JP6378889B2 - 濃厚流動食 - Google Patents
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Description
従って、本発明は投与が容易であり、かつ胃食道逆流が生じにくい濃厚流動食を提供することを目的とする
項1
次の(A)又は(B)、及びカルシウム及びキレート剤を含有し、胃液に接触する前の粘度が250mPa・s以下であり、胃液に接触した後の粘度が2,000mPa・s以上であることを特徴とする濃厚流動食。
(A)(a−1)重量平均分子量(Mw)が100,000g/mol以下でかつグルロン酸含有率が85%以上であるアルギン酸ナトリウム、及び(a−2)Mwが100,000g/mol以上のアルギン酸又はそのナトリウム塩
(B)(b−1)Mwが100,000g/mol以下でかつメチルエステル化度(DM)が40%以下であるペクチン、及び(b−2)Mwが100,000g/mol以上のペクチン
項2
項1記載の(a−1)のアルギン酸ナトリウムを0.05〜3質量%含有する項1に記載の濃厚流動食。
項3
項1記載の(a−2)のアルギン酸ナトリウム又はそのナトリウム塩1質量部に対して(a−1)のアルギン酸ナトリウムを0.1〜15質量部含有する項1又は2に記載の濃厚流動食。
項4
項1記載の(b−1)のペクチンを0.1〜3質量%含有する項1に記載の濃厚流動食。
項5
項1記載の(b−2)のペクチン1質量部に対し、(b−1)のペクチンを0.2〜15質量部含有する項1又は4に記載の濃厚流動食。
項6
0.01〜0.5質量%のカルシウム、及び0.01〜1質量%のキレート剤を含有する項1記載の濃厚流動食。
項7
キレート剤が、クエン酸塩である項1記載の濃厚流動食。
項8
さらに未分解の乳タンパクを含有する項1乃至7に記載の濃厚流動食。
項9
経鼻又は経口経管栄養法、或いは経胃瘻又は経腸瘻経管栄養法による投与用である、項1乃至8に記載の濃厚流動食。
本発明の濃厚流動食は、Mwが100,000g/mol以下でかつグルロン酸含有率が85%以上であるアルギン酸ナトリウム及びMwが100,000g/mol以上であるアルギン酸又はそのナトリウム塩の組み合わせ、もしくはMwが100,000g/mol以下でかつDMが40%以下であるペクチン及びMwが100,000g/mol以上であるペクチンの組み合わせを含有する。
本発明で用いられる「平均重量分子量(Mw)が100,000g/mol以下でかつグルロン酸含有率が85%以上であるアルギン酸ナトリウム」(以下、Md−アルギン酸ナトリウムと記載する)は、食品添加物として使用可能な物質である。アルギン酸はウロン酸から構成される直鎖状の酸性多糖類であり、α−L−グルロン酸(G)とβ−D−マンヌロン酸(M)とからなる共重合体である。この意味において、本明細書に記載されたMd−アルギン酸ナトリウムは、市販されている一般のアルギン酸ナトリウムと同様である。以下、本明細書中において、α−L−グルロン酸(G)とβ−D−マンヌロン酸(M)の全モル数に対するα−L−グルロン酸のモル含有率(%)をグルロン酸含有率もしくはG含有率と称する。すなわち、「グルロン酸含有率が85%以上」もしくは「G含有率が85%以上」という場合、モル含有率で85%以上のα−L−グルロン酸(G)と15%未満のβ−D−マンヌロン酸(M)からなるアルギン酸ナトリウムを示す。
1.アルギン酸原料の低分子化
褐藻類より抽出されたアルギン酸原料のMwは、110,000〜400,000g/molであり、市販されている殆どのアルギン酸原料のMwもこの範囲に入っている。本発明のMd−アルギン酸ナトリウムは、これらのアルギン酸原料のMwを100,000g/mol以下に分解することによって調製される。アルギン酸原料の低分子化には、酸加水分解もしくは酵素分解が用いられる。酸加水分解においては、0.1〜1.0Mに希釈した塩酸、硫酸等無機酸溶液にアルギン酸原料を懸濁させ、これを加熱することによってウロン酸糖鎖を加水分解することができる。一方、酵素分解においては、アルギン酸原料溶液にアルギン酸リアーゼ等のアルギン酸のウロン酸糖鎖を加水分解する酵素を添加し、温度、pHを調整した状態で撹拌することにより、ウロン酸糖鎖を加水分解することができる。
アルギン酸原料のG含有率は、抽出に用いる褐藻類の種類、採取された季節などにより変化するが、市販されている殆どのアルギン酸原料のG含有量は40〜80%の範囲に入っている。本発明のMd−アルギン酸ナトリウムのG含有率は85%以上であり、この高いG含有率を実現するために、選択的沈殿法もしくは、酵素法が用いられる。選択的沈殿法は、特定のpHにおける溶解度がアルギン酸糖鎖中のグルロン酸およびマンヌロン酸結合様式により異なる性質を利用する方法である。アルギン酸は、2.5未満のpH領域において、グルロン酸とマンヌロン酸が交互に現れる領域(GMブロック)の溶解度が高く、グルロン酸が主として存在する領域(Gブロック)およびマンヌロン酸が主として存在する領域(Mブロック)の溶解度は低い。また、pHが2.5以上3.8未満のpH領域においては、GMブロックおよびMブロックの溶解度が高く、Gブロックの溶解度が低い。この性質を利用して、Gブロックを選択的に沈殿させこれを回収することにより、結果としてアルギン酸糖鎖中のG含有率を高めることができる。アルギン酸を沈殿させる際のpHは3.8以下である必要があり、好ましくは2.8以上3.8未満、より好ましくは3.0以上3.6未満である。一方、酵素法においては、C5エピメラーゼとよばれるマンヌロン酸をグルロン酸に変換する酵素を用いる。アルギン酸原料溶液にC5エピメラーゼを添加し、温度、pHを調整した状態で撹拌することにより、糖鎖中のマンヌロン酸をグルロン酸に変換し、結果としてG含有率を高めることができる。
本発明で用いられる「重量平均分子量(Mw)が100,000g/mol以下でかつDMが40%以下であるペクチン」(以下、Md−ペクチンという)は、食品添加物として使用可能な物質である。ペクチンは主鎖にガラクツロン酸から構成される領域と、ガラクツロン酸とラムノースが交互に存在する領域をもち、主鎖中のラムノースに中性糖を中心とした側鎖が結合する構造をとっている。また、主鎖の大部分を構成するガラクツロン酸の一部がメチル基もしくはアセチル基でエステル化されている。この意味において、本明細書に記載されたMd−ペクチンは、市販されている一般のペクチンと同様である。以下、本明細書中において、ガラクツロン酸の全モル数に対するメチルエステル化されたガラクツロン酸のモル含有率(%)をメチルエステル化度もしくはDMと称する。すなわち、「メチルエステル化度が40%以下」もしくは「DMが40%以下」という場合、モル含有率で40%以下のメチルエステル化されたガラクツロン酸をもつペクチンであることを示す。ペクチンのDMは、抽出に用いる植物の種類、採取された季節などにより変化するが、抽出時においては、DM50%以上のメチルエステル基高含有率ペクチンであり、これはハイメトキシルペクチン(HMペクチン)と呼ばれる。HMペクチンを酸もしくはアルカリで処理することにより、DMを減少させたものはローメトキシルペクチン(LMペクチン)と呼ばれる。LMペクチンはカルシウムと結合してゲル化することが知られている。
1.ペクチン原料の低分子化
柑橘、リンゴ、甜菜などの植物より抽出されたペクチンのMwは、150,000〜600,000g/molであり、市販されている殆どのペクチン原料のMwもこの範囲に入っている。本特許のMd−ペクチンは、これらのペクチン原料を重量平均分子量(Mw)100,000g/mol以下に分解することによって調製される。ペクチン原料の低分子化には、酵素分解が用いられる。酵素分解において、ペクチン原料溶液にペクチナーゼ等のペクチンのガラクツロン酸糖鎖を加水分解する酵素を添加し、温度、pHを調整した状態で撹拌することにより、糖鎖を加水分解することができる。
上記の方法で低分子化したペクチンのDMは、ペクチン原料のDMに依存し、HMペクチンを原料として用いた場合は高く、LMペクチンを用いた場合は低くなる。低分子化されたペクチンのDMが40%を超える場合、酸やアルカリで処理するか、ペクチンメチルエステラーゼなどの脱エステル化酵素で処理して、ペクチンのガラクツロン酸のメチルエステル結合を加水分解する必要があるが、ペクチンのDMをより厳密に制御するためには、酵素を用いるほうが好ましい。
本発明で用いられる「カルシウム」の形態は、特に限定されず、例えば、塩又はイオンであることができる。
本発明では「キレート剤」として、例えば、リン酸塩、縮合リン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、グルタミン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、グルコン酸塩、クエン酸、クエン酸塩、フィチン酸及びフィチン酸塩から選ばれる1種以上を用いることができる。
本発明における濃厚流動食は、好ましくはカロリー値が1kcal/mL以上であり、かつタンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどの栄養成分を含む。
濃厚流動食を安定化させる効果が高い。よって、本発明の濃厚流動食に用いられるタンパク質は、未分解のタンパク質のほうが好ましく、カゼインもしくはそのナトリウム塩などの未分解の乳タンパク質がより好ましい。すなわち、本発明の濃厚流動食は、未分解のタンパク質を含有する濃厚流動食(半消化態濃厚流動食)であることが望ましい。タンパク分解物を併用する場合においても、好ましくは未分解のタンパク質1質量部に対するタンパク分解物の比率が5.0質量部以下であり、より好ましくは2.0質量部以下である。
本発明の濃厚流動食は、B型回転粘度計を用い、後述の測定条件で測定した粘度が250mPa・s以下である必要があり、好ましくは1〜200mPa・s、より好ましくは10〜150mPa・s以下である。
<粘度の測定条件>
B型回転粘度計にて粘度を測定する。
測定温度:20℃
回転速度:12rpm
このような粘度特性をもつ本発明の濃厚流動食は、投与が容易であり、胃内環境に投与されると十分にゲル化あるいは高粘度化し、胃食道逆流を防止する。
本発明における濃厚流動食のpHは通常4.5〜9、好ましくは4.8〜8.5、より好ましくは5.2〜8である。
本発明の濃厚流動食は、Md−アルギン酸ナトリウム、アルギン酸原料、Md−ペクチンもしくはペクチン原料とカルシウムとが、キレート剤の不存在下で接触しない限り、任意の方法で各成分を混合することにより、製造できる。
本発明の濃厚流動食は、従来の液状の濃厚流動食と同様に、経鼻又は経口経管栄養法、或いは経胃瘻又は経腸瘻経管栄養法により、投与できる。
本発明の実施例では、Md−アルギン酸ナトリウムを調製するためのアルギン酸原料として、サンサポートTMP−80、P−71(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)を用いた。また、以下の方法で4種類のMd−アルギン酸ナトリウムであるMDA−01、MDA−02、MDA−03、MDA−04を調製した。さらに、対照としてMwが100,000g/mol以下であるが、G含有量が85%未満である低分子アルギン酸ナトリウム、LA−01およびLA−02を調製した。
20gのアルギン酸原料(サンサポートTMP−80)を200mlの0.3Mの塩酸に懸濁後、25℃で17時間攪拌した。この上清をデカントで除き、50ml の0.3M塩酸を加えて95で2時間加熱した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨て50mlの超純水に懸濁し、この操作を2回繰り返した。沈殿を50mlの超純水に懸濁し、0.5MのNaOHを用いてpHを3.5に調整し、これを25℃で17時間攪拌した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨てた。沈殿を100mlの超純水に懸濁後、4.0MのNaOHを用いてpHを7.0に調整し、沈殿を溶解させた。この溶液をGF/Aガラスフィルター(孔径1.6μm)でろ過後、フリーズドライにより粉末試料を回収した。
80gのアルギン酸原料(サンサポートTMP−80)を800mlの0.3Mの塩酸に懸濁後、25℃で17時間攪拌した。この上清をデカントで除き、200ml の0.3M塩酸を加えて95で6時間加熱した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨て600mlの超純水に懸濁し、この操作を2回繰り返した。沈殿を600mLの超純水に懸濁し、0.5MのNaOHを用いてpHを3.5に調整し、これを25℃で17時間攪拌した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨てた。沈殿に600mlの超純水に懸濁後、4.0MのNaOHを用いてpHを7.0に調整し、沈殿を溶解させた。この溶液をGF/Aガラスフィルター(孔径1.6μm)でろ過後、フリーズドライにより粉末試料を回収した。
6gのアルギン酸原料(サンサポートTM P−80)を194gのpH6.5のリン酸緩衝液(200mM)に分散させた。この分散液に216Uのアルギン酸リアーゼ(商品名:アルギン酸リアーゼS、ナガセエンザイム社製)酵素液を加え、40℃で30分酵素処理後、1.0Mの水酸化ナトリウムを2.0ml添加して酵素を失活させた。この溶液を0.1Mの塩酸でpH3.5に調整し、25℃で17時間攪拌した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨てた。沈殿に100mlの超純水に懸濁後、4.0MのNaOHを用いてpHを7.0に調整し、沈殿を溶解させた。この溶液をGF/Aガラスフィルター(孔径1.6μm)でろ過後、フリーズドライにより粉末試料を回収した。
6gのアルギン酸原料(サンサポートTMP−80)を194gのpH6.5のリン酸緩衝液(200mM)に分散させた。この分散液に216Uのアルギン酸リアーゼ(商品名:アルギン酸リアーゼS、ナガセエンザイム社製)酵素液を加え、40℃で60分酵素処理後、1.0Mの水酸化ナトリウムを2.0ml添加して酵素を失活させた。この溶液を0.1Mの塩酸でpH3.5に調整し、25℃で17時間攪拌した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨てた。沈殿に100mlの超純水に懸濁後、4.0MのNaOHを用いてpHを7.0に調整し、沈殿を溶解させた。この溶液をGF/Aガラスフィルター(孔径1.6μm)でろ過後、フリーズドライにより粉末試料を回収した。
20gのアルギン酸原料(サンサポートTMP−80)を150ml の0.3M塩酸に懸濁に懸濁後、25℃で17時間攪拌した。上清をデカントで除き、50ml の0.3M塩酸を加えて95で2時間加熱した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨て50mlの超純水に懸濁し、この操作を2回繰り返した。200mlの超純水に懸濁し、0.5Mの水酸化ナトリウムを用いてpHを4.0に調整し、これを25℃で17時間攪拌した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清のみを回収し、これを0.5Mの塩酸を用いてpH2.6に調整した。懸濁液を750ラgで15分間遠心分離し、上清を捨て100mlの超純水に懸濁後、4.0MのNaOHを用いてpHを7.0に調整し、沈殿を溶解させた。この溶液をGF/Aガラスフィルター(孔径1.6μm)でろ過後、フリーズドライにより粉末試料を回収した。
20gのアルギン酸原料(サンサポートTMP−71)を150ml の0.3M塩酸に懸濁に懸濁後、25℃で17時間攪拌した。上清をデカントで除き、50ml の0.3M塩酸を加えて95で2時間加熱した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨て50mlの超純水に懸濁し、この操作を2回繰り返した。200mlの超純水に懸濁し、0.5Mの水酸化ナトリウムを用いてpHを4.0に調整し、これを25℃で17時間攪拌した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清のみを回収し、これを0.5Mの塩酸を用いてpH2.6に調整した。懸濁液を750×gで15分間遠心分離し、上清を捨て100mlの超純水に懸濁後、4.0MのNaOHを用いてpHを7.0に調整し、沈殿を溶解させた。この溶液をGF/Aガラスフィルター(孔径1.6μm)でろ過後、フリーズドライにより粉末試料を回収した。
アルギン酸原料、Md−アルギン酸ナトリウムおよび低分子アルギン酸ナトリウムのG含有率は、1H−NMRで測定した際に観測されるグルロン酸の1位炭素に結合したプロトンに由来する5.00〜5.15ppmのピーク面積を、この5.00〜5.15ppmのピーク面積およびマンヌロン酸の1位の炭素に結合したプロトンに由来する4.60〜4.75ppmのピーク面積の和で除した値とした。
フィールド磁場強度:14.096T
周波数:600MHz
パルス角度:45°
パルス時間:6.75マイクロ秒
リラクゼーション時間:5秒
積算回数:128回
測定温度:70℃
アルギン酸原料、Md−アルギン酸ナトリウムおよび低分子アルギン酸ナトリウムのMwは、試料希薄溶液をサイズ分離クロマトグラフィーで分離し、多角度光散乱検出器と屈折率検出器を用いて、以下の方法で測定した。
乾燥重量1.5gのアルギン酸原料、Md−アルギン酸ナトリウムもしくは低分子アルギン酸ナトリウムを100gのイオン交換水に添加し、ポリトロン式攪拌機を使用して、回転速度26,000rpmで1分間攪拌することによって分散させて、1.5質量%の分散液を調製した。この分散液を0.5MのNaNO3水溶液で30倍希釈し、ポリトロン式攪拌機を使用して、回転速度26,000rpmで1分間攪拌することによって0.05%(W/W)の分散液を調製した。当該分散液を、孔径0.45μmのPTFEメンブランフィルターを用いてろ過することによって不溶物を除去した後、以下の条件でゲルろ過クロマトグラフィーに供し、多角度光散乱検出器(DAWN−EOS、ワイアットテクノロジー社)及び屈折率検出器(RI−101、昭和電工社)の測定値から解析ソフトウェア(ASTRA Version 4.9、ワイアットテクノロジー社)を用いて重量平均分子量:Mw(g/mol)を算出した。
カラム: OHpak SB−806M HQ (昭和電工社)
カラム温度:25℃
流速:0.5 ml/min
溶出溶媒:0.5 M NaNO3
試料液注入量:100μl
本発明の実施例では、Md−ペクチンを調製するためのペクチン原料として、サンサポートTM P−160、P−161(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)を用いた。
また、以下の方法で4種類のMd−ペクチン、MDP−01、MDP−02、MDP−03、MDP−04を調製した。さらに、対照としてMwが100,000g/mol以下であるが、DMが40%より大きい低分子ペクチン、LP−01およびLP−02を調製した。
30gのペクチン原料(サンサポートTMP−160)を970gの超純水に分散させた。この分散液に1.0ml(200U相当)のペクチナーゼ(商品名:Pectinex YieldMASH、Novozyme社製を1,000倍希釈して使用した)酵素液を添加し、40℃で120分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液に1.0ml(45U相当)のペクチンメチルエステラーゼ(商品名:Novo shape XL、Novozyme社製を100倍希釈して使用した)を添加し、40℃で360分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液からスプレードライにより粉末試料を回収した。
30gのペクチン原料(サンサポートTMP−160)を970gの超純水に分散させた。この分散液に1.0ml(200U相当)のペクチナーゼ(商品名:Pectinex YieldMASH、Novozyme社製を超純水で1,000倍希釈)酵素液を添加し、40℃で120分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液に1.0ml(45U相当)のペクチンメチルエステラーゼ(商品名:Novo shape XL、Novozyme社製を超純水で100倍希釈)を添加し、40℃で600分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液からスプレードライにより粉末試料を回収した。
30gのペクチン原料(サンサポートTMP−160)を970gの超純水に分散させた。この分散液に1.0ml(200U相当)のペクチナーゼ(商品名:Pectinex YieldMASH、Novozyme社製を超純水で1,000倍希釈)酵素液を添加し、40℃で120分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液に1.0ml(45U相当)のペクチンメチルエステラーゼ(商品名:Novo shape XL、Novozyme社製を超純水で100倍希釈)を添加し、40℃で900分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液からスプレードライにより粉末試料を回収した。
30gのペクチン原料(サンサポートTMP−161)を970gの超純水に分散させた。この分散液に1.0ml(200U相当)のペクチナーゼ(商品名:Pectinex YieldMASH、Novozyme社製を超純水で1,000倍希釈)酵素液を添加し、40℃で30分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液に1.0ml(45U相当)のペクチンメチルエステラーゼ(商品名:Novo shape XL、Novozyme社製を超純水で100倍希釈)を添加し、40℃で360分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液からスプレードライにより粉末試料を回収した。
30gのペクチン原料(サンサポートTMP−160)を970gの超純水に分散させた。この分散液に1.0ml(200U相当)のペクチナーゼ(商品名:Pectinex YieldMASH、Novozyme社製を超純水で1,000倍希釈)酵素液を添加し、40℃で120分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液からスプレードライにより粉末試料を回収した。
30gのペクチン原料(サンサポートTMP−160)を970gの超純水に分散させた。この分散液に1.0ml(200U相当)のペクチナーゼ(商品名:Pectinex YieldMASH、Novozyme社製を超純水で1,000倍希釈)酵素液を添加し、40℃で180分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液に1.0ml(45U相当)のペクチンメチルエステラーゼ(商品名:Novo shape XL、Novozyme社製を超純水で100倍希釈)を添加し、40℃で120分酵素処理後、90℃以上で30分間加熱して酵素を失活させた。この溶液からスプレードライにより粉末試料を回収した。
0.1gのペクチン原料、Md−ペクチンもしくは低分子ペクチンをマグネットスターラーで撹拌しながら9.9gの超純水に分散させた。この分散液0.675ml を測りとり、これに0.075mlの100mM硫酸銅溶液を添加して撹拌混合した。これに0.75mlの1.0M水酸化ナトリウムを添加し混合後、4℃で1.5時間静置した。これを10,000×gで12分間遠心分離し、上清を1.0M塩酸でpH7.5に調整し、2.0mlに定容した。0.5ml(12.5Uに相当)のアルコールオキシダーゼ(EC 1.1.3.13、シグマ社製)を添加撹拌し、25℃で1時間以上静置後、2.5mlの2,4−pentandione試薬(シグマ社製)を添加撹拌した。これを40℃で30分静置、さらに25℃で30分静置後、412nmの吸光度からメタノールを定量した。
ペクチン原料、Md−ペクチンおよび低分子ペクチンのMwは、試料希薄溶液をサイズ分離クロマトグラフィーで分離し、多角度光散乱検出器と屈折率検出器を用いて、以下の方法で測定した。
乾燥重量1.5gのペクチン原料、Md−ペクチンもしくは低分子ペクチンを100gのイオン交換水に添加し、ポリトロン式攪拌機を使用して、回転速度26,000rpmで1分間攪拌することによって分散させて、1.5質量%の分散液を調製した。この分散液を0.5MのNaNO3水溶液で30倍希釈し、ポリトロン式攪拌機を使用して、回転速度26,000rpmで1分間攪拌することによって0.05%(W/W)の分散液を調製した。当該分散液を、孔径0.45μmのPTFEメンブランフィルターを用いてろ過することによって不溶物を除去した後、以下の条件でゲルろ過クロマトグラフィーに供し、多角度光散乱検出器(DAWN−EOS、ワイアットテクノロジー社)及び屈折率検出器(RI−101、昭和電工社)の測定値から解析ソフトウェア(ASTRA Version 4.9、ワイアットテクノロジー社)を用いて重量平均分子量:Mw(g/mol)を算出した。
カラム: OHpak SB−806M HQ (昭和電工社)
カラム温度:25℃
流速:0.5 ml/min
溶出溶媒:0.5 M NaNO3
試料液注入量:100μl
Md−アルギン酸ナトリウム、アルギン酸原料および低分子アルギン酸ナトリウムを用いて、後記(1−1)に記載の方法により濃厚流動食を調製し、後記(1−2)に記載の方法で、人工胃液と接触する前後の濃厚流動食の粘度および人工胃液に接触後の外観を評価した。
4.7gのデキストリン、7.3gのグラニュー糖、0.40gの塩化カルシウム(2水和物)、0.34gの塩化マグネシウム(6水和物)、0.12gの塩化カリウム(無水)および0.20gのクエン酸三ナトリウムを80gのイオン交換水に添加混合し分散させた。この分散液を80℃まで加熱し、乳化剤製剤であるホモゲンTM897(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を0.1g添加撹拌後、40℃以下まで冷却した。これに3.0gのカゼインナトリウムを添加撹拌した。この分散液に3.5gのコーン油を添加混合し、撹拌した後、0.30gのアルギン酸原料(サンサポートTMP−71、三栄源エフ・エフ・アイ社製)および表3に記載の分量のMd−アルギン酸ナトリウムもしくは、表4に記載の分量のアルギン酸原料もしくは低分子アルギン酸ナトリウムを添加混合し、イオン交換水で全量を100.0gに調整した。この分散液を14.7MPaで1回ホモジナイズすることによって実施例1〜4および比較例1〜5の濃厚流動食を調製した。なお、ここで調製した濃厚流動食のpHは6.8〜7.0であった。
粘度測定
人工胃液に接触する前の粘度を測定する場合、80g濃厚流動食をキャップで密閉できる内径35mm、高さ10mmのガラス製円筒管に入れて測定した。また、人工胃液に接触した後の粘度を測定する場合は、上記のガラス製円筒管に16gの人工胃液(0.7%塩酸及び0.2%食塩の水溶液、pH1.2)を入れ、そこに64gの濃厚流動食を加えて、ガラス製円筒管をキャップで封をし、10回転倒させて人工胃液と濃厚流動食を混和し、37℃で30分間静置した後、20℃に戻してから粘度を測定した。
B型回転粘度計(BLII型、東京計器株式会社製)にて粘度を測定した。
測定温度:20℃
回転速度:12rpm
人工胃液に接触後の濃厚流動食の外観を主に胃液部と濃厚流動食部との分離の観点から観察した。分離した人工胃液は濃厚流動食の上部に透明もしくは白濁した半透明の層として観察される。分離の有無を以下の4段階で評価した。
◎ 人工胃液層の分離が見られない。
○ 人工胃液層の分離が僅かに見られる。
△ 人工胃液層の分離が見られる。
× 人工胃液層の分離が際立って見られる。
人工胃液に接触前後の濃厚流動食の粘度及び両者の比(粘度の増加率)、及び外観を表5に示す。
本粘度測定法で250mPa・s以下の粘度であるとき、経鼻用の細管を通した場合においても重力のみで流動(流出)させることが可能であるため、本発明の濃厚流動食は介護者や被介護者の負担を低減させ、かつ胃内では十分に高粘度になって胃食道逆流を防ぐことができる。
Md−アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸原料を用いて、後記(2−1)に記載の方法により濃厚流動食を調製し、後記(2−2)に記載の方法で、人工胃液と接触する前後の濃厚流動食の粘度および人工胃液に接触後の外観を評価した。
4.7gのデキストリン、7.3gのグラニュー糖、0.40gの塩化カルシウム(2水和物)、0.34gの塩化マグネシウム(6水和物)、0.12gの塩化カリウム(無水)および0.20gのクエン酸三ナトリウムを80gのイオン交換水に添加混合し分散させた。この分散液を80℃まで加熱し、乳化剤製剤であるホモゲンTM897(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を0.1g添加撹拌後、40℃以下まで冷却した。これに3.0gのカゼインナトリウムを添加撹拌した。この分散液に3.5gのコーン油を添加混合し、撹拌した後、表6に記載のアルギン酸ナトリウム、Md−アルギン酸ナトリウムおよび/もしくは低分子アルギン酸ナトリウムを添加混合し、イオン交換水で全量を100.0gに調整した。この分散液を14.7MPaで1回ホモジナイズすることによって実施例2、実施例5〜19および比較例6〜16の濃厚流動食を調製した。なお、ここで調製した濃厚流動食のpHは6.6〜6.9であった。
粘度測定および外観の観察は、(1−2)と同じ方法を用いた。
(2−3)結果
人工胃液に接触前後の濃厚流動食の粘度及び両者の比(粘度の増加率)、及び外観を表7に示す。
Md−アルギン酸ナトリウムのみを含有する比較例6〜11について濃厚流動食の人工胃液に接触前の粘度は、いずれも250mPa・s以下だったが、人工胃液に接触後の粘度は、いずれも2,000mPa・s未満であり、十分な粘度増加がみられなかった。また、比較例6〜11の濃厚流動食は、人工胃液に接触後、部分的に凝集・不溶化し、胃液部と濃厚流動食部が完全に分離した。
また、Md−アルギン酸ナトリウムと低分子アルギン酸ナトリウムとの組み合わせである比較例12〜16の濃厚流動食の人工胃液に接触前の粘度は、いずれも250mPa・s以下だったが、人工胃液に接触後の粘度は、いずれも2,000mPa・s未満であり、十分な粘度増加が見られなかった。また、比較例12〜16の濃厚流動食は、比較例6〜11の濃厚流動食と同様に、人工胃液に接触後、部分的に凝集・不溶化し、胃液部と濃厚流動食部が完全に分離した。
実験例3
Md−アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸原料用いて、後記(3−1)に記載の方法により濃厚流動食を調製し、後記(3−2)に記載の方法で、人工胃液と接触する前後の濃厚流動食の粘度および人工胃液に接触後の外観を評価した。
(3−1)濃厚流動食の調製
4.7gのデキストリン、7.3gのグラニュー糖、0.34gの塩化マグネシウム(6水和物)、0.12gの塩化カリウム(無水)および表8に記載の塩化カルシウム(2水和物)およびクエン酸三ナトリウムを80gのイオン交換水に添加混合し分散させた。この分散液を80℃まで加熱し、乳化剤製剤であるホモゲンTM897(三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.1gを添加撹拌後、40℃以下まで冷却した。これに3.0gのカゼインナトリウムを添加撹拌した。この分散液に3.5gのコーン油を添加混合し、撹拌した後、0.3gのアルギン酸ナトリウム(サンサポートTMP−71)、0.4gのMd−アルギン酸ナトリウム(MDA−02)を添加混合し、イオン交換水で全量を100.0gに調整した。この分散液を14.7MPaで1回ホモジナイズすることによって実施例2、実施例20〜29および比較例17〜22の濃厚流動食を調製した。なお、ここで調製した濃厚流動食のpHは6.7〜7.1であった。
*実験例1の実施例2と同じ組成である。
粘度測定および外観の観察は、(1−2)と同じ方法を用いた。
(3−3)結果
人工胃液に接触前後の濃厚流動食の粘度及び両者の比(粘度の増加率)、及び外観を表9に示す。
カルシウム、キレート剤ともに含有しない比較例17およびキレート剤を含有するがカルシウムを含有しない比較例18の濃厚流動食の人工胃液に接触前の粘度は、250mPa・s以下だったが、人工胃液に接触後の粘度は、いずれも殆ど増粘せず、粘度は2,000mPa・s未満であった。これらの濃厚流動食は人工胃液に接触後、低粘度の溶液状であったため、人工胃液との分離は見られなかった。
また、カルシウムを含有するが、キレート剤を含有しない比較例19、あるいはキレート剤の含有率が0.01質量%と極端に低い比較例20の濃厚流動食の人工胃液に接触前の粘度は、800mPa・sを超え、柔らかいゲル状になっていた。一方、キレート剤の含有率が1.50質量%と極端に高い比較例21の濃厚流動食の人工胃液に接触前の粘度は250mPa・sより高く、人工胃液に接触後も粘度増加がみられなかった。さらに、カルシウムの含有率が2.50質量%と極端に高い比較例22の濃厚流動食の人工胃液に接触前の粘度は1,000mPa・sを超え、柔らかいゲル状になっていた。
Md−ペクチン、ペクチン原料および低分子ペクチンを用いて、後記(4−1)に記載の方法により濃厚流動食を調製し、後記(4−2)に記載の方法で、人工胃液と接触する前後の濃厚流動食の粘度および人工胃液に接触後の外観を評価した。
4.7gのデキストリン、7.3gのグラニュー糖、0.40gの塩化カルシウム(2水和物)、0.34gの塩化マグネシウム(6水和物)、0.12gの塩化カリウム(無水)および0.20gのクエン酸三ナトリウムを80gのイオン交換水に添加混合し分散させた。この分散液を80℃まで加熱し、0.1gの乳化製剤であるホモゲンTM897(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を添加撹拌後、40℃以下まで冷却した。これに3.0gのカゼインナトリウムを添加撹拌した。この分散液に3.5gのコーン油を添加混合し、撹拌した後、0.30gのペクチン原料(サンサポートTMP−161、三栄源エフ・エフ・アイ社製)および表10に記載のMd−ペクチンもしくは、表11に記載の分量のペクチン原料もしくは低分子ペクチンを添加混合し、イオン交換水で全量を100.0gに調整した。この分散液を14.7MPaで1回ホモジナイズすることによって実施例30〜33および比較例23〜27の濃厚流動食を調製した。なお、ここで調製した基本濃厚流動食のpHは5.6〜5.8であった。
粘度測定および外観の観察は、(1−2)と同じ方法を用いた。
(4−3)結果
人工胃液に接触前後の濃厚流動食の粘度及び両者の比(粘度の増加率)、及び外観を表12に示す。
本粘度測定法で250mPa・s以下の粘度であるとき、経鼻用の細管を通した場合においても重力のみで流動(流出)させることが可能であるため、本発明の濃厚流動食は介護者および被介護者の負担を低減させ、かつ胃内では十分に高粘度になって胃食道逆流を防ぐことができる。
Md−ペクチンおよびペクチン原料用いて、後記(5−1)に記載の方法により調製した濃厚流動食を調製し、後記(5−2)に記載の方法で、人工胃液に接触する前後の濃厚流動食の粘度および人工胃液に接触後の外観を評価した。
4.7gのデキストリン、7.3gのグラニュー糖、0.40gの塩化カルシウム(2水和物)、0.34gの塩化マグネシウム(6水和物)、0.12gの塩化カリウム(無水)および0.20gのクエン酸3ナトリウムを80gのイオン交換水に添加混合し分散させた。この分散液を80℃まで加熱し、乳化剤製剤であるホモゲンTM897(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を0.1g添加撹拌後、40℃以下まで冷却した。これに3.0gのカゼインナトリウムを添加撹拌した。この分散液に3.5gのコーン油を添加混合、撹拌した後、表13に記載分量のペクチン原料、Md−ペクチンおよび/もしくは低分子ペクチンを添加混合し、イオン交換水で全量を100.0gに調整した。14.7MPaで1回ホモジナイズすることによって実施例31、実施例34〜42および比較例28〜34の濃厚流動食を調製した。なお、ここで調製した基本濃厚流動食のpHは5.5〜5.8であった。
粘度測定および外観の観察は、(1−2)と同じ方法を用いた。
(5−3)結果
人工胃液に接触前後の濃厚流動食の粘度及び両者の比(粘度の増加率)、及び外観(人工胃液部の分離)を表14に示す。
Md−ペクチンおよびペクチン原料用いて、後記(6−1)に記載の方法で濃厚流動食を調製し、後記(6−2)に記載の方法で、人工胃液に接触する前後の濃厚流動食の粘度および人工胃液に接触後の外観を評価した。
4.7gのデキストリン、7.3gのグラニュー糖、0.34gの塩化マグネシウム(6水和物)、0.12gの塩化カリウム(無水)および表15に記載の分量の塩化カルシウム(2水和物)及びクエン酸三ナトリウムを80gのイオン交換水に添加混合し分散させた。この分散液を80℃まで加熱し、乳化剤製剤であるホモゲンTM897(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を0.1g添加撹拌後、40℃以下まで冷却した。これに3.0gのカゼインナトリウムを添加撹拌した。この分散液に3.5gのコーン油を添加混合し、撹拌した後、0.3gのペクチン原料(サンサポートTMP−161)、1.2gのMd−ペクチン(MDP−02)を添加混合し、イオン交換水で全量を100.0gに調整した。14.7MPaで1回ホモジナイズすることによって実施例31、実施例43〜50および比較例36〜41の濃厚流動食を調製した。なお、ここで調製した基本濃厚流動食のpHは5.6〜5.8であった。
粘度測定および外観の観察は、(1−2)と同じ方法を用いた。
(6−3)結果
人工胃液に接触前後の濃厚流動食の粘度及び両者の比(粘度の増加率)、及び外観(人工胃液部の分離)を表16に示す。
Claims (4)
- 次の(A)又は(B)、及びカルシウム及びキレート剤を含有し、胃液に接触する前の粘度が250mPa・s以下であり、胃液に接触した後の粘度が2,000mPa・s以上であることを特徴とする濃厚流動食であって、カルシウムの濃厚流動食に対する含有率が0.01〜0.5質量%、キレート剤の濃厚流動食に対する含有率が0.05〜1質量%、さらにカルシウム1質量部に対してキレート剤を0.1〜3質量部含有する濃厚流動食。
(A)(a−1)重量平均分子量(Mw)が100,000g/mol以下でかつグルロン酸含有率が85%以上であるアルギン酸ナトリウム、及び(a−2)Mwが100,000g/mol以上のアルギン酸又はそのナトリウム塩であって、(a−1)のアルギン酸ナトリウムの濃厚流動食に対する含有率が0.05〜3質量%、かつ、(a−1):(a−2)の質量比が0.1〜15:1
(B)(b−1)Mwが100,000g/mol以下でかつメチルエステル化度(DM)が40%以下であるペクチン、及び(b−2)Mwが100,000g/mol以上のペクチンであって、(b−1)のペクチンの濃厚流動食に対する含有率が0.1〜3質量%、かつ、(b−1):(b−2)の質量比が0.01〜1:1 - キレート剤が、クエン酸塩である請求項1記載の濃厚流動食。
- さらに未分解の乳タンパクを含有する請求項1及び2に記載の濃厚流動食。
- 経鼻又は経口経管栄養法、或いは経胃瘻又は経腸瘻経管栄養法による投与用である、請求項1乃至3に記載の濃厚流動食。
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