JP6370634B2 - 男性不妊症の予防乃至治療薬、及び食品乃至飼料 - Google Patents

男性不妊症の予防乃至治療薬、及び食品乃至飼料 Download PDF

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本発明は、アルキルグリセロールを含む男性不妊症の予防乃至治療薬、及びアルキルグリセロールを含む食品乃至飼料に関する。
不妊症は、世界保健機関(WHO)の定義によると、「1年間避妊せずに妊娠に至らない」ケースに相当する。日本では、現在、2割〜3割のカップルが前記ケースに該当すると言われている。不妊症のうち男性不妊症では、造精機能障害が9割を占め、前記造精機能障害には、乏精子症、奇形精子症、精子無力症、無精子症が含まれる。
男性不妊症に対しては、様々な治療が行われており、例えば、奇形精子症に対しては、人工授精、体外受精、顕微授精などが行われている。これらのうち、顕微授精では、経皮的又は外科的に精巣上体から精子を採取したり、前記採取ができない場合には、精巣から円形精子細胞を採取したりする。また、女性からは、卵子を採取する必要がある。そのため、これらの治療は、患者の身体に負担がかかる上に、費用が高額となるという問題がある。
これまでに、Tysnd1を欠損させた、奇形精子症を発症する雄性不妊モデルマウスを用いた研究などがなされているものの(例えば、非特許文献1参照)、有効な予防乃至治療薬は未だ開発されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
なお、エーテル脂質の1種であるアルキルグリセロールについて、例えば、バチルアルコールを含む組成物は、皮膚外用薬として提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アルキルグリセロールが、男性不妊症の予防乃至治療薬の有効成分として使用できることは知られていない。
特開2013−253034号公報
Mizuno Y, et al.、 Tysnd1 deficiency in mice interferes with the peroxisomal localization of PTS2 enzymes, causing lipid metabolic abnormalities and male infertility.、 PLoS Genet. 2013;9(2):e1003286. doi: 10.1371/journal.pgen.1003286. Epub 2013 Feb 14.
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、男性不妊症に対して優れた予防乃至治療効果を有する男性不妊症の予防乃至治療薬、及び食品乃至飼料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> アルキルグリセロールを含むことを特徴とする男性不妊症の予防乃至治療薬である。
<2> 個体に、前記<1>に記載の男性不妊症の予防乃至治療薬を投与することを特徴とする男性不妊症の予防乃至治療方法である。
<3> アルキルグリセロールを含むことを特徴とする食品乃至飼料である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、男性不妊症に対して優れた予防乃至治療効果を有する男性不妊症の予防乃至治療薬、及び食品乃至飼料を提供することができる。
図1Aは、試験例1におけるバチルアルコールを投与していないマウス(27週齢)の精子を観察した結果の一例を示す図である。 図1Bは、試験例1におけるバチルアルコールを投与したマウス(27週齢)の精子を観察した結果の一例を示す図である。 図1Cは、試験例1における各群のマウスにおける正常精子の割合を示したグラフである。
(男性不妊症の予防乃至治療薬)
本発明の男性不妊症の予防乃至治療薬は、アルキルグリセロールを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
<アルキルグリセロール>
前記アルキルグリセロールは、エーテル脂質の一種である。
前記アルキルグリセロールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(1)で表されるアルキルグリセロールが好ましく、バチルアルコール(Batyl alchohol(1−O−octadecyl−sn−glycerol)、下記式(1)中のnは、17である)がより好ましい。前記アルキルグリセロールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ただし、式(1)中、nは、10〜30の整数を表す。
前記男性不妊症の予防乃至治療薬中の前記アルキルグリセロールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記男性不妊症の予防乃至治療薬は、前記アルキルグリセロールそのものであってもよい。
前記アルキルグリセロールは、市販品を使用してもよいし、化学合成したものを使用してもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬的に許容され得る担体などが挙げられる。前記担体としても、特に制限はなく、例えば、剤型等に応じて適宜選択することができる。また、前記男性不妊症の予防乃至治療薬中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<使用>
前記男性不妊症の予防乃至治療薬は、単独で使用してもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用してもよい。また、前記男性不妊症の予防乃至治療薬は、他の成分を有効成分とする医薬中に配合された状態で使用してもよい。
<剤型>
前記男性不妊症の予防乃至治療薬の剤型としては、特に制限はなく、例えば、後述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散剤などが挙げられる。
前記経口固形剤としては、例えば、前記アルキルグリセロールに、賦形剤、更には必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸などが挙げられる。前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などが挙げられる。前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
前記経口液剤としては、例えば、前記アルキルグリセロールに、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチンなどが挙げられる。
前記注射剤としては、例えば、前記アルキルグリセロールに、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下用、筋肉内用、静脈内用等の注射剤を製造することができる。
前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸などが挙げられる。前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。前記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどが挙げられる。
前記軟膏剤としては、例えば、前記アルキルグリセロールに、公知の基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等を配合し、常法により混合し、製造することができる。
前記基剤としては、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィンなどが挙げられる。前記保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどが挙げられる。
前記貼付剤としては、例えば、公知の支持体に前記軟膏剤としてのクリーム剤、ゲル剤、ペースト剤等を、常法により塗布し、製造することができる。前記支持体としては、例えば、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム、発泡体シートなどが挙げられる。
<男性不妊症>
前記男性不妊症の予防乃至治療薬の対象となる男性不妊症としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、造精機能障害による男性不妊症などが挙げられる。
前記造精機能障害による男性不妊症としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乏精子症、奇形精子症、精子無力症、無精子症などが挙げられる。これらの中でも、奇形精子症が好ましい。
前記奇形精子症としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円形頭部精子奇形の症状を生じるものが好ましい。
<投与>
前記男性不妊症の予防乃至治療薬の投与対象動物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ブタ、サル、イヌ、ネコなどが挙げられるが、これらの中でも、ヒトが特に好ましい。
前記男性不妊症の予防乃至治療薬の投与方法としては、特に制限はなく、例えば、前記男性不妊症の予防乃至治療薬の剤型、疾患の種類、患者の状態等に応じて、全身投与(例えば、経口投与、腹腔内投与、血液中への投与等)、局所投与のいずれかを選択することができる。これらの中でも、経口投与が好ましい。
前記男性不妊症の予防乃至治療薬の投与量としては、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができ、例えば、体重60kgのヒトでは、前記アルキルグリセロールの量として、1日あたり約1.5g程度とすることができる。
また、前記男性不妊症の予防乃至治療薬の投与回数としても、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて、適宜選択することができる。
前記男性不妊症の予防乃至治療薬の投与時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記疾患に対して、予防的に投与されてもよいし、治療的に投与されてもよい。中でも、前記男性不妊症の予防乃至治療薬は、奇形精子が生じる症状を軽減し、全精子における正常精子の割合を増加させる効果に優れることから、前記疾患の出来る限り早期の段階に投与されることが望ましいと考えられる。
<予防乃至治療方法>
前記男性不妊症の予防乃至治療薬は、前記アルキルグリセロールを含むので、個体に投与することにより、奇形精子が生じる症状を軽減し、全精子における正常精子の割合を増加させ、男性不妊症をを予防乃至治療することができる。したがって、本発明は、個体に前記男性不妊症の予防乃至治療薬を投与することを特徴とする男性不妊症の予防乃至治療方法にも関する。前記男性不妊症は、前記<男性不妊症>の項目に記載したとおりである。
(食品乃至飼料)
本発明の食品乃至飼料は、アルキルグリセロールを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
<アルキルグリセロール>
前記アルキルグリセロールは、上述した本発明の男性不妊症の予防乃至治療薬の項目に記載したものと同様である。前記アルキルグリセロールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記食品乃至飼料中の前記アルキルグリセロールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記食品乃至飼料は、前記アルキルグリセロールそのものであってもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、通常の食品又は飼料に用いる成分を目的に応じて適宜選択することができる。
前記食品乃至飼料中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アルキルグリセロールは、食品乃至飼料に添加して使用してもよい。
前記食品乃至飼料の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、液体状、半固形状、固形状などが挙げられる。
前記食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、栄養補助食品、健康食品、特定保健用食品、飲料などが挙げられる。
前記飼料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペットフード、家畜飼料などが挙げられる。
以下に本発明の試験例を説明するが、本発明は、これらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1)
アルキルグリセロールの男性不妊症に対する治療効果を、雄性不妊モデルマウスを用い、以下のようにして試験した。
<使用動物>
雄性不妊モデルマウスとして、雄のTysnd1欠損マウス(以下、「Tysnd1−/−マウス♂」と称することがある)を使用した。前記Tysnd1−/−マウス♂は、奇形精子症を発症している。
前記Tysnd1−/−マウス♂は、非特許文献1(PLoS Genet. 2013;9(2):e1003286. doi: 10.1371/journal.pgen.1003286. Epub 2013 Feb 14.)に記載の方法で調製した。
<投与方法>
前記Tysnd1−/−マウス♂に、バチルアルコール(製品コード:B1202、東京化成工業株式会社製)を餌(粉末飼料(CLEA Rodent diet CE−2、日本クレア株式会社製))に混ぜて投与した。なお、バチルアルコールは、100gの餌に25mgの割合で混ぜた。
前記バチルアルコールのマウスへの投与量は、マウスが1日に4gの餌を食べると仮定すると、1日に約1mgのバチルアルコールを摂取することとなる。なお、前記バチルアルコールの投与量は、体重60kgのヒトに換算すると、1日に約1.5gを摂取する量となる。
なお、水については、通常の水を自由摂取させた。
比較対照として、バチルアルコールを混ぜない餌を投与したTysnd1−/−マウス♂についても同様に試験した。
<投与期間>
前記バチルアルコールの投与期間は、6週齢から27週齢までの21週間とした。
<精子の形状の観察>
前記投与期間終了後、マウスを解剖し、精巣上体を採取した。前記精巣上体から精子を取り出し、前記精子をTYH培地(下記参照)中で、37℃で60分間培精した。前記培精した精子50μLに、MitoFluor Red 589(Molecular Probes社製, M22424) 5μLを入れ、37℃で15分間インキュベートした。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を加えて洗い、2,000gで遠心し、PBSに再懸濁した。次いで、等量のカルノア固定液(メタノール:酢酸=3:1)で15分間固定した。試料をスライドガラスに塗抹、風乾後、DAPI入り封入剤(VECTASHIELD Hard・Set Mounting Medium with DAPI, Vector Laboratories社製, H−1500)で封入した。蛍光顕微鏡(Axiowert 200M、カールツァイス社製)下で、精子の形状の観察、及び正常精子の割合を計測した。
−TYH培地−
NaCl 697.6mg、 KCl 35.6mg、 CaCl・2HO 25.1mg、 KHPO 16.2mg、 MgSO・7HO 29.3mg、 NaHCO 210.6mg、 ピルビン酸ナトリウム 5.5mg、 グルコース 100mg、及び牛血清アルブミン 400mgをミリQ水 100mLに溶かし、フィルター濾過したものを使用した。
−正常精子の割合の計測方法−
蛍光顕微鏡下で複数の視野について、マウス1個体当たり約200個の精子を観察し、正常、異常の判別を行った。バチルアルコール非投与群は3個体、バチルアルコール投与群は4個体について計測を行った。
図1Aにバチルアルコールをを投与していないマウスの精子を観察した結果の一例を示し、図1Bに、バチルアルコールを投与したマウスの精子を観察した結果の一例を示す。また、図1Cに、各群のマウスにおける正常精子の割合を計測した結果を示す。
図1Aの結果から、バチルアルコール非投与群のマウスでは、精子の頭部の形状が丸く、奇形精子であることが確認された。一方、図1Bの結果から、バチルアルコール投与群のマウスでは、頭部が尖っている精子が観察され、形態が正常化している精子が確認された。また、バチルアルコール投与群のマウスでは、動きも正常化している精子が確認された。
図1Cの結果から、バチルアルコール投与群のマウスでは、正常な形状の精子の割合がバチルアルコール非投与群のマウスと比べて有意(p<0.05)に上昇しており、バチルアルコール非投与群のマウスの2倍以上に増えていることがわかった。したがって、アルキルグリセロールであるバチルアルコールを投与することにより、男性不妊症である奇形精子症を治療できることが示された。
本発明の男性不妊症の予防乃至治療薬、食品乃至飼料によれば、例えば、奇形精子症における正常精子の割合を高めることができるので、顕微授精及び体外受精の効率を上昇させることが可能となる。
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> アルキルグリセロールを含むことを特徴とする男性不妊症の予防乃至治療薬である。
<2> アルキルグリセロールが、下記式(1)で表されるアルキルグリセロールである前記<1>に記載の男性不妊症の予防乃至治療薬である。
ただし、式(1)中、nは、10〜30の整数を表す。
<3> アルキルグリセロールが、バチルアルコールである前記<1>から<2>のいずれかに記載の男性不妊症の予防乃至治療薬である。
<4> 男性不妊症が、奇形精子症である前記<1>から<3>のいずれかに記載の男性不妊症の予防乃至治療薬である。
<5> 個体に、前記<1>から<4>のいずれかに記載の男性不妊症の予防乃至治療薬を投与することを特徴とする男性不妊症の予防乃至治療方法である。
<6> アルキルグリセロールを含むことを特徴とする食品乃至飼料である。
<7> アルキルグリセロールが、下記式(1)で表されるアルキルグリセロールである前記<6>に記載の食品乃至飼料である。
ただし、式(1)中、nは、10〜30の整数を表す。
<8> アルキルグリセロールが、バチルアルコールである前記<6>から<7>のいずれかに記載の食品乃至飼料である。

Claims (6)

  1. アルキルグリセロールを含むことを特徴とする奇形精子症による男性不妊症の予防乃至治療薬。
  2. アルキルグリセロールが、下記式(1)で表されるアルキルグリセロールである請求項1に記載の男性不妊症の予防乃至治療薬。
    ただし、式(1)中、nは、10〜30の整数を表す。
  3. アルキルグリセロールが、バチルアルコールである請求項1から2のいずれかに記載の男性不妊症の予防乃至治療薬。
  4. アルキルグリセロールを含むことを特徴とする奇形精子症による男性不妊症の予防乃至治療用食品乃至飼料。
  5. アルキルグリセロールが、下記式(1)で表されるアルキルグリセロールである請求項4に記載の食品乃至飼料。
    ただし、式(1)中、nは、10〜30の整数を表す。
  6. アルキルグリセロールが、バチルアルコールである請求項4から5のいずれかに記載の食品乃至飼料。
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