以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すものである。なお、本開示の実施の形態に係る表示方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
表示装置1は、チューナ11と、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)レシーバ12と、セレクタ13と、表示処理部20と、バックライト14と、液晶表示パネル40とを備えている。
チューナ11は、アンテナAntにおいて受信された放送波から、所望の映像信号(ストリーム)を選択するものである。HDMIレシーバ12は、外部機器(図示せず)から供給された映像信号を受信するインタフェースである。セレクタ13は、チューナ11から供給された映像信号、およびHDMIレシーバ12から供給された映像信号のうちの一方を選択して映像信号Sdisp0として出力するものである。映像信号Sdisp0は、この例では毎秒60フレームのフレーム画像Fを含む映像信号であり、後述するように、画像信号Ssig0と、水平同期信号Hsync0と、垂直同期信号Vsync0とを含むものである。なお、映像信号Sdisp0の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、これらに加え、液晶表示パネル40における表示または非表示を指示する表示イネーブル信号などを有していてもよい。
表示処理部20は、映像信号Sdisp0に対してフレームレート変換などの処理を行い、その処理結果に基づいてバックライト14および液晶表示パネル40を制御するものである。バックライト14は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)などを用いて構成され、液晶表示パネル40に対して面発光した光を射出するものである。この例では、バックライト14は、後述するように、点灯と消灯とを繰り返す、いわゆるブリンキング動作を行うものである。液晶表示パネル40は、液晶表示素子を駆動して、バックライト14から射出した光を変調することにより表示を行うものである。この例では、液晶表示パネル40は、4倍速駆動が可能な液晶表示パネルであり、フレーム反転により表示を行うようになっている。
(表示処理部20)
図2は、表示処理部20の一構成例を、バックライト14および液晶表示パネル40とともに表すものである。表示処理部20は、フレームレート変換部30と、動作モード制御部21と、信号処理部22と、表示制御部25と、バックライト制御部26とを備えている。
フレームレート変換部30は、供給された映像信号Sdisp0(画像信号Ssig0、水平同期信号Hsync0、垂直同期信号Vsync0)に基づいてフレームレート変換を行い、映像信号Sdisp(画像信号Ssig、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsync)を生成して出力する。また、フレームレート変換部30は、動きベクトル信号Sv(後述)およびフレーム識別信号Sid(後述)を生成して出力する機能をも有している。
図3は、フレームレート変換部30におけるフレームレート変換を模式的に表すものであり、(A)はフレームレート変換前の映像を示し、(B)はフレームレート変換後の映像を示す。この例では、フレームレート変換部30は、毎秒60フレームから毎秒240フレームへ、フレームレートを4倍に変換する。このフレームレート変換は、時間的に隣接するフレーム画像Fの画像情報に基づいて3枚の補間フレーム画像F2を生成し、これらのフレーム画像Fの間に補間フレーム画像F2を挿入することにより行われる。これにより、例えば、図3(A)に示したように、ボール9がフレーム画像Fの左から右へ移動する映像の場合では、図3(B)に示したように、隣接するフレーム画像Fの間に3枚の補間フレーム画像F2が挿入されるため、観察者は、ボール9がより滑らかに移動するように見える。また、これらの補間フレーム画像F2を挿入することにより、液晶表示パネル40がホールド型の表示デバイスであることに起因して生じる、いわゆる動きボケを低減することができる。
図4は、フレームレート変換部30の一構成例を表すものである。フレームレート変換部30は、フレームメモリ31と、動きベクトル検出部32と、フレーム補間部33と、タイミング制御部34とを備えている。
フレームメモリ31は、供給される画像信号Ssig0に含まれる1フレーム分のフレーム画像Fを保持することにより、画像信号Ssig0における1フレーム前のフレーム画像Fを出力する機能を有している。
動きベクトル検出部32は、画像信号Ssig0に含まれるフレーム画像Fおよびフレームメモリ31から供給される1フレーム前のフレーム画像Fに基づいて、画像の変化を示す動きベクトルを検出するものである。具体的には、動きベクトル検出部32は、供給された2つのフレーム画像Fの情報に基づいて、例えば複数の画素からなるブロック単位で、表示内容の水平方向および垂直方向の動きを検出し、動きベクトルを求める。そして、動きベクトル検出部32は、ブロック単位で求めた一連の動きベクトルを、動きベクトル信号Svとして出力するようになっている。
フレーム補間部33は、動きベクトル検出部32から供給された動きベクトル信号Svに基づいて、時間的に隣接する2つのフレーム画像Fを補間することにより、3枚の補間フレーム画像F2を生成するものである。そして、このフレーム補間部33は、フレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2を、画像信号Ssigとして出力するようになっている。また、フレーム補間部33は、出力するフレーム画像Fと補間フレーム画像F2のそれぞれに対してフレーム識別番号FIDを付け、フレーム識別信号Sidとして出力する機能をも有している。具体的には、フレーム補間部33は、図3に示したように、フレーム画像Fに“0”のフレーム識別番号FIDを付け、続く3枚の補間フレーム画像F2に“1”,“2”,“3”のフレーム識別番号FIDをそれぞれ付けるようになっている。
タイミング制御部34は、水平同期信号Hsync0および垂直同期信号Vsync0に基づいて、フレームメモリ31、動きベクトル検出部32、およびフレーム補間部33の動作タイミングを制御するものである。また、タイミング制御部34は、フレームレート変換後の画像信号Ssigに対応する水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncを生成し、出力する機能をも有している。
動作モード制御部21は、フレームレート変換部30から供給された動きベクトル信号Svに基づいて、動作モード信号Smodeを生成し出力するものである。具体的には、動作モード制御部21は、動きベクトル信号Svにより供給された、例えばブロック単位で求めた動きベクトルの大きさを、フレーム画像Fの全面、もしくは所定の領域にわたり積分し、フレーム画像Fごとの動き量Aを求める。そして、その動き量Aと所定のしきい値TH1,TH2とを比較することにより、動作モードM1〜M3を判断し、その結果を動作モード信号Smodeとして出力するようになっている。
図5は、動き量Aと動作モードM1〜M3との関係を表すものである。動作モード制御部21は、動き量Aがしきい値TH2以上である場合には、動作モードM1を示す動作モード信号Smodeを生成する。そして、動作モード制御部21は、動き量Aがしきい値TH1以上かつしきい値TH2より小さい場合には、動作モードM2を示す動作モード信号Smodeを生成する。また、動作モード制御部21は、動き量Aがしきい値TH1より小さい場合には、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeを生成する。
信号処理部22は、図2に示したように、フレームレート変換部30から供給された映像信号Sdispおよびフレーム識別信号Sidと、動作モード制御部21から供給された動作モード信号Smodeとに基づいて、映像信号Sdisp2、極性基準信号Spol2、およびバックライト基準信号Sbl2を生成して出力するものである。信号処理部22は、画像信号処理部23と、基準信号生成部24とを有している。
画像信号処理部23は、映像信号Sdisp、動作モード信号Smode、およびフレーム識別信号Sidに基づいて、可変のフレームレート変換比Rでフレームレート変換を行い、その結果を映像信号Sdisp2として出力するものである。具体的には、画像信号処理部23は、後述するように、動作モード信号Smodeによって指示された動作モードM1〜M3に応じたフレームレート変換比Rで、映像信号Sdispのフレームレートを下げるようにフレームレート変換し、その結果を映像信号Sdisp2(画像信号Ssig2、水平同期信号Hsync2、垂直同期信号Vsync2)として出力するようになっている。この例では、画像信号処理部23は、動作モードM1では、フレームレート変換比R=1でフレームレート変換し、動作モードM2では、フレームレート変換比R=1/2でフレームレート変換し、動作モードM3では、フレームレート変換比R=1/4でフレームレート変換する。その際、画像信号処理部23は、後述するように、動作モード信号Smodeおよびフレーム識別信号Sidに基づいて、映像信号Sdispのうちの補間フレーム画像F2に係る信号部分をマスクして間引くことにより、フレームレートを下げるようになっている。
基準信号生成部24は、垂直同期信号Vsync、動作モード信号Smode、およびフレーム識別信号Sidに基づいて、フレームレート変換された映像信号Sdisp2に対応する極性基準信号Spol2およびバックライト基準信号Sbl2を生成するものである。極性基準信号Spol2は、液晶表示パネル40における反転駆動のタイミングを指示するための基準信号であり、バックライト基準信号Sbl2は、バックライト14におけるブリンキング動作のタイミングを指示するための基準信号である。具体的には、基準信号生成部24は、後述するように、動作モード信号Smodeおよびフレーム識別信号Sidに基づいて、垂直同期信号Vsyncのうちの一部のパルス部分をそれぞれ選択して、極性基準信号Spol2およびバックライト基準信号Sbl2としてそれぞれ出力するようになっている。
表示制御部25は、映像信号Sdisp2および極性基準信号Spol2に基づいて、液晶表示パネル40を制御するものである。具体的には、表示制御部25は、画像信号Ssig2に基づいて、ガンマ処理やオーバードライブ処理などの所定の画像処理を施し、画像信号Ssig3を生成して出力する。また、表示制御部25は、水平同期信号Hsync2および垂直同期信号Vsync2に基づいて、液晶表示パネル制御信号Sctrlを生成し、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成するようになっている。
バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいて、バックライト14を制御するものである。具体的には、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいてバックライト制御信号Sbl3を生成するようになっている。
(液晶表示パネル40)
図6は、液晶表示パネル40のブロック図の一例を表すものである。液晶表示パネル40は、ゲートドライバ41と、データドライバ42と、共通信号ドライバ43と、表示部44とを備えている。ゲートドライバ41は、液晶表示パネル制御信号Sctrlに基づいて、表示部44内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ42は、画像信号Ssig3に基づいて、画素信号を表示部44の各画素Pixへ供給するものである。共通信号ドライバ43は、極性信号Spol3に基づいて、共通信号を表示部44の共通電極COM(後述)に供給するものである。表示部44は、液晶表示素子により構成される画素Pixがマトリックス状に配置されたものである。
図7は、表示部44の一構成例を表すものであり、(A)は表示部44の画素Pixの回路図の一例を示し、(B)は表示部44の断面構成を示す。
図7(A)に示したように、画素Pixは、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Csとを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線GCLに接続され、ソースがデータ線SGLに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Csの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は共通電極COMに接続されている。保持容量素子Csは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線CSLに接続されている。ゲート線GCLはゲートドライバ41に接続され、データ線SGLはデータドライバ42に接続されている。また、共通電極COMは、共通信号ドライバ43に接続されている。
表示部44は、図7(B)に示したように、駆動基板201と対向基板205との間に、液晶層203を封止したものである。駆動基板201は、上記TFT素子Trを含む画素駆動回路(図示せず)が形成されたものであり、この駆動基板201上には、画素Pix毎に画素電極202が配設されている。対向基板205には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応するカラーフィルタ(図示せず)が形成されており、更に液晶層203側の面には、対向電極204が各画素Pixに共通の電極(共通電極COM)として配設されている。駆動基板201の、画素電極202が形成された面とは反対の面には、偏光板206aが貼りつけられており、対向基板205の、対向電極204が形成された面とは反対の面には、偏光板206bが貼りつけられている。これらの偏光板206a,206bは、例えば、互いにクロスニコルになるように貼り合わせられている。
ここで、フレームレート変換部30および信号処理部22は、本開示における「フレームレート変換部」の一具体例に対応する。フレームレート変換部30は、本開示における「第1の変換部」の一具体例に対応する。信号処理部22は、本開示における「第2の変換部」の一具体例に対応する。液晶表示パネル40は、本開示における「表示部」の一具体例に対応する。フレーム画像Fは、本開示における「オリジナルフレーム画像」の一具体例に対応する。基準信号生成部24は、本開示における「反転信号生成部」の一具体例に対応する。動作モード制御部21は、本開示における「変換比設定部」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示装置1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1,2を参照して、表示装置1の全体動作概要を説明する。
チューナ11は、アンテナAntにおいて受信された放送波から、所望の映像信号(ストリーム)を選択する。HDMIレシーバ12は、外部機器(図示せず)から供給された映像信号を受信する。セレクタ13は、チューナ11から供給された映像信号、およびHDMIレシーバ12から供給された映像信号のうちの一方を選択して映像信号Sdisp0として出力する。
表示処理部20において、フレームレート変換部30は、映像信号Sdisp0のフレームレートを4倍にフレームレート変換して、映像信号Sdispを生成するとともに、動きベクトル信号Svおよびフレーム識別信号Sidを生成する。動作モード制御部21は、動きベクトル信号Svに基づいて、動作モード信号Smodeを生成する。信号処理部22の画像信号処理部23は、動作モード信号Smodeに応じたフレームレート変換比Rで、映像信号Sdispに対してフレームレート変換を行い、映像信号Sdisp2を生成する。信号処理部22の基準信号生成部24は、垂直同期信号Vsync、フレーム識別信号Sid、および動作モード信号Smodeに基づいて、極性基準信号Spol2およびバックライト基準信号Sbl2を生成する。表示制御部25は、映像信号Sdisp2および極性基準信号Spol2に基づいて、液晶表示パネル40を制御する。バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいて、バックライト14を制御する。バックライト14は、液晶表示パネル40に対して面発光した光を射出する。液晶表示パネル40は、バックライト14から射出した光を変調することにより表示を行う。
(詳細動作)
次に、表示装置1の詳細動作について説明する。表示装置1では、フレームレート変換部30の動きベクトル検出部32が、供給された映像信号Sdisp0に基づいて動きベクトル信号Svを生成する。そして、動作モード制御部21は、この動きベクトル信号Svに基づいて動き量Aを求め、動作モードM1〜M3を判断する。以下に、動作モード制御部21の動作について説明する。
図8は、動き量Aの波形図を表すものである。この例では、動き量Aは、時間とともに広い範囲にわたり変化している。まず、タイミングt0〜t1の期間において、動き量Aは、しきい値TH1より低い値になっている。この場合、動作モード制御部21は、表示装置1は動作モードM3で動作すべきと判断する。次に、タイミングt1〜t2の期間において、動き量Aがしきい値TH1以上かつしきい値TH2未満の値になると、動作モード制御部21は、表示装置1は動作モードM2で動作すべきと判断する。そして、タイミングt2〜t3の期間において、動き量Aがしきい値TH2以上の値になると、動作モード制御部21は、表示装置1は動作モードM1で動作すべきと判断する。このように、表示装置1では、映像情報の変化に応じて、動的に動作モードが変化する。
表示装置1では、動作モード制御部21が判断した動作モードM1〜M3に応じて、信号処理部22がフレームレート変換比Rを変更することにより、液晶表示パネル40における表示のリフレッシュレートが変化する。具体的には、信号処理部22におけるフレームレート変換比Rは、動作モードM1では1であり、動作モードM2では1/2であり、動作モードM3では1/4である。つまり、表示装置1では、動き量Aが大きい場合(フレーム画像Fの変化が大きい場合)には、フレームレート変換比Rが大きくなり(例えばフレームレート変換比R=1)、動き量Aが小さい場合(フレーム画像Fの変化が小さい場合)には、そのフレームレート変換比Rが小さくなる(例えばフレームレート変換比R=1/4)ように動作する。これにより、表示装置1では、動き量Aが大きい場合には、表示のリフレッシュレートを高くすることにより画質を高めることができ、動き量Aが小さい場合には、表示のリフレッシュレートを下げることにより、画質の低下を最低限におさえつつ消費電力を低減できる。具体的には、表示のリフレッシュレートが下がることにより、特に液晶表示パネル40におけるゲートドライバ41、データドライバ42、共通信号ドライバ43の消費電力が低減する。
以下に、動作モードM1〜M3のそれぞれにおける表示処理部20の詳細動作を順に説明する。まず最初に、動作モードM1における表示処理部20の詳細動作を説明する。
図9は、動作モードM1における表示処理部20のタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdispに係る垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、および画像信号Ssigをそれぞれ示し、(F)はフレーム識別信号Sidを示し、(G)〜(I)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(J)は極性基準信号Spol2を示し、(K)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(L)は画像信号Ssig3を示し、(M)は極性信号Spol3を示し、(N)はバックライト制御信号Sbl3を示す。ここで、図9(B),(E),(F),(I),(L)において、“0”〜“3”の数字は、フレーム識別番号FIDを示すものである。また、図9(B),(E),(I),(L)において、“B”は垂直ブランキング期間に対応する信号を示すものである。
図9に示したように、表示処理部20には、映像信号Sdisp0(垂直同期信号Vsync0、画像信号Ssig0(図9(A),(B))など)により、周期T0=16.7[msec](=1/60[Hz])でフレーム画像Fが供給される。なお、このフレーム画像Fは、以下に説明するように、後にフレーム識別番号FID=0が付されるものである。フレームレート変換部30は、この映像信号Sdisp0のフレームレートを4倍にフレームレート変換して映像信号Sdispを生成する。そして、信号処理部22は、動作モードM1を示す動作モード信号Smodeに基づいて、映像信号Sdispに対してフレームレート変換を行わずに、その映像信号Sdispを映像信号Sdisp2として出力する。以下に、その詳細を説明する。
フレームレート変換部30は、映像信号Sdisp0に基づいて、フレームレートを4倍にするフレームレート変換を行い、映像信号Sdisp(垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、画像信号Ssig)を生成して出力する(図9(C)〜(E))。具体的には、フレームレート変換部30は、フレーム画像Fに係る画像信号をタイミングt10〜t11の期間に出力し、生成した3枚の補間フレーム画像F2に係る画像信号を、タイミングt11〜t12の期間、タイミングt12〜t13の期間、タイミングt13〜t14の期間にそれぞれ出力する。すなわち、フレームレート変換部30は、周期T1=4.2[msec](=1/60/4[Hz])で、フレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2を画像信号Ssigとして出力する。また、フレームレート変換部30のフレーム補間部33は、画像信号Ssigのフレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2のそれぞれにフレーム識別番号FIDを付け、フレーム識別信号Sidとして出力する(図9(F))。その際、フレーム補間部33は、フレーム画像Fに“0”のフレーム識別番号FIDを付け、続く3枚の補間フレーム画像F2に“1”,“2”,“3”のフレーム識別番号FIDをそれぞれ付ける。
信号処理部22の画像信号処理部23は、動作モードM1を示す動作モード信号Smodeに基づいて、フレームレート変換比Rを1に設定し、映像信号Sdispをそのまま映像信号Sdisp2として出力する(図9(G)〜(I))。また、信号処理部22の基準信号生成部24は、動作モードM1を示す動作モード信号Smodeに基づき、供給された垂直同期信号Vsyncのパルスに同期して反転する極性基準信号Spol2を生成して出力するとともに(図9(J))、この垂直同期信号Vsyncをバックライト基準信号Sbl2として出力する(図9(K))。
表示制御部25は、映像信号Sdisp2の画像信号Ssig2に基づいて画像信号Ssig3を生成して出力するとともに(図9(L))、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成して出力する(図9(M))。また、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいて、バックライト14を点灯(ON)または消灯(OFF)させる為のバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図9(N))。その際、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2のパルスから所定の時間tdの後にバックライト14を消灯から点灯に変化させ、さらに所定の時間tonの後にバックライト14を点灯から消灯に変化させるようなバックライト制御信号Sbl3を生成する。
このように、動作モードM1では、動き量Aの大きい映像を、液晶表示パネル40において高いリフレッシュレートで表示することにより、画質を高めることができる。
次に、動作モードM2における表示処理部20の詳細動作を説明する。
図10は、動作モードM2における表示処理部20のタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdispに係る垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、および画像信号Ssigをそれぞれ示し、(F)はフレーム識別信号Sidを示し、(G)〜(I)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(J)は極性基準信号Spol2を示し、(K)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(L)は画像信号Ssig3を示し、(M)は極性信号Spol3を示し、(N)はバックライト制御信号Sbl3を示す。
動作モードM2では、信号処理部22は、動作モードM2を示す動作モード信号Smodeに基づいて、映像信号Sdispに対して1/2のフレームレート変換比Rでフレームレート変換を行い、その結果を映像信号Sdisp2として出力する。すなわち、動作モードM2では、フレームレート変換部30の動作は動作モードM1の場合と同様であり、信号処理部22およびその後段の回路の動作が動作モードM1の場合とは異なる。以下に、その詳細を説明する。
信号処理部22の画像信号処理部23は、動作モードM2を示す動作モード信号Smodeに基づいて、フレームレート変換比Rを1/2に設定する。具体的には、画像信号処理部23は、映像信号Sdispに係る垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、画像信号Ssig(図10(C)〜(E))のうち、フレーム識別信号Sid(図10(F))のフレーム識別番号FIDが“1”または“3”である期間(マスク期間PM)に対応する信号部分をマスクし、そのフレーム識別番号FIDが“0”または“2”である期間に対応する信号部分を、そのまま、垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、画像信号Ssig2として出力する(図10(G)〜(I))。すなわち、画像信号処理部23は、T0/2(=8.3[msec]=1/60/2[Hz])の周期で、フレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2を画像信号Ssig2として出力する。その際、画像信号処理部23は、周期T0の期間のうちの1/4の期間(タイミングt20〜t21の期間)に、フレーム画像Fに係る画像信号Ssig2を出力し、周期T0の期間のうちの他の1/4の期間(タイミングt22〜t23の期間)に、補間フレーム画像F2に係る画像信号Ssig2を出力する。
また、信号処理部22の基準信号生成部24は、動作モードM2を示す動作モード信号Smodeに基づいて、供給された垂直同期信号Vsync(図10(C))のパルスのうち、フレーム識別信号Sid(図10(F))のフレーム識別番号FIDが“0”または“2”である期間に対応するパルスを選択し、このパルスに同期して反転する極性基準信号Spol2を生成して出力する。また、基準信号生成部24は、動作モードM2を示す動作モード信号Smodeに基づいて、供給された垂直同期信号Vsync(図10(C))のうち、フレーム識別信号Sid(図10(F))のフレーム識別番号FIDが“1”または“3”である期間に対応する信号部分をマスクし、そのフレーム識別番号FIDが“0”または“2”である期間に対応する信号部分を、そのまま、バックライト基準信号Sbl2として出力する(図10(K))。
表示制御部25は、映像信号Sdisp2の画像信号Ssig2に基づいて画像信号Ssig3を生成して出力するとともに(図10(L))、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成して出力する(図10(M))。また、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいて、動作モードM1の場合と同様にバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図10(N))。すなわち、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2のパルスから所定の時間tdの後にバックライト14を消灯から点灯に変化させ、さらに所定の時間tonの後にバックライト14を点灯から消灯に変化させるようなバックライト制御信号Sbl3を生成する。
このように、動作モードM2では、動き量Aが中程度である映像を、液晶表示パネル40において、動作モードM1の場合よりもやや低いリフレッシュレートで表示することにより、画質の低下を抑えつつ、消費電力を低減することができる。
次に、動作モードM3における表示処理部20の詳細動作を説明する。
図11は、動作モードM3における表示処理部20のタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdispに係る垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、および画像信号Ssigをそれぞれ示し、(F)はフレーム識別信号Sidを示し、(G)〜(I)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(J)は極性基準信号Spol2を示し、(K)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(L)は画像信号Ssig3を示し、(M)は極性信号Spol3を示し、(N)はバックライト制御信号Sbl3を示す。
動作モードM3では、信号処理部22は、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、映像信号Sdispに対して1/4のフレームレート変換比Rでフレームレート変換を行い、その結果を映像信号Sdisp2として出力する。すなわち、動作モードM3では、フレームレート変換部30の動作は動作モードM1,M2の場合と同様であり、信号処理部22およびその後段の回路の動作が動作モードM1,M2の場合とは異なる。以下に、その詳細を説明する。
信号処理部22の画像信号処理部23は、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、フレームレート変換比Rを1/4に設定する。具体的には、画像信号処理部23は、映像信号Sdispに係る垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、画像信号Ssig(図11(C)〜(E))のうち、フレーム識別信号Sid(図11(F))のフレーム識別番号FIDが“1”〜“3”である期間(マスク期間PM)に対応する信号部分をマスクし、そのフレーム識別番号FIDが“0”である期間に対応する信号部分を、そのまま、垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、画像信号Ssig2として出力する(図11(G)〜(I))。すなわち、画像信号処理部23は、周期T0=16.7[msec](=1/60[Hz])で、フレーム画像Fを画像信号Ssig2として出力する。その際、画像信号処理部23は、周期T0の期間のうちの1/4の期間(タイミングt30〜t31の期間)に、フレーム画像Fに係る画像信号Ssig2を出力する。
また、信号処理部22の基準信号生成部24は、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、供給された垂直同期信号Vsync(図11(C))のパルスのうち、フレーム識別信号Sid(図11(F))のフレーム識別番号FIDが“0”である期間に対応するパルスを選択し、このパルスに同期して反転する極性基準信号Spol2を生成して出力する。また、基準信号生成部24は、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、供給された垂直同期信号Vsync(図11(C))のうち、フレーム識別信号Sid(図11(F))のフレーム識別番号FIDが“0”,“1”,“3”である期間に対応する信号部分をマスクし、そのフレーム識別番号FIDが“2”である期間に対応する信号部分を、そのまま、バックライト基準信号Sbl2として出力する(図11(K))。
表示制御部25は、映像信号Sdisp2の画像信号Ssig2に基づいて画像信号Ssig3を生成して出力するとともに(図11(L))、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成して出力する(図11(M))。また、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいて、動作モードM1,M2の場合と同様にバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図11(N))。
このように、動作モードM3では、動き量Aが低い映像を、液晶表示パネル40において、低いリフレッシュレートで表示することにより、画質の低下を抑えつつ、消費電力を低減することができる。
表示装置1では、フレームレート変換部30がフレームレートを所定倍(4倍)に変換した後、画像信号処理部23が、動作モード制御部21からの動作モードM1〜M3の指示に応じて、映像信号Sdisp(画像信号Ssig、水平同期信号Hsync、および垂直同期信号Vsync)の一部を選択的にマスクすることによりフレームレート変換を行う。これにより、フレームレート変換比の可変にするしくみを、シンプルな構成で実現することができる。
また、表示装置1では、画像信号処理部23が、映像信号Sdisp(画像信号Ssig、水平同期信号Hsync、および垂直同期信号Vsync)の一部をマスクする際、フレーム識別番号FIDが“0”である信号部分を残すようにマスクしている。具体的には、例えば、図11(G)〜(I)に示したように、画像信号処理部23は、映像信号Sdispのうち、フレーム識別番号FIDが“1”〜“3”である信号部分をマスクし、フレーム識別番号FIDが“0”である信号部分を出力している。ここで、上述したように、フレーム識別番号FIDが“0”である画像は、フレーム画像Fに対応するものであり、フレーム識別番号FIDが“1”〜“3”である画像は、補間フレーム画像F2に対応するものである。このように、表示装置1では、画像信号処理部23が、映像信号Sdispをマスクする際、フレーム識別番号FIDが“1”〜“3”である信号部分(補間フレーム画像F2)をマスクし、フレーム識別番号FIDが“0”である信号部分(フレーム画像F)を出力するようにしたので、例えば、フレームレート変換部30のフレーム補間部33が生成した補間フレーム画像F2にエラーが発生した場合でも、画質の低下を抑えることができる。すなわち、仮に、例えば動作モードM3において、画像信号処理部23が、映像信号Sdispのうち、フレーム識別番号FIDが“0”,“2”,“3”である信号部分をマスクし、フレーム識別番号FIDが“1”である信号部分(補間フレーム画像F2)を出力するようにした場合には、エラーのある画像が表示されるおそれがある。一方、本実施の形態に係る表示装置1では、フレーム識別番号FIDが“0”である信号部分(フレーム画像F)を出力するようにしたので、フレーム補間部33が生成した補間フレーム画像F2にエラーが発生した場合でも、そのエラーのある画像がマスクされ、液晶表示パネル40に表示されることがないため、画質の低下を抑えることができる。
また、表示装置1では、基準信号生成部24は、フレーム識別信号Sidおよび動作モード信号Smodeに基づいて、極性基準信号Spol2を生成している。言い換えれば、基準信号生成部24は、画像信号処理部23におけるフレームレート変換比Rに対応した極性基準信号Spol2を生成する。これにより、表示装置1では、正常な反転駆動を行うことができる。すなわち、仮に、例えば動作モードM3(図11)において、基準信号生成部24が垂直同期信号Vsyncの全てのパルスに同期して反転動作を行うことにより極性基準信号を生成した場合には、極性基準信号Spol2の波形(図11(J))は図9(J)のような波形になるとともに、極性信号Spol3の波形(図11(M))は図9(M)のような波形になる。この場合、液晶表示パネル40に画像信号Ssig3(図11(L))が書き込まれる期間(例えばタイミングt30〜t31の期間やタイミングt34〜t35の期間等)において、常に極性信号Spol3が低レベルになり、正常に反転駆動を行うことができない。一方、表示装置1では、基準信号生成部24が、画像信号処理部23におけるフレームレート変換比Rに対応した極性基準信号Spol2を生成するようにしたので、図11に示したように、液晶表示パネル40に画像信号Ssig3(図11(L))が書き込まれる度に、極性信号Spol3は反転するため、正常な反転駆動を行うことができる。これにより、表示装置1では、液晶表示パネル40における、いわゆる焼き付きの現象を低減することができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、映像信号における動き量に基づいて、画像信号処理部におけるフレームレート変換比を変更するようにしたので、画質の低下を抑えつつ、消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態では、フレームレート変換部がフレームレートを所定倍に変換した後、画像信号処理部が、供給された映像信号の一部を選択的にマスクすることによりフレームレート変換を行うようにしたので、シンプルな構成でフレームレート変換比を可変にするしくみを実現することができる。
また、本実施の形態では、画像信号処理部が、供給された映像信号の一部をマスクする際、フレーム画像と補間フレーム画像のうちの、補間フレーム画像をマスクするようにしたので、画質の低下を抑えることができる。
また、本実施の形態では、基準信号生成部が、画像信号処理部におけるフレームレート変換比Rに対応した極性基準信号を生成するようにしたので、液晶表示パネルにおける焼き付きを低減することができる。
[変形例1−1]
上記実施の形態では、基準信号生成部24は、動作モードM2(図10)では、フレーム識別番号FIDが“0”または“2”である期間に対応する垂直同期信号Vsyncの信号部分を、バックライト基準信号Sbl2として出力し、動作モードM3(図11)では、フレーム識別番号FIDが“2”である期間に対応する垂直同期信号Vsyncの信号部分を、バックライト基準信号Sbl2として出力したが、これに限定されるものではなく、垂直同期信号Vsyncのうちの他の信号部分を出力してもよい。図12に、動作モードM3において、基準信号生成部24が、フレーム識別番号FIDが“1”である期間に対応する垂直同期信号Vsyncの信号部分を、バックライト基準信号Sbl2として出力する場合の例を示す。この場合には、図11の場合に比べて、より早いタイミングでバックライト14を点灯させることができる。このように、表示装置1では、液晶素子LCの応答時間などを考慮し、バックライト14を点灯させるタイミングを任意に設定することができる。
[変形例1−2]
また、上記実施の形態では、極性基準信号Spol2は、動作モードM2(図10)では、フレーム識別番号FIDが“0”または“2”である期間に対応する垂直同期信号Vsyncのパルスに基づいて反転し、動作モードM3(図11)では、フレーム識別番号FIDが“2”である期間に対応する垂直同期信号Vsyncのパルスに基づいて反転したが、これに限定されるものではなく、他のパルスに基づいて反転してもよい。図13に、動作モードM3において、極性基準信号Spol2が、フレーム識別番号FIDが“3”である期間に対応する垂直同期信号Vsyncのパルスに基づいて反転する場合の例を示す。
[変形例1−3]
また、上記実施の形態では、フレームレート変換部30は、補間フレーム画像F2を生成することによりフレームレート変換を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図14に示したように、供給されたフレーム画像Fを繰り返すことによりフレームレート変換を行うようにしてもよい。このような方法は、例えば、表示内容が高速で変化するゲーム用途などで用いられる。すなわち、補間フレーム画像F2を生成しない場合には、映像信号が表示装置1に供給されてから実際に表示されるまでの遅延時間を短くすることができるため、このようなゲーム用途では、ゲーム機のコントローラ操作をタイムリーに行うことができる。この場合でも、フレームレート変換された映像信号Sdispに対して、信号処理部22が図9〜11に示したように処理を行うことにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の変形例]
上記実施の形態では、液晶表示パネル40は、4倍速駆動が可能な液晶表示パネルとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、2倍速駆動でもよいし、4倍速よりも速い速度で駆動できるものであってもよい。例えば2倍速駆動の液晶表示パネルを用いた場合には、例えば、フレームレート変換部は、フレームレートを2倍に変換するものであり、画像信号処理部23は、フレームレート変換比Rを1または1/2から選択するように構成することができる。
また、上記実施の形態では、バックライト14はブリンキング動作を行うものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、常時点灯するようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る表示装置2について説明する。本実施の形態は、フレームレート変換の方法が、上記第1の実施の形態と異なるものである。すなわち、上記第1の実施の形態(図2)では、フレームレート変換部30が所定倍にフレームレート変換した後に、画像信号処理部23が可変のフレームレート変換比Rによりフレームレートを下げるようにしたが、これに代えて、本実施の形態では、画像信号処理部23を省くとともに、フレームレート変換部が、可変のフレームレート変換比R2を用いてフレームレートを上げるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図15は、本実施の形態に係る表示処理部50の一構成例を表すものである。表示処理部50は、フレームレート変換部60と、基準信号生成部51とを備えている。ここで、フレームレート変換部60は、本開示における「フレームレート変換部」の一具体例に対応する。
フレームレート変換部60は、供給された映像信号Sdisp0の動きベクトルに応じた可変のフレームレート変換比R2を用いて、フレームレートを上げるようにフレームレート変換するものである。
図16は、フレームレート変換部60の一構成例を表すものである。フレームレート変換部60は、動作モード制御部65と、フレーム補間部63と、タイミング制御部64とを備えている。
動作モード制御部65は、上記第1の実施の形態に係る動作モード制御部21と同様に、動きベクトル検出部32から供給された動きベクトル信号Svに基づいて、動作モード信号Smodeを生成し出力するものである。
フレーム補間部63は、上記第1の実施の形態に係るフレーム補間部33と同様に、動きベクトル検出部32から供給された動きベクトル信号Svに基づいて、時間的に隣接する2つのフレーム画像Fを補間することにより、補間フレーム画像F2を生成するものである。その際、フレーム補間部63は、フレーム補間部33とは異なり、動作モード信号Smodeに基づいて、補間フレーム画像F2の生成を制御する。具体的には、フレーム補間部63は、動作モードM1では、3枚の補間フレーム画像F2を生成し、動作モードM2では、1枚の補間フレーム画像F2を生成し、動作モードM3では、補間フレーム画像F2を生成しないように動作する。そして、このフレーム補間部63は、フレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2を、画像信号Ssig2として出力する。
タイミング制御部64は、水平同期信号Hsync0、垂直同期信号Vsync0、および動きベクトル信号Svに基づいて、フレームメモリ31、動きベクトル検出部32、およびフレーム補間部63の動作タイミングを制御するとともに、フレームレート変換後の画像信号Ssig2に対応する水平同期信号Hsync2および垂直同期信号Vsync2を生成して出力する。
このようにして、フレームレート変換部60は、動作モードM1では、フレームレート変換比R2=4でフレームレート変換し、動作モードM2では、フレームレート変換比R2=2でフレームレート変換する。一方、フレームレート変換部60は、動作モードM3では、フレームレート変換をしない(フレームレート変換比R2=1)ように動作する。
基準信号生成部51は、垂直同期信号Vsync2に基づいて、フレームレート変換された映像信号Sdisp2に対応する極性基準信号Spol2およびバックライト基準信号Sbl2を生成するものである。
次に、動作モードM1〜M3のそれぞれにおける表示処理部50の詳細動作を説明する。
図17は、動作モードM1における表示処理部50のタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(F)は極性基準信号Spol2を示し、(G)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(H)は画像信号Ssig3を示し、(I)は極性信号Spol3を示し、(J)はバックライト制御信号Sbl3を示す。ここで、図17(B),(E),(H)において、“0”〜“3”の数字は、説明の便宜上導入したフレーム識別番号FIDであり、上記第1の実施の形態の場合と同様に、フレーム識別番号FID=“0”はフレーム画像Fに対応するものであり、フレーム識別番号FID=“1”,“2”,“3”は3枚の補間フレーム画像F2に対応するものである。
フレームレート変換部60は、動作モードM1を示す動作モード信号Smodeに基づいて、フレームレート変換比R2を4に設定し、映像信号Sdispを4倍にフレームレート変換して、その結果を映像信号Sdisp2として出力する(図17(C)〜(E))。すなわち、フレームレート変換部60は、周期T1=4.2[msec](=1/60/4[Hz])で、フレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2を画像信号Ssig2として出力する。
そして、基準信号生成部51は、供給された垂直同期信号Vsync2のパルスに同期して反転する極性基準信号Spol2を生成して出力するとともに(図17(F))、この垂直同期信号Vsync2をバックライト基準信号Sbl2として出力する(図17(G))。
表示制御部25は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、映像信号Sdisp2の画像信号Ssig2に基づいて画像信号Ssig3を生成して出力するとともに(図17(H))、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成して出力する(図17(I))。また、バックライト制御部26は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、バックライト基準信号Sbl2に基づいてバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図17(J))。
図18は、動作モードM2における表示処理部50のタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(F)は極性基準信号Spol2を示し、(G)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(H)は画像信号Ssig3を示し、(I)は極性信号Spol3を示し、(J)はバックライト制御信号Sbl3を示す。
フレームレート変換部60は、動作モードM2を示す動作モード信号Smodeに基づいて、フレームレート変換比R2を2に設定し、映像信号Sdispを2倍にフレームレート変換して、その結果を映像信号Sdisp2として出力する(図18(C)〜(E))。すなわち、フレームレート変換部60は、T0/2(=8.3[msec]=1/60/2[Hz])の周期で、フレーム画像Fおよび補間フレーム画像F2を画像信号Ssig2として出力する。その際、フレームレート変換部60は、周期T0の期間のうちの1/4の期間(タイミングt50〜t51の期間)に、フレーム画像Fに係る画像信号Ssig2を出力し、周期T0の期間のうちの他の1/4の期間(タイミングt52〜t53の期間)に、補間フレーム画像F2に係る画像信号Ssig2を出力する。
そして、基準信号生成部51は、供給された垂直同期信号Vsync2のパルスに同期して反転する極性基準信号Spol2を生成して出力するとともに(図18(F))、この垂直同期信号Vsync2をバックライト基準信号Sbl2として出力する(図18(G))。
表示制御部25は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、映像信号Sdisp2の画像信号Ssig2に基づいて画像信号Ssig3を生成して出力するとともに(図18(H))、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成して出力する(図18(I))。また、バックライト制御部26は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、バックライト基準信号Sbl2に基づいてバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図18(J))。
図19は、動作モードM3における表示処理部50のタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(F)は極性基準信号Spol2を示し、(G)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(H)は画像信号Ssig3を示し、(I)は極性信号Spol3を示し、(J)はバックライト制御信号Sbl3を示す。
フレームレート変換部60は、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、フレームレート変換比R2を1に設定し、映像信号Sdispを映像信号Sdisp2として出力する(図19(C)〜(E))。すなわち、フレームレート変換部60は、周期T0=16.7[msec](=1/60[Hz])の周期で、フレーム画像Fを画像信号Ssig2として出力する。その際、フレームレート変換部60は、周期T0の期間のうちの1/4の期間(タイミングt60〜t61の期間)に、フレーム画像Fに係る画像信号Ssig2を出力する。
そして、基準信号生成部51は、供給された垂直同期信号Vsync2のパルスに同期して反転する極性基準信号Spol2を生成して出力するとともに(図19(F))、この垂直同期信号Vsync2をバックライト基準信号Sbl2として出力する(図19(G))。
表示制御部25は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、映像信号Sdisp2の画像信号Ssig2に基づいて画像信号Ssig3を生成して出力するとともに(図19(H))、極性基準信号Spol2に基づいて極性信号Spol3を生成して出力する(図19(I))。また、バックライト制御部26は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、バックライト基準信号Sbl2に基づいてバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図19(J))。
以上のように本実施の形態では、フレームレート変換部が、動作モードに応じたフレームレート変換比を用いてフレームレート変換するようにしたので、必要な補間フレーム画像F2のみを生成するため、消費電力を低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例2−1]
上記実施の形態では、基準信号生成部51は、垂直同期信号Vsync2に基づいて、極性基準信号Spol2およびバックライト基準信号Sbl2を生成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、垂直同期信号Vsync2と動作モード信号Smodeに基づいてこれらの信号を生成してもよい。以下に、その詳細を説明する。
図20は、本変形例に係る表示処理部50Bの一構成例を表すものである。表示処理部50Bは、フレームレート変換部60Bと、基準信号生成部51Bとを備えている。フレームレート変換部60Bは、図16に示したフレームレート変換部60において、動作モード制御部65から出力される動作モード信号Smodeを、フレームレート変換部60Bの外部にも出力するように構成したものである。基準信号生成部51Bは、垂直同期信号Vsync2と動作モード信号Smodeに基づいて、極性基準信号Spol2およびバックライト基準信号Sbl2を生成して出力するものである。
図21は、本変形例に係る表示処理部50Bの、動作モードM3におけるタイミング図を表すものであり、(A),(B)は、映像信号Sdisp0に係る垂直同期信号Vsync0および画像信号Ssig0をそれぞれ示し、(C)〜(E)は、映像信号Sdisp2に係る垂直同期信号Vsync2、水平同期信号Hsync2、および画像信号Ssig2をそれぞれ示し、(F)は極性基準信号Spol2を示し、(G)はバックライト基準信号Sbl2を示し、(H)は画像信号Ssig3を示し、(I)は極性信号Spol3を示し、(J)はバックライト制御信号Sbl3を示す。
フレームレート変換部60Bの動作モード制御部65は、動き量Aに基づいて、表示装置が動作モードM3で動作すべきと判断し、その旨を指示する動作モード信号Smodeを基準信号生成部51Bに対して供給する。そして、基準信号生成部51Bは、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、この例では、垂直同期信号Vsync2のパルスから所定の時間Tdblの後にパルスが生じるバックライト基準信号Sbl2を生成する(図21(G))。そして、バックライト制御部26は、バックライト基準信号Sbl2に基づいてバックライト制御信号Sbl3を生成して出力する(図21(J))。この場合には、図19の場合に比べて、より遅いタイミングでバックライト14を点灯させることができる。
また、上記変形例では、基準信号生成部51Bは、垂直同期信号Vsync2と動作モード信号Smodeに基づいてバックライト基準信号Sbl2を生成したが、図22に示したように、垂直同期信号Vsync2と動作モード信号Smodeに基づいて極性基準信号Spol2を生成してもよい。この例では、基準信号生成部51Bは、動作モードM3を示す動作モード信号Smodeに基づいて、垂直同期信号Vsync2のパルスから所定の時間Tdpolの後に反転する極性基準信号Spol2を生成する(図22(F))。
[変形例2−2]
また、上記実施の形態では、フレームレート変換部60は、補間フレーム画像F2を生成することによりフレームレート変換を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、上記第1の実施の形態の変形例1−3と同様に、供給されたフレーム画像Fを繰り返すことによりフレームレート変換を行うようにしてもよい。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る表示装置3について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態に係る表示装置1において、動作モードの制御方法を変更したものである。すなわち、上記第1の実施の形態では、動きベクトルに基づいて動作モードを制御したが、本実施の形態では、表示する番組のコンテンツに基づいて動作モードを制御している。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図23は、本実施の形態に係る表示装置3の一構成例を表すものである。表示装置3は、チューナ16と、動作モード制御部17と、表示処理部70とを備えている。
チューナ16は、アンテナAntにおいて受信された放送波から、所望の映像信号(ストリーム)を選択するとともに、EPG(電子番組表;Electronic Program Guide)信号を受信してEPG信号Sepgとして動作モード制御部17に供給するものである。
動作モード制御部17は、EPG信号Sepgに基づいて、動作モードM1〜M3を判断し、動作モード信号Smodeとして出力するものである。
図24は、受信したEPG信号に係る電子番組表の一例を表すものである。動作モード制御部17は、例えば、表示するコンテンツがスポーツ番組(コンテンツC1)である場合には、フレーム画像Fの変化が大きいと判断し、表示装置3が動作モードM1で動作すべきと判断する。また、例えば、表示するコンテンツがアニメ番組(コンテンツC2)である場合には、フレーム画像Fの変化はさほど大きくないと判断し、表示装置3が動作モードM2で動作すべきと判断する。そして、例えば、表示するコンテンツがニュース番組(コンテンツC3)である場合には、フレーム画像Fの変化は小さいと判断し、表示装置3が動作モードM3で動作すべきと判断する。このように、表示装置3では、コンテンツにより一意的に動作モードが判断され、そのコンテンツを表示している期間は動作モードが固定される。
すなわち、上記第1の実施の形態に係る動作モード制御部21は、フレーム画像Fの動き量Aに基づいて動作モードM1〜M3を判断したが、本実施の形態に係る動作モード制御部17は、フレーム画像Fの動き量Aを直接検出せず、コンテンツに基づいて間接的にフレーム画像Fの動き量を推定して動作モードM1〜M3を判断するものである。
図25は、表示処理部70の一構成例を表すものである。表示処理部70は、フレームレート変換部77を備えている。フレームレート変換部77は、上記第1の実施の形態に係るフレームレート変換部30(図4)において、動きベクトル検出部32から出力される動きベクトル信号Svを外部に出力しないように構成したものである。また、表示処理部70では、上述した動作モード制御部17から供給された動作モード信号Smodeが、信号処理部22に入力されるようになっている。
以上のように本実施の形態では、EPG信号に基づいて動作モードを判断するようにしたので、動作モードの判断をよりシンプルにすることができる。
また、本実施の形態では、コンテンツに基づいて動作モードを判断するようにしたので、そのコンテンツが表示されているときは同じ動作モードで動作し、途中で動作モードが変化することがないため、観察者が表示映像を不自然に感じるおそれを低減することができる。
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例3−1]
上記実施の形態では、第1の実施の形態に係る表示装置1において、動作モードの制御方法を、表示する番組のコンテンツに基づく方法に変更したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、第2の実施の形態に係る表示装置2において、動作モードの制御方法を、同様に変更してもよい。以下に、その詳細を説明する。
図26は、本変形例に係る表示処理部70Bの一構成例を表すものである。表示処理部70Bは、フレームレート変換部80を備えている。
図27は、フレームレート変換部80の一構成例を表すものである。フレームレート変換部80は、上記第2の実施の形態に係るフレームレート変換部60において、動作モード制御部65を省くと共に、外部から動作モード信号Smodeをフレーム補間部63およびタイミング制御部64に対して供給するように構成したものである。
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、第1および第2の実施の形態では、動きベクトルに基づいて動作モードM1〜M3を変化させるようにし、また、第3の実施の形態では、EPGに基づいて動作モードM1〜M3を変化させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、動きベクトルとEPGの両方に基づいて動作モードを変化させてもよい。具体的には、例えば、EPGに基づいて表示する番組のコンテンツを取得し、そのコンテンツに応じて動作モードM1〜M3を判断する際のしきい値TH1,TH2を変化させるようにしてもよい。より具体的には、例えば、表示するコンテンツがスポーツ番組(コンテンツC1)である場合には、しきい値TH1,TH2をともに低めの値に設定する。これにより、試合をしているシーンでは動作モードM1が選択され、解説者が解説しているシーンでは動作モードM3が選択される。また、例えば、表示するコンテンツがニュース番組(コンテンツC3)である場合には、しきい値TH1,TH2をともに高めの値に設定する。これにより、動作モードM3が選択されやすくすることができる。ここで、動作モード制御部17のうちのコンテンツを検出する部分は、本開示における「コンテンツ検出部」の一具体例に対応する。
また、例えば、上記実施の形態等では、液晶表示パネルを用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図28に示したように、プラズマ表示パネルのような自発光の表示パネルを用いても良い。その場合には、バックライト制御部26は省略され、また、表示制御部25は、このような表示パネルの制御に適した信号を出力するように構成される。