老人ホーム等の施設、独居者が住む集合住宅で、対象者の部屋に設置している複数のセンサーと子無線装置とを含めて子機とし、管理員室等に設置している親無線装置とコンピュータを親機とする。親無線装置にはコンピュータが接続されている。
コンピュータは、親無線装置で受信するセンサーデータを演算、処理して、表やグラフで表示器に表示する。センサー無線回線は、親機1式に対し、複数の子機N式で構成されている。親機の親無線装置と子機の子無線装置は、特定小電力無線通信等で接続されている。センサーデータの収集時間、周期、子機の呼出し順番及び、呼出すか否か等の通信制御パラメータを、親無線装置の内部、又は外部から変更、設定可能にしている。
センサーデータを収集するとき予め設定された時間に、親機が、子機−1から子機−Nを電波有効利用のため1波同一周波数で順次呼出し、子機−1から子機−Nが、順次応答してセンサーデータを親機に送信して、親機での電波衝突を避け、センサーデータの信頼性を確保している。
親機と子機−1から子機−Nは、各々センサーデータを収集する期間以外は、電源OFFにしてシステムの消費電力を削減し、省エネルギー形センサー無線回線の構築している。
子機−1から子機−Nの各々に設置する複数のセンサーは、センサーデータに基づき、対象者の健康状態状況のレベルを特定する。複数のセンサーは、対象者が在室する部屋の環境を測定する部屋環境センサー、対象者の生活状態を測定する生活状態センサー、対象者の生体情報を測定する生体情報センサーを備えている。
親無線装置に接続されているコンピュータ本体は、センサーデータをセンサーデータの測定項目ごとに予め定められている基準値、及び一定期間の平均値とに比較し、異常の有無を判断して対象者の健康状態状況のレベルを特定する。コンピュータ本体はレベル特定して、コンピュータの表示器にレベル確認表示文字を表示し、及び親無線装置のスピーカにレベル確認音を発生させる。管理者は、レベル確認表示文字または、レベル確認音により、対象者に迅速で適切な対応を行う。
子無線装置は、最新に取得したセンサーデータが直前のセンサーデータに比べて変化上限値を超えている場合は、対象者の部屋の子機に設置されている全てのセンサーを再起動して、予め設定されている期間センサーデータを取得し続ける。子無線装置は、取得したセンサーデータを親無線装置へ送信する。子無線装置は、送信する前にセンサー無線回線にてキャリアセンスを行い、他の子無線装置と親無線装置が通信状態でないことを確認して、取得したセンサーデータを親無線装置に送信する。
以下、本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムについて図を参照しながら詳細に説明する。先ず、図1ないし図4を参照して、本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムの構成について説明する。
先ず、図1を説明する。図1では、対象者室1に対象者2が独居していて、管理員3が対象者室1に伺い、対象者2にお声がけをしている状況を示している。
対象者室に設置する複数のセンサーは、対象者が在室する部屋の環境を測定する部屋環境センサー、対象者の生活状態を測定する生活状態センサー、対象者の生体情報を測定する生体情報センサーである。
部屋環境センサーとしては、CO2濃度センサー、温度センサー、湿度センサーを子無線装置18a内に装備している。子無線装置18aは、部屋の壁の天井近くに設置されている。
生活状態センサーとしては、消費電流センサーと人感センサーがある。消費電流センサー装置22は、分電盤53内部の交流線にクランプ型センサーを設置する方式である。人感センサー装置23は、検出されやすく、対象者2が常に居る場所の窓側に設置されている。
生体情報センサーとしては、脈拍数センサーと呼吸数センサーがあり、マイクロ波を利用した非接触型バイタル生体センサーによる一体型が、採用されている。生体情報センサー装置24が、対象者2が常に居る場所の天井に設置されている。
生活状態センサーの消費電流センサーによる対象者の健康状態状況の把握方法としては、消費電流センサーにより消費電流を測定することで、対象者の普通の生活をしている時の消費電流を把握でき、それよりも小さな値、大きな値となった場合に、対象者に体に何らかの変化があると判断できる。他のセンサーによる対象者の健康状態状況の把握方法も同様である。
尚、CO2濃度センサー、温度センサー、湿度センサーは、各々に必要な周辺回路を含めて、各々CO2濃度センサー部、温度センサー部、湿度センサー部として、子無線装置内に装備している。消費電流センサー、人感センサーは、各々に必要な周辺回路とまとめて、子無線装置とは別体の消費電流装置、人感センサー装置としている。また、脈拍数センサーと呼吸数センサーは、マイクロ波を利用した非接触型バイタル生体センサーによる一体型と、更に必要な周辺回路を一つにまとめて、子無線装置とは異なる生体情報センサー装置としている。
次に、図2を説明する。図2に示すように、親機1式に対し、複数の子機N式で構成されている。親機の親無線装置と子機の子無線装置は、特定小電力無線通信等で接続されている。親機1式に対し、複数の子機N式との通信は、同一周波数による単方向通信を行い、センサー無線回線を構成する。対象者室−1から対象者室−Nに子機−1から子機−Nが設置され、全ての子機は同じで、子機18は、子無線装置18a、センサー18bで構成されている。子無線装置18aは、アンテナ18aaを含んでいる。
管理室5の中に、親機7とGW(ゲートウエイ)/ルータ12が設置されている。親機7は、親無線装置7aと、親無線装置7aに接続されているコンピュータ8で構成されている。親無線装置7aは、アンテナ7aaを含んでいる。
コンピュータ8は、コンピュータ本体9、表示器10、キーボードやマウス等の操作器11で構成されている。コンピュータ本体9は、通常のパーソナルコンピュータ等で、ハードウエア的には一般的な制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置で構成され、ソフトウエアで動作させている。コンピュータ8は、必要に応じて、対象者の関係者等の携帯端末等14へ接続する場合には、GW(ゲートウエイ)/ルータ12を介して、インターネット回線網13を利用する。
子無線装置18aはアンテナ18aaを含め、親無線装置7aはアンテナ7aaを含んでいる。
次に、図3を説明する。図3は、図2の対象者室に設置する子機18の構成を示している。
点線で囲む18aは、子無線装置を示している。18atrは子無線装置18a内の送受信部、18aaは子無線装置18aのためのアンテナを示している。一点鎖線で囲む18bは子機に設置しているセンサーを示している。
図3の場合は、部屋環境センサーとしてCO2濃度センサー、温度センサー、湿度センサーを子無線装置18a内に装備した例として、CO2濃度センサー部19、温度センサー部20、湿度センサー部21を示している。更に、生活状態センサーとして消費電流センサー装置22及び、人感センサー装置23、生体情報センサーとして生体情報センサー装置24を子無線装置18aとは別の装置として対象者室の部屋に設置する場合の例を示している。生体情報センサー装置24は、脈拍数センサーと呼吸数センサーがマイクロ波を利用した非接触型バイタル生体センサーによる一体型の装置を採用した場合を示している。
送受信部18atrは、一般的なデジタル変復調及びPA部LNA部等を有している。送受信部18atrは、センサーデータ等の送信及び、親無線装置7aからの制御信号などを受信する。
MPU部は、演算部27a、制御部27b、判断部27c、記憶部27d、入出力部27e等を有している。制御部27bで子機の電源ON、OFF等の制御を行う。演算部27aは、センサーデータの変化幅等の演算、センサーデータを表示部に表示できる様に演算・処理等を行う。判断部27cは、変化上限値以内か以上かの判断、自子機が呼出されたか否かの判断等を行う。記憶部27dは、子機識別子、親機のセンサーデータ受信完了信号、親機への通信割込み信号、センサーデータ等を記憶する。入出部27eは、子機に接続されている全センサーからのセンサーデータをMPU部内に受入れたり、センサーデータを符号化等の後、送受信部18atrへ送出したり、演算処理後の表示信号を表示部33への送出等を行う。
表示部33は、LCDや有機EL等の表示デバイスと周辺回路等で構成され、センサーデータの値を項目別等に表示する。図3では、子無線装置18aに、LCDや有機EL等の表示デバイスと周辺回路等で構成された表示部33を実装していて、センサーデータを項目別に表示することができる。また、表示部33は、表示モニター装置として、子無線装置18aとは別に設置することができる。その場合の表示モニター装置と子無線装置18aとの信号の接続は、有線通信でも無線通信であっても良い。
送受信切替部30は、同一周波数で単方向通信に基づく親機7が複数の子機18を順次呼出し、複数の子機18が親機7に順次応答する時の送信と受信の切り替えを行う。本実施例の状況見守り管理システムのセンサー無線回線で、送受信切替部30は、MPU部27内の制御部27bからの制御信号に基づき、送受信部18atrの送信と受信の切り替えを行う。送受信部18atrの送信と受信の切り替えは、MPU部27内の制御部27bの制御信号により、直接制御しても良い。
次に、図4を説明する。図4は、図2の管理室に設置する親機7の親無線装置7aの構成を示している。7atrは親無線装置7a内の送受信部、7aaは親無線装置7aのためのアンテナを示している。送受信部7atrは、子無線装置18aからのセンサーデータ等の受信及び、子無線装置18aへ受信完了信号等を送信する。
MPU部35は、演算部35a、制御部35b、判断部35c、記憶部35d、入出力部35e、タイマー部35fを有している。
タイマー部35fは予め設定されたセンサーデータ収集時間になると、制御部35bを介して、親無線装置の全電源をONにする。また、センサーデータ収集時間になると、タイマー部35fは、親無線装置7aの全電源を、制御部35bを介さず直接ONにしても良い。
制御部35bは、複数の子機−1から子機−Nの各々に設置しているセンサー18bのセンサーデータを全て収集して、コンピュータ本体9に送出した場合にタイマー部35f以外の電源をOFFにする制御等を行う。更に、制御部35bは、コンピュータ本体9からの対象者の健康状態状況のレベルに応じたレベル確認音をスピーカ39に発生させる制御等を行う。
記憶部35dは、子機識別子、子機呼出し順番、センサーデータ収集時間と周期、対象者識別子、センサーデータ等を記憶する。
判断部35cは、複数の子機−1から子機−Nのセンサーデータを全て収集完了したかの判断、コンピュータ本体へ全てのセンサーデータを送出したかの判断、何れの子機から通信割込み信号が出されたかの判断等を行っている。
演算部35aは、呼出そうとする子機識別子に関連付けた呼出し信号の符号化、センサーデータ受信完了信号の符号化、受信割込み信号の復号化等の演算処理等を行う。
入出力部35eは、コンピュータ本体9から対象者の健康状態状況のレベル確認音発生指示信号等の入力及び、対象者の健康状態状況のレベルに応じたレベル確認音をスピーカ39への出力、子機−1から子機−Nのセンサーデータ等をコンピュータ本体9への送出、送受信部7atrからの子機−1から子機−Nのセンサーデータ等をMPU部35への受入れ、送受信部7atrへ子機識別子に関連付けた呼出し信号及び、受信完了信号等の送出を行う。
送受信切替部34は、同一周波数で単方向通信による親無線装置7aが、複数の子機−1から子機−Nの子無線装置18aを順次呼出し、複数の子機−1から子機−Nの子無線装置18aが、親無線装置7aに、順次応答する時の、送信と受信の切り替えを行う。センサー無線回線で、送受信切替部34は、MPU部35内の制御部35bからの制御信号に基づき、送受信部7atrの送信と受信の切り替えを行う。また、MPU部35内の制御部35bが、送受信部7atrの送信と受信の切り替えを、制御信号により直接制御しても良い。
次に、フローチャート図5ないし図13を参照して、本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムの動作について説明する。
先ず、状況見守り管理システムの全体の動作について、図5を参照して説明する。本状況見守り管理システムは、大きく分けて4つのステップに分かれて動作する。まず第1ステップとして、親無線装置が、子無線装置1〜Nのセンサーデータを収集し、コンピュータ本体に送出する(S100)。第2のステップとして、コンピュータ本体が、親無線装置からのセンサーデータを処理し、表とグラフを表示する(S200)。第3のステップとして、コンピュータ本体が、対象者の状況レベル判断し、どのレベルかを表示し、そのレベル確認音を発生させる(S300)。第4のステップとして、コンピュータ本体は、インターネット網と接続し、対象者の状況の表、グラフを関係者等にEメールする(S400)。
状況見守り管理システムにおける第1のステップ(S100)の動作について、フローチャートの図6ないし図8及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
先ず、フローチャート図6の動作について説明する。最初の状態は、親無線装置7aの機械的電源スイッチをONすると、親無線装置7aは、MPU部35内のタイマー部35f以外の全ての電源をOFF状態にする。また、子無線装置18aの機械的電源スイッチをONすると、子無線装置18aは、受信部以外及び、センサー18bを含めて全ての電源をOFF状態にする。子無線装置18aの受信部とは、送受信部18atrの受信系回路と、MPU部27内の判断部27cとを示し、判断部27cには予め自子機識別子を記憶部27dから設定されている。
親無線装置7aのMPU部35内のタイマー部35fに、予め設定されたセンサーデータ収集時間になると、親無線装置7aのMPU35内のタイマー部35fが判断と制御して、親無線装置7aの全ての電源をONにする(S101、S102)。
親無線装置7aは、子機−1から子機−Nに予め設定された子機識別子と関連付けて、センサーデータ測定指示信号を子機−1から子機−Nの何れかの対象とする子機に送信して、子無線装置18aを呼出す(S103)。
子無線装置18aの受信部で、子機識別子を検出し、自機の子機識別子であることを判断すると、子機のセンサー18bを含む全ての電源をONにする。子無線装置18aは、MPU部27内の制御部27b、記憶部27d、入出力部27eにより、応答信号を親無線装置7aへ送信する。子無線装置18aは、子無線装置18aに接続されている全てのセンサー、CO2濃度センサー部19、温度センサー部20、湿度センサー部21、消費電流センサー装置22、人感センサー装置23、及び生体情報センサー装置24へデータ測定指示信号を送出して起動し、センサーデータを収集させて、各センサーデータ記憶部27dに記憶させる(S104)。
子機無線装置18aは、MPU部27内の演算部27a、制御部27b、記憶部27d等で、記憶部27dに記憶されているセンサーデータに、子機識別子、対象者識別子を付加し、誤り訂正符号化等を行った後、入出力部27eを経由し送受信部18atrを通して、親無線装置7aへ送信する(S105)。このとき、MPU部27内の演算部27a、制御部27b、記憶部27d等で、センサーデータを処理して、子無線装置18aの表示部33にセンサーデータを項目別に表示する。図3は、子無線装置18aにLCDや有機EL等の表示デバイスと周辺回路等で構成された表示部33を実装した場合で、センサーデータを項目別に表示することもできる。また、表示部33は、表示モニター装置として、子無線装置18aとは別に設置することができる。その場合の表示モニター装置と子無線装置18aとの信号の接続は、有線通信でも無線通信であっても良い。
子無線装置18aは、MPU部27内の演算部27a、判断部27c、記憶部27d等で、記憶部27dに記憶された直前のセンサーデータと、最新のセンサーデータとを比較し、最新のセンサーデータが、予め設定された変化上限値に対し、変化上限値以内か、変化上限値以上かを判断する(S106、S107)。
子無線装置親18aが、最新のセンサーデータが変化上限値以内と判断した場合、最新のセンサーデータを親無線装置7aへ送信する。親無線装置7aは、子無線装置18aから最新のセンサーデータを受信完了後、コンピュータ本体9へ送出する(S108)。
一方、子無線装置親18aが、最新のセンサーデータが前記変化上限値以上と判断した場合、子無線装置18aは、MPU部27内の制御部27bにより、センサー18bを予め定められた期間センサーデータを測定させ続け、記憶部27dに記憶させる。子無線装置18aは、記憶部27dに記憶したセンサーデータを、親無線装置7aへ送信する(S109)。
S101からS108、又はS109までの一連の手順を行い、子機−1から子機−Nまで完了した場合は、コンピュータ本体9が、親無線装置7aからのセンサーデータを処理し、表とグラフ表示するステップS200へ進む。前記一連の手順が、子機−1から子機−Nまで完了していない場合は、S103へ戻り、S108、又はS109までの一連の手順を子機−Nが完了するまで繰り返す(S110)。
次に、第1のステップ(S100)の動作の中で、最新のセンサーデータが、変化上限値以内の場合の動作を、フローチャート図7及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
親無線装置7aは、MPU部35内の制御部35b、判断部35c、記憶部35d等により、子無線装置18aから、変化上限値以内のセンサーデータを受信完了したと判断すると、受信完了信号を入出力部35e、送受信部7atrを通して、子無線装置18aへ送信する(S108−1)。
子無線装置18aは、親無線装置7aから受信完了信号を受信すると、MPU部27は、子無線装置18aの受信部以外の全電源をOFFし、センサー18bを停止させる。受信部とは、送受信部18atrの受信系回路と、MPU部27内の判断部27cとを示す。判断部27cには予め自子機識別子を記憶部27dから設定されている(S108−2)。
本実施例では、センサーデータを取得しない期間は、センサー18bの電源をOFFし、センサーを停止させる場合を示しているが、採用するセンサーが、電源をONしてから立ら上がり時間が長い場合は、センサー18bを常時電源ONしておくことも可能である。
親無線装置7aが受信したセンサーデータを、親無線装置7aは、MPU部35内の制御部35bにより、記憶部35dにセンサーデータの項目毎に記憶する(S108−3)。
親無線装置7aは、MPU部35内の記憶部35dに記憶されているセンサーデータを、制御部35b、入出力部35eによりコンピュータ本体9へ送出する(S108−4)。
次に、第1のステップ(S100)の動作の中で、最新のセンサーデータが、変化上限値以上の場合の動作を、フローチャート図8及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
最新のセンサーデータが、変化上限値以上の場合、子無線装置18aは、対象者の健康が優れないと判断する。子無線装置18aは、MPU部27内の制御部27b、判断部27c等により引き続き予め定められた期間、センサー18bの全てのセンサーを起動し、センサーデータを測定させて、MPU部27内の記憶部27dに順次記憶させる(S109−1)。
子無線装置18aが、引き続き予め定められた期間測定し、記憶したセンサーデータを親無線装置7aに送信しようとする場合、状況見守り管理システムのセンサー無線回線で、他の対象者室−Nの子無線装置と親無線装置7aが通信を行っている可能性が高い。子無線装置18aは、MPU部27内の制御部27bと送受信切替部30が、送受信部18atrを受信動作に切替て、前記センサー無線回線でキャリアセンスを行う。子無線装置18aは、前記センサー無線回線でキャリアセンスを行うことで、MPU部27内の制御部27b、判断部27c、記憶部27d等により、他の対象者室−Nの子無線装置と親無線装置7aが、通信状態か非通信状態を調査、判断する(S109−2、S109−3)。
他の対象者室−Nの子無線装置と親無線装置7aが通信状態の場合は、S109−2からS109−3の間を繰り返して、子無線装置18aは引き続きキャリアセンスを行い、非通信状態になるのを待つ。
他の対象者室−Nの子無線装置と親無線装置7aが非通信状態の場合は、子無線装置18aは、MPU部27内の制御部27b、判断部27c、記憶部27d、入出力部27e等により、自子機識別子と関連付けて、親無線装置7aへ通信割込み信号を送信する(S109−4)。
親無線装置7aは、対象者室−Nの子無線装置18aから、通信割込み信号を受信する。親無線装置7aは、MPU部35内の制御部35b、判断部35c、記憶部35d、入出力部35e等により、子機識別子を認識及び、判断し、対象者室−Nの子無線装置18aへ、送信許可の応答信号を送信する(S109−5)。
子無線装置18aは、親無線装置7aより送信許可の応答信号を受信すると、MPU部27内の記憶部27dに記憶している予め定められた期間、引き続き測定したセンサーデータを、MPU部27内の制御部27b、判断部27c、入出力部27e等のより、送受信部18atrを通して、親無線装置7aへ送信する(S109−6)。
状況見守り管理システムにおける第2のステップ(S200)の動作について、フローチャートの図9及び、構成図の図2、及び表示例の図14と図15を参照して説明する。
コンピュータ本体9は、親無線装置7aよりコンピュータ本体9へ送出される子機−1から子機−Nまでのセンサーデータをセンサーデータ収集毎に一時保管メモリに、一時保管する(S201)。コンピュータ本体9は、通常のパーソナルコンピュータ等で、ハードウエア的には一般的な制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置で構成され、ソフトウエアで動作させている。一時保管メモリは、記憶装置の一部の領域を利用することができる。
コンピュータ本体9は、記憶装置の一部の領域に一時保管されているセンサーデータを、予め割り振られている子機識別子、対象者識別子、対象者名等を確認し、コンピュータ本体9の記憶装置の所定領域に記憶する(S202)。コンピュータ本体9の処理速度が十分能力があれば、センサーデータを記憶装置の一部の領域に一時保管する必要はなく、親無線装置7aよりコンピュータ本体9へ送出されるセンサーデータを、直接、予め割り振られている子機識別子、対象者識別子、対象者名等を確認し、コンピュータ本体9の記憶装置の所定領域に記憶しても良い。
コンピュータ本体9は、記憶装置の所定領域に記憶されているセンサーデータを、表形式に演算処理及び、グラフ形式に演算処理して記憶装置の別の所定領域に記憶させる(S203)。表形式は、例として、測定年月日、測定時間、センサーの測定項目、センサーデータ値等が一覧して明確になるようにする。グラフ形式は、例として、全てのセンサーデータ値の時間変化が一覧でき、縦軸は実測値、横軸は時間等の形態とする。
コンピュータ本体9は、最新以前の記憶されたセンサーデータを項目毎に、平均値を演算、記憶し、及び対象者年齢相当の医学的基準値を、予め設定、記憶する(S204)。平均値は、例えば、最新データを除く、それ以前の記憶されたセンサーデータの3ヶ月間の平均値を、最新データが送出される毎に、演算し記憶する。医学的基準値とは、例えば、センサーデータの項目毎に、公的機関等が発表している基準値を採用し、設定、記憶する。
コンピュータ本体9は、記憶装置に記憶している表形式情報、グラフ形式情報を表示器10に表示する(S205)。表形式情報即ち、表及び、グラフ形式情報即ち、グラフの表示器10の表示例として、図14及び、図15に示す。
状況見守り管理システムにおける第3のステップ(S300)の動作について、フローチャートの図10、図11及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
先ず、フローチャート図10の動作について説明する。コンピュータ本体9は、最新のセンサーデータを、記憶装置等に記憶した平均値及び、基準値と比較し、最新のセンサーデータに異常値が存在するか、否かの判断を行う(S301、S302)。
最新のセンサーデータが全て正常範囲内の場合は、コンピュータ本体9は、子機−1から子機−N迄のセンサーデータを記憶したことを確認し、キーボードやマウス等の操作器11から入力された切替信号がある場合には、切替信号に基づき表示器10の表示を切り替える(S303)。
最新のセンサーデータに異常値が存在する場合、異常なデータが、対象者の部屋環境(CO2濃度センサー部19、温度センサー部20、湿度センサー部21)データ値か、対象者の生活状態(消費電流センサー装置22、人感センサー装置23)データ値か、対象者の生体情報(生体情報センサー装置24)データ値か、を確認処理して、対象者の健康状態状況レベルを判断する(S304、S305)。
コンピュータ本体9は、センサーの重要度を、部屋環境センサー、生活状態センサー、生体情報センサーの順に重くなるように規定している。コンピュータ本体9は、対象者の健康状態状況のレベルを、部屋環境データ値が異常の場合をレベル1、生活状態データ値が異常の場合をレベル2、生体情報データ値が異常の場合をレベル3と規定している。
部屋環境データが異常の場合、コンピュータ本体9は、表示器10の表とグラフに、又は表かグラフの一方にレベル確認表示文字としてレベル1の文字を表示する(S306)。
このとき、コンピュータ本体9は、コンピュータ8即ち、コンピュータ本体9に接続されている親無線装置7aのMPU部35内の制御部35b、記憶部35d、入出力部35e等を介して、スピーカ39にレベル1のレベル確認音を発生させる(S309)。
生活状態データが異常の場合、又は生活状態データと部屋環境データが異常の場合は、コンピュータ本体9は、生活状態センサーの方を重要度が重く規定しているので、対象者の健康状態状況のレベルをレベル2と判断する。コンピュータ本体9は、表示器10の表とグラフに、又は表かグラフの一方にレベル確認表示文字としてレベル2の文字を表示する(S308)。
このとき、コンピュータ本体9は、コンピュータ8即ち、コンピュータ本体9に接続されている親無線装置7aのMPU部35内の制御部35b、記憶部35d、入出力部35e等を介して、スピーカ39にレベル2のレベル確認音を発生させる(S311)。
生体情報データが異常の場合、生体情報データと生活状態データが異常の場合、生体情報データと部屋環境情報が異常の場合、生体情報データと生活状態情報データ及び部屋環境データが異常の場合は、コンピュータ本体9は、生体情報センサーの重要度を最も重く規定しているので、対象者の健康状態状況のレベルをレベル3と判断する。コンピュータ本体9は、表示器10の表とグラフに、又は表かグラフの一方にレベル確認表示文字としてレベル3の文字を表示する(S307)。
このとき、コンピュータ本体9は、コンピュータ8即ち、コンピュータ本体9に接続されている親無線装置7aのMPU部35内の制御部35b、記憶部35d、入出力部35e等を介して、スピーカ39にレベル3のレベル確認音を発生させる(S310)。
コンピュータ本体9は、レベル確認音の一例として、次の様に発生させる。
「●」を単音で、「0.5秒ピッの音と0.5秒休止」を表す。ピッの音の周波数は1,000Hz、音圧は、スピーカから1m離れて約80dB等、管理室等の周囲環境に応じて適切な選択をする。
レベル1の場合のレベル確認音は、「0.5秒ピッの音と0.5秒休止、3秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、3秒休止のサイクル」を連続させる。これを、「●○○○●○○○・・・・・」で表す。「○」は1秒休止を示し、「・・・・・」はサイクルを示している。
レベル2の場合のレベル確認音は、「0.5秒ピッの音と0.5秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、2秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、2秒休止のサイクル」を連続させる。これを、「●●○○●●○○・・・・・」で表す。
レベル3の場合のレベル確認音は、「0.5秒ピッの音と0.5秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、1秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、0.5秒ピッの音と0.5秒休止、1秒休止のサイクル」を連続させる。これを、「●●●○●●●○・・・・・」で表す。
コンピュータ本体9は、レベル確認音を、コンピュータ本体9に一般的に装備しているスピーカに発生させても良い。このとき、同時に親無線装置7a内のスピーカ39に発生させても、発生させなくても、どちらでも良い。
次に、第3のステップ(S300)の動作の中で、最新のセンサーデータが全て正常時範囲の場合の動作を、フローチャート図11及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
最新のセンサーデータが全て正常時範囲の場合、コンピュータ本体9は、表示器10に表示している表とグラフに、又は表かグラフの一方に、レベル確認表示文字としてレベル0の文字を表示する(S303−1)。また、レベル0の場合は、レベル確認表示文字を表示しなくても良く、管理員等の仕様、希望等により決定すれば良い。レベル確認音の発生はしない。
コンピュータ本体9は、子機−1から子機−Nまでのセンサーデータを記憶装置の所定領域記憶に記憶させ、表処理及び、グラフ処理して記憶装置の別の所定領域への記億を完了したか、否かを判断する(S303−2)。
コンピュータ本体9が、まだ子機−Nまで完了していない場合は、第2のステップ図9のS202に戻り、S202から図11のS303−2までの動作を、子機−Nまで完了するまで繰り返す。
コンピュータ本体9が、子機−Nまで完了した場合は、コンピュータ本体9は、制御装置等により親無線装置7aのMPU部35内のタイマー部35fを除き、親無線装置7aの全電源をOFFにする(S303−3)。
コンピュータ本体9は、現在表示している表とグラフを、表示器10に一定時間表示し続ける(S303−4)。
コンピュータ本体9は、キーボード、マウス等の操作器11から所望の対象者へ表示切替指示の信号があるか否かを判断する(S303−5)。
表示切替指示の信号が無い場合は、S303−4に戻り、表示切替指示の信号が検出されるまで、S303−4からS303−5までの動作を繰り返す。このとき、表示器10に現在表示している表とグラフを、表示し続ける。
表示切替指示の信号が検出された場合、コンピュータ本体9は、キーボード、マウス等の操作器11から入力された切替信号に基づき、記憶装置等から所望の対象者の表及び、グラフを読出し、表示器10に表示する(S303−6)。
コンピュータ本体9は、通常のパーソナルコンピュータ等である。コンピュータ本体9は、コンピュータ本体9に一般的に装備しているタイマー等と、予め設定し記憶装置等に記憶しているセンサーデータ収集時間とを演算装置、制御装置等でセンサーデータを収集する時間になったか、否かを判断する(S303−7)。センサーデータを収集する時間でない場合は、S303−4に戻り、S303−4からS303−7までの動作を、センサーデータ収集する時間になるまで、繰り返す。センサーデータ収集する時間となった場合は、このS303のステップを終了する。
本実施例では、センサーデータを収集する時刻は、キーボード、マウス等の操作器11で設定した数値を、コンピュータ本体9は、コンピュータ本体9の記憶装置等に記憶し、同時に、親無線装置7aのMPU部35内の記憶部35d、タイマー部35f等にも記憶させることも可能である。センサーデータ収集時間は、コンピュータ本体9では、一般的装備のタイマー、記憶装置、演算装置、制御装置等で検知する。親無線装置7aでは、MPU部35内の判断部35c、記憶部35d、タイマー部35f等により検知する。一方、コンピュータ本体9に一般的装備のタイマーを基準に、親無線装置7aを同期させて動作させ、センサーデータ収集時間の検知等を行うこともできる。
本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムにおける第4のステップ(S400)の動作について、フローチャートの図12、図13及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
先ず、フローチャート図12の動作について説明する。コンピュータ本体9は、表示器10にレベル確認表示文字のレベル1ないしレベル3の何れかを表示し、及び親無線装置7aのスピーカ39にレベル確認音を発生させた時から、予め設定された時間内に、キーボード、マウス等の操作器11から操作に基づく信号が発生される迄、表示器10にレベル確認表示文字を表示し続け、及び親無線装置スピーカ39にレベル確認音を発生させ続ける(S401)。
予め設定された時間が経過しても、操作器11から操作に基づく信号が発生しないか、発生したかをコンピュータ本体9の制御装置、演算装置、記憶装置等で判断する(S402)。
予め設定された時間が経過しても、操作器11から操作に基づく信号が、発生しない場合、コンピュータ本体9は、管理員が不在と判断し、GW/ルータ1212を介してインターネット回線網13に接続する。コンピュータ本体9は、インターネット回線網13に接続後、対象者の関係者等の携帯端末等14へ、センサーデータの表、グラフ等と共に、Eメールで緊急通報する(S403)。コンピュータ本体9は、緊急通報後でもスピーカへのレベル確認音の発生を停止するか、確認音を発生し続けるかは、どちらでも良い。管理員等の仕様、希望等により決定すれば良い。
一方、予め設定された時間内に、操作器11から操作に基づく信号が発生した場合、コンピュータ本体9は、コンピュータ本体9に通常装備のスピーカへのレベル確認音、及び親無線装置7aのスピーカ39へのレベル確認音を停止し、表示器10にレベル表示した表とグラフを、コンピュータ本体9の記憶装置の所定領域に上書き記億する(S404)。
次に、コンピュータ本体9は、制御装置、演算装置、記憶装置等により、子機−1から子機−Nまでのセンサーデータの所定領域記憶、及び表処理、グラフ処理して、その表とグラフを別の所定領域に記憶することを完了したか、否かを判断する(S405)。
子機−1から子機−N迄、完了していない場合は、第2のステップ図9のS202に戻り、子機−1から子機−Nの全てが完了する迄、S202からS405までの動作を繰り返す。
子機−1から子機−Nの全てが完了した場合は、コンピュータ本体9は、制御装置等により親無線装置7aのMPU部35内のタイマー部35fを除き、親無線装置7aの全電源をOFFにする(S406)。
次に、第4のステップ(S400)の動作の中で、予め設定された時間が経過しても、操作器11から操作に基づく信号が発生しない場合のコンピュータ9の動作を、フローチャート図13及び、構成図の図2ないし図4を参照して説明する。
予め設定された時間内に、キーボード、マウス等の操作器11から操作に基づく信号が発生されない場合、コンピュータ本体9は、引き続き、表示器10にレベル確認表示文字を表示し続け、親無線装置7aのスピーカ39に、又はコンピュータ本体9に装備しているスピーカにレベル確認音を発生させ続ける(S403−1)。
コンピュータ本体9は、管理員が不在と判断し、制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置等によりGW/ルータ12を介してインターネット回線網13に接続する(S403−2)。
コンピュータ本体9は、対象者のセンサーデータの表やグラフ、及び予め設定された定型文等を記憶装置より読出し、制御装置、演算装置、入力装置、出力装置等により、管理者、関係者の携帯端末等に緊急通報する(S403−3)。
緊急通報完了した後、コンピュータ本体9は、インターネット接続を終了する(S403−4)。
次に、コンピュータ本体9は、親無線装置7aのスピーカ39に、又はコンピュータ本体9に装備しているスピーカに発生させているレベル確認音を停止し、レベル確認表示文字を表示した表とグラフを、記憶装置の所定領域に上書き記憶する(S403−5)。また、コンピュータ本体9は、レベル確認表示文字を表示した表とグラフを、記憶装置の所定領域に上書き記憶後も、レベル確認音をスピーカに発生させ続けても良い。レベル確認音を発生し続けるか、停止するかは、管理員等の仕様や希望で決めて良い。
次に表示器10の表示例について説明する。図14ないし図15を参照して、本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムの表示器10に表示するセンサーデータの表、グラフについて説明する。
先ず、本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムにおけるセンサーデータを、コンピュータ8の表示器10に表示する表について図14、及び構成図の図2を参照して説明する。図14は、親無線装置7aが受信したセンサーデータを、コンピュータ8が、表示器10に表示する表の一例である。
図14の実線の枠10は、表示器10のスクリーンを示している。符号43は、対象者情報を明確化する表の一例で、対象者の氏名、年齢、対象者識別子、子機識別子を表示している。符号44は、対象者の部屋に設置している全てのセンサーで測定されるセンサーデータの値、測定年月日、測定時間、項目毎の平均値と基準値、を表示した表の一例である。
ここでの「項目」とは、「部屋環境センサー」、「生活状態センサー」、及び「生体情報センサー」が、夫々取得したデータのことである。具体的には、「部屋環境センサー」、「部屋環境センサー」が取得したデータは、スクリーン上「CO2濃度(ppm)」、「部屋の温度(℃)」、「部屋の湿度(%)」として示されている。「生活状態センサー」が取得したデータは、スクリーン上「消費電流(A)」、「人感センサー(H/L)」として示されています。「生体情報センサー」が取得したデータは、スクリーン上に「脈拍数(回/分)」、「呼吸数(回/分)」として示されている。
各センサーの重要度は、「部屋環境センサー」、「生活状態センサー」、「生体情報センサー」の順に重くなるように規定されているので、その順にスクリーンの左から右に向かって表示されている。
各センサーデータ値の3ヶ月平均値は、コンピュータ本体9が、最新のセンサーデータを除いた、過去3ヶ月の平均値を演算装置で計算し、それを記憶装置に記憶した値を表示している。
各センサーデータの項目毎の基準値は、公的機関等が発表している対象者年齢相当の医学的基準値を設定し、記憶装置に記憶している値を表示している。
人感センサーの欄に記載しているH/Lは、一日の間に対象者が、人感センサーに設置している部屋にて検出反応があった場合にH、検出されない場合にはLで表示している。対象者山田太郎の場合は、一日の間のHとLの3ヶ月平均値は、Hは10時間でLは14時間であることを示している。
消費電流と人感センサーの基準値の欄には、非表示としている。尚、図14で示すスクリーン表示例では、「―」と示している。これは、対象者個人の生活様式に依存するので、公的機関等が発表している値は無い。コンピュータ本体9は、消費電流と人感センサーのセンサーデータが異常値であるかの判断は、3ヶ月の平均値と比較して判断する。
図14では、説明のために10月21日の10時から14時まで取得されたデータを特に表示させている。その他の欄についても当然データは表示されているが、ここでは具体的な数値を省略して「・・・・・・」で示している。
本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムにおけるセンサーデータを、コンピュータ8の表示器10に表示するグラフについて図15、及び構成図の図2を参照して説明する。図15は、親無線装置7aが受信したセンサーデータを、コンピュータ8が、グラフで表示するグラフ表示の一例である。図15の実線の枠10は、表示器10のスクリーンを示している。
各センサーの重要度は、「部屋環境センサー」、「生活状態センサー」、「生体情報センサー」の順に重くなるように規定されているので、グラフ表示は、その順にスクリーンの上から下へ向かって表示されている。
グラフの縦軸は、各センサーデータの実測値で、横軸は測定日の時間を表している。実線の符号45ないし符号51は、各センサーデータの実際の測定値の推移を示している。点線は、各項目の3ヶ月の平均値を示している。太い実線の符号52は、対象者の健康状態状況のレベル確認表示文字の表示と、レベル確認音の発生のタイミング例を示している。
例として、CO2濃度(CO2ppm)の表示について説明する。符号45の実測値は、点線の平均値を中心に濃度が濃くなったり薄くなったりしているが、或る時間よりCO2濃度が異常に濃くなっていることが示されている。
別の例として、人感センサーの表示について説明する。人感センサーの場合は、対象者の存在を検出した場合はH、存在を検出しないときはLで表示している。実線の符号49の実測値は、点線の平均値に比較して、或る時間よりLが続き、対象者の存在を検出していないことを示している。全てのセンサーデータの実測値が、或る時間からほぼ同時に平均値より、大幅に変化している。
本発明の実施例で重要度の最も重い生体情報センサーが、平均値より大幅に変化しているので、対象者の健康状態状況のレベルは、レベル3である。符号52のタイミングで、符号54のレベル3の表示例を表示する。このとき、コンピュータ本体9は、表示器10の表にもレベル確認表示文字のレベル3を表示し、親無線装置7aのスピーカ39に、又はコンピュータ本体9のスピーカにレベル確認音を発生させる。
本発明の実施例に係わる状況見守り管理システムの各最新のセンサーデータの比較、及びレベル確認表示文字とスピーカへのレベル確認音について、図16、図17を参照して、説明する。
先ず、「対象者の健康状態状況の情報区分」と、「採用するセンサー」と、「各最新のセンサーデータの比較」について、図16を参照して説明する。採用されたセンサーの最新のセンサーデータが、正常値か、異常値かを判断するために、各センサーの最新センサーデータ値を何の値と比較するか、の説明を表に纏めたのが図16である。
本発明では、複数のセンサーとして、対象者が在室する部屋の環境を測定する部屋環境センサーと、対象者の生活状態を測定する生活状態センサーと、対象者の生体情報を測定する生体情報センサーとしているので、図16で示すように、「対象者の健康状態状況の情報区分」としては、「部屋環境」、「生活環境」、「生体情報」に区分する。
この情報区分で、「採用するセンサー」としての例を次に挙げる。部屋環境の区分で「採用するセンサー」の例としては、CO2濃度センサー、温度センサー、湿度センサーである。生活状態の区分で「採用するセンサー」の例としては、人感センサー、消費電流センサーである。生体情報の区分で採用するセンサーの例としては、呼吸数センサー、脈拍数センサーである。
「各最新のセンサーデータの比較」について説明する。各情報の最新のセンサーデータが異常値か、正常値かを判断するために、比較方法について「各最新のセンサーデータの比較」の欄に、「対象者の健康状態状況の情報区分」毎に示している。
最新のセンサーデータが異常値か、正常値かを判断するためには、最新のセンサーデータを予め定められた基準値と、一定期間の平均値とを比較する。最新のセンサーデータが、基準値及び、平均値より大幅に差がある場合に、対象者の最新のセンサーデータが異常値と判断する。但し、基準値、平均値のどちらかが大幅に差がある場合に、異常値と判断しても良い。異常判定する際の基準は変えられ、環境に応じ適切に基準を設定できる。
「部屋環境」の基準値と平均値について説明する。CO2濃度の基準値とは、例えば、公的機関等が発表している居室でのCO2濃度の目標値1,000ppmを採用する。CO2濃度の平均値とは、例えば、対象者の最新のセンサーデータを除いた過去3ヶ月間の平均値を採用する。部屋環境の温度センサー、湿度センサーも同様な方法である。
過去3ヶ月間の「平均値」は、単純算術平均値のみを示しているのではなく、対象者の生活環境や四季の変化等の影響を加味して、加重算術平均値、調和平均値等、最適な計算方法による平均値を採用して良い。
「生活状態」の基準値と平均値について説明する。生活状態のセンサーデータ値は、対象者個人の生活様式に依存するのでの、公的機関等が発表している基準値は無い。従って、「生活状態」の場合は、最新のセンサーデータを比較するのは、平均値である。人感センサーの平均値とは、人感センサーに設置している対象者の部屋にて検出反応があった場合にH、検出反応がない場合にLの時間で、最新のセンサーデータを除いた過去3ヶ月間の平均値を採用する。「生活状態」の消費電流センサーも同様な方法である。
「生体情報」の基準値と平均値について説明する。脈拍数の基準値とは、例えば、公的機関等が発表している高齢者の脈拍数60〜80回/1分間を採用する。脈拍数の平均値とは、例えば、対象者の最新のセンサーデータを除いた過去3ヶ月間の平均値を採用する。呼吸数の基準値とは、例えば、公的機関等が発表している高齢者の呼吸数15〜20回/1分間を採用する。呼吸数の平均値は、脈拍数と同様な方法である。
次に、センサーデータが正常/異常、レベル確認表示文字、レベル確認音、対象者の予測健康状態状況、管理員等の対応について、図17を参照して説明する。センサーデータが正常の時、異常の時に、レベル確認表示文字を何にするか、レベル確認音は何にするか、対象者の健康状態状況は如何か、このとき管理員等は対象者に如何に対応するか、を表に纏めたのが図17である。
「センサーデータが正常/異常」について説明する。センサーデータが「正常」とは、部屋環境、生活状態、生体情報の全てのセンサーデータが正常値のことである。このとき、「表示器10へのレベル確認表示文字」は、「レベル0」を表示するか、または、「表示なし」の何れでも良ことを示している。それは、管理員等の仕様、又は希望で決めて良い。「スピーカへのレベル確認音」も「確認音なし」で、確認音を発生させないことを示している。
センサーデータが「正常」のとき、「対象者の予測健康状態状況」は「健康」であることを示し、「管理員等の対応」は「静観」することを示している。
センサーデータが異常のとき、表示器10への「レベル確認表示文字」で記載しているように、「レベル1」、「レベル2」、「レベル3」に区分できる。本発明では、センサーの重要度が、部屋環境センサー、生活状態センサー、生体情報センサーの順に重くなるように規定されている。
「レベル1」について説明する。「レベル1」は、「部屋環境センサー」である「CO2濃度センサー」、「温度センサー」、「湿度センサー」の内の1つないし3つ全てのセンサーのセンサーデータに異常値がある場合である。「レベル確認表示文字」は「レベル1」で、「スピーカへのレベル確認音」は前述の「●○○○●○○○・・・・・」である。「レベル1」の時の「対象者の予測健康状態状況」に予測できる対象者の健康状態の一例を示す。更に、「管理員等の対応」に管理員等が、対象者に対してとる適切な対応の一例を示している。
「レベル2」について説明する。「生活状態センサー」が、「部屋環境センサー」より重要度が重いため、「レベル2」、は「部屋環境センサー」のセンサーデータの正常、異常に係わらず、「生活状態センサー」のセンサーデータに異常がある場合である。「生活状態センサー」のセンサーデータに異常がある場合とは、「生活状態センサー」である「人感センサー」、「消費電流センサー」の内の1つないし2つ全てのセンサーのセンサーデータに異常がある場合である。「表示器へのレベル確認表示文字」は「レベル2」で、「スピーカへのレベル確認音」は前述の「●●○○●●○○・・・・・」である。「レベル2」の「対象者の予測健康状態状況」の欄に、予測できる対象者の健康状態の一例を示す。更に、「管理員等の対応」の欄に、管理員等が対象者に対してとる適切な対応の一例を示している。
「レベル3」について説明する。「生体情報センサー」の重要度が、「部屋環境センサー」及び、「生活状態センサー」より最も重い。従って、「レベル3」は、「部屋環境センサー」及び、「生活状態センサー」のセンサーデータの正常、異常に係わらず、「生体情報センサー」のセンサーデータに異常がある場合である。生体情報センサーに異常がある場合とは、生体情報センサーである脈拍数センサー、呼吸数センサーの内の1つないし2つ全てのセンサーのセンサーデータに異常がある場合である。「レベル確認表示文字」は「レベル3」で、「スピーカへのレベル確認音」は前述の「●●●○●●●○・・・・・」である。「レベル3」の「対象者の予測健康状態状況」の欄に、予測できる対象者の健康状態の一例を示す。更に、「管理員等の対応」の欄に、管理員等が対象者に対してとる適切な対応の一例を示している。
上記の実施例では、音で報知しているが、音に代わり、或いは音と共に、例えば光などの他の手段で報知しても良い。
以上で本発明の実施の形態における状況見守り管理システムの構成及び動作について説明した。以降、本発明の実施の形態における状況見守り管理システムの効果について説明する。
親機と、子機との通信を、同一周波数による単方向通信を行うセンサー無線回線を構成することで、インターネット等の公衆回線網を介さないため、通信使用料やインターネット通信料が発生せず、設置工事も容易で短期間で済み、電波有効利用の可能な状況見守り管理システムを提供できる。さらに、この構成は、センサーデータの信頼性確保、省エネルギー形、顧客の仕様変更に即対応可能といった効果にもつなげることができる。
複数の子機を用いた場合には、親機と子機−1から子機−Nとの呼出しと応答のやり取りを、子機−1から子機−Nまで順次行うことで、子機同士の不規則送信の送信電波衝突による、親機での干渉が発生しない効果が生じる。これにより、センサーデータの高い信頼性確保が可能という、効果が生じる。
本発明の一態様においては、センサー無線回線は、親無線装置、子無線装置1からN及び、各々の子無線装置に接続されている複数のセンサーの電源を、センサーデータを収集する時間のときONにし、センサーデータを取得及び親無線装置に送信した後、センサーデータを収集しない時間はOFFにする電源制御を採用している。この場合には、センサー無線回線が、この動作を子無線装置1からN及び、各々の子無線装置に接続されている複数のセンサーについて順次行う方法を採用しているので、センサー無線回線の消費電力を低減化即ち、省エネルギー化を可能にする効果が生じる。
本発明の一態様においては、親無線装置は、MPU内の記憶部に、センサーデータを収集する時間、周期、子無線装置の1からNを呼出す順番及び、呼出すか否かのパラメータを記憶する構成を採用している。この場合には、MPU内の記憶部に記憶したパラメータを使って通信を制御できる、という効果が生じる。
本発明の一態様においては、通信制御のパラメータは、親無線装置のMPU内の記憶部に対して、変更、設定可能である。その変更、設定は、親無線装置内のMPU部により、または、外部のコンピュータ等により可能である。この場合には、パラメータ変更による通信制御の変更は、顧客の仕様変更に即対応可能という効果が生じる。
本発明の一態様においては、センサー無線回線は、携帯電話回線等の公衆無線回線網を使うことなく、特定小電力無線等の近距離用無線通信装置で構成すること、及び、前述のようにパラメータを使って独自に通信制御ができる。この場合には、通信使用料等が発生せず、顧客の仕様変更に即対応可能という効果が生じる。また、特定小電力無線等を採用するので、2.4GHz帯のISM機器との混信を避けることが可能なので、センサーデータの信頼性を確保できるという効果も生じる。
本発明の一態様においては、コンピュータ本体は、各センサーの測定結果と各センサーの測定項目ごとに予め定められている基準値、及び一定期間の平均値とを比較し、異常の有無を判断して対象者の健康状態状況のレベルを特定する。さらに、コンピュータの表示器に、対象者の健康状態状況のレベルを表示させる。この場合には、コンピュータ本体が、対象者の健康状態状況の明確化と見える化を可能にする、効果が生じる。
本発明の一態様においては、各センサーは、それぞれ重要度が定められている。コンピュータ本体による比較の結果、複数のセンサーで異常値を測定した場合でも、コンピュータ本体は、最も重要度が重いセンサーの値を基にレベルを特定する。この場合には、複数のセンサーが異常値を測定しても、コンピュータ本体が、その中で最も重要度の重いセンサーを把握でき、対象者の健康状態状況の正確な把握を可能にする、効果が生じる。
本発明の一態様においては、複数のセンサーは、対象者が在室する部屋の環境を測定する部屋環境センサーと、対象者の生活状態を測定する生活状態センサーと、対象者の生体情報を測定する生体情報センサーとで構成されている。この場合には、対象者の健康状態が、対象者居住の部屋環境の異常によるものか、対象者の生活状態の異常によるものか、対象者の生体の異常によるものか、の情報が、容易に明確化されるという、効果が生じる。
本発明の一態様においては、複数のセンサーの重要度は、部屋環境センサー、生活状態センサー、生体情報センサーの順に重くなるように規定する方法を採用している。この場合には、全てのセンサーが異常値を示した場合でも、生体情報センサーが最も重要度が重いため、対象者の健康状態状況が最も重いレベルの生体に関する対応を迅速で適切に行う必要性を明確化できるという、効果が生じる。
本発明の一態様においては、コンピュータ本体は、対象者の識別子に関連付けられたセンサーデータ毎の数値や変化の推移を、表示器に表示させる。コンピュータ本体が、センサーデータがメモリに予め蓄積された基準値、及び一定期間の平均値と比較して異常な値であると判断した場合には、対象者の健康状態状況のレベルに応じて、レベル確認表示文字を表示器に表示させる。コンピュータ本体は、センサーデータの異常値の中で、最も重要度の重いレベルに特定し、レベル確認表示文字を表示器に表示する。この場合には、対象者の健康状態状況は、レベル確認表示文字による見える化により、迅速で適切に把握されるという、効果が生じる。
本発明の一態様においては、親無線装置は、対象者の健康状態状況のレベルに応じて、レベル確認音を発生させる。この場合には、管理員等が、コンピュータ本体の表示器を見ていない場合でも、音で対象者の健康状態状況のレベルを確認できという、効果が生じる。
本発明の一態様においては、コンピュータ本体が、表示器に健康状態状況のレベル確認表示文字の表示を行ってから、または、親無線装置によるレベル確認音の発生から、一定時間、キーボードやマウス等の操作器からの操作に基づく信号が無い場合、コンピュータ本体は、管理員が不在と判断する。このとき、コンピュータ本体は、インターネット回線網に接続する。この場合には、対象者の関係者に表示器に表示の表やグラフ等をEメールで緊急通報することが可能という、効果が生じる。
本発明の一態様においては、子無線装置は、記憶している直前のセンサーデータと最新に取得したセンサーデータとを比較する。最新のセンサーデータの値が直前のセンサーデータに比べて変化上限値を超えている時は、子無線装置は、設置されている部屋の全てのセンサーを再起動して、予め定められる期間センサーデータを取得させ、順次記憶する。子無線装置は、記憶したセンサーデータを親無線装置に送信する。この場合には、最新のセンサーデータが変化上限値を超えた値以降のセンサーデータの変化を、管理員等が正確に把握でき、対象者への的確な判断と対応が可能という、効果が生じる。
本発明の一態様においては、子無線装置は、最新のセンサーデータが変化上限値を超えた値以降のセンサーデータを、定められる期間に測定し記憶する。子無線装置は、センサー無線回線のキャリアセンスを行い、親無線装置と他の子無線装置とが非通信状態であることを確認し、自子無線装置(自子機)識別子を関連付けした通信割込み信号を親無線装置に送信して、記憶した前記センサーデータを親無線装置に送信する。この場合には、センサー無線回線で子無線装置同士の電波衝突による干渉が発生しないため、対象者の前記センサーデータの信頼性を確保できるという、効果が生じる。