JP6370539B2 - パターン形成装置およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、基材に凹凸パターンを転写成形するパターン形成装置およびそれを用いたパターン形成方法に関する。
基板やフィルム等の基材上に樹脂材料(インプリント材料)を塗布し、その樹脂層の表面に、ナノメートルレベル(数nm〜数百nm)の微細な凹凸パターンを有する金型を押し付け、樹脂層を硬化させた後、金型を樹脂層から離型することにより、樹脂層に微細な凹凸パターンを転写成形する方法として、ナノインプリント法がある。
このナノインプリント法として、特許文献1にはパターンの欠陥を抑制するパターン形成方法および装置が提案されている。特許文献1のパターン形成方法では、離型時に金型全体を基材に対して垂直方向に均一に移動させる垂直離型モードが採用されている。
また、特許文献2には、離型時に金型を基材に対して一方向に傾斜するように持ち上げた後、金型全体を上方に引き上げる傾斜離型モードが採用されている。
特開2010−214874号公報 特開2012−253303号公報
ナノインプリント法は、一般的に、金型にてパターニングを繰り返し行うと、金型の凹凸パターンに塗布された離型剤の離型効果が徐々に低下していくため、基材上の樹脂層の一部が金型にくっつき易くなり、その結果、樹脂層に転写された凹凸パターンに欠陥が生じる傾向にある。
この問題を踏まえ、特許文献1のパターン形成方法では、離型時において、金型に基材側の方向にかかる力をセンサにて検出し、所定の力に達すると金型に離型剤を塗布するようオペレーターに報知する。しかしながら、このパターン形成装置の構成は大がかりであるため、装置コストが高額になるという問題がある。
また、本発明者等は、前記垂直離型モードと前記傾斜離型モードについて鋭意研究したところ、傾斜離型モードでは垂直離型モードよりも転写された凹凸パターンの欠陥率を低減することができるが、凹凸パターンの方向に対する傾斜方向(剥離方向)によって欠陥率にバラツキが生じるという知見を得た。
本発明者等は、このような課題を解決すべくさらに鋭意研究を行った結果、簡素な装置構成でありながら転写された凹凸パターンの欠陥率を安定的に低減することができるパターン成形装置およびそれを用いたパターン形成方法を発明するに至った。
かくして、本発明によれば、表面に樹脂層を有する平板状の被加工物を保持する第1ホルダと、微細な凹凸パターンを有する金型と、前記第1ホルダにて保持された被加工物の前記樹脂層と対向するように前記金型を保持する第2ホルダと、前記被加工物と前記金型とを相対的に接近および離間させる方向である移動方向に前記第1または第2ホルダを移動させる移動機構とを備え、前記金型の凹凸パターンを前記樹脂層に押し付けて凹凸パターンを被加工物に転写するように構成され、
前記移動機構は、前記第1または第2ホルダと連結する昇降部材と、前記昇降部材を移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを備え、
前記昇降部材は、前記第1または第2ホルダの複数箇所と連結する複数の移動ロッドを含んでなり、
記制御部は、前記被加工物と前記金型とが平行状態を維持するように、前記複数の移動ロッドの全てが等速度かつ同一距離で同時に前記移動方向に往復移動し、かつ前記昇降部材が前記離間方向に所定距離移動する動作と前記離間方向の所定距離と同じ距離で前記昇降部材が前記接近方向に移動する動作とを含む1サイクルを複数サイクル行い、かつ先の1サイクルの移動距離に対して次の1サイクルの移動距離が長くなるように行うよう前記駆動部を制御するよう構成されている。
また、本発明の別の観点によれば、前記パターン形成装置を用いたパターン形成方法であって、
記被加工物と前記金型とを相対的に接近させる接近方向に移動させることにより、前記金型の前記凹凸パターンを前記樹脂層に押し付けて凹凸パターンを転写する転写工程と、
記被加工物と前記金型とを相対的に離間させる離間方向に移動させる離型工程とを含み、
前記離型工程は、前記昇降部材を前記離間方向に所定距離移動させる離間ステップと、前記昇降部材を前記接近方向に所定距離移動させる接近ステップとを含み、前記離間ステップを1回行った後に前記接近ステップを1回行うことによる1サイクルを複数サイクル繰り返し行う工程であって、各サイクルにおける前記離間ステップの移動距離と前記接近ステップの移動距離が同じになるように、かつ先の1サイクルの移動距離に対して次の1サイクルの移動距離が長くなるように行う工程であり、前記被加工物と前記金型とが平行状態を維持するように、前記離間ステップにおいて前記複数の移動ロッドの全てを等速度かつ同一距離で同時に前記離間方向に所定距離移動させ、かつ前記接近ステップにおいて前記複数の移動ロッドの全てを等速度かつ同一距離で同時に前記接近方向に所定距離移動させる。
本発明によれば、被加工物と金型とを相対的に離間させる離型工程において、離間ステップを1回行った後に接近ステップを1回行うことによる1サイクルを複数サイクル繰り返し行う昇降離型を自動的かつ高精度に行うことができる。
この結果、基材に転写された微細な凹凸パターンの方向および形状に影響され難い離型を行うことができ、凹凸パターンの欠陥率を安定的に低減することができる。しかも、簡素なパターン形成装置で実施可能であるため、装置コストの大幅な上昇には繋がらない。
本発明のパターン形成装置の実施形態1を示しており、(A)は部分的な概略平面図であり、(B)は内部構造を説明する概略正面図である。 実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法の説明図であって、(A)は転写工程前の離型状態を示し、(B)は転写工程を示している。 図2(B)に引き続く離型工程を説明する概念図である。 実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法における各移動ロッドの第1の移動制御方法を説明するグラフである。 実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法における各移動ロッドの第2の移動制御方法を説明するグラフである。 実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法における各移動ロッドの第3の移動制御方法を説明するグラフである。 本発明のパターン形成装置の実施形態2の内部構造を説明する概略正面図である。 (A)は比較例1を示し、(B)は比較例2を示し、(C)は比較例3を示し、(D)は比較例4を示している。 実施例1および比較例1〜4で得られた転写成形後の被加工物の凹凸パターンの状態を光学顕微鏡にて撮影した写真である。 実施例1および比較例1〜4の欠陥率を表すグラフである。 実施例2および比較例5〜7で得られた転写成形後の被加工物の凹凸パターンの状態を光学顕微鏡にて撮影した写真である。 実施例2および比較例5〜7の欠陥率を表すグラフである。
本発明のパターン形成装置は、表面に樹脂層を有する平板状の被加工物を保持する第1ホルダと、微細な凹凸パターンを有する金型と、前記第1ホルダにて保持された被加工物の前記樹脂層と対向するように前記金型を保持する第2ホルダと、前記被加工物と前記金型とを相対的に接近および離間させる方向である移動方向に前記第1または第2ホルダを移動させる移動機構とを備え、前記金型の凹凸パターンを前記樹脂層に押し付けて凹凸パターンを被加工物に転写するように構成されている。
前記移動機構は、前記第1または第2ホルダと連結する昇降部材と、前記昇降部材を移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記昇降部材を前記移動方向に往復移動させるように前記駆動部を制御するよう構成されている。
本発明において、移動機構は、第1ホルダと第2ホルダとを相対的に接近離間させることができるよう構成されていればよい。
例えば、第1ホルダと第2ホルダの一方を固定し他方を昇降部材にて移動方向に移動させるように移動機構を構成することができる。この場合、昇降部材は、第1ホルダまたは第2ホルダの1箇所または複数箇所に連結して被加工物と金型との平行状態を維持しながら相対的に垂直方向に移動させるよう構成されていればよく、昇降部材の構成(形状、数、材質等)は特に限定されるものではない。
昇降部材が第1または第2ホルダの1箇所と連結する場合、昇降部材を第1または第2ホルダの直下位置に連結することができる。
昇降部材が第1または第2ホルダの複数箇所と連結する複数の移動ロッドを含んでなる場合、前記制御部は複数の移動ロッドを等速度かつ同一距離で同時に前記移動方向に往復移動させるように前記駆動部を制御するよう構成される。これは、被加工物と金型との平行状態を維持しながら相対的に垂直方向に移動させるためである。この場合、移動ロッドと第1または第2ホルダとの連結箇所は、被加工物または金型を包囲する円周上に位置していることが好ましい。
なお、本発明において、前記被加工物は、全体が樹脂層で形成された物および樹脂層が基材上に積層された物が含まれる。
本発明のパターン形成装置は、次のように構成されてもよく、これらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記移動機構の前記昇降部材は、前記第2ホルダの前記複数の特定箇所と連結してもよい。
このようにすれば、第2ホルダと共に金型を基材に対して移動させることができる。そのため、硬化した樹脂層の凹凸パターンを歪ませることなく離型工程を行うことができるため、凹凸パターンの欠陥率低減に有利となる。
(2)前記移動機構の前記昇降部材は、前記第1ホルダの前記複数の特定箇所と連結してもよい。
このようにすれば、第1ホルダと共に基材を金型に対して移動させることができる。
また、これらのパターン形成装置を用いた本発明のパターン形成方法は、
前記被加工物と前記金型とを相対的に接近させる接近方向に移動させることにより、前記金型の前記凹凸パターンを前記樹脂層に押し付けて凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記被加工物と前記金型とを相対的に離間させる離間方向に移動させる離型工程とを含む。
そして、離型工程では、次の(I)または(II)ように行われる。
(I)前記離型工程は、前記昇降部材を前記離間方向に所定距離移動させる離間ステップと、前記昇降部材を前記接近方向に所定距離移動させる接近ステップとを含み、前記離間ステップにおける移動距離が前記接近ステップにおける移動距離より長くなるように、前記離間ステップと前記接近ステップを交互に繰り返し行う。
(II)前記離型工程は、前記昇降部材を前記離間方向に所定距離移動させる離間ステップと、前記昇降部材を前記接近方向に所定距離移動させる接近ステップとを含み、前記離間ステップを1回行った後に前記接近ステップを1回行うことによる1サイクルを複数サイクル繰り返し行う工程であって、各サイクルにおける前記離間ステップの移動距離と前記接近ステップの移動距離が同じになるように、かつ先の1サイクルの移動距離に対して次の1サイクルの移動距離が長くなるように行う。
本発明のパターン形成方法は、次のようにしてもよい。
(III)前記(I)および(II)の場合、前記離間ステップと前記接近ステップの間に、前記複数の移動ロッドを同時に同一時間停止させる停止ステップを含んでもよい。
(IV)転写工程と離型工程との間に、樹脂層を硬化させる硬化工程を行ってもよい。
このようにすれば、離型工程において、樹脂層に対する金型の離型性が向上するため、凹凸パターンの欠陥率をより低減することができる。
(V)転写工程の前に、樹脂層を加熱して軟化させてもよい。
このようにすれば、樹脂層中に存在するガスが脱気し、凹凸パターンの欠陥率をより低減することができる。また、樹脂層を軟化させることにより、金型へのダメージを低減することができ、金型の寿命を延ばすことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳説する。
(実施形態1)
<パターン形成装置>
図1は本発明のパターン形成装置の実施形態1を示しており、(A)は部分的な概略平面図であり、(B)は内部構造を説明する概略正面図である。
このパターン形成装置は、第1ホルダとしての基材ホルダ10と、金型20と、第2ホルダとしての金型ホルダ30と、移動機構40と、光照射部50と、複数の変位センサ60と、制御部70と、これらを収納する筐体80とを備え、ナノインプリント法により被加工物Wにナノメートルレベルの微細な凹凸パターンを転写成形する装置である。
筐体80は、周囲壁81と、図示しない天板および底板と、周囲壁81の内面に固定された上水平板82、中水平板83および下水平板84とを有し、四角いボックス形に形成されている。これら上、中および下水平板82、83、84は、基材ホルダ10、金型ホルダ30、移動機構40、複数の変位センサ60等を支持する構造材である。なお、上、中および下水平板82、83、84を支持する構造物は、周囲壁81の代わりに、筐体80内に設けられた垂直な支柱であってもよい。
基材ホルダ10は取付板11にネジ止めにて固定され、取付板11は上水平板82にネジ止めにて固定されている。この基材ホルダ10の上面の中心位置には、平板状の被加工物Wを嵌め込んで位置決めするための図示しない浅い凹部が形成されている。
なお、離型時に被加工物Wが金型20にくっついて持ち上げられないよう、被加工物Wを基材ホルダ10に、例えば、接着剤、真空吸着、ネジ止め等で固定する。
被加工物Wは、板状の基材w1と、基材w1上に積層された樹脂層w2とから構成される(図2(A)参照)。
基材w1は、ナノ構造体である微細な凹凸パターンを支持する基板となるものであり、その材質は目的に応じて最適なものが選択される。例えば、半導体装置への適用であれば、基材w1としてシリコン基板を用いることができる。
樹脂層w2の樹脂材料としては、熱可塑性樹脂材料、或いは光硬化性樹脂材料、或いは熱硬化性樹脂材料が挙げられる。
なお、被加工物Wについて詳しくは後述する。
金型ホルダ30は、基材ホルダ10の上方に配置される板材からなる。この板材の材質としては、金型20を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス材料、樹脂材料、金属等が挙げられる。これらの中でも、金型20に押し付けられた樹脂層w2を光硬化させることを考慮すれば、透光性を有する石英ガラス、紫外線透過性ガラス、硬質ガラス、紫外線透過性樹脂が好ましく、特に、石英ガラスが好ましい。
金型20は、下面側にナノ構造体である微細な凹凸パターン20pを有し、上面は平坦面となっている。そして、この上面が金型ホルダ30の下面に固定される。金型20の材質としては、例えば、ガラス材料、樹脂材料、金属等が挙げられる。これらの中でも、金型20に押し付けられた樹脂層w2を光硬化させることを考慮すれば、透光性を有する石英ガラス、紫外線透過性ガラス、硬質ガラス、紫外線透過性樹脂が好ましく、特に、石英ガラスが好ましい。
なお、金型20は、例えば、接着剤、真空吸着、ネジ止め等にて金型ホルダ30の下面に固定される。
金型20の微細な凹凸パターン20pからなるナノ構造は、本方法により樹脂層w2に転写成形しようとするナノ構造に相当する。ここで、「ナノ構造」とは、最小サイズ(例えば一辺、高さおよび直径)がマイクロ及びナノメートルスケール(1nm〜1000μm、例えば10nm〜1000μm、50nm〜1000μm、または100nm〜1000μm)である1または複数の任意の形状(例えば多角柱、円柱、平板、多角錘、円錐)を有する構造である。ナノ構造は、一種類の形状または二種以上の形状(サイズのみ異なるものを含む)が繰返し配置された構造であってもよい。一態様では、図2(A)に示すように、ナノ構造は平板列(例えば幅A1:50nm〜100nm、高さA2:500nm〜1000nm、繰返しピッチA3:50nm〜200nm)である。別の態様では、ナノ構造は円柱のアレイ状配列(例えば高さ100nm〜500nm、繰返しピッチ100nm〜300nm)である。
ナノ構造は、(例えば半導体製造の分野で)微小加工に通常用いられている方法、例えば、リソグラフィー技術、特に電子線(EB)リソグラフィー技術、及び/又はエッチング技術、特に反応性イオンエッチング(RIE)やプラズマエッチングなどのドライエッチング技術、および/または電子線直接描画法などを用いて作製することができる。
移動機構40は、被加工物Wと金型20とを相対的に接近および離間させる方向である移動方向に金型ホルダ30を移動させるものであり、金型ホルダ30の下面の3点以上の複数の特定箇所と連結する3本以上の複数の移動ロッド41と、複数の移動ロッド41を移動させる駆動部42とを備え、金型ホルダ30の前記複数の特定箇所に対して移動方向に複数の移動ロッド41を同一距離で同時に移動可能に構成されている。
実施形態1の場合、前記複数の特定箇所は、前記金型20を包囲する円周C1上に位置している。より具体的には、この円周C1の中心は、金型20の上面(金型ホルダ30との接触面)の平面中心G上にある。さらに、金型20の平面中心Gを中心とする等間隔の3本の放射線R1、R2、R3と円周C1との3つの交点箇所が、前記特定箇所P1、P2、P3とされている。
一方、移動機構40は3本の移動ロッド41a、41b、41cを有しており、各移動ロッド41a、41b、41cの上端が、金型ホルダ30の下面の3つの特定箇所P1、P2、P3に連結している。以下、「1番目の移動ロッド41a」、「2番目の移動ロッド41b」、「3番目の移動ロッド41c」と言う場合と、これらをまとめて「移動ロッド41」という場合がある。
また、3本の移動ロッド41は、上および中水平板82、83に形成された貫通孔に上下垂直方向にスライド可能に挿通されている。なお、金型ホルダ30は移動ロッド41の上に載置されている。すなわち、金型ホルダ30の下面が移動ロッド41の上端に当接することにより、金型ホルダ30と移動ロッド41が連結されている。
移動機構40の駆動部42は、各移動ロッド41を上下垂直方向に高精度に往復移動させるアクチュエータであり、モータ42aと、ボールネジ機構部42bとを備えている。
ボールネジ機構部42bは、モータ42aにて回転するスクリューシャフト42b1と、スクリューシャフト42b1に螺着した移動板42b2とを有する。
モータ42aは下水平板84の下面に固定されている。また、スクリューシャフト42b1は、中および下水平板83、84に形成された貫通孔に回転可能に挿通されており、その上端は中水平板83から抜け落ちないようフランジ42b11が設けられている。
また、移動機構40は、離型時に各移動ロッド41にかかる力を検出する前記荷重検出器43をさらに備えている。この荷重検出器43は、移動ロッド41の下端面に当接する筒形の圧力センサであり、かつ荷重検出器43の下端面が移動板42b2の上面に当接している。これにより、荷重検出器43に移動ロッド41からの荷重がかかるようになっている。
3個の荷重検出器43は、金型20、金型ホルダ30および3本の移動ロッド41の合計重量の約1/3ずつを支持しており、それらにかかる荷重を随時検出し、荷重データとして制御部70へ送信する。
なお、荷重データは、移動ロッド41の初期位置の検出のためのデータとして用いる。
このように構成された移動機構40によれば、モータ42aによりスクリューシャフト42b1が所定回転角度で回転することにより移動板42b2が上下方向に所定距離だけ移動し、それによって荷重検出器43および移動ロッド41が上下方向に所定距離だけ移動する。
ここで、移動機構40におけるモータ42aとしては、ACサーボモータ、DCサーボモータ、ステッピングモータ等のサーボモータを用いることができる。
ACまたはDCサーボモータを用いる場合は、後述する変位センサ60にて金型ホルダ30における変位センサ60の直上位置までの距離を検出し、その距離データを制御部70へフィードバックし、各移動ロッド41が等速度かつ同一距離で同時に上昇または下降するよう制御部70にて個別に各モータ42aの駆動を制御することができる。
ステッピングモータを用いる場合は、変位センサ60から制御部70へフィードバックされる距離データに基づくことなく、各移動ロッド41が等速度かつ同一距離で同時に上昇または下降するよう制御部70にて個別に各モータ42aの駆動を制御することができる。
複数の変位センサ60は、金型ホルダ30の下面における前記円周C1の内側に同心円として存在する円周C2上で、かつ前記3本の放射線R1、R2、R3との3つの交点箇所p1、p2、p3と各変位センサ60との間の距離を検出するよう、前記取付板11上に固定されている。各変位センサ60は、それらとそれらの直上の金型ホルダ30との間の距離を随時検出し、距離データとして制御部70に送信する。なお、変位センサ60としては、ミクロンメータレベルでの変位を検出できるものが好ましく、光学センサが好適である。なお、円周C1の中心および円周C2の中心は、金型20の平面中心Gから多少ずれてもよい。
光照射部50は、上限まで上昇した金型ホルダ30よりも上方位置であって、金型20の直上に図示しない支持体によって吊り下げられている。光照射部50は、被加工物Wにおける基材w1上の光硬化性樹脂層w2を硬化させる波長の光を被加工物Wに向けて照射する。
ここで、光硬化性樹脂層w2に使用される光硬化性樹脂は、任意の公知の樹脂である。光硬化性樹脂は、商品名「PAK-01」(東洋合成株式会社から入手可能)、NICT(ダイセル化学工業株式会社から入手可能)等である。
光硬化性樹脂層は、適切な基材w1上に、流体の薄膜形成に通常用いられている方法、例えばスピンコート、スプレーコート、蒸着により形成されてもよい。このとき、膜厚は、マイクロ構造の高さに対応してもよい。
基板w1は、所望の構造の反転構造が転写され硬化された樹脂層が破壊したり変形することを防止するための支持体として機能するに十分な強度を有しさえすれば任意の材質であり得る。基板w1の例としては、石英ガラス基板、金属(銅、ニッケル、ステンレス鋼など)基板、シリコン基板、使用する光硬化性樹脂と混ざらない樹脂基板(例えば、エポキシ基板や高分子量のアクリル基板)が挙げられる。
なお、被加工物Wは、全体が樹脂層w2からなるものであってもよい。
光照射部50の光源は、紫外線露光の場合、例えば水銀ランプ(g線、h線、i線)であり得る。
露光線量は、使用する光硬化性樹脂層に応じて適切に選択される。光源として紫外線ランプを使用する場合、露光線量は10mJ/cm2以上であり得る。
露光は一般には押付け面に対して垂直な方向から行うが、垂直方向から傾斜した角度で露光してもよい。傾斜角度で二方向から露光を行うことで、マイクロ構造の凸部または凹部を例えばテーパ状とすることができる。
<パターン形成方法>
次に、このように構成された本発明のパターン形成装置を用いたパターン形成方法について図1〜図5を参照しながら説明する。
図2は実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法の説明図であって、(A)は転写工程前の離型状態を示し、(B)は転写工程を示している。図3は図2(B)に引き続く離型工程を説明する概念図である。
このパターン形成装置を用いたパターン形成方法は、転写工程(押付け工程)と、離型工程とを含む。
[転写工程]
転写工程では、図2(A)に示す離型状態から、図2(B)に示すように、被加工物Wと金型20とを相対的に接近させる接近方向に移動させることにより、金型20の凹凸パターン20pを樹脂層w2に押し付けて凹凸パターンを転写する。このとき、各移動ロッド41が等速度かつ同一距離で同時に移動する。なお、離型性向上のために、金型20の凹凸パターン20pの表面に離型剤を塗布する表面処理を行ってもよい。
金型20の凹凸パターン20pは、「光ナノインプリンティング」と呼ばれる技術を利用する。よって、本工程(および関連する工程)で使用する技法、条件、装置などは、一般には、光ナノインプリンティングで通常に使用されるものと同様であるが、以下に簡潔に説明する。
この押付け工程の1つの好適な条件は、使用する光硬化性樹脂によって異なるが、下記の実施例の記載に従って、又はR.Suzuki,N.Sakai,A.Sekiguti,Y.Matsumoto,R.Tanaka,Y.Hirai:Journal of Photopolymer Science and Technology 23 2010) 51.に記載の方法に従って容易に決定できる。
押付け時の圧力は、使用する光硬化性樹脂およびその膜厚に応じて変化するが、一般に0.1MPa〜10MPaである。
硬化工程(露光工程)では、転写工程にて金型20が樹脂層w2を押し付けた状態のまま光照射部50から樹脂層w2に向かって光Lを照射する。(図2(B)参照)。
露光の手段および方法は、一般に、(例えば半導体製造の分野で)微小加工に通常用いられているリソグラフィー技術における露光の手段および方法と同様である。
本発明における露光には、リソグラフィー技術に使用できるエネルギー線、例えば可視光、又は紫外線を使用することができる。よって、本発明において、「光」とは、通常の意味での光(すなわち赤外線、可視光、紫外線)とする。露光は好ましくは紫外線露光である。
[離型工程]
離型工程では、被加工物Wと金型20とを相対的に離間させる離間方向に移動させるが、被加工物Wと金型20とを相対的に接近させる接近方向にも移動させて戻し、離間方向に移動させる離間ステップと接近方向に移動させる接近ステップを交互に繰り返す。このとき、離間ステップにおいては複数の移動ロッドを等速度かつ同一距離で同時に離間方向に所定距離移動させ、接近ステップにおいては複数の移動ロッドを等速度かつ同一距離で同時に接近方向に所定距離移動させる。
具体的な各移動ロッドの移動を制御する方法としては、次の3つの方法が挙げられる。
〔第1の移動制御方法〕
図4は実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法における各移動ロッドの第1の移動制御方法を説明するグラフである。図4において、縦軸は各移動ロッドの移動距離を表し、横軸は離型工程の経過時間を表している。
この第1の移動制御方法は、前記離間ステップと前記接近ステップの間に、複数の移動ロッド(図1参照)を同時に同一時間停止させる停止ステップを含んでいる。すなわち、第1の移動制御方法では、離間ステップ、停止ステップ、接近ステップおよび停止ステップをこの順に行って1サイクルが完了し、これを複数サイクル行い、最後に離間ステップで終了する。
詳しく説明すると、図2(B)と図4に示すように、離型工程の開始時点(0秒)において、各移動ロッド41は転写工程および硬化工程時のままであるため移動距離は0μmである。
まず、離型工程の開始直後の離型ステップでは、各移動ロッド41が等速度かつ同一距離で同時に離間方向に移動する。
離間ステップが終了すると、各移動ロッド41は所定時間停止する(離間ステップ直後の停止ステップ)。
離間ステップ直後の停止ステップが終了すると、各移動ロッド41は等速度かつ同一距離で同時に接近方向に移動する(接近ステップ)。このとき、接近方向の移動距離は離型工程の移動距離よりも短くなるように制御される。
接近ステップが終了すると、各移動ロッド41は所定時間停止する(接近ステップ直後の停止ステップ)。
このように離型ステップ、停止ステップ、接近ステップおよび停止ステップがこの順に行われて1サイクルが終了し、離型工程中に複数サイクル繰り返され、最後に離間ステップで終了する。
図4では、離間方向への移動距離を50μm、各停止ステップの時間を30秒、接近方向への移動距離を10μm、各移動ロッド41の移動速度を1μm/sに制御した場合を例示している。なお、図4は第1の移動制御方法の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
〔第2の移動制御方法〕
図5は実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法における各移動ロッドの第2の移動制御方法を説明するグラフである。図5において、縦軸は各移動ロッドの移動距離を表し、横軸は離型工程の経過時間を表している。
この第2の移動制御方法は、図4で説明した第1の移動制御方法における停止ステップを省略した方法である。すなわち、第2の移動制御方法では、離間ステップおよび停止ステップをこの順に行って1サイクルが完了し、これを複数サイクル行い、最後に離間ステップで終了する。なお、この場合も、離間ステップにおける移動距離が接近ステップにおける移動距離より長くなるように制御する。
図5では、離間方向への移動距離を50μm、接近方向への移動距離を10μm、各移動ロッド41の移動速度を1μm/sに制御した場合を例示しているが、図5は第2の移動制御方法の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
〔第3の移動制御方法〕
図6は実施形態1のパターン形成装置を用いたパターン形成方法における各移動ロッドの第3の移動制御方法を説明するグラフである。図6において、縦軸は各移動ロッドの移動距離を表し、横軸は離型工程の経過時間を表している。
この第3の移動制御方法は、各移動ロッド41を等速度かつ同一距離で同時に離間方向に所定距離移動させる離間ステップと、各移動ロッドを等速度かつ同一距離で同時に接近方向に所定距離移動させる接近ステップとを含み、離間ステップを1回行った後に接近ステップを1回行うことによる1サイクルを複数サイクル繰り返し行い、最後に離間ステップで終了する。
このとき、各サイクルにおける離間ステップの移動距離と接近ステップの移動距離が同じになるように、かつ先の1サイクルの移動距離に対して次の1サイクルの移動距離が長くなるように行う点が、図5で説明した第2の移動制御方法とは異なる。
図6では、1サイクル目の離間方向および接近方向への移動距離を50μm、2サイクル目以降の離間方向および接近方向への移動距離を前サイクルの移動距離より40μmずつ上回るように制御すると共に、各移動ロッド41の移動速度を1μm/sに制御した場合を例示している。なお、図6は第3の移動制御方法の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
第1〜第3の移動制御方法において、離型ステップでは、図3に示すように、金型ホルダ30の各特定箇所Pに各移動ロッド41からの上昇圧力Fが加わることにより、金型ホルダ30における各特定箇所Pと交差する前記放射線の近傍部分が反りを生じ、それによって金型20の外周側が基材w1上の樹脂層w2から僅かに浮き上がる。このとき、変位センサ60にて前記放射線上の各特定箇所pの高さ位置を測定している(図1(A)参照)。
また、接近ステップでは、上昇させた各移動ロッド41を所定距離下降させるため、金型ホルダ30の反りが緩和され、樹脂層w2から僅かに浮き上がった金型20の外周側が樹脂層w2側に戻る。
離型ステップと接近ステップを繰り返しながら金型30を樹脂層w2から徐々に引き離すことにより、金型20を樹脂層w2から一気に引き離す場合よりも樹脂層w2に与えるダメージを軽減することができ、凹凸パターンの欠陥率を大幅に低減することができる。
(実施形態2)
図7は本発明のパターン形成装置の実施形態2の内部構造を説明する概略正面図である。
実施形態2の場合、図1で説明したパターン形成装置における金型ホルダ30の下面に被加工物Wを取り付け、基材ホルダ10に金型20を取り付けている。換言すると、図1で説明したパターン形成装置における金型ホルダ30が被加工物Wを保持する第1ホルダ30xとして使用され、基材ホルダ10が金型20を保持する第2ホルダ10xとして使用される。
実施形態2は、このパターン形成装置を用いること以外は、実施形態1と同様である。
よって、実施形態2のパターン形成装置を用いて、実施形態1で説明したパターン形成方法が行われる。
実施形態2の場合、転写工程後、金型20に対して被加工物Wを上昇させて離型する。この離型ステップにおいて、第1ホルダ30xの各特定箇所P(図3参照)に各移動ロッド41からの上昇圧力Fが加わることにより、第1ホルダ30xにおける各特定箇所Pと交差する前記放射線の近傍部分が反りを生じ、それによって被加工物Wの樹脂層w2の外周側が金型20から僅かに浮き上がる。
また、接近ステップでは、上昇させた各移動ロッド41を所定距離下降させるため、第1ホルダ30xの反りが緩和され、金型20から僅かに浮き上がった樹脂層w2の外周側が金型20側に戻る。
離型ステップと接近ステップを繰り返しながら樹脂層w2を金型20から徐々に引き離すことにより、樹脂層w2を金型20から一気に引き離す場合よりも樹脂層w2に与えるダメージを軽減することができ、凹凸パターンの欠陥率を大幅に低減することができる。
(実施形態3)
実施形態1および2における金型は溝状の凹凸パターンを樹脂層w2に形成するライン・アンド・スペースモールドであるが、複数の円柱状または角柱状パターンを樹脂層に形成するホールモールドであってもよい。
この場合、例えば、金型に直径が0.02〜1000μm程度の円形ホールを複数個所定間隔で形成するか、あるいは1辺の長さが0.02〜1000μm程度の立方体形ホールを複数個所定間隔で形成することができる。なお、ホール同士の間隔としては、例えば、0.01〜1000μm程度とすることができる。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、前記実施形態では、第1または第2ホルダの3箇所に3本の移動ロッドを連結して移動方向に移動させる場合を例示したが、第1または第2ホルダの1箇所または2箇所に昇降部材を連結して移動方向に移動させてもよいことは言うまでもない。
(実施例1:昇降離型)
図10で説明した実施形態5のパターン形成装置を用いて被加工物Wに微細な凹凸パターン(ライン・アンド・スペース)を転写成形した。このときの条件は下記の通りである。
・金型20は10mm角のサイズであり、その凹凸パターン20pは、平板列である。
・金型20(図2(A)参照)としては、幅A1を2μm、深さA2を2μm、繰返しピッチA3を4μmとしたアスペクト比1の金型と、幅A1を2μm、深さA2を4μm、繰返しピッチA3を4μmとしたアスペクト比2の金型と、幅A1を2μm、深さA2を10μm、繰返しピッチA3を4μmとしたアスペクト比5の金型とを用意した。
・金型20の平面中心Gを中心とする円周C1の半径を60mmとし、円周C2の半径を30mmとした(図1(A)参照)。
・第1ホルダ30x上に光硬化性樹脂を塗布し、転写工程、露光工程、および離型工程を行った。離型工程は、図4で説明した要領で行った。すなわち、離間方向への移動距離を50μm、各停止ステップの時間を30秒、接近方向への移動距離を10μm、各移動ロッド41の移動速度を1μm/sに制御した。
(比較例1:垂直離型)
比較例1では、図11(A)に示すように、3本の移動ロッドを同時に同じ上昇速度で上昇させて離型したこと以外は、実施例1と同様である。すなわち、比較例1では垂直離型モードを採用した。このときの上昇速度は1μm/sとした。
(比較例2:剥離離型(平行方向))
比較例2では、図11(B)に示すように、金型20の凹凸パターン20pが延びる方向が第1の剥離方向D1に対して平行になるように、金型20を第2ホルダ10xに取り付け、離型工程において第1の剥離方向D1のみで離型を行った。比較例2において、その他は実施例1と同様である。このときの上昇速度は1μm/sとした。
(比較例3:剥離離型(垂直方向))
比較例3では、図11(C)に示すように、金型20の凹凸パターン20pが延びる方向に対して垂直な第1の剥離方向D1のみで離型を行った。比較例3において、その他は実施例1と同様である。このときの上昇速度は1μm/sとした。
(比較例4:螺旋離型)
比較例4では、図11(D)に示すように、3本の移動ロッドを1本ずつ順番に、具体的には、剥離方向D1、D2、D3の順に上昇させ、これを繰り返して離型を行った。このとき、先に移動した移動ロッドの移動距離よりも後に移動した移動ロッドの移動距離が所定距離上回るように制御した。具体的には、最初の移動ロッドは10μm上昇し、次の移動ロッド以降は移動距離が10μm上回るように制御した。比較例4において、その他は実施例1と同様である。このときの上昇速度は1μm/sとした。
図12は実施例1および比較例1〜4で得られた転写成形後の被加工物の凹凸パターンの状態を光学顕微鏡にて撮影した写真である。
(欠陥率の測定)
アスペクト比1、2、5の実施例1および比較例1〜4について、図12の顕微鏡写真を用い、10mm角のパターン領域における中央および四隅の合計5箇所の400μm角のサンプル領域での欠陥率を下記の式に基づいて算出し、その結果を図13に示した。
図13から、アスペクト比1の場合、実施例1と比較例1〜4との間に大きな差は見られず、いずれも欠陥率は低いことがわかった。
また、アスペクト比2の場合、昇降離型(実施例1)が最も欠陥率が低く、次いで剥離離型(平行方向)(比較例2)、螺旋離型(比較例4)、垂直離型(比較例1)の順で欠陥率が高くなり、剥離離型(垂直方向)(比較例3)は最も欠陥率が高いことがわかった。
また、アスペクト比5の場合、昇降離型(実施例1)が最も欠陥率が低く、次いで剥離離型(平行方向)(比較例2)、垂直離型(比較例1)、螺旋離型(比較例4)の順で欠陥率が高くなり、剥離離型(垂直方向)(比較例3)は最も欠陥率が高いことがわかった。
(実施例2:昇降離型)
金型をホールモールドに変えたこと以外は、実施例1と同様にして、被加工物Wに微細な凹凸パターン(ピラー群)を転写成形した。このときの条件は下記の通りである。
金型としては、直径を5μm、深さを5μm、繰返しピッチを10μmとしたアスペクト比1の金型、直径を2μm、深さを4μm、繰返しピッチを4μmとしたアスペクト比2の金型、直径を1μm、深さを5μm、繰返しピッチを2μmとしたアスペクト比5の金型を用意した。
(比較例5:垂直離型)
実施例2と同様の金型を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、被加工物Wに微細な凹凸パターン(ピラー群)を転写成形した。
(比較例6:剥離離型)
実施例2と同様の金型を用いたこと以外は、比較例2と同様にして、被加工物Wに微細な凹凸パターン(ピラー群)を転写成形した。
(比較例7:螺旋離型)
実施例2と同様の金型を用いたこと以外は、比較例4と同様にして、被加工物Wに微細な凹凸パターン(ピラー群)を転写成形した。
図14は実施例2および比較例5〜7で得られた転写成形後の被加工物の凹凸パターンの状態を光学顕微鏡にて撮影した写真である。
(欠陥率の測定)
アスペクト比1、2、5の実施例2および比較例5〜7について、図14の顕微鏡写真を用い、10mm角のパターン領域における中央および四隅の合計5箇所の400μm角のサンプル領域での欠陥率を下記の式に基づいて算出し、その結果を図15に示した。
図15から、アスペクト比1、2、5の場合、いずれも実施例2が最も欠陥率が低いことと、アスペクト比が大きくなるほど実施例2の欠陥率と比較例5〜7の欠陥率との差が大きくなっていくことがわかった。
本発明のパターン形成装置および成形方法は、ナノインプリント法による半導体装置、記録媒体、光学素子、バイオ素子、マイクロマシン等の製造に利用可能である。
10 基材ホルダ(第1ホルダ)
20p 微細な凹凸パターン
20 金型
30 金型ホルダ(第2ホルダ)
40 移動機構
41、41a、41b、41c 移動ロッド
42 駆動部
50 光照射部
70 制御部
W 被加工物
w1 基材
w2 樹脂層
1、C2 円周
G 平面中心
1、P2、P3 特定箇所
1、R2、R3 放射線

Claims (6)

  1. 表面に樹脂層を有する平板状の被加工物を保持する第1ホルダと、微細な凹凸パターンを有する金型と、前記第1ホルダにて保持された被加工物の前記樹脂層と対向するように前記金型を保持する第2ホルダと、前記被加工物と前記金型とを相対的に接近および離間させる方向である移動方向に前記第1または第2ホルダを移動させる移動機構とを備え、前記金型の凹凸パターンを前記樹脂層に押し付けて凹凸パターンを被加工物に転写するように構成され、
    前記移動機構は、前記第1または第2ホルダと連結する昇降部材と、前記昇降部材を移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記昇降部材は、前記第1または第2ホルダの複数箇所と連結する複数の移動ロッドを含んでなり、
    前記制御部は、前記被加工物と前記金型とが平行状態を維持するように、前記複数の移動ロッドの全てが等速度かつ同一距離で同時に前記移動方向に往復移動し、かつ前記昇降部材が前記離間方向に所定距離移動する動作と前記離間方向の所定距離と同じ距離で前記昇降部材が前記接近方向に移動する動作とを含む1サイクルを複数サイクル行い、かつ先の1サイクルの移動距離に対して次の1サイクルの移動距離が長くなるように行うよう前記駆動部を制御するよう構成されていることを特徴とするパターン形成装置。
  2. 前記制御部は、前記昇降部材の前記離間方向に移動する動作と前記接近方向に移動する動作との間に、前記昇降部材を所定時間停止させるように前記駆動部を制御するよう構成されている請求項1に記載のパターン形成装置。
  3. 前記昇降部材は、前記第2ホルダと連結している請求項1または2に記載のパターン形成装置。
  4. 前記昇降部材は、前記第1ホルダと連結している請求項1または2に記載のパターン形成装置。
  5. 請求項に記載のパターン形成装置を用いたパターン形成方法であって、
    前記被加工物と前記金型とを相対的に接近させる接近方向に移動させることにより、前記金型の前記凹凸パターンを前記樹脂層に押し付けて凹凸パターンを転写する転写工程と、
    前記被加工物と前記金型とを相対的に離間させる離間方向に移動させる離型工程とを含み、
    前記離型工程は、前記昇降部材を前記離間方向に所定距離移動させる離間ステップと、前記昇降部材を前記接近方向に所定距離移動させる接近ステップとを含み、前記離間ステップを1回行った後に前記接近ステップを1回行うことによる1サイクルを複数サイクル繰り返し行う工程であって、各サイクルにおける前記離間ステップの移動距離と前記接近ステップの移動距離が同じになるように、かつ先の1サイクルの移動距離に対して次の1サイクルの移動距離が長くなるように行う工程であり、前記被加工物と前記金型とが平行状態を維持するように、前記離間ステップにおいて前記複数の移動ロッドの全てを等速度かつ同一距離で同時に前記離間方向に所定距離移動させ、かつ前記接近ステップにおいて前記複数の移動ロッドの全てを等速度かつ同一距離で同時に前記接近方向に所定距離移動させるパターン形成方法。
  6. 前記離間ステップと前記接近ステップの間に、前記昇降部材を停止させる停止ステップを含む請求項に記載のパターン形成方法。
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