JP6374915B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤのトレッドには、溝が刻まれている。この溝は、雨天時において、路面とタイヤとの間に存在する水の排出に寄与する。これにより、ハイドロプレーニング現象の発生が防止されている。
トレッドは、架橋ゴムからなる。トレッドは、使用により摩耗する。摩耗は、浅い溝を招来する。浅い溝は、排水性に影響する。排水性が低下すると、ハイドロプレーニング現象が生じる恐れがある。
タイヤにおいて、摩耗の程度を把握することは重要である。この把握のために、タイヤにウェアインジゲータを設けることがある。
ウェアインジゲータは通常、周方向に延びる溝(以下、主溝)に設けられる。ウェアインジゲータは、主溝の底から外向きに突出している。ウェアインジゲータは、高さを有している。
トレッドが摩耗すると、ウェアインジゲータはやがて露出する。ウェアインジゲータの高さは、これ以上摩耗が進むと排水性が低下する恐れのある、溝の深さに合わせられる。ドライバーは、ウェアインジゲータの露出の程度を確認することにより、摩耗の程度を把握することができる。
タイヤの外面は、モールドのキャビティ面により形付けられる。前述のウェアインジゲータを有するタイヤのモールドでは、トレッドに主溝を刻むために、キャビティ面は突条を有している。主溝にウェアインジゲータを設けるために、モールドの突条は、窪みを有している。突条は、主溝の底に対応する頂面を有している。窪みは、この頂面から凹んでいる。
タイヤの製造では、ローカバー(未架橋タイヤ)は開かれたモールドに投入される。投入後、モールドは閉じられる。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。キャビティ面は、ローカバーと当接する。突条は、ローカバーにめり込んでいく。
このタイヤの製造では、突条がローカバーにめり込んでいくとき、この突条の頂面がローカバーと当接する。前述したように、窪みはこの頂面から凹んでいる。このため、この窪みとローカバーとの間にはエアが残留しやすい。
エアの残留は、ベアを招来する。ウェアインジゲータを有するタイヤでは、このウェアインジゲータにベアが生じやすい。ベアは、ウェアインジゲータ、言い換えれば、タイヤの外観を損なう。
ベアの発生を抑え、良好な外観を有するタイヤを得るとの観点から、様々な検討がなされている。この検討の一例が、特開2013−180707公報に開示されている。この公報に記載のタイヤでは、ウェアインジゲータに凹部が設けられている。これにより、ウェアインジゲータの体積の低減が図られている。
タイヤの製造では、加熱によりゴムが架橋反応を起こす。この架橋反応は、副生成物の生成を伴う。モールドでは、多数のタイヤが製造される。このため、モールドのキャビティ面には、副生成物が堆積する傾向にある。副生成物が過剰に堆積すると、堆積物がタイヤの外観品質を阻害してしまう。タイヤの外観品質の観点から、モールドは定期的に洗浄される。この洗浄では、スプレーガンからキャビティ面に向かって研磨材を噴射し、この噴射した研磨材でキャビティ面の汚れが削り落とされる。このような洗浄方法は、ブラストクリーニングと称される。
特開2013−180707公報
上記公報に記載のタイヤのためのモールドでは、そのキャビティ面にウェアインジゲータのための窪みが設けられる。さらにウェアインジゲータの凹部のために、この窪みの底には凸部が設けられる。
前述したように、モールドの洗浄では、研磨材がキャビティ面に噴射される。前述の凸部は薄くて小さい。このため、この洗浄により、凸部が摩滅することがある。凸部が摩滅すると、ウェアインジゲータに凹部を形成することはできない。このタイヤでは、モールドを洗浄をしながら長期にわたって使用した場合、凹部による効果を維持できない恐れがある。しかもこの凹部によるベアの抑制効果も十分ではない。
ウェアインジゲータを有するタイヤにおいては、ベアの発生が十分にそして安定に抑えられているわけではない。このタイヤでは、ベアの発生を抑えるための技術は、確立の途上にある。
本発明の目的は、ベアの発生が抑えられた空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドを備えている。上記トレッドには、周方向に延在する主溝が刻まれている。上記主溝の深さは、6mm以上である。上記主溝の幅はこの主溝の深さと同等である又は、この主溝の幅はこの主溝の深さよりも大きい。上記トレッド面の幅に対するこの主溝の幅の比率は、6%以上である。上記主溝には、ウェアインジゲータが設けられている。このウェアインジゲータは、この主溝の底から半径方向外向きに突出している。上記ウェアインジゲータには、薄膜状のつなぎが設けられている。このつなぎは、このウェアインジゲータの半径方向外側に位置している。このつなぎは、このウェアインジゲータ及び上記主溝の側壁と連結している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記つなぎは上記ウェアインジゲータと上記側壁との間を架け渡す縁を備えている。上記縁の輪郭は円弧である。上記円弧の曲率半径は4mm以上である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記つなぎの厚さは0.3mm以上1.2mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記ウェアインジゲータに上記つなぎが複数設けられている。これらのつなぎは、周方向に間隔をあけて配置されている。この間隔は、2mm以上である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記複数のつなぎは、上記ウェアインジゲータと上記主溝の一方の側壁とを連結する第一つなぎと、このウェアインジゲータとこの主溝の他方の側壁とを連結する第二つなぎとを含んでいる。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記トレッド面の一方の端が車輌の内側に位置するように、このタイヤがこの車輌に装着されるように構成されているとき、上記第二つなぎの数は上記第一つなぎの数よりも多い。
好ましくは、この空気入りタイヤは、上記トレッドの半径方向内側に補強層をさらに備えている。上記主溝の底からこの補強層までの厚さは、1.3mm以上である。
好ましくは、この空気入りタイヤは、上記つなぎは上記ウェアインジゲータと上記側壁との間を架け渡す縁を備えている。上記縁は2つの平面を備えており、これらの平面は上記側壁に対して傾斜している。上記側壁に近い一方の平面がこの側壁に対してなす角度は、他方の平面がこの側壁に対してなす角度よりも小さい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造のためのモールドは、トロイダル状のキャビティ面を備えている。上記キャビティ面は、周方向に延在する突条を有している。上記突条は、その頂面から凹んだ主窪みを有している。上記主窪みは、その底からさらに凹んだ副窪みを有している。上記主窪みの底と上記突条の側面とにより、角が構成されている。上記副窪みは、上記角に位置している。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、
(1)ローカバーを準備する工程
(2)上記ローカバーをモールドに投入する工程
及び
(3)上記モールド内で、上記ローカバーを加圧及び加熱する工程
を含む。上記モールドは、トロイダル状のキャビティ面を備えている。上記キャビティ面は、周方向に延在する突条を有している。上記突条は、その頂面から凹んだ主窪みを有している。上記主窪みは、その底からさらに凹んだ副窪みを有している。上記主窪みの底と上記突条の側面とにより、角が構成されている。上記副窪みは、上記角に位置している。
本発明に係る空気入りタイヤでは、ウェアインジゲータと主溝の側壁とを連結するつなぎがエアの排出に寄与する。このタイヤでは、エアの残留が抑えられる。エアの残留によるゴム流れ不良が抑制されるので、このゴム流れ不良によるベアの発生が効果的に抑えられる。本発明によれば、ベアの発生が抑えられた空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのトレッド面が示された展開図である。 図3は、図1のタイヤのウェアインジゲータが示された模式図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図1のタイヤの製造のためのモールドの一部が示された平面図である。 図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、図5のVII−VII線に沿った断面図である。 図8は、図3に示されたウェアインジゲータの態様とは別の態様を有するウェアインジゲータが示された模式図である。 図9は、他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー18、一対のクッション層20及び一対のチェーファー22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。換言すれば、トレッド4の外面はトレッド面24をなしている。
図1において、符号TEはタイヤ2の外面上の特定の位置を表している。この位置TEは、このタイヤ2の外面上における、トレッド4とサイドウォール6との境界である。本発明においては、この位置TEがトレッド面24の端である。
トレッド4は、ベース層26とキャップ層28とを有している。キャップ層28は、ベース層26の半径方向外側に位置している。キャップ層28は、ベース層26に積層されている。ベース層26は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層26の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層28は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
トレッド4は、一対のウィング30をさらに備えている。それぞれのウィング30は、キャップ層28及びベース層26からなるトレッド4の本体32と、サイドウォール6との間に位置している。ウィング30は、トレッド4の本体32及びサイドウォール6のそれぞれと接合している。ウィング30は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。
図1において、両矢印TTはトレッド4の厚さである。本発明においては、この厚さTTは、赤道面におけるトレッド4の内面からその外面(トレッド面24)までの長さで表される。なお、後述する主溝がタイヤ2の赤道(図1の符号EQで示されるトレッド面24上の位置)上に設けられている場合には、赤道面に近くかつこの主溝のない箇所において、計測される、トレッド4の厚さが、厚さTTとして用いられる。
このタイヤ2では、その性能の発揮の観点から、トレッド4の厚さTTは7.3mm以上が好ましい。大きな厚さTTによる質量及び転がり抵抗への影響を抑えるとの観点から、この厚さTTは11mm以下が好ましい。トレッド4での発熱を抑え、高速耐久性のさらなる向上の観点から、この厚さTTは10mm以下がより好ましく、9mm以下がさらに好ましく、8mm以下が特に好ましい。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。図示されていないが、クリンチ8はリムのフランジと当接する。
それぞれのビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア34と、このコア34から半径方向外向きに延びるエイペックス36とを備えている。コア34はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス36は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス36は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、第一プライ38及び第二プライ40からなる。第一プライ38及び第二プライ40は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。第一プライ38及び第二プライ40のそれぞれは、コア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
図示されていないが、第一プライ38及び第二プライ40のそれぞれは並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、1枚のプライから形成されてもよい。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層42及び外側層44からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層42の幅は外側層44の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層42及び外側層44のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層42のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層44のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト14の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト14が、3以上の層を備えてもよい。
バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド16の幅はベルト14の幅よりも大きい。図示されていないが、このバンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト14が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14及びバンド16は、補強層46を構成している。補強層46は、トレッド4の半径方向内側に位置している。言い換えれば、このタイヤ2はトレッド4の半径方向内側に位置する補強層46を備えている。このタイヤ2では、ベルト14のみから、補強層46が構成されてもよい。バンド16のみから、補強層46が構成されてもよい。
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー18は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
ぞれぞれのクッション層20は、ベルト14の端の近傍において、カーカス12と積層されている。クッション層20は、軟質な架橋ゴムからなる。クッション層20は、ベルト14の端の応力を吸収する。このクッション層20により、ベルト14のリフティングが抑制される。
それぞれのチェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー22は布とこの布に含浸したゴムとからなる。このチェーファー22が、クリンチ8の材質と同じ材質で構成されてもよい。この場合、チェーファー22はクリンチ8と一体である。
図2には、このタイヤ2のトレッド面24の一部が示されている。この図2において、上下方向がタイヤ2の周方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の半径方向である。
このタイヤ2のトレッド4には、複数の溝48が刻まれている。これらの溝48により、トレッドパターンが形成されている。トレッド面24のうち、溝48以外の部分は、ランドとも称される。
図2から明らかなように、赤道面からトレッド4の一方の端TE1(以下、第一端)までのゾーンZ1(以下、第一ゾーン)におけるトレッドパターンと、この赤道面からトレッド4の他方の端TE2(以下、第二端)までのゾーンZ2(以下、第二ゾーン)におけるトレッドパターンとは相違している。このタイヤ2のトレッドパターンは、赤道面に対して対称ではない。このトレッドパターンは、赤道面に対して非対称である。このタイヤ2は、トレッド面24の第一端TE1が車輌の内側に位置し、このトレッド面24の第二端TE2がこの車輌の外側に位置するように、この車輌に装着される。
このタイヤ2では、トレッドパターンを構成する多数の溝48には、周方向に連続して延在する複数の主溝50が含まれている。言い換えれば、このタイヤ2のトレッド4には、周方向に延在する複数の主溝50が刻まれている。このタイヤ2の場合、トレッド4には、3本の主溝50が刻まれている。本明細書においては、この図2の紙面において、最も右側に位置する主溝50aが第一主溝とも称され、この第一主溝50aの左側に位置する主溝50bが第二主溝とも称され、この第二主溝50bのさらに左側に位置する主溝50cが第三主溝とも称される。
このタイヤ2では、第一ゾーンZ1に含まれる主溝50の数は第二ゾーンZ2に含まれる主溝50の数よりも多い。これは、タイヤ2が直進走行をしている状態において、車輌内側の第一ゾーンZ1における接地面積が、車輌外側の第二ゾーンZ2における接地面積よりも大きくなるように、接地面が形成されるからである。
図2において、両矢印WTはトレッド面24の幅である。この幅WTは、トレッド面24の第一端TE1からその第二端TE2までの長さで表される。両矢印WGは、主溝50の幅である。この幅WGは主溝50の一方の縁52からその他方の縁52までの長さで表される。
このタイヤ2では、トレッド面24の幅WTに対する主溝50の幅WGの比率は6%以上である。これにより、主溝50に十分な幅WGが確保される。このタイヤ2では、主溝50が排水性に寄与する。このタイヤ2では、良好な排水性が達成される。主溝50の幅WGは、トレッド面24の接地面積に影響する。この接地面請を十分に確保するとの観点から、この比率は15%以下が好ましい。
図3には、図2における第一主溝50aの一部が示されている。この図3において、上下方向がタイヤ2の周方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の半径方向である。図4には、図3のIV−IV線に沿った断面が示されている。この図4においては、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
主溝50は、底54と一対の側壁56とを備えている。それぞれの側壁56は、底54から半径方向略外向きに延在している。側壁56と底54とは、角58を構成している。言い換えれば、側壁56と底54との間は角58である。図4から明らかなように、側壁56と底54との間の角58、すなわち、主溝50の角58は丸めとされている。図4において、矢印Raはこの角58の曲率半径である。このタイヤ2では、この角58を表す円弧の曲率半径Raは1mm以上4mm以下である。
図4において、両矢印DGは主溝50の深さである。この深さDGは、トレッド面24から主溝50の底54までの長さで表される。底54が平坦でない場合は、この深さDGは最大深さで表される。この図4において、両矢印TGは主溝50の底54から補強層46までの厚さを表している。この厚さTGは溝底ゲージとも称される。主溝50の底54が平坦でない場合は、この厚さTGは最小厚さで表される。
このタイヤ2では、主溝50の深さDGは6mm以上である。これにより、主溝50に十分な深さDGが確保される。このタイヤ2では、主溝50が排水性に寄与する。このタイヤ2では、良好な排水性が達成される。この観点から、この深さDGは6.0mm以上が好ましく、7.0mm以上がより好ましい。
前述したように、トレッド4の半径方向内側には補強層46が位置している。主溝50に大きな深さDGが採用されると、主溝50の底54が割れ、この補強層46が露出する恐れがある。このタイヤ2では、好ましくは、厚さTGは1.3mm以上に設定される。これにより、主溝50の底54から補強層46までの厚さが適切に確保され、この補強層46の露出が防止される。この観点から、このタイヤ2では、厚さTGが1.3mm以上確保できるよう、トレッド4の厚さを考慮し、主溝50の深さDGが適切に調整される。主溝50の深さDGは厚さTGを考慮して決められるので、この主溝50の深さDGの好ましい上限は設定されない。
このタイヤ2では、主溝50の幅WGはこの主溝50の深さDGと同等である又は、この主溝50の幅WGはこの主溝50の深さDGよりも大きい。このタイヤ2では、小さな厚さTTを有するトレッド4を採用しても、この主溝50が排水性に効果的に寄与する。このタイヤ2では、良好な排水性を維持しつつ、高速耐久性のさらなる向上が達成される。この観点から、主溝50の幅WGはこの主溝50の深さDGよりも大きいのが好ましい。より詳細には、幅WGの深さDGに対する比は、1.1以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましい。接地面積への主溝50の影響が抑えられるとの観点から、この比は2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましい。
このタイヤ2では、主溝50には、ウェアインジゲータ60(以下、インジゲータ)が設けられている。一本の主溝50には通常、複数のインジゲータ60が設けられる。これらのインジゲータ60は、周方向に、間隔をあけて配置される。この間隔は、タイヤ2の仕様に応じて、適切に決められる。
インジゲータ60は、主溝50の底54から半径方向外向きに突出している。言い換えれば、インジゲータ60は主溝50の底54の一部が隆起することにより構成されている。図4から明らかなように、インジゲータ60は主溝50の一方の側壁56とその他方の側壁56とを架け渡している。このタイヤ2では、インジゲータ60の頂面62は平坦である。この頂面62は、主溝50の底54とほぼ平行である。この頂面62と側壁56とは、角64を構成している。言い換えれば、頂面62と側壁56との間は角64である。図4から明らかなように、頂面62と側壁56との間の角64、すなわちインジゲータ60の角64は丸めとされている。図4において、矢印Rbはこの角64の曲率半径である。このタイヤ2では、この角64を表す円弧の曲率半径Rbは1mm以上4mm以下である。
図4において、両矢印HWはインジゲータ60の高さである。この高さHWは主溝50の底54からインジゲータ60の頂面62までの高さで表される。主溝50の底54が平坦でない場合は、この高さHWは最大高さで表される。
前述したように、トレッド4は架橋ゴムからなる。トレッド4は、使用により摩耗する。摩耗は、浅い主溝50を招来する。浅い主溝50は、排水性に影響する。排水性が低下すると、ハイドロプレーニング現象が生じる恐れがある。
このタイヤ2では、インジゲータ60の頂面62はトレッド面24よりも半径方向内側に位置している。トレッド4が摩耗すると、このインジゲータ60の頂面62がタイヤ2の表面にやがて露出する。このタイヤ2では、インジゲータ60の高さHWは、これ以上摩耗が進むと排水性が低下する恐れのある、溝48、詳細には主溝50の深さに合わせられる。ドライバーは、ウェアインジゲータ60の露出の程度を確認することにより、摩耗の程度を把握することができる。通常タイヤ2では、この高さHWは1.5mmから2.0mmの範囲で設定される。このタイヤ2では、インジゲータ60の高さHWは1.7mmである。
このタイヤ2では、インジゲータ60には薄膜状のつなぎ66が設けられている。詳細には、このタイヤ2のインジゲータ60には4のつなぎ66が設けられている。図4から明らかなように、これらのつなぎ66はインジゲータ60の半径方向外側に位置している。それぞれのつなぎ66は、インジゲータ60及び主溝50の側壁56と連結している。
つなぎ66は、側壁56とインジゲータ60との間を架け渡す縁68を備えている。この縁68の輪郭は、半径方向において内向きに凸な形状を呈している。このタイヤ2では、縁68の輪郭は円弧である。
このタイヤ2では、インジゲータ60には、つなぎ66は複数設けられる、図1−4に示されたタイヤ2では、一のインジゲータ60に対して、4つのつなぎ66が設けられている。これらのつなぎ66のうち、2つのつなぎ66aは、インジゲータ60と連結している。さらにこの2つのつなぎ66aは、トレッド面24の第一端TE1の側に位置する側壁56a(以下、第一側壁)とも連結している。残りの2つのつなぎ66bは、インジゲータ60と連結している。さらにこの残りの2つのつなぎ66bは、トレッド面24の第二端TE2の側に位置する側壁56b(以下、第二側壁)とも連結している。なお、本発明においては、第一側壁56aの側に位置するつなぎ66aは第一つなぎと称され、第二側壁56bの側に位置するつなぎ66bは第二つなぎと称される。
このタイヤ2では、一のインジゲータ60に設けられる複数のつなぎ66は、複数の第一つなぎ66aと、複数の第二つなぎ66bとを含んでいる。図3に示されているように、これらの第一つなぎ66aは、周方向に間隔をあけて配置される。これらの第二つなぎ66bは、周方向に間隔をあけて配置される。一のインジゲータ60に設けられる第一つなぎ66aの数及び第二つなぎ66bの数は、タイヤ2に設けられるインジゲータ60の大きさに応じて適宜決められる。
図3において、両矢印D1は一の第一つなぎ66aと、周方向においてこの一の第一つなぎ66aの隣に位置する他の第一つなぎ66aとの間隔を表している。このタイヤ2では、第一つなぎ66aの形成の容易の観点から、この間隔D1は2mm以上が好ましい。なお、この間隔D1はインジゲータ60の大きさ及びこのインジゲータ60設ける第一つなぎ66aの数によって決められるので、この間隔D1の好ましい上限については特に設定されない。
図3において、両矢印D2は一の第二つなぎ66bと、周方向においてこの一の第二つなぎ66bの隣に位置する他の第二つなぎ66bとの間隔を表している。このタイヤ2では、第二つなぎ66bの形成の容易の観点から、この間隔D2は2mm以上が好ましい。なお、この間隔D2はインジゲータ60の大きさ及びこのインジゲータ60設ける第二つなぎ66bの数によって決められるので、この間隔D2の好ましい上限については特に設定されない。
図4において、符号P1aは第一つなぎ66aの縁68と第一側壁56aとの境界である。符号P1bは、この第一つなぎ66aの縁68とインジゲータ60の頂面62との境界である。
このタイヤ2では、第一つなぎ66aの縁68は境界P1aにおいて第一側壁56aと接している。この第一つなぎ66aの縁68は、境界P1bにおいて、インジゲータ60の頂面62と接している。この第一つなぎ66aの縁68の輪郭を表す円弧の中心位置は、この第一つなぎ66aの縁68が境界P1aにおいて第一側壁56aと接し、境界P1bにおいてインジゲータ60の頂面62と接するように、設定される。
図4において、符号P2aは第二つなぎ66bの縁68と第二側壁56bとの境界である。符号P2bは、この第二つなぎ66bの縁68とインジゲータ60の頂面62との境界である。
このタイヤ2では、第二つなぎ66bの縁68は境界P2aにおいて第二側壁56bと接している。この第二つなぎ66bの縁68は、境界P2bにおいて、インジゲータ60の頂面62と接している。この第二つなぎ66bの縁68の輪郭を表す円弧の中心位置は、この第二つなぎ66bの縁68が境界P2aにおいて第二側壁56bと接し、境界P2bにおいてインジゲータ60の頂面62と接するように、設定される。
本発明では、特に言及がない限り、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以上説明されたタイヤ2は、次のようにして製造される。このタイヤ2の製造では、インナーライナー18、カーカス12、ビード10等の複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ2)が準備される。このローカバーが、モールドに投入される。モールドは、トロイダル状のキャビティ面を備えている。このキャビティ面は、タイヤ2の外面を形作る。ローカバーの外面は、このキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。このタイヤ2の製造方法は、(1)ローカバーを準備する工程、(2)ローカバーをモールドに投入する工程、及び、(3)モールド内で、ローカバーを加圧及び加熱する工程を含んでいる。
図5には、このタイヤ2の製造のために用いられるモールド70のキャビティ面72の一部が示されている。この図5において、上下方向がタイヤ2の周方向に相当し、左右方向がタイヤ2の軸方向に相当し、紙面との垂直方向がタイヤ2の半径方向に相当する。この図5に示されているモールド70の部分は、図3に示されたインジゲータ60の部分を形作る。なお、この図5の紙面の表側はタイヤ2の半径方向内側に相当し、この紙面の裏側はタイヤ2の半径方向外側に相当する。
図6には、図5のVI−VI線に沿ったモールド70の断面が示されている。図7には、図5のVII−VII線に沿ったモールド70の断面が示されている。図6においては、上下方向がタイヤ2の半径方向に相当し、左右方向がタイヤ2の軸方向に相当し、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向に相当する。図7においては、上下方向がタイヤ2の周方向に相当し、左右方向がタイヤ2の半径方向に相当し、紙面との垂直方向がタイヤ2の軸方向に相当する。
このモールド70では、キャビティ面72は突条74を備えている。この突条74は、周方向に延在している。この突条74は、半径方向内向きに突出している。この突条74は、頂面76と、一対の側面78とを備えている。それぞれの側面78は、頂面76から半径方向略外向きに延在している。詳細には、側面78は半径方向に対して傾斜している。この側面78の傾斜角度(図6に示された角度α1及び角度α2)の絶対値は、通常、5°から25°の範囲で設定される。このモールド70では、頂面76と側面78とは角80を構成している。図6から明らかなように、頂面76と側面78との角80、すなわち突条74の角80は丸めとされている。突条74は、タイヤ2の主溝50を形作る。頂面76は、主溝50の底54を形作る。側面78は、主溝50の側壁56を形作る。
突条74は、主窪み82をさらに備えている。主窪み82は、突条74の頂面76から半径方向外向きに凹んでいる。主窪み82は、底84と、一対の斜面86とを備えている。それぞれの斜面86は底84から突条74の頂面76に向かって延在している。斜面86は、半径方向に対して傾斜している。この斜面86の傾斜角度(図7に示された角度β1及び角度β2)の絶対値は、通常、50°から70°の範囲で設定される。この主窪み82の底84と突条74の側面78とは、角88を構成している。図6から明らかなように、窪み82の底84と突条74の側面78との間の角88、すなわち主窪み82の角88は丸めとされている。このモールド70では、主窪み82はタイヤ2のインジゲータ60を形作る。
主窪み82は、副窪み90をさらに備えている。副窪み90は、主窪み82の底84からさらに半径方向外向きに凹んでいる。この副窪み90は、インジゲータ60のつなぎ66を形作る。この副窪み90は、このつなぎ66の縁68を形作るための底92を有している。前述したように、つなぎ66の縁68の輪郭は円弧で表される。したがって、この副窪み90の底92も円弧で表される。
前述したように、このタイヤ2の製造では、ローカバーは、モールド70に投入され、このモールド70内で加圧及び加熱される。このとき、モールド70のキャビティ面72はローカバーと当接する。キャビティ面72の突条74は、ローカバーにめり込んでいく。
このタイヤ2の製造では、突条74がローカバーにめり込んでいくとき、この突条74の頂面76がローカバーと当接する。従来のモールドでは、この当接により、突条の主窪みはローカバーでふさがれてしまう。しかし本発明のモールド70では、前述したように、主窪み82は副窪み90を備えている。この副窪み90は、主窪み82の底84と突条74の側面78とで構成された角88に位置している。言い換えれば、この副窪み90は、主窪み82の底84と突条74の側面78との間の角88に位置している。そして副窪み90は、主窪み82よりもモールド70の外側にさらに近い位置にある。このため、この主窪み82とローカバーとの間の空間が密閉されるタイミングが、従来のモールドに比べてわずかに遅れる。上記空間にあるエアは、この副窪み90を通じてモールド70の外側に排出される。このモールド70では、この空間内にあるエアがゴムで十分に置き換えられる。このモールド70では、エアの残留によるゴム流れ不良が抑制される。前述したように、副窪み90はインジゲータ60のつなぎ66を形作る。つまりこのタイヤ2のつなぎ66は、エアの排出に寄与する。このタイヤ2では、エアの残留が抑えられる。エアの残留によるゴム流れ不良が抑制されるので、このゴム流れ不良によるベアの発生が効果的に抑えられる。本発明によれば、ベアの発生が抑えられた空気入りタイヤ2が得られる。
前述したように、このタイヤ2では、主溝50の深さDGは6mm以上である。主溝50の幅WGはこの主溝50の深さDGと同等である又は、この主溝50の幅WGはこの主溝50の深さDGよりも大きい。しかもトレッド面24の幅WTに対する主溝50の幅WGの比率は6%以上である。このタイヤ2の主溝50は、従来のタイヤの主溝の幅よりも大きな幅WGを有している。大きな幅WGを有する主溝50は、大きなインジゲータ60を招来する。このため、このタイヤ2のモールド70では、インジゲータ60のための主窪み82は従来のタイヤのモールドのそれに比べて大きい。大きな主窪み82は、エアの排出に不利に作用する。しかし前述したように、このモールド70には、この主窪み82に副窪み90がさらに設けられている。このため、主溝50に大きな幅WGを採用しているにもかかわらず、エアが十分に排出される。このタイヤ2では、エアの残留が抑えられる。エアの残留によるゴム流れ不良が抑制されるので、このゴム流れ不良によるベアの発生が効果的に抑えられる。本発明のつなぎ66は、主溝50に大きな幅WGを採用したタイヤ2において、さらに効果的に機能する。主溝50に大きな幅WGを採用してもベアの発生が抑えられるので、小さな厚さを有するトレッド4の採用が可能となり、高速耐久性の一層の向上を図ることができる。
前述したように、このタイヤ2では、つなぎ66がベアの発生を効果的に抑制する。このため、このタイヤ2の製造のためのモールド70には、ベアの防止のために、ベントホール等の排出手段を設ける必要がない。このような排出手段を設ける必要がないので、スピューの形成がない状態でタイヤ2が得られるうえに、モールド70のクリーニングにおいて、排出手段のメンテナンスをする必要もない。このタイヤ2は、生産性の向上にも寄与する。
このタイヤ2では、つなぎ66の縁68の輪郭に特に制限はない。しかしこのタイヤ2のように、その輪郭が円弧で表された縁68を有するつなぎ66は安定に形成される上に、エアの、モールド70の外側への効果的な誘導に寄与する。この観点から、このつなぎ66の縁68の輪郭は円弧で表されるのが好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、つなぎ66はインジゲータ60及び主溝50の側壁56と連結している。このつなぎ66は、側壁56の動きを拘束する。走行状態にあるタイヤ2において、このつなぎ66は主溝50の形態変化を抑える。このタイヤ2では、排水性の変動が小さいので、良好な排水性が安定に保持される。接地面の形態変化も抑えられるので、操縦安定性等の性能の変動も小さい。このタイヤ2では、操縦安定性等の性能が良好でかつ安定に保持される。
前述したように、このタイヤ2は、トレッド面24の第一端TE1が車輌の内側に位置するようにこの車輌に装着されるように構成されている。このタイヤ2のトレッド4には、このトレッド面24の第一端TE1からその第二端TE2に向かう方向に、力が作用しやすい傾向にある。接地面を安定に形成させ、操縦安定性等の性能を良好でかつ安定に保持するとの観点から、第二端TE2の側に設けられる第二つなぎ66bの数は、第一端TE1の側に設けられる第一つなぎ66aの数よりも多いのが好ましい。より詳細には、第二つなぎ66bの数と第一つなぎ66aの数との差は1以上が好ましく、2以上がより好ましい。つなぎ66の形成の容易の観点から、この差は5以下が好ましく、4以下がより好ましい。図8には、インジゲータ60の他の態様として、第一つなぎ66aの個数を1とし、第二つなぎ66bの個数を2とした、ウェアインジゲータ94が示されている。
図3において、両矢印T1は第一つなぎ66aの厚さを表している。両矢印T2は、第二つなぎ66bの厚さを表している。
このタイヤ2では、厚さT1は0.3mm以上1.2mm以下が好ましい。この厚さT1が0.3mm以上に設定されることにより、第一つなぎ66aがエアの排出及び第一側壁56aの拘束に効果的に寄与する。この観点から、この厚さT1は0.4mm以上がより好ましい。この厚さT1が1.2mm以下に設定されることにより、かけることなく第一つなぎ66aが形成できるとともに、この第一つなぎ66aによる質量への影響が抑えられる。この観点から、この厚さT1は1.1mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、厚さT2は0.3mm以上1.2mm以下が好ましい。この厚さT2が0.3mm以上に設定されることにより、第二つなぎ66bがエアの排出及び第二側壁56bの拘束に効果的に寄与する。この観点から、この厚さT2は0.4mm以上がより好ましい。この厚さT2が1.2mm以下に設定されることにより、かけることなく第二つなぎ66bが形成できるとともに、この第二つなぎ66bによる質量への影響が抑えられる。この観点から、この厚さT2は1.1mm以下がより好ましい。
図4において、矢印Rc1は第一つなぎ66aの縁68の輪郭を表す円弧の曲率半径である。矢印Rc2は、第二つなぎ66bの縁68の輪郭を表す円弧の曲率半径である。
このタイヤ2では、曲率半径Rc1は4mm以上が好ましい。これにより、第一つなぎ66aがエアの排出及び第一側壁56aの拘束に効果的に寄与する。この観点から、この曲率半径Rc1は5mm以上がより好ましい。大きな曲率半径Rc1は、大きな第一つなぎ66aを招来する。大きな第一つなぎ66aでは、副窪み90に十分にゴムを充填できず、かけが発生する恐れがあるとともに、この第一つなぎ66aは質量に影響する。この観点から、この曲率半径Rc1は10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、曲率半径Rc2は4mm以上が好ましい。これにより、第二つなぎ66bがエアの排出及び第二側壁56bの拘束に効果的に寄与する。この観点から、この曲率半径Rc2は5mm以上がより好ましい。大きな曲率半径Rc2は、大きな第二つなぎ66bを招来する。大きな第二つなぎ66bでは、副窪み90に十分にゴムを充填できず、かけが発生する恐れがあるとともに、この第二つなぎ66bは質量に影響する。この観点から、この曲率半径Rc2は10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましい。
前述したように、このタイヤ2の製造では、複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ2)が準備される。このローカバーの準備工程において、ゴム部材としてのトレッド4が、そのゴム組成物を押し出しして形成されることがある。この場合、押し出し機の口がねの形状は、トレッド4の断面形状に対応させられる。図示されていないが、この押し出しして形成したトレッド4の断面形状には、主溝50に対応する凹部が設けられる。そしてこの凹部の底の幅は、主溝50の底54の幅と同等以下に設定される。図4に示されているように、主溝50の底54は略平坦である。このため、この凹部の底も平坦に仕上げられるのが通常である。
前述したように、本発明によれば、タイヤ2につなぎ66を設けることでベアの発生が効果的に抑制される。エアの排出を一層促し、このベアの発生を一層効果的に抑えられるとの観点から、上記凹部の底に、0.3〜0.6mmの高さを有する突起を設けてもよい。さらには、この突起の断面形状を三角形としてもよい。これにより、エアの残留によるゴム流れ不良がより一層抑制されるので、このゴム流れ不良によるベアの発生がより一層効果的に抑えられる。
図9には、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ102の一部が示されている。この図9は、前述の図4に対応する図面である。この図9において、上下方向がこのタイヤ102の半径方向であり、左右方向がこのタイヤ102の軸方向であり、紙面との垂直方向がこのタイヤ102の周方向である。
このタイヤ102では、後述する、つなぎ以外は、図1に示されたタイヤ2と同等の構成を有している。このため、この図9において、図1のタイヤ2の部材と同一の部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
このタイヤ102のインジゲータ60には、図1に示されたタイヤ2と同様、薄膜状のつなぎ104が設けられている。このつなぎ104は、主溝50の側壁56とこのインジゲータ60とを連結している。このつなぎ104は、側壁56とインジゲータ60との間を架け渡す縁106を備えている。この縁106の輪郭は、半径方向において内向きに凸な形状を呈している。なお、この図9から明らかなように、側壁56及びインジゲータ60の頂面62の輪郭は直線である。側壁56及び頂面62は、平面で構成されている。なお、主溝50は、この側壁56と底54とを備えている。この側壁56と底54との間は角58である。角58の輪郭は円弧であり、この円弧の曲率半径Raは1mm以上4mm以下である。また側壁56と頂面62との間は角64であり、この角64の輪郭は円弧である。この円弧の曲率半径Rbは、1mm以上4mm以下である。
このタイヤ102では、つなぎ104の縁106は2つの平面108を備えている。言い換えれば、このつなぎ104の縁106の輪郭は、この2つの平面108にそれぞれ対応する、2本の直線を含んでいる。これらの平面108は、側壁56又は頂面62に対して傾斜している。側壁56に近い一方の平面108p(以下、第一平面)がこの側壁56に対してなす角度は、他方の平面108q(以下、第二平面)がこの側壁56に対してなす角度よりも小さい。又は、第一平面108pが頂面62に対してなす角度は、第二平面108qがこの頂面62に対してなす角度よりも大きい。
このタイヤ102では、第一平面108pと第二平面108qとは直接繋がっている。第一平面108pと第二平面108qとの間が丸めとされてもよい。第一平面108pと第二平面108qとの間に、別の平面が設けられてもよい。このタイヤ102では、側壁56と第一平面108pとは直接繋がっている。このタイヤ102では、この側壁56と第一平面108pとの間が丸めとされてもよいし、この側壁56と第一平面108pと間に、さらに別の平面が設けられてもよい。このタイヤ102では、第二平面108qと頂面62とは直接繋がっている。この第二平面108qと頂面62との間が丸めとされてもよいし、この第二平面108qと頂面62との間に、さらに別の平面が設けられてもよい。
図示されていないが、このタイヤ102も、図1に示されたタイヤ2と同様、モールドを用いて製作される。このモールドでは、つなぎ104の縁106に対応する副窪みの底以外は、図6に示されたモールド70と同等の構成を有する。特に図を示して説明はしないが、この副窪みの底は、つなぎ104の縁106に含まれる2つの平面108に対応する2つの平面を含んでいる、言い換えれば、この副窪みの底の輪郭は、つなぎ104の縁106の輪郭に対応している。
このタイヤ102においても、図1に示されたタイヤ2と同様、ウェアインジゲータ60と主溝50の側壁56とを連結するつなぎ104がエアの排出に寄与する。このタイヤ102では、エアの残留が抑えられる。エアの残留によるゴム流れ不良が抑制されるので、このゴム流れ不良によるベアの発生が効果的に抑えられる。しかもつなぎ104の縁106が2つの平面108を含んでいるので、つなぎ66の縁68の輪郭が円弧で表されたタイヤ2のためのモールド70に比べて、このタイヤ102のためのモールドの加工はさらに容易となる。この効果は、特に、モールドを手彫りで加工する場合において顕著である。このつなぎ104が側壁56の動きを拘束するので、走行状態にあるタイヤ102において、このつなぎ104は主溝50の形態変化を抑える。このタイヤ102では、排水性の変動が小さいので、良好な排水性が安定に保持される。接地面の形態変化も抑えられるので、操縦安定性等の性能の変動も小さい。このタイヤ102では、操縦安定性等の性能が良好でかつ安定に保持される。
図9において、符号PAは側壁56と第一平面108pとの境界である。側壁56と第一平面108pとの間に丸め、平面等が設けられている場合には、第一平面108pの延長線が側壁56(又はこの側壁56の延長線)と交差する位置が境界PAとして特定される。符号PBは、第二平面108qと頂面62との境界である。第二平面108qと頂面62との間に丸め、平面等が設けられている場合には、第二平面108qの延長線が頂面62(又はこの頂面62の延長線)と交差する位置が境界PBとして特定される。実線LABは、側壁56又は頂面62に対して傾斜して延在する仮想直線である。この直線LABは、境界PA及び境界PBを通る。この段落では、一方の側壁56bとインジゲータ60とを架け渡すつなぎ104bに基づいて、境界PA及び境界PB、並びに、直線LABについて説明したが、他方の側壁56aとインジゲータ60とを架け渡すつなぎ104aについても、同様にして、この境界PA及び境界PB、並びに、直線LABは特定される。
図9において、両矢印HHは頂面62からトレッド面24までの半径方向距離である。両矢印HAは、頂面62から境界PAまでの半径方向距離である。
このタイヤ2では、距離HHに対する距離HAの比は0.4以上0.6以下が好ましい。この比が0.4以上に設定されることにより、つなぎ104がエアの排出に効果的に寄与する。このつなぎ104が側壁56を拘束するので、主溝50の形態変化が抑えられる。しかも、このつなぎ104の加工は容易である。この観点から、この比は0.45以上がより好ましい。この比が0.6以下に設定されることにより、つなぎ104の大きさが適切に維持される。つなぎ104のための副窪みにゴムが十分に充填されるので、このつなぎ104には欠け等は生じにくい。この観点から、この比は0.55以下がより好ましい。特に好ましくは、この比は0.50である。
図9において、符号PTは頂面62が主溝50と交差する位置である。詳細には、頂面62の輪郭を表す直線の延長線が主溝50の輪郭を表す線と交差する位置である。両矢印WWは、一方の位置PTから他方の位置PT2までの軸方向距離である。この距離WWは、頂面62の長さでもある。両矢印WBは、位置PTから境界PBまでの軸方向距離である。
このタイヤ2では、距離WWに対する距離WBの比は0.1以上0.4以下が好ましい。この比が0.1以上に設定されることにより、つなぎ104がエアの排出に効果的に寄与する。このつなぎ104が側壁56を拘束するので、主溝50の形態変化が抑えられる。しかも、このつなぎ104の加工は容易である。この観点から、この比は0.20以上がより好ましい。この比が0.4以下に設定されることにより、つなぎ104の大きさが適切に維持される。つなぎ104のための副窪みにゴムが十分に充填されるので、このつなぎ104には欠け等は生じにくい。この観点から、この比は0.30以下が好ましい。特に好ましくは、この比は0.25である。
図9において、角度γは直線LABが側壁56に対してなす角度である。角度γaは、第一平面108pが側壁56に対してなす角度である。
このタイヤ2では、角度γに対する角度γaの比は0.4以上0.6以下が好ましい。この比が0.4以上に設定されることにより、つなぎ104がエアの排出に効果的に寄与する。このつなぎ104が側壁56を拘束するので、主溝50の形態変化が抑えられる。しかも、このつなぎ104の加工は容易である。この観点から、この比は0.45以上がより好ましい。この比が0.6以下に設定されることにより、つなぎ104の大きさが適切に維持される。つなぎ104のための副窪みにゴムが十分に充填されるので、このつなぎ104には欠け等は生じにくい。この観点から、この比は0.55以下がより好ましい。特に好ましくは、この比は0.50である。
図9において、角度ηは直線LABが頂面62に対してなす角度である。角度ηaは、第二平面108qが頂面62に対してなす角度である。
このタイヤ2では、角度ηに対する角度ηaの比は0.4以上0.6以下が好ましい。この比が0.4以上に設定されることにより、つなぎ104がエアの排出に効果的に寄与する。このつなぎ104が側壁56を拘束するので、主溝50の形態変化が抑えられる。しかも、このつなぎ104の加工は容易である。この観点から、この比は0.45以上がより好ましい。この比が0.6以下に設定されることにより、つなぎ104の大きさが適切に維持される。つなぎ104のための副窪みにゴムが十分に充填されるので、このつなぎ104には欠け等は生じにくい。この観点から、この比は0.55以下がより好ましい。特に好ましくは、この比は0.50である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−4に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、225/45ZR17である。この実施例1では、1の主溝に対して、9個のウェアインジゲータが形成された。それぞれのウェアインジゲータには、第一つなぎ及び第二つなぎが設けられた。このことが、下記の表1の排出手段の欄に「SC」で表されている。この第一つなぎ及び第二つなぎの仕様は、この表1の通りである。
[比較例1]
比較例1は、従来のタイヤである。この比較例1には、つなぎは設けられていない。このことが、下記の表1の排出手段の欄に「−」で表されている。
[比較例2]
つなぎを設けることなく、モールドの、ウェアインジゲータに対応する部分にベントホールを設けた他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。排出手段としてベントホールを採用したことが、下記の表1の排出手段の欄に「VP」で表されている。
[比較例3]
つなぎを設けることなく、ウェアインジゲータに凹部を設けた他は実施例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。排出手段として凹部を採用したことが、下記の表1の排出手段の欄に「凹部」で表されている。
[比較例4]
つなぎを設けることなく、ウェアインジゲータに凸部を設けた他は実施例1と同様にして、比較例4のタイヤを得た。この凸部は、実施例1のつなぎのように、主溝の側壁とは連結されていない。この比較例4において、排出手段として凸部を採用したことが、下記の表1の排出手段の欄に「凸部」で表されている。
[実施例2−6]
第一つなぎの縁の輪郭を表す円弧の曲率半径Rc1、及び、第二つなぎの縁の輪郭を表す円弧の曲率半径Rc2を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−6のタイヤを得た。
[実施例7−10]
第一つなぎの厚さT1、及び、第二つなぎの厚さT2を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7−10のタイヤを得た。
[実施例11−14]
第一つなぎの個数、及び、第二つなぎの個数を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例11−14のタイヤを得た。
[ベア及びスピューの発生]
試作タイヤ(10本)の外観を目視で観察し、ウェアインジゲータにおけるベア及びスピューの発生状況を確認した。ベアについては、ウェアインジゲータ全数に対する、ベアの発生が確認されたウェアインジゲータの数の比率を、不良率として、算出した。スピューについては、発生の有無を確認した。これらの結果が、下記の表1−4に示されている。不良率に関しては、数値が小さいほどベアの発生が抑えられ好ましい。スピューについては、スピューの発生がなかった場合が「G」で、このスピューの発生があった場合が「NG」で表されている。
[排水性]
試作タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。このタイヤをインサイドドラム試験機に装着し、荷重5kN、スリップ角1°にて、水深5mmのアスファルトウエット路面で、走行テストを実施した。ハイドロプレーニングの発生速度を計測した。この結果が、指数として下記の表1−4に示されている。数値が大きいほど排水性に優れており好ましい。
[操縦安定性]
試作タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が4300ccである乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、操縦安定性を評価させた。この結果が、指数として下記の表1及び表4に示されている。数値が大きいほど好ましい。なお、この評価では、試作タイヤは、トレッド面の第一端TE1がこの乗用車の内側に位置するようにこの乗用車に装着されている。したがって、それぞれのウェアインジゲータの第一つなぎはこの乗用車の幅方向において内側に位置し、その第二つなぎはこの乗用車の幅方向において外側に位置している。
Figure 0006374915
Figure 0006374915
Figure 0006374915
Figure 0006374915
表1−4に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたウェアインジゲータのつなぎは、種々の車輌のためのタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
24・・・トレッド面
46・・・補強層
48・・・溝
50・・・主溝
52・・・主溝の縁
54・・・主溝の底
56、56a、56b・・・主溝の側壁
60・・・ウェアインジゲータ
62・・・ウェアインジゲータの頂面
64・・・ウェアインジゲータの角
66、66a、66b・・・つなぎ
68・・・つなぎの縁
70・・・モールド
72・・・キャビティ面
74・・・突条
76・・・頂面
78・・・突条の側面
82・・・主窪み
84・・・底
88・・・主窪みの角
90・・・副窪み
92・・・底
94・・・他の態様としてのウェアインジゲータ
102・・・タイヤ
104、104a、104b・・・つなぎ
106・・・縁
108、108p、108q・・・平面

Claims (7)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドを備えており、
    上記トレッドに、周方向に延在する主溝が刻まれており、
    上記主溝の深さが6mm以上であり、
    上記主溝の幅がこの主溝の深さと同等である又は、この主溝の幅がこの主溝の深さよりも大きく、
    上記トレッド面の幅に対するこの主溝の幅の比率が6%以上であり、
    上記主溝にウェアインジゲータが設けられており、このウェアインジゲータがこの主溝の底から半径方向外向きに突出しており、
    上記ウェアインジゲータに薄膜状のつなぎが設けられており、このつなぎがこのウェアインジゲータの半径方向外側に位置しており、このつなぎがこのウェアインジゲータ及び上記主溝の側壁と連結しており、
    上記つなぎが上記ウェアインジゲータと上記側壁との間を架け渡す縁を備えており、
    上記縁の輪郭が円弧であり、
    上記円弧の曲率半径が4mm以上である、空気入りタイヤ。
  2. その外面がトレッド面をなすトレッドを備えており、
    上記トレッドに、周方向に延在する主溝が刻まれており、
    上記主溝の深さが6mm以上であり、
    上記主溝の幅がこの主溝の深さと同等である又は、この主溝の幅がこの主溝の深さよりも大きく、
    上記トレッド面の幅に対するこの主溝の幅の比率が6%以上であり、
    上記主溝にウェアインジゲータが設けられており、このウェアインジゲータがこの主溝の底から半径方向外向きに突出しており、
    上記ウェアインジゲータに薄膜状のつなぎが設けられており、このつなぎがこのウェアインジゲータの半径方向外側に位置しており、このつなぎがこのウェアインジゲータ及び上記主溝の側壁と連結しており、
    上記ウェアインジゲータに上記つなぎが複数設けられており、これらのつなぎが周方向に間隔をあけて配置されており、この間隔が2mm以上であり、
    上記複数のつなぎが、上記ウェアインジゲータと上記主溝の一方の側壁とを連結する第一つなぎと、このウェアインジゲータとこの主溝の他方の側壁とを連結する第二つなぎとを含んでおり、
    上記トレッド面の一方の端が車輌の内側に位置するように、このタイヤがこの車輌に装着されるように構成されているとき、上記第二つなぎの数が上記第一つなぎの数よりも多い、空気入りタイヤ。
  3. 上記つなぎの厚さが0.3mm以上1.2mm以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記トレッドの半径方向内側に補強層をさらに備えており、
    上記主溝の底からこの補強層までの厚さが1.3mm以上である、請求項1からのいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. その外面がトレッド面をなすトレッドを備えており、
    上記トレッドに、周方向に延在する主溝が刻まれており、
    上記主溝の深さが6mm以上であり、
    上記主溝の幅がこの主溝の深さと同等である又は、この主溝の幅がこの主溝の深さよりも大きく、
    上記トレッド面の幅に対するこの主溝の幅の比率が6%以上であり、
    上記主溝にウェアインジゲータが設けられており、このウェアインジゲータがこの主溝の底から半径方向外向きに突出しており、
    上記ウェアインジゲータに薄膜状のつなぎが設けられており、このつなぎがこのウェアインジゲータの半径方向外側に位置しており、このつなぎがこのウェアインジゲータ及び上記主溝の側壁と連結しており、
    上記つなぎが上記ウェアインジゲータと上記側壁との間を架け渡す縁を備えており、
    上記縁が2つの平面を備えており、これらの平面が上記側壁に対して傾斜しており、
    上記側壁に近い一方の平面がこの側壁に対してなす角度が、他方の平面がこの側壁に対してなす角度よりも小さい、空気入りタイヤ。
  6. トロイダル状のキャビティ面を備えており、
    上記キャビティ面が、周方向に延在する突条を有しており、
    上記突条が、その頂面から凹んだ主窪みを有しており、
    上記主窪みが、その底からさらに凹んだ副窪みを有しており、
    上記主窪みの底と上記突条の側面とにより、角が構成されており、
    上記副窪みが、上記角に位置しており、
    上記副窪みが底を有しており、
    上記副窪みの底が円弧で表されており、
    上記円弧の曲率半径が4mm以上である、空気入りタイヤの製造のためのモールド。
  7. ローカバーを準備する工程と、
    上記ローカバーをモールドに投入する工程と、
    上記モールド内で、上記ローカバーを加圧及び加熱する工程とを含んでおり、
    上記モールドが、トロイダル状のキャビティ面を備えており、
    上記キャビティ面が、周方向に延在する突条を有しており、
    上記突条が、その頂面から凹んだ主窪みを有しており、
    上記主窪みが、その底からさらに凹んだ副窪みを有しており、
    上記主窪みの底と上記突条の側面とにより、角が構成されており、
    上記副窪みが、上記角に位置しており、
    上記副窪みが底を有しており、
    上記副窪みの底が円弧で表されており、
    上記円弧の曲率半径が4mm以上である、空気入りタイヤの製造方法。
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