JP6379606B2 - 高速伝送フレキシブルフラットケーブル - Google Patents

高速伝送フレキシブルフラットケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP6379606B2
JP6379606B2 JP2014078917A JP2014078917A JP6379606B2 JP 6379606 B2 JP6379606 B2 JP 6379606B2 JP 2014078917 A JP2014078917 A JP 2014078917A JP 2014078917 A JP2014078917 A JP 2014078917A JP 6379606 B2 JP6379606 B2 JP 6379606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
flat cable
flexible flat
speed transmission
flame retardant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014078917A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015201312A (ja
Inventor
福田 豊
豊 福田
早味 宏
宏 早味
茂彰 勝又
茂彰 勝又
剛 平川
剛 平川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2014078917A priority Critical patent/JP6379606B2/ja
Priority to KR1020157030225A priority patent/KR20150133260A/ko
Priority to CN201580000718.3A priority patent/CN105190788B/zh
Priority to KR1020177036031A priority patent/KR20170141817A/ko
Priority to PCT/JP2015/056919 priority patent/WO2015156070A1/ja
Priority to TW104107887A priority patent/TWI653144B/zh
Publication of JP2015201312A publication Critical patent/JP2015201312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6379606B2 publication Critical patent/JP6379606B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B7/00Insulated conductors or cables characterised by their form
    • H01B7/08Flat or ribbon cables
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B11/00Communication cables or conductors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B17/00Insulators or insulating bodies characterised by their form
    • H01B17/56Insulating bodies
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B7/00Insulated conductors or cables characterised by their form
    • H01B7/17Protection against damage caused by external factors, e.g. sheaths or armouring
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B7/00Insulated conductors or cables characterised by their form
    • H01B7/17Protection against damage caused by external factors, e.g. sheaths or armouring
    • H01B7/29Protection against damage caused by extremes of temperature or by flame
    • H01B7/295Protection against damage caused by extremes of temperature or by flame using material resistant to flame

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Insulating Bodies (AREA)
  • Communication Cables (AREA)

Description

本発明は、高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート及び高速伝送フレキシブルフラットケーブルに関する。
電子機器の内部配線用の電線として多心平型のフレキシブルフラットケーブルが使用されている。このフレキシブルフラットケーブルは、2枚の絶縁性樹脂シートの間に複数本の帯状の導体を並列して挟み、熱ラミネート工程等の加圧加熱工程で一体化することにより製造されている。
特に、デジタル機器等では、デジタル信号を伝送するためにフレキシブルフラットケーブルが使用される。デジタル信号を伝送する場合、外部からの電磁ノイズを遮断することが好ましい。そこで、樹脂シートの外面に導電性のシールド層を積層したフレキシブルフラットケーブルが使用されることが多い。また、高周波信号を正確に伝送するためには、回路等とフレキシブルフラットケーブルとの間で特性インピーダンスを整合させることが必要とされる。
このため、ポリエステルを主成分とする絶縁性樹脂シートとシールド層との間にポリオレフィンを主成分とする低誘電率層を介在させることにより、導体とシールド層との間の特性インピーダンスを大きくすることが提案されている(特開2008−047505号公報参照)。
また、絶縁樹脂製フィルムに、導体に接着される発泡樹脂製の接着剤層を積層することによって、特性インピーダンスを大きくするフレキシブルフラットケーブル用の樹脂シート(絶縁テープ)も提案されている(特開2008−251261号公報)。
特開2008−047505号公報 特開2008−251261号公報
フレキシブルフラットケーブルには難燃性が要求されるため、フラットケーブル用樹脂シートは、難燃剤を含有する必要がある。このため、特開2008−047505号公報に開示されるような従来のフレキシブルフラットケーブル用樹脂シートの構成では、導体の周囲に配置される樹脂が難燃材を含有するため、十分に誘電率を低くできないので、高周波信号を伝送すると誘電損を生じ得るという問題がある。
また、特開2008−251261号公報の構成では、フラットケーブル形成時の熱圧着やフラットケーブル使用時の曲げにより導体近傍の樹脂の気泡が潰れることで導体近傍の樹脂の誘電率が変化してしまうので、フラットケーブルの特性インピーダンスの調整が容易ではないという不都合がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、所望の特性インピーダンスを有し、誘電損が少ない高速伝送フレキシブルフラットケーブルを形成できる高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート及び高速伝送フレキシブルフラットケーブルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、所定パターンで配設される導体層とこの導体層の少なくとも一方の外面側に積層されるシールド層との間に積層される高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートであって、ベースフィルムと、このベースフィルムの内面側に積層され、難燃剤を含有する難燃層と、この難燃層の内面側に積層され、難燃剤を含有しない導体囲繞層とを備える。
本発明の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートは、導体層周囲の導体囲繞層の誘電率及び誘電正接が低くかつ一定であるので、所望の特性インピーダンスを有する高速伝送フレキシブルフラットケーブルを形成でき、高速伝送フレキシブルフラットケーブルの誘電損の低減が可能である。
図1は、本発明の一実施形態の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートを示す模式的断面図である。 図2は、図1の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートを備える高速伝送フレキシブルフラットケーブルの模式的断面図である。 図3は、図2とは異なる実施形態の高速伝送フレキシブルフラットケーブルの模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、所定パターンで配設される導体層とこの導体層の少なくとも一方の外面側に積層されるシールド層との間に積層される高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートであって、ベースフィルムと、このベースフィルムの内面側に積層され、難燃剤を含有する難燃層と、この難燃層の内面側に積層され、難燃剤を含有しない導体囲繞層とを備える高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートである。
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートは、導体層の外面側に積層して高速伝送フレキシブルフラットケーブルを形成する際に導体層に隣接する導体囲繞層が難燃剤を含有しないため、誘電率及び誘電正接が略均一となり、形成される高速伝送フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを所望の値に容易に調整できる。また、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートは、上述のように導体囲繞層が難燃剤を含有しないため、この層の誘電率及び誘電正接が小さい。これにより、導体層とシールド層との距離を小さくできるので高速伝送フレキシブルフラットケーブルを薄くできるとともに、形成した高速伝送フレキシブルフラットケーブルにおいて導体層が高周波信号を伝送する場合にも誘電損が大きくならない。
上記難燃層の平均厚さとしては、10μm以上300μm以下が好ましい。このように、難燃層の平均厚さを上記範囲とすることにより、十分な難燃性と十分な可撓性とを確保できる。
上記難燃層の平均厚さとしては、全体の平均厚さの25%以上90%以下が好ましい。このように難燃層の平均厚さを上記範囲とすることによって、十分な難燃性を確保することができ、かつベースフィルム及び導体囲繞層の十分な厚さを確保できる。
上記ベースフィルムの主樹脂成分がポリエチレンテレフタレート又はポリフェニレンサルファイドであり、上記難燃層の主樹脂成分がポリプロピレンであるとよい。このようにベースフィルム及び難燃層の樹脂の主成分を上記材料とすることによって、良好な加工性及び経済性が得られる。
上記ベースフィルムと難燃層との間に積層される接着層をさらに備えるとよい。このように、接着層を設けることによって、ベースフィルムと難燃層との接着性が向上し、信頼性を向上できる。
上記接着層が難燃剤を含有しないことが好ましい。このように、接着層に難燃剤を配合しないことによって、導体層とシールド層との間の特性インピーダンスをより小さくできると共に、ベースフィルムと難燃層との接着性をより向上できる。また、接着層を押出成形する場合にダイの開口部に難燃剤のカスが溜まらないので、生産性を向上できる。
上記接着層の主樹脂成分が酸変性ポリプロピレンであるとよい。このように、接着層の主樹脂成分を酸変性ポリプロピレンとすることによって、ベースフィルムと難燃層との接着性をより一層向上できる。
また、本発明は、所定パターンで配設される導体層と、この導体層の少なくとも一方の外面側に積層されるシールド層と、上記導体層とシールド層との間に積層される絶縁層とを備える高速伝送フレキシブルフラットケーブルであって、上記絶縁層が、上記高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートであり、上記導体囲繞層と導体層とが接している高速伝送フレキシブルフラットケーブルを含む。
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、上記高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートが一定で小さい誘電率を有するので、特性インピーダンスの誤差が小さく、高周波信号伝達時の誘電損が少ない。
上記導体層の所定パターン間における上記導体囲繞層の平均厚さとしては、導体層の平均厚さの50%以上が好ましい。このように、導体囲繞層の平均厚さを上記下限以上とすることによって、導体層の導体間に導体囲繞層が充填されるので誘電損をより小さくできる。
上記高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートの難燃層が、上記導体層の所定パターン間に充填されていないとよい。これにより、導体層近傍の誘電率を小さくして誘電損が大きくなることをより効果的に防止できる。
ここで、「外面側」及び「内面側」とは、高速伝送フレキシブルフラットケーブルにおいて導体層に近い側を「内面側」、その反対側を「外面側」という。また、「主樹脂成分」とは、樹脂成分中最も質量含有量の多い樹脂成分のことをいい、好ましくは樹脂成分中50質量%以上含まれるものをいう。また、「難燃層が、導体層の所定パターン間に充填される」とは、所定パターンの間の空間に難燃層が存在する状態をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート]
図1の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1は、ベースフィルム2と、このベースフィルム2の内面に積層された接着層3と、接着層3の内面に積層され、難燃剤を含有する難燃層4と、この難燃層4の内面に積層され、難燃剤を含有しない導体囲繞層5とを備える。
<ベースフィルム>
ベースフィルム2としては、絶縁性樹脂を主成分とするフィルムが使用される。ベースフィルム2の絶縁性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド等が挙げられ、これらの中でも汎用性のあるポリエステル又はポリフェニレンサルファイドが好ましい。ここで、主成分とは、質量含有量が最も多い成分をいい、好ましくは50質量%以上含まれるものをいう。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート等が挙げられる。ポリエステルの中でも、電気的特性、機械的特性、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ベースフィルム2は、接着性を高めるために内面に表面処理が施されたものであってもよい。表面処理としては、例えばコロナ処理が挙げられる。このようなコロナ処理を行うことにより、ベースフィルム2の内面側に水酸基、カルボニル基等の極性官能基が導入され、親水性が付与される。コロナ処理は、絶縁性樹脂としてポリフェニレンサルファイドを使用するときに有効である。表面処理は、薬剤処理等の他の方法により行うこともできる。もちろん、コロナ処理等の表面処理は、ポリフェニレンサルファイドを絶縁性樹脂とする場合に限らず、他の絶縁性樹脂を使用する場合にも任意に行えばよい。また、接着性を高めるためにベースフィルム2の内面側に既知のアンカーコート剤を塗布してもよい。
ベースフィルム2の長さ寸法及び幅寸法は、用途等に応じて適宜設定すればよい。ベースフィルム2の平均厚さの下限としては、6μmが好ましく、9μmがより好ましく、12μmがさらに好ましい。一方、ベースフィルム2の平均厚さの上限としては、75μmが好ましく、50μmがより好ましく、40μmがさらに好ましい。上記平均厚さが上記下限未満であると、十分な剛性を確保できないおそれがある。上記平均厚さが上記上限を超えると、十分な柔軟性を確保できないおそれがある。
<接着層>
接着層3は、樹脂成分を含む。接着層3の主樹脂成分としては、例えばポリオレフィンが挙げられる。上記ポリオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等の各オレフィンの単独重合体やこれらモノマー同士、あるいはこれらモノマーと非オレフィン系モノマーとの共重合体が挙げられる。ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらに無水マレイン酸変性(処理)を行った酸変性ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。特に、接着層3の主樹脂成分としては、ベースフィルム2と難燃層4との接着力を向上させるために、酸変性ポリオレフィンが好ましく、中でも酸変性ポリプロピレンがより好ましい。なお、樹脂成分全体が主樹脂成分のみからなってもよい。
接着層3の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、接着層3の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。接着層3の平均厚さが上記下限未満であると、均一な層の形成が容易ではなく、ベースフィルム2と難燃層4とを接着する効果を十分に発揮できないおそれがある。接着層3の平均厚さが上記上限を超えると、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1が無用に厚くなるおそれがある。
接着層3は、必要に応じてその他の添加剤を含んでもよいが、難燃剤を含有しないことが好ましい。接着層3が難燃剤を含まないことにより、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1表面近傍の誘電率を小さくし、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1を用いて高速伝送フレキシブルフラットケーブルを形成したときに、導体層とシールド層との特性インピーダンスを小さくできる。また、接着層3を難燃層4及び導体囲繞層5と共押出により形成する場合、難燃剤がフィルムの表面に露出しないので、ベースフィルム2に対する接着性が高くなる。また、押出成形時にダイの開口部に難燃剤のカスが溜まらないので、生産性を向上できる。
<難燃層>
難燃層4は、樹脂成分及び難燃剤を含む。
(樹脂成分)
難燃層4の樹脂成分としては、例えばポリオレフィンが挙げられる。上記ポリオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等の各オレフィンの単独重合体やこれらモノマー同士、あるいはこれらモノマーと非オレフィン系モノマーとの共重合体が挙げられる。ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらに無水マレイン酸変性(処理)を行った酸変性ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。特に、難燃層4の主樹脂成分としてポリプロピレンを使用することが、耐熱性、低誘電率化及びコストの点から好ましい。
(難燃剤)
難燃層4に含まれる難燃剤としては、金属水和物系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤等が挙げられ、これらが単独で若しくは2種以上併せて用いられる。
金属水和物系難燃剤としては、例えば水酸化マグネシウム〔Mg(OH)〕、水酸化アルミニウム〔Al(OH)〕、ハイドロタルサイト等が挙げられ、これらが単独で若しくは2種以上併せて用いられる。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロルペンタシクロデカン、無水ヘット酸、クロルエンド酸等の塩素系化合物、テトラブロモエタン、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモビフェニルエーテル、テトラブロモ無水フタール酸、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ヘキサブロモシクロデカン、臭化アンモニウム等の臭素系化合物など、ハロゲン元素を含む有機又は無機化合物が挙げられ、これらが単独で若しくは2種以上併せて用いられる。
アンチモン系難燃剤としては、例えば三酸化アンチモン、三塩化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸アンチモン、モリブデン酸アンチモン等が挙げられ、これらが単独で若しくは2種以上併せて用いられる。
上記難燃剤の含有量の下限としては、難燃層4の樹脂成分100質量部に対して、20質量部が好ましく、40質量部がより好ましい。一方、上記難燃剤の含有量の上限としては、難燃層4の樹脂成分100質量部に対して、200質量部が好ましく、150質量部がより好ましい。難燃剤の含有量が上記下限未満であると、十分な難燃性を付与できないおそれがある。難燃剤の含有量が上記上限を超えると、難燃層4の強度が不十分となるおそれや、コストが高くなり過ぎるおそれがある。
難燃層4は、難燃剤の効果を高めるために、難燃助剤を含んでもよい。難燃助剤としては、例えば酸化アンチモン等が挙げられる。
難燃層4の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。一方、難燃層4の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、200μmがより好ましい。難燃層4の平均厚さが上記下限未満であると、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1に十分な難燃性を付与できないおそれがある。難燃層4の平均厚さが上記上限を超えると、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の可撓性が不十分となるおそれがある。
また、難燃層4の平均厚さの当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1全体の平均厚さに対する比の下限としては、25%が好ましく、40%がより好ましい。一方、上記難燃層4の平均厚さの比の上限としては、90%が好ましく、80%がより好ましい。上記難燃層4の平均厚さの比が上記下限未満であると、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1に十分な難燃性を付与できないおそれがある。上記難燃層4の平均厚さの比が上記上限を超えると、高速伝送フレキシブルフラットケーブルにおいて導体近傍の誘電率が高くなり、誘電損が大きくなるおそれがある。
<導体囲繞層>
導体囲繞層5は、樹脂を主成分とし、実質的に難燃剤を含まない。導体囲繞層5の主樹脂成分となる樹脂しては、例えばポリオレフィンが挙げられる。上記ポリオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等の各オレフィンの単独重合体やこれらモノマー同士、あるいはこれらモノマーと非オレフィン系モノマーとの共重合体が挙げられる。ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらに無水マレイン酸変性(処理)を行った酸変性ポリオレフィン系樹脂、エポキシ変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン等が挙げられる。特に、導体囲繞層5の主成分としては、導体に対する接着性、低誘電率化及びコストの点から、酸変性ポリオレフィン又はエポキシ変性ポリオレフィンが好ましく、中でも酸変性ポリプロピレン及びエポキシ変性ポリオレフィンがより好ましい。
導体囲繞層5の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。一方、導体囲繞層5の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。導体囲繞層5の平均厚さが上記下限未満であると、難燃剤の導体層への近接によって高速伝送フレキシブルフラットケーブルにおいて誘電損が大きくなるおそれがある。導体囲繞層5の平均厚さが上記上限を超えると、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の可撓性が不十分となるおそれがある。
<製造方法>
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の製造方法は、接着層3、難燃層4及び導体囲繞層5をそれぞれ形成するための樹脂組成物を調整する工程と、各樹脂組成物により接着層3、難燃層4及び導体囲繞層5を構成するフィルムを成形する工程と、接着層3、難燃層4及び導体囲繞層5を構成するフィルムをベースフィルム2に積層して熱圧着により一体化する工程とを備える。
(樹脂組成物調整工程)
接着層3、難燃層4及び導体囲繞層5をそれぞれ形成するための樹脂組成物は、樹脂成分及び難燃剤等の他の成分を配合した組成物を混練機により混練することで調製できる。混練機としては、例えばオープンロール、ニーダー、2軸混合押出機等が挙げられる。
(フィルム成形工程)
接着層3、難燃層4及び導体囲繞層5の形成は、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法によって行うことができる。接着層3、難燃層4及び導体囲繞層5は、別々に独立したフィルムとして成形してもよく、共押出によって一体の三層フィルムとして成形してもよい。
(熱圧着工程)
このようにして形成した3枚のフィルム又は1枚の三層フィルムをベースフィルム2に積層し、熱圧着により一体化することによって、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1を形成できる。熱圧着は、例えば加熱ローラを備えた加熱ラミネータ、加熱プレス機等を用いて行うことができる。加熱温度は、例えば80℃〜200℃程度とされる。
[高速伝送フレキシブルフラットケーブル]
図2の高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、ストライプ状のパターンで配設される導体層6と、この導体層6の表面に積層される絶縁層7及び導体層6の裏面に積層される絶縁層8と、表側の絶縁層7の外面に積層されるシールド層9とを備える。
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブルの平均厚さとしては、例えば200μm以上900μm以下とすることができる。
<導体層>
導体層6は、層状に形成され、複数の帯状のパターン導体6aが互いに平行に配置されたストライプ状のパターンを有する。導体層6は、例えば銅、錫メッキ軟銅、ニッケルメッキ軟銅等の導電性金属からなる。導体層6は、箔状の導電性金属から形成されることが好ましい。
導体層6の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。一方、導体層6の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。導体層6の平均厚さが上記下限未満であると、導体層6の機械的強度が不足し破断するおそれがある。導体層6の平均厚さが上記上限を超えると、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブルが不要に厚くなるおそれや、可撓性が不十分となるおそれがある。
高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の導体層6のパターン導体6a間における導体囲繞層5の平均厚さとしては、上記導体層6の平均厚さの50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。導体囲繞層5の平均厚さが上記下限未満であると、導体層6のパターン導体6aの間を導体囲繞層5だけでは埋めることができず、パターン導体6a間に難燃剤を含む難燃層4が入り込むので、パターン導体6a間の誘電率が高くなり、パターン導体6aの高周波信号伝達時の損失が大きくなるおそれがある。
<絶縁層>
絶縁層7、8は、それぞれ図1の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1によって形成されている。これら2つの高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1は、導体囲繞層5が導体層6に当接するよう導体層6の両側に積層され、熱圧着されている。この熱圧着により、2つの高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の導体囲繞層5が、パターン導体6aの間に充填され、互いに溶着されて一体化している。このように絶縁層7、8を構成する2つの高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1は、同一のものであっても、各層の材質や厚さが互いに異なるものであってもよい。
<シールド層>
シールド層9は、電磁干渉及びノイズを低減させるためのものであり、導電性の材料を層状に形成したものであればよい。このようなシールド層9は、例えば市販のシールドテープを貼着して形成できる。
シールド層9を形成するシールドテープとしては、例えば厚さ9μmのポリエチレンテレフタレート樹脂等の絶縁性の樹脂フィルム10の内面に、例えば銀等の導電性金属を蒸着して金属蒸着層11を形成し、さらに、金属蒸着層11の内面に、例えば銀ペースト等の導電性接着剤を厚さ20μmで塗布して導電性接着剤層12を形成したものが使用できる。これに替えて、シールド層9は、導電性塗料の塗布や金属箔の接着により形成してもよい。
<製造方法>
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブルの製造方法は、導体層6の両面に当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1を接着して絶縁層7、8を形成する工程と、表側の絶縁層7の外面にシールドテープを貼着してシールド層9を形成する工程とを備える製造方法によって製造できる。
(絶縁層形成工程)
絶縁層形成工程では、導体層6の表面及び裏面にそれぞれ、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1を積層し、この積層体を熱圧着する。当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1は、導体囲繞層5が導体層6に当接するよう積層され、熱圧着により、導体層6のパターン導体6aの間に導体囲繞層5が充填されると共に、表裏の当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の導体囲繞層5が互いに溶着する。これにより、表面側の絶縁層7及び裏面側の絶縁層8を導体層6と一体化させる。熱圧着は、例えば加熱ローラを備えた加熱ラミネータ、加熱プレス機等を用いて行うことができる。加熱温度は、例えば80℃から200℃程度とされる。
(シールド層形成工程)
シールド層形成工程では、表面側の絶縁層7の外面にシールドテープを貼着することにより、シールド層9を形成する。
[利点]
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1を用いて高速伝送フレキシブルフラットケーブルを形成したとき、難燃層4及び導体囲繞層5が、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の外面側に積層されるシールド層9と、内側に積層される導体層6との間に誘電率が小さい絶縁層7を形成できる。そのため、他のフィルム等を積層することなく、高速伝送フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを所望の値にすることができる。
また、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1を用いた高速伝送フレキシブルフラットケーブルでは、導体層6の周囲に誘電率が特に小さい導体囲繞層5が配置されるので、高周波信号を伝送する際の誘電損が小さい。
[高速伝送フレキシブルフラットケーブルの異なる実施形態]
図3の高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、導体層6と、この導体層6の表面及び裏面に積層される絶縁層7a、8aと、表側の絶縁層7aの外面に積層されるシールド層9とを備える。図3の高速伝送フレキシブルフラットケーブルにおいて、導体層6及びシールド層9は、図2の高速伝送フレキシブルフラットケーブルの導体層6及びシールド層9と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
絶縁層7a、8aは、高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1aにより形成されている。
高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1aは、ベースフィルム2と、このベースフィルム2の内面に積層された接着層3と、接着層3の内面に積層され、難燃剤を含有する難燃層4aと、この難燃層4aの内面に積層され、難燃剤を含有しない導体囲繞層5aとを備える。
この高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1aのベースフィルム2及び接着層3の構成は、図1の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1のベースフィルム2及び接着層3と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。また、高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1aの難燃層4a及び導体囲繞層5aは、その厚さを除いて図1の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1の難燃層4及び導体囲繞層5と同様である。
図3の高速伝送フレキシブルフラットケーブルでは、導体層6に積層する前の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1aにおける導体囲繞層5aの平均厚さが導体層6の50%よりも小さく、導体囲繞層5aが導体層6の所定パターン間の空間全体に充填されない。つまり、図3の高速伝送フレキシブルフラットケーブルにおけるパターン導体6a間における導体囲繞層5aの平均厚さが、導体層6の50%よりも小さくなっている。このように、パターン導体6aに直接接触して誘電損を生じる薄い層状の部分のみに難燃剤が含まれない場合でも、図1の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート1と同様に誘電損を小さくできる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートにおいて、接着層は省略してもよい。
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、一方の外面のみにシールド層を有するものだけでなく、両側外面にシールド層を有してもよい。
当該高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートの製造方法は、接着層、難燃層及び導体囲繞層を構成する樹脂組成物を溶剤に溶解し、ベースフィルムの内面に順番に塗布して乾燥させることによっても形成できる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
<高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート>
本発明を検証するため、高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートNo.1〜10を製造した。
先ず、高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートNo.1〜10の接着層、難燃層及び導体囲繞層を形成するために、以下の材料A〜Fを調整した。
(材料A)
酸変性ポリプロピレン100質量部に、酸化防止剤1質量部を加えた。
(材料B)
酸変性ポリプロピレン100質量部に、難燃剤40質量部、難燃助剤10質量部及び酸化防止剤1質量部を加えた。
(材料C)
ポリプロピレン100質量部に、難燃剤110質量部、難燃助剤30質量部及び酸化防止剤1質量部を加えた。
(材料D)
ポリプロピレン100質量部に、難燃剤80質量部、難燃助剤10質量部及び酸化防止剤1質量部を加えた。
(材料E)
ポリプロピレン100質量部に、酸化防止剤1質量部を加えた。
(材料F)
エポキシ変性ポリオレフィン90質量部及びオレフィン系エラストマー10質量部からなる樹脂組成物100質量部に、酸化防止剤1質量部を加えた。
上記酸変性ポリプロピレンとしては、三井化学社の「アドマーQE060」を使用し、上記ポリプロピレンとしては、日本ポリプロ社の「WELNEX RFG4VA」を使用し、エポキシ変性ポリオレフィンとしては、住友化学社の「ボンドファーストE」を使用し、オレフィン系エラストマーとしては、JSR社の「ダイナロン6200P」を使用し、上記難燃剤としては、アルベマール社の「SAYTEX8010」を使用し、上記難燃助剤としては、酸化アンチモンを使用し、上記酸化防止剤としては、BASF社の「イルガノックス1076」を使用した。
接着層、難燃層及び導体囲繞層は、上記材料A〜Fの中からそれぞれ選択された材料を多層Tダイを用いた共押出により同時に形成し、これらの層が一体となった三層フィルムを得た。そして、ベースフィルムにアンカーコート剤を塗布して上記三層フィルムを貼着することによって、高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートNo.1〜10を得た。
上記ベースフィルムとしては、平均厚さが12μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムを使用した。また、アンカーコート剤としては、三井化学社の「タケラックA−310」と「タケネートA−3」とを混合したものを使用した。
高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートNo.1〜10の接着層、難燃層及び導体囲繞層は、それぞれ表1に示す材料を用い、表1に示す平均厚さとなるように押出量を調整した。
Figure 0006379606
<高速伝送フレキシブルフラットケーブル>
そして、表2に示すように、上記高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートNo.1〜10の中の1種又は2種を使用して絶縁層を形成し、高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.11〜18を製造した。なお、高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.11〜18は、特性インピーダンスの目標値を100Ωとして各層の厚さ等を選定した。
導体層としては、厚さ35μm、幅0.3mmの圧延銅箔を使用した。上記高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートを導体囲繞層が導体層に当接するよう金属箔の表裏に配置して熱圧着した。熱圧着には、温度140℃〜160℃の熱ロールを使用した。この熱圧着により、表裏の高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートの導体囲繞層を軟化させて導体層の導体間の隙間に充填し、互いに接合させた。
こうして得られた高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.11〜18について、垂直燃焼試験を行った。ここで、「垂直燃焼試験」とは、UL(アメリカ保険業者安全試験所)規格に定める垂直燃焼試験を意味する。この試験結果を、表2に合わせて示す。この試験結果は、ULのVW−1に定める垂直燃焼試験の基準を満たすものを良(G)、上記基準を満たさないものを不良(NG)として示す。
次に、高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.11〜15、17及び18については、表側の絶縁層の外面に、高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.16については表裏両側の絶縁層の外面に、シールドテープを貼着した。
上記シールドテープとしては、厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側に銀を蒸着し、この銀蒸着面上に銀ペーストを厚さ20μmで塗布したものを使用した。
このようにシールドテープを貼着した高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.11〜18の導体層と表面側のシールド層との間の特性インピーダンスを測定した結果を、表2に合わせて示す。ここで、特性インピーダンスは、アジレントテクノロジー社の「ネットワークアナライザ E8362B」及びアジレントテクノロジー社の「Sパラメータテストセット N4419B」を用いて測定した値である。
Figure 0006379606
以上のように、これらの高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、難燃層の厚さが小さい高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートNo.9を用いた高速伝送フレキシブルフラットケーブルNo.17を除いて、UL規格のVW−1相当の難燃性を有していた。なお、上記UL規格のVW−1試験は、シールドテープを貼着していない状態で行っているため、上記試験結果は、実際に使用する状態(シールドテープを貼着した状態)における難燃性とは異なる。
特性インピーダンスの誤差については、No.11〜18の高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、いずれも5%以内であり、許容範囲内であった。
また、これらNo.11〜18の高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、いずれも、導体層の周囲に難燃剤を含まない導体囲繞層を有するため、高周波信号を伝送したときの誘電損が小さかった。例えば、No.15の高速伝送フレキシブルフラットケーブルは、8GHzの高周波信号での損失が約12dBであり、従来のフレキシブルフラットケーブルの損失(17〜25dB)と比べて十分に低損失であった。
1、1a 高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート
2 ベースフィルム
3 接着層
4、4a 難燃層
5、5a 導体囲繞層
6 導体層
6a パターン導体
7、7a、8、8a 絶縁層
9 シールド層(シールドテープ)
10 樹脂フィルム
11 金属蒸着層
12 導電性接着剤層

Claims (8)

  1. 所定パターンで配設される導体層と、
    この導体層の少なくとも一方の外面側に積層されるシールド層と、
    上記導体層とシールド層との間に積層される絶縁層と
    を備える高速伝送フレキシブルフラットケーブルであって、
    上記絶縁層が
    ベースフィルムと、
    このベースフィルムの内面側に積層され、難燃剤を含有する難燃層と、
    この難燃層の内面側に積層され、難燃剤を含有しない導体囲繞層と
    を備える高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートであり、
    上記導体囲繞層の平均厚さが25μm以上50μm以下であり、
    上記導体層の所定パターン間における上記導体囲繞層の平均厚さが、上記導体層の平均厚さの70%以上であり、
    上記導体囲繞層と導体層とが接している高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  2. 上記難燃層の平均厚さが10μm以上300μm以下である請求項1に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  3. 上記難燃層の平均厚さが全体の平均厚さの25%以上90%以下である請求項1又は請求項2に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  4. 上記ベースフィルムの主樹脂成分がポリエチレンテレフタレート又はポリフェニレンサルファイドであり、上記難燃層の主樹脂成分がポリプロピレンである請求項1、請求項2又は請求項3に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  5. 上記ベースフィルムと難燃層との間に積層される接着層をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  6. 上記接着層が難燃剤を含有しない請求項5に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  7. 上記接着層の主樹脂成分が酸変性ポリプロピレンである請求項5又は請求項6に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
  8. 上記高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シートの難燃層が、上記所定パターンで配設される導体層間に充填されていない請求項に記載の高速伝送フレキシブルフラットケーブル。
JP2014078917A 2014-04-07 2014-04-07 高速伝送フレキシブルフラットケーブル Active JP6379606B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014078917A JP6379606B2 (ja) 2014-04-07 2014-04-07 高速伝送フレキシブルフラットケーブル
KR1020157030225A KR20150133260A (ko) 2014-04-07 2015-03-10 고속 전송 플렉시블 플랫 케이블용 다층 수지 시트 및 고속 전송 플렉시블 플랫 케이블
CN201580000718.3A CN105190788B (zh) 2014-04-07 2015-03-10 高速传输柔性扁平电缆用多层树脂片材及高速传输柔性扁平电缆
KR1020177036031A KR20170141817A (ko) 2014-04-07 2015-03-10 고속 전송 플렉시블 플랫 케이블용 다층 수지 시트 및 고속 전송 플렉시블 플랫 케이블
PCT/JP2015/056919 WO2015156070A1 (ja) 2014-04-07 2015-03-10 高速伝送フレキシブルフラットケーブル用多層樹脂シート及び高速伝送フレキシブルフラットケーブル
TW104107887A TWI653144B (zh) 2014-04-07 2015-03-12 Multi-layer resin sheet for high-speed transmission of flexible flat cable and high-speed transmission flexible flat cable

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014078917A JP6379606B2 (ja) 2014-04-07 2014-04-07 高速伝送フレキシブルフラットケーブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015201312A JP2015201312A (ja) 2015-11-12
JP6379606B2 true JP6379606B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=54287650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014078917A Active JP6379606B2 (ja) 2014-04-07 2014-04-07 高速伝送フレキシブルフラットケーブル

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6379606B2 (ja)
KR (2) KR20150133260A (ja)
CN (1) CN105190788B (ja)
TW (1) TWI653144B (ja)
WO (1) WO2015156070A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3368864B1 (de) * 2015-10-27 2020-03-04 Schaeffler Technologies GmbH & Co. KG Lageranordnung mit darin eingebauter elektrischer leitung zur bereitstellung von mehreren betriebsspannungen
US10008304B2 (en) * 2016-07-25 2018-06-26 Hee Jun Yoon Flexible flat cable
WO2018042995A1 (ja) 2016-09-01 2018-03-08 リケンテクノス株式会社 樹脂組成物、及びこれを用いた積層体
CN110383396A (zh) * 2017-02-28 2019-10-25 住友电气工业株式会社 屏蔽扁平线缆
WO2019180996A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 株式会社オートネットワーク技術研究所 フレキシブルフラットケーブルの接続構造
TWI727838B (zh) 2020-06-24 2021-05-11 貝爾威勒電子股份有限公司 電纜結構
KR20230118826A (ko) * 2020-12-15 2023-08-14 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 회전 커넥터 장치

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4876327B2 (ja) * 2001-04-19 2012-02-15 大日本印刷株式会社 フラットケーブル用積層体
JP4028262B2 (ja) * 2002-03-15 2007-12-26 大日本印刷株式会社 フラットケーブル被覆材、及びフラットケーブル
JP2005109160A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Tokai Rubber Ind Ltd 電磁波シールドテープおよびそれを用いたシールドフラットケーブル
KR101327725B1 (ko) * 2006-07-19 2013-11-11 스미토모덴키고교가부시키가이샤 플렉시블 플랫 케이블
JP5205748B2 (ja) * 2006-07-19 2013-06-05 住友電気工業株式会社 フレキシブルフラットケーブル
JP5277766B2 (ja) * 2008-07-16 2013-08-28 住友電気工業株式会社 絶縁フィルムおよびそれを備えたフラットケーブル
US20110236662A1 (en) * 2009-07-31 2011-09-29 Yutaka Fukuda Insulating film and flat cable using the same
EP2487694B1 (en) * 2009-10-06 2014-12-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Flame-retardant resin sheet and flat cable using same
US9376596B2 (en) * 2012-03-09 2016-06-28 Hitachi Metals, Ltd. Adhesive film and flat cable using the same
JP5984050B2 (ja) * 2012-07-10 2016-09-06 大日本印刷株式会社 フレキシブルフラットケーブル用被覆材

Also Published As

Publication number Publication date
KR20170141817A (ko) 2017-12-26
CN105190788B (zh) 2017-05-10
TW201545882A (zh) 2015-12-16
KR20150133260A (ko) 2015-11-27
WO2015156070A1 (ja) 2015-10-15
CN105190788A (zh) 2015-12-23
JP2015201312A (ja) 2015-11-12
TWI653144B (zh) 2019-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6379606B2 (ja) 高速伝送フレキシブルフラットケーブル
KR101327725B1 (ko) 플렉시블 플랫 케이블
TWI501869B (zh) 難燃性樹脂薄片及使用其之扁平電纜
JP5578446B2 (ja) 絶縁フィルム及びそれを用いたフラットケーブル
JP2008198592A (ja) フレキシブルフラットケーブル
JP2007207629A (ja) フレキシブルフラットケーブル
JP5205748B2 (ja) フレキシブルフラットケーブル
KR101690435B1 (ko) 절연 필름 및 플랫 케이블
JP2009043601A (ja) 絶縁フィルムおよびそれを備えたフラットケーブル
JP6428028B2 (ja) 接着剤組成物、絶縁フィルム、絶縁フィルムの製造方法及びフラットケーブル
KR20230123714A (ko) 접착 필름 및 이를 포함하는 접착 필름 적층체
WO2023068110A1 (ja) フレキシブルフラットケーブル用樹脂シート及びフレキシブルフラットケーブル
JP6519187B2 (ja) 多層伝送線路板
JP2020013696A (ja) 片面シールド層付きフラットケーブル
JP2021068592A (ja) フラットケーブル
JP2021057176A (ja) フラットケーブル
KR20210097340A (ko) 저유전층을 포함한 난연성 접착필름 및 이를 이용한 플렉시블 플랫 케이블
KR20210127328A (ko) 전송 케이블용 난연성 접착필름 및 이를 이용한 플렉시블 플랫 케이블
JP2021068593A (ja) フラットケーブル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180605

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6379606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250