[第一実施形態]
以下、本発明が適用されたウォータサーバ1について図面を参照して説明する。図1に示すように、このウォータサーバ1は、内部が上下に区画されたサーバ本体10を有する。このサーバ本体10の上側の第一区画11には、流体である水を収容した流体容器12が収納され、サーバ本体10の下側の第二区画21には、流体容器12から供給された水を収容する容量可変容器22が収納される。そして、流体容器12と容量可変容器22とは、連結手段となるジョイント機構31を介して着脱可能に結合されている。
図2に示すように、流体容器12は、可撓性を有する容器であり、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)等の合成樹脂材料でブロー成形等によって成形されている。また、これらの合成樹脂シートを用いて製袋した容器であっても良い。合成樹脂シートを用いる場合には、このシートは、同種又は異種の複数のシートの積層シートであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートの積層シートを用いることが出来る。そして、水と接する面は、臭いの発生しにくいポリエチレンとすると良い。この流体容器12は、例えば、7〜9リットルの容量を有している。尚、流体容器12としては、12リットルや20リットル等の容量を有していても良い。この流体容器12は、ジョイント機構31と接続する第一接続口を含む第一連結部13が設けられている。流体容器12は、可撓性を有し、収容している水の体積(水量)によって容積が増減する。流体容器12は、収容する水が減少するに連れて折り畳まれる折り目線14等が設けられており、水の減少に伴って、漸次織り込まれ減容することで、最後まで、水がジョイント機構31に流れるようになっている。また、流体容器12は、第一区画11において、吊り下げられる又はこれに類似した状態で配設されることによって、最後まで、水をジョイント機構31に供給出来る構成となっている。以上のような流体容器12は、収容している水の体積によって容積が可変しないハード容器のように通気口が不要で、収容する水が減少するに連れて容量も減少し、収容された水が外気と触れることが無いため、内部での雑菌等の繁殖が防止され、長期に亘って衛生状態を良好な状態に維持することが出来る。
また、容量可変容器22も、流体容器12と同様に、可撓性を有し、合成樹脂材料等でブロー成形等によって成形されている。また、合成樹脂シートを製袋して構成されている。この容量可変容器22は、流体容器12より小さな容量を有しており、例えば2〜4リットルの容量を有している。勿論、容量可変容器22は、この例に限定されるものではなく、例えば流体容器12より大きな容量を有していても良く、また、1リットル以下又は5リットル以上であっても良い。
この容量可変容器22には、パイプやチューブで形成された吐出路23が設けられており、この吐出路23は、吐出口23aを有し、流路の開閉や流量の調節をするコック24に接続される。この吐出路23は、容量可変容器22の流体容器12側、即ち容量可変容器22の上部に設けられている。尚、吐出路23の位置は、容量可変容器22中程等に設けられていても良い。また、容量可変容器22には、ジョイント機構31と接続する第二連結部25が設けられている。容量可変容器22も、可撓性を有し、収容している水の体積(水量)によって容積が増減する。容量可変容器22は、収容する水が減少するに連れて折り畳まれる折り目線28等が設けられており、水の減少に伴って、漸次織り込まれ減容することで、最後まで、水がジョイント機構31に流れるようになっている。また、容量可変容器22の吐出路23とは反対側、即ち下部(内底部)には、残留した水を排水するチューブやパイプで構成されたドレン路26が設けられ、ドレン路26の吐出口27aは、排水コック27によって閉められている。
以上のような容量可変容器22は、ハード容器のように通気口が不要で、収容する水が減少するに連れて容量も減少し、収容された水が外気と触れることが無いため、内部に雑菌等の繁殖が防止されている。
連結手段となるジョイント機構31は、流体容器12の第一接続口を含む第一連結部13が接続される第一コネクタ32と容量可変容器22の第二接続口を含む第二連結部25と接続される第二コネクタ33とを有している。第一コネクタ32は、水密が図られた状態で第一連結部13と接続される。そして、第一コネクタ32は、例えば、先端が第一連結部13内に挿入される内部に第一通水路が形成されたニードル32aを有し、流体容器12内の水を、ニードル32a表面開口より連通した第一通水路に取り入れる。尚、第一コネクタ32の構成は周知であり、この例に特に限定されるものではない。
また、第二コネクタ33も、水密が図られた状態で容量可変容器22の第二連結部25に接続される。第二コネクタ33は、第一コネクタ32の第一通水路と連通したストロー等の流入路34を有し、流入路34から容量可変容器22に、流体容器12の水を供給する。この流入路34は、例えば、容量可変容器22の深さと略同じ長さを有し、先端開口34aより容量可変容器22の底部に流体容器12の水を供給する。尚、流入路34には、先端側や中程の側面に複数の開口が形成されていても良い。これにより、容量可変容器22では、底部の方に、流体容器12からの新しい水が供給され、押し上げられた水がジョイント機構31側の吐出路23から吐水されることになり、常に、順次水が入れ替わるようになっている。
このように、ジョイント機構31は、収容する水の増減によって容積が増減する流体容器12と容量可変容器22とを接続し、連続した一連の容量可変型の容器にしている。従って、流体容器12から容量可変容器22に水が供給される場合、流体容器12は、水の減少に連れて容積が小さくなり、容量可変容器22は、水が増加するに連れて容積が大きくなる。
尚、本発明において、流入路34は、容量可変容器22の深さと略同じ長さではなく、容量可変容器22の深さより短いものであっても良い。
ウォータサーバ1は、使用前、図3に示すような状態にある。即ち、ウォータサーバ1の使用前、ジョイント機構31の第二コネクタ33には、第二区画21にある空の収縮した容量可変容器22のみが接続された状態となっている。従って、容量可変容器22の内部には、外気は含まれていない。ウォータサーバ1の使用を開始するときには、第一区画11に流体容器12を配設し、ジョイント機構31の第一コネクタ32に、満水で膨張した状態の流体容器12の第一連結部13を接続する。この際、流体容器12は、サーバ本体10の第一区画11に、吊り下げられる又はこれに類似した状態で配設される。
すると、満水の流体容器12からは、ジョイント機構31を介して空の容量可変容器22に水が供給され、流体容器12は、徐々に収縮し、容量可変容器22は、満水になるまで流体容器12から注水されるに連れて徐々に膨張する。流体容器12から容量可変容器22に注水する過程において、流体容器12及び/又は容量可変容器22に収容する水は、外気に触れることがないので雑菌等の繁殖を長期に亘って防止することが出来る。これにより、ウォータサーバ1は、ユーザに使用可能な状態となる。
水を飲むときには、図2に示すように、ユーザがコック24を開く。すると、吐出路23の吐出口23aからは、容量可変容器22の水がコップ2に注水される。容量可変容器22の水が減少すると、ジョイント機構31の流入路34の先端開口34aから流体容器12の水が容量可変容器22の底部の方に補充される。容量可変容器22の水は、底部の方に新しい流体容器12の水が補充され、上部の水が吐出路23の吐出口23aから吐水されることで入れ替わっていく。そして、容量可変容器22は、使用中において、常に満水の状態となり、一方で、流体容器12は、水の減少に連れて漸次縮小し、折り目線14に沿って折り畳まれて行く。流体容器12は、サーバ本体10の第一区画11に、吊り下げられる又はこれに類似した状態で配設され、更に、水の減少に伴って、漸次織り込まれることで、最後まで、水をジョイント機構31を介して容量可変容器22に供給することが出来る。そして、流体容器12が空の状態を放置したときにも、水がコック24から吐水されると、容量可変容器22は、徐々に縮小し、折り畳まれていく。このように、ウォータサーバ1は、流体容器12と容量可変容器22とがジョイント機構31を介して一連で、容量可変となっているので、外気を取り込むことなく、水を吐出口23aから吐水することが出来る。
図4に示すように、流体容器12の水が無くなると、サーバ本体10の第一区画11から空の流体容器12が取り外され、新たな満水の流体容器12が吊り下げられる又はこれに類似した状態で配設される。流体容器12の交換時にあっても、容量可変容器22は、略満水の状態であり、また、満水から減少した状態であっても折り目線28に沿って折り畳まれるので、内部に外気が入り込むことを防止することが出来る。
尚、長期に亘ってウォータサーバ1を使用しないときには、排水コック27を開き、容量可変容器22の水を排水する。これにより、容量可変容器22、更に容量可変容器22より上側にある流体容器12に収容された水を全て排水することが出来る。すると、流体容器12及び容量可変容器22は、流体容器12、容量可変容器22の順で、折り目線14,28に沿って折り畳まれ縮小する。即ち、容量可変容器22は、外気が浸入することなく縮小し折り畳まれることになり、次に、使用を再開する際にも、新たに配設された流体容器12から供給される水と外気が接触することを防止することが出来る。勿論、長期に亘って使用しないときには、流体容器12をジョイント機構31から外した状態で、ジョイント機構31に栓をして密閉することで、第二区画21に留置される容量可変容器22に外気が浸入することを防止するようにしても良い。
以上のようなウォータサーバ1は、図1に示すように、上側の第一区画11に流体容器12を配設し、下側の第二区画21に容量可変容器22を配設し、容量可変容器22のジョイント機構31側、即ち上側に吐出路23とコック24を設けるようにしている。即ち、コック24は、流体容器12と容量可変容器22とを合わせた高さの略真ん中に位置することになる。従って、このウォータサーバ1では、全体の高さを低くすることが出来、また、コック24の位置も、ユーザが使用し易い位置に設けることが出来る。これに伴い、ウォータサーバ1では、全高を低くすることが出来、更に、交換が前提の流体容器12の第一区画11の高さを低くすることが出来る。例えば、ウォータサーバ1は、テーブル上に置くことが出来る程度にまで低背化することが出来る。
また、ウォータサーバ1は、流体容器12と容量可変容器22が可撓性を有する容量可変型の流体容器であるため、使用開始から流体容器12が空になり、流体容器12を交換する一連の過程で、流体容器12や容量可変容器22に外気が入り込むことを防止することが出来る。従って、このウォータサーバ1では、流体容器12や容量可変容器22で雑菌が繁殖することを防止することが出来る。
尚、以上の例では、第一区画11に流体容器12を着脱可能とし、流体容器12を交換することで、水を補充する場合を説明したが、本発明では、ジョイント機構31に対して水道の蛇口と直結されたホース等の接続管を接続し、常時、水道の蛇口から容量可変容器22に水が補充されるようにしても良い。
[第二実施形態]
図5は、容量可変容器22に貯留された水の温度調節を行う変温部41が設けられた例を示す。容量可変容器22には、変温部41を配設する凹状の配設空間部42が外部と連通する連通部43を介して設けられている。変温部41は、例えば、常温より水温を高くするヒータ等の加熱素子であり、配設空間部42内に配設され、電源供給や制御を行うためのコード41aが連通部43より外部に導出され、コントローラ44に接続されている。変温部41の位置は、容量可変容器22の中心部近傍に位置することが良いが、加熱された水の対流を考慮すれば、底部側に位置しても良い。
コントローラ44は、ユーザにより所定温度に設定されると、変温部41を動作させて容量可変容器22の水を加温する。コントローラ44は、変温部41の電源オン/オフの他、容量可変容器22の水の水温を数段階で調節出来る機能を有していても良く、また、連続的に水温を調節出来る機能を有していても良い。
この容量可変容器22では、凹状に配設空間部42が設けられ、内部に、変温部41を配設するようにしたので、変温部41の周囲には、容量可変容器22内の水が存する。従って、変温部41は、効率的に容量可変容器22内の水を加温することが出来る。尚、水温の制御を正確に行うため、配設空間部42には、更に、変温部41と共にコントローラ44と接続された水温を検出する温度センサ45を配設するようにしても良い。温度センサ45としては、バイメタル式温度計、熱電対、高分子温度センサ、抵抗温度計等を用いることが出来る。
また、変温部41としては、ヒータ等の加熱素子の他、ペルチェ素子等の吸熱素子を用いても良い。ペルチェ素子を用いることで、容量可変容器22内の水温を常温より低くし、冷水とすることも出来る。ペルチェ素子を用いたときには、動作音が発生しないため、ウォータサーバ1を静音設計とすることが出来る。
以上のように、容量可変容器22に変温部41を設けた場合、容量可変容器22は、発泡スチロールといった発泡材や熱反射性を発現し得るアルミ基材等を用いた熱反射層等で構成された断熱材40で囲繞するようにすると良い。これにより、温度調節された容量可変容器22の水の熱が散逸することを防止することが出来る。
更に、図5では、容量可変容器22に凹状の配設空間部42を設け、配設空間部42に変温部41を設けた例を説明したが、変温部41は、図6に示すように、容量可変容器22内に設けるようにしても良い。この場合、図6では、水中用の変温部46を容量可変容器22内部に設け、内部から、電源供給や制御を行うためのコード46aが導出されている。コード46aを容量可変容器22の内部から外部に導出するに際しては、例えば、容量可変容器22に所定箇所に水密パッキン47を容量可変容器22に設けて漏水しないようにしている。このような図6の例によっても、変温部46の周囲は、水に囲繞されているので、効率的に水温を調節することが出来る。尚、変温部46には、水温を検出する温度センサ48を設けるようにしても良い。
尚、本発明では、図7に示すように、容量可変容器22の外周部に、ヒータやペルチェ素子といった変温部49を設けるようにしても良い。この場合には、図5及び図6の例と異なり、容量可変容器22の外周部に変温部49が設けられるので、容量可変容器22の容量が配設空間部42や変温部46の体積分減少することを防止することが出来る。また、変温部49の電気配線も容易に行うことが出来る。また、冷却方式としては、コンプレッサー方式であっても良い。
更に、図5〜図7では、変温部41,46,49を設けた場合を説明したが、ウォータサーバとしては、温水の系列と冷水の系列を2つ設けるようにしても良い。この場合、温水の系列には、変温部41,46,49を設けるようにし、冷水の系列には、ペルチェ素子等の吸熱素子を設けるか、何も、設けないようにすれば良い。更に、水温毎に、系列を3つ以上設けても良い。
[第三実施形態]
図1ー図7に示す例では、流体容器12を上側に配設し、容量可変容器22を下側に配設した場合を説明したが、本発明では、図8に示すように、流体容器52を下側に配設し、容量可変容器62を上側に配設するようにしても良い。これにより、流体容器52を交換する際に、流体容器52を持ち上げる必要がなくなり、交換作業を簡単に行うことが出来るようになる。尚、流体容器52及び容量可変容器62の構成は、上述した流体容器12及び容量可変容器22の構成と同様なため詳細は省略する。
即ち、図8のウォータサーバ50では、下側の第一区画51に流体容器52が配設され、上側の第二区画61に容量可変容器62が配設される。流体容器52と容量可変容器62とは、ジョイント機構71を介して接続されている。ジョイント機構71は、流体容器52と容量可変容器62とを接続するチューブやパイプで構成された接続路72を有し、接続路72の途中に、下側の流体容器52から上側の容量可変容器62に水を汲み上げるポンプ73が設けられている。このポンプ73は、その動作のオンオフ等がマイクロコンピュータ等のコントローラ74に制御されている。
流体容器52は、上側に設けられた第一接続口を含む第一連結部53が設けられ、第一連結部53で、接続路72aと接続されている。流体容器52においては、流体容器12と同様に、折り目線14等を設け、水の減少に伴って、漸次織り込まれるようにしても良い。また、容量可変容器62は、上側に設けられた第二接続口を含む第二連結部66が設けられ、第二連結部66で、接続路72bと接続されている。この容量可変容器62においても、容量可変容器22と同様に、折り目線28等を設け、水の減少に伴って、漸次織り込まれるようにしても良い。尚、第一連結部53の位置や第二連結部66の位置は、流体容器52や容量可変容器62の上側に限定されるものではない。また、第二連結部66には、接続路72bと連通したストロー等の流管で構成された流入路77が設けられている。流入路77は、容量可変容器62の深さと略同じ長さを有し、先端開口77aより容量可変容器62の底部に流体容器52の水を供給する。
容量可変容器62には、吐出路63が設けられており、この吐出路63は、流路の開閉や流量の調節をするコック64と接続される。また、コック64には、コック64の開閉を検出する開閉検出部65が設けられ、この開閉検出部65は、コック64の開閉信号を、コントローラ74に出力する。コントローラ74は、開閉検出部65よりコック64を開いたことを示す信号が入力されたとき、ポンプ73を始動し、流体容器52から容量可変容器62への給水を開始し、開閉検出部65よりコック64を閉めたことを示す開閉信号が入力されたとき、ポンプ73の動作を停止する。
図8のウォータサーバ50では、使用前、次のような状態にある。即ち、容量可変容器62は、収縮し空の状態にあり、内部に外気が含まれていない状態となっている。ウォータサーバ50の使用を開始するときには、下側の第一区画51に満水の膨張した流体容器52が第一連結部53によって接続路72aと接続される。すると、図9に示すように、コントローラ74は、ステップS1において、ポンプ73を始動し、下側にある流体容器52の水を上側の容量可変容器62へ汲み上げる。具体的に、コントローラ44は、ユーザが汲み上げ開始の操作を行って操作信号が入力されたとき、又は、第一連結部53に接続路72aとの接続部分に設けられた検出センサが第一連結部53に接続路72aが接続されたことを検出し検出信号が入力されたときに、ステップS1において、ポンプ73を始動する。
コントローラ44は、ステップS2において、容量可変容器62が満水になったかを判定し、満水になったことを検出すると、ステップS3において、ポンプ73の流体容器52の水の汲み上げ動作を停止する。尚、容量可変容器62が満水になったかどうかは、容量可変容器62に設けられた検出センサによって検出するようにしても良いし、コントローラ44が流体容器52から容量可変容器62にどれだけ給水したかの給水量を管理するようにし、給水量データが容量可変容器62の満水を示す閾値となったときに、ポンプ73を停止するようにしても良い。これにより、ウォータサーバ50は、ユーザに使用可能な状態となる。
水を飲むときには、ユーザがコック64を開くことによって、容量可変容器62の吐出路63の吐出口63aからコップ2に吐水される。ステップS4において、コック64が開かれたことを開閉検出部65が検出すると、コントローラ44は、ステップS5において、ポンプ73を始動し、容量可変容器62の減水分を流体容器52から汲み上げて補充する。そして、コントローラ44は、ステップS6において、コック64が閉じられたことを開閉検出部65が検出すると、ステップS7において、ポンプ73の駆動を停止する。これにより、容量可変容器62は、常に満水の状態となり、コック64を開いたとき、吐出路63の吐出口63aから内部に外気が浸入することを防止することが出来る。
流体容器52の水が無くなると、第一区画51から空の流体容器52が取り外され、新たな満水の流体容器52が配設される。流体容器52の交換時にあっても、容量可変容器62との間にポンプ73が設けられていることから、容量可変容器62に外気が入り込んでしまうことも防止出来る。
尚、長期に亘ってウォータサーバ50を使用しないときには、容量可変容器62のドレン路68に設けられた排水コック67を開き、容量可変容器62の水を排水する。すると、容量可変容器62は、折り目線28に沿って折り畳まれ縮小する。これにより、容量可変容器62は、外気が浸入することなく縮小し折り畳まれることになり、次に、使用を再開する際にも、新たに配設された流体容器12から供給される水と外気が接触することを防止することが出来る。
以上のようなウォータサーバ50は、交換を前提とする流体容器52が下側の第一区画51に配設される。従って、ユーザは、流体容器52の交換時、新品である満水の流体容器52を高く、例えば膝や腰より高い位置まで持ち上げる必要が無くなり、流体容器52の交換作業を容易に行うことが出来る。
また、ウォータサーバ50は、流体容器52と容量可変容器62が可撓性を有する容量可変型の流体容器であるため、流体容器52や容量可変容器62の水が減少し収縮する過程で外気が入り込むことを防止することが出来る。従って、このウォータサーバ50では、流体容器52や容量可変容器62で雑菌が繁殖することを防止することが出来る。
尚、このウォータサーバ50においても、図5〜図7に示すように、容量可変容器62に変温部41,46,49を設けるようにしても良い。また、温水の系列と冷水の系列を2つ設けるようにしても良い。この場合、温水の系列には、変温部41,46,49を設けるようにし、冷水の系列には、ペルチェ素子等の吸熱素子を設けるか、何も、設けないようにすれば良い。更に、水温毎に、系列を3つ以上設けても良い。
尚、以上の例では、第一区画51に流体容器52を着脱可能とし、流体容器52を交換することで、水を補充する場合を説明したが、本発明では、ジョイント機構71に対して水道の蛇口と直結されたホース等の接続管を接続し、常時、水道の蛇口から容量可変容器62に水が補充されるようにしても良い。
また、以上の例では、流体容器12,52及び容量可変容器22,62として、可撓性を有する容器を用いた場合を説明したが、容量可変容器としては、図10に示すような容器であっても良い。即ち、容量可変容器80は、剛性を有する容器本体81を有し、一端部に、ピストン82が設けられている。そして、水85は、容器本体81とピストン82で区画された空間部83に貯留される。ピストン82の下側は、大気圧の空洞となっている。また、空間部83は、ジョイント部となる接続パイプ84が設けられている。これにより、容量可変容器80は、貯留する水の量に応じてピストンが上下し、容量が可変する。このような容量可変容器80によっても、空間部83に外気が浸入してしまうことを防止することが出来、内部の水に雑菌等が繁殖することを防止することが出来る。図10に示すような容量可変容器80は、上述した第一容量可変容器、第二容量可変容器の何れにも使用することが出来る。
また、流体容器12,52と容量可変容器22,62との位置関係は、上述のように上下方向に並ぶ場合だけでなく、横方向や斜めの方向に並ぶようになっていても良い。
[第四実施形態]
ところで、本発明が適用されたウォータサーバは、図11に示すように構成することが出来る。即ち、このウォータサーバ100では、上流側に位置する一次容量可変容器102と下流側に位置する二次容量可変容器103とが送出部108によって連結されてウォータサーバ100の装置本体101の上側に内蔵され、上流側の一次容量可変容器102には、装置本体101の下側の着脱可能な流体容器104から水が補充されるように構成されている。尚、本発明では、一次容量可変容器102には、流体容器104から水を補充するのではなく、水道の蛇口と直結されたホース等の接続管を接続し、常時、水道の蛇口から水が補充されるようにしても良い。
具体的に、一次容量可変容器102は、二次容量可変容器103とほぼ同じ高さ又は上側に配設され、流体容器104から供給された水を一次的に受容する。一次容量可変容器102には、水が装置本体101の下側の容器装着部に着脱可能に装着された流体容器104から供給される。具体的に、装置本体101には、ポンプ106が設けられている。装置本体101の上側の一次容量可変容器102と下側の流体容器104とは、連結手段となる連結路105によって接続され、ポンプ106によって、流体容器104の水を一次容量可変容器102に汲み上げる。例えば、ポンプ106は、一次容量可変容器102の減水分に相当する水を、流体容器104から汲み上げる。尚、流体容器104としては、剛性を有する容器であっても良いし、容量可変容器であっても良いし、更に、BIB型の容器であっても良い。
ポンプ106より上流側の連結路105には、連結手段となる開封部材が設けられており、装置本体101の下側の容器装着部に流体容器104が装着されたとき、連結路105の端部に設けられた開封部材によって、流体容器104のコネクタが開封される。例えば、開封部材は、筒状を成し、流体容器104のコネクタを突き抜けることで、内部と連通し、連結路105に水を供給出来るようにする。
二次容量可変容器103は、ここでは、冷水又は低温用と温水又は高温用の二種類がある。尚、温水又は高温用の二次容量可変容器103では、耐熱用の素材を用いて形成されている。冷水又は低温用と温水又は高温用の二次容量可変容器103a,103bには、一つの一次容量可変容器102から水が供給される。各二次容量可変容器103a,103bには、吐出路107a,107bが設けられており、この吐出路107a,107bは、流路の開閉や流量の調節をするコック108a,108bと接続される。また、吐出路107a,107bの吐出口110a,110bは、図13(A)に示すように、吐出路107a,107bの上流側の二次容量可変容器103a,103bに位置する流出口117の位置以上又は以下に設けられる。尚、図13(A)では、吐出口110a,110bの位置は、流出口117の位置より上側を示している。また、図13(B)では、吐出口110a,110bの位置は、流出口117の位置より下側を示している。
尚、冷水又は低温用の二次容量可変容器103aは、変温部を設け冷水としても良いし、常温の水としても良い。また、温水又は高温用の二次容量可変容器103bは、ヒータ等の変温部115を設けて一次容量可変容器102からの水を加温する。尚、少なくとも、温水又は高温用の二次容量可変容器103bは、断熱材で囲繞するようにして、温水を冷めにくくすると良い。また、冷水又は低温用の二次容量可変容器103aにあっても、水を冷却する場合には冷水が常温にならないように断熱材で囲繞するようにしても良い。
一次容量可変容器102と二次容量可変容器103a,103bとは、二次容量可変容器103a,103bに送出する送出部108を介して接続されている。送出部108は、一次容量可変容器102の水を、一次容量可変容器102と二次容量可変容器103a,103bとを接続するチューブやパイプで構成された流入路109a,109bを介して、二次容量可変容器103a,103bに送出する。そして、流入路109a,109bの一端と一次容量可変容器102とは、第一コネクタ111,111によって接続され、流入路109a,109bの他端と二次容量可変容器103a,103bとは、第二コネクタ112,112によって接続されている。尚、一次容量可変容器102と二次容量可変容器103a,103bとの連結は、以上のように二本の流入路109a,109bを用いても良いが、一次容量可変容器102に1本のパイプを接続し、このパイプを二本に分岐させて、分岐パイプをそれぞれ二次容量可変容器103a,103bに接続するようにしても良い。これにより、送出部108の配管構造を簡素化することが出来る。
以上のようなウォータサーバ100は、コントローラ113を有する。コントローラ113は、例えば、コック108a,108bの開閉を開閉検出部114で検出して、開閉検出部114からコック108a,108aを開いたことを示す信号が入力されたとき、ポンプ106を作動する。
以上のようなウォータサーバ100では、使用前、次のような状態にある。初期状態では、一次容量可変容器102と二次容量可変容器103a,103bは、収縮し空の状態にあり、内部に外気が含まれていない状態となっている。そして、装置本体101の下側の容器装着部に流体容器104が装着されると、コントローラ113は、ポンプ106を作動し、流体容器104の水を、一次容量可変容器102に汲み上げ、更に、一次容量可変容器102を介して二次容量可変容器103a,103bに水を供給する。そして、コントローラ113は、一次容量可変容器102と二次容量可変容器103a,103bとが満水になると、ポンプ106を停止する。これにより、ウォータサーバ100は、ユーザに使用可能な状態となる。温水又は高温用の二次容量可変容器103bでは、水が補充され、水温が下がったことを、例えばヒータの近傍に設けられた温度検出素子が検出すると、コントローラ113が変温部115のヒータを駆動し、設定温度まで水を加熱する。
水を飲むときには、ユーザがコック108a,108bを開くことによって、二次容量可変容器103a,103bの吐出路107a,107bの吐出口110a,110bからコップ2に吐水される。コック108a,108bが開かれたことを開閉検出部114が検出すると、コントローラ113は、ポンプ106を始動し、二次容量可変容器103a,103bと一次容量可変容器102の減水分を流体容器104から汲み上げて補充し、満水になったときにポンプ106を停止する。これにより、二次容量可変容器103a,103bは、常に満水の状態となり、コック108a,108bを開いたとき、吐出路107a,107bの吐出口110a,110bから内部に外気が浸入することを防止することが出来る。
以上のようなウォータサーバ100は、交換を前提とする流体容器104が装置本体101の下側に配設される。従って、ユーザは、流体容器104の交換時、新品である満水の流体容器104を高く、例えば膝や腰より高い位置まで持ち上げる必要が無くなり、流体容器104の交換作業を容易に行うことが出来る。
ところで、水は、加温されると膨張し、温度が高くなるほど、非線形に膨張率が高くなる。従って、温水又は高温用の二次容量可変容器103bは、設定温度に加温されたときと給水されたばかりの水温が低いときとでは体積が異なる。従って、温水が作られる二次容量可変容器103bでは、加温された際の水の膨張分を考慮して容量を設定する必要がある。
これを具体的に図12(A)〜(E)を参照して説明する。二次容量可変容器103bは、最初、例えば20℃の水が90%注入され((B)参照)、水温を調節する変温部115によって、90℃まで加温されると、注入された水が膨張し、100%の状態となる((C)参照)。ここで、ユーザによって温水が使用され二次容量可変容器103bから吐水されると、吐水された分だけ一次容量可変容器102から二次容量可変容器103bに20℃の水が注水される。すると、二次容量可変容器103bは、例えば50℃にまで水温が下がるが、吐水と同時に注水も行われるため、50℃の水で満水(100%)の状態となる((D)参照)。この後、変温部115は、二次容量可変容器103bの水温が50℃に下がったため、二次容量可変容器103bの水が90℃になるまで加温する。これにより、満水状態の二次容量可変容器103bの水は、ここから更に膨張し、例えば、水の体積が二次容量可変容器103bの容積に対して110%の状態になってしまう。図12(E)の状態が発生したときには、二次容量可変容器103bは、容器が破れ、漏水が発生してしまうおそれがある。即ち、温水は、吐水と同時に冷水を注水し二次容量可変容器103bを満水の状態にして所定温度まで加温する動作を繰り返すと、累積的に、二次容量可変容器103b内の水の体積が増加し、二次容量可変容器103bの規定の容積では貯水しきれなくなってしまう。
そこで、図13(A)に示すように、二次容量可変容器103bには、内部の水が加温され膨張した際に、水の膨張分を許容する拡張部116が設けられている。具体的に、拡張部116は、二次容量可変容器103bの一端部、例えば上側端部に、水が注入されていない萎んだ部分として構成されている。図13に示すように、一次容量可変容器102と二次容量可変容器103bとは、ほぼ同じ高さに配設され、二次容量可変容器103bは、一次容量可変容器よりも高位置が拡張部116となる。より具体的に、拡張部116は、一次容量可変容器102の上端110の高さより上の部分となる。拡張部116は、温水用の二次容量可変容器103bに設けることが好ましいが、冷水又は低温用の二次容量可変容器103aに設けるようにしても良い。また、拡張部116は、二次容量可変容器103a,103bと一体的に設けても良いし、別部材を、二次容量可変容器103a,103bと一体的に接合して構成しても良い。
また、二次容量可変容器103bには、一次容量可変容器102の上端110の高さとほぼ同じ高さ又は下側に吐出路107bの根本が設けられている。具体的に、吐出路107bは、図13(A)に示すように、上流側の端部が二次容量可変容器103bの内部に連通し、下流側の端部がコック108bに連通されている。上流側の端部は、二次容量可変容器103b内に収容された水を外部に流出させるための流出口117を成し、流出口117の配設高さ位置は、一次容量可変容器102の上端110の高さ位置より低い位置に設定される。これにより、二次容量可変容器103bの水量に関係なく、貯留している水を吐出路107bを通して吐出口110bから吐出することが出来る。尚、冷水又は低温用の二次容量可変容器103aにも、同様な構成を適用しても良い。特に、冷却手段で水を冷却している場合、温度の低い水は、二次容量可変容器103aの底部に分布することになる。従って、流出口117の配設高さ位置を、一次容量可変容器102の上端110の高さ位置より低い位置に設定し、底部の近くまで延在させることで、より設定温度に近い冷水を吐出することが出来る。
また、流出口117の配設高さ位置は、図13(B)に示すように、一次容量可変容器102の上端110の高さ位置近傍又は若干上端110より下側程度に設定するようにしても良い。変温部115で、二次容量可変容器103bを加熱している場合、温められた温水は、二次容量可変容器103bの水面近傍に分布することになる。従って、流出口117の配設高さ位置を、一次容量可変容器102の上端110の高さ位置近傍又は若干上端110より下側程度に設定することで、より設定温度に近い温水を吐出することが出来る。尚、冷水又は低温用の二次容量可変容器103aにも、同様な構成を適用しても良い。
以上のような一次容量可変容器102と二次容量可変容器103bの系において、使用前は、図14(A)に示すように、二次容量可変容器103bが空の状態で収縮した状態となっている。従って、二次容量可変容器103bの中には、外気は含まれていない。使用開始するときには、一次容量可変容器102から水が注水され、更に、一次容量可変容器102には、ポンプ106によって流体容器104から水が供給され続け、満水状態が維持される。すると、二次容量可変容器103bには、図14(B)に示すように、一次容量可変容器102の上端110の高さまで水が注水される。図14(C)に示すように、変温部115で二次容量可変容器103bの水が所定温度まで加温されると、水も水温に合わせて膨張する。この例では、20℃の水を90℃まで加熱する。加熱によって水が膨張すると、水の体積の増加分は、二次容量可変容器103bの拡張部116の部分に逃げることになる。即ち、拡張部116は、水の膨張分だけ膨らむ。
温水を使用するときには、図14(D)に示すように、ユーザがコック108を開くと、吐出路107bからは二次容量可変容器103bの温水が吐水される。二次容量可変容器103bの温水が減少すると、二次容量可変容器103bは、漸次収縮し、一次容量可変容器102の水が二次容量可変容器103bに補充注水される。更に、一次容量可変容器102には、ポンプ106によって流体容器104から水が補充注水される。すると、図14(E)に示すように、二次容量可変容器103bの水温は、例えば50℃まで下がる。このため、図14(F)に示すように、変温部115で二次容量可変容器103bの水が90℃まで加温されると、水も水温に合わせて膨張する。水の体積の増加分は、二次容量可変容器103bの拡張部116の部分に逃げることになる。以降、温水が使用されると、図14(C)から状態が繰り返されることになる。
以上のように、二次容量可変容器103bは、一次容量可変容器102の上端110より高い位置に、拡張部116を設けるようにし、水温上昇で膨張した膨張分を拡張部116で吸収するようにしている。従って、水が膨張することで、二次容量可変容器103bが破損し漏水することを防止することが出来る。尚、拡張部116は、冷水又は低温用の二次容量可変容器103aに設けるようにしても良い。また、拡張部116は、水の膨張分に応じて膨らむ部分であるため、萎んだ状態にあることが多く、従って、装置本体101内でも嵩張ることない。
[第五実施形態]
以上、図12〜図14の例では、流体容器104を装置本体101の下側に装着するウォータサーバ100を説明したが、本発明は、ユーザが交換する流体容器を装置本体102の上側に配置するものであっても良い。このウォータサーバ120は、上述した流体容器104に相当する流体容器122が装置本体121の上側の容器装着部に着脱可能に装着される。
具体的に、図15に示すように、流体容器122は、装置本体121の上側の容器装着部に着脱される交換型の容器であって、容量可変容器123より上側に配設され、容量可変容器123に給水する。容量可変容器123は、ここでは冷水又は低温用と温水又は高温用の二種類が、流体容器122の下側に配設されている。冷水又は低温用と温水又は高温用の容量可変容器123a,123bは、一つの流体容器122から水が供給される。各容量可変容器123a,123bには、吐出路124a,124bが設けられており、吐出路124a,124bには、流路の開閉や流量の調節をするコック125a,125bと接続される。また、吐出路124a,124bの吐出口145a,145bは、図16(A)に示すように、吐出路124a,124bの上流側の容量可変容器123a,123bに位置する流出口144の位置以上又は以下に設けられる。尚、図16(A)では、吐出口145a,145bの位置は、流出口144の位置より上側(以上)を示している。また、図16(B)は、吐出口145a,145bの位置が流出口144の位置より下側(以下)を示している。
尚、冷水又は低温用の容量可変容器123aは、変温部126を設け冷水としても良いし、常温の水としても良い。また、温水又は高温用の容量可変容器123bは、ヒータ等の変温部126を設けて流体容器122からの水を加温する。尚、少なくとも、温水又は高温用の容量可変容器123bは、断熱材で囲繞するようにして、温水を冷めにくくすると良い。また、冷水又は低温用の容量可変容器123aにあっても、水を冷却する場合には冷水が常温にならないように断熱材で囲繞するようにしても良い。
流体容器122と容量可変容器123a,123bとは、ジョイント部127を介して接続されている。ジョイント部127は、流体容器122の第一コネクタ129aによって接続された共通路128aと、共通路128aから分岐した分岐路128b,128cとを有している。一方の分岐路128bは、第二コネクタ129bによって冷水側の容量可変容器123aに接続され、他方の分岐路128cは、第二コネクタ129cによって温水側の容量可変容器123bに接続される。これにより、ジョイント部127は、配管構造の簡素化を実現することが出来る。尚、ジョイント部127としては、二本のパイプを用い、流体容器122と温水又は高温用の容量可変容器123bとを他の一本のパイプで接続するようにしても良い。
また、流体容器122が装着される容器装着部には、流体容器122を開封する連結手段となる開封部材が設けられており、流体容器122が装着されたとき、開封部材によって、流体容器122の第一コネクタ129aが開封される。例えば、開封部材は、筒状を成し、流体容器122の第一コネクタ129aを突き抜けることで、内部と連通し、共通路128aに水を供給出来るようにする。
尚、容量可変容器123a,123bには、流体容器122から水を補充するのではなく、水道の蛇口と直結されたホース等の接続管を接続し、常時、水道の蛇口から水が補充されるようにしても良い。
以上のようなウォータサーバ120では、使用前、次のような状態にある。初期状態では、装置本体121内にある容量可変容器123a,123bは収縮し空の状態にあり、内部に外気が含まれていない状態となっている。そして、装置本体121の上側の容器装着部に流体容器122が装着されると、流体容器122の水は、ジョイント部127を介して、容量可変容器123a,123bに満水になるまで供給される。これにより、ウォータサーバ120は、ユーザに使用可能な状態となる。温水又は高温用の容量可変容器123bでは、例えばヒータの近傍に設けられた温度検出素子が検出すると、コントローラ131が変温部126のヒータを駆動し、設定温度まで水を加熱する。
水を飲むときには、ユーザがコック125a,125bを開くことによって、容量可変容器123a,123bの吐出路124a,124bの吐水孔からコップ2に吐水される。すると、容量可変容器123a,123bは、順次、流体容器122から水が注水され、満水の状態にされる。これにより、容量可変容器123a,123bは、常に満水の状態となり、コック125a,125bを開いたとき、吐出路124a,124bの吐水孔から内部に外気が浸入することを防止することが出来る。
以上のようなウォータサーバ120では、交換型の流体容器122が装置本体121の上側の容器装着部に装着されることで、装置本体の下側に空きスペースが出来ることから、この空きスペースを無くすことで、装置本体121の全体の低背化を実現することが出来る。
ところで、このウォータサーバ120にあっても、容量可変容器123bにおいて、加温された際の水の膨張分を考慮して容量を設定する必要がある。そこで、ウォータサーバ120において、容量可変容器123bは次のように構成されている。
図16に示すように、流体容器122と温水又は高温用の容量可変容器123bとを接続するジョイント部129の第二コネクタ129cには、分岐路128cと連通したストロー等の流管で構成された流入路132が設けられている。この流入路132は、第二コネクタ129c側に小径部133が設けられ、小径部133に連続して先端側に大径部134が設けられている。容量可変容器123bの、小径部133と大径部134との境界部132aより下は、通常水を貯留している貯留部となり、境界部132aより上側が内部の水が加温され膨張した際に、水の膨張分を許容する拡張部130となっている。具体的に、拡張部130は、容量可変容器123bの一端部、例えば上側端部に、水が注入されていない萎んだ部分として構成されている。容量可変容器123bには、境界部132aの高さとほぼ同じ高さ又は下側に吐出路124bの根本が設けられている。また、大径部134には、流路に沿って浮動し、境界部132aまで浮動したとき、小径部133の端部を閉塞する逆止弁135が配設されている。
逆止弁135は、流体である水に対して比重の小さい材料で形成されることで浮動性を有し、流入路132内で浮力を発生して浮くようになっている。この逆止弁135は、図16及び図17に示すように、大径部134の内径とほぼ同じ外径を有する弁本体136と、弁本体136の一面に設けられた閉塞部137によって構成されている。弁本体136は、例えば円柱状を成し、外周面には、一又は複数の係合部138が例えば凸状に形成されている。係合部138は、大径部134の長手方向に沿って直線状に設けられた弁ガイド部139に係合される。大径部134の弁ガイド部139は、例えば厚さ方向に貫通した流入路132の軸線方向に沿ったスリットで構成されており、逆止弁135の直線的な鉛直方向の上下移動をガイドすると共に、移動範囲を規定する。また、弁ガイド部139は、逆止弁135の流入路132の軸線に対して直交する方向の変位を制限する。例えば、弁ガイド部139は、係合部138が係合されることで、移動範囲を規定し、例えば、逆止弁135が先端部から外れないようにし、また、閉塞部137が小径の小径部133に嵌り込み過ぎないようにする。また、弁ガイド部139は、大径部134内の空間と外側の空間とを連通させ、容量可変容器123b内の水が流動するようにしている。また、弁本体136には、高さ方向に沿って、連通部141が設けられている。連通部141は、外周面に凹状に設けられていても良いし、閉塞部137の周囲に形成された貫通孔であっても良い。連通部141は、係合部138が係合された弁ガイド部139と共に、流体容器122からの水が容量可変容器123b内に導水されるようにする。
弁本体136の一面に設けられている閉塞部137は、小径部133の端部を閉塞する太さを有している。例えば、この閉塞部137は、小径部133に嵌合し得る太さに形成され、先端部が円弧状又は先鋭状に形成されることで、先端部が小径部133に嵌合する際のガイドとなるようにしている。
尚、流入路132の逆止弁135より上側、即ち小径部133には、流体容器122からの冷水が来ており、逆止弁135の下側、即ち大径部134には、変温部126で加温された温水が貯留されている。そこで、逆止弁135は、発泡スチロール等の断熱性に優れた材料で形成することによって、逆止弁135の上側と下側とで熱的に分離し、容量可変容器123bの保温性を高めることが出来る。
以上のような逆止弁135は、容量可変容器123bの水位が流入路132の境界部132aより下側に位置しているとき、逆止弁135も水面に位置し、閉塞部137が小径の小径部133の端部を開放し、流体容器122からの水の流入を許容した状態にある。したがって、流体容器122からの水は、流入路132から容量可変容器123b内に注水される。そして、水位が境界部132aに達したとき、水面上昇に合わせて逆止弁135も流入路132内を上昇し、閉塞部137で小径部133の端部を閉塞し、流体容器122からの水を堰止する。したがって、容量可変容器123bには、流体容器122からの注水は無くなる。容量可変容器123bは、変温部126によって所定温度まで加温されると、温度に合わせて水が膨張する。すると、水の膨張分は、境界部132aより上側にある萎んだ状態にある拡張部130で吸収される。従って、水が膨張することで、容量可変容器123bが破損し漏水することを防止することが出来る。尚、拡張部130は、冷水又は低温用の容量可変容器123aに設けるようにしても良い。また、拡張部130は、水の膨張分に応じて膨らむ部分であるため、萎んだ状態にあることが多く、従って、装置本体101内でも嵩張ることない。
尚、逆止弁135の小径部133を閉塞しているときの高さ位置は、容量可変容器123の内部の高さのほぼ中間位置に設定し、この中間位置より上部を拡張部130としても良い。すなわち、図16に示す例より境界部132aを下側に設定しても良い。
また、吐出路124bは、上流側の二次容量可変容器123b内に収容された水を外部に流出させる流出口144の高さ位置が小径部133を閉塞している逆止弁135の高さ位置より低い位置に設定される。これにより、二次容量可変容器123bの水量に関係なく、貯留している水を吐出路124bを通して吐出口145bから吐出することが出来る。尚、冷水又は低温用の二次容量可変容器123aにも、同様な構成を適用しても良い。特に、冷却手段で水を冷却している場合、温度の低い水は、二次容量可変容器123aの底部に分布することになる。従って、流出口144の配設高さ位置を、底部の近くまで延在させることで、より設定温度に近い冷水を吐出することが出来る。
また、流出口147の配設高さ位置は、図16(B)に示すように、小径部133を閉塞している逆止弁135の高さ位置近傍又は若干逆止弁135より下側程度に設定する用にしても良い。変温部126で、容量可変容器123bを加熱している場合、温められた温水は、容量可変容器123bの水面近傍に分布することになる。従って、流出口147の配設高さ位置を、小径部133を閉塞している逆止弁135の高さ位置近傍又は若干逆止弁1350より下側程度に設定することで、より設定温度に近い温水を吐出することが出来る。尚、冷水又は低温用の容量可変容器123aにも、同様な構成を適用しても良い。
以上のような流体容器122と容量可変容器123bの系において、使用前は、図18(A)に示すように、容量可変容器123bが空の状態で収縮した状態となっている。従って、容量可変容器123bの中には、外気は含まれていない。使用開始するときには、流体容器122から容量可変容器123bに水が注水される。容量可変容器123b内の水位上昇に伴って流入路132の逆止弁135も浮力によって上昇し、容量可変容器123bは、図18(B)に示すように、逆止弁135の閉塞部137が流入路132の小径部133の端部を閉塞するまで、即ち小径部133と大径部134の境界部132aまで注水される。尚、流体容器122が空になったときには、新品の満水の流体容器122に交換し、随時、容量可変容器123bに水を補充出来る状態にしておく。図18(C)に示すように、変温部126で容量可変容器123bの水が所定温度まで加温されると、水も水温に合わせて膨張する。この例では、20℃の水を90℃まで加熱する。加熱によって水が膨張すると、水の体積の増加分は、逆止弁135の閉塞部137が小径部133の端部を閉塞しているので、容量可変容器123bの境界部132aより上側の拡張部130の部分に逃げることになる。即ち、拡張部130が水の膨張分だけ膨らむ。
温水を使用するときには、図18(D)に示すように、ユーザがコック125bを開くと、吐出路124bからは容量可変容器123bの温水が吐水される。容量可変容器123bの温水が減少すると、容量可変容器123bは、漸次収縮する。逆止弁135の閉塞部137が小径部133の端部から離間し、小径部133の流路を開放すると、流体容器122の水が大径部134の弁ガイド部139や弁本体136の連通部141から容量可変容器123bに補充、注水される。そして、流体容器122の水は、再度、逆止弁135の閉塞部137が流入路132の小径部133の端部を閉塞するまで注水される。すると、図18(E)に示すように、容量可変容器123bの水温は、例えば50℃まで下がる。このため、図18(F)に示すように、変温部126で容量可変容器123bの水が90℃まで加温されると、水も水温に合わせて膨張する。水の体積の増加分は、容量可変容器123bの拡張部130の部分に逃げることになる。以降、温水が使用されると、図18(C)からの状態が繰り返されることになる。
以上のように、容量可変容器123bは、流入路132に小径部133と大径部134を設け、大径部134に逆止弁135を設けているので、水温上昇で膨張した膨張分は、境界部132aより上側の拡張部130で吸収することが出来る。従って、水が膨張することで、容量可変容器123bが破損し漏水することを防止することが出来る。尚、拡張部130や流入路132や逆止弁135は、冷水又は低温用の容量可変容器123aに設けるようにしても良い。また、拡張部130は、水の膨張分に応じて膨らむ部分であるため、萎んだ状態にあることが多く、従って、装置本体121内でも嵩張ることない。
ところで、変温部126の誤動作等で水温が高くなり過ぎると、容量可変容器123bは、拡張部130が膨らむだけでは吸収することが出来なくなるおそれがある。そこで、容量可変容器123bには、図15に示すように、非常用として、ベント管142を設けるようにしても良い。このベント管142は、ジョイント部127の分岐路128b,128cに接続されており、また、特に低圧時の逆流防止性能が優れた安全弁143が設けられている。安全弁143は、逆止弁等を用いた逆流防止機構であり、所定値以上の内圧が発生した際に該圧力を開放可能に構成され、容量可変容器123bの内部から外部への、液相状態及び/又は気相状態の流体の流動を許容し、外部から該容量可変容器123bの内部への流動を堰止する。安全弁143は、安全弁143の流入側が容量可変容器123bに連通され、流出側が、外部から容量可変容器123bの内部に水を流入させる分岐路128cに連通している。ベント管142が接続されている分岐路128cは、流体容器122から冷水又は低温が供給されている「冷」側であり、安全弁143が開き水蒸気等が流入したとき、これを冷却し、気相を液相にし、再度、分岐路128cから容量可変容器123bに供給されるようにする。これにより、仮に、変温部126が誤作動してしまい容量可変容器123bの水を加熱しすぎることがあっても、容量可変容器123bが圧力上昇により亀裂等が入り、漏水が発生することを防止することが出来る。
尚、このようなベント管142と安全弁143は、図11に示すウォータサーバ100に適用しても良い。更に、図5〜図7に示したウォータサーバに適用することも出来る。即ち、ベント管142と安全弁143は、変温部を備えたウォータサーバに用いることが好ましい。また、逆止弁135を用いた逆流防止機構にあっても、図11に示すウォータサーバ100の流入路109a,109bに適用しても良い。更に、図1〜図7に示したウォータサーバの流入路34にも適用することも出来る。
尚、ウォータサーバで使用する容量可変容器は、以上説明したウォータサーバで用いる容量可変容器のように全体が可撓性を有していても良いが、ハード部材と可撓性部材との組み合わせで構成しても良い。例えば、図19(A)に示す容量可変容器201は、上面が開放されたハード部材202と、ハード部材202の上面の開口端に固定された可撓性部材203とで構成され、ハード部材202の内面と可撓性部材203の間の空間を貯留部204としている。尚、ここで、ハード部材202としては、物理的強度を有する合成樹脂の成形品や木材、金属等が用いられる。また、ハード部材202は、断熱性を考慮した構成としても良い。可撓性部材203としては、ポリ塩化ビニルシートやゴムシートといったシート又はフィルム材や蛇腹部材が用いられる。図19(A)の(I)に示すように、この容量可変容器201は、液体が貯留されていないとき、可撓性部材203がハード部材202の内面にほぼ沿うように撓んだ状態にあり、容積がほぼ0に又は0に近い状態になっている。貯留部204は、(II)に示すほぼ半分くらい液体が注された状態が満水の状態と定義される。貯留部は、(II)で定義された満水状態から更に、液体を貯留できる余裕分が上述した拡張部205とされる。拡張部205の大きさは、(III)に示すように、液体が熱膨張したときにも、ハード部材202の開口端から突出しないように設定しても良いし、(IV)に示すように、ハード部材202の開口端から突出するように設定しても良い。(III)に示すように、拡張部205かハード部材202の開口端から突出しないように設定したときには、開口端を蓋部材206で閉塞するようにしても良い。蓋部材206を設けたときには、容量可変容器201の大きさを確定することができ、これにより、ウォータサーバの装置本体内の所定位置に設置が容易になる。蓋部材206を設けたときには、貯留部204の容積が増減するように、可撓性部材203と蓋部材206との間の空気等の気体が出入りする通気口207を設けても良い。
また、図19(B)の(I)に示すように、容量可変容器201は、ハード部材201の高さ方向の中程に、可撓性部材203の周囲を固定するようにしても良い。この場合、例えば、(II)に示すように、可撓性部材203の固定端とほぼ同じ高さを、液体の満水の状態に設定し、液体が熱膨張した際には、(III)に示すように、可撓性部材203が可撓性部材203の固定端より上側に突出し、拡張部205となる。拡張部205は、最も突出した際にも、ハード部材202の開口端より突出しないようにする。これにより、開口端には、蓋部材206を配設することが出来る。
更に、図19(C)に示す容量可変容器211は、(I)に示すように、ハード部材212を下向きにし、下面の開口端に、可撓性部材213を固定している。この容量可変容器211は、液体が貯留されていないとき、可撓性部材213がハード部材212の内面にほぼ沿うように撓んだ状態にあり、容積が0又はほぼ0の状態になっている。貯留部214は、(II)に示すほぼ半分くらい液体が注された状態が満水の状態と定義され、(II)で定義された満水状態から更に、液体を貯留できる余裕分が上述した拡張部215とされる。拡張部215の大きさは、(III)に示すように、液体が熱膨張したときにも、ハード部材212の開口端から突出しないように設定しても良いし、(IV)に示すように、ハード部材212の開口端から突出するように設定しても良い。(III)に示すように、拡張部215かハード部材212の開口端から突出しないように設定したときには、開口端を蓋部材216で閉塞するようにしても良い。蓋部材216を設けたときには、拡張部215がはみ出ることが無くなり、容量可変容器211の大きさを確定することができ、これにより、ウォータサーバの装置本体内の所定位置に設置が容易になる。また、蓋部材216を設けたときには、拡張部215を下から支持することが出来るとともに、仮に漏水があったときにも、開口端が蓋部材216で閉塞されていることで、ウォータサーバの装置本体に漏れ広がることを防止することが出来る。蓋部材216を設けたときには、貯留部214の容積が増減するように、可撓性部材213と蓋部材216との間の空気等の気体が出入りする通気口217を設けても良い。
また、図19(D)の(I)に示すように、容量可変容器211は、ハード部材211の高さ方向の中程に、可撓性部材213を固定するようにしても良い。この場合、例えば、(II)に示すように、可撓性部材213の固定端とほぼ同じ高さを、液体の満水の状態に設定し、液体が熱膨張した際には、(III)に示すように、可撓性部材213が可撓性部材213の固定端より上側に突出し、拡張部215となる。拡張部215は、最も突出した際にも、ハード部材212の開口端より突出しないようにする。これにより、開口端には、蓋部材216を配設することが出来る。
更に、図19(E)に示す容量可変容器221は、(I)に示すように、ハード部材222を横向きにし、側面の開口端に、可撓性部材223の周囲を固定するようにしても良い。この容量可変容器221は、液体が貯留されていないとき、可撓性部材223がハード部材222の内面にほぼ沿うように撓んだ状態で、容積が0又はほぼ0の状態にある。貯留部224は、(II)に示すほぼ半分くらい液体が注された状態が満水の状態が満杯の状態と定義され、更に、液体を貯留できる余裕分が上述した拡張部225とされる。拡張部225の大きさは、(III)に示すように、液体が熱膨張したときにも、ハード部材222の側面の開口端から突出しないように設定しても良いし、(IV)に示すように、ハード部材222の側面の開口端から突出するように設定しても良い。(III)に示すように、拡張部225かハード部材222の開口端から突出しないように設定したときには、開口端を蓋部材226で閉塞するようにしても良い。蓋部材226を設けたときには、容量可変容器221の大きさを確定することができ、これにより、ウォータサーバの装置本体内の所定位置に設置が容易になる。また、蓋部材226を設けたときには、仮に漏水があったときにも、開口端が蓋部材226で閉塞されていることで、ウォータサーバの装置本体に漏れ広がることを防止することが出来る。蓋部材226を設けたときには、貯留部224の容積が増減するように、可撓性部材223と蓋部材226との間の空気等の気体が出入りする通気口227を設けても良い。
また、図19(F)の(I)に示すように、容量可変容器221は、ハード部材221の高さ方向の中程に、可撓性部材223を固定するようにしても良い。この場合、例えば、(II)に示すように、可撓性部材223の固定端とほぼ同じ高さを、液体の満水の状態に設定し、液体が熱膨張した際には、(III)に示すように、可撓性部材223が可撓性部材223の固定端より上側に突出し、拡張部225となる。拡張部225は、最も突出した際にも、ハード部材222の開口端より突出しないようにする。これにより、開口端には、蓋部材226を配設することが出来る。
また、図15〜図18に示すウォータサーバ120では、温水又は高温用の容量可変容器123bに延在された流入路132に逆止弁135が配設されている。この逆止弁135を有する容量可変容器123bの別の構成を図20を参照して説明する。図20に示す容量可変容器231は、上面が開口されたハード部材232と、ハード部材232の開口を閉塞する蓋部材233とを有し、蓋部材233は、一面に形成された係合部233aが開口端に係合されることで、ハード部材232に嵌合される。ハード部材232の開口端を閉塞する蓋部材233には、流入路132が挿通されている。また、ハード部材232の開口端には、可撓性部材235が設けられており、可撓性部材235にも、流入路132が挿通されている。すなわち、ハード部材232の内面と可撓性部材235との間が液体が貯留される貯留部234となっており、貯留部234内には、逆止弁135が設けられた流入路132が延在される。
この容量可変容器232は、液体が貯留されていないとき、可撓性部材235がハード部材232の内面にほぼ沿うように撓んだ状態にある。そして、貯留部234は、例えば半分や三分の二くらい液体が注された状態が満水の状態と定義される。貯留部234は、定義された満水状態から更に、液体を貯留できる余裕分が上述した拡張部236とされる。拡張部236の大きさは、ここでは、図20(B)に示すように、液体が熱膨張したときにも、ハード部材232の開口端から突出しないように設定される。蓋部材236には、貯留部234の容積が増減するように、可撓性部材235と蓋部材235との間の空気等の気体が出入りする通気口237を設けても良い。このような構成によっても、ウォータサーバ120では、温水又は高温用の容量可変容器123bと同様な機能を実現することが出来る。
以上説明したウォータサーバでは、流体として、水、ミネラルウォータ等を分配する場合を説明したが、本発明は、清涼飲料、飲料水、酒類、醤油、みりん、ドレッシング、味噌などの流体調味料、みそ汁やコーンスープなどの流体料理等を含む飲食料や工業品等の液体、粘性流体、ゲル状体、スラリー状体を分配する装置であっても良い。