JP6377602B2 - ガス中の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体、並びにそれを用いた二酸化炭素の回収方法 - Google Patents

ガス中の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体、並びにそれを用いた二酸化炭素の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収及び回収するための液体、並びに当該液体を用いたガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する方法に関する。
近年、地球温暖化に起因すると考えられている気候変動や自然災害が、農業生産、住環境、エネルギー消費等に多大な影響を及ぼしている。この地球温暖化は、人類の社会活動が活発になることに付随して増大する二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等の温室効果ガスが大気中に増大することが原因と考えられており、その温室効果ガスの中で最も主要なものとして大気中の二酸化炭素が挙げられており、二酸化炭素の大気中への排出量の削減に向けての対策が世界的な課題となっている。
二酸化炭素の発生源としては、石炭、重油、天然ガス等を燃料とする火力発電所、コークスで酸化鉄を還元する製鐵所の高炉、銑鉄中の炭素を燃焼して製鋼する製鐵所の転炉、各種製造所におけるボイラー、セメント工場におけるキルン等、さらには、ガソリン、重油、軽油等を燃料とする自動車、船舶、航空機等の輸送機器がある。これらのうち、輸送機以外は定置的な設備であり、二酸化炭素の大気中への排出量を削減する対策を施しやすい設備である。
上記で例示される発生源から排出されるガスから二酸化炭素を分離回収する方法としては、従来からいくつかの方法が知られている。
例えば、二酸化炭素を含むガスを吸収塔内でアルカノールアミン類の水溶液と接触させて二酸化炭素を吸収させる方法が知られている。ここでアルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、ジグリコールアミン(DGA)等が知られているが、通常はMEAが多く用いられている。
一般に、アルカノールアミン類は水への溶解度が高く、より効率的に二酸化炭素を分離回収するためにはその濃度が高いほうが好ましい。しかしながら、濃度が高くなるにつれて二酸化炭素を回収する速度は低下するため、より反応効率の良い二酸化炭素吸収用液体の開発には至っていない。
また、二酸化炭素を吸収した液体から二酸化炭素を回収するには、液体を例えば120℃に加熱することにより、二酸化炭素を吸収した液体から二酸化炭素を脱離させるが、二酸化炭素と当該アルカノールアミン類との反応熱が大きい場合には、二酸化炭素の回収に大きなエネルギーが必要となる。例えば、MEAの場合、二酸化炭素1モルとの反応熱は80kJ(80kJ/molCO)と高く、発電所においてMEAを用いて二酸化炭素を分離回収するには、発電量の約20%に相当するエネルギーが必要となる。
このように、二酸化炭素への大気への排出量のみならず、省エネルギー及び省資源の観点から、この追加的なエネルギー消費は、二酸化炭素の分離回収の実用化における大きな課題であり、より低消費エネルギー、即ち、高いエネルギー効率で二酸化炭素を吸収及び回収するための二酸化炭素吸収液体や方法が求められているのが現状である。
上記のような課題に対して、これまでに様々な検討がなされてきた。特許文献1には、アミン基周辺にアルキル基等の立体障害があるアミン化合物(いわゆるヒンダードアミン)の水溶液を大気圧下の燃焼排ガスに接触させ、当該水溶液に二酸化炭素を吸収させることによる燃焼排ガス中の二酸化炭素の除去方法が記載されている。ヒンダードアミンとして2−メチルアミノエタノール(以下、MAEと示すこともある)や2−エチルアミノエタノール(以下、EAEと示すこともある)の具体例が記されており、MAE及びEAEの30重量%の水溶液が実施例で使用されている。実施例はないものの他のヒンダードアミンとして2−イソプロピルアミノエタノール(以下、IPAEと示すこともある)等のアミン化合物が記されている。
特許文献2には、同じくヒンダードアミンであるIPAEのみを含む水溶液が記載されており、高い二酸化炭素の吸収及び脱離性能が特徴として挙げられているが、比較例に示されているようにIPAEの濃度を60重量%にすると二酸化炭素の吸収速度及び脱離量が低下し、水溶液の二酸化炭素の吸収及び脱離性能が低下する結果が記載されている。
これらの二酸化炭素の吸収用水溶液の有効成分であるアミン化合物は、通常モル濃度で3〜5mol/L、重量濃度で35〜50重量%の範囲で多くの実施例が示されており、より高濃度での使用は溶液の二酸化炭素吸収性能を低下させることが知られている。
また、特許文献3には、界面活性剤を添加することにより、吸収液の表面張力を低下させた高濃度のアルカノールアミン水溶液が記載されている。しかしながら、工業的な使用においては、界面活性剤としてフッ素化合物を使用する場合、環境への影響やその工業的入手性について、ポリエチレングリコール等を使用する場合では発泡等による二酸化炭素の分離回収プロセスへの影響について改善させる必要がある。
特許文献4には、ポリアミンを含む水性吸収体でガス状流体を処理することを含むプロセスが記載されている。
特許文献5には、ポリアミン、3級モノアミン、及び水からなる吸収剤組成物およびそれを用いた方法が記載されている。
特許文献6には、オリゴアミン及び第1級または第2級アルカノールアミンからなる吸収剤並びにその水溶液を用いた酸性ガスを除去する方法が記載されており、特許文献7には、オリゴアミン及びピペラジン誘導体からなる吸収剤並びにその水溶液を用いた酸性ガスを除去する方法が記載されている。ここで、特許文献6における第1級または第2級アルカノールアミン、若しくは特許文献7におけるピペラジン誘導体の実施例における含有量は吸収剤の水溶液に対して40重量%未満である。
また、特許文献8には、アルカノールアミン類などの反応性化合物からなる吸収剤溶液を用いるガス脱酸方法が、特許文献9には、アルカノールアミン類などの反応性化合物からなる吸収溶液を用いるガス状流出物を脱酸する方法が記載されている。
このように、ガス中に含まれる二酸化炭素の分離回収においては、二酸化炭素の吸収及び脱離を高い効率において実現する二酸化炭素の吸収用液体、並びに低消費エネルギーにより高純度の二酸化炭素を回収する方法が求められている。
特許第2871334号公報 特開2009−006275号公報 国際公開第2012/002394号 特表2012−533414号公報 特表2013−501608号公報 特表2011−525422号公報 特表2011−525423号公報 特開2006−136885号公報 特表2009−529420号公報
本発明は、ガス中の二酸化炭素を高効率に吸収するだけでなく、高効率な二酸化炭素の脱離を実現し、低いエネルギー消費量で高純度の二酸化炭素を回収できる液体及び方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、効率的に二酸化炭素を吸収し、かつ、脱離して高純度の二酸化炭素を回収できる二酸化炭素の吸収用液体について、鋭意検討した。その結果、発明者等は、50重量%以上の第2級アミン化合物、所定のポリアミン化合物及び水を含有する二酸化炭素の吸収及び回収用液体を用いることにより、単位吸収用液体当たりの二酸化炭素の脱離量が大きく、且つ、吸収用液体の二酸化炭素を吸収する速度が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記項1〜6に記載の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体、並びに下記項7に記載の二酸化炭素を吸収及び回収する方法を提供するものである。
項1.二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸収及び回収するための液体であって、
(A)一般式[1]
R-NH-(CH2)n-OH [1]
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは2〜5の整数を示す。)
で表される第2級アミン化合物、
(B)一般式[2]
R1R2N-(X)m-NR3R4 [2]
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Xはそれぞれ−CH−基、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示し、mは5〜20の整数を示す。ここで、m個あるXのうち少なくとも一つは−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基であり、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示すXに隣接する連続した二つのXは−CH−基である。)
で表されるポリアミン化合物、及び
(C)水
を含有し、該(A)第2級アミン化合物の含有量が50重量%以上である、液体。
項2.前記(A)第2級アミン化合物の含有量が50〜70重量%(より好ましくは55〜65重量%)である、前記項1に記載の液体。
項3.前記(B)ポリアミン化合物の前記液体全体に対する含有量が、0.1〜5重量%である、前記項1又は2に記載の液体。
項4.前記(B)ポリアミン化合物の前記液体全体に対する含有量が、0.1〜1重量%(特に好ましくは0.1〜0.8重量%)である、前記項3に記載の液体。
項5.前記Rがイソプロピル基、ノルマルブチル基又はsec−ブチル基であり、前記nが2又は3である、前記項1〜4のいずれか1項に記載の液体。
項6.前記(B)ポリアミン化合物がジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、スペルミン、スペルミジン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N,N−ビス[3−(メチルアミノ)プロピル]メチルアミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミノ]プロピルアミン、2,2’−オキシビス(エチルアミン)、及び1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタンからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリアミンである、前記項1〜5のいずれか1項に記載の液体。
項7.二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸収及び回収する二酸化炭素の吸収及び回収方法であって、
(1)前記項1〜6のいずれか1項に記載の液体に二酸化炭素を含むガスを接触させ、ガスから二酸化炭素を吸収する工程、及び
(2)前記(1)の工程により得られた二酸化炭素を吸収した液体を加熱することにより、該液体から二酸化炭素を脱離させる工程を含む、二酸化炭素の吸収及び回収方法。
本発明による二酸化炭素を吸収及び回収するための液体を用いた二酸化炭素の分離回収では、ガス中に含まれる二酸化炭素の液体への吸収及び二酸化炭素を吸収した液体からの二酸化炭素の脱離が高い効率で行われ、低消費エネルギーで、高純度の二酸化炭素を回収する方法を提供することができる。
また、液体中の第2級アミン化合物の高濃度化により、二酸化炭素の吸収及び脱離サイクルにおける液体の循環流量を低減することに繋がり、吸収塔、脱離塔及びこれらに付随する装置の小型化が可能となる。その上、従来用いられてきたMEAを用いた吸収用液体は炭素鋼に対して高い腐食性を示し、特に高濃度溶液において腐食性が増大するとされているが、本発明の第2級アミン化合物を含む液体は高濃度においても炭素鋼に対する腐食性は低く、プラント建設において高価な高級耐食鋼を用いる必要がない。これらの結果として、本発明による二酸化炭素を吸収及び回収するための液体は、設備への投資及び設備の運営におけるコスト低減効果も期待される。
以下、本発明を詳述する。
二酸化炭素を吸収及び回収するための液体
本発明の二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸収及び回収するための液体は、
(A)一般式[1]
R-NH-(CH2)n-OH [1]
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは2〜5の整数を示す。)
で表される第2級アミン化合物、
(B)一般式[2]
R1R2N-(X)m-NR3R4 [2]
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Xはそれぞれ−CH−基、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示し、mは5〜20の整数を示す。ここで、m個あるXのうち少なくとも一つは−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基であり、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示すXに隣接する連続した二つのXは−CH−基である。)
で表されるポリアミン化合物、及び
(C)水
を含有し、該(A)第2級アミン化合物の含有量が50重量%以上であることを特徴とする。
なお、本発明において、「〜を含有する」という用語は、「〜を含有する」、「実質的に〜からなる」を包含する表現である。
(A)第2級アミン化合物
本発明で用いられる第2級アミン化合物は、一般式[1]
R-NH-(CH2)n-OH [1]
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは2〜5の整数を示す。)
で表される第2級アミン化合物である。
前記一般式[1]中におけるRは、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基等が挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、ノルマルブチル基又はsec−ブチル基である。
前記一般式[1]中におけるnは、2〜5の整数であり、2〜3の整数がより好ましい。
前記一般式[1]で表される第2級アミン化合物の具体例は、例えば、2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノエタノール、2−ノルマルプロピルアミノエタノール、2−イソプロピルアミノエタノール、2−ノルマルブチルアミノエタノール、2−イソブチルアミノエタノール、2−sec−ブチルアミノエタノール、3−メチルアミノプロパノール、3−エチルアミノプロパノール、3−ノルマルプロピルアミノプロパノール、3−イソプロピルアミノプロパノール、3−ノルマルブチルアミノプロパノール、3−イソブチルアミノプロパノール、3−sec−ブチルアミノプロパノール等が挙げられる。これらの中でも、2−イソプロピルアミノエタノール、2−ノルマルブチルアミノエタノール、2−sec−ブチルアミノエタノール、3−イソプロピルアミノプロパノール、3−ノルマルブチルアミノプロパノール及び3−sec−ブチルアミノプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記一般式[1]で表される第2級アミン化合物の純度は、特に限定的ではないが高いほどよく、通常95%以上であり、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。
本発明の液体における前記第2級アミン化合物の含有量は、重量比で本発明の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体全体に対して50重量%以上であり、50〜70重量%であることが好ましく、55〜65重量%であることがより好ましい。
本発明の混合溶媒は、このように高い濃度において第2級アミン化合物を含有しており、二酸化炭素の吸収時の発熱量の低下に繋がる。例えば、アミン化合物に対するモル比で0モルから0.6モルまで二酸化炭素を吸収させた場合のアミン化合物1モル当たりの発熱量は、30重量%のIPAE水溶液では、76.6kJ/モルCOであるのに対して、高濃度である60重量%の場合は、70.2kJ/モルCOと低い値を示す。その理由については、以下のように推測される。二酸化炭素と第2級アミン化合物との反応はバイカーボネート結合が主なものであり、13C−NMRの測定によると、一般式[1]においてRが炭素数2のエチル基であるエチルアミノエタノールではカーバメート結合が約30%、Rが炭素数3又は4の置換基である場合はカーバメート結合はトレース量しか観測されない。そのため、主に二酸化炭素の吸収過程において発熱量を構成するものは、重炭酸イオンとプロトン化アミンとのイオン対の生成、及び溶媒である水との溶媒和に起因するものである。この場合、第2級アミン化合物の高濃度化により、溶媒和を含めた溶液中での各イオンの安定化構造に変化が生じ、反応熱の低下が起こるものと推定される。二酸化炭素吸収時の発熱量は、二酸化炭素脱離時に必要な熱量に対応するため、当該発熱量の低下により、二酸化炭素を脱離させるために必要なエネルギー消費を低く抑えることができ、二酸化炭素の回収に必要となるエネルギーの低減に繋がる効果が期待される。
(B)ポリアミン化合物
本発明で用いられるポリアミン化合物は、一般式[2]
R1R2N-(X)m-NR3R4 [2]
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Xはそれぞれ−CH−基、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示し、mは5〜20の整数を示す。ここで、m個あるXのうち少なくとも一つは−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基であり、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示すXに隣接する連続した二つのXは−CH−基である。)で表されるポリアミン化合物である。
前記一般式[2]で表されるポリアミン化合物は、同一分子内に2個以上のアミノ基を有するものである。即ち、換言すると、炭素数mのアルカンジアミン化合物 R1R2N-(CH2)m-NR3R4(R、R、R、R及びmは前記に同じ。)のm個のメチレン基のうち少なくとも一つのメチレン鎖を、少なくともエチレン基を介して、適宜、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基で置き換えた化合物である。
前記一般式[2]で表されるポリアミン化合物としては、一般式[3]
R1R2N-(CH2)-R5-[(CH2)r-R5]s-(CH2)q-NR3R4 [3]
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、(s+1)個のRは互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示す。
p、q及びrはそれぞれ2〜16の整数(好ましくは、それぞれ2〜4の整数)を示し、sは0〜5の整数(好ましくは、0〜3の整数)を示す。但し、p、q、r及びsの値は、5≦p+q+(r+1)s+1≦20(好ましくは5≦p+q+(r+1)s+1≦15)を満たすものである。)
で表されるポリアミン化合物が、入手が容易な点でより好ましい。
前記R、R、R及びRで示される炭素数1〜2のアルキル基としては、メチル基又はエチル基である。
前記Rは、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示すが、Rの少なくとも一つは−NH−基又は−N(CH)−基であることがより好ましい。
前記一般式[2]で表されるポリアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、スペルミン、スペルミジン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、2,2’−オキシビス(エチルアミン)、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、若しくはこれらの化合物の両末端の窒素原子上に炭素数1〜2のアルキル基及び/又はそれ以外の窒素原子上にメチル基が適宜置換された化合物等が挙げられる。前記一般式[2]で表されるポリアミン化合物のより具体的な例としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、スペルミン、スペルミジン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N,N−ビス[3−(メチルアミノ)プロピル]メチルアミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミノ]プロピルアミン、2,2’−オキシビス(エチルアミン)、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン等が挙げられる。
本発明の液体における前記ポリアミン化合物の含有量は、重量比で本発明の二酸化炭素を吸収及び回収する液体全体に対して、二酸化炭素の脱離性能や吸収性能、特に吸収速度における向上効果をもたらす点で0.1〜5重量%であることが好ましく、二酸化炭素の脱離性能および吸収速度の両方に対してより総合的な性能向上効果をもたらす点で0.1〜1.0重量%であることがより好ましく、0.1〜0.8重量%であることが特に好ましい。
前記第2級アミン化合物及びポリアミン化合物は、市販品を入手できるか又は公知の方法により製造できる。
(C)水
本発明の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体は、水を含有する。
本発明の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体における水の含有量は、特に限定的なものではなく、残部を水とすることができるが、当該液体全体に対して49.9〜25重量%であることが好ましく、44.9〜30重量%であることがより好ましい。
(D)その他の成分
本発明の液体は、前記第2級アミン化合物、ポリアミン化合物及び水以外の成分を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいてもよい。その他の成分としては、液体の化学的又は物理的安定性を確保するための安定剤(酸化防止剤等の副反応抑制剤)や本発明の溶液を用いる装置や設備の材質の劣化を防ぐための防止剤(腐食防止剤等)等が挙げられる。これらその他の成分の含有量は本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に制限的なものではないが、重量比で本発明の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体全体に対して、5重量%以下が好ましい。
二酸化炭素の吸収及び回収方法
本発明の二酸化炭素の吸収及び回収方法は、
(1)本発明の二酸化炭素を吸収及び回収するための液体に二酸化炭素を含むガスを接触させ、ガスから二酸化炭素を吸収する工程、及び
(2)前記(1)の工程により得られた二酸化炭素を吸収した液体を加熱することにより、該液体から二酸化炭素を脱離させる工程
の2工程を含むことを特徴とする。
(1)二酸化炭素吸収工程
本発明の液体に二酸化炭素を吸収させる方法については、特に限定的ではないが、例えば、当該液体中に二酸化炭素を含むガスをバブリングさせて吸収する方法、ガス気流中に当該液体を霧状に降らす方法(噴霧乃至スプレー方式)、磁製や金属網製等の充填材の入った吸収塔内でガスと当該液体を向流接触させる方法等によって行われる。
二酸化炭素を含むガスを当該液体に吸収させる時の温度は、通常室温から60℃以下で行われ、好ましくは50℃以下、より好ましくは20〜45℃程度で行われる。温度が低いほど二酸化炭素の吸収量は増加するが、その温度はガスの温度等によって決定される。通常、二酸化炭素吸収時の圧力はほぼ大気圧で行われるが、大気圧以上でも可能である。
対象となる二酸化炭素を含むガスとしては、例えば、石炭、重油、天然ガス等を燃料とする火力発電所、各種製造所のボイラー、セメント工場のキルン、コークスで酸化鉄を還元する製鐵所の高炉、銑鉄中の炭素を燃焼して製鋼する同じく製鐵所の転炉、石炭ガス化複合発電設備等からの排ガス、採掘時天然ガス、改質ガスや、ガソリン、重油、軽油等を燃料とする自動車、船舶、航空機等の輸送機器等から生じる排出ガス等が挙げられる。当該ガス中の二酸化炭素濃度は、通常、5〜30体積%程度、特に6〜25体積%程度であればよい。斯かる二酸化炭素濃度範囲では、本発明の作用効果が好適に発揮される。なお、二酸化炭素を含むガスには、二酸化炭素以外に水蒸気、CO、HS、COS、SO、NO、水素等のガスが含まれていてもよい。
(2)二酸化炭素脱離工程
本発明の方法は、前記した(1)二酸化炭素吸収工程で得られた液体を加熱して二酸化炭素を回収する工程を含む。
二酸化炭素を吸収した液体から二酸化炭素を脱離し、高濃度の二酸化炭素を回収する方法としては、(1)工程において当該二酸化炭素を吸収した液体を加熱して二酸化炭素を脱離する方法、棚段塔、スプレー塔、又は磁製や金属網製等の充填材の入った脱離塔内で二酸化炭素を吸収した液体の界面を大きくして、かつ加熱する方法等が挙げられる。これにより、液体中に存在する重炭酸イオンから二酸化炭素が遊離して放出される。
二酸化炭素脱離時の液体温度は、通常、70℃以上で行われ、好ましくは80℃以上、より好ましくは90〜120℃程度で行われる温度が高いほど二酸化炭素の脱離量は増加するが、温度が高いほど液体の加熱に要するエネルギーが増加するため、その温度は熱源温度や分離回収プラントの熱効率等によって決定される。二酸化炭素を脱離した後の液体は、再び(1)二酸化炭素吸収工程に送られ、循環使用(リサイクル)される。この循環使用の間、二酸化炭素脱離工程で加えられた熱は、循環過程において、これから二酸化炭素脱離工程に向かう液体との熱交換により当該液体の昇温に有効に利用されて回収工程全体のエネルギーの低減が計られ得る。
回収された二酸化炭素の純度は、通常、98〜99体積%以上と極めて高いものとなる。回収した二酸化炭素は、二酸化炭素の大気への排出量の削減のための地下等への隔離貯蔵のみならず、化学品原料又は高分子物質の合成原料、食品・飲料や冷凍用冷剤等として用いることができる。
本発明の液体は、二酸化炭素の吸収工程における反応効率及び二酸化炭素脱離工程におけるエネルギー効率の双方において、高い効率を示すことが期待される。前者の反応効率は主にポリアミン化合物による効果であり、後者のエネルギー効率は主に高濃度化による脱離量の増大及び二酸化炭素の吸収時の発熱量の低下である。発熱量の低下については、未だ完全に明らかではないが、二酸化炭素吸収時に生じる各種イオン対の生成エネルギーや各種イオンの溶媒和による安定化構造等に変化が生じることにより、二酸化炭素脱離時に必要な熱量が低下しているためであると推測される。
次に、本発明について実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
液の温度が40℃になるように設定した恒温水槽内に、ガラス製のガス洗浄ビンを浸し、これに2−イソプロピルアミノエタノール(IPAE;東京化成工業株式会社製)60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g及び3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン(東京化成工業株式会社製)0.15gを充填した。この液体の中に、目の粗さ100μm、直径13mmのガラスフィルターを通して、大気圧、0.7リットル/分で二酸化炭素20体積%及び窒素80体積%を含む混合ガスを泡状に分散させて60分間吸収させた。
吸収入口及び吸収液出口のガス中の二酸化炭素濃度を、赤外線式の二酸化炭素計(HORIBA GAS ANALYZER VA−3000)で連続的に測定して、入口及び出口の二酸化炭素流量の差から二酸化炭素吸収量を測定した。必要により吸収液中の無機炭素量をガスクロマトグラフ式の全有機炭素計(SHIMADZU TOC−VCSH)で測定し赤外線式二酸化炭素計から算出される値と比較した。飽和吸収量は吸収液出口の二酸化炭素濃度が入口の二酸化炭素濃度に一致する時点における量とした。吸収速度は吸収量に応じて変化するが、飽和吸収量の1/2を吸収した時点の吸収速度を基準として測定して比較した。
次いで、同じガス気流中で液温を数分にて70℃にあげて、60分間同条件にて二酸化炭素の脱離量を測定した。40℃の二酸化炭素飽和吸収量は155g/kgで、飽和吸収量の1/2吸収時の吸収速度は4.3g/kg/分であった。70℃での二酸化炭素脱離は86g/kgであった。なお、回収された二酸化炭素の純度は99.8%であった。
実施例2
実施例1に記載の溶液に換えてIPAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びにテトラエチレンペンタミン(東京化成工業株式会社製)0.15gをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
実施例3
実施例1に記載の溶液に換えてIPAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びに3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミノ]プロピルアミン(シグマ−アルドリッチ社製)0.25gをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
実施例4
実施例1に記載の溶液に換えてIPAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びに1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン(東京化成工業株式会社製)0.25gをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、40℃における二酸化炭素吸収速度を測定したところ、4.2g/kg吸収液/分であった。
比較例1〜2
実施例1に記載の溶液に換えてIPAE30重量%及び水70重量%の混合溶媒(比較例1)又はIPAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒(比較例2)のみをそれぞれガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
実施例5
実施例4に記載の溶液に換えてIPAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びに1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン(東京化成工業株式会社製)0.15gをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
実施例6〜7
実施例1に記載の溶液に換えて、IPAE55重量%及び水45重量%の混合溶媒50g並びに1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン(東京化成工業株式会社製)1.00g(実施例6);またはIPAE55重量%及び水45重量%の混合溶媒50g並びに0.15g(実施例7)をそれぞれガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
比較例3
実施例1に記載の溶液に換えてIPAE55重量%及び水45重量%の混合溶媒のみをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
実施例8
実施例1に記載の溶液に換えてIPAE65重量%及び水35重量%の混合溶媒50g並びにテトラエチレンペンタミン(東京化成工業株式会社製)0.25gをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
実施例9〜11
実施例1に記載の溶液に換えて、EAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びにトリエチレンテトラミン(東京化成工業株式会社製)1.00g(実施例9);EAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びに1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン(東京化成工業株式会社製)0.15g(実施例10);またはEAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒50g並びに1.00g(実施例11)をそれぞれガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
比較例4
実施例1に記載の溶液に換えてEAE60重量%及び水40重量%の混合溶媒のみをガス洗浄ビンに充填した他は実施例1と同様にして、各測定を行った。
以下、実施例並びに比較例の結果を表1に示す。
Figure 0006377602
実施例1〜5、比較例1及び2の結果より、実施例1〜5では、第2級アミン化合物の高濃度化(60重量%)により、吸収速度は同一濃度での比較例2の4.1g/Lより高くなり、また、単位吸収液当たりの二酸化炭素の飽和吸収量も増大しており、ポリアミン化合物の添加による効果が確認された。
比較例1では、低濃度の30重量%では吸収速度は速いが飽和吸収量及び脱離量は低い。比較例2では、60重量%では吸収速度の大幅な低下が観察され、単純な高濃度化では吸収液の性能向上は難しいことが分かる。
実施例6,7及び比較例3の結果より、第2級アミン化合物の濃度が55重量%の場合は、ポリアミン化合物の添加により、単位吸収液当たりの二酸化炭素の脱離量は同等程度であるが、吸収速度は増大し、また単位吸収液当たりの二酸化炭素の飽和吸収量も増大しておりポリアミン化合物の添加による効果が確認された。
実施例8及び比較例4の結果より、第2級アミン化合物の濃度が65重量%の場合は、ポリアミン化合物の添加により、吸収速度は大幅に増大し、単位吸収液当たりの二酸化炭素の飽和吸収量及び脱離量も大幅に増大しておりポリアミン化合物の添加による効果が確認された。
以上の結果より、第2級アミン化合物の濃度が高いほど、概ね、ポリアミン化合物の添加による効果が大きいことがわかる。
実施例9〜11及び比較例5の結果より、第2級アミン化合物がEAEであっても、ポリアミン化合物の添加により、吸収速度は増大しており、また単位吸収液当たりの二酸化炭素の飽和吸収量及び脱離量も増大し、ポリアミン化合物の添加による効果が確認された。
<腐食性評価試験>
実施例1の液体に対して、SS400金属テストピースへの腐食性試験を行った。試験は、ハステロイ製オートクレーブを用いて、一酸化炭素を共存させた二酸化炭素飽和雰囲気下、130℃、48時間の条件で実施した。その結果、実施例1の水溶液に対するSS400への腐食は全面腐食であり、腐食速度は0.06 mm/年と算出された。この結果から、わずかな腐食性を有するものの、腐食性は低いものと判断された。

Claims (7)

  1. 二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸収及び回収するための液体であって、
    (A)一般式[1]
    R-NH-(CH2)n-OH [1]
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは2〜5の整数を示す。)
    で表される第2級アミン化合物、
    (B)一般式[2]
    R1R2N-(X)m-NR3R4 [2]
    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Xはそれぞれ−CH−基、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示し、mは5〜20の整数を示す。ここで、m個あるXのうち少なくとも一つは−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基であり、−O−基、−NH−基又は−N(CH)−基を示すXに隣接する連続した二つのXは−CH−基である。)
    で表されるポリアミン化合物、及び
    (C)水
    のみからなり、該(A)第2級アミン化合物の含有量が50重量%以上であり、
    前記液体における残部が前記(C)水である、液体。
  2. 前記(A)第2級アミン化合物の含有量が50〜70重量%である、請求項1に記載の液体。
  3. 前記(B)ポリアミン化合物の前記液体全体に対する含有量が、0.1〜5重量%である、請求項1又は2に記載の液体。
  4. 前記(B)ポリアミン化合物の前記液体全体に対する含有量が、0.1〜1重量%である、請求項3に記載の液体。
  5. 前記Rがイソプロピル基、ノルマルブチル基又はsec−ブチル基であり、前記nが2又は3である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体。
  6. 前記(B)ポリアミン化合物がジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、スペルミン、スペルミジン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N,N−ビス[3−(メチルアミノ)プロピル]メチルアミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミノ]プロピルアミン、2,2’−オキシビス(エチルアミン)、及び1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタンからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリアミンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体。
  7. 二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸収及び回収する二酸化炭素の吸収及び回収方法であって、
    (1)請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体に二酸化炭素を含むガスを接触させ、ガスから二酸化炭素を吸収する工程、及び
    (2)前記(1)の工程により得られた二酸化炭素を吸収した液体を加熱することにより、該液体から二酸化炭素を脱離させる工程を含む、二酸化炭素の吸収及び回収方法。
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