JP6369134B2 - 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ Download PDF

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Description

本発明は半導体パッケージやプリント配線板用に好適な熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージに関する。
近年の電子機器の小型化及び高性能化の流れに伴い、プリント配線板では配線密度の高度化、高集積化が進展し、これに伴って、配線用積層板の耐熱性の向上による信頼性向上への要求が強まっている。特に、半導体用パッケージ基板では、部品実装時やパッケージ組み立て時において、チップと基板との熱膨張率の差に起因した反りが大きな課題となっている。
このような理由から、特に半導体パッケージにおいては、優れた耐熱性、低収縮性、低熱膨張性、及び高弾性率が要求されている。また、電気信号の高周波数化に対応するため、高い誘電特性も要求されてきている。
エポキシ樹脂は寸法安定性や耐薬品性、耐吸湿性、電気絶縁性に優れることが知られ、配線板材料や封止材、接着剤、塗料等に使用されている。しかし、エポキシ樹脂は熱膨張係数が大きく、芳香環を有するエポキシ樹脂の選択やシリカ等の無機充填材の高充填化によって低熱膨張係数化を図っている(例えば、特許文献1参照)。無機充填材を高い割合で充填することにより、さらなる低熱膨張率化を図ることも可能であるが、無機充填材の充填量を増やすことは吸湿による絶縁信頼性の低下や樹脂組成物層−配線層間の密着力の不足、プレス成形不良を起こすことが知られている。
一方、ポリイミド樹脂は他の高分子樹脂材料と比較して非常に優れた強度や耐熱性、低熱膨張性を有し、電気絶縁性にも優れるが、接着性の低さに課題がある。接着性が低い場合、上記実装時に生じる反りにより配線が剥離し、断線する等の問題が発生する可能性がある。
上記ポリイミド樹脂の接着性を改善するために、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及び変性イミド樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この熱硬化性樹脂組成物は、耐湿性や接着性が改善されるものの、メチルエチルケトン等の汎用性溶媒への可溶性確保のため水酸基とエポキシ基を含有する低分子化合物で変性するので、得られる変性イミド樹脂の耐デスミア性が従来のポリビスマレイミド樹脂と比較して、大幅に低下するという問題がある。
多層プリント回路基板を製造する過程において、ドリル加工やレーザ加工によりビアホールを形成した後、穴の内外に付着するスミアを過マンガン酸溶液等を含有するデスミア液で処理する。この際、樹脂の耐デスミア性が低いと、ビアホール内の樹脂も同時に削られ、凹凸が大きくなり、接続不良が発生したり、より多くの金メッキが必要となったりするため、コストが増加する要因となる。そのため、多層プリント回路基板に適用される樹脂には優れた耐デスミア性が要求される。
特開平5−148343号公報 特開平6−263843号公報
本発明の目的は、こうした現状に鑑み、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性に優れる熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージを提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のマレイミド化合物(A)、及び特定のアミノ変性シロキサン化合物(B)を配合してなる熱硬化性樹脂組成物が上記目的に沿うものであることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージを提供するものである。
[1]下記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)、及び分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を配合してなる熱硬化性樹脂組成物。
[一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、Xはアルキレン基、アリーレン基、又は下記一般式(2)
(一般式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アミド基、カルボニル基を示し、*は隣接する酸素原子との結合部を示す。p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
で表される2価の結合基を示す。m及びnはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
[2]前記一般式(1)のXが、前記一般式(2)で表される2価の結合基であり、且つ前記一般式(2)のR6が単結合又はアルキレン基である、上記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[3]さらに、下記一般式(3)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(C)を配合してなる上記[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(一般式(3)中、R8は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン基を、R9は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
[4]さらに、硬化剤(D)を配合してなる上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[5]前記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)と、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)と、酸性置換基を有するアミン化合物(C)と、硬化剤(D)とを反応してなる、芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E)を含有する、上記[4]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[6]前記分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)が、1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)と分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)とを反応させることにより得られるものである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7]前記1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)が、1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)と、1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)とを反応させることにより得られるものである、上記[6]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[8]さらに、熱可塑性エラストマー(J)を配合してなる上記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9]さらに、無機充填材(K)を配合してなる上記[1]〜[8]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[10]さらに、硬化促進剤(L)を配合してなる上記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を用いてなるプリプレグ。
[12]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を支持体上に層形成してなる樹脂付フィルム。
[13]上記[11]に記載のプリプレグを積層成形し得られる積層板。
[14]上記[12]に記載の樹脂付フィルムを積層成形し得られる積層板。
[15]上記[13]又は[14]に記載の積層板を用いて製造された多層プリント配線板。
[16]上記[15]に記載の多層プリント配線板に半導体を搭載してなる半導体パッケージ。
本発明によれば、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性に優れる熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージを提供することができる。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、下記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)、及び分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を配合してなる熱硬化性樹脂組成物である。
ここで、芳香族アゾメチン基とは、シッフ塩基(−N=CH−)に少なくとも1つの芳香族が結合したものをいう。
一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、Xはアルキレン基、アリーレン基、又は下記一般式(2)で表される2価の結合基を示す。m及びnは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。
一般式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アミド基、カルボニル基を示し、*は隣接する酸素原子との結合部を示す。p及びqは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。
(マレイミド化合物(A))
本発明に用いるマレイミド化合物(A)は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、反応性、溶剤溶解性、及び入手容易性の観点から、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基が好ましい。
炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルキニル基が挙げられ、反応性、溶剤溶解性、及び入手容易性の観点から、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、更に好ましくはメチル基である。
一般式(1)中、m及びnはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、反応性、溶剤溶解性、及び入手容易性の観点から、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1である。
一般式(1)中、Xは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、又は下記一般式(2)で表される2価の結合基を示す。
アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3である。アルキレン基としては、直鎖又は分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらの中でも、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性の観点から、好ましくはメチレン基である。
アリーレン基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜16、更に好ましくは6〜14である。
なお、本明細書中、アリーレン基とは、単環及び/又は縮合環である芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた2価の結合基を意味し、単環及び/又は縮合環同士が、単結合又は結合基を介して結合したものは含めないものとする。
アリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基等が挙げられる。また、アリーレン基は前記R3及びR4と同様の置換基を有していてもよい。
前記Xは、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性の観点から、好ましくは下記一般式(2)で表される2価の結合基である。
一般式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、好ましい態様としては前記R1及びR2と同様である。
一般式(2)中、p及びqは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、反応性、溶剤溶解性、及び入手容易性の観点から、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1である。
一般式(2)中、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アミド基、又はカルボニル基を示す。
6は、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性の観点から、好ましくは単結合又はアルキレン基、より好ましくはアルキレン基である。
5及びR7は、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性の観点から、好ましくは単結合又はアルキレン基、より好ましくは単結合である。
アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3である。アルキレン基としては、直鎖又は分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらの中でも、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性の観点から、好ましくはメチレン基又はイソプロピレン基、より好ましくはイソプロピレン基である。
マレイミド化合物(A)の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(2,2’−ジメチルマレイミドフェノキシ)メタン、ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ))ビフェニル、ビス(4−マレイミドフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2’−ビス[4,4’−(2’’,2’’’−マレイミドフェノキシエチレン)フェニレン]プロパン、ビス(4−マレイミドフェノキシ)−2,2’−ジメチルビフェニル等が挙げられ、弾性率及び収縮率の点から2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス[4,4’−(2,2’−マレイミドフェノキシエチレン)フェニレン]プロパン、ビス(4−マレイミドフェノキシ)−2,2’−ジメチルビフェニルが好ましく、耐デスミア性の点から、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、マレイミド化合物(A)の配合量は、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、好ましくは30〜99質量部、より好ましくは40〜95質量部、更に好ましくは60〜93質量部である。この範囲の配合量とすることで、弾性率、低熱膨張性、及び耐デスミア性を向上させることができる。
(アミノ変性シロキサン化合物(B))
分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)は、1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)と分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)とを反応させることにより得られるものが好ましい。
<1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)>
前記1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)は、1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)と、1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)とを反応させることにより得られる。
〔1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)〕
1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)としては、例えば、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボキシアルデヒド等が挙げられる。これらの中で、例えば、より低熱膨張化が可能であり、反応時の反応性が高く、溶剤溶解性にも優れ、商業的にも入手しやすいテレフタルアルデヒドが好ましい。
〔1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)〕
1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3−メチル−1,4−ジアミノベンゼン、2,5−ジメチル−1,4−ジアミノベンゼン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチル−ジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−ジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、ベンジジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中で、例えば、反応時の反応性が高く、より高耐熱性化できる4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン等が好ましく、安価であることや溶剤への溶解性の点からは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンがより好ましく、低熱膨張性や誘電特性の点からは、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンがより好ましい。また、高弾性率化できるp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3−メチル−1,4−ジアミノベンゼン、2,5−ジメチル−1,4−ジアミノベンゼンも好ましい。
<分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)>
分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)としては、市販品を用いることができ、例えば、「KF−8010」(アミノ基当量430)、「X−22−161A」(アミノ基当量800)、「X−22−161B」(アミノ基当量1500)、「KF−8012」(アミノ基当量2200)、「KF−8008」(アミノ基当量5700)、「X−22−9409」(アミノ基当量700)、「X−22−1660B−3」(アミノ基当量2200)(以上、信越化学工業(株)製)、「BY−16−853U」(アミノ基当量460)、「BY−16−853」(アミノ基当量650)、「BY−16−853B」(アミノ基当量2200)(以上、東レダウコーニング(株)製)等が挙げられ、これらは単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中で、例えば、合成時の反応性が高く、低熱膨張性の点から「X−22−161A」、「X−22−161B」、「KF−8012」、「X−22−1660B−3」、「BY−16−853B」が好ましく、相溶性に優れ、高弾性率化できる「X−22−161A」、「X−22−161B」がより好ましい。
本発明において、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を得るための反応としては、始めに、1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)と、1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)とを有機溶媒中で脱水縮合反応させることにより、1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)を得る。次いで、前記化合物(F)と、分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)とを有機溶媒中で脱水縮合反応させることにより、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を得ることができる。
また、本反応は、本発明に用いる芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)の分子中における、芳香族アゾメチン基の分子量制御が容易であるという特徴を有し、これを配合してなる樹脂組成物の高弾性率化に特に有効である。
脱水縮合反応に使用される有機溶媒は、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤などが挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。これらの中で、例えば、溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン等が好ましく、揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残りにくいプロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエンがより好ましい。また、この反応は脱水縮合反応であるため副生成物として水が生成される。この副生成物である水を除去する目的で、例えば、芳香族系溶剤との共沸により副生成物である水を除去しながら反応することが望ましい。
脱水縮合反応には、必要により反応触媒を使用することができ、反応触媒の例としては、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン類、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒などが挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。脱水縮合反応を効率よく進行させる観点から、例えば、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒が好ましい。
始めに、1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)と、1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)とを有機溶媒中で脱水縮合反応させることにより、1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)を得る。
ここで、脱水縮合反応における、1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)と、1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)との配合量は、例えば、ジアミン化合物(I)の一級アミノ基数〔ジアミン化合物(I)の配合量/ジアミン化合物(I)の一級アミノ基当量〕が、芳香族アルデヒド化合物(H)のアルデヒド基数〔芳香族アルデヒド化合物(H)の配合量/芳香族アルデヒド化合物(H)のアルデヒド基当量〕の0.1倍〜5.0倍になる範囲が望ましい。0.1倍以上とすることにより、本反応により得られる芳香族アゾメチン化合物の分子量の低下を抑制することができ、また、5.0倍以下とすることにより、溶媒への溶解性の低下を抑制することができる。
また、有機溶媒の配合量は、例えば、ジアミン化合物(I)及び芳香族アルデヒド化合物(H)の総和100質量部に対して、25〜2000質量部が好ましく、40〜1000質量部がより好ましく、40〜500質量部が更に好ましい。有機溶媒の配合量を25質量部以上とすることにより、溶解性が不足することなく、また2000質量部以下とすることにより、反応に長時間を要することがない。
上記の原料、有機溶媒、及び必要により反応触媒を反応釜に仕込み、必要により加熱及び保温しながら、0.1時間〜10時間攪拌し脱水縮合反応させることにより、芳香族アゾメチン化合物(F)が得られる。
反応温度は、例えば、70〜150℃が好ましく、副生成物である水を除去しながら反応することが望ましいことから、100〜130℃がより好ましい。温度を70℃以上とすることにより、反応速度が遅くなることがなく、温度を150℃以下とすることにより、反応溶媒に高沸点の溶媒を必要とせず、プリプレグを製造する際、溶剤が残りにくく、耐熱性の低下を抑制することができる。
次いで、前記反応により得られた芳香族アゾメチン化合物(F)と、分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)とを有機溶媒中で脱水縮合反応させることにより、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を得ることができる。
ここで、芳香族アゾメチン化合物(F)とシロキサン化合物(G)との配合量は、例えば、シロキサン化合物(G)の一級アミノ基数〔シロキサン化合物(G)の配合量/シロキサン化合物(G)の一級アミノ基当量〕が、芳香族アゾメチン化合物(F)のアルデヒド基数〔芳香族アゾメチン化合物(F)の配合量/芳香族アゾメチン化合物(F)のアルデヒド基当量〕の1.0〜10.0倍になる範囲が望ましい。1.0倍以上とすることにより、溶媒への溶解性が低下することなく、また、10.0倍以下とすることにより、芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を配合することによる熱硬化性樹脂の弾性率の低下を抑制することができる。
また、有機溶媒の配合量は、例えば、芳香族アゾメチン化合物(F)及びシロキサン化合物(G)の樹脂成分の総和100質量部に対して、25〜2000質量部が好ましく、40〜1000質量部がより好ましく、40〜500質量部が更に好ましい。有機溶媒の配合量を25質量部以上とすることにより、溶解性が不足することなく、また2000質量部以下とすることにより、反応に長時間を要することがない。
上記の原料、有機溶媒、必要により反応触媒を反応釜に仕込み、必要により加熱及び保温しながら、例えば、0.1時間〜10時間攪拌し脱水縮合反応させることにより、芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)が得られる。
反応温度は、例えば、70〜150℃が好ましく、副生成物である水を除去しながら反応することが望ましいことから、反応温度は100〜130℃がより好ましい。温度を70℃以上とすることにより、反応速度が遅くなることがなく、温度を150℃以下とすることにより、反応溶媒に高沸点の溶媒を必要とせず、プリプレグを製造する際、溶剤が残りにくく、耐熱性の低下を抑制することができる。
上記の反応により得られた芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)は、IR測定を行うことにより確認することができる。IR測定により、アゾメチン基(−N=CH−)に起因する1620cm-1のピークが出現することを確認し、また、一級アミノ基に起因する3440cm-1、及び3370cm-1付近のピークが存在することを確認することにより、良好に反応が進行し、所望の化合物が得られていることを確認することができる。また、アミノ変性シロキサン化合物(B)の重量平均分子量(Mw)は、6,500〜85,000が好ましく、15,000〜30,000がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が6,500以上であると、良好な低収縮性、低熱膨張性が得られる傾向にあり、85,000以下であると、良好な相溶性、弾性率が得られる傾向にある。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定を行い、標準ポリスチレンを用いて作製した検量線により換算したものである。例えば、以下の条件で行うことができる。
測定装置としては、例えばオートサンプラー(東ソー(株)製AS−8020)、カラムオーブン(日本分光(株)製860−C0)、RI検出器(日本分光(株)製830−RI)、UV/VIS検出器(日本分光(株)製870−UV)、HPLCポンプ(日本分光(株)製880−PU)を使用することが可能である。
また、使用カラムとしては、例えば、東ソー(株)製 TSKgel SuperHZ2000,2300を使用でき、測定条件としては、例えば、測定温度:40℃、流量:0.5ml/min、溶媒をテトラヒドロフランとすることで、測定可能である。
(酸性置換基を有するアミン化合物(C))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、下記一般式(3)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(C)を配合させてもよい。
(一般式(3)中、R8は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン基を、R9は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
酸性置換基を有するアミン化合物(C)は、例えば、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられ、これらの中で、溶解性や合成の収率の点からm−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、及び3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の点からm−アミノフェノール及びp−アミノフェノールがより好ましく、低熱膨張性の点からp−アミノフェノールが特に好ましい。これらは単独で、又は2種類以上を混合して使用してもよい。
配合量としては、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましく、2〜7質量部が更に好ましい。この範囲の配合量とすることで、耐熱性及び低熱膨張性を向上させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要により、硬化剤(D)及びラジカル開始剤を併用することで、耐熱性、接着性、及び機械強度を向上させることができる。
(硬化剤(D))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤(D)を配合させてもよい。
硬化剤(D)としては、例えば、ジシアンジアミド、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、フェニレンジアミン、キシレンジアミン等の芳香族アミン類、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類、メラミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン化合物類が挙げられる。
これらの中で、例えば、良好な反応性や耐熱性の点から、芳香族アミン類が好ましい。
また、上記ラジカル開始剤としては、例えば、アシル過酸化物、ハイドロパーオキサイド、ケトン過酸化物、t−ブチル基を有する有機過酸化物、クミル基を有する過酸化物等の有機過酸化物が使用できる。これらは単独で、又は2種類以上を混合して使用してもよい。
(芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E))
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)、並びに所望により使用される酸性置換基を有するアミン化合物(C)及び硬化剤(D)は、配合前及び/又は配合後にプレ反応してもよい。
すなわち、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)と、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)と、所望により酸性置換基を有するアミン化合物(C)及び硬化剤(D)とをプレ反応してなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E)を含有していてもよい。このようなプレ反応を行うことにより、分子量を制御することができ、低収縮性、低熱膨張性、及び耐デスミア性を向上させることができる。以下、各態様ごとに説明する。
<成分(A)及び(B)を反応してなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂>
成分(A)及び(B)を反応させてなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(以下、「変性イミド樹脂(i)」ともいう)は、有機溶媒中で加熱保温しながら成分(A)及び(B)をプレ反応(以下、「プレ反応(1)」ともいう)させて合成することが好ましい。
前記プレ反応(1)の反応温度は、例えば、70〜150℃が好ましく、100〜130℃がより好ましい。反応時間は、例えば、0.1〜10時間が好ましく、1〜6時間がより好ましい。
このプレ反応(1)において、成分(A)及び(B)の配合量は、例えば、成分(A)のマレイミド基数[成分(A)の配合量/成分(A)のマレイミド基当量]が、成分(B)の一級アミノ基数[成分(B)の配合量/成分(B)の一級アミノ基当量]の2.0〜10.0倍になる範囲が望ましい。2.0倍以上とすることによりゲル化及び耐熱性が低下することがなく、また、10.0倍以下とすることにより有機溶剤への溶解性、耐熱性が低下することがない。
前記プレ反応における成分(A)の配合量は、上記のような関係を維持しつつ、例えば、成分(B)100質量部に対して50〜3000質量部が好ましく、100〜1500質量部がより好ましい。50質量部以上とすることにより耐熱性が低下することがなく、また、3000質量部以下とすることにより低熱膨張性を良好に保つことができる。
前記プレ反応で使用される有機溶媒は、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチルエステルやγ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤などが挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの有機溶媒の中で、例えば、溶解性の点からは、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、γ−ブチロラクトンが好ましく、低毒性であることや揮発性が高く残溶剤として残りにくい点からは、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミドが好ましい。
有機溶媒の配合量は、例えば、成分(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、25〜2000質量部が好ましく、40〜1000質量部がより好ましく、40〜500質量部が更に好ましい。有機溶媒の配合量を25質量部以上とすることにより、溶解性が不足することなく、また2000質量部以下とすることにより、反応に長時間を要することがない。
前記プレ反応には任意で反応触媒を使用することができる。反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン類、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミドなどが挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中の変性イミド樹脂(i)の含有量は、例えば、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部当たり、50〜100質量部が好ましく、60〜100質量部がより好ましい。変性イミド樹脂(i)の配合量を50質量部以上とすることにより低熱膨張性、高弾性率が得られる。
<成分(A)〜(C)を反応してなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂>
成分(A)〜(C)を反応してなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(以下、「変性イミド樹脂(ii)」ともいう)は、有機溶媒中で加熱保温しながら成分(A)〜(C)をプレ反応(以下、「プレ反応(2)」ともいう)させて合成することが好ましい。
プレ反応(2)の反応温度及び反応時間は、前記プレ反応(1)と同様であり、好ましい態様も同様である。
このプレ反応において、成分(A)〜(C)の配合量は、例えば、成分(A)のマレイミド基数[成分(A)の配合量/成分(A)のマレイミド基当量]が、成分(B)及び(C)の一級アミノ基の和[(成分(B)の配合量/成分(B)の一級アミノ基当量)+(成分(C)の配合量/成分(C)の一級アミノ基当量)]の2.0〜10.0倍になる範囲が望ましい。2.0倍以上とすることによりゲル化及び耐熱性が低下することがなく、また、10.0倍以下とすることにより有機溶剤への溶解性、耐熱性が低下することがない。
プレ反応(2)における成分(A)の配合量は、上記のような関係を維持しつつ、例えば、成分(B)100質量部に対して50〜3000質量部が好ましく、100〜1500質量部がより好ましい。50質量部以上とすることにより耐熱性が低下することがなく、また、3000質量部以下とすることにより低熱膨張性を良好に保つことができる。
プレ反応(2)で使用される有機溶媒、及び反応触媒は、前記プレ反応(1)と同様であり、好ましい態様も同様である。
プレ反応(2)で使用される有機溶媒の配合量は、例えば、成分(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、25〜2000質量部が好ましく、40〜1000質量部がより好ましく、40〜500質量部が更に好ましい。有機溶媒の配合量を25質量部以上とすることにより、溶解性が不足することなく、また2000質量部以下とすることにより、反応に長時間を要することがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中の変性イミド樹脂(ii)の含有量は、例えば、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部当たり、52〜100質量部が好ましく、62〜100質量部がより好ましい。変性イミド樹脂(ii)の配合量を52質量部以上とすることにより低熱膨張性、高弾性率が得られる。
<成分(A)〜(D)を反応してなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂>
成分(A)〜(D)を反応させてなる芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(以下、「変性イミド樹脂(iii)」ともいう)は、有機溶媒中で加熱保温しながら成分(A)〜(D)をプレ反応(以下、「プレ反応(3)」ともいう)させて合成することが好ましい。
プレ反応(3)の反応温度及び反応時間は、前記プレ反応(1)と同様であり、好ましい態様も同様である。
プレ反応(3)における成分(A)〜(C)の配合量は、前記プレ反応(2)と同様であり、好ましい態様も同様である。
硬化剤(D)の配合量は、硬化剤の官能基数が成分(A)のマレイミド基数[成分(A)の配合量/成分(A)のマレイミド基当量]の2.0〜10.0倍になる範囲が望ましい。2.0倍以上とすることにより接着性や耐熱性が低下することがなく、また、10.0倍以下とすることにより有機溶剤への溶解性や機械強度が低下することがない。
プレ反応(3)で使用される有機溶媒、及び反応触媒は、前記プレ反応(1)と同様であり、好ましい態様も同様である。
プレ反応(3)で使用される有機溶媒の配合量は、溶解性の観点から、成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して、25〜1000質量部が好ましく、反応時間の観点から、40〜700質量部がより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中の変性イミド樹脂(iii)の含有量は、例えば、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部当たり、58〜100質量部が好ましく、68〜100質量部がより好ましい。変性イミド樹脂(i)の配合量を58質量部以上とすることにより低熱膨張性、高弾性率が得られる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記変性イミド樹脂(i)〜(iii)の中でも、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性の観点から、変性イミド樹脂(iii)を含有することが好ましい。
(熱可塑性エラストマー(J))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー(J)をさらに配合させることができる。熱可塑性エラストマー(J)としては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマーやその誘導体等が挙げられる。これらは、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分とから成り立っており、一般に前者が耐熱性及び強度に、後者が柔軟性及び強靭性に寄与している。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
また、これらの熱可塑性エラストマー(J)としては、分子末端又は分子鎖中に反応性官能基を有するものを用いることができる。反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イソシアナト基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基等が挙げられる。これら反応性官能基を分子末端又は分子鎖中に有することにより、樹脂への相溶性が向上し、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化時に発生する内部応力をより効果的に低減することができ、結果として、基板の反りを顕著に低減することが可能となる。
これらの熱可塑性エラストマー(J)の中で、例えば、耐熱性、絶縁信頼性の点で、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーが好ましい。
また、これらの熱可塑性エラストマー(J)の分子末端又は分子鎖中に有する反応性官能基は、例えば、金属箔との密着性の点で、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、及びアミド基が好ましく、耐熱性、絶縁信頼性の点から、エポキシ基、水酸基、及びアミノ基がより好ましい。
熱可塑性エラストマー(J)成分の配合量は、例えば、硬化物の低収縮性、低熱膨張性を効果的に発現させる観点から、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましい。
(シアネート樹脂)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに配合させることができる。
シアネート樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、ノボラック型シアネート樹脂及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどを挙げることができる。これらの中で耐熱性、難燃性の点からノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これらは1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらのシアネート樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じてシアネート樹脂用の硬化剤を使用することができる。シアネート樹脂用の硬化剤の例としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、アミノトリアジンノボラック樹脂等の多官能フェノール化合物、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
シアネート樹脂の配合量としては、例えば、耐熱性、及び耐薬品性の観点から、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、0〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
(無機充填材(K))
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、無機充填材(K)をさらに配合させることができる。無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、EガラスやTガラス、Dガラス等のガラス粉や中空ガラスビーズなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
無機充填材としては、誘電特性、耐熱性、低熱膨張性の点からシリカが好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられ、乾式法シリカとしてはさらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融球状シリカが挙げられる。これらの中で、低熱膨張性及び樹脂に充填した際の高流動性の観点から、溶融球状シリカがより好ましい。
無機充填材として溶融球状シリカを用いる場合、その平均粒子径は0.1〜10μmが好ましく、0.3〜8μmがより好ましい。該溶融球状シリカの平均粒子径を0.1μm以上にすることで、樹脂に高充填した際の流動性を良好に保つことができ、さらに10μm以下にすることで、粗大粒子の混入確率を減らし粗大粒子起因の不良の発生を抑えることができる。ここで、平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
無機充填材の配合量は、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部当たり20〜300質量部が好ましく、50〜200質量部がより好ましい。無機充填材の配合量を20〜300質量部にすることで、プリプレグの成形性と低熱膨張性を良好に保つことができる。
(硬化促進剤(L))
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化促進剤(L)をさらに配合させることができる。
硬化促進剤(L)としては、イミダゾール類及びその誘導体や有機リン系化合物、第二アミン類、三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を混合して使用でき、反応性の観点からイミダゾール類が好ましく、下記一般式(L−1)に示すヘキサメチレンジイソシアネートと2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加物がより好ましい。
硬化促進剤(L)の配合量は、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分総和100質量部当たり、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。硬化促進剤の配合量を0.01〜10質量部とすることで、プリプレグの成型性と低熱膨張性を良好に保つことができる。
(その他の成分)
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物として熱硬化性の性質を損なわない程度に、熱可塑性樹脂、有機充填材、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び接着性向上剤等を使用できる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
有機充填材の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等よりなる均一構造の樹脂フィラー、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、共役ジエン系樹脂等よりなるゴム状態のコア層と、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、シアン化ビニル系樹脂等よりなるガラス状態のシェル層とを持つコアシェル構造の樹脂フィラーが挙げられる。なお、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂及びシリコーン樹脂は、熱可塑性樹脂としても使用可能である。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、赤リン等のリン系難燃剤、スルファミン酸グアニジン、硫酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、シクロホスファゼン、ポリホスファゼン等のホスファゼン系難燃剤、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が挙げられる。
その他、紫外線吸収剤の例としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化防止剤の例としてはヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系酸化防止剤、光重合開始剤の例としてはベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系の光重合開始剤、蛍光増白剤の例としてはスチルベン誘導体の蛍光増白剤、接着性向上剤の例としては尿素シラン等の尿素化合物やシラン系、チタネート系、アルミネート系等のカップリング剤が挙げられる。
また、配合時、無機充填材をシラン系、チタネート系等のカップリング剤、シリコーンオリゴマー等の表面処理剤で前処理、又はインテグラルブレンド処理することも好ましい。
[ワニス]
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、通常、希釈溶媒として有機溶媒を使用し、ワニスとして使用される。該有機溶媒は特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メチルセロソルブ等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒などが挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
最終的に得られるワニス中の樹脂組成物は、ワニス全体の40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。ワニス中の樹脂組成物の含有量を40〜90質量%にすることで、塗工性を良好に保ち、適切な樹脂組成物付着量のプリプレグを得ることができる。
[プリプレグ]
本発明のプリプレグは、前記した本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いてなるものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸し、加熱等により半硬化(Bステージ化)して製造することができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸させる方法として特に限定されないが、例えば、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより塗布する方法、スプレーによって吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。
基材としては、例えば、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物などが挙げられる。他の用途では、例えば、繊維強化基材であれば、炭素繊維等を用いることも可能である。
これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマットの形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。基材の厚さは、例えば、約0.03〜0.5mmであり、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性、耐湿性、及び加工性の面から好適である。
本発明のプリプレグは、例えば、該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に樹脂組成物を含浸した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて得ることができる。
[樹脂付フィルム]
本発明の樹脂付フィルムは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を支持体上に層形成してなるものである。
本発明で得られる熱硬化性樹脂組成物を支持体上に層形成する方法として特に限定されないが、例えば、本発明で得られる熱硬化性樹脂組成物をワニスの状態にし、各種コーターを用いて支持体に塗布し、更に加熱、又は熱風吹きつけ等により乾燥させて樹脂組成物層を形成させることができる。このように加熱等により半硬化(Bステージ化)して本発明の樹脂付フィルムを製造することができる。この半硬化状態は、樹脂付きフィルムと回路基板を積層し、硬化する際に、樹脂付きフィルムの樹脂組成物層と回路基板との接着力が確保される状態で、また、回路基板への埋めこみ性(流動性)が確保される状態であることが好ましい。
ここで、樹脂組成物層とは、熱硬化性樹脂組成物が支持体上に半硬化状態で形成される層をいい、絶縁樹脂層とは、該樹脂組成物層を熱硬化して形成される層をいう。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を支持体上に塗布する際に用いるコーターは、特に限定されるものではないが、例えば、ダイコーター、コンマコーター、バーコーター、キスコーター、ロールコーター等が利用できる。これらは、樹脂組成物層の厚みによって適宜選択できる。また、乾燥方法としては、加熱、あるいは熱風吹きつけ等を用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物を支持体に塗布した後の乾燥条件は、例えば、該樹脂組成物層への有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。ワニス中の有機溶剤量、有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜150℃で3〜10分程度乾燥させることにより、樹脂組成物層が形成される。乾燥条件は、予め簡単な実験により適宜、好適な乾燥条件を設定することが好ましい。
支持体上に形成される樹脂組成物層の厚さは、通常、回路基板が有する導体層の厚さ以上とする。導体層の厚さは、例えば、5〜70μmであることが好ましく、多層プリント配線板の軽薄短小化のために、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。
樹脂付きフィルムにおける支持体は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドなどからなるフィルム、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を挙げることができる。なお、支持体及び後述する保護フィルムには、マット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してもよい。
支持体の厚さは、例えば、10〜150μmが好ましく、より好ましくは25〜50μmである。樹脂組成物層の支持体が設けられていない面には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、例えば1〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、異物混入を防止することができる。
樹脂付きフィルムは、ロール状に巻き取って貯蔵することもできる。
[積層板、多層プリント配線板]
本発明の積層板は、前述の樹脂付フィルムを積層成形して得られるものである。例えば、樹脂付フィルムを、真空ラミネーターを用いて、回路基板、プリプレグ及び基材等の片面又は両面にラミネートし、必要に応じ、加熱により硬化することで製造することができる。
回路基板に用いられる基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面に回路パターンが形成されたものをいう。また導体層と絶縁層とを交互に複数積層してなるプリント配線板において、該プリント配線板の最外層の片面又は両面に回路パターンが形成されたものも、ここでいう回路基板に含まれる。なお導体層表面には、黒化処理等により予め粗化処理が施されていてもよい。
上記ラミネートにおいて、樹脂付フィルムが保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じて樹脂付フィルム及び回路基板をプレヒートし、樹脂付フィルムを加圧及び加熱しながら回路基板に圧着する。
本発明の樹脂付フィルムにおいては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。ラミネート条件は、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは0.1〜1.1MPaとし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。
樹脂付フィルムを回路基板にラミネートした後、室温付近に冷却してから、支持体を剥離する場合は剥離し、熱硬化することにより回路基板に絶縁樹脂層を形成することができる。
熱硬化の条件は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃〜220℃で20分〜180分、より好ましくは160℃〜200℃で30〜120分の範囲で選択される。
絶縁樹脂層を形成した後、硬化前に支持体を剥離しなかった場合は、ここで剥離する。次いで必要により、回路基板上に形成された絶縁樹脂層に穴あけを行ってビアホール、スルーホールを形成する。穴あけは、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等の公知の方法により、また必要によりこれらの方法を組み合わせて行うことができるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザーによる穴あけが最も一般的な方法である。
次いで、乾式メッキ又は湿式メッキにより絶縁樹脂層上に導体層を形成する。乾式メッキとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の公知の方法を使用することができる。湿式メッキの場合は、まず、硬化した絶縁樹脂層の表面を、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤で粗化処理し、凸凹のアンカーを形成する。酸化剤としては、特に過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性過マンガン酸水溶液)が好ましく用いられる。次いで、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせた方法で導体層を形成する。また導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成することもできる。その後のパターン形成の方法として、例えば、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
本発明の積層板は、前述の本発明のプリプレグを積層成形して得られるものである。本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅又はアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。
積層板を製造する際の成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと回路基板とを組合せ、積層成形して、積層板を製造することもできる。
本発明の多層プリント配線板は、前記積層板を用いて製造されるものである。例えば、本発明の積層板の導体層を通常のエッチング法によって配線加工し回路基板を得ることが出来る。そして、前述のプリプレグを介して配線加工した積層板を複数積層し、加熱プレス加工することによって一括して多層化する。その後、ドリル加工、レーザー加工によるスルーホール又はブラインドビアホールの形成と、メッキ又は導電性ペーストによる層間配線の形成を経て多層プリント配線板を製造することができる。
[半導体パッケージ]
本発明の半導体パッケージは、本発明の多層プリント配線板に半導体を搭載してなるものである。
本発明の半導体パッケージは、本発明の多層プリント配線板の所定の位置に半導体チップやメモリ等を搭載し製造される。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
なお、以下の実施例で得られた樹脂板、及び銅張積層板は、以下の方法で性能を測定及び評価した。
(1)樹脂板の収縮率
縦5mm(X方向)、横5mm(Y方向)、厚さ1.5mm±0.5mm(Z方向)の樹脂板を作製し、TMA試験装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて圧縮法で熱機械分析を行った。樹脂板を前記装置にX方向又はY方向に装着後、荷重5g、昇温速度45℃/分とし、20℃(5分保持)〜260℃(2分保持)〜20℃(5分保持)の温度プロファイルにて測定した。昇温開始前の20℃及び昇温後の20℃での寸法変化量から樹脂板の収縮率(%)を評価した。
具体的には、以下の式を用いて、樹脂板の収縮率を算出した。
収縮率(%)={(昇温開始前20℃の寸法(mm)−昇温後20℃の寸法(mm))/昇温開始前20℃の寸法(mm)}×100
(2)ガラス転移温度(Tg)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用いて圧縮法で熱機械分析をおこなった。評価基板を前記装置にX方向に装着後、荷重5g、昇温速度10℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における熱膨張曲線の異なる接線の交点で示されるTgを求め、耐熱性を評価した。
(3)熱膨張率
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用いて圧縮法で熱機械分析をおこなった。評価基板を前記装置にX方向に装着後、荷重5g、昇温速度10℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における30℃から100℃までの平均熱膨張率を算出し、これを熱膨張率の値とした。
(4)銅箔接着性(銅箔ピール強度)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより3mm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(90°ピール強度)を測定した。
(5)耐デスミア性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた40mm×40mmの評価基板を、表1に示す工程によりデスミア処理した。薬液はアトテック社製を用いた。耐デスミア性の評価は、80℃におけるデスミア処理前、デスミア処理後の乾燥重量差からデスミア重量減少量を算出した。この重量減少量が小さいほど、耐デスミア性に優れるものである。
(6)銅付きはんだ耐熱試験
2.5mm×2.5mmの銅張積層板(n=5)を作製し、288℃のはんだ槽に浮かべて、銅の膨れが発生するまでの時間を、最大で120分間計測した。
(7)誘電特性(比誘電率及び誘電正接)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた100mm×2mmの評価基板を作製し、空洞共振機装置((株)関東電子応用開発製)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
実施例1〜10、比較例1〜7
以下に示す各成分を表2に示した配合割合(質量部)で混合し、溶媒にプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を用いて樹脂分65質量%の均一なワニスを作製した。次に、このワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、130℃で3分半、加熱乾燥して樹脂含有量48質量%のプリプレグを得た。
上記プリプレグを4枚重ね、12μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.5MPa、温度240℃で60分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
また、上記ワニスを、16μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムに、乾燥後の樹脂厚が35μmとなるようにフィルムアプリケーター(テスター産業(株)製、PI−1210)を用いて塗布し、160℃で10分加熱乾燥し、半硬化物の樹脂板を得た。
この樹脂板をテフロンシートの型枠に投入し、12μmの電解銅箔の光沢面を上下に配置し、圧力2.0MPa、温度240℃で60分間プレスを行った後、電解銅箔を除去して樹脂板を得た。得られた銅張積層板及び樹脂板の試験及び評価した結果を表2に示す。
以下に、実施例及び比較例で使用した原材料を記す。
成分(A):一般式(1)で表されるマレイミド化合物
(A−1):下記式(4)で表される2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン[大和化成工業(株)製;商品名:BMI−4000]
(A−2):下記式(5)で表されるビス(4−(4−マレイミドフェノキシ))ビフェニル(BMI−BP)[下記製造例1で製造]
比較用樹脂1:ビス(4−マレイミドフェニル)メタン[ケイ・アイ化成(株)製;商品名:BMI]
成分(B):分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物
・AZS:下記製造例2により得られた化合物
比較用樹脂2:両末端ジアミン変性シロキサン[信越化学工業(株)製;商品名:X−22−161B]
成分(C):酸性置換基を有するアミン化合物
・p−アミノフェノール[関東化学(株)製](以下、「PAP」ともいう)
成分(D):4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン[日本化薬(株)製;商品名:KAYAHARD A−A](以下、「KH−A」ともいう)
成分(E):芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂
(E−1):下記製造例3で得られた化合物
(E−2):下記製造例4で得られた化合物
比較用樹脂3:下記製造例5で得られた化合物
エポキシ樹脂:α−ナフトール/クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔日本化薬(株)製;商品名:NC−7000L〕
成分(J):熱可塑性エラストマー
・スチレン−ブタジエンブロック共重合体のエポキシ化物[(株)ダイセル製;商品名:エポフレンドCT−310](以下、「CT−310」ともいう)
成分(K):無機充填材
・溶融シリカ[(株)アドマテックス製;商品名:SC−2050KNK]
成分(L):硬化促進剤
・下記一般式(L−1)で表されるヘキサメチレンジイソシアネートと2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加物[第一工業製薬(株)製;商品名:G−8009L]
製造例1:ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ))ビフェニル(BMI−BP)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(東京化成工業(株)製):736.8gと無水マレイン酸:392.0g、及びシクロヘキサノン:1670.6g、トルエン:167.0gを入れ、90℃に昇温して均一に溶解した。次いで還流温度まで昇温し、発生する縮合水を除去しながら5時間反応させてビス(4−(4−マレイミドフェノキシ))ビフェニル(BMI−BP)を得た。
製造例2:芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン(B)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積300ミリリットルの反応容器に、テレフタルアルデヒド(東レ・ファインケミカル(株)製:成分(H)):22.75g、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン(日本化薬(株)製、商品名:KAYAHARD A−A:成分(I)):17.25g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM):60.0gを入れ、2時間還流して芳香族アゾメチン化合物含有溶液(成分(F))(以下、「LCA」ともいう)を得た。
次に、温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積500ミリリットルの反応容器に、上記で得たLCA:22.15g、両末端ジアミン変性シロキサン(信越化学工業(株)製;商品名:X−22−161B:成分(G)):96.14g、PGM:144.21gを入れて2時間還流した後、130℃まで昇温して常圧濃縮を行い、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン(B)(重量平均分子量Mw:20,000)(以下、「AZS」ともいう)含有溶液(樹脂成分:70質量%)を得た。
製造例3:芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン(成分(A)):791.82g、上記で得たAZS(成分(B)):101.22g、p−アミノフェノール(成分(C)):18.93g、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン(成分(D)):63.4g、PGM:1387.13gを入れて4時間、115℃で反応した後、130℃まで昇温して常圧濃縮を行い、芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E−1)含有溶液(樹脂成分:63質量%)を得た。
製造例4:芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、上記で得たBMI−BP(成分(A)):753.72g、上記で得たAZS(成分(B)):101.22g、p−アミノフェノール(成分(C)):18.5g、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン(成分(D)):61.9g、PGM:1387.13gを入れて4時間、115℃で反応した後、130℃まで昇温して常圧濃縮を行い、芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E−2)含有溶液(樹脂成分:63質量%)を得た。
製造例5:比較用樹脂3の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、BMI(比較用樹脂1):748.92g、上記で得たAZS(成分(B)):101.22g、p−アミノフェノール(成分(C)):28.47g、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジフェニルメタン(成分(D)):96.76g、PGM:1387gを入れて4時間、115℃で反応した後、130℃まで昇温して常圧濃縮を行い、芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(比較用樹脂3)含有溶液(樹脂成分:63質量%)を得た。
表2から明らかなように、本発明の実施例では、収縮率及び耐デスミア性に優れており、熱膨張率や電気特性も良好である。一方、比較例では、収縮率及び耐デスミア性が満足いくものではない。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低収縮性、低熱膨張性及び耐デスミア性に優れた積層板が得られている。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特に収縮率及び耐デスミア性に優れた積層板を得られることから、高密度、高多層化されたプリント配線板を製造することができ、大量のデータを高速で処理するコンピュータや情報機器端末等の電子機器用の配線板に好適に用いられる。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)、及び分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)を配合してなる熱硬化性樹脂組成物。

    [一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、Xは下記一般式(2)

    (一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、又はスルホン基を示し、R、R、及びRは、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アミド基、カルボニル基を示し、*は隣接する酸素原子との結合部を示す。p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
    で表される2価の結合基を示す。m及びnはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
  2. 記一般式(2)のRが単結合又はアルキレン基である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、下記一般式(3)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(C)を配合してなる請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。

    (一般式(3)中、Rは各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン基を、Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
  4. さらに、硬化剤(D)を配合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A)と、分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)と、酸性置換基を有するアミン化合物(C)と、硬化剤(D)とを反応してなる、芳香族アゾメチン含有変性イミド樹脂(E)を含有する、請求項4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記分子構造中に芳香族アゾメチン基を有するアミノ変性シロキサン化合物(B)が、1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)と分子末端に少なくとも2個の一級アミノ基を有するシロキサン化合物(G)とを反応させることにより得られるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記1分子中に少なくとも1個のアルデヒド基を有する芳香族アゾメチン化合物(F)が、1分子中に少なくとも2個のアルデヒド基を有する芳香族アルデヒド化合物(H)と、1分子中に少なくとも2個の一級アミノ基を有するジアミン化合物(I)とを反応させることにより得られるものである、請求項6に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、熱可塑性エラストマー(J)を配合してなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、無機充填材(K)を配合してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. さらに、硬化促進剤(L)を配合してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いてなるプリプレグ。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を支持体上に層形成してなる樹脂付フィルム。
  13. 請求項11に記載のプリプレグを積層成形し得られる積層板。
  14. 請求項12に記載の樹脂付フィルムを積層成形し得られる積層板。
  15. 請求項13又は14に記載の積層板を用いて製造された多層プリント配線板。
  16. 請求項15に記載の多層プリント配線板に半導体を搭載してなる半導体パッケージ。
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