出スクリーン内径面に設けた溝に回転刃の尖端
    が嵌合して形成される両者間の隙間が0〜数mmの負の
    隙間となるように押し当てて回転摺動自在に設けて成る
    1軸破砕機。
  2. 【請求項2】 前記台板端の固定刃を1次破砕用固定刃
    とし、回転刃がスクリーン内周を所定角度移動した位置
    に2次破砕用固定刃を設けたことを特徴とする請求項1
    に記載の1軸破砕機。
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