JP6380093B2 - 電極の製造方法および電極の製造装置 - Google Patents

電極の製造方法および電極の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、電極の製造方法および電極の製造装置に関するものである。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。蓄電装置はケース内に電極組立体が収納されている。電極組立体を構成する電極は、金属箔などのシート状の集電体と、その両面に形成され、担持される活物質層よりなる。ここで、担持される活物質の量を増やす為に、集電体を予め多数の孔を形成し、孔内にも活物質を担持可能とした孔空き集電体を用いることが知られている。ところで、活物質層の形成は、塗工工程において、活物質、バインダ、導電助剤に、所定割合の溶剤を混ぜ、スラリー状の活物質合剤とした後、個々の電極に切断される前の帯状集電体に塗工することで行われる。このため、孔空き集電体を用いる場合、活物質合剤が孔内を反対側に移動するという問題があった。
より詳しくは、塗工後、帯状集電体は乾燥炉内を通過し、活物質合剤内の溶媒を除去するが、一般的な送風乾燥方法を用いた場合、乾燥炉の中では乾燥効率を上げるべく孔空き集電体に乾燥風を当てる。この状態を図示すると、図10(a)に示すように、帯状集電体であり、複数の貫通孔100を有する孔空き集電体101に対し図10(b)に示すように孔空き集電体101の片面に活物質合剤102が塗工される。その後の乾燥時には図10(c)に示すように乾燥風を受けて貫通孔100からスラリー状の活物質合剤102の移動が助長される。このため、製造される電極表面に凹凸が生じてしまう。その結果、この孔空き集電体101を用い電極及び電極組立体を製造し、電池として用いると、エッジ部Eにおいてリチウムが析出しやすくなる。また、ΔHだけ窪んでいるので、この部位は活物質が少なくなり電極の電気容量が減ってしまう。
前記の問題に対し、特許文献1においては、スラリー状の活物質合剤が塗工された孔空き集電体の他方の面に、少なくともその一部が順次当接して該孔空き集電体とともに移動する撥液シートを設けている。
特開2011−76824号公報
特許文献1においては、周回する撥液シートを、塗工される側の反対側の面に接触させる必要がある為、例えば、撥液シートに、金属箔のバリや活物質の粒子が異物として付着することで、集電体の表面又は活物質層の表面に傷が付くおそれがある。
本発明の目的は、活物質合剤が貫通孔からだれるのを抑制すると共に、表面の損傷を防止することができる電極の製造方法および電極の製造装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明では、複数の貫通孔を有する孔空き集電体に活物質層が形成された電極の製造方法であって、孔空き集電体の片面に活物質合剤を塗布する塗工工程と、前記塗工工程で塗布した前記活物質合剤を乾燥させる乾燥工程と、を備え、少なくとも前記活物質合剤の乾燥工程における乾燥の際に、活物質合剤が塗布された孔空き集電体の片面に音波の放射圧を加えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、塗工工程において孔空き集電体の片面に活物質合剤が塗布され、乾燥工程において、塗工工程で塗布した活物質合剤が乾燥される。ここで、少なくとも活物質合剤の乾燥工程における乾燥の際に、活物質合剤が塗布された孔空き集電体の片面に音波の放射圧が加えられる。よって、音波の放射圧によって活物質合剤が貫通孔からだれるのを抑制すると共に、孔空き集電体に対して非接触であるので表面の損傷を防止することができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の電極の製造方法において、前記孔空き集電体に付与される音波の放射圧により、搬送方向に推進力を付与するとよい。
請求項3に記載の発明では、集電体に活物質層が形成された電極の製造装置であって、集電体の片面に活物質合剤を塗布する塗工機構と、前記塗工機構で塗布した前記活物質合剤を乾燥させる乾燥炉と、機械振動を出力する振動子と、少なくとも前記乾燥炉において前記集電体の搬送路の一部に配置され、前記振動子からの機械振動を音波に変換する振動板と、を備え、前記振動板の放射面からの音波の放射圧を前記集電体の片面に作用させることを要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、塗工機構により、集電体の片面に活物質合剤が塗布される。乾燥炉により、塗工機構で塗布した活物質合剤が乾燥される。振動子から出力される機械振動が、少なくとも乾燥炉において集電体の搬送路の一部に配置された振動板により、音波に変換される。振動板の放射面からの音波の放射圧が集電体の片面に作用する。よって、電極に孔空き集電体を用いた場合であっても、音波の放射圧によって活物質合剤が貫通孔からだれるのを抑制すると共に、集電体に対して非接触であるので表面の損傷を防止することができる。
請求項4に記載のように、請求項3に記載の電極の製造装置において、機械振動を出力する第2振動子と、前記塗工機構と前記乾燥炉との間の集電体の搬送路に配置され、前記第2振動子からの機械振動を音波に変換する第2振動板と、を更に備え、前記第2振動板の放射面からの音波の放射圧を集電体の片面に作用させるとよい。
請求項5の記載のように、請求項4に記載の電極の製造装置において、前記乾燥炉において配置される振動板による放射圧と、前記第2振動板による放射圧とを異ならせるとよい。
本発明によれば、活物質合剤が貫通孔からだれるのを抑制すると共に、表面の損傷を防止することができる。
二次電池の外観を示す斜視図。 電極組立体の構成要素を示す分解斜視図。 電極の構成を示す一部破断斜視図。 塗工乾燥装置の概略構成図。 塗工乾燥装置の一部概略断面図。 (a)は超音波浮揚装置の概略平面図、(b)は超音波浮揚装置の概略側面図、(c)は超音波浮揚装置の概略正面図。 超音波浮揚装置の原理説明図。 (a),(b),(c)は塗工・乾燥工程の説明図。 別例の塗工乾燥装置の一部概略構成図。 (a),(b),(c)は背景技術を説明するための塗工・乾燥工程の説明図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11に電極組立体12が収容されている。ケース11は、直方体状の本体部材13と、本体部材13の開口部を閉塞する矩形平板状の蓋部材14とからなる。ケース11を構成する本体部材13と蓋部材14は、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。また、本実施形態の二次電池10は、その外観が角型をなす角型電池である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
電極組立体12は、正極端子15および負極端子16と電気的に接続される。正極端子15及び負極端子16には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング17がそれぞれ取り付けられている。
図2に示すように、電極組立体12は、シート状の正極電極18と、シート状の負極電極19と、正極電極18と負極電極19の間を絶縁するシート状のセパレータ20と、を有する。そして、電極組立体12は、正極電極18と負極電極19との間にセパレータ20を配置した状態で層状に重ね合わせた積層体とされる。また、電極組立体12は、複数枚の正極電極18と複数枚の負極電極19を交互に重ね合わせて構成される。即ち、電極組立体12には、正極電極18と、負極電極19と、セパレータ20とからなる組が複数組、設けられている。
正極電極18及び負極電極19は、図3に示すように、孔空き集電体である金属箔21で構成されており、金属箔21の厚み方向に貫通する複数の貫通孔22を有する。貫通孔22は、円形をなしている。また、貫通孔22は、金属箔21におけるスラリー状の活物質合剤の塗工領域全体に亘って形成されている。そして、金属箔21の両方の面には、スラリー状の活物質合剤が塗布されるとともに、そのスラリー状の活物質合剤を乾燥させることで活物質層23が形成される。
このように、電極18,19は、複数の貫通孔22を有する金属箔21の両方の面に活物質層23がそれぞれ形成されている。なお、複数の貫通孔22を有する金属箔21の開孔率は、例えば10%〜90%程度、詳しくは20%〜60%程度、より詳しくは40%〜60%程度であるとよい。
また、図2に示すように、正極電極18は正極タブ18aを有する。正極タブ18aは、正極端子15と電気的に接続される。負極電極19は負極タブ19aを有する。負極タブ19aは負極端子16と電気的に接続される。負極タブ19aは、正極電極18と負極電極19を重ね合わせた時に正極タブ18aと重ならない位置に形成されている。
活物質層23は活物質、導電助剤、及びバインダ等を混合し、溶媒を添加して混練したスラリー状の活物質合剤を金属箔21に塗布し、乾燥させることで形成される。スラリー状の活物質合剤は、所定の粘度に調製されている。
電極の製造装置としての塗工乾燥装置30を図4に示す。
塗工乾燥装置30は、孔空き集電体である帯状孔空きの金属箔31にスラリー状の活物質合剤33を塗布し、乾燥させて電極を製造するためのものである。
塗工乾燥装置30は、帯状孔空きの金属箔31を供給する供給機構32と、帯状孔空きの金属箔31の片面にスラリー状の活物質合剤33を塗布する塗工機構34と、塗布した活物質合剤33を乾燥させる乾燥炉35と、乾燥後の帯状孔空きの金属箔31を巻き取る巻取機構36と、第1の超音波浮揚装置40と、第2の超音波浮揚装置50と、を備える。
供給機構32は、筒状のリールに帯状孔空きの金属箔31が巻装された供給ロール32aを備える。供給ロール32aは、支持機構によって回転可能に支持されている。塗工機構34は、供給ロール32aから送り出された帯状孔空きの金属箔31の一方の面にスラリー状の活物質合剤33を塗布するスリットダイ34aを備える。この塗工機構34によって帯状孔空きの金属箔31にスラリー状の活物質合剤33を塗布する塗布工程が行われる。
乾燥炉35は、図5に示すように、高温の乾燥風を吹き付けることによってスラリー状の活物質合剤33を乾燥させる。乾燥炉35には、搬送される塗布後の帯状孔空きの金属箔31に対し乾燥風の吹き付けによって乾燥する乾燥風吹出部材35aが設けられている。乾燥風吹出部材35aから噴出される乾燥風によって帯状孔空きの金属箔31に塗布した活物質合剤33の乾燥が行われる。乾燥風吹出部材35aは、乾燥炉35内を搬送される帯状孔空きの金属箔31の上側から乾燥風を噴出するように設けられている。より詳しくは、乾燥効率を上げるべく金属箔31に垂直に乾燥風を当てて乾燥風の流れで乾燥している。このようにして乾燥炉35によって帯状孔空きの金属箔31に塗布した活物質合剤33を乾燥する乾燥工程が行われる。
また、乾燥炉35の内部には、音波の放射圧によって片面に活物質合剤33が塗布された帯状孔空きの金属箔31を浮上支持する第1の超音波浮揚装置40が設けられている。
第1の超音波浮揚装置40は、図6に示すように、乾燥炉35において活物質合剤33が塗布された帯状の金属箔31の搬送路に配置された振動板41と、ホーン42と、ランジュバン型の振動子43と、発振器44と、ホーン45と、ランジュバン型の振動子46と、を備える。振動板41は、帯板状をなし、帯状の金属箔31の搬送路に水平に配置されている。振動板41は、帯状の金属箔31の搬送路において金属箔31の長手方向に延びるように配置されている。振動板41の上面に離間して活物質合剤33が塗布された帯状の金属箔31が位置する。
振動板41の一端の下面にホーン42が振動伝達可能に接続されているとともに振動板41の他端の下面にホーン45が振動伝達可能に接続されている。ホーン42にはランジュバン型の振動子43が固定されている。ランジュバン型の振動子43は発振器44と接続されている。発振器44の出力信号によりランジュバン型の振動子43が駆動される。
一方、ホーン45にはランジュバン型の振動子46が固定されている。ランジュバン型の振動子46には、抵抗RとコイルLが並列に接続されている。
そして、ランジュバン型の振動子43は機械振動を出力し、ホーン42を介して振動板41に送られる。振動板41はホーン42を介した振動子43からの機械振動を音波に変換する。このとき、振動板41は一方向に進む進行波を発生させて金属箔31を搬送する推進力を付与する。
また、振動板41の振動はホーン45を介して振動子46に伝達されて機械的エネルギー(振動のエネルギー)が電気的エネルギーに変換される。この電気的エネルギーが抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。このようにして、振動板41に生じる振動の波が一方向に進む進行波となり、金属箔31の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。
これにより、振動板41の放射面41aからの音波の放射圧を活物質合剤33が塗布された帯状の金属箔31の片面に作用させた状態で活物質合剤33を乾燥させることができるようになっている。より詳しくは、貫通孔22が通る部位かつ塗工部が通る部位において振動板41が配置されていればよく、これにより音波の放射圧によって活物質合剤33が貫通孔22からだれるのを防止することができる。
図4に示すように、巻取機構36は、モータ駆動によって回転可能なリールにより、金属箔を巻き取る巻取ロール36aを備える。巻取ロール36aは、一定の回転速度で回転し、供給ロール32aから送り出される帯状孔空きの金属箔31を巻き取る。塗工乾燥装置30では、帯状孔空きの金属箔31の搬送方向上流側から下流側に向かって順に、供給機構32、塗工機構34、乾燥炉35、及び巻取機構36が配設されている。これにより、供給ロール32aから送り出される帯状孔空きの金属箔31は、塗工機構34でスラリー状の活物質合剤33が塗布された後に乾燥炉35で乾燥され、その後に巻取ロール36aに巻き取られる。なお、塗工乾燥装置30には、供給機構32と巻取機構36の間に、搬送される帯状の金属箔31を支持する複数のサポートロール37が配設されている。
また、塗工機構34と乾燥炉35との間の金属箔搬送路に第2の超音波浮揚装置50が設けられている。第2の超音波浮揚装置50は、第1の超音波浮揚装置40と同様な構成となっている。
つまり、第2の超音波浮揚装置50は、図6に示すように、塗工機構34と乾燥炉35との間の金属箔31の搬送路に配置された第2振動板51と、第2ホーン52と、ランジュバン型の第2振動子53と、発振器54と、ホーン55と、ランジュバン型の振動子56と、を備える。第2振動板51は、帯板状をなし、金属箔31の搬送路に水平に配置されている。第2振動板51は、金属箔31の搬送路において金属箔31の長手方向に延びるように配置されている。第2振動板51の上面に離間して金属箔31が位置する。第2振動板51の一端の下面に第2ホーン52が振動伝達可能に接続されているとともに第2振動板51の他端の下面にホーン55が振動伝達可能に接続されている。第2ホーン52にはランジュバン型の第2振動子53が固定されている。ランジュバン型の第2振動子53は発振器54と接続されている。発振器54の出力信号によりランジュバン型の第2振動子53が駆動される。
一方、ホーン55にはランジュバン型の振動子56が固定されている。ランジュバン型の振動子56には、抵抗RとコイルLが並列に接続されている。そして、ランジュバン型の第2振動子53は機械振動を出力し、第2ホーン52を介して第2振動板51に送られる。第2振動板51は第2ホーン52を介した第2振動子53からの機械振動を音波に変換する。このとき、第2振動板51は一方向に進む進行波を発生させて金属箔31を搬送する推進力を付与する。また、第2振動板51の振動はホーン55を介して振動子56に伝達されて機械的エネルギー(振動のエネルギー)が電気的エネルギーに変換される。この電気的エネルギーが抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。このようにして、第2振動板51に生じる振動の波が一方向に進む進行波となり、金属箔31の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。
これにより、第2振動板51の放射面51aからの音波の放射圧を金属箔31の片面に作用させた状態で金属箔31を塗工機構34と乾燥炉35との間を搬送することができる。
また、制御として、乾燥炉35において配置される振動板41による音波の放射圧(図4のP1)と、第2振動板51による音波の放射圧(図4のP2)とを異ならせる。具体的には、例えば、振動振幅αを調整することにより振動板41による放射圧P1よりも第2振動板51による放射圧P2を小さくする。
第1の超音波浮揚装置40の振動板41および第2の超音波浮揚装置50の振動板51は、金属箔31の搬送路において塗工直後から乾燥炉35内の終わりまで連続するように並べられている。
次に、電極の製造装置としての塗工乾燥装置30の作用を説明する。
供給ロール32aから送り出された帯状孔空きの金属箔31の一方の面に塗工機構34のスリットダイ34aからスラリー状の活物質合剤33を吐出して金属箔31の一方の面に塗布する。これにより、図8(a)に示す複数の貫通孔22を有する孔空きの金属箔31に対し、図8(b)に示すように金属箔31の片面に活物質合剤33が塗布される。このとき、貫通孔22内にも活物質合剤33が入り、担持される活物質の量を増すことができる。
そして、乾燥炉35において、搬送される塗布後の金属箔31に対し乾燥風吹出部材35aから乾燥風の吹き付けによって帯状孔空きの金属箔31に塗布した活物質合剤33を乾燥する。このように、塗布した活物質合剤33を乾燥させる。
活物質合剤33の乾燥工程における乾燥の際に、第1の超音波浮揚装置40により、活物質合剤33が塗布された帯状の金属箔31の片面に音波の放射圧が加えられる。また、金属箔31に付与される音波の放射圧により、搬送方向に推進力が付与される。
詳しくは、ランジュバン型の振動子43の駆動によりホーン42を介して振動板41が振動する。図6に示すように、水平に配置された振動板41の上方に帯状孔空きの金属箔31が位置している。
ここで、図7に示すように、振動板41と帯状孔空きの金属箔31との距離をh、振動板41の振動の際の振幅をα、浮揚力をWとすると、浮揚力Wは次の(1)式のように表される。
W∝α/h ・・・(1)
つまり、浮揚距離hは、振動振幅αに比例する。
図7に示すように、振動板41は超音波振動する。このとき、作用する浮揚力Wとは、音波の放射圧により金属箔31の下側より加わる力である。この力は、金属箔の無い貫通孔22の部位にも等しく作用する為、活物質合剤33がだれるのが抑制される。つまり、下側から音波の放射圧を加えた状態で金属箔31を搬送することにより、図8(c)に示すように、スラリー状の活物質合剤33の裏抜けを防止しつつ乾燥炉35の内部を搬送することができる。
なお、帯状孔空きの金属箔31が平坦なので超音波振動により帯状孔空きの金属箔31を、浮揚距離hを数100μm程度とすることができる。
乾燥時において図10(c)に示すように乾燥風を受けて貫通孔100からスラリー状の活物質合剤102の移動が助長されるため、製造される電極表面に凹凸が生じてしまう。特許文献1のように撥液シートを用いると塗工される側の反対側の面に接触する撥液シートに金属箔のバリや活物質の粒子が異物として付着して集電体の表面又は活物質層の表面に傷が付くおそれがある。本実施形態においては、音波の放射圧によって活物質合剤が貫通孔からだれるのが抑制されるとともに、孔空き集電体に対して非接触であるので集電体の表面又は活物質層の表面の損傷が防止される。
また、乾燥炉35においては乾燥風および重力により活物質合剤33が貫通孔22においてだれることがあるとともに塗工後の乾燥炉35の手前においても重力により活物質合剤33が貫通孔22においてだれることがある。本実施形態においては、塗工後の乾燥炉35の手前までの部位においても第2の超音波浮揚装置50が配置されているので、音波の放射圧によって活物質合剤が貫通孔からだれるのが抑制される。
このようにして塗工から乾燥までの搬送中に下側より音波の放射圧を加えることにより、孔空き集電体で活物質合剤がだれるのが抑制される。
帯状孔空きの金属箔31の片面に活物質合剤33を塗布・乾燥した後に巻き取り、その後に、金属箔31のもう一方の面に対し活物質合剤を塗布・乾燥することにより、金属箔31の両面に活物質層が形成される。
その後、電極形状に切断・分離することにより、複数の貫通孔22を有する金属箔21の両方の面に活物質層23がそれぞれ形成された電極が製造される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電極の製造方法として、複数の貫通孔22を有する金属箔21に活物質層23が形成された電極の製造方法であって、帯状孔空きの金属箔31の片面に活物質合剤33を塗布する塗工工程を備える。さらに、塗工工程で塗布した活物質合剤33を乾燥させる乾燥工程を備える。そして、少なくとも活物質合剤33の乾燥工程における乾燥の際に、活物質合剤33が塗布された金属箔31の片面に音波の放射圧を加える。よって、音波の放射圧によって活物質合剤33が貫通孔22からだれるのを防止することができる。また、特許文献1のように撥液シートを用いると撥液シートの接触により傷が付くおそれがあるが、本実施形態では塗布後の乾燥を非接触で行うことができ傷が付くこともない。このようにして、音波の放射圧によって活物質合剤が貫通孔からだれるのを抑制すると共に、金属箔31に対して非接触であるので表面の損傷を防止することができる。
(2)金属箔31に付与される音波の放射圧により、搬送方向に推進力を付与するので、搬送に必要な力を分散して加えることが出来、金属箔31の破断を抑制することが出来る。
(3)電極の製造装置の構成として、金属箔21に活物質層23が形成された電極の製造装置であって、金属箔31の片面に活物質合剤33を塗布する塗工機構34と、塗工機構34で塗布した活物質合剤33を乾燥させる乾燥炉35を備える。さらに、機械振動を出力する振動子43と、少なくとも乾燥炉35において金属箔31の搬送路の一部に配置され、振動子43からの機械振動を音波に変換する振動板41とを備える。そして、振動板41の放射面41aからの音波の放射圧を金属箔31の片面に作用させる。よって、電極に孔空き集電体を用いた場合であっても、音波の放射圧によって活物質合剤33が貫通孔22からだれるのを抑制すると共に、金属箔31に対して非接触であるので表面の損傷を防止することができる。
(4)機械振動を出力する第2振動子53と、塗工機構34と乾燥炉35との間の金属箔31の搬送路に配置され、第2振動子53からの機械振動を音波に変換する第2振動板51と、を更に備え、第2振動板51の放射面51aからの音波の放射圧を金属箔31の片面に作用させる。よって、塗工機構34と乾燥炉35との間において活物質合剤が貫通孔(22)においてだれることを抑制できる。
(5)乾燥炉35において配置される振動板41による放射圧P1と、第2振動板51による放射圧P2とを異ならせた。よって、乾燥風や重力による影響を考慮して音波の放射圧を加えることができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・超音波浮揚装置における振動子をフィードバック制御してもよい。詳しくは、センサで浮揚距離hを検出したり搬送速度を検出して、検出した浮揚距離や検出した搬送速度が目標浮揚距離や目標搬送速度となるように発振器44,54を調整する。例えば、上記(1)式における振動振幅αを変えることにより浮揚力Wをコントロールする。
・孔空き集電体としては、金属箔に貫通孔を形成したものの他にも、例えば、金属シートに複数の切れ目を入れて上下及び/又は左右に引っ張って塑性変形させてなるエキスパンドメタルを用いることができる。他にも、金属シートに複数の孔をパンチング形成してなるパンチングメタルを用いることができる。他にも、金属繊維を網状に織り込んだ金属網、発泡体、エッチングにより貫通孔を付与したエッヂング箔、又はエンボスロールを用いて突起及び貫通孔を付与したもの等を用いることができる。
・孔空き集電体として、金属繊維等の導電性繊維による三次元織物を用いてもよい。
・超音波浮揚装置40,50は塗工直後から乾燥炉35内の終わりまで配置したが、これに限るものではなく、図9に示すように、乾燥炉35内の全てに配置してもよい。他にも、乾燥炉35内の途中まで、即ち、活物質層が固まるまで配置してもよい。つまり、乾燥炉35の内部における搬送路の全長にわたり超音波浮揚装置(振動板)を設けてもよいが、乾燥開始から乾燥終了のうちの乾燥開始から乾燥途中まで超音波浮揚装置(振動板)を設けて活物質合剤が貫通孔においてだれる可能性がある箇所のみに超音波浮揚装置(振動板)を配置してもよい。
・乾燥炉35内部において複数の超音波浮揚装置(振動板)を搬送方向に設置して連続するような浮揚力を発生させるようにしてもよい。
・ホーン42,45,52,55はなくてもよい。
・振動子はランジュバン型でなくてもよい。
・蓄電装置における電極組立体は、積層型、即ち、電極を複数枚積層した構成としたものに適用したが、捲回型、即ち、帯状電極を捲回したものに適用してもよい。
・蓄電装置としてリチウムイオン電池以外に適用してもよい。例えば、ニッケル水素二次電池等に適用してもよい。
21…金属箔、22…貫通孔、23…活物質層、31…金属箔、33…活物質合剤、34…塗工機構、35…乾燥炉、41…振動板、41a…放射面、43…振動子、51…第2振動板、51a…放射面、53…第2振動子。

Claims (5)

  1. 複数の貫通孔を有する孔空き集電体に活物質層が形成された電極の製造方法であって、
    孔空き集電体の片面に活物質合剤を塗布する塗工工程と、
    前記塗工工程で塗布した前記活物質合剤を乾燥させる乾燥工程と、
    を備え、
    少なくとも前記活物質合剤の乾燥工程における乾燥の際に、活物質合剤が塗布された孔空き集電体の片面に音波の放射圧を加えることを特徴とする電極の製造方法。
  2. 前記孔空き集電体に付与される音波の放射圧により、搬送方向に推進力を付与する請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 集電体に活物質層が形成された電極の製造装置であって、
    集電体の片面に活物質合剤を塗布する塗工機構と、
    前記塗工機構で塗布した前記活物質合剤を乾燥させる乾燥炉と、
    機械振動を出力する振動子と、
    少なくとも前記乾燥炉において前記集電体の搬送路の一部に配置され、前記振動子からの機械振動を音波に変換する振動板と、
    を備え、
    前記振動板の放射面からの音波の放射圧を前記集電体の片面に作用させることを特徴とする電極の製造装置。
  4. 機械振動を出力する第2振動子と、
    前記塗工機構と前記乾燥炉との間の集電体の搬送路に配置され、前記第2振動子からの機械振動を音波に変換する第2振動板と、
    を更に備え、
    前記第2振動板の放射面からの音波の放射圧を集電体の片面に作用させることを特徴とする請求項3に記載の電極の製造装置。
  5. 前記乾燥炉において配置される振動板による放射圧と、前記第2振動板による放射圧とを異ならせたことを特徴とする請求項4に記載の電極の製造装置。
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