JP6368920B2 - 近距離通信素子と、それを搭載した電子機器 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、近接場型の無線通信（Ｎｅａｒ Ｆｉｅｌｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）に活用する近距離通信素子と、それを搭載した電子機器に関するものである。
近年の電子機器には、近距離通信素子を内蔵したものが多く発売されている。
つまり、電子機器間で容量の多いデータを送受信する際に、ペアリングだけを近距離通信（ＮＦＣ）で行い、実際の通信は、より高度なＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）やＷｉ―Ｆｉ（登録商標）で行うようにしているのである。
このよう近距離通信素子は、基板と、この基板の表面に実装されたコイル素子とを備えた構成となっており、近距離通信素子が、各種、電子機器の本体ケース内に内蔵されている（例えば、下記特許文献１）。
上記従来例においては、電子機器間のペアリングが、両者の近距離通信素子部分を近接させるだけで行えるので、極めて使い勝手の良いものとなっている。
しかしながら、実際にこの近距離通信素子を各種電子機器の本体ケース内に実装した場合、例えば、本体ケース前面側に配置した金属製の表示部外周フレームや、本体ケース外周フレームによってインピーダンスが大きく変動したり、磁界強度が大きく低下したりし、その結果として、受信感度が大幅に低下することが多かった。
そこで、本発明は、受信感度の低下を抑制することを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために本発明の近距離通信素子は、基板と、前記基板の第１表面に実装されたコイル素子とを備え、前記コイル素子は、コアと、前記コアの外周に巻回したコイルとを有し、前記コイルにおける、前記基板の第１表面に面した表面の反対側の表面である第２表面上の少なくとも一部をカバーで覆い、前記カバーの一部は、前記基板に直接的または間接的に固定され、前記カバーは、一側面側開口部と基板側開口部を有するケース状とし、前記一側面側開口部を電子機器と近距離通信を行う近距離通信部が設けられた側である前記基板の一側辺側に、前記基板側開口部を前記基板の第１表面側に、それぞれ向けた状態で、前記カバーを前記基板の第１表面に実装した構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明の近距離通信素子は、基板と、この基板の表面に実装されたコイル素子とを備え、前記コイル素子は、コアと、このコアの外周に巻回したコイルとを有し、前記コイル部分の、前記基板とは反対側部分の少なくとも一部をカバーで覆い、このカバーの一部は、前記基板に、直接的、または間接的に固定した構成としたので、受信感度の低下を抑制することができる。
すなわち、本発明においては、前記コイル素子のコイル部分の、前記基板とは反対側部分の少なくとも一部をカバーで覆い、このカバーの一部は、前記基板に、直接的、または間接的に固定した構成とした。
このため、この近距離通信素子を各種、電子機器に実装した状態で、近傍に金属構成体が存在しても、インピーダンスが大きく変動したり、磁界強度が大きく低下したりするのを防止することが出来、その結果として受信感度の低下を抑制することができるのである。
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
（実施の形態１）
図１において、自動車１における車内２の前席（図示せず）前方にはハンドル３が設置されている。
（実施の形態１）
図１において、自動車１における車内２の前席（図示せず）前方にはハンドル３が設置されている。
また、ハンドル３の側方には、図２に示す電子機器４が配置されている。
この電子機器４は、例えば、映像や音声を再生するものであり、その本体ケース２０の前面側には、表示部５が配置されている。
また、この表示部５は、図３に示すごとく、制御部６が接続され、この制御部６には、入力部７、記憶部８、設定情報用メモリ９、近距離通信部１０、通信部１１が接続されている。
入力部７は、音楽や映像の再生操作などを行うためのものであり、また、記憶部８は動作プログラムや、映像、音声情報が記憶させられている。
さらに、設定情報用メモリ９は、例えば、他の電子機器１２（例えば携帯電話）とのペアリングを行うための情報が記憶されている。
また、通信部１１は、電子機器１２（例えば携帯電話）とのペアリング後に、電子機器１２（例えば携帯電話）との間で、高度なＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）やＷｉ―Ｆｉ（登録商標）による通信を行うためのものである。
電子機器１２（例えば携帯電話）は一般的なものであり、制御部１３には、表示部１４、入力部１５、記憶部１６、近距離通信部１７、通信部１８、１９が接続されている。
このうち、近距離通信部１７は、電子機器４の近距離通信部１０との間で近距離通信を行うためのものであり、また、通信部１８は、電子機器４の通信部１１との間で、高度なＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）やＷｉ―Ｆｉ（登録商標）による通信を行うためのものである。
さらに、通信部１９は電話や、インターネット通信を行うためのものである。
なお、この図３においては、図面の煩雑化を避けるために、電子機器４の制御部６に接続されたスピーカ、電子機器１２の通話用マイクロフォンなどは図示していない。
本実施形態の特徴は、図４に示すように、電子機器４を構成する本体ケース２０の前面側で、表示部５の側方に設けた近距離通信部２１に、電子機器１２を接近させれば、電子機器４、１２間で、近距離通信が行えるようにしたことである。
具体的には、電子機器１２を電子機器４の近距離通信部２１に接近させることで、電子機器４、１２間でペアリングを行い、その後、電子機器４、１２の間で、高度なＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）やＷｉ―Ｆｉ（登録商標）による通信を行うようになっている。
そのために、本実施形態では、電子機器４の近距離通信部２１背面側に、図５のごとく近距離通信素子実装部２２を設け、ここに近距離通信素子２３を実装した。
また、電子機器１２には、図９に示すごとく、近距離通信素子２４を実装したが、この近距離通信素子２４は、コイル２５を平面状に巻回した一般的なものである。
これに対して、電子機器４の近距離通信素子２３は、図６〜図８に示すように、基板２６と、この基板２６の表面に実装されたコイル素子２７とを備えている。
前記コイル素子２７は、フェライト製の板状コア２８の表裏面を含む外周面に、コイル２９を巻回した構成となっており、また、コイル２９の両端は、入出力端子３０を介して近距離通信部１０に接続されている。
なお、コイル素子２７を構成するコイル２９は、これらの図６〜図８から理解されるように、板状コア２８の一側辺（図６〜図８の左側で、電子機器４を構成する本体ケース２０の前面側で）とは反対側部分に巻回している。
そして、コイル素子２７を構成する板状コア２８の一側辺を、これらの図６〜図８から理解されるように、基板２６一側辺（図６〜図８の左側で、電子機器４を構成する本体ケース２０の前面側で）基板の一側辺に近接した状態で、このコイル素子２７を、基板２６の表面に実装している。
また、この状態で、前記コイル２９部分の、前記基板２６とは反対側部分の少なくとも一部をカバー３１で覆い、このカバー３１の一部は、前記基板２６に、半田により直接的に固定されている。
前記カバー３１は、鉄（磁性体）や銅（非磁性体）などの金属製としており、これを図６〜図８のごとく、加工している。
具体的には、カバー３１は一側面側開口部３２と、基板側開口部３３を有するケース状とし、このカバー３１の前記一側面側開口部３２を、基板２６の一側辺側、前記カバー３１の前記基板側開口部３３を基板２６に、それぞれ向けた状態で、このカバー３１を、基板２６の表面に実装し、半田により固定している。
そして、このような構成の近距離通信素子２３は、図５に示すごとく、電子機器４の近距離通信部２１背面側に設けた近距離通信素子実装部２２に、実装される。
具体的には、本体ケース２０の前面側には、表示部５外周の表示部外周フレーム３４が設けられ、この表示部外周フレーム３４とその外方の本体ケース２０間には、スリット状の近距離通信素子実装部２２が設けられ、ここに、近距離通信素子２３が、そのカバー３１が表示部外周フレーム３４側で、かつ、カバー３１の前記一側面側開口部３２側が本体ケース２０の前面側となるように実装されている。
そして、この図５に示すごとく、電子機器１２を電子機器４の近距離通信部２１に接近させることで、電子機器４、１２間でペアリングを行うときには、電子機器４の近距離通信素子２３のコイル２９には、高周波信号が供給され、その結果として、矢印のごとく磁束が電子機器１２のコイル２５へと到達し、これにより前記ペアリングを行うことが出来る。
このとき、電子機器４の近距離通信素子２３には、金属製の表示部外周フレーム３４が近接状態となっているが、前記コイル２９部分の、基板２６とは反対側部分の少なくとも一部を金属製のカバー３１で覆ったので、前記表示部外周フレーム３４の近接によってインピーダンスが大きく変動したり、磁界強度が大きく低下したりするのを防止することが出来、その結果として受信感度の低下を抑制することができるのである。
すなわち、カバー３１が金属製で磁性体（例えば鉄）であった場合、コイル２９から出た磁束のうち、外周のものはカバー３１内を進行するので、近傍の表示部外周フレーム３４には到達せず、これが、インピーダンスが大きく変動したり、磁界強度が大きく低下したりするのを防止することになるのである。
また、カバー３１が金属製で非磁性体（例えば銅）であった場合、コイル２９から出た磁束のうち、外周のものはカバー３１を通過するものと考えられるが、実際には高周波状態であるので、結論として、その非磁性体のカバー３１表面を進行し（表皮効果）、この結果、近傍の表示部外周フレーム３４には到達せず、これが、インピーダンスが大きく変動したり、磁界強度が大きく低下したりするのを防止することになるのである。
さらに、図５に示すように、コイル２９部分のほぼ全体を、カバー３１で覆った状態にすれば、このカバー３１以降、磁束は磁性体よりなる表示部外周フレーム３４方向にも広がることとなり、この結果として、電子機器４の近距離通信部２１前方側における通信エリアが広がった状態となり、これにより、電子機器１２との通信がスムーズに行われることになる。
また、本実施形態の近距離通信素子２３は、基板２６と、この基板２６の表面に実装されたコイル素子２７とを備え、しかも、前記コイル素子２７は、フェライト製の板状コア２８の表裏面を含む外周面に、コイル２９を巻回した構成となっており、さらに、コイル２９部分をカバー３１で覆った構成とした。
このため、近距離通信素子２３として薄型化が図れ、これにより、上述したスロット状の近距離通信素子実装部２２へも実装することが可能となる。
逆に言えば、本体ケース２０の小型化や、表示部５の大型化が可能となるもので、実装効果の高いものとなる。
なお、この図５では、電子機器４から電子機器１２への通信を示しているが、電子機器１２から電子機器４への通信時には、磁束の向きが反対の状態となる。
また、この図５では、近距離通信素子２３に、金属製の表示部外周フレーム３４が接近した例を説明したが、近距離通信素子２３に、本体ケース２０の前面側に配置した本体ケース外周フレーム（図示していないが、図５における表示部外周フレーム３４に対向する部分で近距離通信素子２３の基板２６右側方向の部分）が近接した場合でも、同様の効果を発揮することが出来る。
さらに、上記実施形態のカバー３１は、一側面側開口部３２と、基板側開口部３３を有するケース状としたが、板状のカバー（図示せず）を、コイル素子２７の基板２６とは反対側の面（図６〜図８の上方）に、接着層（図示せず）を介して接着した構成（カバーを、コイル素子２７の基板２６に間接的に固定）としても良い。
以上のごとく本発明の近距離通信素子は、コイル素子のコイル部分の、基板とは反対側部分の少なくとも一部をカバーで覆い、このカバーの一部を、前記基板に、直接的、または間接的に固定した構成とした。
このため、この近距離通信素子を各種、電子機器に実装した状態で、近傍に金属構成体が存在しても、インピーダンスが大きく変動したり、磁界強度が大きく低下したりするのを防止することが出来、その結果として受信感度の低下を抑制することができるのである。
したがって、各種電子機器への活用が期待される。
１ 自動車
２ 車内
３ ハンドル
４ 電子機器
５ 表示部
６ 制御部
７ 入力部
８ 記憶部
９ 設定情報用メモリ
１０ 近距離通信部
１１ 通信部
１２ 電子機器
１３ 制御部
１４ 表示部
１５ 入力部
１６ 記憶部
１７ 近距離通信部
１８ 通信部
１９ 通信部
２０ 本体ケース
２１ 近距離通信部
２２ 近距離通信素子実装部
２３ 近距離通信素子
２４ 近距離通信素子
２５ コイル
２６ 基板
２７ コイル素子
２８ 板状コア
２９ コイル
３０ 入出力端子
３１ カバー
３２ 一側面側開口部
３３ 基板側開口部
３４ 表示部外周フレーム
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３４ 表示部外周フレーム
Claims (10)
- 基板と、前記基板の第１表面に実装されたコイル素子とを備え、
前記コイル素子は、コアと、前記コアの外周に巻回したコイルとを有し、
前記コイルにおける、前記基板の第１表面に面した表面の反対側の表面である第２表面上の少なくとも一部をカバーで覆い、前記カバーの一部は、前記基板に直接的または間接的に固定され、
前記カバーは、一側面側開口部と基板側開口部を有するケース状とし、前記一側面側開口部を電子機器と近距離通信を行う近距離通信部が設けられた側である前記基板の一側辺側に、前記基板側開口部を前記基板の第１表面側に、それぞれ向けた状態で、前記カバーを前記基板の第１表面に実装した近距離通信素子。 - 前記コイル素子は、板状の前記コアの表裏面を含む外周面に、前記コイルを巻回して構成した請求項１に記載の近距離通信素子。
- 前記板状のコアの一側辺を前記基板の一側辺に近接した状態で、前記コイル素子を前記基板の第１表面に実装した請求項２に記載の近距離通信素子。
- 前記コイル素子は、前記板状のコアにおける前記一側辺とは反対側の部分に、前記コイルを巻回して構成した請求項２または３に記載の近距離通信素子。
- 前記カバーは、金属製である請求項１〜４のいずれか一つに記載の近距離通信素子。
- 前記カバーは板状であり、前記カバーを前記コイルの第２表面上に接着層を介して接着した請求項１〜５のいずれか一つに記載の近距離通信素子。
- 請求項１から６のいずれか一つに記載の近距離通信素子を、前記電子機器と通信を行う前記近距離通信部の背面に実装し、前記基板の一側辺側が前記近距離通信部に向けられた状態となった電子機器。
- 前記近距離通信部の背面側に、近距離通信素子実装部を設け、前記近距離通信素子実装
部において、前記基板の一側辺側の両側の内、少なくとも一方には金属構成体を配置した請求項７に記載の電子機器。 - 前記金属構成体は、本体ケースの前面側に配置した表示部外周フレームである請求項８に記載の電子機器。
- 前記金属構成体は、本体ケースの前面側に配置した本体ケース外周フレームである請求項８に記載の電子機器。
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