JP6375612B2 - 振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、水晶を用いた振動素子が知られている。このような振動素子は、周波数温度特性が優れていることから、種々の電子機器の基準周波数源や発信源などとして広く用いられている。
特許文献1に記載の振動素子は、音叉型をなしており、基部と、基部の一端側から延びている一対の振動腕と、基部の他端側に位置する接続部と、基部と接続部との間に位置し、これらを連結する連結部と、接続部から延びている支持腕と、を含んでいる振動片を有している。
このような特許文献1には、連結部の幅rと基部の幅eとの比率であるe/rが、40%以下であることが好ましく、23%〜40%であることがより好ましいことが記載れている。そして、このような範囲を満足することによる効果として、振動漏れを抑制しつつ、耐衝撃性を維持することができることが記載されている。しかしながら、厚さおよびe/rが上記関係を満足していたとしても、設計条件(例えば、振動片の厚さ)によっては、振動漏れを十分に押えることができず、振動特性が悪い振動素子となってしまう場合がある。なお、また、特許文献1には、振動片の厚さとして、70μm〜130μmであることが好ましいことが記載れている(引用文献1の段落0042参照)が、この厚さとe/rとの関係は不明である。
特開2008−72705号公報
本発明の目的は、小型化を図りつつ、振動漏れの低減を図ることのできる振動片、並びに、この振動片を備える信頼性の高い振動子、発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の振動片は、基部と、
平面視で前記基部の一端側から第1方向に延出している振動腕と、
平面視で前記基部の他端側に配置されている接続部と、
平面視で前記基部と前記接続部との間に配置され、前記基部と前記接続部とを連結している連結部と、
を含み、
前記振動腕は、
錘部と、
前記基部と前記錘部との間に配置されている腕部と、
を含み、
前記錘部は、前記第1方向に沿った全長および前記第1方向と交差する第2方向に沿った全幅に亘って、連続した主面を有しており、
前記連結部の厚さをT、
前記基部の前記第2方向に沿った幅をW1、
前記連結部の前記第2方向に沿った幅をW2としたとき、
50μm≦T≦210μm
を満足しているとともに、
0.067≦W2/W1≦0.335
を満足し、
前記腕部の前記第2方向に沿った幅をW3、
前記錘部の前記第2方向に沿った幅をW4としたとき、
W4≧2.8×W3
を満足していることを特徴とする。
これにより、小型化を図りつつ、振動漏れの低減を図ることのできる振動片を提供することができる。
[適用例2]
本適用例の振動片では、110μm≦T≦210μmを満足していることが好ましい。
これにより、振動特性をより向上させることができる。
[適用例3]
本適用例の振動片は、基部と、
平面視で前記基部の一端側から第1方向に延出している振動腕と、
平面視で前記基部の他端側に配置されている接続部と、
平面視で前記基部と前記接続部との間に配置され、前記基部と前記接続部とを連結している連結部と、
を含み、
前記振動腕は、
錘部と、
前記基部と前記錘部との間に配置されている腕部と、
を含み、
前記錘部は、前記第1方向に沿った全長および前記第1方向と交差する第2方向に沿った全幅に亘って、連続した主面を有しており、
前記連結部の厚さをT、
前記基部の前記第2方向に沿った幅をW1、
前記連結部の前記第2方向に沿った幅をW2としたとき、
50μm≦T≦100μm
を満足しているとともに、
0.603≦W2/W1≦0.871
を満足し、
前記腕部の前記第2方向に沿った幅をW3、
前記錘部の前記第2方向に沿った幅をW4としたとき、
W4≧2.8×W3
を満足していることを特徴とする。
これにより、小型化を図りつつ、振動漏れの低減を図ることのできる振動片を提供することができる。
[適用例4]
本適用例の振動片では、50μm≦T≦80μmを満足していることが好ましい。
これにより、振動漏れをより低減することができる。
[適用例5]
本適用例の振動片では、前記接続部は、前記第2方向に沿って延出され、
前記接続部に接続され、前記第1方向に沿って延出している支持腕を含むことが好ましい。
これにより、例えば、支持腕を介して振動片をベースに固定することができ、この固定部と振動腕との離間距離(振動伝搬距離)を長くすることができる。そのため、振動片の振動漏れを効果的に低減することができる。
[適用例6]
本適用例の振動片では、前記振動腕の互いに表裏の関係にある第1の主面および第2の主面の少なくとも一方の主面側に、溝が設けられていることが好ましい。
これにより、振動特性を向上させることができる。
[適用例7]
本適用例の振動子は、上記適用例の振動片と、
前記振動片が搭載されているパッケージと、
を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い振動子が得られる。
[適用例8]
本適用例の発振器は、上記適用例の振動片と、
回路と、
を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い発振器が得られる。
[適用例9]
本適用例の電子機器は、上記適用例の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例10]
本適用例の移動体は、上記適用例の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の好適な実施形態にかかる振動子の平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1中のB−B線断面図である。 ウエットエッチングにより形成された振動腕を示す断面図である。 屈曲振動時の熱伝導について説明する振動腕の断面図である。 Q値とf/fmの関係を示すグラフである。 厚さT、幅W1、W2を示す斜視図である。 シミュレーションに用いた水晶振動片の寸法を示す平面図である。 シミュレーション方法を説明するための斜視図である。 シミュレーション結果を示す表である。 シミュレーション結果を示す表である。 シミュレーション結果を示す表である。 シミュレーション結果を示す表である。 W2/W1とQLeakとの関係を示すグラフである。 W2/W1と漏洩し難さ指数との関係を示すグラフである。 本発明の発振器の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 本発明の移動体を適用した自動車を示す斜視図である。
以下、本発明の振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.振動子
まず、本発明の振動子について説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態にかかる振動子の平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1中のB−B線断面図である。図4は、ウエットエッチングにより形成された振動腕を示す断面図である。図5は、屈曲振動時の熱伝導について説明する振動腕の断面図である。図6は、Q値とf/fmの関係を示すグラフである。図7は、厚さT、幅W1、W2を示す斜視図である。図8は、シミュレーションに用いた水晶振動片の寸法を示す平面図である。図9は、シミュレーション方法を説明するための斜視図である。図10ないし図13は、それぞれ、シミュレーション結果を示す表である。図14は、W2/W1とQLeakとの関係を示すグラフである。図15は、W2/W1と漏洩し難さ指数との関係を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」とし、下側を「下」とする。また、図1中の上側を「先端」とし、下側を「基端」とする。
図1に示すように、振動子1は、振動素子2と、振動素子2を収納するパッケージ9とを有している。
≪パッケージ≫
図1および図2に示すように、パッケージ9は、上面に開口する凹部911を有する箱状のベース91と、凹部911の開口を塞いでベース91に接合されている板状のリッド92とを有している。パッケージ9は、凹部911がリッド92で塞がれることで形成された収容空間Sを有し、この収容空間Sに振動素子2を気密的に収容している。収容空間S内の雰囲気としては、特に限定されないが、減圧状態(真空状態)となっていることが好ましい。これにより、振動素子2の駆動に対する空気抵抗が低減されるため、優れた振動特性を発揮することができる。なお、収容空間S内の真空度としては、特に限定されないが、100Pa以下程度であることが好ましく、10Pa以下程度であることがより好ましい。また、減圧状態に替えて、収容空間S内には、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。
ベース91の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスを用いることができる。また、リッド92の構成材料としては、特に限定されないが、ベース91の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース91の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース91とリッド92の接合は、特に限定されず、例えば、メタライズ層を介して接合することができる。
また、ベース91の凹部911の底面には、接続端子951、961が形成されている。また、接続端子951上には導電性接着材11、12が設けられ、接続端子961上には導電性接着材13、14が設けられている。これら導電性接着材11〜14によって振動素子2がベース91に取り付けられているとともに、接続端子951が後述する第1駆動用電極84と電気的に接続され、接続端子961が後述する第2駆動用電極85と電気的に接続されている。
なお、導電性接着材11〜14としては、それぞれ、導電性および接着性を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ポリイミド系、ビスマレイミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系の樹脂に銀粒子等の導電性フィラーを混合した導電性接着材を用いることができる。このように、比較的柔らかい接着材を用いることで、例えば、ベース91と振動素子2の熱膨張係数の違いから発生する熱応力を導電性接着材11〜14で吸収・緩和することができ、振動素子2の振動特性の低下や変化を低減することができる。なお、振動素子2をベース91に取り付けることができれば、各導電性接着材11〜14に替えて、金バンプや、半田等を用いてもよい。
また、接続端子951は、ベース91の底部を貫通する貫通電極952を介してベース91の下面に設けられた外部端子953に電気的に接続され、同様に、接続端子961は、ベース91の底部を貫通する貫通電極962を介してベース91の下面に設けられた外部端子963に電気的に接続されている。接続端子951、961、貫通電極952、962および外部端子953、963の構成としては、それぞれ、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、モリブテン(Mo)などの下地層に、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などのめっき層を形成した構成することができる。
≪振動素子≫
図1ないし図3に示すように、振動素子2は、水晶振動片(振動片)3と、水晶振動片3上に形成された第1、第2駆動用電極84、85と、を有している。なお、図1および図2では、説明の便宜上、第1、第2駆動用電極84、85の図示を省略している。
水晶振動片3は、Zカット水晶板で構成されている。Zカット水晶板とは、Z軸をほぼ厚さ方向とする水晶基板である。なお、水晶振動片3は、その厚さ方向とZ軸とが一致していてもよいが、常温近傍における周波数温度変化を小さくする観点から、厚さ方向に対してZ軸が若干傾いている。すなわち、傾ける角度をθ度(−5°≦θ≦15°)とした場合、前記水晶の電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、光学軸としてのZ軸からなる直交座標系の前記X軸を回転軸として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ+Z側が回転するようにθ度傾けた軸をZ’軸、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ+Y側が回転するようにθ度傾けた軸をY’軸としたとき、Z’軸に沿った方向を厚さとし、X軸とY’軸を含む面を主面とする水晶振動片3となる。なお、各図では、これらX軸、Y’軸およびZ’軸を図示している。
水晶振動片3は、Y’軸方向を長さ方向に持ち、X軸方向を幅方向に持ち、Z’軸方向を厚さ方向に持っている。また、水晶振動片3は、そのほぼ全域(後述する溝323、324、333、334が形成されている領域を除く)にわたって、ほぼ同じ厚さを有している。水晶振動片3の厚さTとしては、特に限定されないが、50μm以上210μm以下程度であるのが好ましい。上記下限値未満であると、機械的強度が不足し、水晶振動片3が破損するおそれがあり、上記上限値を超えると、ウエットエッチングによって微細形状が作成し難くなり、振動素子2の過度な大型化に繋がってしまう。
このような水晶振動片3は、基部31と、基部31の−Y’軸側の端から−Y’軸方向に延びている一対の振動腕32、33と、基部31の+Y’軸側に配置されており、X軸方向に延びている接続部34と、基部31と接続部34との間に位置し、基部31と接続部34とを連結している連結部35と、連結部35の両端部から−Y’軸方向に延びている一対の支持腕36、37と、を有している。これら基部31、振動腕32、33、接続部34、連結部35および支持腕36、37は、一体に形成されている。
基部31は、XY’平面に広がりを有し、Z’軸方向に厚さを有する板状をなしている。このような基部31の+Y’軸側の端からは、連結部35が+Y’軸方向に延出している。連結部35の+Y’軸側の端には、接続部34が接続されており、接続部34は、連結部35からX軸方向両側に延びている。また、接続部34の−X軸側の端部からは、支持腕36が−Y’軸方向に延出しており、+X軸側の端部からは、支持腕37が−Y’軸方向に延出している。支持腕36、37は、振動腕32、33の外側に位置しており、支持腕36、37の間に振動腕32、33が配置されている。なお、支持腕36、37の先端(−Y’軸側の端)は、振動腕32、33の先端(−Y’軸側の端)よりも+Y’軸側に位置している。
そして、支持腕36が導電性接着材11、12によりベース91に取り付けられており、支持腕37が導電性接着材13、14によりベース91に取り付けられている。導電性接着材11、12は、支持腕36延在方向に離間して配置されており、導電性接着材13、14は、支持腕37の延在方向に離間して配置されている。このように、4つの導電性接着材11〜14を用いることで、振動素子2をより安定した状態でベース91に取り付けることができる。また、先端側にある導電性接着材11、13は、少なくともその一部が振動素子2の重心G’よりも先端側に位置し、基端側にある導電性接着材12、14は、少なくともその一部が重心G’よりも基端側に位置していることが好ましい。これにより、振動素子2をさらに安定した状態でベース91に取り付けることができる。
ここで、連結部35は、基部31よりも幅が小さい。言い換えれば、連結部35は、基部31に対して縮幅している。また、連結部35は、基部31の振動腕32、33側の端部から十分離れた位置において、両側縁に、基部31の幅方向の寸法を部分的に縮幅して形成した切り込み部31a、31bを形成することによって形成されているとも言える。このような連結部35を設けることによって、振動腕32、33が屈曲振動する際に振動漏れが支持腕36、37に伝搬することを抑制し、CI値を低く抑えることができる。すなわち、連結部35を設けることによって、優れた振動特性を有する振動素子2となる。
振動腕32、33は、X軸方向に並び、かつ、互いに平行となるように基部31の−Y’軸側の端から−Y’軸方向に延出している。これら振動腕32、33は、それぞれ、長手形状をなし、その基端(+Y’軸側の端)が固定端となり、先端(−Y’軸側の端)が自由端となる。また、振動腕32、33は、それぞれ、基部31から延びている腕部321、331と、腕部321、331の先端に設けられ、腕部321、331よりも幅が広い錘部としてのハンマーヘッド(広幅部)322、332と、を有している。このように、振動腕32、33の先端部にハンマーヘッド322、332を設けることで、振動腕32、33を短くすることができ、振動素子2の小型化を図ることができる。また、振動腕32、332を短くすることができる分、同じ周波数で振動腕32、33を振動させたときの振動腕32、33の振動速度を従来よりも低くすることができるため、振動腕32、33が振動する際の空気抵抗を低減することができ、その分、Q値が高まり、振動特性を向上させることができる。
以下、振動腕32、33について詳述するが、振動腕32、33は、互いに同様の構成であるため、以下では、振動腕32について代表して説明し、振動腕33については、その説明を省略する。
図3に示すように、腕部321は、XY’平面で構成され、互いに表裏の関係にある一対の主面32a、32bと、Y’Z’平面で構成され、一対の主面32a、32bを接続する1対の側面32c、32dと、を有している。また、腕部321には、主面32aに開口する有底の溝323と、主面32bに開口する有底の溝324とを有している。このように、振動腕32に溝323、324を形成することによって、熱弾性損失の低減を図ることができ、優れた振動特性を発揮することができる。溝323、324の長さは、特に限定されず、先端がハンマーヘッド322まで延びていてもよいし、基端が基部31まで延びていてもよい。このような構成とすることで、腕部321とハンマーヘッド322の境界部および腕部321と基部31の境界部への応力集中が緩和され、衝撃が加わった際に発生する折れや欠けの虞が減少する。なお、溝は、主面32a、32bのいずれか一方にだけ形成されていてもよいし、省略してもよい。
溝323、324の深さtは、0.292≦t/T≦0.483なる関係を満足するのが好ましい。このような関係を満足することで、熱移動経路が長くなるから、後述する断熱的領域において、より効果的に、熱弾性損失の低減を図ることができる。また、深さtは、0.455≦t/T≦0.483なる関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することで、さらに熱移動経路が長くなることで熱弾性損失の低減を図ることができるので、Q値の向上とそれに伴うCI値の低減、さらには、屈曲変形する領域に電界をかけるための電極面積をより広くすることができることによるCI値の低減が実現される。
なお、水晶基板をウエットエッチングによるパターニングで水晶振動片3を製造する場合は、腕部321の断面形状は、図4に示すように、水晶の結晶面が露出したような形状となる。具体的には、−X軸方向のエッチングレートが+X軸方向のエッチングレートよりも低いため、−X軸方向の側面が比較的なだらかな傾斜となり、+X軸方向の側面が垂直に近い傾斜となる。この場合の溝323、324の深さtは、図4に示すように、最も深い位置における深さを言う。
溝323、324は、振動腕32の断面重心が振動腕32の断面形状の中心と一致するように、振動腕32に対してX軸方向の位置を調整して形成されているのが好ましい。こうすることで、振動腕32の不要な振動(具体的には、面外方向成分を有する振動)を低減するので、振動漏れを低減することができる。また、この場合、余計な振動をも駆動してしまうことを低減することになるので、相対的に駆動領域が増大してCI値を小さくすることができる。
このような腕部321の幅(X軸方向の長さ)W3としては、特に限定されないが、16μm以上300μm以下程度であるのが好ましく、45μm以上60μm以下程度であるのがより好ましい。幅W3が上記下限値未満であると、製造技術によっては腕部321に溝323、324を形成することが困難となり、振動腕32を断熱的領域とすることができなくなる場合がある。一方、幅W3が上記上限値を超えると、水晶振動片3の厚さによっては腕部321の剛性が高くなり過ぎてしまい、腕部321の屈曲振動をスムーズに行うことができない場合がある。なお、ここで言う幅W3は、腕部321の中央部に位置し、ほぼ一定の幅で延在している部分の幅を言い、両端部に位置しているテーパー部の幅ではない。
また、振動腕32の全長(Y’軸方向の長さ)をLとし、ハンマーヘッド322の全長(Y’軸方向の長さ)をHとしたとき、0.183≦H/L≦0.597なる関係を満足することが好ましく、0.238≦H/L≦0.531なる関係を満足することがより好ましい。これにより、小型化と振動特性の向上を両立させた振動素子2が得られる。なお、ハンマーヘッド322は、腕部321の幅(X軸方向の長さ)に対して1.5倍以上の幅を有する領域とする。また、振動腕32の基端は、振動腕32の基端部の外側に位置するテーパー部の終点とする。
また、ハンマーヘッド322の幅(X軸方向の長さ)W4としては、特に限定されないが、腕部321の幅W3の2.8倍以上であることが好ましい。すなわち、W4≧2.8W3なる関係を満足することが好ましい。これにより、ハンマーヘッド322の質量効果を十分に発揮することができ、上記効果(小型化と振動特性の向上を両立)をより効果的に発揮することができる。なお、本実施形態のハンマーヘッド322は、基端側に位置する基端部322aと、基端部322aの先端側に位置し、基端部322aよりも幅が広い先端部322bと、を有しているが、幅W4は、先端部322bの幅を言う。
以上、水晶振動片3の形状について説明した。
図3に示すように、このような水晶振動片3が有する振動腕32には、一対の第1駆動用電極84と一対の第2駆動用電極85とが形成されている。第1駆動用電極84の一方は、溝323の内面に形成されており、他方は、溝324の内面に形成されている。また、第2駆動用電極85の一方は、側面32cに形成されており、他方は、側面32dに形成されている。同様に、振動腕33にも、一対の第1駆動用電極84と一対の第2駆動用電極85とが形成されている。第1駆動用電極84の一方は、側面33cに形成されており、他方は、側面33dに形成されている。また、第2駆動用電極85の一方は、溝333の内面に形成されており、他方は、溝334の内面に形成されている。各第1駆動用電極84は、図示しない配線により支持腕36まで引き出され、導電性接着材11、12を介して接続端子951と電気的に接続されている。同様に、各第2駆動用電極85は、図示しない配線により支持腕37まで引き出され、導電性接着材13、14を介して接続端子961と電気的に接続されている。これら第1、第2駆動用電極84、85間に交番電圧を印加すると、振動腕32、33が互いに接近、離間を繰り返すようにX軸方向(面内方向)に所定の周波数で振動する。
第1、第2駆動用電極84、85の構成材料としては、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、モリブテン(Mo)などの下地層に、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの被覆層を形成した構成することができる。
また、第1、第2駆動用電極84、85の具体的な構成としては、例えば、700Å以下のCr層上に700Å以下のAu層を形成した構成とすることができる。特に、CrやAuは、熱弾性損失が大きいので、Cr層、Au層は、好ましくは200Å以下とされる。また、絶縁破壊耐性を高くする場合には、Cr層、Au層は、好ましくは1000Å以上とされる。さらに、Niは、水晶の熱膨張係数に近いので、Cr層に替えてNi層を下地にすることで、電極に起因する熱応力を減少させ、長期信頼性(エージング特性)の良い振動素子を得ることができる。
以上、振動素子2の構成を説明した。上述したように、振動素子2の各振動腕32、33に溝323、324、333、334を形成することによって、熱弾性損失の低減を図ることができ、優れた振動特性を発揮することができる。以下、このことについて、振動腕32を例にして具体的に説明する。
振動腕32は、前述したように、第1、第2駆動用電極84、85間に交番電圧を印加することにより面内方向に屈曲振動する。図5に示すように、この屈曲振動の際、腕部321の側面32cが収縮すると側面32dが伸張し、反対に、側面32cが伸張すると側面32dが収縮する。振動腕32がGough−Joule効果を発生しない(エネルギー弾性がエントロピー弾性に対して支配的な)場合、側面32c、32dのうち、収縮する面側の温度は上昇し、伸張する面側の温度は下降する。そのため、側面32cと側面32dとの間、つまり腕部321の内部に温度差が発生する。この温度差から生じる熱伝導によって振動エネルギーの損失が発生し、これにより振動素子2のQ値が低下する。このようなQ値の低下に伴うエネルギーの損失を熱弾性損失とも言う。
振動素子2のような構成の屈曲振動モードで振動する振動素子において、振動腕32の屈曲振動周波数(機械的屈曲振動周波数)fが変化したとき、振動腕32の屈曲振動周波数が熱緩和周波数fmと一致するときにQ値が最小となる。この熱緩和周波数fmは、下記式(1)で求めることができる。ただし、ただし、式(1)中、πは円周率であり、eをネイピア数とすれば、τは温度差が熱伝導によりe−1倍になるのに要する緩和時間である)。
Figure 0006375612
また、平板構造(断面形状が矩形の構造)の熱緩和周波数をfm0とすれば、fm0は下記式(2)で求めることができる。なお、式(2)中、πは円周率、kは振動腕32の振動方向の熱伝導率、ρは振動腕32の質量密度、Cpは振動腕32の熱容量、aは振動腕32の振動方向の幅である。式(2)の熱伝導率k、質量密度ρ、熱容量Cpに振動腕32の材料そのもの(すなわち水晶)の定数を入力した場合、求まる熱緩和周波数fm0は、振動腕32に溝323、324を設けていない場合の値となる。
Figure 0006375612
振動腕32では、側面32c、32dの間に位置するように溝323、324が形成されている。そのため、振動腕32の屈曲振動時に生じる側面32c、32dの温度差を熱伝導により温度平衡させるための熱移動経路が溝323、324を迂回するように形成され、熱移動経路が側面32c、32d間の直線距離(最短距離)よりも長くなる。そのため、振動腕32に溝323、324を設けていない場合と比較して緩和時間τが長くなり、熱緩和周波数fmが低くなる。
図6は、屈曲振動モードの振動素子のQ値のf/fm依存性を表すグラフである。同図において、点線で示されている曲線F1は、振動素子2のように振動腕に溝が形成されている場合を示し、実線で示されている曲線F2は、振動腕に溝が形成されていない場合を示している。同図に示すように、曲線F1、F2の形状は変わらないが、前述のような熱緩和周波数fmの低下に伴って、曲線F1が曲線F2に対して周波数低下方向へシフトする。したがって、振動素子2のように振動腕に溝が形成されている場合の熱緩和周波数をfm1とすれば、下記式(3)を満たすことにより、常に、振動腕に溝が形成されている振動素子のQ値が振動腕に溝が形成されていない振動素子のQ値に対して高くなる。
Figure 0006375612
更に、下記式(4)の関係に限定すれば、より高いQ値を得ることができる。
Figure 0006375612
なお、図6において、f/fm<1の領域を等温的領域とも言い、この等温的領域ではf/fmが小さくなるにつれてQ値が高くなる。これは、振動腕の機械的周波数が低くなる(振動腕の振動が遅くなる)につれて前述のような振動腕内の温度差が生じ難くなるためである。したがって、f/fmを0(零)に限りなく近づけた際の極限では、等温準静操作となって、熱弾性損失は限りなく0(零)に接近する。一方、f/fm>1の領域を断熱的領域とも言い、この断熱的領域ではf/fmが大きくなるにつれてQ値が高くなる。これは、振動腕の機械的周波数が高くなるにつれて、各側面の温度上昇・温度効果の切り替わりが高速となり、前述のような熱伝導が生じる時間がなくなるためである。したがって、f/fmを限りなく大きくした際の極限では、断熱操作となって、熱弾性損失は限りなく0(零)に接近する。このことから、f/fm>1の関係を満たすとは、f/fmが断熱的領域にあるとも言い換えることができる。
以上、熱弾性損失について説明した。
このような振動素子2において、図7に示す水晶振動片3の厚さ(Z’軸方向の長さ)Tと、基部31の幅(X軸方向の長さ)W1と、連結部35の幅(X軸方向の長さ)W2と、の関係を、以下のパターン1、パターン2のいずれかとすることによって、振動素子2の振動漏れをより確実に低減することができる。すなわち、前述したように、連結部35を設けることにより、振動漏れを低減することができることを述べたが、連結部35を設けただけでは振動漏れを低減することができない場合がある。そこで、以下のパターン1、パターン2のいずれかとすることで、より確実に、振動素子2の振動漏れを低減することができる。なお、連結部35の幅W2は、その幅が最も狭くなっている部分における幅を言う。また、基部31の幅W1、連結部35の幅W2は、共に、表裏主面の輪郭部で規定されるものとする。
≪パターン1≫
パターン1では、厚さTが、50μm≦T≦210μmなる関係を満足するとともに、幅W1、W2が、0.067≦W2/W1≦0.335なる関係を満足している。
≪パターン2≫
パターン2では、厚さTが、50μm≦T≦100μmなる関係を満足するとともに、幅W1、W2が、0.603≦W2/W1≦0.871なる関係を満足している。
以下、発明者が行ったシミュレーション結果に基づいて、パターン1、2のいずれかを満たすことによって、振動漏れが低減され、より優れた振動特性を有する振動素子2が得られることを証明する。なお、本シミュレーションに用いた水晶振動片3Aは、Zカット水晶板をウエットエッチングによりパターニングしてなり、図8に示す寸法を有している。各溝323A、324A、333A、334Aは、それぞれ、水晶振動片3Aの厚さTの45%の深さを有している。
なお、本シミュレーションでは、ウエットエッチングによりパターニングされた水晶振動片3Aを用いているため、振動腕32A、33Aに形成されている溝323A、324A、333A、334Aは、図4に示したような水晶の結晶面が現れた形状となっている。また、本シミュレーションに用いた水晶振動片3Aには第1、第2駆動用電極84、85、その他配線を形成していない。また、発見者らによって、各部の寸法が異なっていても本シミュレーション結果とほとんど差がないこと(同様の傾向を有すること)が確認されている。
本シミュレーションは、図9に示すように、厚さTが50μm〜210μm(T=50μm、60μm、70μm、80μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、190μm、210μm)のいずれかであり、幅W2が20μm〜260μm(20μm、40μm、60μm、80μm、100μm、140μm、180μm、220μm、260μm)のいずれかである水晶振動片3Aを各支持腕36A、37Aの2箇所で導電性接着材11A、12A、13A、14A(ただし、13A、14Aは、図示せず)を用いてベースに取り付けた状態で、駆動周波数である32.768kHzで振動腕32、33を駆動振動させたときの振動漏れを計算することで行った。
導電性接着材11A〜14Aとしては、それぞれ、厚さ=20μm、ヤング率=3.4GPa、ポアソン比=0.33、質量密度=4070kg/mであるビスマレイミド系の接着材を想定した。また、ベースとしては、ヤング率=320GPa、ポアソン比=0.23、質量密度=3800kg/mのセラミックベースを想定した。また、振動漏れは、導電性接着材11A〜14Aの裏面に到達したエネルギーがベースに漏洩するとして計算した。
なお、発見者によって、駆動周波数が異なっても(例えば、32.768kHz±1kHzの周波数であっても)、シミュレーション結果にほとんど差がないこと(同様の傾向を有すること)が確認されている。
上記のシミュレーション結果を図10ないし図14に示す。図10〜図13は、上記シミュレーション結果を示す表であり、図14は、図10〜図13に示されている数値をプロットしたグラフである。図14の縦軸は、振動漏れのみを考慮したQ値「QLeak」であり、横軸は、W2/W1である。なお、QLeakの値が高い程、振動漏れが小さいことを示している。
次に、各QLeakの対数をとり、板厚ごとに、その最大値を「1」として規格した「漏洩し難さ指数」をプロットしたグラフを図15に示す。図15の縦軸は、漏洩し難さ指数であり、横軸は、W2/W1である。漏洩し難さ指数が1.0に近づく程、振動漏れを低減することができることを表している。ここで、漏洩し難さ指数が0.88以上であれば、十分に振動漏れが低減された振動素子2が得られる。
図11〜図13、図15から、50μm≦T≦210μmの場合では、0.067≦W2/W1≦0.335の範囲であれば、漏洩し難さ指数が0.88以上であることが分かる。したがって、上述したパターン1のように、50μm≦T≦210μmなる関係を満足するとともに、0.067≦W2/W1≦0.335なる関係を満足すれば、より確実に、振動漏れを低減することのできる水晶振動片3(振動素子2)が得られることが証明された。なお、パターン1において、さらに、110μm≦T≦210μmなる関係を満足することによって、上記効果に加えて、CI値の低下と耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。具体的には、110μm≦T≦210μmとすることで、水晶振動片3の厚みを十分に確保することができ、側面32c、32d、33c、33dに形成されている電極の面積を稼ぐことができる。そのため、振動腕32、33を効率的に振動させることができ、その分、CI値を低下させることができる。また、水晶振動片3の厚みを十分に確保することで、Z’軸方向に対する耐衝撃性を高めることができる。
また、厚さTが、50μm≦T≦100μmの場合では、0.603≦W2/W1≦0.871の範囲であれば、漏洩し難さ指数が0.88以上であることが分かる。したがって、上述したパターン2のように、50μm≦T≦100μmなる関係を満足するとともに、0.603≦W2/W1≦0.871なる関係を満足すれば、より確実に、振動漏れを低減することのできる水晶振動片3(振動素子2)が得られることが証明された。なお、パターン2において、さらに、50μm≦T≦80μmなる関係を満足することによって、漏洩し難さ指数を0.94以上とすることができ、上記効果をより顕著に発揮される。
以上より、上記パターン1、2のいずれかを満足することによって、より確実に、振動漏れを低減することのできる振動素子2が得られる。
2.発振器
次に、本発明の振動素子を備えた発振器について説明する。
図16は、本発明の発振器の好適な実施形態を示す断面図である。
図16に示す発振器100は、振動子1と、振動素子2を駆動するためのICチップ110とを有している。以下、発振器100について、前述した振動子との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図16に示すように、発振器100では、ベース91の凹部911にICチップ110が固定されている。ICチップ110は、凹部911の底面に形成された複数の内部端子120と電気的に接続されている。複数の内部端子120には、接続端子951、961と接続されているものと、外部端子953、963と接続されているものがある。ICチップ110は、振動素子2の駆動を制御するための発振回路(回路)を有している。ICチップ110によって振動素子2を駆動すると、所定の周波数の信号を取り出すことができる。
3.電子機器
次に、本発明の振動素子を備えた電子機器について説明する。
図17は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100にはフィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動子1(振動素子2)が内蔵されている。
図18は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200にはフィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動子1(振動素子2)が内蔵されている。
図19は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動子1(振動素子2)が内蔵されている。
なお、本発明の振動素子を備える電子機器は、図17のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図18の携帯電話機、図19のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
4.移動体
次に、本発明の振動素子を備えた移動体について説明する。
図20は、本発明の移動体を適用した自動車を示す斜視図である。自動車1500には、振動子1(振動素子2)が搭載されている。振動子1は、例えば、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
以上、本発明の振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1……振動子 11、11A、12、12A、13、13A、14、14A……導電性接着材 2……振動素子 3……水晶振動片 3A……水晶振動片 31……基部 31a、31b……切り込み部 32、32A、33、33A……振動腕 32a、32b……主面 32c、32d、33c、33d……側面 321、331……腕部 322、332……ハンマーヘッド 322a……基端部 322b……先端部 323、323A、324、324A、333、333A、334、334A……溝 34……接続部 35……連結部 35A……連結部 36、36A、37、37A……支持腕 84……第1駆動用電極 85……第2駆動用電極 9……パッケージ 91……ベース 911……凹部 92……リッド 951、961……接続端子 952、962……貫通電極 953、963……外部端子 100……発振器 110……ICチップ 120……内部端子 1100……パーソナルコンピューター 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1108……表示部 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1208……表示部 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース 1304……受光ユニット 1306……シャッターボタン 1308……メモリー 1310……表示部 1312……ビデオ信号出力端子 1314……入出力端子 1430……テレビモニター 1440……パーソナルコンピューター 1500……自動車 S……収容空間 T……厚さ W1、W2……幅 W3、W4……幅 fm……熱緩和周波数 fm0……熱緩和周波数 G’……重心

Claims (10)

  1. 基部と、
    平面視で前記基部の一端側から第1方向に延出している振動腕と、
    平面視で前記基部の他端側に配置されている接続部と、
    平面視で前記基部と前記接続部との間に配置され、前記基部と前記接続部とを連結している連結部と、
    を含み、
    前記振動腕は、
    錘部と、
    前記基部と前記錘部との間に配置されている腕部と、
    を含み、
    前記錘部は、前記第1方向に沿った全長および前記第1方向と交差する第2方向に沿った全幅に亘って、連続した主面を有しており、
    前記連結部の厚さをT、
    前記基部の前記第2方向に沿った幅をW1、
    前記連結部の前記第2方向に沿った幅をW2としたとき、
    50μm≦T≦210μm
    を満足しているとともに、
    0.067≦W2/W1≦0.335
    を満足し、
    前記腕部の前記第2方向に沿った幅をW3、
    前記錘部の前記第2方向に沿った幅をW4としたとき、
    W4≧2.8×W3
    を満足していることを特徴とする振動片。
  2. 請求項1において、
    110μm≦T≦210μmを満足していることを特徴とする振動片。
  3. 基部と、
    平面視で前記基部の一端側から第1方向に延出している振動腕と、
    平面視で前記基部の他端側に配置されている接続部と、
    平面視で前記基部と前記接続部との間に配置され、前記基部と前記接続部とを連結している連結部と、
    を含み、
    前記振動腕は、
    錘部と、
    前記基部と前記錘部との間に配置されている腕部と、
    を含み、
    前記錘部は、前記第1方向に沿った全長および前記第1方向と交差する第2方向に沿った全幅に亘って、連続した主面を有しており、
    前記連結部の厚さをT、
    前記基部の前記第2方向に沿った幅をW1、
    前記連結部の前記第2方向に沿った幅をW2としたとき、
    50μm≦T≦100μm
    を満足しているとともに、
    0.603≦W2/W1≦0.871
    を満足し、
    前記腕部の前記第2方向に沿った幅をW3、
    前記錘部の前記第2方向に沿った幅をW4としたとき、
    W4≧2.8×W3
    を満足していることを特徴とする振動片。
  4. 請求項3において、
    50μm≦T≦80μmを満足していることを特徴とする振動片。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記接続部は、前記第2方向に沿って延出され、
    前記接続部に接続され、前記第1方向に沿って延出している支持腕を含むことを特徴とする振動片。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記振動腕の互いに表裏の関係にある第1の主面および第2の主面の少なくとも一方の主面側に、溝が設けられていることを特徴とする振動片。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動片と、
    前記振動片が搭載されているパッケージと、
    を備えていることを特徴とする振動子。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動片と、
    回路と、
    を備えていることを特徴とする発振器。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動片を備えていることを特徴とする移動体。
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