JP2015211935A - 剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機 - Google Patents
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Abstract
【課題】刃部の背面側での被破砕物の圧密を軽減することができ、これによって省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機を提供すること。【解決手段】所定の直径の基礎円9に沿う外形を有するロータ部5aと、このロータ部5aの周方向に所定間隔を有して該ロータ部5aから径方向外側に向けて突設され、該ロータ部5aの回転方向に臨ませた正面側に刃先を有する複数の刃部5bとを備え、ロータ部5aが回転駆動されることにより、刃部5bで被破砕物を剪断破砕する剪断式破砕機用の回転刃5を具備する二軸剪断式破砕機において、刃部5bの背面側に、被破砕物を逃がすための逃げ部18を形成する。【選択図】図2
Description
本発明は、被破砕物を剪断破砕する剪断式破砕機用の回転刃及びそれを具備する二軸剪断式破砕機に関するものである。
従来、二軸剪断式破砕機は、並設される2本の回転軸を備え、これら回転軸のそれぞれに軸方向に沿って回転刃とスペーサとを交互に装着し、これら回転軸に装着された互いの回転刃とスペーサとを向かい合わせで噛み合わせるようにして構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
この二軸剪断式破砕機においては、対向する回転刃が互いに内向きに回転するように2本の回転軸を回転させることにより、対向する回転刃間で被破砕物を剪断して破砕を行うようにされており、廃棄物処理、再資源化における前処理工程で主に減容・粒度調整を目的として使用される。
破砕対象は、例えば、可燃粗大ごみや不燃粗大ごみ、タイヤ、袋ごみ、ベール品などの圧縮梱包品、家電、木材など多岐にわたる。
この二軸剪断式破砕機においては、対向する回転刃が互いに内向きに回転するように2本の回転軸を回転させることにより、対向する回転刃間で被破砕物を剪断して破砕を行うようにされており、廃棄物処理、再資源化における前処理工程で主に減容・粒度調整を目的として使用される。
破砕対象は、例えば、可燃粗大ごみや不燃粗大ごみ、タイヤ、袋ごみ、ベール品などの圧縮梱包品、家電、木材など多岐にわたる。
この種の破砕機では、大型の電動機又は油圧モータによって回転軸を駆動するため、相応の電源容量が求められ、処理時には大きな電力を消費する。
一方で、近年ではますます省エネルギ化が求められており、東日本大震災以降は電力供給構造の変化から電力価格の高騰を招いており、破砕機の電力消費量の低減は必須である。
一方で、近年ではますます省エネルギ化が求められており、東日本大震災以降は電力供給構造の変化から電力価格の高騰を招いており、破砕機の電力消費量の低減は必須である。
二軸剪断式破砕機における破砕機構には大きく分類して2種類ある。
1つは対向する回転刃の互いの側縁部で被破砕物を回転軸直角方向にハサミで切るような破砕(以下、「縦切り」と称する。)であり、もう1つは各回転刃の刃先で被破砕物をかじるように切る刃の厚み方向の破砕(以下、「横切り」と称する。)である。
1つは対向する回転刃の互いの側縁部で被破砕物を回転軸直角方向にハサミで切るような破砕(以下、「縦切り」と称する。)であり、もう1つは各回転刃の刃先で被破砕物をかじるように切る刃の厚み方向の破砕(以下、「横切り」と称する。)である。
図19に示すように、従来の回転刃100は、所定の直径の基礎円101に沿う外形を有するロータ部102を備え、このロータ部102の周方向に所定間隔を有して複数の刃部103を該ロータ部102から径方向外側に向けて一体的に突設して構成されている。
ところで、従来の回転刃100においては、被破砕物の横切りの機能を担う刃部103の背面側部分が、当該刃部103の頂部(最外径位置)に設けられる刃先103aから後方の刃部103の基部へと基礎円101に接するように延びる径方向外側にやや膨らんだなだらかな曲線に沿う形状に形成されている。
このため、この回転刃100では、破砕時に刃部103の背面側において相手軸側のスペーサ104との間で被破砕物M1が挟まれて圧密が起こり、以下のような問題を生じていた。
(1)破砕に直接寄与しない無駄な電力を消費する。
(2)被破砕物M1の種類によっては頻繁に過負荷逆転を生じており、消費電力の増大と逆転頻発よって破砕処理量が低下する。
(3)刃部103の背面部分の体積が大きいことにより、後から来る被破砕物M1の排出が抑制されることになり、破砕処理量の低下を招くとともに、前述した被破砕物M1の圧密を助長する。
(1)破砕に直接寄与しない無駄な電力を消費する。
(2)被破砕物M1の種類によっては頻繁に過負荷逆転を生じており、消費電力の増大と逆転頻発よって破砕処理量が低下する。
(3)刃部103の背面部分の体積が大きいことにより、後から来る被破砕物M1の排出が抑制されることになり、破砕処理量の低下を招くとともに、前述した被破砕物M1の圧密を助長する。
本発明は、上記従来の剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機の有する問題点に鑑み、刃部の背面側での被破砕物の圧密を軽減することができ、これによって省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の剪断式破砕機用の回転刃は、所定の直径の基礎円に沿う外形を有するロータ部と、このロータ部の周方向に所定間隔を有して該ロータ部から径方向外側に向けて突設され、該ロータ部の回転方向に臨ませた正面側に刃先を有する複数の刃部とを備え、ロータ部が回転駆動されることにより、刃部で被破砕物を剪断破砕する剪断式破砕機用の回転刃において、刃部の背面側に、被破砕物を逃がすための逃げ部を形成したことを特徴とする(第1発明)。
この場合において、逃げ部は、ロータ部の周方向に隣り合う2つの刃部のうち、ロータ部の回転方向に向けて先行する位置にある一方の刃部の頂部から後行する位置にある他方の刃部の基部へと基礎円に接するように延びる仮想曲線に対して、刃部の背面側部分をロータ部の径方向内側に向けて凹ませることによって形成することができる(第2発明)。
また、刃部の刃先を、該刃部の頂部から基部側へ入り込んだ位置でロータ部の回転方向に突出する形状とすることができる(第3発明)。
上記目的を達成するため、本発明の二軸剪断式破砕機は、並設される2本の回転軸を備え、これら回転軸のそれぞれに軸方向に沿って第1、第2又は第3発明の剪断式破砕機用の回転刃とスペーサとを交互に装着し、これら回転軸に装着された互いの回転刃とスペーサとを向かい合わせで噛み合わせて対向する回転刃間で被破砕物を剪断して破砕するようにしたことを特徴とする。
本発明の剪断式破砕機用の回転刃によれば、刃部の背面側に被破砕物を逃がすための逃げ部が形成されるので、刃部の背面側での被破砕物の圧密を軽減することができる。
したがって、被破砕物の圧密に伴う無駄な電力の消費を抑え、過負荷逆転の頻度が減り、破砕処理物の排出性も向上するので、省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる。
したがって、被破砕物の圧密に伴う無駄な電力の消費を抑え、過負荷逆転の頻度が減り、破砕処理物の排出性も向上するので、省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる。
また、逃げ部は、ロータ部の周方向に隣り合う2つの刃部のうち、ロータ部の回転方向に向けて先行する位置にある一方の刃部の頂部から後行する位置にある他方の刃部の基部へと基礎円に接するように延びる仮想曲線に対して、刃部の背面側部分をロータ部の径方向内側に向けて凹ませることによって形成することにより、刃部の背面側の被破砕物を確実に逃がすことができる逃げ部を容易に形成することができる。
また、刃部の刃先を、該刃部の頂部から基部側へ入り込んだ位置でロータ部の回転方向に突出する形状とすることにより、刃部の強度を向上させることができるのは勿論のこと、刃先が被破砕物を一度に噛み込む噛み込み量を抑えることができ、被破砕物の噛み込み過ぎによる過負荷を防止することができる。
本発明の二軸剪断式破砕機によれば、回転刃の刃部の背面側において相手軸側のスペーサとの間で挟まれる被破砕物を逃げ部で逃がすことができるので、刃部の背面側での被破砕物の圧密を軽減することができる。
したがって、被破砕物の圧密に伴う無駄な電力の消費を抑え、過負荷逆転の頻度が減り、破砕処理物の排出性も向上するので、省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる。
したがって、被破砕物の圧密に伴う無駄な電力の消費を抑え、過負荷逆転の頻度が減り、破砕処理物の排出性も向上するので、省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる。
次に、本発明の剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
<二軸剪断式破砕機の概略説明>
図1に示すように、二軸剪断式破砕機1は、上下方向に開放された開口部2aを有するケーシング2と、このケーシング2の開口部2aにおいて互いに平行をなすように配設され、ケーシング2に両端部が回転可能に支持された2本の回転軸3を備えている。
ケーシング2の上方には、図示されないホッパが配設されており、このホッパを介して開口部2a内に被破砕物を投入することができる。
各回転軸3には、図示されない動力伝達機構を介して、例えば、電動機又は油圧モータ等の駆動機4が接続されており、2つの駆動機4の同期運転により、2本の回転軸3を同期させて回転させることができる。
なお、2本の回転軸3を、例えば、歯車伝動機構等により連動して回転するようにし、2本の回転軸3の一方にのみ動力伝達機構を介して駆動機4を接続し、1つの駆動機4の作動により、2本の回転軸3を同時に回転させるようにしてもよい。
図1に示すように、二軸剪断式破砕機1は、上下方向に開放された開口部2aを有するケーシング2と、このケーシング2の開口部2aにおいて互いに平行をなすように配設され、ケーシング2に両端部が回転可能に支持された2本の回転軸3を備えている。
ケーシング2の上方には、図示されないホッパが配設されており、このホッパを介して開口部2a内に被破砕物を投入することができる。
各回転軸3には、図示されない動力伝達機構を介して、例えば、電動機又は油圧モータ等の駆動機4が接続されており、2つの駆動機4の同期運転により、2本の回転軸3を同期させて回転させることができる。
なお、2本の回転軸3を、例えば、歯車伝動機構等により連動して回転するようにし、2本の回転軸3の一方にのみ動力伝達機構を介して駆動機4を接続し、1つの駆動機4の作動により、2本の回転軸3を同時に回転させるようにしてもよい。
各回転軸3には、軸方向に沿って回転刃5とスペーサ6とが所要個数交互に装着され、2本の回転軸3に装着された互いの回転刃5とスペーサ6とが向かい合わせで噛み合うように各回転軸3に対する回転刃5及びスペーサ6の配置や2本の回転軸3の軸間距離等が定められるとともに、対向する回転刃5における互いの側面間の軸方向隙間が被破砕物の縦切りを行う上で適正な範囲となる大きさに定められている。
二軸剪断式破砕機1においては、対向する回転刃5が互いに内向きに回転するように駆動機4で2本の回転軸3を回転させることにより、ケーシング2の開口部2a内に投入された被破砕物を対向する回転刃5間で引き込んで横切りするとともに、相互の回転刃5の側縁部で被破砕物を縦切りして、被破砕物を破砕することができるようになっている。
なお、破砕処理された処理物は、ケーシング2の下方に配設される図示されないベルトコンベヤ等の搬送装置により、所定の場所へと搬送される。
なお、破砕処理された処理物は、ケーシング2の下方に配設される図示されないベルトコンベヤ等の搬送装置により、所定の場所へと搬送される。
<スペーサの説明>
図2に示すように、スペーサ6は、回転軸3における断面四角形状の四角軸部3aが嵌挿される嵌合孔7を有する所定直径の円板状部材よりなり、回転軸3の軸方向に並ぶ回転刃5を軸方向に位置決めする役目をする。
図2に示すように、スペーサ6は、回転軸3における断面四角形状の四角軸部3aが嵌挿される嵌合孔7を有する所定直径の円板状部材よりなり、回転軸3の軸方向に並ぶ回転刃5を軸方向に位置決めする役目をする。
<回転刃の説明>
図2及び図3に示すように、回転刃5は、回転軸3の四角軸部3aが嵌挿される嵌合孔8を有するとともに所定の直径の基礎円9に沿う外形を有するロータ部5aを備え、このロータ部5aの周方向に所定間隔を有して複数(本例では5つ)の刃部5bを該ロータ部5aから径方向外側に向けて一体的に突設して構成され、ロータ部5aを図2中記号R矢印方向に回転させることにより、刃部5bで被破砕物を破砕することができるようになっている。
なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「径方向」、「周方向」及び「回転方向」という用語は、それぞれ、ロータ部5aの径方向、周方向及び回転方向を意味するものとする。
また、周方向に隣り合う2つの刃部5bにおいて、回転方向に向けて先行する位置にある一方の刃部5bの頂部から後行する位置にある他方の刃部5bの基部へと基礎円9に接するように延びる仮想曲線を「仮想曲線VC」と称することとする。
図2及び図3に示すように、回転刃5は、回転軸3の四角軸部3aが嵌挿される嵌合孔8を有するとともに所定の直径の基礎円9に沿う外形を有するロータ部5aを備え、このロータ部5aの周方向に所定間隔を有して複数(本例では5つ)の刃部5bを該ロータ部5aから径方向外側に向けて一体的に突設して構成され、ロータ部5aを図2中記号R矢印方向に回転させることにより、刃部5bで被破砕物を破砕することができるようになっている。
なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「径方向」、「周方向」及び「回転方向」という用語は、それぞれ、ロータ部5aの径方向、周方向及び回転方向を意味するものとする。
また、周方向に隣り合う2つの刃部5bにおいて、回転方向に向けて先行する位置にある一方の刃部5bの頂部から後行する位置にある他方の刃部5bの基部へと基礎円9に接するように延びる仮想曲線を「仮想曲線VC」と称することとする。
<刃部の説明>
図4に示すように、刃部5bは、基礎円9と仮想曲線VCとの間において、回転方向に向かって径方向外側に傾斜する背面側傾斜面11を有している。
背面側傾斜面11の先端側には、回転方向に向かって径方向内側に傾斜する正面側外向傾斜面12が連設され、背面側傾斜面11と正面側外向傾斜面12との交わり角部が刃部5bの頂部13とされる。
正面側外向傾斜面12の先端側には、回転方向と逆向きに折り返して径方向内側に傾斜する正面側内向傾斜面14が連設され、正面側外向傾斜面12と正面側内向傾斜面14との交わりの角部が刃先15とされ、刃先15を、回転方向に臨ませた正面側において刃部5bの頂部13から基部側へと入り込んだ位置で回転方向に向けて突出した形状として、刃先15と背面側傾斜面11との間の回転方向に沿う図4中記号tで示される肉厚を大きくとるようにしている。
正面側内向傾斜面14の先端側には、ロータ部5aの外周面と直角をなすように径方向に延びる正面側直立面16が連設されており、正面側直立面16と正面側内向傾斜面14との交わりの角部に丸みを持たせるよう面取りが施されるとともに、正面側直立面16とロータ部5aの外周面との交わりの角部にも丸みを持たせるよう面取りが施され、正面側直立面16と正面側内向傾斜面14とロータ部5aの外周面とにより、刃先15で噛み込んだ被破砕物を抱き込む懐部17が形成される。
図4に示すように、刃部5bは、基礎円9と仮想曲線VCとの間において、回転方向に向かって径方向外側に傾斜する背面側傾斜面11を有している。
背面側傾斜面11の先端側には、回転方向に向かって径方向内側に傾斜する正面側外向傾斜面12が連設され、背面側傾斜面11と正面側外向傾斜面12との交わり角部が刃部5bの頂部13とされる。
正面側外向傾斜面12の先端側には、回転方向と逆向きに折り返して径方向内側に傾斜する正面側内向傾斜面14が連設され、正面側外向傾斜面12と正面側内向傾斜面14との交わりの角部が刃先15とされ、刃先15を、回転方向に臨ませた正面側において刃部5bの頂部13から基部側へと入り込んだ位置で回転方向に向けて突出した形状として、刃先15と背面側傾斜面11との間の回転方向に沿う図4中記号tで示される肉厚を大きくとるようにしている。
正面側内向傾斜面14の先端側には、ロータ部5aの外周面と直角をなすように径方向に延びる正面側直立面16が連設されており、正面側直立面16と正面側内向傾斜面14との交わりの角部に丸みを持たせるよう面取りが施されるとともに、正面側直立面16とロータ部5aの外周面との交わりの角部にも丸みを持たせるよう面取りが施され、正面側直立面16と正面側内向傾斜面14とロータ部5aの外周面とにより、刃先15で噛み込んだ被破砕物を抱き込む懐部17が形成される。
<逃げ部の説明>
刃部5bの背面側には、被破砕物を逃がすための逃げ部18が形成されている。
すなわち、仮想曲線VCに対して、刃部5bの背面側部分を径方向内側に向けて凹ませて生じる空間、つまり基礎円9を含む曲面、言い換えればロータ部5aの外周面と、仮想曲線VCを含む仮想曲面と、背面側傾斜面11とで囲まれる空間により逃げ部18を形成している。
刃部5bの背面側には、被破砕物を逃がすための逃げ部18が形成されている。
すなわち、仮想曲線VCに対して、刃部5bの背面側部分を径方向内側に向けて凹ませて生じる空間、つまり基礎円9を含む曲面、言い換えればロータ部5aの外周面と、仮想曲線VCを含む仮想曲面と、背面側傾斜面11とで囲まれる空間により逃げ部18を形成している。
<回転刃の諸元値の説明>
次に、図5を用いて、回転刃5の諸元値について説明する(ここで、刃部5bの各部位の符号は、図4に付した符号参照。)。
(1)角度α
角度αは、すべての刃部5bの頂部13を結ぶ仮想円19の刃部5bの頂部13における接線と、刃部5bの背面側傾斜面11とがなす角度で、刃部5bの背面側に形成される逃げ部18、すなわち、刃部5bの背面側の空間の大きさを左右する角度であり、可能な限り大きい方が望ましく、具体的には、30°〜50°好ましくは、35°〜45°(本実施形態では、約40°)に形成するようにしている。
(2)角度β
角度βは、刃部5bの背面側傾斜面11と、正面側外向傾斜面12とがなす角度で、刃部5bの強度に関わる角度であり、可能な限り大きい方が望ましく、具体的には、60°〜80°好ましくは、65°〜75°(本実施形態では、約70°)に形成するようにしている。
(3)角度γ
角度γは、すべての刃部5bの頂部13を結ぶ仮想円19の刃部5bの頂部13における接線と、刃部5bの正面側外向傾斜面12とがなす角度で、刃部5bの刃先15の強度と噛み込みに関わる角度であり、大きすぎると噛み込み性が悪化し、小さすぎると刃先15の強度が低下するため、具体的には、20°〜40°好ましくは、25°〜35°(本実施形態では、約30°)に形成するようにしている。
(4)角度δ
角度δは、刃部5bの正面側外向傾斜面12と、正面側内向傾斜面14とがなす角度で、刃部5bの刃先15の強度に関わる角度であり、刃先15の強度を確保するためには大きい方が望ましく、具体的には、50°〜70°好ましくは、55°〜65°(本実施形態では、約60°)に形成するようにしている。
(5)角度η
角度ηは、回転刃5の回転中心Oと刃部5bの刃先15とを結ぶ直線Yと、刃部5bの正面側内向傾斜面14とがなす角度で、刃部5bの噛み込みに関わる角度であり、刃部5bの刃先15の強度に関わる角度であり、噛み込み性を確保するためには大きい方が望ましく、具体的には、45°〜65°好ましくは、50°〜60°(本実施形態では、約55°)に形成するようにしている。
(6)直線X及び直線Z
回転刃5の回転中心Oと刃部5bの頂部13とを結ぶ直線Xと、回転刃5の回転中心Oと刃部5bの正面側直立面16とを結ぶ直線Zとの位置関係は、刃部5bの曲げ強度に関わる角度であり、曲げ強度を確保するためには、直線Xが直線Zより回転刃5の回転方向に対して後方に位置するようにすることが望ましく、具体的には、直線Xと直線Zとがなす角度θが、3°〜10°好ましくは、4°〜7°(本実施形態では、約5°)となるようにしている。
次に、図5を用いて、回転刃5の諸元値について説明する(ここで、刃部5bの各部位の符号は、図4に付した符号参照。)。
(1)角度α
角度αは、すべての刃部5bの頂部13を結ぶ仮想円19の刃部5bの頂部13における接線と、刃部5bの背面側傾斜面11とがなす角度で、刃部5bの背面側に形成される逃げ部18、すなわち、刃部5bの背面側の空間の大きさを左右する角度であり、可能な限り大きい方が望ましく、具体的には、30°〜50°好ましくは、35°〜45°(本実施形態では、約40°)に形成するようにしている。
(2)角度β
角度βは、刃部5bの背面側傾斜面11と、正面側外向傾斜面12とがなす角度で、刃部5bの強度に関わる角度であり、可能な限り大きい方が望ましく、具体的には、60°〜80°好ましくは、65°〜75°(本実施形態では、約70°)に形成するようにしている。
(3)角度γ
角度γは、すべての刃部5bの頂部13を結ぶ仮想円19の刃部5bの頂部13における接線と、刃部5bの正面側外向傾斜面12とがなす角度で、刃部5bの刃先15の強度と噛み込みに関わる角度であり、大きすぎると噛み込み性が悪化し、小さすぎると刃先15の強度が低下するため、具体的には、20°〜40°好ましくは、25°〜35°(本実施形態では、約30°)に形成するようにしている。
(4)角度δ
角度δは、刃部5bの正面側外向傾斜面12と、正面側内向傾斜面14とがなす角度で、刃部5bの刃先15の強度に関わる角度であり、刃先15の強度を確保するためには大きい方が望ましく、具体的には、50°〜70°好ましくは、55°〜65°(本実施形態では、約60°)に形成するようにしている。
(5)角度η
角度ηは、回転刃5の回転中心Oと刃部5bの刃先15とを結ぶ直線Yと、刃部5bの正面側内向傾斜面14とがなす角度で、刃部5bの噛み込みに関わる角度であり、刃部5bの刃先15の強度に関わる角度であり、噛み込み性を確保するためには大きい方が望ましく、具体的には、45°〜65°好ましくは、50°〜60°(本実施形態では、約55°)に形成するようにしている。
(6)直線X及び直線Z
回転刃5の回転中心Oと刃部5bの頂部13とを結ぶ直線Xと、回転刃5の回転中心Oと刃部5bの正面側直立面16とを結ぶ直線Zとの位置関係は、刃部5bの曲げ強度に関わる角度であり、曲げ強度を確保するためには、直線Xが直線Zより回転刃5の回転方向に対して後方に位置するようにすることが望ましく、具体的には、直線Xと直線Zとがなす角度θが、3°〜10°好ましくは、4°〜7°(本実施形態では、約5°)となるようにしている。
<二軸剪断式破砕機の破砕動作の説明>
以上に述べたような回転刃5を備える二軸剪断式破砕機1においては、対向する回転刃5が互いに内向きに回転するように駆動機4で2本の回転軸3を回転させることにより、対向する回転刃5の互いの側縁部で被破砕物を縦切りするとともに、各回転刃5の刃先15で被破砕物を横切りして被破砕物を破砕する。
以上に述べたような回転刃5を備える二軸剪断式破砕機1においては、対向する回転刃5が互いに内向きに回転するように駆動機4で2本の回転軸3を回転させることにより、対向する回転刃5の互いの側縁部で被破砕物を縦切りするとともに、各回転刃5の刃先15で被破砕物を横切りして被破砕物を破砕する。
<作用効果の説明>
本実施形態の回転刃5においては、刃部5bの背面側に被破砕物を逃がすための逃げ部18を形成することにより、以下のような作用効果を得ることができる。
すなわち、図6に示すように、刃部5bの背面側において相手軸側のスペーサ6との間で挟まれる被破砕物M1を逃げ部18で逃がすことができ、刃部5bの背面側での被破砕物M1の圧密を軽減することができる。
また、図2に示すように、刃部5bと相手軸側のスペーサ6との隙間を断面開口長さLとすると、図7に示すように、回転角度に対する断面開口長さLが最大値に達するまでの時間を従来の回転刃100よりも大幅に短縮することができるとともに、その最大値に達した状態を従来の回転刃100よりも格段に長く維持することができるので、破砕処理物の排出性を向上させることができる。
したがって、被破砕物M1の圧密に伴う無駄な電力の消費を抑え、過負荷逆転の頻度が減り、破砕処理物の排出性も向上するので、省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる。
本実施形態の回転刃5においては、刃部5bの背面側に被破砕物を逃がすための逃げ部18を形成することにより、以下のような作用効果を得ることができる。
すなわち、図6に示すように、刃部5bの背面側において相手軸側のスペーサ6との間で挟まれる被破砕物M1を逃げ部18で逃がすことができ、刃部5bの背面側での被破砕物M1の圧密を軽減することができる。
また、図2に示すように、刃部5bと相手軸側のスペーサ6との隙間を断面開口長さLとすると、図7に示すように、回転角度に対する断面開口長さLが最大値に達するまでの時間を従来の回転刃100よりも大幅に短縮することができるとともに、その最大値に達した状態を従来の回転刃100よりも格段に長く維持することができるので、破砕処理物の排出性を向上させることができる。
したがって、被破砕物M1の圧密に伴う無駄な電力の消費を抑え、過負荷逆転の頻度が減り、破砕処理物の排出性も向上するので、省エネルギ化を図ることができるとともに、破砕処理をスムーズに行うことができる。
さらに、図4に示すように、回転刃5においては、刃先15を、回転方向に臨ませた正面側において刃部5bの頂部13から基部側へ入り込んだ位置で回転方向に突出した形状として、刃先15と背面側傾斜面11との間の回転方向に沿う図4中記号tで示される肉厚が厚くされているので、以下のような作用効果を得ることができる。
すなわち、逃げ部18を形成するために、単純に従来の回転刃100の背面部分を削るだけでは、刃先強度が著しく低下するが、刃先15を径方向内側に入り込んだ形状とすることで刃部5bを引き起こすように働く円周方向荷重F1に対する強度を従来の回転刃100と同等以上に容易に確保することができるとともに、刃部5bに垂直に作用にする垂直荷重F2に対する強度は従来の回転刃100よりも格段に向上させることができる。
また、図8に示すように、刃先15が被破砕物M2を一度に噛み込む噛み込み量(図8中の被破砕物M2においてハッチングで示される部分)を従来の回転刃100の刃先103aによる噛み込み量(図19(b)中の被破砕物M2においてハッチングで示される部分)よりも抑えることができ、被破砕物M2の噛み込み過ぎによる過負荷を防止することができる。
すなわち、逃げ部18を形成するために、単純に従来の回転刃100の背面部分を削るだけでは、刃先強度が著しく低下するが、刃先15を径方向内側に入り込んだ形状とすることで刃部5bを引き起こすように働く円周方向荷重F1に対する強度を従来の回転刃100と同等以上に容易に確保することができるとともに、刃部5bに垂直に作用にする垂直荷重F2に対する強度は従来の回転刃100よりも格段に向上させることができる。
また、図8に示すように、刃先15が被破砕物M2を一度に噛み込む噛み込み量(図8中の被破砕物M2においてハッチングで示される部分)を従来の回転刃100の刃先103aによる噛み込み量(図19(b)中の被破砕物M2においてハッチングで示される部分)よりも抑えることができ、被破砕物M2の噛み込み過ぎによる過負荷を防止することができる。
<本実施形態の回転刃と従来の回転刃との比較テストの説明(1)>
破砕時における回転刃の回転角度を検知しながら回転軸3にかかる負荷を経時的に測定し、回転刃の回転角度状態でどのような負荷がかかるのかを、本実施形態の回転刃及び従来の回転刃で検証した。
回転刃5の回転角度の測定は、図9に示すように、回転軸3に同位相で多数の回転刃5を取り付けた一方の回転軸3の軸端にスリット部を設けた円板20を取り付け、センサ21により円板20のスリット部の通過を検知することにより行った。
そして、破砕時における回転刃5の回転角度を測定しながら、回転軸3にかかる負荷を経時的に測定して、回転刃5の回転角度と負荷との関係を調べた。
破砕時における回転刃の回転角度を検知しながら回転軸3にかかる負荷を経時的に測定し、回転刃の回転角度状態でどのような負荷がかかるのかを、本実施形態の回転刃及び従来の回転刃で検証した。
回転刃5の回転角度の測定は、図9に示すように、回転軸3に同位相で多数の回転刃5を取り付けた一方の回転軸3の軸端にスリット部を設けた円板20を取り付け、センサ21により円板20のスリット部の通過を検知することにより行った。
そして、破砕時における回転刃5の回転角度を測定しながら、回転軸3にかかる負荷を経時的に測定して、回転刃5の回転角度と負荷との関係を調べた。
図10に、本実施形態及び従来の回転刃の破砕時における負荷出力と回転検知パルス出力の経時変化を示す。グラフの横軸は時間t、縦軸は各回転刃の破砕時における負荷出力及び回転検知パルス出力を示す。
図10において、本実施形態及び従来の回転刃の破砕時における負荷出力のグラフにおいて、特徴のある負荷出力のピークにA〜Cの符号を付すようにしたが、連続して変化を確認すると、これらのピークA〜Cは周期的に繰り返されていることが判った。
図10において、本実施形態及び従来の回転刃の破砕時における負荷出力のグラフにおいて、特徴のある負荷出力のピークにA〜Cの符号を付すようにしたが、連続して変化を確認すると、これらのピークA〜Cは周期的に繰り返されていることが判った。
そして、開始時t=0の各回転刃の状態(以下、この状態を「初期位置」という。)を図11に、ピークA〜Cの各回転刃の状態を図12〜図14に、それぞれ示す。ここで、図11〜図14において、(a)は従来の回転刃、(b)は本実施形態の回転刃を示す。
ピークAの発生時は、従来の回転刃は初期位置から8.41°回転した位置であり、本実施形態の回転刃は同14.42°回転した位置であった。
その差は約6°で、図11(a)に示す従来の回転刃及び図11(b)に示す本実施形態の回転刃の最外径にある角部a、b(刃部5bの頂部13に相当。)の位置の角度差と一致していることから、処理物が、図12に示すような状態で噛み込まれ、負荷出力のピークAが生じたと考えられる。
各々の回転刃の背面側の空間(刃部5bの背面側に形成される逃げ部18に相当。円で囲んだ部分。)を比較すると、本実施形態の回転刃の方が大きい。これは、回転刃の刃部に処理物が噛み込まれた場合、背面側の空間を大きくしたことにより、処理物が噛み込まれて発生する圧縮力や摩擦抵抗を減ずることができるため、負荷出力のピークAの立ち下がりがシャープになっていると考えられる。負荷出力の形状がシャープであるということは、それだけ負荷のかかっている時間帯が短いことであり、過負荷低減効果が期待でき、電力量の低減につながるので省エネルギ化を図ることができるものとなる。
その差は約6°で、図11(a)に示す従来の回転刃及び図11(b)に示す本実施形態の回転刃の最外径にある角部a、b(刃部5bの頂部13に相当。)の位置の角度差と一致していることから、処理物が、図12に示すような状態で噛み込まれ、負荷出力のピークAが生じたと考えられる。
各々の回転刃の背面側の空間(刃部5bの背面側に形成される逃げ部18に相当。円で囲んだ部分。)を比較すると、本実施形態の回転刃の方が大きい。これは、回転刃の刃部に処理物が噛み込まれた場合、背面側の空間を大きくしたことにより、処理物が噛み込まれて発生する圧縮力や摩擦抵抗を減ずることができるため、負荷出力のピークAの立ち下がりがシャープになっていると考えられる。負荷出力の形状がシャープであるということは、それだけ負荷のかかっている時間帯が短いことであり、過負荷低減効果が期待でき、電力量の低減につながるので省エネルギ化を図ることができるものとなる。
ピークBの発生時は、従来の回転刃は初期位置から47.2°回転した位置であり、本実施形態の回転刃は同50.4°回転した位置であった。
このピークBは、図13(a)及び(b)の円で囲んだ部分で、処理物を最初に噛み込み始めることによって生じるものと考えられる。
図10において、各回転刃のピークBを比較すると、本実施形態の回転刃の方が、負荷出力が小さくなっていることは明らかである。
本実施形態の回転刃は、刃部5bの背面部分を削り取ることによって背面側に逃げ部18を形成している上に、刃先15が内側に入り込んだ形状をしているため、回転半径が小さく剪断のためのトルクが小さくなり、負荷出力(負荷動力)が小さくなったと考えられる。
このピークBは、図13(a)及び(b)の円で囲んだ部分で、処理物を最初に噛み込み始めることによって生じるものと考えられる。
図10において、各回転刃のピークBを比較すると、本実施形態の回転刃の方が、負荷出力が小さくなっていることは明らかである。
本実施形態の回転刃は、刃部5bの背面部分を削り取ることによって背面側に逃げ部18を形成している上に、刃先15が内側に入り込んだ形状をしているため、回転半径が小さく剪断のためのトルクが小さくなり、負荷出力(負荷動力)が小さくなったと考えられる。
ピークCの発生時は、従来の回転刃は初期位置から58.7°回転した位置であり、本実施形態の回転刃は同57.9°回転した位置であった。
このピークCは、図14(a)及び(b)の円で囲んだ部分で、処理物を剪断することによって生じるものと考えられる。
このピークCは、図14(a)及び(b)の円で囲んだ部分で、処理物を剪断することによって生じるものと考えられる。
<本実施形態の回転刃と従来の回転刃との比較テストの説明(2)>
本実施形態の回転刃5と従来の回転刃100とについて、同一形状(幅・長さ・厚み)に揃えた新聞紙(処理物)をケーシング2の開口部2aへ垂直に供給し、回転刃形状の違いによる平均負荷電力、処理量、積算負荷電力量について比較した。
その結果を、表1〜表3に示す。
本実施形態の回転刃5と従来の回転刃100とについて、同一形状(幅・長さ・厚み)に揃えた新聞紙(処理物)をケーシング2の開口部2aへ垂直に供給し、回転刃形状の違いによる平均負荷電力、処理量、積算負荷電力量について比較した。
その結果を、表1〜表3に示す。
また、本実施形態の回転刃5と従来の回転刃100とについて、同一重量の処理物(新聞紙、ペットボトル圧縮解砕品、実装基板)をケーシング2の開口部2aへ連続供給し回転刃形状の違いによる過負荷逆転回数、平均電力、積算電力、処理量について比較した。
その結果を表4〜表6に示す。
その結果を表4〜表6に示す。
上記表1〜表6に示すように、本実施形態の回転刃5は、従来の回転刃100と比較して、破砕時の電力を低減することができるとともに、過負荷逆転回数を低減することができ、しかも処理物の排出性に優れているといえる。
なお、表1における処理物厚み300枚の平均負荷動力において、本実施形態の回転刃5の平均負荷動力(4786W)の方が、従来の回転刃の平均負荷動力(4096W)よりも大きくなっているが、表2に示すように、処理物厚み300枚の処理量において、本実施形態の回転刃5の処理量(497kg/h)の方が、従来の回転刃の処理量(393kg/h)よりも非常に大きく、結果として、表3に示すように、処理物厚み300枚の積算電力量において、従来の回転刃の積算電力量が12930Jに対して、本実施形態の回転刃5の積算電力量が12009Jとなり、これは回転刃5の平均負荷動力が高くても処理時間が短ければ積算電力量を低く抑えることができる、あるいは回転刃5の平均負荷動力が高くても処理量が同じならば処理時間が短くて済むということであり、省エネルギ効果があるといえる。
なお、表1における処理物厚み300枚の平均負荷動力において、本実施形態の回転刃5の平均負荷動力(4786W)の方が、従来の回転刃の平均負荷動力(4096W)よりも大きくなっているが、表2に示すように、処理物厚み300枚の処理量において、本実施形態の回転刃5の処理量(497kg/h)の方が、従来の回転刃の処理量(393kg/h)よりも非常に大きく、結果として、表3に示すように、処理物厚み300枚の積算電力量において、従来の回転刃の積算電力量が12930Jに対して、本実施形態の回転刃5の積算電力量が12009Jとなり、これは回転刃5の平均負荷動力が高くても処理時間が短ければ積算電力量を低く抑えることができる、あるいは回転刃5の平均負荷動力が高くても処理量が同じならば処理時間が短くて済むということであり、省エネルギ効果があるといえる。
以上、本発明の剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
例えば、上記の実施形態の回転刃5においては、ロータ部5aと刃部5bとが一体的に設けられる例を示したが、刃部5bを含む部分を着脱式とした、図15〜図18に示すような替刃方式の回転刃25の態様例も採用することができる。
この回転刃25について主に図15及び図17を用いて以下に説明するが、上記の実施形態の回転刃5と同一又は同様のものについては図に同一符号を付してその詳細な説明を省略することとし、以下においては回転刃25に特有の部分を中心に説明することとする。
この回転刃25について主に図15及び図17を用いて以下に説明するが、上記の実施形態の回転刃5と同一又は同様のものについては図に同一符号を付してその詳細な説明を省略することとし、以下においては回転刃25に特有の部分を中心に説明することとする。
図15に示される回転刃25は、回転軸3の四角軸部3aが嵌挿される嵌合孔26を有するとともに外形が多角形状(本例では六角形状)の6つの辺部27を有する刃台部28と、この刃台部28の各辺部27にボルト29によって着脱可能に固定される複数(本例では6個)の着脱式刃体30とを備えて構成されている。
刃台部28の各辺部27には、被破砕物を剪断する際の着脱式刃体30からの反力を受ける凸部27aが形成されている。
刃台部28の各辺部27には、被破砕物を剪断する際の着脱式刃体30からの反力を受ける凸部27aが形成されている。
図17に示すように、着脱式刃体30は、取付部30aと、この取付部30aから径方向外側に刃部5bを一体的に突設して構成されている。
ここで、取付部30aは、刃台部28の辺部27に形成された凸部27a(図15参照)と係合する凹部31aを有してその辺部27と接する取付面31と、刃部5bの前側及び後側のそれぞれにおいて基礎円9に接する接線に沿って延びる前側傾斜面32及び後側傾斜面33とを有している。
着脱式刃体30においては、仮想曲線VCに対して、刃部5bの背面側部分を径方向内側に向けて凹ませて生じる空間、つまり取付部30aにおける後側傾斜面33と、仮想曲線VCを含む仮想曲面と、背面側傾斜面11とで囲まれる空間により、上記実施形態の回転刃5における逃げ部18と同等の逃げ部34を形成している。
ここで、取付部30aは、刃台部28の辺部27に形成された凸部27a(図15参照)と係合する凹部31aを有してその辺部27と接する取付面31と、刃部5bの前側及び後側のそれぞれにおいて基礎円9に接する接線に沿って延びる前側傾斜面32及び後側傾斜面33とを有している。
着脱式刃体30においては、仮想曲線VCに対して、刃部5bの背面側部分を径方向内側に向けて凹ませて生じる空間、つまり取付部30aにおける後側傾斜面33と、仮想曲線VCを含む仮想曲面と、背面側傾斜面11とで囲まれる空間により、上記実施形態の回転刃5における逃げ部18と同等の逃げ部34を形成している。
なお、この替刃方式の回転刃25においては、着脱式刃体30における取付部30aと刃台部28とによってロータ部25aが構成され、該ロータ部25aが、上記実施形態の回転刃5におけるロータ部5aに相当するものである。
この替刃方式の回転刃25によれば、上記の実施形態の回転刃5と同様の作用効果を得ることができるのは勿論のこと、損傷・摩耗した着脱式刃体30のみを新品のものと交換することにより、機能回復を容易に図ることができるので、上記実施形態の回転刃5と比べてランニングコストを低く抑えることができるという利点がある。
本発明の剪断式破砕機用の回転刃は、二軸剪断式破砕機において、回転刃の背面部とスペーサとの間での被破砕物の圧密の軽減の用途に好適に用いることができるほか、一軸剪断式破砕機において、回転刃の背面部と固定刃との間での被破砕物の圧密の軽減の用途にも用いることができる。
1 二軸剪断式破砕機
5 回転刃
5a ロータ部
5b 刃部
6 スペーサ
9 基礎円
15 刃先
18 逃げ部
25 回転刃
25a ロータ部
28 刃台部
30 着脱式刃体
34 逃げ部
VC 仮想曲線
5 回転刃
5a ロータ部
5b 刃部
6 スペーサ
9 基礎円
15 刃先
18 逃げ部
25 回転刃
25a ロータ部
28 刃台部
30 着脱式刃体
34 逃げ部
VC 仮想曲線
Claims (4)
- 所定の直径の基礎円に沿う外形を有するロータ部と、このロータ部の周方向に所定間隔を有して該ロータ部から径方向外側に向けて突設され、該ロータ部の回転方向に臨ませた正面側に刃先を有する複数の刃部とを備え、ロータ部が回転駆動されることにより、刃部で被破砕物を剪断破砕する剪断式破砕機用の回転刃において、刃部の背面側に、被破砕物を逃がすための逃げ部を形成したことを特徴とする剪断式破砕機用の回転刃。
- 逃げ部は、ロータ部の周方向に隣り合う2つの刃部のうち、ロータ部の回転方向に向けて先行する位置にある一方の刃部の頂部から後行する位置にある他方の刃部の基部へと基礎円に接するように延びる仮想曲線に対して、刃部の背面側部分をロータ部の径方向内側に向けて凹ませることによって形成したことを特徴とする請求項1記載の剪断式破砕機用の回転刃。
- 刃部の刃先を、該刃部の頂部から基部側へ入り込んだ位置でロータ部の回転方向に突出する形状としたことを特徴とする請求項1又は2記載の剪断式破砕機用の回転刃。
- 並設される2本の回転軸を備え、これら回転軸のそれぞれに軸方向に沿って請求項1、2又は3記載の剪断式破砕機用の回転刃とスペーサとを交互に装着し、これら回転軸に装着された互いの回転刃とスペーサとを向かい合わせで噛み合わせて対向する回転刃間で被破砕物を剪断して破砕するようにしたことを特徴とする二軸剪断式破砕機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014094868A JP2015211935A (ja) | 2014-05-01 | 2014-05-01 | 剪断式破砕機用の回転刃及び二軸剪断式破砕機 |
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110090708A (zh) * | 2019-04-15 | 2019-08-06 | 安徽华天机械股份有限公司 | 一种撕碎机刀片及其加工工艺 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5531486A (en) * | 1978-06-20 | 1980-03-05 | Baikoff Eugene M A | Pulverizer |
JPH05285406A (ja) * | 1992-04-08 | 1993-11-02 | Mineichi Iwamoto | 切断装置 |
US5711492A (en) * | 1994-07-08 | 1998-01-27 | T.P.L. Products, Inc. | Composite machine elements from fiber reinforced polymers and advanced wear ceramics |
-
2014
- 2014-05-01 JP JP2014094868A patent/JP2015211935A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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