JP6370129B2 - 定量注出口装置および定量吐出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器内に収容した粉粒体を、定量に注出(吐出)することが可能な定量注出口装置および定量吐出容器に関するものである。
粉粒体からなる内容物が容器の内部に収容され、この容器から一定量の粉粒体を吐出することができる定量吐出容器が、例えば特許文献1に開示されている。図12に示すように、この定量吐出容器80は、容器本体81と、この容器本体81の上部に装着された定量吐出部82とから構成されている。また、定量吐出部82には、上方に開口して容器からの抽出口となる開口筒体83が形成された底部材84と、この底部材84の周縁から上方に延びる外筒部85と、粉粒体の吐出口88が形成されているとともに定量吐出部82の上面を覆う天板部86と、定量吐出部82の外周をなすスカート部87と、粉粒体の吐出口88を開閉自在とされたキャップ89とが設けられている。
そして、粉粒体fを吐出させる場合には、図13(a)に示すように、まず、定量吐出容器80を倒立させて、開口筒体83を通して粉粒体fを外筒部85に溜め、次に、図13(b)に示すように、定量吐出容器80を正立させて、外筒部85に溜められていた粉粒体fを、底部材84とスカート部87との間に溜め、この後、キャップ89を開けた状態で、図13(c)に示すように、定量吐出容器80を再度、倒立(傾斜)させて、吐出口88から粉粒体fを吐出させるよう構成されている(なお、図13(c)はキャップ89を開ける前の状態を示している)。
また、他の定量吐出容器が、例えば特許文献2に開示されている。図14に示すように、この定量吐出容器90は、容器本体91と、この容器本体91に装着された円筒形状のキャップ92とからなり、キャップ92の内部には、キャップ92の下部内面より斜め上方に延びる第1の傾斜隔壁93と、この第1の傾斜隔壁93の中央部近傍箇所上方より、第1の傾斜隔壁93とは逆方向に斜め上方に延びる第2の傾斜隔壁94とが形成されている。また、第1の傾斜隔壁93の上端部とキャップ92の内部の上部隅部との間には、第1のオリフィス(隙間部)95が形成され、また、第1の傾斜隔壁93の中央部と第2の傾斜隔壁94の下端部との間には第2のオリフィス(隙間部)96が形成されている。さらに、第2の傾斜隔壁94の上端部は、キャップ92の内部の上部隅部に固着され、この固着箇所近傍のキャップ92の側面上部に、吐出口97が形成されている。
この定量吐出容器90において、粉粒体fを吐出させる場合には、図15に示すように、まず、定量吐出容器90を倒立させて、第1のオリフィス(隙間部)95を通して内容物Nを第1の傾斜隔壁93と第2の傾斜隔壁94との間のキャップ92の天面近傍箇所に溜め、次に、図16に示すように、定量吐出容器90を正立させて、第1の傾斜隔壁93の上方における吐出口97に臨む箇所に溜め、この後、定量吐出容器90を再度、倒立(傾斜)させて、吐出口97から粉粒体fを吐出させるよう構成されている。
特開平9−301404号公報 実開昭62−146754号公報
しかし、前記特許文献1に開示された従来の定量吐出容器80では、定量吐出部82の構造が極めて複雑であり、部品点数も多いため、製造コストが高価となってしまう難点がある。また、粉粒体fを吐出させる際には、定量吐出容器80の倒立動作(第1動作)、定量吐出容器80の正立動作(第2動作)、定量吐出容器80の再度の倒立(傾斜)動作(第3動作)の、合計3回の回動動作が必要となるため、この定量吐出容器80の利用者に対して、多くの手間をかけてしまう難点もある。
これに対して、前記特許文献2に開示された従来の定量吐出容器90では、キャップ92の構造が簡単であるため、製造コストを安価に済ませることができる。しかしながら、内容物を排出する際には、定量吐出容器90の倒立動作(第1動作)、定量吐出容器90の正立動作(第2動作)、定量吐出容器90の再度の倒立(傾斜)動作(第3動作)の、合計3回の回動動作が必要となるため、この定量吐出容器90の利用者に対して、多くの手間をかけてしまう。
本発明は上記課題を解決するもので、製造コストを安価に済ませることができると同時に、粉粒体を少ない手間で吐出させることができる定量注出口装置および定量吐出容器を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の定量注出口装置は、粉粒体を定量に注出することが可能な定量注出口装置であって、軸心方向の一端部が吐出口として開口されている筒状壁部と、前記筒状壁部の内壁面から傾斜する姿勢で突出された複数の遮蔽板と、を有し、隣り合う遮蔽板は、前記筒状壁部の内壁面における互いに対向する面から吐出口とは反対側の向きへ傾斜する姿勢で、かつこれらの隣り合う遮蔽板間を粉粒体が通過できる隙間を有する状態で配設され、遮蔽板同士の少なくとも先端部の位置が、前記筒状壁部の軸心方向に対して異なっていることを特徴とする。
この構成において、定量注出口装置を容器に装着し、粉粒体を収容した状態で容器ごと傾けると、吐出口とは反対側の向きへ傾斜する姿勢で配設された遮蔽板に粉粒体が徐々に溜まった後、複数の遮蔽板を乗り越えながら、遮蔽板同士の間の隙間を通って所定量の粉粒体だけが外部に吐出される。この後、遮蔽板によって堰き止められる粉粒体の量が増加して、その堰き止められた粉粒体の重量が遮蔽板近傍の粉粒体に作用して押圧されることで、狭い領域に粉粒体同士が密接して詰まった状態となって、遮蔽板同士の間の隙間からも粉粒体が吐出しなくなる。このようにして、定量の粉粒体が吐出される。
また、本発明の定量注出口装置は、各遮蔽板の先端部同士が、筒状壁部の軸心方向に見て一致する位置に配設されていることを特徴とする。例えば、各遮蔽板の先端部を、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に沿う位置に配設する。あるいは、各遮蔽板の先端部を、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に対して平行となる線に沿う位置に配設する。これにより、比較的安定した吐出量で抽出することができる。
なお、吐出口に最も近接する遮蔽板を、筒状壁部の内壁面において吐出時に下方となる箇所から突出するように配設すると好適であり、このように構成すると、より安定した量で吐出できる。
また、吐出口に近接する遮蔽板ほど、筒状壁部から内径方向に大きく突出しているよう構成したり、吐出口に近接する遮蔽板ほど、筒状壁部の軸心方向に見て大きい面積であるように構成したりしてもよく、これらの構成によれば、安定した吐出量で抽出することができる。
なお、遮蔽板は2つであると好適である。さらに、この注出口装置をスパウトで形成すると好適である。また、この定量注出口装置を容器本体に装着してなる定量吐出容器を構成してもよい。
また、定量吐出容器として用いる場合に、筒状壁部の一端部に設けた吐出口が斜め上方に向く姿勢で、定量注出口装置を容器本体に装着していると好適である。つまり、このように、筒状壁部の吐出口が傾斜する姿勢で配設されていると、内容物である粉粒体を吐出させる際に、前記傾斜している側にさらに当該定量吐出容器を傾斜させて吐出させる動作を行う場合が多くなるため、より安定した量で粉粒体を吐出できる。
本発明の定量注出口装置によれば、筒状壁部と複数の遮蔽板とを有し、隣り合う遮蔽板は、前記筒状壁部の内壁面における互いに対向する面から吐出口とは反対側の向きへ傾斜する姿勢で、かつこれらの隣り合う遮蔽板間を粉粒体が通過できる隙間を有する状態で配設され、遮蔽板同士の少なくとも先端部の位置が、前記筒状壁部の軸心方向に対して異ならして配置することにより、定量の粉粒体を吐出できるとともに、筒状壁部の内部に複数の遮蔽板を配設しただけの極めて簡単で部品点数も少なくできる構造であるので、製造コストを安価に済ませることができる。しかも、傾ける動作を1回行うだけで定量の粉粒体を吐出できて、粉粒体を少ない手間で吐出させることができ、利便性が向上する。
また、本発明の定量注出口装置の各遮蔽板の先端部同士を、筒状壁部の軸心方向に見て一致する位置に配設し、例えば、各遮蔽板の先端部を、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に沿う位置に配設したり、あるいは、各遮蔽板の先端部を、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に対して平行となる線に沿う位置に配設したりすることにより、比較的安定した吐出量で抽出することができると同時に、筒状壁部および複数の遮蔽板を射出成形するなどして、当該定量注出口装置を安価に樹脂成形することが可能となる。
また、吐出口に最も近接する遮蔽板を、筒状壁部の内壁面において吐出時に下方となる箇所から突出するように配設すると好適であり、このように構成すると、より安定した量で吐出できて、信頼性が向上する。
また、吐出口に近接する遮蔽板ほど、筒状壁部から内径方向に大きく突出しているよう構成したり、吐出口に近接する遮蔽板ほど、筒状壁部の軸心方向に見て大きい面積であるように構成したりすることにより、安定した吐出量で抽出することができる。
また、定量吐出容器として用いる場合に、筒状壁部の一端部に設けた吐出口が斜め上方に向く姿勢で、定量注出口装置を容器本体に装着していると、粉粒体を吐出させる際に、前記傾斜している側にさらに当該定量吐出容器を傾斜させて吐出させる動作を行う場合が多くなるため、より安定した量で粉粒体を吐出でき、これによっても信頼性が向上する。
本発明の実施の形態に係る定量注出口装置(スパウト)を備えた定量吐出容器の全体斜視図である。 同定量吐出容器における定量注出口装置が設けられている箇所の要部拡大斜視図である。 (a)および(b)はそれぞれ同定量吐出容器における定量注出口装置が設けられている箇所の断面図で、(a)は定量注出口装置の装着体を装着しようとしている状態を示し、(b)は装着体を装着した状態を示している。 (a)および(b)は同定量注出口装置の装着体の断面図および平面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、同定量注出口装置により粉粒体を吐出する状態を示す簡略的な断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、同定量注出口装置により粉粒体を吐出する状態を示す簡略的な断面図である。 (a)および(b)は同定量注出口装置の装着体の変形例の断面図である。 (a)および(b)は同定量注出口装置の装着体の他の変形例の断面図および平面図である。 (a)および(b)は同定量注出口装置の装着体のさらに他の変形例の断面図および平面図である。 同定量注出口装置の他の変形例の断面図である。 同定量注出口装置のさらに他の変形例の断面図である。 従来の定量吐出容器の断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ同従来の定量吐出容器により粉粒体を吐出する手順を示す簡略的な断面図である。 他の従来の定量吐出容器の断面図である。 同他の従来の定量吐出容器の粉粒体を吐出する手順を示す簡略的な断面図である。 同他の従来の定量吐出容器の粉粒体を吐出する手順を示す簡略的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る定量吐出容器および定量注出口装置を図面に基づき説明する。なお、本実施の形態においては、容器本体がパウチであり、このパウチに定量注出口装置としてのスパウトが装着された定量吐出容器について以下に説明するが、これに限るものではない。
図1における1は本発明の実施の形態に係る定量吐出容器、2はスパウトからなる定量注出口装置10が装着される容器本体であり、容器本体2内には、内容物である粉粒体fが収容されている。容器本体2は、例えば合成樹脂などからなる2枚のフレキシブルシートの周縁部を相互に熱溶着するなどして形成されたパウチで構成されている。容器本体2には、上部における片側に、定量注出口装置10としてのスパウトが、2枚のフレキシブルシートにより挟持された状態で熱溶着されている。
定量注出口装置10は、容器本体2に溶着される複数の溶着用リブ11aを有する取付部11に、筒状部12が立設された状態で一体形成されており、筒状部12の軸心方向(詳しくは、後述する吐出口21)が容器本体2に対して斜め上方に向いた傾斜姿勢で配設されている。定量注出口装置10の先端部外周には、キャップ5が螺合されるねじ面13が形成されている。
ここで、この実施の形態においては、図2〜図4に示すように、定量注出口装置10は、上述した取付部11、筒状部12、ねじ面13などが一体形成されてなる注出口本体15と、この注出口本体15の筒状部12の内部に挿入されて、筒状部12に固定される装着体20とから構成されている。
装着体20は、軸心方向の一端部が吐出口21として開口されている筒状壁部22と、この筒状壁部22の内壁面から傾斜する姿勢で突出された複数の遮蔽板23とを有する。そして、装着体20の筒状壁部22が注出口本体15の筒状部12の内部に圧入するなどして嵌合されたり、あるいは接着されたりして、筒状部12と筒状壁部22とが同軸心Xの状態で固定される。なお、図4における24は、注出口本体15の筒状部12の先端に当接した状態で装着される鍔部である。
本実施の形態では、遮蔽板23は、筒状壁部22内を内容物である粉粒体fが流れる方向に対して上流側である第1の遮蔽板23Aと、下流側である第2の遮蔽板23Bとが、筒状部12と一体形成された状態で設けられている。そして、これらの第1、第2の遮蔽板23A、23Bは、筒状壁部22の内壁面における互いに対向する面から、吐出口21とは反対側の向きへ傾斜する姿勢(すなわち、容器本体2内から流れてきた粉粒体fを堰き止めるような姿勢)で配設されている。また、遮蔽板23A、23B同士の少なくとも先端部の位置が、筒状壁部22の軸心方向に対して異なっており、これらの遮蔽板23A、23Bの先端部の間に隙間が形成されている。この実施の形態では、その先端部も含めて、第1の遮蔽板23Aの全体が第2の遮蔽板23Bよりも上流側に配設されている。
また、この実施の形態では、各遮蔽板23A、23Bの先端部が、筒状壁部22の軸心Xに沿った平面で2分割し、各遮蔽板23A、23Bの先端部同士が、吐出口21の軸心方向に見て一致する位置に配設されている。図4(b)に示すように、この実施の形態では、各遮蔽板23A、23Bが吐出口21の軸心方向に見てそれぞれ半円形とされ、各遮蔽板23A、23Bの先端部は、前記軸心方向に見ると、軸心Xを通る直径方向に沿う位置に配設されており、各遮蔽板23A、23Bの先端部が一致している。そして、粉粒体を吐出させる際には、図5(a)〜(c)、図6(a)、(b)に示すように、吐出口21が下になるように傾斜させるが、吐出口21に最も近接する遮蔽板23(この実施の形態では第2の遮蔽板23B)は、筒状壁部22の内壁面において吐出時に下方となる箇所から斜め上方に向けて突出するように配設され、上流側の遮蔽板23(この実施の形態では第1の遮蔽板23A)は、筒状壁部22の内壁面におけるこれよりも上方の位置の反対側(例えば左右反対側)の箇所から斜め上方に向けて突出するように配設されている。
この構成において、粉粒体fを吐出させる際には、キャップ5を開けた状態で、図5(a)〜(c)、図6(a)、(b)に示すように、斜め上方に向いている吐出口21が側方から下方に向くように定量吐出容器1全体を徐々に回転させるようにして傾斜させる。すなわち、図5(a)、(b)に示すように、まず、吐出口21が下方に向くように定量吐出容器1を傾斜し始めると、下側となる第2の遮蔽板23Bにより粉粒体fが堰き止められてまず溜まり始め、さらに、上側の第1の遮蔽板23Aにも一部の粉粒体fが堰き止められて溜まり始めるが、この際には、第2の遮蔽板23Bや第1の遮蔽板23Aに溜まっている量が少ないため、図5(c)に示すように、第2の遮蔽板23Bの先端部と第1の遮蔽板23Aの先端部との間の隙間を通って粉粒体fが所定量吐出される。
しかしながら、さらに定量吐出容器1を傾斜させると、図5(c)に示すように、第2の遮蔽板23B上に溜まっていた粉粒体fと第2の遮蔽板23B上に溜まっていた粉粒体fとが増加して、これらの粉粒体f同士がつながり、吐出口21がほぼ下方に向くように傾斜させた時点で、つながった粉粒体fの上にさらに多くの粉粒体fが載せられた状態となる。そして、堰き止められた粉粒体fの重量が遮蔽板23A、23Bの近傍の(すぐ上の)粉粒体fに作用して押圧することで、粉粒体f同士が密接して詰まった状態となって、遮蔽板23A、23B同士の間の隙間からも粉粒体fが吐出しなくなる。このようにして、定量の粉粒体fが吐出される。
この構成によれば、概略的に定量の粉粒体fを吐出できながら、筒状壁部22の内部に2つの遮蔽板23(23A、23B)を配設しただけの極めて簡単で部品点数も少ない構造であるので、定量注出口装置10、ひいては定量吐出容器1の製造コストを安価に済ませることができる。しかも、傾ける動作を1回行うだけで定量の粉粒体fを吐出できて、粉粒体fを極めて少ない手間で吐出させることができ、利便性が向上する。
また、上記構成によれば、各遮蔽板23(23A、23B)の先端部が、筒状壁部22の軸心方向に沿うとともに、筒状壁部22の軸心方向に見て軸心Xを通る直径方向に沿う位置に配設されている(すなわち、複数の遮蔽板23(23A、23B)の先端部同士が、吐出口21の軸心方向に見て一致する位置に配設されている)ので、粉粒体fが流れ続けることを防止しながら、比較的安定した吐出量で注出することができる。また、複数の遮蔽板の先端部同士が、吐出口の軸心方向に見て重なるような形状であると、注出口本体15に装着される装着体20を、射出成形により製造することが困難となるおそれがあるが、上記のように、各遮蔽板23(23A、23B)の先端部が、筒状壁部22の軸心方向に沿うとともに、筒状壁部22の軸心方向に見て軸心Xを通る直径方向に沿う位置(すなわち、複数の遮蔽板23(23A、23B)の先端部同士が、吐出口21の軸心方向に見て一致する位置)に配置することで、装着体20を射出成形するなどして、安価に樹脂成形することが可能となり、ひいては、当該定量注出口装置10や定量吐出容器1の製造コストをさらに安価に製造することができる。
また、上記のように、吐出口21に最も近接する遮蔽板23(この実施の形態では第2の遮蔽板23B)を、筒状壁部22の内壁面において吐出時に下方となる箇所から突出するように配設することにより、粉粒体fが安定して堰き止められて、より安定した量で吐出できる。また、上記のように、定量吐出容器1をテーブルなどの上に載置している状態において、筒状壁部22の軸心方向が容器本体2に対して傾斜し、筒状壁部22の吐出口21が斜め上方に向く姿勢で、定量注出口装置10を容器本体2に装着していると、粉粒体fを吐出させる際に、この定量吐出容器1の利用者が、図5(a)〜(c)、図6(a)、(b)に示すように、斜め上方に向いている吐出口21が側方から下方に向くように定量吐出容器1全体を徐々に回転させるようにして傾斜させる動作を行う可能性が大きいため、粉粒体fをより安定した状態で吐出できて、信頼性が向上する。
なお、上記実施の形態では、第1の遮蔽板23Aと第2の遮蔽板23Bとの間の間隔が比較的狭い(小さい)場合を図示したが、これに限るものではなく、図7(a)、(b)に示すように、第1の遮蔽板23Aと第2の遮蔽板23Bとの間の間隔を広めに(大きめに)形成してもよい。すなわち、粘着性の大きい粉粒体fや体積当たりの重量が比較的大きな粉粒体fなどは、前記間隔が小さいと詰まりやすくなるため、比較的前記間隔を広めにすることが好ましく、これとは反対に、粘着性の小さい粉粒体fや体積当たりの重量が小さい粉粒体fなどは、前記間隔が大きいと流れが止まらなくなるおそれがあるため、比較的前記間隔を狭く(小さく)することが好ましい。また、吐出させる量を少なくする場合には前記間隔を小さく形成し、吐出させる量を多くする場合には前記間隔を大きく形成すればよい。
また、遮蔽板23(23A、23B)の筒状壁部22に対する傾斜角度は、粘着性の大きい粉粒体fなどの流れ難い粉粒体fに対しては、小さめに形成し、粘着性の小さい粉粒体fなどの流れ易い粉粒体fに対しては、大きめに形成することが好ましい。
また、上記の実施の形態では、各遮蔽板23A、23Bの先端部が、筒状壁部22の軸心Xに沿った平面で同じ大きさに2分割し、筒状壁部22の軸心方向に見て軸心Xを通る直径方向に沿う位置に配設されている場合を述べたが、これに限るものではなく、図8(a)、(b)、図9(a)、(b)に示すように、各遮蔽板23A、23Bの先端部が、筒状壁部22の軸心Xに平行な線に沿うような位置であるとともに、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に対して平行となる線に沿う位置に配設してもよい。この場合には、一方の遮蔽板23を大きく、他方の遮蔽板23を小さく形成することとなる。図8(a)、(b)に示すように、吐出口21に近接する第2の遮蔽板23Bより、吐出口21から離れた第1の遮蔽板23Aを、筒状壁部22から内径方向に大きく突出させたり、筒状壁部22の軸心方向に見て大きい面積となるように形成したりしてもよいが、これに限るものではない。好ましくは、吐出口21に近接する第2の遮蔽板23Bを、吐出口21から離れた第1の遮蔽板23Aよりも、筒状壁部22から内径方向に大きく突出させたり、筒状壁部22の軸心方向に見て大きい面積となるように形成したりするとよく、この構成によれば、一度の吐出量をさらに安定させることができる。
ここで、以下に示す表1は、図4(a)、(b)に示すように、各遮蔽板23A、23Bの先端部が、筒状壁部22の軸心Xに沿った平面で同じ大きさに2分割され、筒状壁部22の軸心方向に見て軸心Xを通る直径方向に沿う位置に配設されている装着体20を装着した場合(D1)と、図8(a)、(b)に示すように、吐出口21に近接する第2の遮蔽板23Bよりも、吐出口21から離れた第1の遮蔽板23Aが、筒状壁部22から内径方向に大きく突出され、筒状壁部22の軸心方向に見て大きい面積となるように形成されている装着体20を装着した場合(D2)と、図9(a)、(b)に示すように、吐出口21から離れた第1の遮蔽板23Aよりも、吐出口21に近接する第2の遮蔽板23Bを、筒状壁部22から内径方向に大きく突出させ、筒状壁部22の軸心方向に見て大きい面積となるように形成されている装着体20を装着した場合(D3)とを、それぞれ複数回吐出(注出)動作を行い、その吐出量(この場合には吐出重量であり、単位はg(グラム)であるとともに単一材料からなるため、吐出重量比は、吐出量比とほぼ同じと考えられる)を測定したものである。
なお、測定した表1のD1に対応する図4(a)、(b)に示す装着体20は、遮蔽板23A、23Bの筒状壁部22から内径方向への突出寸法L1、L2が何れも8mm、遮蔽板23A、23B同士の軸心方向に沿った離間距離h1が5mmである。表1のD2に対応する図8(a)、(b)に示す装着体20は、遮蔽板23A、23Bの筒状壁部22から内径方向への突出寸法L1、L2が11mm、8mm、遮蔽板23A、23B同士の軸心方向に沿った離間距離h2が約5mmである。表1のD3に対応する図9(a)、(b)に示す装着体20は、遮蔽板23A、23Bの筒状壁部22から内径方向への突出寸法L1、L2が8mm、11mm、遮蔽板23A、23B同士の軸心方向に沿った離間距離h3が約5mmである。なお、本発明の装着体20の形状はこれに限定されるものではない。
Figure 0006370129

これらの装着体20を装着した定量注出口装置10を用いて、吐出口21に近接する第2の遮蔽板23Bが下方に位置するような姿勢で、30回ずつ注出(吐出)させた場合を測定したところ、表1に示すように、吐出口21から離れた第1の遮蔽板23Aよりも、吐出口21に近接する第2の遮蔽板23Bを、筒状壁部22から内径方向に大きく突出させ、筒状壁部22の軸心方向に見て大きい面積となるように形成されている装着体20を装着した場合(D3)(図9(a)、(b)参照)が、平均値からの変動である標準偏差が最も小さく、高精度で安定した量を吐出できることがわかった。また、この装着体20を装着した場合(D3)は、その吐出量が最も多かった。すなわち、この装着体20を装着した場合(D3)が、最も多く吐出できたとともに、その吐出量が最も安定した。
なお、上記の実施の形態では、複数の遮蔽板23(23A、23B)が形成されている装着体20を、注出口本体15に装着して固定する場合を述べ、この場合には、各種のスパウトなどの注出口装置に対して装着体20を装着するだけで、容易に定量注出口装置や定量注出口装置として用いることができる利点があるとともに、粉粒体fの種類に応じて、最も適した装着体20を各種の容器に装着できる利点もある。
しかし、これに限るものではなく、図10に示すように、注出口本体15の筒状部12を、装着体20の筒状壁部22として用いるとともに、筒状部12(筒状壁部22)から複数の遮蔽板23が突出するように形成して、注出口本体15と装着体20とを一体化してもよい。この場合には、部品点数もさらに削減できて、製造コストの低減を一層図ることができる。
また、上記の実施の形態では、キャップ5がスクリュー式である場合を述べたが、これに限るものではなく、図11に示すように、キャップ31としてヒンジ式のものを用いてもよい。なお、この場合には、筒状部12(筒状壁部22)における、ヒンジ32が設けられている側に上流側の第1の遮蔽板23A、ヒンジ32が設けられている側とは反対側に下流側の第2の遮蔽板23Bが配設されるように形成することが好ましく、これによれば、当該容器を、ヒンジ32が設けられている側とは反対側に傾斜させることで、定量の粉粒体fを良好に吐出させることができる。
また、上記の実施の形態では、筒状壁部22(筒状部12)に対して何れも遮蔽板23(23A、23B)が2つ(2枚)設けられる場合を述べたが、これに限るものではなく、遮蔽板23を3つ(3枚)以上設けてもよい。
また、上記の実施の形態では、定量注出口装置10がスパウトであり、容器本体2がパウチである場合を述べたが、これに限るものではなく、例えば、容器本体として瓶型容器などを用いてもよく、定量注出口装置としては、円筒形状や角筒形状などの各種の筒状壁部に複数の遮蔽板を設けたものであればよい。
1 定量吐出容器
2 容器本体(パウチ)
5、31 キャップ
10 定量注出口装置(スパウト)
11 取付部
12 筒状部
15 注出口本体
20 装着体
21 吐出口
22 筒状壁部
23 遮蔽板
23A 第1の遮蔽板
23B 第2の遮蔽板
32 ヒンジ
f 粉粒体
X 軸心

Claims (12)

  1. 粉粒体を定量に注出することが可能な定量注出口装置であって、
    軸心方向の一端部が吐出口として開口されている筒状壁部と、
    前記筒状壁部の内壁面から傾斜する姿勢で突出された複数の遮蔽板と、を有し、
    隣り合う遮蔽板は、前記筒状壁部の内壁面における互いに対向する面から吐出口とは反対側の向きへ傾斜する姿勢で、かつこれらの隣り合う遮蔽板間を粉粒体が通過できる隙間を有する状態で配設され、
    遮蔽板同士の少なくとも先端部の位置が、前記筒状壁部の軸心方向に対して異なっていることを特徴とする定量注出口装置。
  2. 各遮蔽板の先端部同士が、筒状壁部の軸心方向に見て一致する位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の定量注出口装置。
  3. 各遮蔽板の先端部が、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に沿う位置に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定量注出口装置。
  4. 各遮蔽板の先端部が、筒状壁部の軸心方向に見て軸心を通る直径方向に対して平行となる線に沿う位置に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定量注出口装置。
  5. 吐出口に最も近接する遮蔽板は、筒状壁部の内壁面において吐出時に下方となる箇所から突出するように配設されている請求項1〜4の何れか1項に記載の定量注出口装置。
  6. 吐出口に近接する遮蔽板ほど、筒状壁部から内径方向に大きく突出していることを特徴とする請求項1、2、4、5の何れか1項に記載の定量注出口装置。
  7. 吐出口に近接する遮蔽板ほど、筒状壁部の軸心方向に見て大きい面積であることを特徴とする請求項1、2、4、5の何れか1項に記載の定量注出口装置。
  8. 遮蔽板は2つであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の定量注出口装置。
  9. 当該定量注出口装置がスパウトであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の定量注出口装置。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の定量注出口装置と、この定量注出口装置が装着される容器本体とを備えた定量吐出容器。
  11. 筒状壁部の一端部に設けた吐出口が斜め上方に向く姿勢で、定量注出口装置が容器本体に装着されていることを特徴とする請求項10に記載の定量吐出容器。
  12. 容器本体がパウチであることを特徴とする請求項10または11に記載の定量吐出容器。
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