JP6372949B2 - 透水濾過装置、透水濾過装置を備えた擁壁、及び、透水濾過装置の挿入方法 - Google Patents
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また、本発明は、河川、海岸、道路、造成地等に設けられた擁壁の裏込め土中内に含有される浸透水を擁壁外に排水する透水濾過装置及び透水濾過装置の挿入方法に関する。
従来から、集中豪雨・長雨等による河川水位の上昇、高潮・津波による潮位の上昇などで、法面が形成された築堤、道路盛土の土中内に水が滞留して、築堤の決壊、道路盛土の崩壊が発生することを防止するために、法面から土中内部に向けて、側面に透水孔を有する集水管を打ち込み、土中内に浸透した水をこの集水管から法面外に排出する技術が知られている。造成地等に形成された法面や、擁壁においても、同様の理由により、法面内部の土中内部、擁壁背面の土中内部に向けて、側面に透水孔を有する集水管が打ち込まれている。
また、特許文献2には、集水パイプの外周面にスポンジからなる抵抗体を螺旋状に接着して、ケーシングパイプの内壁面に密着させながら挿入し、その後、ケーシングパイプを抵抗体の螺旋方向と逆方向に回転させながら抜管することが記載されている。
また、本発明においては、排水管本体の外周面に集水孔を開孔するとともに、排水管本体の先端部も開口して集水力を向上させ、また、排水管本体内部には、外周面に集水孔が開孔された軸管を挿着し、この軸管には、排水管本体に内接して挿着される透水濾過材を被装して、土中内の水に混入した土粒子を濾過することができる透水濾過装置を提供することを目的とする。
また、本発明においては、前記排水管本体の外周面に螺旋状の遮水プレートを設けることで、土中内の水が排水管本体の外周面と土壌の境界部に沿って流れることを防止し、土中内の水を、確実に排水管本体の集水孔から集水して、排水管本体内部あるいは軸管内部の導水溝から排水することができる透水濾過装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明においては、先端部が尖塔形状に形成された挿入用ガイドロッドを設け、排水管本体に挿入用ガイドロッドを挿着した際に、挿入用ガイドロッドの先端部が排水管本体の先端の開口部から突出することで、排水管本体の土中内への挿入を容易に行うことできる透水濾過装置の挿入方法を目的とする。
[透水濾過装置]
まず、本発明の第一実施形態の透水濾過装置の排水管本体について、図1(a)〜図1(d)を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の第一実施形態の透水濾過装置の排水管本体の右側面図である。図1(b)は、本発明の第一実施形態の透水濾過装置の排水管本体の正面断面図である。図1(c)は、本発明の第一実施形態の透水濾過装置の排水管本体の内部構造説明図である。図1(d)は、本発明の第一実施形態の透水濾過装置の変形例の斜視図である。
排水管本体2の先端部分は、先端開口部7aを有する円錐台形状の異径管7が溶接により接合されており、この先端開口部7aからも集水することができるので従来の排水管に比べ、集水力が格段に向上している。
また、上記の補強リングプレート8に設けられた鈎状爪9を、後述する軸管の後端部に接合されたエンドプレート5に開孔された嵌入口17に挿入することで、挿入時の不要な回転の防止も兼用している。
軸管10の後端部には、複数の嵌入口17、ハンドル14、排水口6が設けられたエンドプレート5が取り付けられている。
なお、第二実施例として後述するが、軸管10を設けずに、排水管本体2に透水濾過材2を挿着した構成でも、所定の透水濾過作用を奏することができる。
遮水プレート51を設ける理由を以下に説明する。
図2(a)は、透水濾過軸管13の内部構造を説明する図である。透水濾過軸管13は、主に、透水濾過材12と軸管10とで構成されている。軸管10は、排水管本体2と同様に、先端部が開口され、外周面に複数の集水孔15が開孔されている。軸管10には、外周全体に亘って、透水濾過材12が被装されている。なお、軸管10の先端部は開口されているが、この先端開口部10aには透水濾過材12と同様の透水濾過材12aが埋設されており、これにより、先端開口部10aからの土粒子が濾過され、軸管10内部へ流入することを防ぐことができる。軸管10の後端部にはハンドル14を有するエンドプレート5が接合されている。軸管10の後端下部には、軸管排水口16が開孔されている。軸管10の先端開口部10aあるいは集水孔15から集水されて濾過された水分は、この軸管排水口16から排水され、さらに、エンドプレート5の排水口6から法面外あるいは擁壁外に排水される。軸管10の底部にも、排水管本体2の底部に設けられた導水溝4と同様の導水溝が設けられている
断面鍔状の透水濾過材12の内径は、軸管10の外径とほぼ同じである。このため、透水濾過軸管13を排水管本体2に挿着したときに、排水管本体2と軸管10との隙間は透水濾過材12で充填される。この結果、排水管本体2の先端開口部7aは、透水濾過材12と透水濾過材12aとで充填されることになる。
軸管10の後端部にはエンドプレート5が溶接接合されており、このエンドプレート5には、複数の嵌入口17と、排水口6と、ハンドル14が設けられている。
本発明において、排水管本体2の先端部は円錐台状に開口されている。従って、このまま、土中内に挿入することは非常に困難であり、挿入したとしても開口部から土粒子が入り込んでいるため、透水濾過軸管13の挿着ができない。
挿入用ガイドロッド18の先端部の形状は、尖塔形状の他、円錐形状、あるいは、多角錐形状でもよく、挿入ガイドロッド18を土中内に挿入する際に抵抗が少なくなるような形状であれば、特に限定されない。
排水管本体2を土中内に挿入する際に、排水管本体2が単独回転しないように排水管本体2後方部の補強リングプレ−ト8端に2箇所以上の突出した鈎状爪9を、鍔20の内周面に開けた嵌入口21に挿入して回転を防止する。また、挿入用ガイドロッド18を引き抜く際には、はみ出し部18aの貫通孔19に脱着用ハンドル22を挿入して回転させながら引き抜く。
さらには、挿入用ガイドロッツド18後方端部に挿入機械b1が装着可能なアタッチメント23を嵌入する。アタッチメント23の凹部分にも貫通孔23a,23aが開けられており、挿入用ガイドロッド18のはみ出し部18aにアタッチメント23の凹部を嵌合し、貫通孔19に連結ピン24を挿入して接続可能とした。連結ピン24は、ボルト・ナット対でもよい。
アタッチメント23の後端部には、挿入機械b1に接触し、挿入する際の衝撃吸収用の緩衝パッキン25が設けられている。
図4を参照しながら、透水濾過装置1、50の挿入機械b1を用いた土中内への挿入方法を説明する。図4(a1)、図4(a2)、図4(a3)、図4(a4)は、透水濾過装置1の挿入方法を示し、図4(b1)、図4(b2)、図4(b3)、図4(b4)は、透水濾過装置50の挿入方法を示している。
最後に、図5を参照しながら、本発明の第一実施形態の透水濾過装置の擁壁への挿入について説明する。
図5(a)は、擁壁の施工と同時に透水濾過装置1を擁壁内を介して、擁壁背面の土中内部に設置する技術を説明する図である。図5(a)には、擁壁a3と、擁壁a3背面の土中a2と、擁壁背面の土中a2の上部に形成された法面a1が示されている。擁壁a3はコンクリート製である。擁壁a3を形成する過程で、透水濾過装置1を設置しておき、擁壁a3内部の透水濾過装置1が埋設される範囲には、保護材Pを巻き付けておく。
次に、まず、本発明の第二実施形態の透水濾過装置について図6(a)〜図6(d)を参照しながら説明する。本発明の第二実施形態の透水濾過装置は、第一実施形態の透水濾過装置1において、軸管10を設けない点が大きく異なっている。排水管本体は第一実施形態と同様であるので説明を省略し、ここでは、内部に設けられた透水濾過材本体と関連する部材について説明する。図6(a)は、透水濾過材本体60の右測面の断面図であり、図6(b)は、透水濾過材本体の斜視図であり、図6(c)は、図6(a)のB−B’断面図であり、図6(d)は、透水濾過材本体のエンドキャップの斜視図である。
2 排水管本体
3,15 集水孔
4 導水溝
5 エンドプレート
6 排水口
7 異径管
7a,10a,63 先端開口部
8 補強リングプレート
9 鈎状爪
10 軸管
11 止爪
12,12a,62 透水濾過材
13 透水濾過軸管
14 ハンドル
16 軸管排水口
17 嵌入口
18 挿入用ガイドロッド
18a はみ出し部
19 貫通孔
20 鍔
21 嵌入口
22 脱着用ハンドル
22a 固定取手
22b 脱着式取手
22c シャフト
23 アタッチメント
24 連結ピン
25 緩衝パッキン
26,27 挿通孔
61 透水濾過材本体
64 先端透水濾過材
65 後端開口部
66 エンドキャップ
67 ソケット
a1 法面
a2 擁壁背面土中
a3,a31 擁壁
b1 挿入機械
b2 簡易軌条
b3 移動台車
b4 反力受け台
b5 推進機
Claims (6)
- 先端部が開口され外周面に複数の集水孔が開孔された排水管本体と、
先端部が開口され外周面に複数の集水孔が開孔された軸管と、
前記排水管本体に内接して前記軸管に被装されて、前記軸管とともに前記排水管本体内に着脱可能に挿入されている透水濾過材とを備え、
前記排水管本体の後端部外周には、鈎状爪が設けられた補強リングプレートが接合されており、
前記軸管の後端部には、嵌入口が開孔されたエンドプレートが接合されており、
前記軸管を前記排水管本体に挿入した状態で、前記嵌入口を前記鈎状爪に嵌入して前記エンドプレートを正逆回転させることで、前記軸管が前記排水管本体に着脱可能に構成されている
ことを特徴とする透水濾過装置。 - 前記排水管本体の土中内への挿入の際に、
先端部が尖塔形状に形成され、前記排水管本体よりも長く形成された挿入用ガイドロッドが、前記排水管本体に着脱可能に挿入されており、
前記挿入用ガイドロッド先端の尖塔形状部の少なくとも最大径部は、前記排水管本体先端部に形成された異径管の内壁面に当接されている
ことを特徴とする請求項1に記載の透水濾過装置。 - 前記軸管の外周面に前記透水濾過材を係止する手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透水濾過装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の透水濾過装置を備えた
ことを特徴とする擁壁。 - 先端部が開口され、外周面に複数の集水孔が開孔された排水管本体に、先端部が尖塔形状に形成された挿入用ガイドロッドを挿入する第1のステップと、
前記排水管本体に前記挿入用ガイドロッドが挿入された状態で、前記排水管本体及び前記挿入用ガイドロッドの土中内への挿入が行われる第2のステップと、
該第2のステップが完了した後に、前記挿入用ガイドロッドが前記排水管本体から抜管される第3のステップと、
該第3のステップが完了した後に、透水濾過材が装着された軸管を前記排水管本体内に着脱可能に挿入する第4のステップとを備え、
前記第4のステップにおいて、前記排水管本体の後端部外周に接合された補強リングプレートに設けられた鈎状爪に、前記軸管後端部に接合されたエンドプレートに開孔された嵌入口を嵌入して前記エンドプレートを回転させて、前記透水濾過材が装着された軸管を前記排水管本体に着脱可能に取付けるステップを備えている
ことを特徴とする透水濾過装置の挿入方法。 - 前記第2のステップにおいて、前記挿入用ガイドロッドの先端部に設けられた尖塔形状部の少なくとも最大径部を、前記排水管本体先端部に形成された異径管の内壁面に当接するステップを備えている
ことを特徴とする請求項5に記載の透水濾過装置の挿入方法。
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