JPH11140891A - 地中埋設用の導水装置およびそれに用いる充填材 - Google Patents

地中埋設用の導水装置およびそれに用いる充填材

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JPH11140891A
JPH11140891A JP32031397A JP32031397A JPH11140891A JP H11140891 A JPH11140891 A JP H11140891A JP 32031397 A JP32031397 A JP 32031397A JP 32031397 A JP32031397 A JP 32031397A JP H11140891 A JPH11140891 A JP H11140891A
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pipe
filler
underground water
guide device
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JP32031397A
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Kenzo Murakami
謙三 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水抜きパイプなどに代えて、土などが流出し
にくく、土圧による変形が少なく、排水の効率が高い埋
設用の導水装置を提供する。 【解決手段】 擁壁や河川・海岸の護岸に埋設され、地
中の水を外部に排出するための導水装置であって、地中
の水を内部に導水するための導水孔2を多数穿孔したパ
イプ3と、このパイプ2内に軸方向に充填された円柱状
の充填材4とからなり、その填材4が中心のロープ5
と、その周囲の合成樹脂片6と、それらの周囲に巻かれ
た不織布7およびネット8とからなる、地中埋設用の導
水装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地中埋設用の導水装
置に関する。さらに詳しくは、道路沿いの擁壁や、河川
・海岸の護岸などに埋設して、地中にしみ込んだ水を抜
き出すための地中埋設用の導水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11aは家屋51や構造物が建築され
る基礎下部土52の側部に断面が略L型の擁壁53が設
けられている場合を示し、また図11bは同様に断面が
略台形状の重力式の擁壁53が設けられている場合を示
している。図11aおよび図11bに示すように、一般
的に擁壁53には多数の水抜きパイプ54が貫通するよ
うに配設されている。それらの水抜きパイプ54の一端
は基礎下部土52側に埋設され、他端は擁壁53の表面
より空中に突出している。なお、図11a〜bでは図示
していないが、擁壁53の内側には多数の小石や礫など
が設けられている。
【0003】前記各種の水抜きパイプ54を配設してい
る場合でも、基礎下部土52が粘性土・シルト質の場
合、雨水などの水が水抜きパイプ54より抜けにくい。
また、砂や土が水抜きパイプ54に詰まって水が抜けに
くくなることもある。それによって土圧が上昇し、図中
の白抜きの矢印に示すように擁壁53を外側に押すと、
矢印に示すように家屋51や構造物の沈下も生じる。ま
た、擁壁53の押し出しにより、図中の二点鎖線に示す
ように擁壁53が倒壊するという事故も発生し得る。か
かる場合には、人身事故が発生する虞もあり、危険な状
態となる。そのため、水抜きパイプ54の役割は重大で
あり、水抜きの効率を向上させるために従来より種々の
工夫がなされている。
【0004】他方、砂質土を含む土質においては、水抜
きパイプ54より水が排出されるときに土粒子も流出す
る問題がある。そしてこれにより、構造物や家屋51の
沈下が起こるという問題がある。たとえば図11aや図
11bにおいて、擁壁53が倒れなくても、家屋51の
下部の土が流れると、家屋が矢印のように沈下したり、
あるいは傾いたりする。とくに図11bに示す水抜きパ
イプ54は、水の排出を容易にするために外側に下降す
るように傾斜して配設している。そのため、砂、土など
も流出し易くなり、上述の地盤沈下を助長することにな
る。
【0005】図12aは河川・海岸の護岸56を示して
いる。護岸56の外側には多数の積石57が配設され、
前記擁壁53の場合と同様に護岸56にも多数の水抜き
パイプ54が配設されている。なお積石57の内側に
は、コンクリート、栗石などが埋設され、その背後の土
を保護している。このような河川・海岸の護岸56は、
近年においては水抜きパイプ54を設置しない方向に向
いている。この原因は、水面の上下に伴って水抜きパイ
プ54を通して護岸56の背後の土が排出されるとい
う、いわゆる「吸い出し」の減少が生ずるためである。
【0006】この吸い出しは以下のようにして生ずる。
すなわち河川58や海面の水位が通常の状態(図12
a)から、降雨により河川58が増水し、あるいは満潮
により海面が上昇すると(図12b)、水位が水抜きパ
イプ54の開口端よりも上昇する。そうすると、河川5
8の水が水抜きパイプ54を介して地中59に逆流す
る。そのため、護岸56の地中59は水分を多く含んで
しまう。その後、水位が低下し(図12c)、水抜きパ
イプ54の開口部より下がると、地中59から水抜きパ
イプ54を介して水が河川58側に流出する。この時、
水と共に砂、土なども水抜きパイプ54を通って流出す
る。これがいわゆる吸い出しの現象である。そしてその
繰り返しにより、地中59の部分に空洞部60ができ、
護岸56の地盤沈下が発生するという問題がある。その
ため近時は護岸に水抜きパイプを設けないことが多い。
しかし、現状においても、護岸56の背面水を処理しな
ければならない箇所が多数存在している。
【0007】前記水抜きパイプ54には種々の物があ
り、使用場所や用途に応じて使い分けられている。たと
えば図13aは塩化ビニル樹脂製のパイプをそのまま水
抜きパイプ54に利用する場合を示しており、このもの
は図11aの宅地造成用の擁壁53に使用され、一端か
ら侵入した水を他端から排出することができる。塩化ビ
ニルパイプには、肉厚の厚いものと、薄いものとがある
(VP、VU)が、土圧などに応じていずれも使用され
る。しかし地盤がシルト層や粘土質の場合は、前述のよ
うに水が通りにくく、充分な水抜き作用が得られない。
【0008】そのような地盤では、パイプの吸水性能を
向上させるため、図13bに示すように周面に多数の孔
61を穿設して、吸水性能を向上させた水抜きパイプ5
4が使用される。孔61の径は、砂や小石などを侵入さ
せないように通常5〜6mmとしており、この孔61を
介して地中に含まれた水を水抜きパイプ54内に導入
し、パイプの端部開口から外部に排水するようにしてい
る。このものは孔61から砂などが侵入しやすく、土や
砂を流しやすい。そのため出口に金網を張ったり木栓を
詰めて水だけを流すように工夫する場合もある。しか
し、その場合は粘土や砂が内部が詰まりやすい。
【0009】図14aはいわゆる「ネトロンパイプ」と
呼ばれている水抜きパイプ54であり、内部を溝62と
した突条63をパイプ外面に螺旋状に一体に形成したも
のである。このものの周面にも、水を流入させる孔61
が多数穿孔されている。この水抜きパイプ54では、開
口部や孔61から侵入した土などで内部に詰まりが生じ
ても、突条63内の溝に沿って水をある程度排出するこ
とができる。しかしこのものも内部に土などが詰まる
と、水が充分に流れず、所期の機能を発揮しなくなる。
【0010】図14bに示す水抜きパイプ54は、軸方
向に沿って幅が2〜3mm程度の多数のスリット65を形
成したものである。このものは図14aなどの孔61よ
りも細かな石、砂などの侵入を防止することができる。
また、図14cに示す水抜きパイプ54は、その周囲に
ネット66を被せており、それにより孔61から土など
が流入するのを防止している。なお、図14cにおいて
はネット66は粗く記載しているが、実際は防虫ネット
などと同程度に密となっている。
【0011】前記種々の水抜きパイプはいずれも基本的
に中空のパイプを使用するものであって、そのため、流
しやすくすると土砂を流し出して地盤を空洞にする半
面、通しにくくすると内部に土などが詰まる問題がある
という、ジレンマを内在している。また、空洞であるた
め、土圧で変形して断面積が減少し、一層詰まりやすく
なるという問題もある。
【0012】他方、農業用地などでは、シダや細竹を束
ねた、いわゆる「シガラ」を地中に長く埋設し、水路を
形成したり、水はけをよくしたりすることが行われてい
る。このものは、土圧により変形することもなく、土砂
を流し出すことも少なく、土砂が詰まりにくい。ただし
長期間には腐食するので、土を掘り返して交換する必要
がある。この考えを現代的にアレンジしたのが図15に
示す暗渠式の導水路68である。その導水路68は暗渠
の69の下側中心部に図13bの水抜きパイプ54と同
様の孔を有する導水パイプ70を配置し、その周囲をジ
ャリ71で包んだものである。このものは土粒子の流出
防止と、導水パイプ70の保護を兼ねることができる。
しかし、この場合でも、土粒子が小さい場合はジャリ7
1の層も目詰まりし、そのため、導水パイプ70も目詰
まりし、何年か後には、導水の機能を果たさなくなる。
そして機能を回復するには、砂利などを入れ直すなどの
大規模な工事が必要になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の内
部に空洞を有する水抜きパイプの問題を、「シガラ」の
技術を応用することにより解決しようとするものであ
り、土砂を流出させにくく、土圧による変形が生じにく
く、土砂を詰まらせにくく、しかも詰まった場合でも容
易に交換することができる地中埋設用の導水装置および
それに用いる充填材を提供することを技術課題としてい
る。さらに本発明は、産業廃棄物を有効に利用して、安
価に製造しうる地中埋設用の導水装置および充填材を提
供することを課題としている。さらに本発明は、河川・
海岸に設ける場合に「吸い出し現象」が少ない導水装置
を提供することを課題としている。さらに本発明は、そ
れらの導水装置を利用した集水装置を提供することも技
術課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の地中埋設用の導
水装置(請求項1)は、擁壁などに埋設して地中の水を
外部に排出するための地中埋設用の導水装置であって、
地中の水を内部に導水するための導水孔を多数穿孔した
パイプと、そのパイプ内に充填され、パイプの内部に導
入した水を吸収したり毛細管現象により外部へ排出する
ための充填材とを備えていることを特徴としている。前
記充填材は、発泡ないし未発泡の合成樹脂の小片ないし
長尺片や、あるいは高吸水性樹脂を含有するパルプを含
んでいるものが好ましい。さらに充填材の中心部に、パ
イプの全長にわたって長手方向に延びる繊維質の導水路
を設けるのが好ましい。そのような繊維質の導水路は、
縦繊維質、綿、麻、綿、麻、合成繊維、ファイバーによ
り構成するのが好ましい。それらの繊維質は束ねて用い
ることもできるが、これを編組してロープ状にしたもの
がより好ましい。
【0015】本発明の充填材(請求項6)は、前記導水
装置に用いる充填材であって、バラバラな状態の充填材
の素材と、それらの素材を棒状に一体に巻回する透水性
のシートないしネットとから構成されている。そのよう
な充填材は、自然な状態ではパイプの内径よりも大きい
外径となり、かつ、緊縛状態ではパイプ内に挿入可能な
外径となるように、前記シートないしネットの周囲を破
断容易な線条体で緊縛しているものが好ましい。さらに
線条体がシートないしネットの周囲を螺旋状に緊縛して
いるもの、あるいは線条体が水分解性ないし水溶解性を
有するもの、さらに線条体を切断するための糸状体が、
充填材の一端から線条体をくぐるように他端まで延び、
折り返して線条体の上を通るように配設されているもの
が好ましい。請求項11の導水装置においては、上記の
シートないしネットで巻回した充填材、あるいはその周
囲を線条体で緊縛した充填材を採用していることを特徴
としている。
【0016】請求項12および請求項13の導水装置
は、パイプの端部に、外部からの水の流入を阻止する逆
流防止手段を設けている。本発明の導水装置は、単に地
中に埋めて使用するほか、導水装置を束にして立設し、
下端に集水槽を設けることにより、集水装置とすること
もできる(請求項14)。
【0017】
【作用および発明の効果】本発明の導水装置は、従来の
水抜きパイプと同様に、擁壁や護岸に貫通するように埋
設して使用する。その場合、地中の水はパイプ端部の開
口部や導水孔から内部に入り、充填材に吸収されたり、
毛細管現象や圧力差によって外部へと排水される。なお
ここで毛細管現象とは、一般的な毛細管現象の意味の
外、空中に開放されている端部側の充填材が乾燥し、そ
のため奥の方の水が次第に空中の端部側に移動する場合
も含む広い概念である。また、パイプ内には充填材が充
填されているので、土圧による変形を防止できると共
に、水の流出に伴って土ないし土粒子が外部に流れ出る
こともない。
【0018】また、充填材が充填されているので、悪戯
によってジュースなどの缶で詰められることもない。さ
らに、毛細管現象を利用して地中の水を排出するように
しているので、擁壁や護岸に設置する場合には導水装置
に勾配を付ける必要もなく、そのため、導水装置の設置
工事による抜け落ちも防止できる。さらに長期間の使用
により、充填材が土砂で目詰まりした場合は、開放端部
から充填材を取り出して、容易に交換することができ
る。
【0019】請求項2記載の地中埋設用の導水装置は、
充填材として、発泡ないし未発泡の合成樹脂の小片ない
し長尺片を採用しているので、軽量であるにもかかわら
ず、充分な土圧に対する反発力を呈する。しかもこのよ
うな充填材には、たとえば梱包材料に使用された発泡ス
チロールあるいはプラスチックの小片などの産業廃棄物
を有効に利用することができる。
【0020】請求項4記載の導水装置は、高吸水性樹脂
を含有するパルプを含んでいるので、とくに埋設初期の
吸水性が高い。また水を吸収して体積が膨張するので、
パイプ内に充填材がしっかりと充填される利点がある。
さらに高吸水性樹脂を含むパルプは、紙おむつや生理用
品などの廃材として安価に入手可能である。なお高吸水
性樹脂にはそのまま燃やすと毒性のガスを発生するもの
があり、そのためあらかじめ水を吸収させるなどの処理
が必要である。しかし充填材として利用すれば、交換後
はそのまま焼却炉などで焼却することができる。
【0021】請求項4記載の導水装置では、充填材の中
心部に繊維質の導水路が設けられているので、充填材に
土粒子が詰まっても、水を通す機能が低下しない。その
ため長期間の使用が可能である。請求項5の導水装置で
は、その繊維質の導水路として、麻、あるいは木綿など
で形成したロープを採用している。そのため、ロープに
吸収された水は、ロープを通って他端へと吸収されてい
き、外部に排出される。また、充填材を交換する場合に
は、ロープを引き出すことにより、大半の充填材を取り
出すことができる。残りの充填材はエアーを吹き付ける
などにより、容易に除去することができる。そのため充
填材の交換が一層容易である。
【0022】また、請求項6の導水装置では、ばらばら
な充填材の素材が透水性のシートないしネットで巻回し
て一体化しているので、パイプ内に挿入しやすい。ま
た、充填材の全体をそのままパイプから取り出すことが
できる。そのため交換が一層容易である。しかも充填材
の内部に砂や土粒子が入り込みにくいため、充填材の目
詰まりが防止され、一層長期間の使用が可能である。請
求項7の充填材は、テープや糸などの線条体で緊縛して
外径が小さくされているので、パイプ内に一層挿入しや
すい。さらにパイプへの挿入後、線条体を破断すると、
充填材が膨れてパイプの内壁に密着し、充填材としての
作用を奏する。請求項8の充填材は、線条体で螺旋状に
緊縛しているので、線条体の一箇所を切断するだけで全
体の緊縛を弛めることができる。請求項9の充填材は線
条体が水分解性ないし水溶解性を有するので、設置後に
パイプ内に水を流すことにより、あるいは雨水により自
然と線条体が分解ないし溶解し、緊縛が弛む。請求項1
0の充填材は、糸状体を引き抜くことにより、線条体を
順に切断していくことができる。請求項11の導水装置
では、前述の棒状に一体化した充填材を採用しているの
で、設置工事や充填材の交換工事が容易である。
【0023】請求項12および請求項13の導水装置で
は、外部からの水の流入を阻止する逆流防止手段を備え
ているので、河川の増水時、あるいは海の満潮時に導水
装置の端部より水面が上昇しても、内部に水が入ってこ
ない。それにより水による吸い出しが防止され、地中内
の空洞部の発生を防止できる。
【0024】請求項14の集水装置は、前述の導水装置
を束にして立設しているので、上端の開口部および周囲
の導水孔から充填材に水を吸収する。そして次第に下端
の集水槽に水が溜まる。このものは加熱する必要がない
ので、砂漠地帯などで省エネルギで真水を集めることが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の地中埋設用の導水装置を説明する。図1は本発明の導
水装置の一実施形態を示す斜視図、図2aおよび図2b
はそれぞれ本発明の導水装置の他の実施形態を示す側面
図および横断面図、図3aおよび図3bはそれぞれ本発
明の導水装置のさらに他の実施形態を示す側面図および
横断面図、図4aおよび図4bはそれぞれ本発明の導水
装置のさらに他の実施形態を示す側面図および横断面
図、図5は本発明の導水装置のさらに他の実施形態を示
す斜視図、図6は本発明の充填材のさらに他の実施形態
を示す斜視図、図7aおよび図7bはその使用法を示す
工程図、図8aおよび図8bはそれぞれ本発明の充填材
のさらに他の実施形態を示す斜視図、図9a〜dは本発
明にかかわる逆流防止手段を備えた導水装置の実施形態
を示す断面図、図10は本発明の集水装置の一実施形態
を示す概略断面図である。
【0026】図1の導水装置1は、周面に多数の導水孔
2を穿孔したパイプ3と、このパイプ3内に軸方向に略
全長にわたって充填されている充填材4とから構成され
ている。パイプ3は従来の水抜きパイプと同様の塩化ビ
ニル樹脂製のパイプが採用される。しかし金属パイプや
他の材料製のパイプであってもよい。またパイプ3は通
常は円形であるが、角形のものであってもよい。導水孔
2の直径は、通常は3〜5ミリメートルのものが好まし
いが、これに限るものではない。
【0027】充填材4は、中心部に配置される二つ折り
にしたロープ5と、そのロープ5を囲む多数本の長尺状
の発泡樹脂からなる合成樹脂片6と、それらを巻回する
不織布7と、その周囲を包むネット8とからなる。充填
材4はパイプ3内に充填し易いように、通常はパイプ3
の断面形状に合わせて円柱形にするが、それに限るもの
ではない。ロープ5は綿や麻の植物性天然繊維のロープ
のほか、ナイロンなどの合成繊維製のロープなどが用い
られる。前者は吸水性が高く、廃棄時の焼却が容易であ
る。また後者は腐食しにくく、長期間の使用に耐える利
点がある。ロープ5は折り曲げた端部5aをパイプ3の
埋設する場合の奥側、すなわち地中に開口する側に配置
し、分離している側の端部5bを空中に開口する側に配
置する。このものは分離しているロープ5の端部5bを
引き出すことにより、充填材4の全体を容易に引き出す
ことができる。
【0028】合成樹脂片6は、本実施形態では、梱包用
のパッキング材料として用いられる、直径数ミリメート
ル、長さ数センチメートルの断面円形で細長く延びる発
泡スチロールの細長片であり、これらを多数同じ方向に
配列して用いている。なお細長片に代えて、平均径が数
ミリメートルないし1〜2センチメートルの発泡スチロ
ールの粉砕片ないし小片を用いてもよい。また、ポリウ
レタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル
などの他の合成樹脂の発泡あるいは未発泡の合成樹脂片
なども採用しうる。合成樹脂片6は土圧に対する変形を
防止しながら、その隙間を通して雨水などを中心のロー
プ5まで導く役割を果たす。
【0029】不織布7は水に対して強度があり、耐久性
の高いものが好ましいが、とくに種類は限定されない。
また外部からの砂などの流入を防止するため、目が細か
いものが好ましい。不織布7は砂などの侵入を防止する
と共に、バラバラの合成樹脂片6をまとめる役割を果た
し、それにより導水装置1や充填材4の保管や運搬、あ
るいは充填材4の交換時の取り扱いが便利になる。なお
不織布に代えて、織布や多孔質合成樹脂シートなど、透
水性を有する他のシートも使用しうる。
【0030】前述のネット8はたとえば網戸などに使用
される防虫用のネットが好ましく採用される。不織布7
などのシートやネット8は、大きい砂粒などの侵入を防
止すると共に、バラバラの樹脂成形物をまとめて充填材
4の全体の形状を棒状に定め、パイプに挿入し易くする
働きも奏する。さらにネットは可撓性を有するので、パ
イプ3内への充填前には、充填材4の直径をパイプの内
径より小さく維持することができる。そしてパイプ3内
に押し込んだとき、あるいは水を吸収した後、半径方向
に膨らんで、パイプ3内にしっかりと保持される。その
ため流れ出すことはない。
【0031】図1に示す導水装置1は、図11a〜bの
擁壁53などに貫通するように埋め込む。そのとき、一
端が地中内に突出し、他端が外部に露出して開口するよ
うにする。地中内の水は導水装置1の一端の開口面から
導入されると共に、周面の導水孔2からもそれぞれ導入
される。パイプ3内に導入された水は、ネット8、不織
布7を通り、合成樹脂成形物6の隙間を通ってロープ5
に吸収される。ロープ5の端部はパイプの開口側では乾
燥しているので、次第に開口端側に移動し、開口端側で
蒸発する。なお地中の水圧が高い場合は、圧力勾配に基
づいて、地中側から開口端側まで、水が押し流されるこ
ともある。このようにして導水装置1は地中の水を迅速
に吸収して外部に効率よく排出する作用を奏する。
【0032】ここで、地中の土ないし土粒子は開口端や
導水孔2からパイプ3内に流入しようとするが、パイプ
3内に充填されているネット8、不織布7および合成樹
脂片6により流入が阻止される。そのため、外部へは土
がほとんど流れ出ない。また、導水装置1の内部には合
成樹脂片6が充填されているので、土圧によるパイプ3
の変形を防止することもできる。さらに、導水装置1の
他端は外部に開口しているものの、内部は充填材4によ
り充填されているため、いたずらにより缶などで閉塞さ
れることもない。また、パイプ3内に導水された水はロ
ープ5により吸収されたり、圧力勾配で水を排出するこ
とができるため、導水装置1に勾配を付けて擁壁や護岸
などに配設する必要もない。したがって、土などの流出
が一層防止され、また設置後の抜け落ちがない。
【0033】図2aは第2の実施形態にかかわる導水装
置1の側面図を示し、図2bはその横断面を示してい
る。このものはパイプ3内に充填する充填材4として、
長手方向に並ぶように配列した繊維9の束を採用してい
る。パイプ3には前述のような導水孔2が穿設されてい
る。繊維9は、麻、綿などの天然繊維、ナイロン、ポリ
エステルなどの化学繊維など、種々のものを採用しう
る。繊維は長繊維が好ましいが、短繊維でもよい。ま
た、繊維を寄り合わせて糸にし、さらに寄り合わせてロ
ープにしてもよい。またこの繊維9の束の周囲に図1の
不織布7やネット8を巻回してもよい。
【0034】図3は本発明の導水装置1の第3の実施形
態を示し、この導水装置1のパイプ3の内部には、発泡
スチロールやプラスチックを粉砕した合成樹脂片6を軸
方向に略全長にわたって多数充填し、ロープや繊維など
の導水路は設けていない。また、外部に露出する側のパ
イプ3の内部には金網10を着脱自在に張設し、内部の
粉砕片5が外部に流出するのを防止している。このもの
は金網10を取り外すことで、内部に充填している粉砕
片5を取り替え可能としている。
【0035】図3における導水装置1では、図1の場合
と機能および効果は基本的に同じであり、ただパイプ3
内に入った水は各粉砕片5の間を毛細管現象や水頭圧の
差を利用して排水される。なお、このものも図1の場合
と同じくネットや不織布を巻回してもよく、その場合は
金網10はとくに設けなくてもよい。
【0036】図4aの導水装置1では、パイプ3の内部
は図4bに示すように2層構造としている。すなわちパ
イプ3の中心部には発泡スチロールなどの合成樹脂片6
を配置し、それらとパイプ3との間には、吸収材11を
円筒状に配設している。この吸収材11および合成樹脂
片6はパイプ3内に軸方向に略全長にわたって充填され
ている。なお、この合成樹脂片6に代えて図2aに示す
繊維9を充填するようにしてもよい。吸収材11の材料
としては、紙おむつ、生理用品に使用される高吸水性樹
脂を粉砕パルプに担持させたものが好ましい。これらの
製品の製造時に出る不良品やクズは、廃棄時に水に漬け
るなどの前処理をしなければ焼却時に有毒ガスが発生す
る。そのため廃棄にコストがかかるので、充填材4とし
て利用すれば、産業廃棄物を有効に利用することができ
る。
【0037】この実施形態においては、導水装置1の内
部に強制的に水を吸収する吸収材11を使用しているた
め、地中内の水分をより効率的に吸収することができ
る。吸収した水は、他端の開口面から自然乾燥などで排
出することができる。そのためこの導水装置1は、図1
に示す導水装置1と同様の効果を発揮する。なおここで
いう高吸水性樹脂は、自身の重量の数百倍の水を吸収し
て保持し、乾燥すると再び吸水性を発揮する。ただし2
〜3回吸水と乾燥を繰り返せば、次第に吸水性が低下
し、最終的には粉砕パルプの吸水性しか作用しなくな
る。しかし湿地性の土地などに使用すると、その湿気を
早急に乾燥させ、土質を改善する作用効果がある。また
高吸水性樹脂が水を吸収すると通常は膨大するので、充
填材4がパイプの内面に強く当接する。したがって、土
などの流出が一層防止され、また設置後の抜け落ちがな
い。
【0038】このものも前述の場合と同じく、麻や木綿
などのロープ5を両端を貫通する形で設けるようにして
もよい。その場合、ロープ5の一端から地中の水を吸い
込ませて、乾燥しているロープ5の他端に水を導水して
外部に排出することができる。また、何年か使用した後
にパイプ3の内部の充填材4を取り出して交換する場
合、露出しているロープ5の他端を引っ張り出すこと
で、充填材の大半を取り出すことができ、後はエアーを
吹き付けて内部の残りの充填材を除去する。そして、新
しい吸収材11と合成樹脂片6およびロープ5からなる
充填材4を充填すればよい。
【0039】図5は本発明の導水装置1の第4の実施形
態を示し、図1〜図3に示すような導水装置1のパイプ
3の周面に不織布10を巻回したものである。これは、
導水孔2の径より小さな繊維9や合成樹脂片6が流出す
るのを防止するためであり、地中の水は不織布10を介
して導水孔2などに導水されるので、不織布10による
支障はない。
【0040】ここで、導水装置1のパイプ3の内部に充
填する充填材4の素材としては、上述した物以外に、
竹、木、パルプなどの天然物、アルミなどの非鉄金属、
ガラス、瀬戸物、コンクリートなどの無機物、塩化ビニ
ル、ポリエチレンなどの合成樹脂の細いチューブ、その
他、吸水性や導水性のある石油製品など、充填状態で透
水性があり、比較的耐久性があり、かつ、パイプ3に充
填した状態で土圧に対抗できるものであれば、いずれも
使用しうる。とくに製造業で製品を製造するときに発生
するクズ、断裁などの産業廃棄物などを有効利用するの
が好ましい。
【0041】充填材4の素材は上記のようにバラバラに
なっているものが多いので、図1のように不織布7やネ
ット8で巻回して、棒状に形成しておくと、パイプ3に
挿入しやすいという利点がある。またパイプから取り出
すときも容易である。そのため、目詰まりが生じてきた
ときに、新しい充填材に交換する場合、その交換作業が
容易である。
【0042】図6に示す充填材4Aは、図1の充填材4
の最外層に設けた不織布やネット8の周囲を、紙などの
容易に破断しうるテープ18で緊縛して外径をいくらか
縮めたものである。すなわち不織布やネット8で充填材
の素材を巻回して棒状に構成するとき、パイプの内径よ
りもいくらか大きい外径にしておき、それにテープ18
を螺旋状に巻き付けて緊縛し、外径をパイプの内径とほ
ぼ同じか、あるいはいくらか小さくする。このものは、
図7aに示すように、パイプ3内に挿入しやすく、挿入
後にテープ18を破断すれば、充填材4Aが弾力で膨ら
んでパイプ3の内面に当接し、充填材4Aとパイプ3の
内面の間に隙間が生じない。したがって土などの流出が
一層防止され、またパイプ3からの抜け落ちがない。
【0043】テープ18は複数箇所で緊縛してもよい
が、図6のように螺旋状に巻き付けておけば、たとえば
手前側の一箇所を切断ないし破断するだけでよいので好
ましい。螺旋は1条螺旋の他、2条あるいはそれ以上の
螺旋であってもよい。さらに図6の想像線18aのよう
に、他のテープあるいは連続したテープにより、逆向き
の螺旋でさらに緊縛するようにしてもよい。テープ18
に代えて、図8aのような糸19あるいは紐などで緊縛
するようにしてもよい。請求項7の線条体はこのような
テープ、糸、紐など、充填材の素材を緊縛しうるものを
すべて含む。
【0044】そのようなテープ18、糸19などの線条
体の素材は、水により繊維がバラバラに分解する紙、あ
るいは水に溶解する紙や繊維などが好ましい。その場合
はパイプ3に収容した後、水が流れてくると、テープ1
8などが自動的に複数箇所で破断するので便利である。
また設置後、排出口側から水を注入して、テープ18な
どを破断させるようにしてもよい。このような水により
破断する素材を用いる場合は、複数箇所で緊縛するよう
にしてもよい。
【0045】図8bは充填材4Aの表面に螺旋状に緊縛
したテープ18の下側に、手前側から糸、針金などのテ
ープを切断しうる糸状体20をくぐらすように通し、先
端側で折り返してテープ18の上面側を手前側まで配設
したものである。このものは充填材4Aをパイプに挿入
した後、紙状体20を手前に引くと、紙状体20がテー
プ18順にカットしていく。そのため充填材4Aを直ち
にパイプ内に充満させることができる。またこのものも
複数箇所で緊縛することができる。
【0046】図9aは図1〜4などに示す導水装置1に
おけるパイプ3の端部に、逆流防止手段の一例として、
逆止弁12を取りつけた導水装置を示している。逆止弁
12はパイプ3の、外部に露出する側の端部に取りつけ
る。この逆止弁12は、略円錐状で両端を開口した筒体
13と、この筒体13内にフリー状態で納装されている
中空のボール14とにより構成されている。前記筒体1
3の一端は導水装置1のパイプ3の外周に装着され、他
端は開口している。ボール14の外径は筒体13の一端
の内径より小さく形成され、他端側の内径はボール14
の外径より大きく形成されている。また、筒体13の他
端の内部にはボール14が流出しないように外網15が
張設され、パイプ3の内部にも合成樹脂片6などの充填
材が外部に流出しないように内網16を張設している。
【0047】ここで、前述のように河川58が増水して
水位が上昇した場合(図12b参照)には、浮き上がっ
たボール14が水圧により導水装置1側に押され、導水
装置1の開口部分を閉塞する。これにより河川58から
の水を導水装置1内へ逆流するのを阻止することができ
る。また、水位が下降すると、ボール14は自重により
傾斜面17を伝って転がり落ち、外網15により規制さ
れる。それにより導水装置1の他端側は開口され、導水
装置1内の水は再び外部に排出できる状態になる。した
がって、前述の吸い出し現象が抑制され、図12cに示
すような空洞部60が形成されて地盤沈下を生じさせる
こともない。なお、逆止弁12の一端はパイプ3内に嵌
入する形にしてもよく、またパイプ3と一体に構成する
ようにしてもよい。
【0048】図9bはパイプ3の端部に、筒体13が変
形円錐状を呈している逆止弁12Aを設けた導水装置を
示している。すなわち筒体13の下部壁のみが略円錐状
に広がり、上部壁はまっすぐに延びている。上部壁と下
部壁とは滑らかに連続している。この逆止弁12Aは上
部に無駄な空間がなく、ボール14の移動がスムーズで
ある。図9cの導水装置では、逆止弁12Bを構成する
筒体13とパイプ3とが一体に成形されている。このも
のは筒体13とパイプ3の継ぎ目がスムーズであるの
で、水の流出がスムーズである。
【0049】図9dの導水装置は、図9aにおける逆止
弁12をL字状のエルボ13aによって上下に向くよう
にしてパイプ3に接続したものである。このものはボー
ル14の浮力が直接筒体13ないしエルボ13aを塞ぐ
力になるので、逆流防止作用が高い。このものについて
もパイプ3とエルボ13a、さらに筒体13を一体に成
形することができる。
【0050】図9a〜図9dの導水装置は、いずれも単
なるパイプ3に逆止弁を連結したものであり、河川・海
岸の護岸壁に埋設することにより、吸い出し現象を防止
しながら、土中の水を河川や海に排出することができ
る。さらにパイプとして前述の導水孔(図1の符号2)
を備えたパイプ3を採用し、パイプ3内に前述のいずれ
かの充填材(図1の符号4)を充填する場合は、図1な
どの導水装置1などと同等の排水作用を奏し、また設置
工事や充填材の交換工事が容易であるなど、前述と同じ
作用効果を合わせて奏する。なお前述の実施形態では、
ボール14を採用した逆止弁を採用しているが、フラッ
プ弁など、他の形態の逆止弁を逆流防止手段として採用
することができる。
【0051】図10は前記各実施形態で示した導水装置
1を利用した集水装置の一実施形態を示している。この
集水装置21は、多数本の導水装置1の上端を開口させ
て束ね、それらの集水装置21の下部にタンク(集水
漕)22を設けたものである。なおタンク22はたとえ
ば砂漠の地中に埋め込み、その側壁および導水装置1の
上端は地面よりも上方に突出させている。このような集
水装置21を用いると、砂漠では、昼は乾燥して温度が
高く、夜は温度が低くなるので、その温度差を利用して
大気中の水蒸気を夜の間に集水することができる。1本
の導水装置1が集水する水分が数滴であっても、導水装
置1を多数設置することで、タンク22内には所望量の
水を集水することができる。このタンク22内に集水し
た水はポンプPによりパイプ33を介して容器24に汲
み上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導水装置の一実施形態を示す斜視図
である。
【図2】 図2aは本発明の導水装置の他の実施形態を
示す側面図であり、図2bはその横断面図である。
【図3】 図3aは本発明の導水装置のさらに他の実施
形態を示す側面図であり、図3bはその横断面図であ
る。
【図4】 図4aは本発明の導水装置のさらに他の実施
形態を示す側面図であり、図4bはその横断面図であ
る。
【図5】 本発明の充填材の他の実施形態を示す斜視図
である。
【図6】 本発明の充填材のさらに他の実施形態を示す
斜視図である。
【図7】 図7aおよび図7bは図6の充填材の使用法
を示す工程図である。
【図8】 図8aおよび図8bはそれぞれ本発明の充填
材のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】 図9a、図9b、図9cおよび図9dはそれ
ぞれ本発明にかかわる逆流防止手段を備えた導水装置の
実施形態を示す断面図である。
【図10】 本発明の集水装置の一実施形態を示す概略
断面図である。
【図11】 図11aおよび図11bはそれぞれ従来の
水抜きパイプを擁壁に設置している場合の例を示す断面
図である。
【図12】 図12a〜cはそれぞれ河川などが増減水
する場合の従来の水抜きパイプの問題点を示す説明図で
ある。
【図13】 図13aおよび図13bはそれぞれ従来の
水抜きパイプの例を示す一部切り欠き側面図である。
【図14】 図14a、図14bおよび図14cはそれ
ぞれ従来の水抜きパイプの他の例を示す一部切り欠き側
面図である。
【図15】 従来の暗渠式の導水路の一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 導水装置 2 導水孔 3 パイプ 4 充填材 5 ロープ 6 合成樹脂片 7 不織布 8 ネット 11 吸収材 12 逆止弁 12A 逆止弁 12B 逆止弁 18 テープ 19 糸 20 糸状体 21 集水装置 22 タンク

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 擁壁などに埋設して地中の水を外部に排
    出するための地中埋設用の導水装置であって、地中の水
    を内部に導水するための導水孔を多数穿孔したパイプ
    と、そのパイプ内に充填され、パイプの内部に導入した
    水を吸収したり毛細管現象により外部へ排出するための
    充填材とを備えている地中埋設用の導水装置。
  2. 【請求項2】 前記充填材が、発泡ないし未発泡の合成
    樹脂の小片ないし長尺片である請求項1記載の地中埋設
    用の導水装置。
  3. 【請求項3】 前記充填材が高吸水性樹脂を含有するパ
    ルプを含んでいる請求項1記載の地中埋設用の導水装
    置。
  4. 【請求項4】 前記充填材の中心部に、パイプの全長に
    わたって長手方向に延びる繊維質の導水路が設けられて
    いる請求項1、2または3記載の地中埋設用の導水装
    置。
  5. 【請求項5】 前記繊維質の導水路がロープである請求
    項4記載の地中埋設用の導水装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の導水装置に用いる充填材
    であって、バラバラな状態の充填材の素材と、それらの
    素材を棒状に一体に巻回する透水性のシートないしネッ
    トとからなる導水装置用の充填材。
  7. 【請求項7】 自然な状態ではパイプの内径よりも大き
    い外径となり、かつ、緊縛状態ではパイプ内に挿入可能
    な外径となるように、前記シートないしネットの周囲を
    破断容易な線条体で緊縛している請求項6記載の充填
    材。
  8. 【請求項8】 前記線条体がシートないしネットの周囲
    を螺旋状に緊縛している請求項7記載の充填材。
  9. 【請求項9】 前記線条体が水分解性ないし水溶解性を
    有する請求項7または8記載の充填材。
  10. 【請求項10】 前記線条体を切断するための糸状体
    が、充填材の一端から線条体をくぐるように他端まで延
    び、折り返して線条体の上を通るように配設されている
    請求項7または8記載の充填材。
  11. 【請求項11】 擁壁などに埋設して地中の水を外部に
    排出するための地中埋設用の導水装置であって、地中の
    水を内部に導水するための導水孔を多数穿孔したパイプ
    と、そのパイプ内に充填される請求項6、7、8、9ま
    たは10記載の充填材とを備えている地中埋設用の導水
    装置。
  12. 【請求項12】 前記パイプの端部に、内部からの水の
    流出を許し、外部からの水の流入を阻止する逆流防止手
    段を備えている請求項1、2、3、4、5または11の
    いずれかに記載の地中埋設用の導水装置。
  13. 【請求項13】 河川・海岸の護岸などに埋設して地中
    の水を河川・海などに排水するための地中埋設用の導水
    装置であって、パイプと、そのパイプの端部に設けた、
    パイプの内部からの水の流出を許すと共に外部からの水
    の流入を阻止する逆流防止手段とを備えている地中埋設
    用の導水装置。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5または11
    のいずれかに記載の導水装置を束にして立設し、下端に
    集水槽を設けた集水装置。
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