JP6370135B2 - 撮像装置、撮像システム、撮像装置の駆動方法 - Google Patents

撮像装置、撮像システム、撮像装置の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、撮像装置、撮像システム、撮像装置の駆動方法に関する。
撮像装置において、太陽光のように非常に強い光が照射された場合に、強い光が照射された画素について相関二重サンプリングを行うと、信号レベルが減衰し、本来の明るさよりも暗い画像となることがある。この現象を高輝度黒沈み現象と言うことにする。
特許文献1の撮像装置は、画素が信号を出力する垂直信号線に、クリップ部を電気的に接続している。特許文献1に記載のクリップ部は、ノイズレベルの信号が垂直信号線に出力されている場合に、垂直信号線の電位が所定の電位よりも光信号レベルの電位に近づかないように、垂直信号線の電位を制限する。これにより、特許文献1の撮像装置は、高輝度黒沈み現象を生じにくくしている。クリップ部は、ソースとドレインの一方が電源線に電気的に接続され、ソースとドレインの他方が垂直信号線に電気的に接続されたトランジスタを有する。このトランジスタのゲートは、保持容量の第1のノードが電気的に接続されている。また、保持容量の第2のノードは、電位供給部であるシフト部に電気的に接続されている。そして、特許文献1には、シフト部が保持容量の第2のノードの電位をシフトすることによって、保持容量の第1のノードの電位がシフトされる構成が記載されている。
特開2009−194569号公報
特許文献1の撮像装置は、垂直信号線に接続された信号保持部が、垂直信号線に出力されたノイズレベルの信号のサンプリングの終了から、垂直信号線に出力された光信号のサンプリングの終了までの期間に、保持容量の第2のノードの電位をリセットしていた。このリセット動作によって、保持容量に電気的に接続された電源線と保持容量との間に充放電電流が流れる。この充放電電流によって、電位供給部の電源線に電位の変動が生じる。この電源線の電位の変動は、電位供給部の電源線が画素の電源線とに電気的に接続されている場合、画素の出力する信号にノイズを生じさせる。これにより、撮像装置が出力する信号によって生成する画像の品質が低下する。このように、保持容量に電気的に接続された電源線に保持容量から流れる充放電電流が、画素の出力する光信号にノイズを生じさせることがあった。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、一の態様は、光電変換部と、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部と、前記光電変換部から前記電荷電圧変換部に前記電荷を転送する転送部と、電源線に電気的に接続されるとともに前記電荷電圧変換部の電位に基づく信号を出力する出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素と、垂直信号線と、信号保持部と、クリップ部と、保持容量と、前記電源線に電気的に接続された電位供給部とを有し、前記クリップ部は、前記垂直信号線の電位をクリップするクリップトランジスタを有し、前記クリップトランジスタのソースとドレインの一方は前記垂直信号線に電気的に接続され、前記クリップトランジスタのソースとドレインの他方には基準電位が供給され、前記保持容量は、前記クリップトランジスタの制御ノードに電気的に接続された第1のノードと、前記電位供給部から、互いに電位の異なる複数の電位が供給される第2のノードとを有し、前記出力部が、リセットされた前記電荷電圧変換部の電位に基づく第1の信号を前記垂直信号線に出力し、前記信号保持部は前記垂直信号線に出力された前記第1の信号を保持し、その後、前記光電変換部から前記電荷が転送された前記電荷電圧変換部の電位に基づく第2の信号を前記垂直信号線に出力し、前記信号保持部は前記垂直信号線に出力された前記第2の信号を保持し、前記第1のノードは、前記電荷電圧変換部がリセットされている期間は第1の電位であり、前記第1のノードの電位は、前記信号保持部が前記第1の信号を保持してから、前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第1の電位から第2の電位に遷移し、前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間、前記第2のノードと前記電位供給部との間の電気的経路を非導通とすることによって、前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第2のノードがフローティング状態にあることを特徴とする撮像装置である。
また、一の態様は、光電変換部と、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部と、電源線から電位が供給されるとともに前記電荷電圧変換部の電位に基づく信号を出力する出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素と、垂直信号線と、信号保持部と、クリップ部と、保持容量と、前記電源線に電気的に接続された電位供給部とを有し、前記クリップ部は、前記垂直信号線の電位をクリップするクリップトランジスタを有し、前記クリップトランジスタのソースとドレインの一方は前記垂直信号線に電気的に接続され、前記クリップトランジスタのソースとドレインの他方は基準電位が供給され、前記保持容量は、前記クリップトランジスタの制御ノードに電気的に接続された第1のノードと、前記電位供給部から、互いに電位の異なる複数の電位が供給される第2のノードとを有する撮像装置の駆動方法であって、前記出力部が、リセットされた前記電荷電圧変換部の電位に基づく第1の信号を前記垂直信号線に出力し、前記信号保持部は、前記垂直信号線に出力された前記第1の信号を保持し、その後、前記出力部が、前記光電変換部から前記電荷が転送された前記電荷電圧変換部の電位に基づく第2の信号を前記垂直信号線に出力し、前記信号保持部は、前記垂直信号線に出力された前記第2の信号を保持し、前記第1のノードの電位を、前記電荷電圧変換部をリセットしている期間は第1の電位とし、前記第1のノードの電位を、前記信号保持部が前記第1の信号を保持してから、前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第1の電位から第2の電位に遷移させ、前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第2のノードと前記電位供給部との間の電気的経路を非導通とすることによって、前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第2のノードをフローティング状態とすることを特徴とする撮像装置の駆動方法である。
本発明により、保持容量に電気的に接続された電源線と保持容量との間に流れる充放電電流を低減することができる。よって、本発明は、保持容量に関わる動作による、画素が出力する信号の精度の低下を、抑制できる。
撮像装置の構成の一例を示した図と、CDS回路の構成の一例を示した図 シフト部の構成の一例を示した図 撮像装置の動作の一例を示した図 シフト部の構成の他の一例を示した図 撮像装置の構成の断面の一例を示した図 撮像装置の動作の他の一例を示した図 撮像装置の構成の断面の一例を示した図 撮像装置の構成の他の一例を示した図 撮像装置の構成の他の一例を示した図 撮像装置の構成の他の一例を示した図 撮像装置の構成の他の一例を示した図 撮像システムの構成の一例を示した図
以下、図面を参照しながら各実施例を説明する。
実施例1に係る撮像装置100について、図1(a)を参照して説明する。図1(a)は、本実施例の撮像装置100の回路図である。
撮像装置100は、画素10、クリップ部20、シフト部30、保持容量40、CDS回路(差分回路)50、スイッチ部60を備える。
図1(a)では1つの画素10を示しているが、本実施例の撮像装置は、撮像装置100の画素領域に、複数の画素10が行列状に複数配置されている。垂直信号線L1には、同じ列に属する複数の画素10が電気的に接続されている。図1(a)には、画素領域の1列に対応するクリップ部20、シフト部30、保持容量40、CDS回路50、およびスイッチ部60を示している。
画素10は、光電変換部PD、転送部101、電荷電圧変換部FD、増幅トランジスタ(出力部)103、及びリセットトランジスタ102を含む。
光電変換部PDは、受けた光に応じた電荷を生成する。光電変換部PDは、例えば、フォトダイオードである。光電変換部PDのアノードは、接地され、光電変換部PDのカソードは転送部101に電気的に接続されている。
転送部101は、光電変換部PDで発生した電荷を電荷電圧変換部FDへ転送する。転送部101は、例えば、転送トランジスタである。
電荷電圧変換部FDは、転送部101により転送された電荷を電圧に変換する。電荷電圧変換部FDは、例えば、半導体基板におけるフローティングディフュージョンである。
増幅トランジスタ103は、電荷電圧変換部FDに転送された電荷に基づく信号を増幅して出力する。増幅トランジスタ103のゲートは、増幅トランジスタ103の入力ノードである。この増幅トランジスタ103のゲートは、電荷電圧変換部FDと電気的に接続されている。増幅トランジスタ103は、垂直信号線L1を介して電気的に接続された電流源112とともにソースフォロワ動作を行い、電荷電圧変換部FDの電位に基づく信号を増幅して垂直信号線L1へ出力する。
リセットトランジスタ102は、ソースとドレインの一方が電源VRESに電気的に接続され、その他方が電荷電圧変換部FDに電気的に接続されている。リセットトランジスタ102は、アクティブな信号PRESがそのゲートに供給された際にオンすることにより、電源VRESに応じた電位に電荷電圧変換部FDをリセットする。
以下、信号を垂直信号線L1に出力する画素として、不図示の垂直走査回路によって選択された状態にある画素10を読み出し画素と表記する。また、信号を垂直信号線L1に出力しない状態にある画素10を非読出し画素と表記する。電源VRESは、読み出し画素の電荷電圧変換部FDをリセットする電位VRESHと、非読み出し画素の電荷電圧変換部FDをリセットする電位VRESLとの2つの電位のいずれか一方の電位である。VRESH>VRESLの電位の関係とすることで、読み出し画素として動作させる画素10の増幅トランジスタ103が、電流源112で規定された電流を供給するようにオンする。
なお、以下では、「リセットレベル」とは、電荷電圧変換部FDがリセットトランジスタ102によりリセットされた状態における垂直信号線L1に出力されるべき電位を示すことにする。それに対し、「ノイズレベル」とは、電荷電圧変換部FDがリセットトランジスタ102によるリセットが解除された状態における垂直信号線L1に実際に出力された電位を示すことにする。ノイズレベルの信号は、光電変換部PDに強い光があたった場合には、光電変換部PDで発生した電荷が電荷拡散部FDに漏れこむことで、本来出力されるべき信号とは異なってしまうことがある。
スイッチ部60は、スイッチトランジスタ108及びスイッチトランジスタ109を含む。ここでは、スイッチトランジスタ108をPMOSトランジスタ、スイッチトランジスタ109をNMOSトランジスタとしている。
スイッチトランジスタ108は、アクティブな信号PCLIPがそのゲートに不図示のタイミングジェネレータから供給されてオンする。スイッチトランジスタ108は、ノンアクティブな信号PCLIPがそのゲートに不図示のタイミングジェネレータから供給されてオフする。
スイッチトランジスタ109は、ノンアクティブな信号PCLIPLが、そのゲートに不図示のタイミングジェネレータから供給されてオフする。スイッチトランジスタ109は、アクティブな信号PCLIPLが、そのゲートに不図示のタイミングジェネレータから供給されてオンする。
保持容量40は、第1のノードN1及び第2のノードN2を含む。第1のノードN1は、スイッチ部60に電気的に接続されている。第2のノードN2は、第1のノードN1に対向するノードである。第2のノードN2は、シフト部30に電気的に接続されている。シフト部30は、電位供給部である。
シフト部30は、垂直信号線L1の電位がスイッチトランジスタ108により第1のノードN1へ与えられた後に、第2のノードN2の電位がリセットレベルに近づく方向に、保持容量40の第2のノードN2の電位をシフトさせる。これは、図3では、電荷が光電変換部PDから電荷電圧変換部FDに転送されることによって電荷電圧変換部FDの電位が変化する方向とは反対の方向である。例えば、光電変換部PDから電荷電圧変換部FDに電荷が転送されることで電荷電圧変換部FDの電位が下がる場合には、シフト部30は、第2のノードN2の電位を上昇させる。これにより、シフト部30は、第1のノードN1の電位がリセットレベルに近づくように、保持容量40の第1のノードN1の電位をシフトさせることができる。シフト部30によるシフト量は、クリップ部20における電圧降下量以上、かつ、ノイズレベルとリセットレベルとの差分以下である。さらに詳細に言えば、電荷電圧変換部FDがリセットされた状態で垂直信号線L1に出力される信号を第1の信号とすると、シフト量の上限値は、電荷電圧変換部FDの電位の変化によって第1の信号が変化した後の信号と第1の信号との差分以下であるともいえる。
クリップ部20は、第1のノードN1の電位からクリップ部20における電圧降下量を引いたクリップ電位に、垂直信号線L1の電位をクリップする。クリップ部20は、NMOSトランジスタ104を含む。NMOSトランジスタ104は、ゲートが保持容量40の第1のノードN1に電気的に接続されている。NMOSトランジスタ104のゲートは、NMOSトランジスタ104の制御ノードである。また、NMOSトランジスタ104のソースとドレインの一方である第1の主ノードは、垂直信号線L1に電気的に接続されている。また、NMOSトランジスタ104のソースとドレインの他方である第2の主ノードは、基準電位を供給する電源SVDDに電気的に接続されている。NMOSトランジスタ104は、第1のノードN1の電位がゲートに入力され、第1のノードN1の電位から少なくとも閾値電圧分を含む電圧降下量を引いたクリップ電位に、垂直信号線L1の電位をクリップする。すなわち、NMOSトランジスタ104は、第1のノードN1の電位に基づく電位に、垂直信号線L1の電位をクリップする。尚、本実施例では、増幅トランジスタ103は、NMOSトランジスタ104と同じ導電型のNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタ104は、クリップトランジスタである。
垂直信号線L1の電位は、NMOSトランジスタ104のゲートに供給した電位よりも降下した電位に、クリップ部20によってクリップされる。したがって保持容量40の第1のノードN1の電位のシフト量は、この電圧降下量を低減させるように設定することもできる。より好ましくは、クリップ部20での電圧降下量と等しくするのがよい。
CDS回路50は、画素10が垂直信号線L1に出力したノイズレベルの信号と光信号との差分を演算する相関二重サンプリング(CDS)処理を行う。これにより、CDS回路50は、光信号からノイズ成分を低減した信号である画像信号を出力する。
図1(b)は、本実施例のCDS回路50と、CDS回路50が出力する信号を増幅するアンプSAMPとを併せて示した図である。アンプSAMPは、複数の列のCDS回路50に共通に接続される。
容量素子C100は、一方のノードが垂直信号線L1に電気的に接続され、他方のノードが、差動アンプAMPに電気的に接続されている。容量素子C100は、ノイズレベルの信号をクランプする。容量素子C100は、垂直信号線L1に出力された光信号から、ノイズレベルの信号を差し引いた信号を差動アンプAMPに出力する。差動アンプAMPは、容量素子C100と、帰還容量素子C101との容量比に基づいて、光信号からノイズレベルの信号を差し引いた信号を増幅する。
信号PTN、信号PTSは、不図示のタイミングジェネレータから出力される信号である。タイミングジェネレータが信号PTNをアクティブとすると、スイッチトランジスタTr104がオンし、タイミングジェネレータが信号PTNをノンアクティブとすると、容量素子C103は差動アンプAMPが出力する信号を保持する。タイミングジェネレータが信号PTSをアクティブとすると、スイッチトランジスタTr105がオンし、タイミングジェネレータが信号PTSをノンアクティブとすると、容量素子C104は差動アンプAMPが出力する信号を保持する。
不図示の水平走査回路が信号PHをアクティブとすると、スイッチトランジスタTr106、スイッチトランジスタTr107が共にオンする。これにより、各列のCDS回路50の外部に設けられたアンプSAMPに、容量素子C103、容量素子C104のそれぞれが保持した信号が出力される。アンプSAMPは、容量素子C103、容量素子C104のそれぞれが保持した信号の差分を増幅した信号を出力信号として出力する。
次に、シフト部30の構成を、図2を用いて説明する。図2は、シフト部30の回路図である。
シフト部30は、スイッチトランジスタ301、スイッチトランジスタ302、ソースフォロア(SF)トランジスタ303、電流源304を含む。スイッチトランジスタ301、スイッチトランジスタ302、SFトランジスタ303は、いずれも、NMOSトランジスタである。
スイッチトランジスタ301は、信号PCLIP_Bがhighである際にオンすることにより、GND線の電位であるGND電位を第2のノードN2へ供給する。
スイッチトランジスタ302は、スイッチトランジスタ301とは排他的にオンするもので、信号PCLIPCがアクティブである際にオンする。SFトランジスタ303は、電流源304とともにソースフォロワ動作を行う。これにより、SFトランジスタ303は、電位V1に基づく電位を第2のノードN2へ供給する。このとき、スイッチトランジスタ301はオフしている。
図3は、本実施例の撮像装置100の動作を示すタイミング図である。図3において、FD、N1、N2のそれぞれは、図1(a)に示した各ノードの電位を示す。PRES、PTX、PCLIP、PCLIP_B、PCLIPL、PCLIPCのそれぞれは、図1(a)、図2に示した各信号を示す。
まず、読出し画素に、太陽光のような強い光が入射していない場合の動作を説明する。
期間T1において、不図示の垂直走査回路は、リセットトランジスタ102に、アクティブの信号PRESを出力する。これにより、リセットトランジスタ102は、読み出し画素における電荷電圧変換部FDを電位VRESHに基づく電位にリセットする。そして、不図示のタイミングジェネレータは、スイッチトランジスタ108にアクティブの信号PCLIPを出力する。これにより、スイッチトランジスタ108がオンする。
ここで、電荷電圧変換部FDがリセットされた状態で垂直信号線L1により伝達されるべきリセットレベルの電圧VL1resは、
VL1res=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1・・・数式1
となる。数式1において、Vth0はリセットトランジスタ102の閾値電圧、Vth1は増幅トランジスタ103の閾値電圧を意味し、さらにΔov1は増幅トランジスタ103のオーバードライブ電圧を意味する。オーバードライブ電圧Δov1は、増幅トランジスタ103の特性と電流源112が供給する電流の電流値とで決まる電圧である。
リセットが解除された電荷電圧変換部FDの電位に基づくノイズレベルの信号を増幅トランジスタが垂直信号線L1に出力する。信号PCLIPがアクティブレベルになることにより、第1のノードN1の電位は垂直信号線L1に出力されたノイズレベルの電位に略等しくなる。本実施形態においては、説明を簡単にするために、ノイズレベルがリセットレベルに等しいものとする。
また、期間T1において、第2のノードN2の電位は、信号PCLIP_Bがアクティブであることにより、GND電位となっている。第1のノードN1は、NMOSトランジスタ104のゲートに電気的に接続されており、保持容量40により保持された電圧がNMOSトランジスタ104のゲートに与えられるようになっている。
期間T2において、シフト部30が、第2のノードN2の電位をGND電位から電位V1に上昇させる。第2のノードN2の電位の上昇量ΔVN2は、
ΔVN2=V1・・・数式2
である。第2のノードN2の電位が上昇したことに応じて、第1のノードN1の電位も上昇する。第1のノードN1の電位の上昇量ΔVN1は、
ΔVN1=K×ΔVN2・・・数式3
である。
Kは、保持容量40の容量値と、第1のノードN1に付随する寄生容量の容量値とによって決まる値である。この寄生容量は、NMOSトランジスタ104、スイッチトランジスタ108、スイッチトランジスタ109の各々のゲート・ソース間、ゲート・ドレイン間の容量などである。
保持容量40の容量値が、第1のノードN1に付随する寄生容量に対して大きくなるほど、Kは小さい値となる。
これにより、第1のノードN1の電位VN1は
VN1=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1+ΔVN1・・・数式4
となる。
期間T2において、CDS回路50は、アクティブな信号PTNを受けて、垂直信号線L1を介して画素10から伝達されたノイズレベルの信号を保持する。
期間T3において、CDS回路50が画素10の光信号を保持するための動作を、撮像装置が行う。アクティブな信号PCLIPLを受けて、スイッチトランジスタ109がオンする。これにより、第1のノードN1の電位が電位VCLIPLとなる。この電位VCLIPLは、垂直信号線L1の電位が所定の値よりも低くなることで電流源112がカットオフしてしまうことを防止することができる電位である。また、電位VCLIPLは、期間T2にCDS回路50がノイズレベルの信号のサンプリングを行った時の第1のノードN1の電位よりも小さい電位である。これにより、垂直信号線L1の電位は、
VCLIPL−Vth2−Δov2
で表される電位にクリップされる。Vth2はNMOSトランジスタ104の閾値電圧、Δov2はNMOSトランジスタ104のオーバードライブ電圧である。
また、期間T3では、信号PCLIPCがノンアクティブである。これにより、第2のノードN2はフローティング状態となっている。つまり、第2のノードN2は、固定の電位を供給する手段から切り離された状態にある。よって、第1のノードN1の電位が変化するのに応じて、第2のノードN2の電位が変化する。
期間T2の電位VN1から、期間T3の電位VN1への電位変化量ΔVN1(T3)は、
ΔVN1(T3)=VL1res+ΔVN1−VCLIPL・・・数式5
である。第1のノードN1の電位が変動したことに応じて、第2のノードN2の電位も変動する。
電位変化量ΔVN1(T3)に応じた第2のノードN2の電位は
VN2(T3)=V1−K’×ΔVN1(T3)・・・数式6
で表される。K’は、保持容量40の容量値と第2のノードN2に付随する寄生容量の容量値とによって決まる値である。保持容量40の容量値が、第2のノードN2に付随する寄生容量に対して大きくなるほど、K’は小さい値となる。
この動作はV1>K’×ΔVN1(T3)の関係が保たれる状態で行われることが望ましい。V1<K’×ΔVN1となると、期間T3において、第2のノードN2の電位が負の値となる。第2のノードN2の電位が負の値となると、スイッチトランジスタ301、スイッチトランジスタ302のソースもしくはドレインの拡散層のPNジャンクションに順方向バイアスが生じる。これにより、当該PNジャンクションの順方向にバイアス電流が流れる可能性があるためである。
特許文献1の撮像装置では、この信号PTXをアクティブとしてから、第2のノードN2の電位をGND電位にリセットしていた。この第2のノードN2のリセットによって、(VL1res−VCLIPL)で表される電位差と、保持容量40の容量値とに応じた充放電電流が、保持容量40から、電源線である、電源SVDDの供給線とGND電位の供給線とに流れていた。
これに対し、本実施例においては、信号PTXをアクティブとしてから、信号PTSをアクティブとし、信号PTSをノンアクティブとするまでの期間、第2のノードN2をフローティング状態にする。これにより、電源線である、電源SVDDの供給線およびGND電位の供給線とに、保持容量40から流れる充放電電流は、信号PTXをアクティブとしてから第2のノードN2の電位をGND電位にリセットする場合に流れる充放電電流の、K’倍(K’<1)の電流値となる。このように保持容量40から電源線である、電源SVDDの供給線とGND電位の供給線とに流れる充放電電流を低減することによって、電源SVDD、GND電位の電位変動を低減することができる。
次に、太陽光のような強い光が画素10に照射された場合における期間T2の動作を説明する。
太陽光のような強い光が画素10に照射された場合、光電変換部PDからあふれ出した電荷により電荷電圧変換部FDの電位が低下するので、垂直信号線L1により伝達されたノイズレベルが本来出力されるべきノイズレベルよりも低下する。つまり、ノイズレベルが光信号のレベルに近づくことになる。このため、CDS処理を行うと、光信号とノイズレベルとの差分が、本来得られるべき値よりも小さくなるので、画像が暗く見える高輝度黒沈み現象が生じる。
ここで、仮に、シフト部30が保持容量40の第2のノードN2の電位をシフトしない場合を考える。この場合、NMOSトランジスタ104は、スイッチ部60により取り込まれた垂直信号線L1の電位がそのままゲートに入力され、垂直信号線L1の電位を、次の数式7に示すクリップ電位Vclipにクリップする。このクリップ電位Vclipは、
Vclip=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1−Vth2−Δov2・・・数式7
となる。Vth2はNMOSトランジスタ104の閾値電圧、Δov2はNMOSトランジスタ104のオーバードライブ電圧である。つまり、クリップ電位Vclipは、
Vclip=VL1res−(Vth2+Δov2)・・・数式8
と表されるように、リセットレベルからVth2+Δov2の分、低下したレベルになる。数式8に示されるように、リセットレベルとクリップ電位との差がクリップ部20における電圧降下量(Vth2)以上の大きさになっている。すなわち、リセットレベルとクリップ電位との差をクリップ部20における電圧降下量よりも小さくしにくい。
それに対して、本実施例では、シフト部30が保持容量40の第2のノードN2の電位をΔVN2(数式2参照)分、上昇させる。この場合、NMOSトランジスタ104は、垂直信号線L1の電位からΔVN1(数式3参照)分、上昇した電位がゲートに入力され、垂直信号線L1の電位を、次の数式9に示すクリップ電位VclipHにクリップする。このクリップ電位VclipHは、
VclipH=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1+ΔVN1−Vth2−Δov2・・・数式9
となる。つまり、クリップ電位VclipHは
VclipH=VL1res−{(Vth2+Δov2)−ΔVN1}・・・数式10
と表されるように、リセットレベルから、(Vth2+Δov2)−ΔVN1の分、低下したレベルになる。
(Vth2+Δov2)−ΔVN1の下限は、VL1resとVclipHとが一致する値となる0が好ましい。また、(Vth2+Δov2)−ΔVN1が、Vth2未満となるように、シフト部30が動作することが好ましい。この条件を式で表すと、
0≦(Vth2+Δov2)−ΔVN1<Vth2・・・数式11
となる。すなわち、
Δov2<ΔVN1≦Vth2+Δov2・・・数式12
を満たすΔVN1の分、上昇した電位がNMOSトランジスタ104のゲートに入力されれば、リセットレベルとクリップ電位との差をクリップ部20における電圧降下量より小さくすることができる。
すなわち、数式3、12により、シフト部30が
Δov2/K<ΔVN2≦(Vth2+Δov2)/K・・・数式13
を満たすΔVN2の分、保持容量40の第2のノードN2の電位を上昇させれば、リセットレベルとクリップ電位との差をクリップ部20における電圧降下量より小さくすることができる。期間T3の動作が、先の述べた通常の動作と異なる点は、垂直信号線L1の電位が
VCLIPL−Vth2−Δov2
にクリップされることである。
以上のように、本実施例の撮像装置は、期間T2に、リセットレベルとクリップ電位との差をクリップ部20における電圧降下量より小さくすることにより、高輝度黒沈み現象の発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施例の撮像装置は、画素ごとに垂直信号線L1の電位をシフトしてNMOSトランジスタ104のゲートに与えている。これにより、本実施例の撮像装置は、画素10の特性ばらつき(例えば、増幅トランジスタ103の画素10ごとの閾値電圧のばらつき)の影響を受けにくい効果を有する。
上述したように、本実施例の撮像装置は、保持容量40から電源線である、電源SVDDの供給線とGND電位の供給線とに流れる充放電電流を低減することにより、電源線である、電源SVDDの供給線とGND電位の供給線の電位変動を低減することができる。
尚、本実施例においては、読み出し画素の選択を、電位VRESHと電位VRESLとを用いて行った。増幅トランジスタ103と垂直信号線L1との間の電気的経路に、当該電気的経路の導通と非導通とを切り替える選択トランジスタを画素10が有していても、本実施例で述べた効果を得ることができる。
尚、本実施例の撮像装置は、信号PCLIPLをアクティブとして、第1のノードN1の電位の第1の電位から第2の電位へ遷移させる期間を、信号PTXをアクティブとする期間の中で行っていた。第1のノードN1の電位の第1の電位から第2の電位への遷移は、信号PTNをアクティブからノンアクティブとするタイミングから、信号PTSをアクティブからノンアクティブにするタイミングまでの期間において行えばよい。また、第2のノードN2をフローティング状態とする期間は、第1のノードN1の電位の第1の電位から第2の電位への遷移の開始から、信号PTSがアクティブからノンアクティブとなって信号保持部が光信号を保持するタイミングまでの期間であれば良い。信号PTNがノンアクティブになった後、第1のノードN1の電位が遷移を開始するよりも前から、第2のノードをフローティング状態としても良い。
尚、本実施例では、CDS回路50が、差動アンプAMPを有する例を説明した。本実施例は、この例に限定されるものではなく、CDS回路50に差動アンプAMPが設けられていなくても良い。つまり、CDS回路50は、ノイズレベルの信号と、光信号とを保持する構成であれば良い。
尚、信号保持部であるCDS回路50は、AD変換回路を有していても良い。AD変換回路は、垂直信号線L1に出力された信号を保持する保持部と、保持部が保持した信号をデジタル信号に変換するAD変換部とを有する。CDS回路50がAD変換回路を有する場合には、信号PTNは、垂直信号線L1に出力されたノイズレベルの信号を、AD変換回路の入力部が保持する動作を制御する信号である。また、CDS回路50がAD変換回路を有する場合には、信号PTSは、垂直信号線L1に出力された光信号を、AD変換回路の入力部が保持する動作を制御する信号である。AD変換部は、種々のAD変換形式とすることができる。例えば、時間の経過に伴なって電位が変化するランプ信号と、保持部が保持したアナログ信号との比較を行い、この比較の開始から、ランプ信号とアナログ信号との大小関係が逆転するまでの期間の長さに基づいて、デジタル信号を生成するランプ型でもよい。このほか、AD変換部が行うAD変換は、逐次比較型、デルタシグマ型、二重積分型などのAD変換形式とすることもできる。
尚、本実施例では、シフト部30が、期間T1から期間T2に遷移する時に、第2のノードN2の電位をシフトしていた。クリップ部20での電圧降下量が、垂直信号線L1における光信号が出力可能なレンジへの影響を許容できるレベルであれば、シフト部30による第2のノードN2の電位のシフトを行わなくてもよい。
本実施例の撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に説明する。撮像装置の回路図は実施例1で述べた図1(a)と同じである。本実施例の撮像装置は、NMOSトランジスタ104はデプレッション型であり、NMOSトランジスタ104のVthは負の値である。
図4は、本実施例のシフト部30の構成を示した回路図である。
シフト部30は、スイッチトランジスタ401、スイッチトランジスタ402、ソースフォロア(SF)トランジスタ403、電流源404を含む。スイッチトランジスタ401、スイッチトランジスタ402、SFトランジスタ403は、いずれも、PMOSトランジスタである。
スイッチトランジスタ401のゲートには、スイッチトランジスタ108に供給される信号PCLIPと共通の信号が入力される。スイッチトランジスタ401は、信号PCLIPがノンアクティブである際に、オンする。これにより電源SVDDの電位が第2のノードN2に与えられる。
スイッチトランジスタ402は、信号PCLIPCがノンアクティブである際に、オンする。これにより、SFトランジスタ403は、電流源404とともにソースフォロワ動作を行う。従って、SFトランジスタ403のゲートに入力される電位V3に基づく電位を第2のノードN2へ供給する。
図5は、本実施例の撮像装置100の断面図である。図5に示した符号は、図1(a)で示した符号と対応している。画素Pウエル領域501の中に画素10の光電変換部PD、転送部101、電荷電圧変換部FD、増幅トランジスタ(出力部)103、及びリセットトランジスタ102が形成されている。図5では1画素について図示しているが、実際には画素領域に、二次元状に複数の画素10が配されている。画素領域から離れた周辺回路領域には、Nウエル502の中にスイッチトランジスタ108のソースとドレインが形成されている。周辺回路領域には、CDS回路50と、不図示の垂直走査回路と、不図示の水平走査回路が設けられている。また、Pウエル領域503の中に、スイッチトランジスタ109とNMOSトランジスタ104のそれぞれのソースとドレインが形成されている。NMOSトランジスタ104のチャネル領域1040には、チャネル領域1040をN型とするためのイオン種が注入されている。これにより、NMOSトランジスタ104のVthは、スイッチトランジスタ109のVthよりも低い値となっている。
図6は、本実施例の撮像装置の動作を示したタイミング図である。図6に示した信号PCLIPCは、図3に示した信号PCLIPCを反転させた信号である。
まず、太陽光のような強い光が画素10に照射されていない、通常の動作を説明する。
期間T1において、第2のノードN2の電位は、電源SVDDの電位になっている。
期間T2において、第2のノードN2の電位を電源SVDDの電位から、電位V3基づく電位に低下させる。第2のノードN2の電位の低下量は、
ΔVN2=V3・・・数式2−2
である。第2のノードN2の電位が低下したことに応じて、第1のノードN1の電位も低下する。第1のノードN1の電位の低下量は、
ΔVN1=K×ΔVN2・・・数式2−3
である。数式2−3においてKは比例定数である。これにより、第1のノードN1の電位VN1は
VN1=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1−ΔVN1・・・数式2−4
となる。
期間T3に、第2のノードN2の電位をフローティング状態とする。これにより、実施例1と同じく、第1のノードN1の電位変化分、第2のノードN2の電位が変動する。第1のノードN1の電位VN1の電位変化量は
ΔVN1(T3)=VL1res−ΔVN1−VCLIPL・・・数式2−5
である。第1のノードN1の電位が変動したことに応じて、第2のノードN2の電位も変動する。第2のノードN2の電位は
VN2(T3)=V1−K×ΔVN1(T3)・・・数式2−6
となる。
本実施例の撮像装置においても、実施例1と同じく、第1のノードN1の電位の第1の電位から第2の電位への遷移を開始から、信号PTSがアクティブからノンアクティブとなって信号保持部が光信号を保持するまでの期間、第2のノードN2をフローティング状態にする。これにより、実施例1で述べた同じ効果を、実施例2の撮像装置においても得ることができる。
次に、太陽光のような強い光が画素10に照射された場合における期間T2の動作を説明する。
太陽光のような強い光が画素10に照射された場合、光電変換部PDからあふれ出した電荷により電荷電圧変換部FDの電位が低下するので、垂直信号線L1により伝達されたノイズレベルもリセットレベルから低下する。
ここで、仮に、シフト部30が保持容量40の第2のノードN2の電位をシフトしない場合を考える。この場合、NMOSトランジスタ104は、スイッチ部60により取り込まれた垂直信号線L1の電位がそのままゲートに入力され、垂直信号線L1の電位を、次の数式2−7に示すクリップ電位Vclipにクリップする。このクリップ電位Vclipは、
Vclip=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1−Vth2(NMOSトランジスタ104の閾値電圧)−Δov2(NMOSトランジスタ104のオーバードライブ電圧)・・・数式2−7
となる。
つまり、クリップ電位Vclipは
Vclip=VL1res−(Vth2+Δov2)・・・数式2−8
と表されるように、リセットレベルからVth2+Δov2の分、低下したレベルになる。しかしながら本実施例のNMOSトランジスタ104のVthは負の値である。また、NMOSトランジスタ104の駆動力を上げるために、例えばNMOSトランジスタ104のチャネル幅Wを増幅トランジスタ103よりも10倍程大きくした場合、Δov2もほぼ0となる。それにより
VL1res≦Vclip
となり、リセットレベルよりもクリップ電位が高くなる。これにより、垂直信号線L1の電位がリセットレベルよりも高い状態において、NMOSトランジスタ104によって垂直信号線L1の電位がクリップされる。従って、適切なリセットレベルが出力されず、CDS回路50が行うCDSの精度が低下する。
そのため本実施例では、シフト部30が保持容量40の第2のノードN2の電位をΔVN2(数式2−2参照)の分、低下させる。この場合、NMOSトランジスタ104は、垂直信号線L1の電位からΔVN1(数式2−3参照)の分、低下した電位がゲートに入力され、垂直信号線L1の電位を、次の数式2−9に示すクリップ電位VclipHにクリップする。このクリップ電位VclipHは、
VclipH=VRESH−Vth0−Vth1−Δov1−ΔVN1−Vth2−Δov2・・・数式2−9
となる。つまり、クリップ電位VclipHは
VclipH=VL1res―{(Vth2+Δov2)+ΔVN1}・・・数式2−10
と表されるように、リセットレベルから(Vth2+Δov2)+ΔVN1の分、低下したレベルになる。
(Vth2+Δov2)+ΔVN1の下限は、VL1resとVclipHとが一致する値となる0が好ましい。この条件を式で表すと、
0≦(Vth2+Δov2)+ΔVN1・・・数式2−11
となる。すなわち、
−(Vth2+Δov2)≦ΔVN1・・・数式2−12
を満たすΔVN1の分、低下した電位がNMOSトランジスタ104のゲートに入力されれば、リセットレベルよりもクリップ電位を低くすることができる。
すなわち、数式2−3、数式2−12により、シフト部30が
−(Vth2+Δov2)/K≦ΔVN2・・・数式2−13
を満たすΔVN2の分、保持容量40の第2のノードN2の電位を低下させれば、リセットレベルよりもクリップ電位を低くすることができる。ΔVN2を大きくしすぎるとリセットレベルとクリップ電位の電位差が大きくなり、効果的に高輝度黒沈み現象の抑制の効果が得られにくくなる。そのため、本実施例の撮像装置は、−(Vth2+Δov2)/K≒ΔVN2となるように、ΔVN2を設定することが望ましい。
以上のように、NMOSトランジスタ104がデプレッション型の際には、期間T2に、第2のノードN2の電位を下げる。電位を下げる方向は、図5に示すように、電荷が電荷電圧変換部FDに転送されることによって電荷電圧変換部FDの電位が変化する方向と同じである。これにより、本実施例の撮像装置は、垂直信号線L1の電位が、リセットレベルよりも低い場合において、クリップ部20が垂直信号線L1の電位をクリップする。また、本実施例の撮像装置は、−(Vth2+Δov2)/K≒ΔVN2となるように、ΔVN2を設定している。このように、リセットレベルとクリップ電位との差を小さくすることによって、高輝度黒沈み現象の発生を抑制することができる。
また、上述したように、第1のノードN1の電位の第1の電位から第2の電位への遷移が開始してから、信号PTSがアクティブからノンアクティブとなって信号保持部が光信号を保持するまでの期間、第2のノードN2の電位をフローティング状態にしている。これにより、本実施例の撮像装置においても、実施例1の撮像装置と同じ効果を得ることができる。
本実施例の撮像装置について、実施例2と異なる点を中心に説明する。撮像装置100とシフト部30の構成は実施例2で説明した、図1(a)、図4と同じである。
図7は、本実施例の撮像装置100の断面図である。図7に示した符号は、図1(a)に示した符号に対応している。実施例2で説明した図5との違いはNMOSトランジスタ104のソースとドレインが画素Pウエル領域501内に形成されている。
図7では1画素分しか図示していないが、複数の画素10が二次元状に配された画素領域において、周辺回路領域に近接する端部にNMOSトランジスタ104が配置されている。
画素領域と周辺回路領域とで、トランジスタの閾値電圧を異ならせる場合がある。NMOSトランジスタ104をPウエル領域503内に形成する場合、増幅トランジスタ103の閾値電圧は、周辺回路領域に形成されたNMOSトランジスタ104の閾電圧よりも小さくなる傾向がある。なぜなら、垂直信号線L1の電位のリセットレベルは数式1に記載の式で与えられる。増幅トランジスタ103の閾値電圧が大きくなるにつれて、垂直信号線L1に出力されるリセットレベルの電位が小さくなる。つまり、垂直信号線L1に出力される光信号の信号レベルの上限が低下する。また、垂直信号線L1に出力される光信号の信号レベルの下限は電流源112がカットオフしない電位である。従って、垂直信号線L1のリセットレベルの電位が低下すると、垂直信号線L1に出力可能な、光信号のレンジが小さくなる。よって、垂直信号線L1に出力可能な光信号のレンジを確保するために、増幅トランジスタ103の閾値電圧を、周辺回路領域に設けられたトランジスタの閾値電圧よりも小さくする傾向がある。よって、NMOSトランジスタ104は、Pウエル領域503内に形成される場合に比して、画素Pウエル領域501内に形成される場合の方が、閾値電圧が小さくなる傾向がある。
NMOSトランジスタ104の閾値電圧を小さくすることによって、シフト部30が設定する、第2のノードN2のシフト後の電位を小さくすることができる。数式10に記載のように、NMOSトランジスタ104のVth2が小さくなるに従って、ΔVN1も小さくすることができる。期間T2において、第2のノードN2の電位のシフト量を小さくすることによって、CDS回路50がリセットレベルをサンプリングする動作において、シフト部30の電源SVDDと、GND電位の変動をそれぞれ抑制することができる。これにより、CDS動作の精度の低下を抑制できるため、画質の低下を抑制することができる。また、電源SVDDは、NMOSトランジスタ104に電位を供給している。従って、電源SVDDの電位の変動の低減は、クリップ部20のクリップ動作の精度の低下を抑制することができる。
本実施例の撮像装置は、クリップ部20のNMOSトランジスタ104を画素Pウエル領域501内に形成する。撮像装置を製造する場合に、画素領域の製造工程と、周辺回路領域の製造工程は別々に行われることがある。従って、NMOSトランジスタ104をPウエル領域503に製造する場合には、NMOSトランジスタ104と増幅トランジスタ103の製造工程が別々に行われる。従って、NMOSトランジスタ104が受ける、NMOSトランジスタ104ごとの製造ばらつきの影響と、増幅トランジスタ103が受ける、増幅トランジスタ103ごとの製造ばらつきの影響とが異なりやすい。一方、本実施例のように、NMOSトランジスタ104を画素Pウエル領域501内に形成する場合には、NMOSトランジスタ104と増幅トランジスタ103とを同じ製造工程で形成することができる。従って、NMOSトランジスタ104が受ける、NMOSトランジスタ104ごとの製造ばらつきの影響と、増幅トランジスタ103が受ける、増幅トランジスタ103ごとの製造ばらつきの影響とを揃えやすくすることができる。
これによって、NMOSトランジスタ104をPウエル領域503内に形成する場合に比して、本実施例の撮像装置は、NMOSトランジスタ104の閾値電圧を、増幅トランジスタ103の閾値電圧に近づけやすくすることができる。これにより、NMOSトランジスタ104をPウエル領域503内に形成する場合に比して、本実施例の撮像装置は、クリップ動作の精度を向上することができる。
また、本実施例の撮像装置は、シフト部30を画素Pウエル領域501の外部であって、画素Pウエル領域501とはウエルが分離された周辺回路領域に配置している。これにより、シフト部30を画素Pウエル領域501に形成する場合に比して、シフト部30が第2のノードN2の電位をシフトすることによって生じる、画素Pウエル領域501の電位の変動を抑制することができる。
尚、本実施例の撮像装置の動作は、実施例2と同じとすることができる。
本実施例の撮像装置について、実施例1、実施例2と異なる点を中心に説明する。本実施例の撮像装置について、図8を参照して説明する。
本実施例の撮像装置は、第2のノードN2に電気的に接続されたPMOSトランジスタ130を有する。PMOSトランジスタ130のソースとドレインの一方のノードは電源SVDDに電気的に接続され、ソースとドレインの他方のノードは、第2のノードN2に電気的に接続されている。また、PMOSトランジスタ130のゲートには、信号PCLIPが入力される。シフト部30の構成は、実施例2において図4を参照しながら説明した構成と同じである。PMOSトランジスタ130はオンすると、第2のノードN2の電位を電源SVDDの電位とする。第2のノードN2は、スイッチであるPMOSトランジスタ130を介して、電源SVDDに電気的に接続されている。PMOSトランジスタ130と、電位供給部であるシフト部30は、第2のノードN2に対して、電気的に並列の関係にある。さらに言えば、バッファであるPMOSトランジスタ401と、スイッチであるPMOSトランジスタ130は、第2のノードN2に対して、電気的に並列の関係にある。
図9は、実施例1で図1(a)を参照しながら説明した撮像装置の、複数列の垂直信号線L1に関わる構成を示した図である。図9で付した符号は、図1(a)で付した符号と対応している。図9に示した撮像装置は、複数のクリップ部20の各々と、複数の保持容量40の各々と、複数のスイッチ部60の各々が、複数列の垂直信号線L1の各々に対応して配されている。
また、図9に示した撮像装置は、1つのシフト部30が、複数のクリップ部20と、複数の保持容量40と、複数のスイッチ部60に対して配されている。
次に図10は、本実施例の撮像装置の、複数列の垂直信号線L1に関わる構成を示した図である。図10で付した符号は、図8で付した符号と対応している。本実施例の撮像装置は、図9に示した撮像装置に対し、複数のPMOSトランジスタ130が、複数列の垂直信号線L1の各々に対して配されている点が異なる。
本実施例の撮像装置の動作は、実施例2で図6を参照しながら説明した動作と同じである。
第2のノードN2の電位は期間T1においては電源SVDDの電位であり、期間T3においては、電源SVDD−ΔVN2−K×(VL1res−(KΔVN2)−VCLIPL)で表される電位である。期間T3から、次の行の読み出しを行う期間T1に遷移する際に、第1のノードN1の電位はVL1res−VCLIPLの分、変動する。同じく第2のノードN2の電位は(1−K^2)×ΔVN2−K×(VL1res−VCLIPL)の分、変動する。第1のノードN1と第2のノードN2との電位差は(VL1res−VCLIPL)―((1−K^2)ΔVN2−K(VL1res−VCLIPL))として表される。尚、「^」の記号は、本明細書では、べき乗を表す。つまり、K^2は、Kの2乗であることを表している。この電位差が、各列のクリップ部20で生じる。従って、この各列で生じる電位差に、シフト部30が電気的に接続された垂直信号線L1の列数分Nを乗じた電圧に基づく電流が、第2のノードN2から、電源線である、電源SVDDの供給線とGND電位の供給線とに流れる。
図9に示した撮像装置は、期間T1に第2のノードN2の電位を電源SVDDの電位に設定するのは、複数列の垂直信号線L1に対して共通に設けられたスイッチトランジスタ401である。従って、信号PCLIPがアクティブとなってから第2のノードN2が電源SVDDの電位に静定するまでの期間が、シフト部30から離れた垂直信号線L1に対応する第2のノードN2ほど、長くなる。従って、図9の撮像装置は、期間T1を、シフト部30から離れた垂直信号線L1に対応する第1のノードN1が、電源SVDDの電位に静定するまでの期間とすると、撮像装置を高速化しにくい。また、図9の撮像装置は、撮像装置を高速化するに従って、シフト部30から離れた垂直信号線L1に対応する第1のノードN1が、電源SVDDの電位に静定するよりも早く、期間T1から期間T2に遷移することが生じやすくなる。これにより、シフト部30から離れた垂直信号線L1に対応するクリップ部20によるクリップ電位が変動する。これにより、図9に示した撮像装置は、高輝度黒沈み現象の抑制が充分ではないことがある。
一方で、図10に示した撮像装置は、各列の垂直信号線L1に対応する第2のノードN2の各々に、電源SVDDの電位を供給するPMOSトランジスタ130を有する。これにより、図9の撮像装置に比して、シフト部30から離れた垂直信号線L1に対応する第2のノードN2が電源SVDDの電位に静定するまでの期間を短縮することができる。これにより、図9の撮像装置に比して、図10の撮像装置は、期間T1を短縮することができる。これにより、図10の撮像装置は動作を高速化することができる。また、図10の撮像装置は、図9の撮像装置に比して、期間T1を短縮しても、高輝度黒沈み現象を抑制しやすい効果を有する。
本実施例の撮像装置を、実施例4と異なる点を中心に説明する。図11は、本実施例の撮像装置の構成を示した図である。
撮像装置500は、クリップ部520を備える。クリップ部520は、ゲート接地型増幅回路505及びソース接地型増幅回路を構成するPMOSトランジスタ510を含む。
例えば、ゲート接地型増幅回路505及びPMOSトランジスタ510は、図11に示すような構成をとることができる。
ゲート接地型増幅回路505は、電流源511及びNMOSトランジスタ504を含む。クリップ部520は、ソースが接地されたPMOSトランジスタ510を有する。垂直信号線L1の電流源112とともにソース接地型増幅回路を構成している。
電流源511はPMOSトランジスタである。このPMOSトランジスタは、ゲートが固定電位(例えばGND電位)に電気的に接続されている。また、このPMOSトランジスタのソースとドレインの一方は電源SVDDに電気的に接続され、その他方はNMOSトランジスタ504と後述のPMOSトランジスタ510とに電気的に接続されている。電流源511は、NMOSトランジスタ504に電流を供給する。
NMOSトランジスタ504は、ゲートが保持容量40の第1のノードN1に電気的に接続され、ソースが垂直信号線L1とPMOSトランジスタ510のドレインとに電気的に接続されている。NMOSトランジスタ504は、ドレインが電流源511とPMOSトランジスタ510のゲートとに電気的に接続されている。NMOSトランジスタ504は、ゲートに供給された電圧(クリップ電位)からの垂直信号線L1(ソース)の電位の低下量を増幅した信号をドレインから出力する。
PMOSトランジスタ510は、ゲートが電流源511とNMOSトランジスタ504のドレインに電気的に接続されている。PMOSトランジスタ510は、ソースが電源SVDDに電気的に接続され、ドレインがNMOSトランジスタ504のソース及び垂直信号線L1に電気的に接続されている。PMOSトランジスタ510は、NMOSトランジスタ504のドレインから出力される信号を受ける。PMOSトランジスタ510は、クリップ電位VclipHからの垂直信号線L1の電位の低下量が小さい場合に比べて、その低下量が大きい場合に、大きな信号をNMOSトランジスタ504のソースに帰還する。
NMOSトランジスタ504は、クリップ電位VclipHからの垂直信号線L1の電位の低下量が小さい場合に比べて、その低下量が大きい場合に、大きな信号がPMOSトランジスタ510によりソースに帰還される。
このような構成により、次に示すようなクリップ動作を行うことができる。
垂直信号線L1の電位が低下してNMOSトランジスタ504がオンすると、ノードN3の電位が低下し、PMOSトランジスタ510がオンする。つまり、PMOSトランジスタ510のゲートには、垂直信号線L1の電位の変化に対して正の利得がかかった電位が供給される。そのため、PMOSトランジスタ510のドレイン電流が、垂直信号線L1の電位の低下に伴って急激に増加する。PMOSトランジスタ510は、クリップ電位VclipHからの垂直信号線L1の電位の低下量が小さい場合に比べて、その低下量が大きい場合に大きな電圧をNMOSトランジスタ504のソースに帰還する。電流源511とPMOSトランジスタ510に流れる電流の総和が、垂直信号線L1の電流源112を流れる電流の電流値と等しくなった所で垂直信号線L1の電位が落ち着く。
ここで、NMOSトランジスタ504の電流源511に流れる電流の電流値を電流源112に流れる電流よりも小さく設定し、ゲート接地型増幅回路505のゲインを上げることがクリップ動作の効率上好ましい。
また、同様の理由から、PMOSトランジスタ510を含むソース接地型増幅回路のトランスコンダクタンスを、電流源511とNMOSトランジスタ504よりも大きくすることが好ましい。
例えば、ゲート接地型増幅回路505に流れる電流の電流値を、電流源112が垂直信号線L1に供給する電流の電流値の1/Mとする。ここで、Mは1<Mとする。
垂直信号線L1の電位が低下することで、NMOSトランジスタ504のソースの電位が低下する。これにより、NMOSトランジスタ504がオンする。これにより、NMOSトランジスタ504はドレインに電流を供給する。このとき、NMOSトランジスタ504は垂直信号線L1の電流源112の1/Mの電流値の電流を供給するため、NMOSトランジスタ504において、Vgsの増大に伴い、ドレイン(ノードN3)の電位が急激に低下する。この急激なノードN3の電位の低下により、ソース接地型増幅回路であるPMOSトランジスタ510がオンし、PMOSトランジスタ510のドレイン電流が増加する。
電流源112が垂直信号線L1に供給する電流の電流値をI1と表記する。NMOSトランジスタ504が供給する電流の電流値がI1×1/M、PMOSトランジスタ510の供給する電流の電流値がI1×(M−1)/Mとなったところでクリップ部(クリップ回路)520は安定状態となる。
ここで、PMOSトランジスタ510のトランスコンダクタンスが、電流源511とNMOSトランジスタ504よりも十分に大きいとする。また、垂直信号線L1の電位をクリップする際に、電流源511とNMOSトランジスタ504とが飽和領域で動作するとする。
垂直信号線L1の電位のクリップ電位は、前述のように、VRESH−Vth0−Vth1−Δov1−ΔVN1−Vth4(NMOSトランジスタ504の閾値電圧)−Δov4(NMOSトランジスタ504のオーバードライブ電圧)である。従って、垂直信号線L1の電位のクリップ電位は、リセットレベルから(+ΔVN1+Vth4+Δov4)の分、低下した電位になる。
上述したように、本実施例におけるNMOSトランジスタ504が供給する電流の電流値は、垂直信号線L1の電流源112が供給する電流の電流値の1/Mとしている。これにより、オーバードライブ電圧Δov4を、NMOSトランジスタ504が電流源112の供給する電流と同じ電流値の電流を供給する場合に比して、小さくすることができる。従って、垂直信号線L1のノイズレベルが低下したときに、クリップされる垂直信号線L1の電位は、NMOSトランジスタ504が電流源112の供給する電流と同じ電流値の電流を供給する場合に比して、高くなる。これにより、本実施例の撮像装置は、垂直信号線L1のダイナミックレンジを確保する事が出来る。
尚、本実施例の撮像装置は、実施例4の撮像装置と同じく、複数のPMOSトランジスタ130が、複数列の垂直信号線L1の各々に対して配されている。従って、実施例4の撮像装置が得た効果を、本実施例の撮像装置においても得ることができる。
上述した各実施例においては、信号電荷として電子、増幅トランジスタとしてNMOSトランジスタを用いた。他の例として、撮像装置は、信号電荷としてホール、増幅トランジスタとしてPMOSトランジスタを用いることも可能である。この場合には高輝度黒沈み現象の発生によってノイズレベルの電圧が上昇することになるため、一定値以上に上昇しないようにクリップ動作を行う。この場合にはクリップするトランジスタとしてPMOSトランジスタを用いることができる。レベルシフト量もこのPMOSトランジスタに合わせて適宜調整すればよい。
上記の実施例1から実施例5で述べた撮像装置は種々の撮像システムに適用可能である。撮像システムの一例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダー、監視カメラなどがあげられる。図12に、撮像システムの一例としてデジタルスチルカメラに上述した実施例のいずれかの撮像装置を適用した撮像システムの模式図を示す。
図12に例示した撮像システムは、撮像装置154、レンズの保護のためのバリア151、被写体の光学像を撮像装置154に結像させるレンズ152及びレンズ152を通過する光量を可変にするための絞り153を有する。レンズ152及び絞り153は撮像装置154に光を集光する光学系である。また、図12に例示した撮像システムは撮像装置154より出力される出力信号の処理を行う出力信号処理部155を有する。
出力信号処理部155は、撮像装置154が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換を行う。また、出力信号処理部155はその他、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。図12に例示した撮像システムはさらに、画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリ部156、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)157を有する。さらに撮像システムは、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体159、記録媒体159に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)158を有する。なお、記録媒体159は撮像システムに内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
さらに撮像システムは、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部1510、撮像装置154と出力信号処理部155に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部1511を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システムは少なくとも撮像装置154と、撮像装置154から出力された出力信号を処理する出力信号処理部155とを有すればよい。以上のように、本実施例の撮像システムは、撮像装置154を適用して撮像動作を行うことが可能である。
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、発明の主旨を越えない範囲で適宜変形、組み合わせ等が可能である。
10 画素
20 クリップ部
30 シフト部(電位供給部)
40 保持容量
50 CDS回路
60 スイッチ部
100 撮像装置
103 増幅トランジスタ(出力部)
112 電流源
L1 垂直信号線
FD 電荷電圧変換部

Claims (8)

  1. 光電変換部と、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部と、前記光電変換部から前記電荷電圧変換部に前記電荷を転送する転送部と、電源線に電気的に接続されるとともに前記電荷電圧変換部の電位に基づく信号を出力する出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素と、
    垂直信号線と、信号保持部と、クリップ部と、保持容量と、前記電源線に電気的に接続された電位供給部とを有し、
    前記クリップ部は、前記垂直信号線の電位をクリップするクリップトランジスタを有し、前記クリップトランジスタのソースとドレインの一方は前記垂直信号線に電気的に接続され、前記クリップトランジスタのソースとドレインの他方には基準電位が供給され、
    前記保持容量は、前記クリップトランジスタの制御ノードに電気的に接続された第1のノードと、前記電位供給部から、互いに電位の異なる複数の電位が供給される第2のノードとを有し、
    前記出力部が、リセットされた前記電荷電圧変換部の電位に基づく第1の信号を前記垂直信号線に出力し、
    前記信号保持部は前記垂直信号線に出力された前記第1の信号を保持し、
    その後、前記光電変換部から前記電荷が転送された前記電荷電圧変換部の電位に基づく第2の信号を前記垂直信号線に出力し、
    前記信号保持部は前記垂直信号線に出力された前記第2の信号を保持し、
    前記第1のノードは、前記電荷電圧変換部がリセットされている期間は第1の電位であり、
    前記第1のノードの電位は、前記信号保持部が前記第1の信号を保持してから、前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第1の電位から第2の電位に遷移し、
    前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間、前記第2のノードと前記電位供給部との間の電気的経路を非導通とすることによって、前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第2のノードがフローティング状態にあることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記出力部が、前記クリップトランジスタと同じ導電型のトランジスタであって、
    前記トランジスタのソースとドレインの一方は前記垂直信号線に電気的に接続され、
    前記トランジスタのソースとドレインの他方は前記電源線に電気的に接続され、
    前記トランジスタのゲートに前記電荷電圧変換部が電気的に接続され、
    前記第1の信号と前記第2の信号が、前記トランジスタが前記ゲートの電位に基づいて前記垂直信号線に出力する信号であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記トランジスタのソースとドレイン、および、前記クリップトランジスタのソースとドレインが、共通のウエル領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記電位供給部が、前記トランジスタのソースとドレイン、および、前記クリップトランジスタのソースとドレインが設けられたウエル領域とは電気的に分離されたウエル領域に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記電位供給部は、前記電源線と前記第2のノードとがバッファを介して電気的に接続され、
    前記第2のノードにさらに、スイッチを介して電源線が電気的に接続され、
    前記スイッチと前記バッファとが、前記第2のノードに対して電気的に並列の関係にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記垂直信号線と、前記クリップ部と、前記保持容量と、前記スイッチとのそれぞれを複数ずつ有し、
    複数の前記垂直信号線のそれぞれと、複数の前記クリップ部のそれぞれと、複数の前記保持容量のそれぞれと、複数の前記スイッチのそれぞれとが、行列状に配された前記出力部の列に対応するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置と、
    前記撮像装置が出力する信号に基づく画像データを出力する出力信号処理部とを有することを特徴とする撮像システム。
  8. 光電変換部と、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部と、電源線から電位が供給されるとともに前記電荷電圧変換部の電位に基づく信号を出力する出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素と、
    垂直信号線と、信号保持部と、クリップ部と、保持容量と、前記電源線に電気的に接続された電位供給部とを有し、
    前記クリップ部は、前記垂直信号線の電位をクリップするクリップトランジスタを有し、前記クリップトランジスタのソースとドレインの一方は前記垂直信号線に電気的に接続され、前記クリップトランジスタのソースとドレインの他方は基準電位が供給され、
    前記保持容量は、前記クリップトランジスタの制御ノードに電気的に接続された第1のノードと、前記電位供給部から、互いに電位の異なる複数の電位が供給される第2のノードとを有する撮像装置の駆動方法であって、
    前記出力部が、リセットされた前記電荷電圧変換部の電位に基づく第1の信号を前記垂直信号線に出力し、
    前記信号保持部は、前記垂直信号線に出力された前記第1の信号を保持し、
    その後、前記出力部が、前記光電変換部から前記電荷が転送された前記電荷電圧変換部の電位に基づく第2の信号を前記垂直信号線に出力し、
    前記信号保持部は、前記垂直信号線に出力された前記第2の信号を保持し、
    前記第1のノードの電位を、前記電荷電圧変換部をリセットしている期間は第1の電位とし、
    前記第1のノードの電位を、前記信号保持部が前記第1の信号を保持してから、前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第1の電位から第2の電位に遷移させ、
    前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第2のノードと前記電位供給部との間の電気的経路を非導通とすることによって、前記第1のノードの電位の前記第1の電位から前記第2の電位への遷移の開始から前記信号保持部が前記第2の信号を保持するまでの期間に、前記第2のノードをフローティング状態とすることを特徴とする撮像装置の駆動方法。
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