(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、本発明の第1実施形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサによって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置(発射装置)を駆動するための操作部15(発射操作部、発射ハンドル)とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
なお、球発射装置を動作させる操作部15又はその近傍において、発射停止スイッチ110と、タッチスイッチ120が設けられる。発射停止スイッチ110(発射制御操作部)は、遊技者が押すことにより発射停止スイッチ信号を出力し、球発射装置の遊技球の発射を停止する。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、遊技者が操作部15を操作していること(遊技者の手が操作部15に触れていること)を検出するもので、この検出がないときには、球発射装置からの遊技球の発射が停止される。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、操作部15への操作を検出可能な操作検出手段を構成する。例えば、タッチスイッチ120は、環状の金属部分を有し、遊技者がこの金属部分に接触することによる静電容量の変化を検出して、信号を出力する。代わりに、タッチスイッチ120は、人感センサとして温度などを検出してもよい。
球発射装置は、遊技者による操作部15の操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様と、第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様と、で発射可能である。例えば、第1発射態様は、左打ちと右打ちのうちの一方であり、第2発射態様は、左打ちと右打ちのうちの他方である。左打ち、右打ちとは、それぞれ、遊技領域31(図2参照)の左側、右側において遊技球を流下させる態様である。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン70(プッシュボタン71とセレクトボタン72からなる)が上皿11aの手前側に配設されている。セレクトボタン72は、プッシュボタン71の横に配設されている。遊技者が演出ボタン70を操作することによって、表示装置(変動表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、変動表示ゲームの演出パターン(演出態様)を変更することができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動時間の短縮機能が作動して特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(高確率状態、確変状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態(通常確率状態)ともいう。なお、潜伏確変状態以外の確変遊技状態や、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行される。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図2は、本発明の第1実施形態のセンターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、例えば、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34はその開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)(図示省略)が配設され、この演出装置ユニットの裏側には、変動表示装置としての表示装置35と、表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700(図4)と、を備える。
表示装置35(装飾表示装置)は、複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)を表示可能な表示部35aを有する。センターケース34の開口部34aは表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示できる。表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3個の可変表示領域又は上側、中央、下側の3個の可変表示領域)を設定して、変動表示ゲームにおいて各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。図2の遊技盤30では、遊技領域31の右側において遊技球を流下させる右打ち時に、遊技球は普通図柄始動ゲート36を通過できる。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3個の一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には1個の一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動領域)37が設けられる。センターケース34の右下側且つ普図始動ゲート36の下方の遊技領域31には、第2始動入賞口(第2始動領域、普通変動入賞装置)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図3参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38が当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。なお、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38は、障害釘で入球の調整ができる。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変遊技状態や時短遊技状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態(開状態)の発生頻度を高めたり、入賞容易状態(開状態)の発生時間を長くしたりする普電サポートが実行される。普電サポートが実行される状態を普電サポート状態と呼ぶ。つまり、普電サポート状態となる確変遊技状態や時短遊技状態においては、遊技者は右打ちを行うことで第2始動領域への入賞を容易に行うことができる。
第1始動入賞口37の下方の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として複数の下カウントスイッチ605a〜605m(図3参照)が配設されている。本実施形態では、下カウントスイッチの個数は2個であるものとして説明される。
また、センターケース34の右上部には、大入賞口ソレノイド28b(図3参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット140から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、変動表示ゲームの実行に関する遊技情報となり、遊技制御装置600(始動記憶保留手段)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、表示装置35の表示部35aにも表示できる。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)が実行される。なお、特図1表示器51及び特図2表示器52を総称して特別図柄表示装置と呼ぶ場合がある。
表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左又は上(第一特別図柄)、右又は下(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置35等では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置35等の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)が実行されてもよい。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が遊技制御装置600(図3参照)のRAMに記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1個記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技制御装置〕
次に、図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図3は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600の構成を示すブロック図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600は、遊技制御手段を構成する。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(指令情報又はコマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611(即ち主制御CPU、演算処理装置)は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。なお、遊技用マイコン611はワンチップの形態で提供されてもよい。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図変動表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、球発射装置を制御する発射制御装置(図示省略)に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、タッチスイッチ信号、発射停止スイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。タッチスイッチ信号は、操作部15に設けられるタッチスイッチ120の検出信号であり、遊技者が操作のために操作部15に触れた場合に出力されて操作を検出できる操作検出信号である。タッチスイッチ信号は、発射制御装置を介して払出制御装置640に入力される。
遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、CPU611aからの信号を演出制御装置700に安定して送信することができる。また、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド(変動コマンド)、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド(遊技状態を示すコマンド)、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
〔演出制御装置〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図4は、本発明の第1実施形態の演出制御装置700の構成を示すブロック図である。演出制御装置700は、遊技機1における演出を統括的に制御するサブ基板である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなり、演出制御等を行う演出用マイコン(CPU)710と、演出用マイコン710からのコマンドやデータに従って表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)720と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI706とを備える。
演出用マイコン710には、CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702が接続される。
VDP720には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM723が接続される。
音源LSI706には、音声データ等が記憶された音声ROM707が接続される。
演出用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、VDP720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI706に再生音の内容を指示したりする。また、演出用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。さらに、本発明の第1実施形態の演出用マイコン710は、遊技制御装置600からの始動口入賞演出コマンド(図11A,図11B参照)に基づいて、先読み判定処理も実行する。
演出用マイコン710の作業領域を提供するRAM711は、チップ内部に設けられている。なお、演出用マイコン710には、チップの外部にも作業領域を提供するRAM703と、強誘電体を利用した不揮発性メモリFRAM(登録商標、以下同じ)704とが設けられている。
演出用マイコン710とVDP720との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP720には、画像ROM723から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるRAM721、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ722が設けられる。そして、VDP720は、信号変換回路725を介して画像データを表示装置35に送信する。VDP720から信号変換回路725へは、画像データの読み出しタイミングを伝える垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCが出力される。信号変換回路725は、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置35へ送信する映像信号を生成する。
VDP720から演出用マイコン710へは、表示装置35等の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。そして同様に、VDP720から演出用マイコン710へは、同期転送信号STSとして、VRAM724への描画の終了等処理状況を知らせるための割込み信号INT0〜nや演出用マイコン710からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された始動口入賞演出コマンド、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の演出用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して演出用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン70(プッシュボタン71とセレクトボタン72からなる)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)900から送信される信号(操作信号)や、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態や、音量を調節する音量調節SW(スイッチ)751のオン/オフ状態を検出して演出用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置35などの表示装置を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、演出用マイコン710、VDP720、音源LSI706、各種制御回路(741〜744、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、演出用マイコン710が有する汎用ポートを利用して、VDP720に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、演出用マイコン710とVDP720の動作の連携性を向上させることができる。
また、演出制御装置700の演出用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)回路705と接続される。WDT回路705は、CPU初期化で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
また、演出制御装置700は、冷却ファン780を備える。冷却ファン780は、高温となる演出制御装置700の熱源や制御盤を冷却する。
続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が、遊技用マイコン611によって実行するメイン処理について説明する。図5Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行されるメイン処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図5Bは、本発明の第1実施形態のメイン処理の後半部の手順を示すフローチャートである。なお、遊技制御装置600(遊技用マイコン611)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A502)。続いて、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A503)。また、入力ポート623の状態を読み込み(A504)、遊技者が操作部15を回動操作しても遊技球が遊技領域31に打ち出されることがないように球発射装置に発射禁止の信号を出力する(A505)。その後、割込み処理のモードを設定する(A506)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(A507)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(A508〜A512)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(A508)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A509)。そして、A508の処理で設定したチェック回数分だけA509の判定を繰り返す(A510)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(A510の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(A509の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A511)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(A512)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(A512の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、A508の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(A512の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A513)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A514)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートの状態を設定する(A515)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A516)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号であり、A504の処理で読み込んだ入力ポート623の状態をチェックすればよい。
例えば、閉店時などに確変遊技状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A516の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A517、A518)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A517の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、A518の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A517、A518の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A519)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(A520)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A516の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A517又はA518の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA519の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A520の結果が「N」)、図5BのA550からA554までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A520の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A521)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A522)。高確率でないと判定された場合には(A522の結果が「N」)、A525以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A522の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A523)。続いて、一括表示装置50に設けられる第3遊技状態表示部59のLEDをオン(点灯)に設定する(A524)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置700)に送信する(A525)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、遊技用マイコン611のRAM611cのアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A550)。次に、RAM611c全ての作業領域をクリアする(A551)。その後、A550でアクセス許可に設定していたアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A552)。そして、初期化された領域にRAM初期化時(電源投入時用)の初期値をセーブ(保存)する(A553)。さらに、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置700)に送信し(A554)、A525以降の処理を実行する。
なお、A525で送信される停電復旧時のコマンド及びA554で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、A525又はA554の処理が終了すると、遊技用マイコン611(即ち演算処理装置、主制御CPU)の固有情報(識別情報)をID系コマンドとして演出制御装置700に送信する(A526)。例えば、固有情報は、遊技用マイコン611内の記憶部(ここではROM611b)に書き換えできない状態で記憶されている。本実施形態では、遊技用マイコン611の固有情報として、個々の遊技用マイコン611ごとに定められた固有番号(例えばシリアル番号や製造番号)を用いるが、遊技用マイコン611を特定できる情報であれば他の情報でもよい。例えば、固有情報として、CPU611aのIDを用いてもよい。なお、A526の処理は、固有情報送信手段を構成する。次に、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A527)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A528)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A529)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A530)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A531)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A532)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A533)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A533の結果が「N」)、A531の初期値乱数更新処理を再び実行し、A531からA533までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A531)の前に割り込みを許可(A530)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A531)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A533の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA532の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A534)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A534の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A533)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A534の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A535〜A541)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A535)、全出力ポートをオフに設定する(A536)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A537)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A538)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A539)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A540)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A541)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行されるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A601)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA601の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A602)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A603)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(A604)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A605)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A606)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A607)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A608)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図7にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A609)。
次に、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A610)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23や電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石/電波不正監視処理を実行する(A611)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A612)。
そして、遊技制御装置600は、A601の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A613)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A614)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A608)の詳細について説明する。図7は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段を構成する。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A701)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図8にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A702)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(A703)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A704)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A704の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A704の結果が「N」)、A716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A704の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A705)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A706)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A707)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A708)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A708の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A709)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A708の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A710)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A708の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A711)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンド(即ち大当り開始コマンド)の設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A708の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A712)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A708の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A713)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンド(即ちエンディングコマンド)を設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A708の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A714)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A708の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A715)。大当り終了処理は、A709の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A716)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A717)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A718)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行して(A719)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における始動口スイッチ監視処理(A701)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A801)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A802)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普電、普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態(入賞容易状態)となっているか否かを判定する(A803)。普通電動役物が作動中である場合には(A803の結果が「Y」)、A805以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A803の結果が「N」)、普電への不正が発生しているか否かを判定する(A804)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。A804の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電への不正が発生している場合には(A804の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電への不正が発生していない場合には(A804の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A805)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A806)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図8)における特図始動口スイッチ共通処理(A802、A806)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A901)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A901の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A901の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(A902)。乱数が抽出されていない場合には(A902の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(A902の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A903)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A904)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A905)。そして、ロードした値に1加算して更新し(A906)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A907)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A907の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A908)。
遊技制御装置600は、A908の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A907の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(A909)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A909の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A910)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(A911)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A912)。なお、本実施形態におけるコマンド設定処理の詳細については、図22にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A913)。そして、A904の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A914)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A915)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A916)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(A917)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンのリーチ系統を決定するための乱数であり、変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動のリーチ系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数であり、変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。リーチ系統には、リーチなし、N(ノーマル)リーチ、SP(スペシャル)リーチなどがある。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A916の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A918)。特図保留情報判定処理の詳細については、図10にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A909の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(A919)、コマンド設定処理を実行する(A920)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図9)における特図保留情報判定処理(A918)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第1実施形態における特図保留情報判定処理は、演出制御装置700が各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報、変動パターン情報)を判定するための先読み判定(事前判定)処理を実行可能なように、遊技制御装置600は、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA917の処理で抽出した変動パターン乱数1〜3の乱数データを演出制御装置700に送信可能なコマンド(始動口入賞演出コマンド)に変換する処理を行うことを特徴とする。
遊技制御装置600は、まず、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA918の処理で取得した大当り乱数に基づいて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A1001)。大当り判定処理では、「大当り」又は「はずれ」の判定結果が設定される。なお、大当り判定処理の詳細については、図16にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、前述の大当り判定処理(A1001)の判定結果に対応する始動口入賞コマンド(ACTION)を設定する(A1002)。例えば、判定結果がはずれの場合は「01h」が始動口入賞コマンド(ACTION)として設定される。判定結果が大当りの場合は「02h」が始動口入賞コマンド(ACTION)として設定される。
続いて、遊技制御装置600は、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA910の処理で更新された特図保留数に対応する始動口入賞コマンド(MODE)を設定する(A1003)。例えば、特図保留数が1〜4の場合、それぞれ「E0h」〜「E3h」(中央の数字が0〜3で変化)が始動口入賞コマンド(MODE)として設定される。
そして、遊技制御装置600は、前述のA1002及びA1003の処理で設定した始動口入賞コマンドを準備して、コマンド設定処理を実行する(A1004)。
その後、遊技制御装置600は、A1005〜A1028の処理において、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA917の処理で抽出した変動パターン乱数1〜3を始動口入賞演出1〜6コマンドに変換する乱数データ変換処理を実行する。
遊技制御装置600は、まず、A1005〜1016の処理において、変動パターン乱数1の乱数データ変換処理を実行する。以下では、図11Aを参照して、具体的な変換手順を説明する。図11Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン乱数1の乱数データ変換について説明する図である。
ここで、変動パターン乱数1は、図11Aに示すように、10進数で0〜65535の範囲の乱数値であり、2進数ではビット0〜ビット15の2バイトサイズ(16ビット)に変換される乱数データである。遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、遊技用マイコン611にて8ビットを1情報とする仕様のデータ信号として生成され、単方向のバッファ632a(図3)を介して送信される。遊技制御装置から演出制御装置に送信するコマンドの仕様として、2バイトサイズのデータも16ビットを1情報と認識するように設定することも可能であるが、16ビットを基本単位とした場合、例えば変動パターン乱数2や変動パターン乱数3のように8ビットで生成可能な情報を送信する際にも無駄に大きなデータサイズのコマンドとなってしまう。そこで、本願においては8ビットを1情報として認識するように設定している。したがって、2バイトサイズ(16ビット)のデータは1情報として送信できない。
そこで、変動パターン乱数1を複数の送信用乱数データ(始動口入賞演出1〜3コマンドのACTION部)に変換することで、変動パターン乱数1の乱数データを遊技制御装置600から演出制御装置700に送信可能にする。始動口入賞演出1〜3コマンド(ACTION)は、1バイトサイズ(8ビット)である。
遊技制御装置600は、変動パターン乱数1のビット12〜15を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜3にシフトして当てはめる(A1005)。ここで、ビット0〜3が取り得るデータは、「0000」〜「1111」である。このとき、他のビット4〜7は「0000」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「0Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出シフト部分(ビット0〜3)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出1コマンド(ACTION)として設定する(A1006)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜4となり、取り得るデータは「00001」〜「10000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「10h」である。
前述のA1006の処理において、A1005の処理の状態の分解シフトデータを1加算更新してACTION部のコマンドデータとするのは、ビット0〜7が全て「0」となるデータ、すなわち「00h」のコマンドを排除するためである。一般的に、ノイズの影響を受けたデータは、一部のビットが「0」から「1」、もしくは「1」から「0」に置き換わってしまうのではなく、全てのビットが「0」もしくは「1」に置き換わってしまうことが多い。このため、ビットの全てが「0」もしくは「1」で表されるデータは、ノイズの影響を受けたデータとして認識され、破棄処理等されてしまう可能性がある。また、コマンドデータが設定される送信バッファ632aにはコマンド毎に格納する領域が設けられており、初期状態は全てのビットが「0」となっている。したがって、遊技用マイコン611によって設定されるコマンドデータの全てのビットが「0」の場合は、初期状態との区別がつかない。このように、ノイズの影響を受けたデータや初期データとの混同を回避するため、ACTION部のコマンドデータの全てのビットが「0」にならないように1加算更新する。なお、本実施形態における加算値は「1」であるが、これに限らない。加算更新後のコマンドデータが1バイトサイズに収まるのであれば2以上の所定数を加算してもよい。また、後述するMODE部のコマンドデータは、MODE用であることを識別するためにビット0〜7の所定のビットが必ず「1」に設定されているので(ACTION用は「0」)、全てのビットが「0」となる場合がなく、1加算更新する必要がない。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出1コマンド(MODE)として、「E4h」を設定する(A1007)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出1コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1008)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1のビット6〜11を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1009)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出2コマンド(ACTION)として設定する(A1010)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出2コマンド(MODE)として、「E5h」を設定する(A1011)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出2コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1012)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1のビット0〜5を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1013)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出3コマンド(ACTION)として設定する(A1014)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出3コマンド(MODE)として、「E6h」を設定する(A1015)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出3コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1016)。
同様に、遊技制御装置600は、A1017〜A1028の処理において、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3の乱数データ変換処理を実行する。以下では、図11Bを参照して、具体的な変換手順を説明する。図11Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3の乱数データ変換について説明する図である。
ここで、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3は、図11Bに示すように10進数で0〜255の範囲の乱数値であり、共に2進数ではビット0〜ビット7の1バイトサイズ(8ビット)に変換される乱数データである。変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3も全てのビットが「0」や「1」となる場合があるので、変動パターン乱数1と同様に1加算更新したデータを用いて始動入賞演出コマンド(ACTION)を生成する。そして、1加算更新した場合に全てのビットが「1」の場合は1バイトサイズに収まらないので、そのままでは演出制御装置700に送信できない。ここでは変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を合成すると2バイトサイズ(16ビット)のデータになるので、変動パターン乱数1と同様に3つの送信用乱数データ(始動口入賞演出4〜6コマンドのACTION部)に変換する。
遊技制御装置600は、変動パターン乱数2のビット4〜7を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜3にシフトして当てはめる(A1017)。ここで、ビット0〜3が取り得るデータは、「0000」〜「1111」である。このとき、他のビット4〜7は「0000」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「0Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜3)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出4コマンド(ACTION)として設定する(A1018)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜4となり、取り得るデータは「00001」〜「10000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「10h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出4コマンド(MODE)として、「E7h」を設定する(A1019)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出4コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1020)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数2のビット0〜3と変動パターン乱数3のビット6〜7を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1021)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出5コマンド(ACTION)として設定する(A1022)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出5コマンド(MODE)として、「E8h」を設定する(A1023)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出5コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1024)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数3のビット0〜5を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1025)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出6コマンド(ACTION)として設定する(A1026)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出6コマンド(MODE)として、「E9h」を設定する(A1027)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出6コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1028)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、始動口入賞コマンド及び始動口入賞演出コマンドのコマンド仕様は、第1始動入賞口37への入賞(特図1)と第2始動入賞口38への入賞(特図2)とで共通である。
このように、2バイトサイズの変動パターン乱数1は3つのグループに分解され、それぞれ1バイトサイズの分解シフトデータに組み込まれる。そして、1加算更新された分解シフトデータ(送信用乱数データ)はACTION部のコマンドデータとし、グループ単位に設定されるMODE部のコマンドデータとともに始動口入賞演出1〜3コマンドを構成する。また、1バイトサイズの変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3は合成した上で3つのグループに分解され、それぞれ1バイトサイズの分解シフトデータに組み込まれる。そして、1加算更新された分解シフトデータ(送信用乱数データ)はACTION部のコマンドデータとし、グループ単位に設定されるMODE部のコマンドデータとともに始動口入賞演出4〜6コマンドを構成する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における特図普段処理(A709)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A1201)。さらに、特図2保留数が0の場合に(A1201の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(A1206)。このように、特図2保留数のチェック(A1201)を、特図1保留数のチェック(A1206)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合に(A1201の結果が「N」)、1減算更新後の特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A1202)、コマンド設定処理を実行する(A1203)。さらに、特図2変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(A1204)。特図2変動開始処理の詳細については、図14Bにて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(A1205)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図2)の詳細については、図21Bにて後述する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合に(A1206の結果が「N」)、1減算更新後の特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A1207)、コマンド設定処理を実行する(A1208)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(A1209)。特図1変動開始処理の詳細については、図14Aにて後述する。なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(A1210)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図1)の詳細については、図21Aにて後述する。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(A1206の結果が「Y」)、既に、表示装置35が客待ちデモ画面を表示する客待ちデモが開始されているか否かを判定する(A1211)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A1211の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをオンに設定してセーブする(A1212)。続いて、遊技機1を客待ちデモ状態へ移行させる制御を開始可能とする客待ちデモ開始情報として、客待ちデモコマンドを準備し(A1213)、コマンド設定処理を実行して客待ちデモコマンドを送信する(A1214)。
このように、特図変動表示ゲームが実行中でなく、且つ、保留数が0であることが、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件であり、この移行条件(所定条件)が成立すると、移行処理(A1212〜A1214)によって表示装置35における客待ちデモが開始される。なお、特図普段処理が行われている場合には、特図変動表示ゲームは実行中でない。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合に(A1211の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A1215の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A1215)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図普段処理移行設定処理1(A1215)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理1は、遊技状態を移行することなく特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置600は、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A1301)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A1302)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A1303)。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A1304)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A1305)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図1変動開始処理(A1209)の詳細について説明する。図14Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A1401a)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報やや大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を行う(A1402a)。大当りフラグ1設定処理の詳細については、図15Aにて後述する。
次に、遊技制御装置600は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A1403a)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A1404a)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A1405a)。なお、特図1停止図柄設定処理及び特図情報設定処理の詳細については、それぞれ図17A及び図18にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A1406a)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A1407a)を行って、特図1変動開始処理を終了する。なお、変動パターン設定処理及び変動開始情報設定処理の詳細については、それぞれ図19及び図20にて後述する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図2変動開始処理(S1204)の詳細について説明する。図14Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
特図2変動開始処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1変動開始処理と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A1401b〜A1407bの処理はそれぞれA1401a〜A1407aの処理に対応しており、A1401bの処理で特図2変動フラグが処理対象となり、A1402bで大当りフラグ2が処理対象となり、A1403bの処理で特図2停止図柄が処理対象となる。さらに、A1405b〜A1407bの処理で第2特図変動表示ゲームが処理対象となり、A1405bでは特図2変動パターン設定情報テーブルが処理対象となる。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)における大当りフラグ1設定処理(A1402a)の詳細について説明する。図15Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A1501a)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(A1502a)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A1503a)を行う。
そして、遊技制御装置600は、大当り判定処理(A1503a)の判定結果が大当りである場合(A1504aの結果が「Y」)に、A1501aにてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A1505a)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A1503a)の判定結果が大当りでない場合(A1504aの結果が「N」)に、大当りフラグ1にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図14B)における大当りフラグ2設定処理(A1402b)の詳細について説明する。図15Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
大当りフラグ2設定処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の大当りフラグ1処理と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A1501b〜A1505bの処理はそれぞれA1501a〜A1505aの処理に対応しており、A1501b及びA1505bの処理で大当りフラグ2領域が処理対象となり、A1502bで特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)が処理対象となる。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理(図10)における大当り判定処理(A1001)、大当りフラグ1設定処理(図15A)における大当り判定処理(A1503a)及び大当りフラグ2設定処理(図15B)における大当り判定処理(A1503b)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置600は、大当り判定値の下限判定値を設定し(A1601)、大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(A1602)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置600は、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A1602の結果が「Y」)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(A1607)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(A1602の結果が「N」)は、遊技状態が高確率状態であるかを判定する(A1603)。
そして、遊技制御装置600は、高確率状態である場合(A1603の結果が「Y」)に、高確率中の上限判定値を設定し(A1604)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(A1606)。また、高確率状態でない場合(A1603の結果が「N」)は、低確率中の上限判定値を設定し(A1605)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(A1606)。大当り判定処理のA1604とA1605は、確率設定手段を構成する。
遊技制御装置600は、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A1606の結果が「Y」)、すなわちはずれである場合に、判定結果としてはずれを設定し(A1607)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A1606の結果が「N」)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(A1608)、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)における特図1停止図柄設定処理(A1403a)の詳細について説明する。図17Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(A1701a)、大当りである場合(A1701aの結果が「Y」)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A1702a)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A1703a)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(A1704a)。この処理により大当り(特別結果)の種類が選択される。
その後、遊技制御装置600は、大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A1705a)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A1706a)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置35での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(A1707a)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。
さらに、遊技制御装置600は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(A1708a)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(A1709a)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A1712a)。
一方、遊技制御装置600は、大当りでない場合(A1701aの結果が「N」)に、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A1710a)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A1711a)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A1712a)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置600は、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A1713a)、コマンド設定処理(A1714a)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置700に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(A1715a)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A1716a)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図14B)における特図2停止図柄設定処理(A1403b)の詳細について説明する。図17Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
特図2停止図柄設定処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1停止図柄設定処理と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A1701b〜A1716bの処理はそれぞれA1701a〜A1716aの処理に対応しており、A1701bの処理で大当りフラグ2が処理対象となり、A1702b及びA1716bの処理で特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)が処理対象となり、A1703bの処理で特図2大当り図柄テーブルが処理対象となる。さらに、A1704b及びA1710bの処理で特図2停止図柄番号領域が処理対象となる。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)における特図情報設定処理(A1404a、A1404b)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図時短中(時短状態)であるかを判定する(A1801)。特図時短中でない場合(A1801の結果が「N」)は、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(A1802)。また、特図時短中である場合(A1801の結果が「Y」)は、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(A1803)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードし(A1804)、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得して変動振分情報1領域にセーブする(A1805)。これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置600は、振分ベースポインタテーブルを設定し(A1806)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(A1807)。さらに、取得したポインタに演出モード番号を加算し(A1808)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(A1809)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報と、演出モード情報とから求められる変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)における変動パターン設定処理(A1406a、A1406b)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A1901)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(A1902)。そして、演出モード番号が3未満(1又は2の何れか)であるかを判定する(A1903)。演出モード番号が3未満でない場合(A1903の結果が「N」)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(A1904)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A1904の結果が「N」)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A1907)。
一方、演出モード番号が3未満である場合(A1903の結果が「Y」)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(A1904の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A1902で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(A1905)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(A1906)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A1907)。
演出モード番号が3未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合に、遊技制御装置600は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、2バイト振分処理(A1908)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A1909)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(A1910)。そして、振り分け処理(A1911)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A1912)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。なお、2バイト振り分け処理及び振り分け処理の詳細については、それぞれ図23及び図24にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(A1913)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(A1914)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A1915)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(A1916)。その後、振り分け処理(A1917)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(A1918)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)における変動開始情報設定処理(A1407a、A1407b)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A2001)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A2002)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A2003)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A2004)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A2005)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A2006)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A2007)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A2008)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(A2009)、コマンド設定処理を行う(A2010)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(A2011)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定して(A2012)、乱数格納領域をシフトし(A2013)、シフト後の空き領域を0クリアする(A2014)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(A2015)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(A2016の結果が「Y」)、演出モード番号が3であり(A2017の結果が「Y」)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合(A2018の結果が「Y」)は、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(A2019)。
特図高確率中でない場合(A2019の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(A2020)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A2022)、コマンド設定処理(A2023)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。また、特図高確率中である場合(A2019の結果が「Y」)に、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブし(A2021)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A2022)、コマンド設定処理(A2023)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A2016の結果が「N」)や、演出モード番号が3でない場合(A2017の結果が「N」)、演出モード3での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合(A2018の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶保留手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置700に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置700での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(A1210)の詳細について説明する。図21Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図変動中処理移行設定処理(特図1)の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「1」を設定し(A2101a)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A2102a)。そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A2103a)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A2104a)。
その後、遊技制御装置600は、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A2105a)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば200ms)を設定して(A2106a)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(A1205)の詳細について説明する。図21Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図変動中処理移行設定処理(特図2)の手順を示すフローチャートである。
特図変動中処理移行設定処理(特図2)は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図変動中処理移行設定処理(特図1)と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A2101b〜A2106bの処理はそれぞれA2101a〜A2106aの処理に対応しており、A2104bの処理で特図2変動開始に関する信号が処理対象となり、A2105bの処理で特図2変動制御フラグ領域が処理対象となり、A2106bの処理で特図2点滅制御タイマ領域が処理対象となる。
〔コマンド設定処理〕
次に、コマンド設定処理(A912ほか)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行されるコマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、このコマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。
遊技制御装置600は、まず、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファ632aに書き込み(A2201)、シリアル送信バッファステータスを読み込んで(A2202)、コマンドの送信中であるかを判定する(A2203)。
コマンドの送信中である場合(A2203の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファ632aに書き込む(A2206)。また、コマンドの送信中でない場合(A2203の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、回路の異常が考えられるため送信回路を初期化し(A2204)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファ632aに再書き込み(A2205)した後、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファ632aに書き込む(A2206)。
そして、遊技制御装置600は、シリアル送信バッファステータスを読み込んで(A2207)、コマンドの送信中であるかを判定する(A2208)。コマンドの送信中である場合(A2208の結果が「Y」)は、コマンド設定処理を終了する。また、コマンドの送信中でない場合(A2208の結果が「N」)は、回路の異常が考えられるため送信回路を初期化し(A2209)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファ632aに再書き込みして(A2210)、コマンド設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技制御装置600から演出制御装置700へはシリアル通信でコマンドを送信する。これにより、遊技制御装置600の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、パラレル通信と比較してデータ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置700においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。なお、払出制御装置640へもシリアル通信によりコマンドを送信するようにしても良い。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図19)における2バイト振り分け処理(A1908)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(A2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A2302の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2307)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A2302の結果が「N」)に、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A2303)。
続けて、遊技制御装置600は、A1907の処理にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からA2303の処理にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A2304)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A2305)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A2305の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A2306)、処理をA2303に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、A2303の処理にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A2305の処理にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A2304)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A2305)。
遊技制御装置600は、上記の処理を、A2305の処理にて新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2305の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、A2305の処理にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2305の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図19)における振り分け処理(A1911、A1917)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置600は、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(A2401)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A2402の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2407)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A2402の結果が「N」)に、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A2403)。
続けて、遊技制御装置600は、A1910やA1916の処理にてロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からA2403の処理にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(A2404)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A2405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A2405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A2406)、A2403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、遊技制御装置600は、A2403の処理にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A2405の処理にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A2404)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A2405)。
遊技制御装置600は、上記の処理を、A2405の処理にて新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2405の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、A2405の処理にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2405の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2407)、振り分け処理を終了する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図25は、本発明の第1実施形態の演出制御装置700によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると演出用マイコン710によって実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置700は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B2501)。次にCPU710及びVDP720の初期設定を実行し(B2502、B2503)、割込みを許可する(B2504)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置700は、表示装置35等に表示する表示用データの生成を許可し(B2505)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B2506)。その後、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B2507)。
続いて、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B2508)。WDTは、上述したCPU初期設定(B2502)で起動され、CPU710が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU710がリセットされる。
次に、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン70の操作信号を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B2509)。続いて、遊技機1が設置されるホール(遊技店)側、又は、遊技者側で各種設定を行えるようにする後述のホール・遊技者設定モード処理を行う(B2510)。そして、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B2511)、遊技制御装置600から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B2512)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図26にて後述する。
次に、演出制御装置700は、表示装置35等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置35に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B2513)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3ms)以内にVDP720が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置35の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B2514)。
続いて、演出制御装置700は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B2515)。フレーム切替タイミングでない場合は(B2515の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB2515の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B2515の結果が「Y」)、表示装置35への画面描画を指示する(B2516)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置700は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B2517)。サウンド制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、サウンドの出力をする制御を実行する。
また、演出制御装置700は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行する(B2518)。装飾制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置700は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御する可動体制御処理
(モータ/SOL制御処理)を実行する(B2519)。モータ/SOL制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、ファンを起動して送風演出を実行したり、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。さらには、マイナスイオン発生装置や匂い発生装置、香り調合装置を駆動して遊技者の嗅覚等に働きかける演出を実行するようにしてもよい。
そして、演出制御装置700は、前述のB2519の処理を終えると、B2508の処理に戻る。以降、B2508からB2519までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図26を参照して、前述したメイン処理(図25)における受信コマンドチェック処理(B2512)の詳細について説明する。図26は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、遊技制御装置600から受信したコマンド数をチェックするためにRAM711のコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B2601)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B2602)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置600から受信したコマンドがない場合には(B2602の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置600からコマンドを受信している場合には(B2602の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B2603)、RAM711の受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B2604)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置700は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で1加算更新する(B2605)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置700は、B2601の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B2606)、コピーが完了していない場合は(B2606の結果が「N」)、B2604〜B2606の処理を繰り返す。
遊技制御装置600から送信されたコマンドを演出制御装置700が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置700は、コピーが完了した場合には(B2606の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B2607)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B2608)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、図27にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B2609)。その後、B2601の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B2610)、解析が完了していない場合は(B2610の結果が「N」)、B2607〜B2610の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B2610の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図27を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図26)における受信コマンド解析処理(B2608)の詳細について説明する。図27は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT)として分離する(B2701)。遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。したがって受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置700は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B2702)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B2702の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B2703)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B2703の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B2704)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B2704の結果が「Y」)、B2705以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B2705)。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B2705の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B2706)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B2705の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B2707)。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B2707の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B2708)、受信コマンド解析処理を終了する。大当り系コマンドとして、大当り状態(特別遊技状態)の開始を示す大当り開始コマンド(ファンファーレコマンド)、大当りラウンドが1ラウンド終了したことを示すインターバルコマンド、大当り状態(特別遊技状態)の終了を示すエンディングコマンドなどがある。
演出制御装置700は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B2707の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B2709)。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B2709の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B2710)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B2709の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B2711)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B2711の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B2712)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B2711の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み系コマンドの範囲か否かを判定する(B2713)。そして、MODE部が先読み系コマンドを表す場合には(B2713の結果が「Y」)、先読み系コマンド処理を実行し(B2714)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、MODE部が先読み系コマンドを表していない場合には(B2713の結果が「N」)、次に、MODE部がID系コマンドの範囲か否かを判定する(B2715)。そして、MODE部が、遊技用マイコン611(主制御CPU)のIDを示すID系コマンドを表す場合には(B2715の結果が「Y」)、メモリ(例えばFRAM704)においてMODE部の示す位置のID領域にACTION部の値をセーブし(B2716)、受信コマンド解析処理を終了する。B2716の処理は、固有情報受信手段を構成する。
遊技制御装置600の遊技用マイコン611(主制御CPU)のIDは、例えば4バイトサイズの構成であるが、遊技制御装置600と演出制御装置700の間の通信はシリアル通信であるためバイト単位で分割してデータが送信される。ID系コマンドのACTION部(下位バイト)は分割されたIDの1バイト分の値を示し、MODE部(上位バイト)は、ACTION部の値がIDのうち何バイト目であるかを示す。MODE部の示す位置のID領域にACTION部の値をセーブして、FRAM704において遊技用マイコン611のIDを組立てて記憶できる。
一方、演出制御装置700は、MODE部が先読み系コマンドを表していない場合には(B2715の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B2702の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B2703の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B2704の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図28を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図27)における変動系コマンド処理(B2706)の詳細について説明する。図28は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。変動系コマンドは、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを示す変動コマンド(変動パターンコマンド)を含む。
演出制御装置700は、まず、変動コマンド(変動パターンコマンド)に係る特図変動表示ゲームの特図種別(特図1又は特図2)が未確定か否かを判定する(B2801)。ここでは、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを示す変動コマンドの前に、特図変動表示ゲームにおける停止図柄を示す飾り特図コマンド(停止図柄コマンド)を図柄系コマンドとして受信できているかをチェックする。正常に受信できていれば特図種別には、特図1なのか特図2なのかの情報が既に設定され、特図種別が確定している。特図種別(特図1又は特図2)が未確定である場合に(B2801の結果が「Y」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、特図種別(特図1又は特図2)が確定している場合に(B2801の結果が「N」)、変動コマンドに対して飾り特図コマンド(停止図柄コマンド)の種類が合致しているか否かを判定する変動パターン対応図柄判定処理を実行し(B2802)、変動コマンドと飾り特図コマンドの図柄種別(大当り図柄又ははずれ図柄)が不整合であるか否か判定する(B2803)。変動コマンドと図柄種別とが不整合である場合に(B2803の結果が「Y」)、今回の処理を終了して、例えば、当り変動の変動パターンと、はずれ図柄の飾り特図コマンドの組合せでは特図変動表示ゲームが実行されないようにする。
演出制御装置700は、変動コマンドと図柄種別とが整合する場合に(B2803の結果が「N」)、飾り特図変動表示ゲームの演出を設定する後述の変動演出設定処理(図29)を実行する(B2804)。次に、演出モードを設定する演出モード設定処理を実行し(B2805)、今回の処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
次に、図29を参照して、前述した変動系コマンド処理(図28)における変動演出設定処理(B2804)の詳細について説明する。図29は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、変動コマンド(変動パターンコマンド)を含む変動系コマンドから、変動パターンを分類して特図変動表示ゲームにおける演出内容を設定する後述の変動パターン分類処理(図30)を実行する(B2901)。次に、RAM等の予告情報領域を全てクリアする(B2902)。
演出制御装置700は、続いて、後述の前半変動中予告抽選処理(図50)を実行する(B2903)。前半変動中予告抽選処理では、リーチ状態となる前の変動表示ゲームである前半変動における予告演出を抽選によって選択する。
なお、リーチ状態とは、リーチ状態(単にリーチとも呼ぶ)とは、飾り特図変動表示ゲームにおいて、複数の識別情報(飾り特別図柄)のうち既に導出表示されている識別情報の表示結果が飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様となる条件を満たしている表示状態の他、いわゆる全回転リーチのように複数の識別情報が導出表示されていなくとも飾り特図変動表示ゲームが特別結果態様となる可能性が大きい状態であること報知している場合も含む。本実施形態でのリーチ状態は、複数の識別情報が特別結果態様を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動している状態である。リーチは、特別遊技状態が付与される可能性があることを示唆する示唆演出になる。
次に、演出制御装置700は、変動パターンが大別でリーチなし変動パターンであるか否か判定する(B2904)。変動パターンがリーチなし変動パターンである場合に(B2904の結果が「Y」)、B2906の処理に進む。
演出制御装置700は、変動パターンがリーチなし変動パターンである場合に(B2904の結果が「N」)、後半変動中予告抽選処理を実行する(B2905)。後半変動中予告抽選処理では、リーチ状態となった後の変動表示ゲームである後半変動における予告演出を抽選によって選択する。次に、演出制御装置700は、飾り停止図柄を設定する飾り停止図柄設定処理を実行し(B2906)、特図変動表示ゲームを開始するための各種設定を行う変動開始設定処理を実行する(B2907)。
〔変動パターン分類処理〕
次に、図30を参照して、前述した変動演出設定処理(図29)における変動パターン分類処理(B2901)の詳細について説明する。図30は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行される変動パターン分類処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、受信した変動コマンド(変動パターンコマンド)に基づき、変動パターンの種類を設定する(B3001)。次に、変動パターンの種類が、リーチあり変動パターンであるかリーチなし変動パターンであるかを判定する(B3002)。変動パターンの種類がリーチなし変動パターンの場合(リーチあり変動パターンでない場合)に(B3002の結果が「N」)、今回の処理を終了する。リーチあり変動パターンとは、Nリーチ(ノーマルリーチ)やSPリーチ(スペシャルリーチ)の変動パターンなどである。
演出制御装置700は、変動パターンの種類がリーチあり変動パターンである場合に(B3002の結果が「Y」)、現在、普電サポートがあるか否か、即ち普電サポート状態になる特定遊技状態(確変遊技状態や時短遊技状態)であるか否か判定する(B3003)。現在、普電サポートがない場合(例えば通常遊技状態など普電サポート状態でない場合)に(B3003の結果が「N」)、リーチ演出を設定する後述のリーチ演出設定処理(図31)を実行し(B3004)、今回の処理を終了する。現在、普電サポートがある場合に(B3003の結果が「Y」)、現在実行中の一連のストーリー演出(後述)に対応するリーチ演出の種類を選択し(B3005)、今回の処理を終了する。B3005において、リーチ演出の種類として、後述のように、確変遊技状態中ではストーリー演出の3番目の部分「転」が選択され、時短遊技状態中では例えばストーリー分割演出(後述)に対応するリーチ演出が選択される。このように、変動パターンの種類がリーチあり変動パターンである場合、遊技状態に応じて(即ち普電サポート状態であるか否かに応じて)、異なる手順でリーチ演出が設定される。
〔リーチ演出設定処理〕
次に、図31を参照して、前述した変動パターン分類処理(図30)におけるリーチ演出設定処理(B3004)の詳細について説明する。図31は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行されるリーチ演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、受信した変動コマンドに基づいて設定された変動パターンの種類が、特定の変動パターンであるか否か判定する(B3101)。本実施形態において、特定の変動パターンは、SPリーチの変動パターンである。変動パターンの種類が特定の変動パターンでない(Nリーチ)場合に(B3101の結果が「N」)、変動パターンの種類と演出モードとに対応するリーチ演出の種類を選択する(B3102)。
演出制御装置700は、変動パターンの種類が特定の変動パターンである場合に(B3101の結果が「Y」)、当該変動(今回開始する変動表示ゲーム)は大当りであるか否か判定する(B3103)。大当りであるか否かは、例えば、飾り特図コマンドの図柄種別から判定できる。当該変動が大当りである場合に(B3103の結果が「Y」)、あたり演出選択テーブルを設定する(B3104)。当該変動がはずれである場合に(B3103の結果が「N」)、はずれ演出選択テーブルを設定する(B3105)。
次に、演出制御装置700は、B3104又はB3105で選択した演出選択テーブル(あたり/はずれ演出選択テーブル)に基づいて、表示装置35におけるリーチ演出の演出態様を複数の演出態様から抽選によって選択する(B3106)。ここで、演出態様ごとに使用するキャラクタが定められており、演出態様に応じたキャラクタが選択されることになる。ここでは、キャラクタとして敵のキャラクタと味方のキャラクタがあり、敵のキャラクタは各演出態様に共通し、味方のキャラクタには複数の種類があり演出態様に応じて選択される。
そして、演出制御装置700は、選択された演出態様(特にキャラクタ)に対応する選択ムービーを準備する(B3107)。選択ムービー(選択動画像)によって、複数の演出態様で異なる演出内容となる非共通シーン演出が実行される。さらに、リーチ演出の全ての演出態様に共通する共通ムービーを準備する(B3108)。共通ムービー(共通動画像)によって、複数の演出態様で共通の演出内容となる共通シーン演出が実行される。続けて、選択ムービーと共通ムービーを組み合わせて、選択ムービーと共通ムービーから当該変動におけるリーチ演出の演出内容(演出態様)を構成する(B3109)。なお、演出用ムービー(即ち、共通ムービーと選択ムービー)の映像データ(情報)は、画像ROM723に記憶されている。
〔リーチ演出構成〕
図32は、普電サポート状態でなく(B3003の結果が「N」の場合)且つ特定の変動パターンが選択された場合(B3101の結果が「Y」の場合)に実行されるリーチ演出の演出態様の構成例を示す図である。特定の変動パターンは、SPリーチの変動パターンである。
図32の例では、複数の演出態様の種類として、キャラクタAを使用する演出態様Aと、キャラクタBを使用する演出態様Bの2種類がある。リーチの成立前の前半変動の演出として、演出態様A、Bに拘らず、リーチなし変動に相当する変動である通常変動が行われる。リーチの成立後から変動停止までの後半変動の演出は、時間順に区切られた複数のシーン区間1−6から構成される。シーン1−6が表示されるシーン区間1−6の各々の所定の時間幅(時間値)は、互いに異なってよい。
シーン区間1、3、5は共通シーン区間であり、それぞれの区間において、共通シーン演出を行うための共通シーン情報として共通ムービー1、3、5が表示装置35の表示部35aに表示される。シーン区間2、4、6は非共通シーン区間であり、それぞれの区間において、非共通シーン演出を行うための非共通シーン情報として選択ムービー2、4、6の映像データ(動画像データ)に基づいて、表示装置35の表示部35aに映像が表示される。
このように、非共通シーンのための非共通シーン情報(動画像情報)は、演出態様の種類(演出態様A、B)に対応して、それぞれの非共通シーン区間において複数備えられる。また、演出態様は、変動表示ゲームの実行時間に応じて、各々所定の時間幅(時間値)を有する複数のシーン区間に区切られるが、演出態様Aの非共通シーン演出と演出態様Bの非共通シーン演出は、同じシーン区間に属する場合には、同じ時間幅(時間値)に設定される。従って、非共通シーン演出が異なる演出態様A、Bとの間でも、変動表示ゲームの変動時間は同じにすることができる。また、非共通シーン演出は、カットイン予告演出のように、演出に差し込む予告の種類を変えているのではなく、演出態様A、Bの間で、時間で区切られたシーンごとに差し替えられる。
演出態様Aは、時間順に表示される共通ムービー1、選択ムービー2A、共通ムービー3、選択ムービー4A、共通ムービー5、選択ムービー6−1A(又は選択ムービー6−2A)から構成される。なお、選択ムービー2A、4Aは、選択ムービー2、4のうちキャラクタAを使用するものである。選択ムービー6−1A、6−2Aは、選択ムービー6のうちキャラクタAを使用するものであるが、選択ムービー6−1Aは変動表示ゲームが大当りの場合に使用され、選択ムービー6−2Aは変動表示ゲームがはずれの場合に使用される。
演出態様Bは、時間順に表示される共通ムービー1、選択ムービー2B、共通ムービー3、選択ムービー4B、共通ムービー5、選択ムービー6−1B(又は選択ムービー6−2B)から構成される。なお、同様に、選択ムービー2B、4Bは、選択ムービー2、4のうちキャラクタBを使用するものである。選択ムービー6−1B、6−2Bは、選択ムービー6のうちキャラクタBを使用するものであるが、選択ムービー6−1Bは変動表示ゲームが大当りの場合に使用され、選択ムービー6−2Bは変動表示ゲームがはずれの場合に使用される。
仮に、演出態様の種類(演出態様A、B)ごとに使用する全ムービーを予め準備しておく場合には、予め共通ムービー1、3、5、選択ムービー2、4、6を組み合わせた演出用ムービー(例えば、共通ムービー1+選択ムービー2A+共通ムービー3+選択ムービー4A+共通ムービー5+選択ムービー6−1A)が演出態様の種類ごとに必要になり、演出用ムービーの総データ量が多くなる。しかし、本実施形態では、共通シーン演出と、選択された演出態様の種類に応じた非共通シーン演出とを組み合わせて、表示装置35にて表示する演出態様を構成する。即ち、シーン区間ごとに準備した演出用ムービーを組み合わせて一つの演出態様を構成する。従って、演出用ムービーの総データ量が減少し、ROM(例えば画像ROM723)の容量を節約できる。さらに、複数の演出態様にて共通で使用可能な共通シーン演出があるので、共通シーンの映像データ分のROM(例えば画像ROM723)の容量を節約できる。なお、選択ムービーAとBは同じ時間値にしなくてもよい。例えば、シーン区間6は最終区間かつ非共通シーンであり、当たりの場合の選択ムービー6−1Aをハズレの場合の選択ムービー6−2Aよりも長い時間のムービーとしてもよい。その場合には、演出態様A、Bで変動時間は異なる(当たりの方がハズレよりも長い時間の変動表示ゲームとなる)こととなる。長くした時間を利用して当たったことを報知する演出を行うことが可能となる。
図33は、あたり演出選択テーブルとはずれ演出選択テーブルを例示する図である。あたり演出選択テーブルは、変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果態様)の場合に使用されるが、キャラクタAの出現する演出態様Aの選択率(抽選確率)がキャラクタBの出現する演出態様Bの選択率(抽選確率)より高く設定されている。はずれ演出選択テーブルは、変動表示ゲームの結果がはずれ(特別結果態様以外)の場合に使用されるが、キャラクタAの出現する演出態様Aの選択率(抽選確率)がキャラクタBの出現する演出態様Bの選択率(抽選確率)より低く設定されている。このため、演出態様Aの大当りの期待度(信頼度)が、演出態様Bの大当りの期待度(信頼度)より高くなっている。
〔リーチ演出例〕
図34は、普電サポート状態でなく(B3003の結果が「N」の場合)且つ特定の変動パターンが選択された場合(B3101の結果が「Y」の場合)に、表示装置35の表示部35aで実行されるリーチ演出の演出例を時系列で示す画面遷移図である。
図34(A)において、変動表示が大きく画面中央に表示される前半変動(通常変動)が行われた後、図34(B)において、リーチが成立し、SPリーチ演出が開始する。次に、図34(C)において、変動表示が小さく画面の隅に表示されるリーチ成立後のシーン1で、共通ムービー1が表示されて、敵のキャラクタが紹介される。続いて、図34(D)又は図34(E)において、シーン2で、選択ムービー2A又は2Bが表示されて、味方のキャラクタA又はBが登場する。次に、図34(F)において、シーン3で、共通ムービー3が表示されて、敵のキャラクタ及びそのセリフ(台詞)の文字が表示される。続いて、図34(G)又は図34(H)において、シーン4で、選択ムービー4A又は4Bが表示されて、味方のキャラクタA又はBが表示されて攻撃を行うようなバトル演出(対戦演出)が開始される。
次に、図34(I)において、シーン5で、共通ムービー5が表示されて、敵のキャラクタ及びそのセリフの文字が表示される。続いて、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、図34(J)又は図34(L)において、シーン6で、選択ムービー6−1A又は6−1Bが表示されて、味方のキャラクタA又はBがバトル演出において勝利したような演出が表示される。一方、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、図34(K)又は図34(M)において、シーン6で、選択ムービー6−2A又は6−2Bが表示されて、味方のキャラクタA又はBが攻撃に失敗してバトル演出において負けたような演出が表示される。演出態様A(キャラクタA)の大当りの期待度が、演出態様B(キャラクタB)の大当りの期待度より高いため、キャラクタAの方が勝利し易くなる。
なお、図34において、演出態様Aでは、味方のキャラクタとしてキャラクタAのみが表示され、図34(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、(I)、(J)(又は(K))の順で演出が行なわれる。演出態様Bでは、味方のキャラクタとしてキャラクタBのみが表示され、図34(A)、(B)、(C)、(E)、(F)、(H)、(I)、(L)(又は(M))の順で演出が行なわれる。このように、複数の非共通シーン区間2、4、6の非共通シーン2、4、6は、それぞれ登場するキャラクタが異なる複数種類の演出内容(演出態様A、B)を含み、すべての非共通シーン2、4、6において同じキャラクタの演出内容が選択される。このため、一つの変動表示ゲームの演出をシーン区間で区切っても、一貫性があり遊技者に違和感が生じることがない。
また、図34において、複数の敵と味方のキャラクタが交互に出現してバトル演出を構成するが、共通シーンでは敵のキャラクタが味方のキャラクタと同時に表示されて対峙する映像(動画像)は用いない。これにより、各リーチ演出態様で味方のキャラクタが異なっても、敵のキャラクタが表示される共通シーンのデータを各リーチ演出態様(演出態様A、B)で共通使用できる。さらに、敵のキャラクタのセリフに、対戦相手の味方のキャラクタが特定できる名称や話の内容を使用しない。これにより、対戦相手が異なる場合でも、敵のキャラクタの映像データは同一のものをそのまま使用することができる。
図34において、共通シーン1、3、5において敵のキャラクタを表示し、非共通シーン2、4、6において味方のキャラクタを表示したが、逆に、共通シーン1、3、5において味方のキャラクタを表示し、非共通シーン2、4、6において敵のキャラクタを表示
してもよい。即ち、キャラクタA、Bを敵のキャラクタとしてもよい。また、演出の途中でキャラクタを変えてもよい。すなわち、シーン2では味方のキャラクタとしてキャラクタB(図34(E))が表示され、シーン4では味方のキャラクタとしてキャラクタA(図(G))が表示されてもよい。演出の途中で信頼度の高いキャラクタAに変化するので、遊技者の興趣が高まる。
〔リーチ演出設定処理の変形例〕
次に、図35を参照して、前述した変動パターン分類処理(図30)におけるリーチ演出設定処理(B3004)の変形例について説明する。図35は、第1実施形態の演出制御装置700によって実行されるリーチ演出設定処理の変形例の手順を示すフローチャートである。
B3501−B3505の処理は、B3101−B3105の処理と同じであり、説明を省略する。
演出制御装置700は、B3504又はB3505で選択した演出選択テーブル(あたり/はずれ演出選択テーブル)に基づいて、表示装置35におけるリーチ演出の演出態様を複数の演出態様から抽選によって選択する(B3506)。ここで、演出態様ごとに使用する第1キャラクタと第2キャラクタが定められており、演出態様に応じて第1キャラクタと第2キャラクタの両方とも複数のキャラクタから選択されることになる。本変形例では、第1キャラクタとして味方のキャラクタが3つの中から、第2キャラクタとして敵のキャラクタが2つの中から、演出態様に応じて選択される。敵のキャラクタも、複数の中から選択可能としたため、敵のキャラクタと味方のキャラクタの組み合わせが増え、リーチ演出のバリエーションが広がる。
そして、演出制御装置700は、選択された演出態様の第1キャラクタに対応する第1選択ムービーを準備し(B3507)、選択された演出態様の第2キャラクタに対応する第2選択ムービーを準備する(B3508)。続けて、第1選択ムービーと第2選択ムービーを組み合わせて、第1選択ムービーと第2選択ムービーから当該変動(今回開始する変動表示ゲーム)におけるリーチ演出の演出内容を構成する(B3509)。第1選択ムービーと第2選択ムービーによって、複数の演出態様で異なる演出内容となる非共通シーン演出が実行される。なお、演出用ムービー(即ち、第1選択ムービーと第2選択ムービー)の映像データ(情報)は、画像ROM723に記憶されている。
〔リーチ演出構成の変形例〕
図36は、普電サポート状態でなく(B3003の結果が「N」の場合)且つ特定の変動パターンが選択された場合(B3501の結果が「Y」の場合)に実行されるリーチ演出の演出態様の構成の変形例を示す図である。特定の変動パターンは、SPリーチの変動パターンである。
図36の例では、複数の演出態様の種類として、演出態様AX、AY、BX、BY、CX、CYの6種類がある。演出態様AXは、第1キャラクタ(味方のキャラクタ)としてキャラクタAを使用し第2キャラクタ(敵のキャラクタ)としてキャラクタXを使用する。演出態様AYは、第1キャラクタとしてキャラクタAを使用し第2キャラクタとしてキャラクタYを使用する。演出態様BXは、第1キャラクタとしてキャラクタBを使用し第2キャラクタとしてキャラクタXを使用する。演出態様BYは、第1キャラクタとしてキャラクタBを使用し第2キャラクタとしてキャラクタYを使用する。演出態様CXは、第1キャラクタとしてキャラクタCを使用し第2キャラクタとしてキャラクタXを使用する。演出態様CYは、第1キャラクタとしてキャラクタCを使用し第2キャラクタとしてキャラクタYを使用する。
リーチの成立前の前半変動の演出として、演出態様に拘らず、リーチなし変動に相当する変動である通常変動が行われる。リーチの成立後から変動停止までの後半変動の演出は、時間順に区切られた複数のシーン区間1−6から構成される。本変形例では、シーン区間1、3、5も非共通シーン区間であり、それぞれの区間において、非共通シーン演出を行うための非共通シーン情報として選択ムービー1、3、5が表示装置35の表示部35aに表示される。シーン区間2、4、6も非共通シーン区間であり、それぞれの区間において、非共通シーン演出を行うための非共通シーン情報として選択ムービー2、4、6の映像データ(動画像データ)に基づいて、表示装置35の表示部35aに映像が表示される。
演出態様AXは、時間順に表示される共通ムービー1X、選択ムービー2A、共通ムービー3X、選択ムービー4A、共通ムービー5X、選択ムービー6−1A(又は選択ムービー6−2A)から構成される。演出態様AYは、時間順に表示される共通ムービー1Y、選択ムービー2A、共通ムービー3Y、選択ムービー4A、共通ムービー5Y、選択ムービー6−1A(又は選択ムービー6−2A)から構成される。演出態様BXは、時間順に表示される共通ムービー1X、選択ムービー2B、共通ムービー3X、選択ムービー4B、共通ムービー5X、選択ムービー6−1B(又は選択ムービー6−2B)から構成される。演出態様BYは、時間順に表示される共通ムービー1Y、選択ムービー2B、共通ムービー3Y、選択ムービー4B、共通ムービー5Y、選択ムービー6−1B(又は選択ムービー6−2B)から構成される。演出態様CXは、時間順に表示される共通ムービー1X、選択ムービー2C、共通ムービー3X、選択ムービー4C、共通ムービー5X、選択ムービー6−1C(又は選択ムービー6−2C)から構成される。演出態様CYは、時間順に表示される共通ムービー1Y、選択ムービー2C、共通ムービー3Y、選択ムービー4C、共通ムービー5Y、選択ムービー6−1C(又は選択ムービー6−2C)から構成される。
仮に、演出態様の種類(演出態様AX、AY、BX、BY、CX、CY)ごとに使用する全ムービーを予め準備しておく場合には、予め選択ムービー1−6を組み合わせた演出用ムービー(例えば、選択ムービー1X+選択ムービー2A+選択ムービー3X+選択ムービー4A+選択ムービー5X+選択ムービー6−1A)が演出態様の種類ごとに必要になり、演出用ムービーの総データ量が多くなる。しかし、本実施形態では、シーン区間ごとに準備した演出用ムービーを組み合わせて一つの演出態様を構成する。従って、演出用ムービーの総データ量が減少し、ROM(例えば画像ROM723)の容量を節約できる。
図37は、本変形例におけるあたり演出選択テーブルとはずれ演出選択テーブルを例示する図である。大当りの場合に使用されるあたり演出選択テーブルでは、味方のキャラクタAの出現する演出態様AX、AYの選択率、味方のキャラクタBの出現する演出態様BX、BYの選択率、味方のキャラクタCの出現する演出態様CX、CYの選択率の順に、選択率が高く設定されている。また、敵のキャラクタXの出現する演出態様AX、BX、CXの選択率は、敵のキャラクタYの出現する演出態様AY、BY、CYの選択率よりも高く設定されている。はずれの場合に使用されるはずれ演出選択テーブルでは、味方のキャラクタAの出現する演出態様AX、AYの選択率、味方のキャラクタBの出現する演出態様BX、BYの選択率、味方のキャラクタCの出現する演出態様CX、CYの選択率の順に、選択率が低く設定されている。また、敵のキャラクタXの出現する演出態様AX、BX、CXの選択率は、敵のキャラクタYの出現する演出態様AY、BY、CYの選択率よりも低く設定されている。
このため、キャラクタA、B、Cの順に、大当りの期待度が高くなっている。また、キャラクタXのほうが、キャラクタYよりも大当りの期待度が高くなっている。
〔リーチ演出の変形例〕
図38は、普電サポート状態でなく(B3003の結果が「N」の場合)且つ特定の変動パターンが選択された場合(B3501の結果が「Y」の場合)に、表示装置35の表示部35aで実行されるリーチ演出の変形例を時系列で示す画面遷移図である。
図38(A)において、変動表示が大きく画面中央に表示される前半変動(通常変動)が行われた後、図38(B)において、リーチが成立し、SPリーチ演出が開始する。次に、図38(C)又は図38(D)において、変動表示が小さく画面の隅に表示されるリーチ成立後のシーン1で、選択ムービー1X又は1Yが表示されて、敵のキャラクタX又はYが紹介される。続いて、図38(E)、図38(F)又は図38(G)において、シーン2で、選択ムービー2A、2B又は2Cが表示されて、味方のキャラクタA、B又はCが登場する。次に、図38(H)又は図38(I)において、シーン3で、選択ムービー3X又は3Yが表示されて、敵のキャラクタ及びそのセリフの文字が表示される。続いて、図38(J)、図38(K)又は図38(L)において、シーン4で、選択ムービー4A、4B又は4Cが表示されて、味方のキャラクタA、B又はCが表示されて攻撃を行うようなバトル演出(対戦演出)が開始される。
次に、図38(M)又は図38(N)において、シーン5で、選択ムービー5X又は5Yが表示されて、敵のキャラクタ及びそのセリフの文字が表示される。続いて、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、図38(O)、図38(P)又は図38(Q)において、シーン6で、選択ムービー6−1A、6−1B又は6−1Cが表示されて、味方のキャラクタA、B又はCがバトル演出において勝利したような演出が表示される。なお、図示しないが、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、シーン6で、選択ムービー6−2A、6−2B又は6−2Cが表示されて、味方のキャラクタA、B又はCが攻撃に失敗してバトル演出において負けたような演出が表示される。キャラクタA、B、Cの順に大当りの期待度が高いため、キャラクタA、B、Cの順に勝利し易くなる。
なお、図38において、演出態様AX、BX、CXでは、敵のキャラクタとしてキャラクタXのみが表示され、図38(A)、(B)、(C)・・・(H)・・・(M)・・・の順で演出が行なわれる。演出態様AY、BY、CYでは、敵のキャラクタとしてキャラクタYのみが表示され、図38(A)、(B)、(D)・・・(I)・・・(N)・・・の順で演出が行なわれる。このように、非共通シーン区間2、4、6以外の複数の非共通シーン区間1、3、5の非共通シーン1、3、5は、それぞれ登場するキャラクタ(X、Y)が異なる複数種類の演出内容を含み、すべての非共通シーン1、3、5において同じキャラクタの演出内容が選択される。このため、一つの変動表示ゲームの演出をシーン区間で区切っても、一貫性があり遊技者に違和感が生じることがない。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図39を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図27)における大当り系コマンド処理(B2708)の詳細について説明する。図39は、第1実施形態において演出制御装置700によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、受信した大当り系コマンドが大当り開始コマンド(ファンファーレコマンド)であるか否か判定する(B3901)。本実施形態において、大当り開始コマンドは、ファンファーレコマンドであるが、大当り状態(特別遊技状態)の開始を示すコマンドであれば、それ以外のコマンドでもよい。
演出制御装置700は、大当り系コマンドが大当り開始コマンドである場合に(B3901の結果が「Y」)、大当りの回数(連荘回数)を示す大当りカウンタの値を1だけ増加させる(B3902)。ここでの大当りの回数(連荘回数)は、通常遊技状態又は時短遊技状態を経ないで繰り返される大当り状態の回数、即ち、大当り状態と確変遊技状態のセットの繰り返し回数であり、通常遊技状態又は時短遊技状態になると大当りカウンタ値はゼロにリセットされる。なお、大当りの回数(連荘回数)を、通常遊技状態を経ないで繰り返される大当り状態の回数とし、即ち、大当り状態と確変遊技状態(又は時短遊技状態)のセットの繰り返し回数とし、通常遊技状態になると大当りカウンタ値はゼロにリセットされるようにしてもよい。
続いて、演出制御装置700は、大当りのラウンド数が所定のラウンド数(例えば9ラウンド(9R)))に到達するまでに大当り状態の前半で行われる大当り前半演出を、大当りカウンタ値に対応して設定する(B3903)。これにより、大当りカウンタ値で示される大当り回数(連荘回数)に対応して、連続性のある一連のストーリー演出(特別継続演出)を展開できる。なお、大当り状態は、複数のラウンド(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉)を含み、例えば大当りのラウンド数は15Rである。
演出制御装置700は、大当り系コマンドが大当り開始コマンドでない場合に(B3901の結果が「N」)、大当り系コマンドがインターバルコマンドであるか否か判定する(B3904)。インターバルコマンドは、大入賞口の最大開放時間が経過するか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞することによって、大当りラウンドが1ラウンド終了したことを示す。なお、本実施形態ではラウンド数の計数(B3904の判定)にインターバルコマンドを用いているが、ラウンドの開始を示すコマンドであるラウンド開始コマンドを用いてもよい。
演出制御装置700は、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合に(B3904の結果が「Y」)、ラウンド数を1だけ増加させて、RAM703、711などに記憶する。そして、ラウンド数が所定のラウンド数(例えば9ラウンド(9R))に到達したか否か判定する(B3906)。ラウンド数が所定のラウンド数未満であり所定のラウンド数に到達していない場合に(B3906の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、ラウンド数が所定のラウンド数に到達した場合に(B3906の結果が「Y」)、当該大当りは確変大当りであるか否か判定する(B3907)。確変大当りとは、大当り状態の終了後に確変遊技状態となる大当りのことであり、確変大当りであるか否かは、例えば、飾り特図コマンド(停止図柄コマンド)の示す停止図柄が所定の図柄であることから判定できる。当該大当りが確変大当りである場合に(B3907の結果が「Y」)、大当り状態の所定のラウンド数(例えば9ラウンド)以後の後半で行われる大当り後半演出を大当りカウンタ値(連荘回数)に対応して設定する(B3908)。これにより、大当り状態の前半と後半で、異なるストーリー演出(特別継続演出)を実行できる。また、大当りカウンタ値で示される大当り回数(連荘回数)に対応して、一連のストーリー演出を展開できる。したがって、大当りの後半から確変遊技状態そして次回大当りの前半にまたがるストーリー演出が、連荘に伴って新たに展開していくこととなる。
演出制御装置700は、当該大当りが確変大当りでなく通常大当りの場合に(B3907の結果が「N」)、大当り後半演出として、時短遊技状態に突入することを予告するような時短突入演出(特定演出)を設定する(B3909)。
演出制御装置700は、大当り系コマンドがインターバルコマンドでない場合に(B3904の結果が「N」)、大当り系コマンドがエンディングコマンドであるか否か判定する(B3910)。エンディングコマンドは、特別遊技状態(大当り状態)の終了を示す。大当り系コマンドがエンディングコマンドでない場合に(B3910の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、大当り系コマンドがエンディングコマンドである場合に(B3910の結果が「Y」)、これから確変遊技状態に突入するか否か判定する(B3911)。確変遊技状態に突入するか否かは、例えば、飾り特図コマンド(停止図柄コマンド)の示す停止図柄が所定の図柄であることから判定できる。確変遊技状態に突入する場合に(B3911の結果が「Y」)、大当りカウンタ値に対応する確変演出の演出モード(A1808)を設定する(B3912)。確変遊技状態に突入せず時短遊技状態に突入する場合に(B3911の結果が「N」)、時短演出の演出モード(A1808)を設定する(B3913)。
〔ストーリー演出の構成例〕
図40は、図39の大当り系コマンド処理によって表示装置35の表示部35aで実行されるストーリー演出(特別継続演出)の構成例を示す図である。図41は、ストーリー演出の流れを、時系列的に例示する図である。ストーリー演出のストーリー(物語、話、スポーツ、対戦、戦闘、勝負、ゲーム展開、行動、移動、動作、思考)の種類には、ストーリー1、ストーリー2等があり、また、同種のストーリーでも登場するキャラクタが異なるものがある。
初当り(第1回目の大当り)の大当り(確変となる大当り)状態(特別遊技状態)が開始すると、大当り状態中に大当り前半演出(B3903で設定)として、大当り回数(連荘回数)1に対応して確変突入演出が所定のラウンド数(例えば9R)より前に表示部35aで行なわれる。所定のラウンド数(例えば9R)以後に大当り状態の終了まで、大当り後半演出(B3908で設定)として、キャラクタAが現れるストーリー1の1番目の部分「起」が表示部35aに表示される。
第1回目の大当り状態の終了後に第1回目の確変遊技状態(普電サポート状態になる特定遊技状態)になると、特図変動表示ゲームの前半変動の演出として、キャラクタAが現れるストーリー1の2番目の部分「承」がリーチ発生まで繰り返して表示部35aに表示される。リーチが発生すると、特図変動表示ゲームの後半変動のリーチ演出(B3005で設定)として、キャラクタAが現れるストーリー1の3番目の部分「転」が表示部35aに表示される。確変遊技状態中の特図変動表示ゲームがはずれであると、再度、ストーリー1の2番目の部分「承」が表示部35aに表示される。確変遊技状態中の特図変動表示ゲームが大当り(特別結果)であると、この大当りによって発生した第2回目の大当り状態において、大当り回数(連荘回数)2に対応する大当り前半演出(B3903で設定)として、キャラクタAが現れるストーリー1の4番目の部分「結」が表示部35aに表示される。
このように、変動パターン分類処理(図30)のB3005の処理と大当り系コマンド処理(図39)のB3903とB3908の処理は、ストーリー演出(特別継続演出)を複数の遊技状態を跨いで実行する特別継続演出実行手段を構成している。
本例では、その後、所定のラウンド数(例えば9R)以後の第2回目の大当り状態、第2回目の大当り状態後の第2回目の確変遊技状態(特定遊技状態)、及び、第2回目の確変遊技状態後の第3回目の大当り状態にわたって、キャラクタAが現れる一連のストーリー2の演出(特別継続演出)が、キャラクタAが現れるストーリー1の演出(特別継続演出)と同様に、複数の遊技状態を跨いで実行される。なお、キャラクタAが現れるストーリー2はキャラクタAが現れるストーリー1の続きでもよいし、新たな物語でもよい。つまり、キャラクタAが現れるストーリー1とキャラクタAが現れるストーリー2は2つで1つのストーリーを構成してもよいし、関連した別のストーリーでもよいし、全く関連のないストーリーでもよい。また、ストーリーの1番目の部分を「起」としたが、必ずしも「起」に相当する内容でなくてもよい。同様に2番目〜4番目の部分が「承」、「転」、「結」に相当する内容でなくともよい。
続いて、本例では、所定のラウンド数(例えば9R)以後の第3回目の大当り状態、第3回目の大当り状態後の第3回目の確変遊技状態(特定遊技状態)、及び、第3回目の確変遊技状態後の第4回目の大当り状態にわたって、キャラクタBが現れる一連のストーリー1の演出が同様に実行される。
以降、同様に、確変遊技状態中の確変大当りが継続する限り、所定のラウンド数(例えば9R)以後の第n回目の大当り状態、第n回目の大当り状態後の第n回目の確変遊技状態(特定遊技状態)、及び、第n回目の確変遊技状態中に変動表示ゲームが大当り(特別結果)となることにより発生した第(n+1)回目の大当り状態にわたって、連続性のある一連のストーリー演出(特別継続演出)が継続して実行される。なお、確変遊技状態中に通常大当り(確変遊技状態にならない大当り)が発生した場合や、確変中の所定回転数(所定の変動表示ゲーム数)以内に大当りにならないときに通常遊技状態になる遊技機(ST機)において通常遊技状態となった場合には、ストーリー演出は継続せず終了する。なお、通常大当りの場合でも時短状態のときには、時短状態までストーリー演出を継続させてよい。
このように、連荘中もストーリー演出が大当りごとに新たに展開する。ある大当り状態の後半に一つのストーリーが開始し、確変遊技状態におけるリーチ中も同じストーリーが展開し継続する。次回の大当り状態の前半で展開し継続していたストーリーが完結し、その大当り状態の後半からは次のストーリーが開始する。
このように、ストーリー演出によって、演出の流れを中断させることなく、遊技状態が変化しても一体感を持たせた演出を行うことができ、また、長時間の一続きの演出を行うことが可能となる。普電サポート状態中のリーチ演出は、実行中のストーリーの内容に対応したリーチ演出に発展する。従って、演出の流れを中断させずにリーチ演出を行うことができる。また、連荘中も複数のストーリー演出が行なわれるため、同じ種類のリーチ演出ばかり行われることがないので、遊技者が演出に飽きなくなる。また、キャラクタなどの演出内容(コンテンツ)の説明を、時間をかけて行うことが可能となる。このため、遊技者の演出内容への理解が深まりやすくなり、キャラクタや演出にかかるモチーフや世界観を理解しやすく、遊技者の感情移入をより深くすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
演出制御装置700は、第1回目から第X回目(Xは例えば20)までの大当り状態中の大当り前半演出を、順番に、確変突入演出の映像データ(動画像データ)、キャラクタAが現れるストーリー1(キャラA−ストーリー1)の4番目の部分「結」の映像データ、キャラクタAが現れるストーリー2(キャラA−ストーリー2)の4番目の部分「結」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー1(キャラB−ストーリー1)の4番目の部分「結」の映像データ、・・・に対応付けて行くようなテーブル等の対応付け情報をメモリ(PROM702、FRAM704等)に記憶している。また、演出制御装置700は、第1回目から第X回目までの大当り状態中の大当り後半演出を、順番に、キャラクタAが現れるストーリー1の1番目の部分「起」の映像データ、キャラクタAが現れるストーリー2の1番目の部分「起」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー1の1番目の部分「起」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー2(キャラB−ストーリー2)の1番目の部分「起」の映像データ、・・・に対応付けて行くようなテーブル等の対応付け情報をメモリ(PROM702、FRAM704等)に記憶している。
さらに、演出制御装置700は、第1回目から第X回目までの確変遊技状態中の前半変動の演出を、順番に、キャラクタAが現れるストーリー1の2番目の部分「承」の映像データ、キャラクタAが現れるストーリー2の2番目の部分「承」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー1の2番目の部分「承」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー2の2番目の部分「承」の映像データ、・・・に対応付けて行くようなテーブル等の対応付け情報をメモリ(PROM702、FRAM704等)に記憶している。また、演出制御装置700は、第1回目から第X回目までの確変遊技状態中の後半変動の演出を、順番に、キャラクタAが現れるストーリー1の3番目の部分「転」の映像データ、キャラクタAが現れるストーリー2の3番目の部分「転」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー1の3番目の部分「転」の映像データ、キャラクタBが現れるストーリー2の3番目の部分「転」の映像データ、・・・に対応付けて行くようなテーブル等の対応付け情報をメモリ(PROM702、FRAM704等)に記憶している。
図42は、確変遊技状態中に通常大当りが発生して時短遊技状態になる場合のストーリー演出の構成例を示す図である。第1回目と第2回目の確変遊技状態中において確変大当りが発生し、第3回目の確変遊技状態中に通常大当りが発生し、通常大当りによる第4回目の大当り状態中の大当り後半演出として、時短突入演出(特定演出)(B3909で設定)が表示部35aで実行される。第4回目の大当り状態の終了後、時短遊技状態(普電サポート状態になる特定遊技状態)中に時短演出(B2903、B3005などで設定)が表示部35aで実行される。この時短遊技状態では、通常確率状態(低確率状態)になっている。大当りが連続する可能性の高い確変遊技状態中にのみストーリー演出(特別継続演出)を実行することで、ストーリー演出が途切れることなく次回の大当りに亘って((跨って)実行できる。
図43は、ストーリー演出(特別継続演出)を実行する場合の変動パターンの種類の振分け内容を例示する変動パターン選択テーブルである。図43(A)は、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合におけるはずれ変動パターン選択テーブルであり、図43(B)は、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合における大当り変動パターン選択テーブルである。
図43(A)のはずれ変動パターン選択テーブルにおいて、普電サポート状態とならない通常遊技状態において、通常変動1(リーチなし変動パターン1)と通常変動2(リーチなし変動パターン2)のうち変動時間の長い通常変動2だけが選択できる。普電サポート状態になる特定遊技状態、即ち時短遊技状態又は確変遊技状態において、通常変動1と通常変動2のうち変動時間の短い通常変動1だけが選択できる。また、普電サポート状態になる特定遊技状態において、Nリーチの変動パターンの選択率はゼロであり、リーチ演出としてSPリーチ演出のみが実行できる。普電サポート状態になる特定遊技状態において、通常遊技状態よりも、リーチ変動パターンの選択率は低くなり、通常変動(リーチなし変動パターン)の選択率は高くなり、はずれの特図変動表示ゲームの変動時間は、4秒にほぼ固定されることになる。なお、通常遊技状態中のはずれ変動パターン選択テーブルは、保留数によって選択率が異なるようにしてもよい。
図43(B)の大当り変動パターン選択テーブルにおいて、通常変動とNリーチの変動パターンの選択率はゼロであり、本例では、大当りの場合においてSPリーチの変動パターンだけが選択されることになる。従って、SPリーチの変動パターンの大当りの期待度は、通常変動とNリーチの変動パターンの期待度より高くなる。
〔変動パターン設定処理の変形例〕
なお、図43に例示された変動パターンの振分けを採用する場合には、遊技制御装置600によって実行される図19の変動パターン設定処理と図20の変動開始情報設定処理
に代えて、図44の変動パターン設定処理の変形例と図45の変動開始情報設定処理の変形例を使用してもよい。図44と図45において、後半変動と前半変動に分けずに簡略化した処理が行われる。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4401)、RWMの作業領域(例えば停止図柄パターン領域)に記憶されている図柄情報(停止図柄パターン)がはずれ図柄情報であるか否か、即ち停止図柄がはずれ図柄であるか否か判定する(A4402)。図柄情報が大当り図柄情報である場合に(A4402の結果が「N」)、大当り変動パターン選択テーブルを設定する(A4403)。図柄情報がはずれ図柄情報の場合に(A4402の結果が「Y」)、現在、普電サポート状態になる特定遊技状態中であるか否か判定する(A4404)。
遊技制御装置600は、普電サポート状態になる特定遊技状態中である場合に(A4404の結果が「Y」)、特定遊技状態に対応するはずれ変動パターン選択テーブル(図43の右側)を設定する。普電サポート状態にならない通常遊技状態中である場合に(A4404の結果が「N」)、通常遊技状態に対応するはずれ変動パターン選択テーブル(図43の左側)を設定する。
遊技制御装置600は、A4403、A4405、A4406に続いて、対象の変動パターン乱数格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数をロードして準備する(A4407)。A4403、A4405、又はA4406で設定した変動パターン選択テーブルと、変動パターン乱数の乱数値とを用いて、振り分け処理を行い(A4408)、振り分け処理によって取得した変動パターン番号を対象の変動パターン番号領域にセーブする(A4409)。
〔変動開始情報設定処理の変形例〕
図45において、遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数の乱数格納領域をクリアする(A4501)。次に、変動時間値テーブルを設定し(A4502)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得する(A4503)。さらに、変動時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A4504)、変動パターン番号に対応する変動コマンド(変動パターンコマンド)を準備する(A4505)。なお、A4506からA4519までの処理は、図20のA2010からA2023までの処理と同様であり、説明を省略する。
〔時短演出の構成例〕
図46は、時短遊技状態において表示装置35の表示部35aで実行される時短演出(B2903、B3005などで設定)の構成例を示す。
本例の時短演出は、ストーリー演出が複数の部分に分割されて実行されるストーリー分割演出(分割変動演出)である。ストーリー演出の分割された各部分に対応する映像データ(動画像データ)が、画像ROM723に記憶されてよい。分割変動演出では、ストーリー演出の各部分(分割演出)が、順番に特図変動表示ゲーム(回転)ごとに実行される。即ち、時短遊技状態が開始した後の回転数(特図変動表示ゲームのゲーム数)が増加するにしたがって、ストーリー演出が部分ごとに進行していく。
図46の例では、各ストーリー演出(ストーリー1、2等)は15分割され、15個の分割演出(1/15、・・・、15/15と表す)から構成される。大当りが発生しなくても、複数回転(15回転)で一つのストーリーが完結する。ストーリー演出の間には、2つのストーリー演出を繋ぐようなインターバル演出(インターバル1、2等)が実行される。インターバル1の演出は、ストーリー1の演出とストーリー2の演出を繋ぐ。インターバル2の演出は、ストーリー2の演出とストーリー3の演出を繋ぐ。各インターバル演出は5分割され、5個の分割演出(1/5、・・・、5/5と表す)から構成される。
ストーリー演出やインターバル演出の各部分(分割演出)は、リーチなし変動パターン(はずれ)に対応して実行され、分割演出の時間は、図43に示すリーチなし変動パターンの変動時間である4秒に固定されている。正確には、変動時間と停止図柄の停止表示時間の合計時間と、分割演出の時間値を同じにする。なお、ストーリー演出やインターバル演出の途中でリーチが発生した場合には、実行中のストーリー演出ややインターバル演出の部分に応じたシーンのリーチ演出が実行される。
このような、分割変動演出は、時短遊技状態中だけでなく、ST機のスペシャルタイムに相当する所定回転数内のST演出として使用してもよい。ST機は次回大当りが保障されていないので、例えば、図40、図42のストーリー1の2番目の部分「承」が、特図変動表示ゲームが繰り返されることで完結していくようにしてもよい。分割変動演出によって、回転数(ゲーム数)が増えるに応じてストーリーを展開すると、スペシャルタイム終了の焦燥感との相乗効果で遊技者の興趣が高まる。
〔大当り系コマンド処理の変形例〕
図47を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図27)における大当り系コマンド処理(B2708)の変形例について説明する。図47は、大当り系コマンド処理の変形例の手順を示すフローチャートである。なお、図47のB4701、B4702、B4704−B4706、B4708、B4712−B4716の処理は、図39のB3901、B3902、B3904−B3906、B3907、B3909−B3913の処理と同じであり、説明を省略する。
演出制御装置700は、B4701とB4702の処理の後に、大当りカウンタ値が1なら(初回の大当りなら)グループ実行順情報を設定し、さらに設定中のストーリーグループの種別と大当りカウンタ値に対応する大当り前半演出を設定する(B4703)。なお、大当りカウンタ値(連荘回数)が所定値(例えば21)以降である場合に、大当り後半演出としてスペシャルストーリー演出(特別演出)を選択、設定するようにする。ここで、ストーリーグループとは、複数のストーリーをまとめたグループであり、本変形例では3つのストーリーグループA、B、Cがある。グループ実行順情報は、3つのストーリーグループA、B、Cの実行順を定める情報である。
演出制御装置700は、B4704とB4705の処理の後に、B4706において、ラウンド数が所定のラウンド数未満であり所定のラウンド数に到達していない場合に(B4706の結果が「N」)、現在設定中のストーリーグループ種別と大当りカウンタ値(連荘回数)に対応する大当り後半演出を所定のラウンド数到達前に予め設定して(B4707)、今回の処理を終了する。B4707では、大当りカウンタ値(連荘回数)が所定値(例えば20)以降である場合に、大当り後半演出としてスペシャルストーリー演出(特別演出)を選択、設定するようにする。
演出制御装置700は、当該大当りが確変大当りである場合に(B4708の結果が「Y」)、大当りカウンタ値が、ストーリーグループを切り替える特定値(例えば2、8、14)であるか否か選択する(B4709)。そして、大当りカウンタ値が特定値(例えば2、8、14)である場合に(B4709の結果が「Y」)、グループ実行順情報に基づき新たなストーリーグループ種別を設定してから(B4710)、現在設定中のストーリーグループ種別と大当りカウンタ値(連荘回数)に対応する大当り後半演出を設定し(B4711)、今回の処理を終了する。大当りカウンタ値が特定値(例えば2、8、14)でない場合に(B4709の結果が「N」)、新たなストーリーグループ種別を設定せずに、現在設定中のストーリーグループ種別と大当りカウンタ値(連荘回数)に対応する大当り後半演出を設定し(B4711)、今回の処理を終了する。
〔グループ実行順情報〕
図48は、初回の大当り(大当りカウンタ値=1)で設定されるグループ実行順情報(B4703)の内容を示す図である。グループ実行順情報は、20連荘を1セットとして設定されている。グループ実行順情報は、初回の大当り発生後にストーリー始動演出が実行され、その後、実行順に従って各ストーリーグループの演出が順番に実行されるよう設定される。
ストーリーグループの演出の実行順(出現順序)は6パターンあり、6パターンは、A→B→C、A→C→B、B→A→C、B→C→A、C→A→B、C→B→Aである。実行順として、いずれかのパターンが、例えば抽選(選択率1/6)によって選択されるか、図48の上から順に選択される。その他、初回の大当り時(連荘開始時)の始動記憶(保留)の内容に基づきストーリーグループの実行順を決定してもよい。なお、初回の大当り時にグループ実行順情報を設定せずに、ストーリーグループ切り替えタイミング(B4710)に抽選を行って、次に実行するストーリーグループを決定する構成も可能である。
このようにストーリーグループの実行順が初回の大当り(連荘開始)ごとに選択されるため常に同じ実行順になることはなく、頻繁に見るストーリー演出と見ないストーリー演出とが生じ難くなり、遊技者が飽きない。なお、常に同じ実行順であれば、最初に実行されるストーリーグループのストーリー演出が頻繁に出現することになる。
〔ストーリー演出の構成の変形例〕
図49A−図49Cは、図47の大当り系コマンド処理の変形例に対応するストーリー演出の構成の変形例を示す。初回の大当り時に、初回の大当り時の演出(確変突入演出)、ストーリー始動演出が実行される。その後、2回目の大当りから各ストーリーグループA、B、Cの演出が実行順に従って順番に実行され、最後にスペシャルストーリー演出(特別演出)が実行される。図49A−図49Cの例では、A→B→Cの順にストーリーグループA、B、Cの演出が実行される。
最後のストーリーグループCの演出の終了後は、スペシャルストーリー演出(特別演出)が繰り返して実行される。スペシャルストーリー演出は、所定回数(20回)以上連荘した場合にのみ見られるので、遊技者が達成感を得ることができる。
各ストーリーグループは、合計6個のストーリー演出、即ち、2つのキャラクタの各々が現れる3種類のストーリー1、2、3の演出から構成される。登場するキャラクタはストーリーグループごとに異なるため、20連荘(1セット)中は重複する演出は出現しない。
ストーリーグループAは、キャラクタAが現れるストーリー1、2、3(キャラA−ストーリー1、2、3)の演出、キャラクタBが現れるストーリー1、2、3(キャラB−ストーリー1、2、3)の演出から構成される。ストーリーグループBは、キャラクタCが現れるストーリー1、2、3(キャラC−ストーリー1、2、3)の演出、キャラクタDが現れるストーリー1、2、3(キャラD−ストーリー1、2、3)の演出から構成される。ストーリーグループCは、キャラクタEが現れるストーリー1、2、3(キャラE−ストーリー1、2、3)の演出、キャラクタFが現れるストーリー1、2、3(キャラF−ストーリー1、2、3)の演出から構成される。
なお、各ストーリーグループの最初のストーリー1と最後のストーリー3は、複数のストーリーグループがどの順番で実行されても話がつながるように共通性のある演出で構成するとよい。この場合に、ストーリーがスムーズに切り替わり、大当り中の演出全体で統一感のある演出を行うことができる。
なお、ストーリーの実行順は条件(例えば、「777」など特別な識別情報で大当りする、少ない数の所定回数以内の変動表示ゲームで再度大当りする(いわゆる記憶内連荘や五月雨連荘))により、次のストーリーを行わずにその次のストーリーを行うようにしてよい。すなわち、遊技者にとってより喜ばしい特別イベント(有益なイベント)が生じた際には順にストーリーが進行するのではなく、より早くストーリーが進行するようにする。その場合に、画面に大当りの連続回数(連荘回数)を表示すれば、通常であれば表示された連続回数と演出は対応しているが、特別イベントが発生すると連続回数と演出の対応にズレが生じる。また、特別イベントが発生した回数が多いほどズレが大きくなり、連続回数が表示された演出画面は益々希少なものとなる。遊技者はその希少な画面を携帯電話のカメラで撮影し、友人に見せたり、インターネットのブログなどに公開して自慢をする。このように遊技者にとってより喜ばしい特別イベントが生じたことを証明する画像を遊技者に提供することで、遊技者はこの遊技機を遊技するための今までにないモチベーションとなり、遊技の興趣が高まることになる。
なお、本実施形態では第1始動入賞口(第1始動領域)37または第2始動入賞口(第2始動領域、普通変動入賞装置)38に遊技球が入賞した場合に、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行されたが、所定数の遊技球を発射した場合や第1大入賞口や第2大入賞口に入賞した場合に特別図柄(特図)変動表示ゲームを実行してもよい。
また、特定遊技状態は、確変遊技状態や時短遊技状態だけでなく、容易に特図変動表示ゲームを実行するようになる遊技状態、あるいは、容易に大当りになる遊技状態であればよい。例えば、始動入賞口に一つの遊技球が入賞したことで複数回の特図変動表示ゲームを実行するようになったり、普図始動ゲート36に遊技球が通過することで特図変動表示ゲームを実行したりすることによって、容易に特図変動表示ゲームが実行されたり容易に大当りになり得る。
また、時短遊技状態は、普通図柄を用いずに、大当りが終了してから所定条件が成立するまで(例えば大当りになるまで、又は、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで)、普図変動表示ゲームの当りと関係なく普通電動役物が開放し続けるものであってもよい。
また、特定遊技状態の発生条件として、特図変動表示ゲームが奇数のゾロ目など特定の停止態様となったことを条件としてもよいし、前回の大当りから所定回数以内の特図変動表示ゲームで大当りが発生したことを条件としてもよいし、大当りが発生したこと自体(ST機の場合におけるいずれかの大当りの発生や特定遊技状態中に転落抽選を行う遊技機における大当りの発生など)を条件としてもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によると、制御手段(遊技制御装置600と演出制御装置700)は、特図変動表示ゲームの実行中に変動表示装置35に表示される演出態様として、演出内容の異なる複数の演出態様(例えば演出態様A、B)を表示可能である。演出態様は、複数の演出態様の間で共通の演出内容となる共通シーン演出が実行される共通シーン区間と、複数の演出態様の間で異なる演出内容となる非共通シーン演出が実行される非共通シーン区間とを含む複数のシーン区間に区切られ構成される。非共通シーン演出は、演出態様の数に応じて複数備えられる。制御手段は、共通シーン演出と、演出態様に応じて選択された非共通シーン演出とを組み合わせて、変動表示装置35に表示する演出態様を構成する。従って、複数の演出態様にて共通で使用可能な共通シーン演出があるので、共通シーン演出の映像データ(動画像データと静止画像データ)の分だけ映像データを格納するメモリ(例えば画像ROM723)の容量を節約できる。
第1実施形態によると、演出態様(例えば演出態様A、B)は、特図変動表示ゲームの実行時間に応じた時間幅で複数のシーン区間に区切られ、非共通シーン区間の時間幅は演出態様の種類にかかわらず同一である。従って、非共通シーン区間の演出を差し替えても特図変動表示ゲーム全体の変動時間に影響しない。即ち、複数の演出態様のうちのどの演出態様でも、特図変動表示ゲーム全体の変動時間は一定とすることができる。なお、変動表示ゲームの最終区間(最後のシーン区間)を非共通シーン区間とし、変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果(大当り)となる場合とならない場合とで、最終区間となる非共通シーン区間を異なる時間幅としてもよい。
第1実施形態によると、複数の演出態様の間で異なる演出内容となる非共通シーン演出において、同一の非共通シーン区間で実行される複数の非共通シーン演出は、それぞれ登場するキャラクタが異なる。一つの特図変動表示ゲーム中に非共通シーン区間が複数ある場合、全ての非共通シーン区間において同じキャラクタが登場する非共通シーン演出が選択される。従って、演出態様を複数のシーン区間に区切っても、一貫性があり遊技者に違和感が生じ難くなる。したがって、映像データを格納するメモリの容量や映像データ作成する労力を節約しつつ、興趣を高めた映像を提供することができる。
第1実施形態によると、遊技機は、所定条件の成立(第1始動入賞口(第1始動領域)37または第2始動入賞口(第2始動領域、普通変動入賞装置)38に遊技球が入賞したこと)に基づき実行される変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、少なくとも前記変動表示ゲームの進行制御を行う制御手段(遊技制御装置600と演出制御装置700)と、を備える。遊技機は、前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果(例えば、飾り特別図柄の「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる場合に遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態(大当り)を発生可能である。前記制御手段は、前記特別遊技状態が特定の条件の成立を伴って発生した場合には、前記特別遊技状態の終了後に通常状態よりも前記特別遊技状態が発生しやすい特定遊技状態を発生する制御を行う。なお、特定の条件とは、例えば、変動表示ゲームが奇数のゾロ目など特定の停止態様となったことや、ST機においてはいずれかの大当りが発生したことである。また通常状態とは、通常確率状態でかつ普電サポートのない状態である。また制御手段は、複数の遊技状態に亘って一連の特別継続演出(ストーリー演出)を実行する特別継続演出実行手段(例えば、B3005、B3903、B3908などの処理)を備える。特別継続演出実行手段は、特別遊技状態と、当該特別遊技状態後の特定遊技状態と、当該特定遊技状態中に特別結果となる特図変動表示ゲームが実行されることにより発生した特別遊技状態に亘って、一連の特別継続演出を実行する。従って、演出の流れを中断させることなく、今回の大当り中から次回の大当り中に亘って一体感を持たせた演出を行うことができる。また、キャラクタなどの演出内容(コンテンツ)の説明を、時間をかけて行うことが可能となる。このため、遊技者の演出内容への理解が深まりやすくなり、キャラクタや演出にかかるモチーフや世界観を理解しやすく、遊技者の感情移入をより深くすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第1実施形態によると、特別継続演出実行手段(例えば、B3005、B3903、B3908などの処理)は、それぞれ演出内容の異なる複数種類の特別継続演出を実行可能であり、一連の特別継続演出(ストーリー演出)の終了後の特別遊技状態ごとに、新たな特別継続演出(ストーリー演出)を選択して実行可能である。従って、一度選択して実行した特別継続演出(ストーリー演出)は再度選択することはなく常に新しい特別継続演出(ストーリー演出)が選択実行されるので、大当り中(特別遊技状態中)の演出が単調な構成とならず、遊技者が飽きず、遊技の興趣を高めることができる。
第1実施形態によると、特別継続演出実行手段(例えば、B4703、B4707などの処理)は、全ての特別継続演出(ストーリー演出)を実行し終えた後は、特別演出(スペシャルストーリー演出)を繰り返し選択して実行する。従って、特別演出は連荘回数が所定回数以上である場合にのみ見られるので、特別演出を見た遊技者が達成感を得ることができる。また、遊技を行う動機に特別演出を見るということが新たに加わり、遊技の興趣を高めることができる。
第1実施形態によると、確率設定手段(A1604とA1605の処理)は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率の状態として、通常確率状態、又は、通常確率状態よりも当選確率を高めた高確率状態のいずれかを設定可能である。特別継続演出実行手段(例えば、B3005、B3903、B3908、B3909の処理)は、特別遊技状態後の確率状態が高確率状態となる場合に、実行中の特別継続演出の終了後、新たな特別継続演出を実行可能とし、特別遊技状態後の確率状態が通常確率状態となる場合に、実行中の特別継続演出の終了後、通常確率遊技状態となることを報知する特定演出(時短突入演出)を実行する。従って、大当り(特別遊技状態)が連続する可能性の高い確変遊技状態中にのみ特別継続演出を実行することで、次回大当りに亘って実行される演出が行いやすくなる。
(第2実施形態)
〔前半変動中予告抽選処理〕
次に、図50−図78を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前半変動中予告に関するものであり、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同じでよい。
まず、図50を参照して、前述した変動演出設定処理(図29)における前半変動中予告抽選処理(B2903)の詳細について説明する。図50は、第2実施形態において演出制御装置700によって実行される前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態において、前半変動中予告抽選処理は、抽選によって特図変動表示ゲームの前半変動中の予告演出(前半変動中予告)を設定する。
演出制御装置700は、まず、変動パターンの種類と演出モードに対応する前半予告グループテーブル(図51(A))を設定する(B5001)。次に、前半予告グループを抽選によって選択する予告グループ抽選処理を実行する(B5002)。予告グループ抽選処理では、予告の種類をおおまかに決める。続いて、予告グループ抽選処理の抽選結果が予告なしであるか否か判定する(B5003)。予告グループ抽選処理の抽選結果が予告なしのグループである場合に(B5003の結果が「Y」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、抽選結果が予告なし以外の場合に(B5003の結果が「N」)、前半予告グループの抽選結果(選択された前半予告グループ)と変動パターンの種類に対応する前半予告詳細テーブル(図51(B)(C))を設定する(B5004)。次に、設定された前半予告詳細テーブルから前半変動中の予告演出(前半変動中予告)を抽選によって設定する予告詳細抽選処理を実行する(B5005)。
続いて、演出制御装置700は、B5002において前半予告グループとして突然変化予告のグループを選択したか否か判定する(B5006)。突然変化予告を選択していない場合に(B5006の結果が「N」)、今回の処理を終了する。突然変化予告を選択した場合に(B5006の結果が「Y」)、変化契機演出の態様を選択する変化契機演出態様選択処理を実行する(B5007)。例えば、特図変動表示ゲームの大当りの期待度に応じて、変化契機演出の態様が選択される。
突然変化予告は変化契機演出を伴う予告演出であり、突然変化予告において、変化契機演出を契機として変化契機演出の前後で予告演出の内容が変化する。例えば、変化契機演出は、表示装置35の表示部35aの画面全体に対してシャッターが閉まるような表示や画面全体がブラックアウト(黒潰れ)するような表示を行う演出であり、変化契機演出の前の表示(切替対象となる表示)を一旦隠蔽するものである。
〔前半予告グループテーブル、前半予告詳細テーブル〕
図51(A)は、特図変動表示ゲームが15R確変大当りとなる場合に前半予告グループ(左欄)とその選択率(右欄)を示す前半予告グループテーブルである。前半予告グループには、予告なし、プッシュボタン予告、変動開始予告、背景チェンジ(変化)予告、セリフ演出予告、突然変化予告に関するグループがある。
図51(B)の前半予告詳細テーブルは、前半予告グループとして、特図変動表示ゲームが15R確変大当りとなる場合のセリフ演出予告グループの詳細を示す。図51(B)では、前半変動中の予告演出(前半変動中予告)として行われるセリフ演出予告の内容(左欄)とその選択率(右欄)を示す。セリフ演出予告は、連続性のある一続きの演出(例えばストーリー演出)であり、3種類の長時間の予告A、B、Cを含む。セリフ演出予告は、映像と音出力からなり、映像データ(動画像データ)は画像ROM723に記憶され、音出力データは音声ROM707に記憶されている。音出力は、セリフ(声)やBGM(音楽)などである。
図51(C)の前半予告詳細テーブルは、前半予告グループとして、特図変動表示ゲームが15R確変大当りとなる場合の突然変化予告グループの詳細を示す。図51(C)では、前半変動中の予告演出(前半変動中予告)として行われる突然変化予告の内容(左欄)とその選択率(右欄)を示す。突然変化予告では、連続性のある予告A、B、Cのうちの一つ(第1予告)が部分的に長時間で実行された後、短時間の変化契機演出が実行され、その後さらに予告A、B、Cのうちの一つ(第2予告)が部分的に長時間で実行される。なお、その後、さらに変化契機演出を経て、予告A、B、Cのうちの一つ(第3予告)が部分的に実行される場合もある。例えば、「予告A+予告B」は、第1予告が予告Aであり、第2予告が予告Bであることを示す。例えば、「予告A+予告B+予告C」は、第1予告が予告Aであり、第2予告が予告Bであり、第3予告が予告Cであることを示す。
〔前半変動中予告の構成例〕
図52から図56は、前半変動中予告の構成例として予告1−14等を時間軸に対して示す図である。予告1、2、3では、それぞれ、いずれかのセリフ演出予告(予告A、B、Cのいずれか)の全部分が実行される。
予告4−14では、いずれかの突然変化予告が実行される。例えば、予告4では、予告Aの前部分と中部分、変化契機演出、予告Bの後部分が順番に実行され、予告Aの一部分から予告Bの一部分へと変化契機演出を介在させて演出態様が切り替えられる。例えば、予告5では、予告Aの前部分、変化契機演出、予告Bの中部分と後部分が順番に実行され、予告Aの一部分から予告Bの一部分へと変化契機演出を介在させて演出態様が切り替えられる。例えば、予告6では、予告Aの前部分、変化契機演出、予告Bの中部分、変化契機演出、予告Cの後部分が順番に実行され、予告Aの一部分から予告Bの一部分へ、その後予告Cの一部分へと変化契機演出を介在させて演出態様が切り替えられる。前部分は、時間的に前側の部分であり、中部分は、時間的に中間の部分であり、後部分は、時間的に後側の部分である。
演出制御装置700は、突然変化予告において予告A、B、Cを部分的に実行する場合に、予告A、B、Cのデータ(映像データと音出力データ)を途中から再生するようにその都度制御するのではなく、予告A、B、Cの実行する部分と変化契機演出を組み合わせた演出を行うためのデータを、画像ROM723と音声ROM707に一つのデータとして予め記憶している。なお、予告A、B、Cの実行する部分(前部分、中部分、前部分+中部分、後部分など)に相当するデータには、セリフやBGM(音楽)などの音出力データも含まれる。演出制御装置700は、図51(C)に示す突然変化予告の種類に対応して、予告A、B、Cの部分に相当する映像データに基づく演出映像を表示装置35に表示するとともに、予告A、B、Cの部分に相当する音出力データに基づく音(音声)を上スピーカ10a又は下スピーカ10bを介して出力する。
図52の構成例1では、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)からリーチ成立までの期間に突然変化予告が実行され、リーチ成立後から特図変動表示ゲームの終了(変動停止)までの期間にリーチ演出が実行される。図53の構成例2では、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)から特図変動表示ゲームの終了(変動停止)まで突然変化予告が実行され、リーチは成立せずリーチ演出は実行されない(前半変動のみ実行される)。図54の構成例3では、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)直後に通常の変動が実行され、通常の変動後にリーチ成立までの期間に突然変化予告が実行され、リーチ成立後から特図変動表示ゲームの終了(変動停止)までの期間にリーチ演出が実行される。
図55の構成例4では、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)直後に通常の変動が実行され、続いて、特殊演出が実行され、その後リーチ成立までの期間に突然変化予告が実行され、リーチ成立後から特図変動表示ゲームの終了(変動停止)までの期間にリーチ演出が実行される。例えば、特殊演出では、表示装置35の表示部35aの画面全体にシャッターが閉まるような演出表示や画面全体がブラックアウト(黒潰れ)する演出表示が行われる。図56の構成例5では、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)直後に特殊演出が実行され、その後リーチ成立までの期間に突然変化予告が実行され、リーチ成立後から特図変動表示ゲームの終了(変動停止)までの期間にリーチ演出が実行される。なお、特殊演出に続けて通常の変動を実行し、その後突然変化予告が実行されてもよい。なお、図55と図56において、リーチ演出は実行されなくてもよい。
〔前半変動中予告の演出例〕
次に、表示装置35の表示部35aで行われる前半変動中予告の演出例を時系列で示す。図57(A)−(F)は、前半変動中予告として予告1の演出例を時系列で示す。予告1では、セリフ演出予告(予告A(時計))が実行され、箱からプレゼントとして時計が出現するような演出が行われる。図58(A)−(F)は、前半変動中予告として予告2の演出例を時系列で示す。予告2では、セリフ演出予告(予告B(蛇負け))が実行され、蛇が勝負に負けるような演出が行われる。図59(A)−(F)は、前半変動中予告として予告3の演出例を時系列で示す。予告3では、セリフ演出予告(予告C(敵殲滅))が実行され、敵が殲滅されるような演出が行われる。なお、演出制御装置700は、セリフの音出力(音声出力)を上スピーカ10a又は下スピーカ10bを介して実行するとともに、表示装置35の表示部35aに音出力に対応するセリフを文字表示する。演出制御装置700、スピーカは、音出力手段を構成する。
図60(A)−(G)は、前半変動中予告として予告4又は予告5の演出例を時系列で示す。ここでは、図54のような構成で、突然変化予告が行われる。図60(A)において、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)直後に通常の変動が実行される。次に、図60(B)(C)において、連続性のある予告Aの途中までの一部分(例えば前部分と中部分)が実行される。図60(C)において、表示部35aに表示されるセリフは途切れないが、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフ(声)やBGM(音楽)は、連続性のある途中段階(区切りの悪い中途半端なところ)で中断されて途切れる。音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように文字表示させておく。即ち、表示部35aでは、中断された後に音出力される予定だったセリフ(音出力内容)に対応した情報表示(文字表示)まで表示される。
次に、図60(D)において、変化契機演出が実行される。変化契機演出では、表示装置35の表示部35aの画面全体に対してシャッターが閉まるような演出表示が行われ、演出切り替え前の表示部35aの表示が一旦隠蔽される。そして、図60(E)(F)において、連続性のある予告Bの途中からの一部分(例えば後部分)が実行され、演出が切り替わる。切り替え前の表示を隠蔽することにより演出が切り替わった印象を遊技者に強く与えられるとともに、違和感なく演出内容を大幅に切り替えることができる。
図60(E)において、予告Bの一部分が開始する場合には、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフやBGM(音楽)は、連続性のある途中段階(区切りの悪い中途半端なところ)から途切れた状態で開始する。これにより、演出が切り替わった印象を遊技者に強く与えられる。なお、音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように情報表示(文字表示)させておく。その後、図60(G)において、リーチが成立する。
なお、予告8−11も、予告4又は予告5と同様の演出例で、突然変化予告が行われる。
図61(A)−(J)は、前半変動中予告として予告6又は予告7の演出例を時系列で示す。ここでは、図54のような構成で、突然変化予告が行われる。図61(A)において、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)直後に通常の変動が実行される。次に、図61(B)において、連続性のある予告Aの途中までの一部分(例えば前部分)が実行される。図61(B)において、表示部35aに表示されるセリフは途切れないが、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフやBGM(音楽)は、連続性のある途中段階(区切りの悪い中途半端なところ)で中断されて途切れる。なお、音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように文字表示させておく。
図61(C)において、変化契機演出が実行され、表示装置35の表示部35aの画面全体に対してシャッターが閉まるような演出表示が行われ、変化契機演出の前の表示部35aの表示が一旦隠蔽される。そして、図61(D)(E)において、連続性のある予告Bの途中からの一部分(例えば中部分)が実行され、演出が切り替わる。切り替え前の表示を隠蔽することにより演出が切り替わった印象を遊技者に強く与えられるとともに、違和感なく演出内容を大幅に切り替えることができる。図61(D)において、予告Bの一部分が開始する場合には、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフやBGM(音楽)は、連続性のある途中段階(区切りの悪い中途半端なところ)から途切れた状態で開始する。これにより、演出が切り替わった印象を遊技者に強く与えられる。なお、音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように文字表示させておく。
図61(F)において、再度、変化契機演出が実行され、表示装置35の表示部35aの画面全体に対してシャッターが閉まるような演出表示が行われる。図61(F)では、図61(C)とシャッターの色等を変えてよい。図61(G)(H)において、連続性のある予告Cの途中からの一部分(例えば後部分)が実行される。図61(G)において、予告Cの一部分が開始する場合には、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフやBGM(音楽)は、連続性のある途中段階から途切れた状態で開始する。なお、音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように文字表示させておく。その後、図61(I)において、リーチが成立する。
図62A(i)−(iv)は、特図変動表示ゲームの大当りの期待度に応じて、突然変化予告における変化契機演出の態様が変化する様子を示すが、ここでは特にシャッターの色が変化する。図62B(i)−(v)も、特図変動表示ゲームの大当りの期待度に応じて、変化契機演出の態様が変化する様子を示すが、ここでは特にシャッターに大当りの期待度に応じた文字表示が行われる。
図63(A1)−(C1)(A2)−(C2)は、変化契機演出が突然変化予告において複数回実行される場合(例えば予告6、7の場合)に対して、変化契機演出の態様を示す。図63(A1)−(C1)は1回目の変化契機演出を示し、図63(A2)−(C2)は2回目の変化契機演出を示す。1回目の変化契機演出では、シャッターに変化契機演出が複数回実行されることを示唆する文字表示「発展」が表示される。2回目の変化契機演出では、特図変動表示ゲームの大当りの期待度に応じて、シャッターの文字表示を変化させ、期待度を報知する。
なお、図62−図63の変化契機演出の態様は、図50の変化契機演出態様選択処理(B5007)で、特図変動表示ゲームの大当りの期待度に応じて選択、設定される。
図64は、前半変動中予告として予告12の演出例を時系列で示す。ここでは、図52のような構成で、突然変化予告が行われる。なお、予告13又は予告14の演出例も、予告12の演出例と同様でよく、予告12−14において、変化契機演出の前後において同系統の演出が行われる。
図64(A)(B)において、特図変動表示ゲームの開始(変動開始)直後に予告Aの一部分(例えば前半部分)が実行される。図64(B)において、表示部35aに表示されるセリフは途切れないが、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフやBGM(音楽)は、連続性のある途中段階で中断されて途切れる。なお、音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように文字表示させておく。
次に、図64(C)において、変化契機演出が実行される。続いて、図64(D)(E)において、予告Aの一部分(例えば後半部分)が実行される。変化契機演出後の図64(D)において、予告Aの一部分が開始する場合には、セリフの文字表示以外の映像及び音出力のセリフやBGM(音楽)は、連続性のある途中段階から途切れた状態で開始する。なお、音出力において途切れたセリフも、表示部35aではセリフ全体の内容がわかるように文字表示させておく。また、図64(D)において、変化契機演出前の図64(B)から背景が変化して、チャンスアップを報知する。さらに、図64(D)において、変化契機演出前の図64(B)からキャラクタの表示態様(色)が変化してもよい。その後、図64(F)において、リーチが成立する。このように、予告12では、変化契機演出の前後において同系統の演出が行われる。
図65は、図57から図61に対応する予告の詳細な構成図である。予告1の構成図は、図57に対応し、予告1における予告Aの(B)〜(E)は、図57の(B)〜(E)の各セリフに対応した4つの映像(セリフ映像)を示している。予告2の構成図は図58に、予告3の構成図は図59にそれぞれ対応しており、予告1と同様にセリフ(B)〜(E)に対応した4つセリフ映像で構成されている。図65の予告1−3において、各セリフ映像は、一連の連続性のある映像としてまとまっており各セリフが表示される間に表示部35aに表示される。図65の斜線は各セリフ映像の境860を示す。
予告4又は5は図60に対応する構成図で、予告Aの図57(C)のセリフ映像の連続性のある途中で変化契機演出が実行され、その後、図58(D)のセリフ映像の連続性のある途中から実行されることを示す。
予告6又は7は図61に対応する構成図で、予告Aの図57(B)のセリフ映像の連続性のある途中で変化契機演出が実行され、その後、図58(C)のセリフ映像の連続性のある途中から実行され、図58(D)のセリフ映像の連続性のある途中で変化契機演出が実行され、その後、図59(D)のセリフ映像の連続性のある途中から実行されることを示す。
予告12の構成図は図65に対応し、予告Aの図57(C)のセリフ映像の連続性のある途中で変化契機演出が実行され、その後、図57(D)のセリフ映像の連続性のある途中から実行されることを示す。
このように、一連の映像の途中から他の一連の映像の途中に移行するので、一連の映像が終了してから他の一連の映像の最初に移行することと異なり、遊技者に強い印象(インパクト)を与えて期待感を高めることのできるので、興趣を高めることとなる。
なお、本実施形態では一連の映像の途中から他の一連の映像の途中に移行したが、一連の映像の途中から他の一連の映像の初めに移行してもよいし、一連の映像の終わりから他の一連の映像の途中に移行してもよいし、一連の映像の終わりから他の一連の映像の初めに移行してもよい。なお、一連の映像の終わりから他の一連の映像の初めに移行する場合には、映像内容を非連続(例えば山のセリフ映像から海のセリフ映像に脈絡なく移行する)にすることで遊技者に印象を与る。
なお、図64の代替として、図66のように予告Aと並列的に変化契機演出が実行されてもよい。即ち、図66(C)において、予告Aが中断することなく、変化契機演出と同時に実行されている。そして、図66(D)において、変化契機演出前の図66(B)から背景が変化して、チャンスアップを報知する。
また、図64の代替として、図67のように、変化契機演出の後に保留変化予告を実行するようにしてもよい。即ち、変化契機演出前の図67(A)(B)では、保留表示(始動記憶表示)を通常の態様としておき、変化契機演出後の図67(D)−(F)では、保留表示態様を先読み予告に対応して変化させるようにしてもよい。また、変化契機演出後に、保留変化予告とともに、背景やキャラクタの表示態様を変化させてもよい。なお、図67(C)では、変化契機演出の表示(シャッター)によって、保留表示が隠れるようにしている。
図68は、予告12の演出例として、変化契機演出(図68(D))の前後において同系統の演出が行われる例を示すが、図64と異なり、変化契機演出前には予告A(時計)の一部分が実行され(図68(A)−(C))、変化契機演出の後には予告A(王冠)の一部分が実行される(図68(E)−(F))。なお、予告A(時計)では時計が出現する演出が行われ、予告A(王冠)では王冠が出現する演出が行われる。
このように、特図変動表示ゲームの実行中に表示装置35に表示され、それぞれ演出内容の異なる複数の演出態様(予告A、予告B、予告C)を実行可能であるが、図60、図61、図64、図66−68のごとく、演出制御装置700の切替演出実行手段(前半変動中予告抽選処理)は、特図変動表示ゲーム中に、いずれかの演出態様を一部分だけ表示した後、他の演出態様の一部分に切り替えて表示する切替演出(変化契機演出)を行う。切替演出実行手段(前半変動中予告抽選処理)は、いずれかの演出態様の連続性のある途中段階(例えば映像又は音出力の連続性のある途中段階)においても、他の演出態様の一部分へ切り替えて表示可能である。従って、演出が切り替わった印象を遊技者に強く与えることができる。
〔先読み系コマンド処理(先読みゾーン演出設定処理)〕
次に、図69を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図27)における先読み系コマンド処理(B2714)の一例について説明する。図69は、第2実施形態に係る先読み系コマンド処理の手順を例示するフローチャートである。本例の先読み系コマンド処理は、先読みゾーン演出について設定する先読みゾーン演出設定処理を含む。
演出制御装置700は、まず、先読みゾーン中フラグがあるか否か、即ち現在先読みゾーンであるか否か判定する(B6901)。先読みゾーン中フラグがあり、現在先読みゾーンである場合に(B6901の結果が「Y」)、今回の処理を終了する。先読みゾーン中フラグがなく、現在先読みゾーンでない場合に(B6901の結果が「N」)、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38への入賞によって生じた先読み対象の始動記憶が大当りであるか否か判定する(B6902)。大当り判定処理の判定結果を表す始動口入賞コマンド(A1002)に基づいて、始動記憶が大当りであるか否か判定できる。
次に、演出制御装置700は、先読み対象の始動記憶がはずれの場合に(B6902の結果が「N」)、先読み演出振分けテーブル(はずれ時)を設定し(B6903)、先読み対象の始動記憶が大当りの場合に(B6902の結果が「Y」)、先読み演出振分けテーブル(大当り時)を設定する(B6904)。次に、設定された先読み演出振分けテーブルに定められた振り分け率(当選率)で保留表示態様の抽選を行い、先読み保留表示態様に当選したか否か判定する(B6905)。先読み保留表示態様は、通常保留表示態様から変化したものである。
なお、各先読み演出振分けテーブルにおいて、振り分け率は、先読み対象の始動記憶の変動パターンに応じて定められてよい。先読み対象の始動記憶の変動パターンは、変動パターン乱数1〜3の乱数値を表す始動口入賞演出1〜6コマンドから取得でき、この変動パターンに応じた振り分け率で抽選できる。
そして、演出制御装置700は、先読み保留表示態様に当選しなかった場合に(B6905の結果が「N」)、先読み対象の始動記憶の保留表示態様として、通常保留表示態様を設定する(B6906)。先読み保留表示態様に当選した場合に(B6905の結果が「Y」)、先読み対象の始動記憶の保留表示態様として、先読み保留表示態様を設定する(B6907)。
次に、演出制御装置700は、先読みゾーン演出があるか否か判定する(B6908)。例えば、抽選を行って当選した場合に、先読みゾーン演出を行うようにし、先読みゾーン演出があると判定してよい。先読みゾーン演出がない場合に(B6908の結果が「N」)、今回の処理を終了する。先読みゾーン演出がある場合に(B6908の結果が「Y」)、当該先読み対象の始動記憶よりも先に生じた始動記憶内に突然変化予告があるか否か判定する(B6909)。即ち、先に生じた始動記憶に基づく変動表示ゲームが突然変化予告を伴う変動パターンか否か判定する。
続いて、演出制御装置700は、当該先読み対象の始動記憶よりも先に生じた始動記憶内に突然変化予告がない場合に(B6909の結果が「N」)、先読みゾーン移行フラグ1をオンに設定する(B6910)。当該先読み対象の始動記憶よりも先に生じた始動記憶内に突然変化予告がある場合に(B6909の結果が「Y」)、先読みゾーン移行フラグ2をオンに設定する(B6911)。
演出制御装置700は、先読みゾーン移行フラグ1がオンに設定された場合には、現在実行中の特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームの変動開始時に先読みゾーンに突入するように設定する。一方、先読みゾーン移行フラグ2がオンに設定された場合には、突然変化予告における変化契機演出が行われることを契機として変化契機演出直後に先読みゾーンに突入するように設定する。
〔先読みゾーン演出の演出例〕
図70は、図69の先読み系コマンド処理によって、現在実行中の特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームの変動開始時に先読みゾーン(先読みモード)に突入する先読みゾーン演出(B6910で設定)の演出例を時系列で示す。図70(A)において、先読み対象の始動記憶が発生して、先読み保留表示態様が設定される(B6907)。次に、図70(B)において、次の特図変動表示ゲームの変動開始時に先読みゾーンに突入する。その後、図70(C)―(G)において、先読み保留表示態様が設定された始動記憶の特図変動表示ゲームが終了するまで、先読みゾーン演出が継続する。このように、先読み結果に基づき、次の特図変動表示ゲームの開始タイミングで先読みゾーン演出が行われる。
図71は、図69の先読み系コマンド処理によって、突然変化予告における変化契機演出が行われることを契機として変化契機演出直後に先読みゾーンに突入する先読みゾーン演出(B6911で設定)の演出例を時系列で示す。図71(A)において、先読み対象の始動記憶が発生して、先読み保留表示態様が設定される(B6907)。次に、図71(B)において、変化契機演出が行われる。続いて、図71(C)において、変化契機演出直後に先読みゾーンに突入する。その後、図71(D)―(K)において、先読み保留表示態様が設定された始動記憶の特図変動表示ゲームが終了するまで、先読みゾーン演出が継続する。このように、先読み結果に基づき、突然変化予告のタイミングで先読みゾーン演出が行われる。
図72と図73の演出例において、各々、図70と図71の変形として、先読みゾーン演出が、当該変動(現在実行中の変動表示ゲーム)の始動記憶で設定されており、当該変動の予告演出として実施される。図72と図73では、先読み保留表示態様(保留変化)は、設定されなくてもよい。図72(B)において当該変動の変動開始時に先読みゾーンに突入した後、図72(C)において当該変動が終了するまで、先読みゾーン演出が継続する。図73(D)において当該変動の変化契機演出直後に先読みゾーンに突入した後、図71(E)―(H)において、当該変動が終了するまで、先読みゾーン演出が継続する。変化契機演出前後において、同系統の演出を継続させてもよいし、他の系統の演出に切り替えてもよい。
〔前半変動中予告抽選処理の変形例〕
図74は、図50の前半変動中予告抽選処理の変形例を示す。図74は、前述した変動演出設定処理(図29)における前半変動中予告抽選処理(B2903)の変形例の手順を示すフローチャートである。B7401−B7403の処理は、図50のB5001−B5003の処理と同じであり、説明を省略する。
演出制御装置700は、予告グループ抽選処理の抽選結果が予告なし以外のグループである場合に(B7403の結果が「N」)、前半予告グループの抽選結果(選択された前半予告グループ)と変動パターンの種類から前半変動中予告の詳細を設定する予告詳細抽選処理を実行する(B7404)。予告詳細抽選処理では、前半予告グループとして突然変化予告グループが選択された場合には、変化契機演出の回数が設定される。続いて、B7402において前半予告グループとして突然変化予告のグループを選択したか否か判定する(B7405)。突然変化予告を選択していない場合に(B7405の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
続いて、演出制御装置700は、突然変化予告を選択した場合に(B7405の結果が「Y」)、抽選を行って抽選結果に応じて開始演出のデータ(映像データと音出力データからなる)をデータグループIIから選択する(B7406)。続いて、突然変化予告において変化契機演出を2回行うか否か判定する(B7407)。
演出制御装置700は、突然変化予告において変化契機演出を2回行う場合に(B7407の結果が「Y」)、抽選を行って抽選結果に応じて中間演出のデータ(映像データと音出力データからなる)をデータグループIVから選択する(B7408)。続いて、再度抽選を行って抽選結果に応じて終了演出のデータ(映像データと音出力データからなる)をデータグループIIIから選択する(B7409)。突然変化予告において変化契機演出を2回行わない場合にも(B7407の結果が「N」)、抽選を行って抽選結果に応じて終了演出のデータをデータグループIIIから選択する(B7409)。
次に、演出制御装置700は、選択された各演出のデータ(映像データと音出力データからなる)と変化契機演出のデータ(映像データのみでよい)を合成して合成データを生成する(B7410)。前半変動中予告は、この合成データに基づいて、映像を表示装置35の表示部35aに表示し、音出力をスピーカに出力する演出となる。次に、変化契機演出の態様を選択する変化契機演出態様選択処理を行う(B7411)。
図75(A)−(E)は、データグループI、II、III、IVのデータ(映像データと音出力データからなる)と変化契機演出のデータ(映像データのみでよい)を例示する図である。データグループIは、データA1、B1、C1からなる。データA1、B1、C1は、連続性のある長時間の演出(例えばストーリー演出)であり、前述のセリフ演出予告(予告A、B、C)と同じデータでよい。データグループIIは、データA2、B2、C2からなる。データA2、B2、C2は、各々、データA1、B1、C1の前部分に相当する。データグループIIIは、データA3、B3、C3からなる。データA3、B3、C3は、各々、データA1、B1、C1の後部分に相当する。データグループIVは、データA4、B4、C4からなる。データA4、B4、C4は、各々、データA1、B1、C1の中部分に相当する。このように、データグループII、III、IVは、データグループIのデータA1、B1、C1の時間的に異なる位置で区切られたデータとなる。
図76は、B7410の処理において、データグループII、III、IVから選択された各データと変化契機演出のデータとを合成した合成データを示す図である。合成データは、前半変動中予告の演出用データとなる。
図76において、例1の合成データは、データグループIIから選択されたデータA2と、変化契機演出のデータと、データグループIIIから選択されたデータB3が、この順に接続されて組み合わされたものである。例2の合成データは、データグループIIから選択されたデータA2と、変化契機演出のデータと、データグループIVから選択されたデータB4と、変化契機演出のデータと、データグループIIIから選択されたデータC3とが、この順に接続されて組み合わされたものである。例3の合成データは、データグループIIから選択されたデータB2と、変化契機演出のデータと、データグループIVから選択されたデータB4と、変化契機演出のデータと、データグループIIIから選択されたデータC3とが、この順に接続されて組み合わされたものである。例1と例2、3では、変化契機演出の回数に応じて、前半変動中予告の実行時間が異なる。
〔他の演出例〕
図77は、前半変動中予告の演出の変形例を示す。図77(A)−(C)において、前半変動中にセリフ演出予告(予告B)の一部が実行される。その後、図77(D)において、前半変動の最後に、変化契機演出として、表示装置35の表示部35aの画面全体に対してシャッターが閉まるような演出表示が行われる。図77(E)において、変化契機演出の後、リーチが成立して、SPリーチ演出が開始する。
図78は、前半変動中予告の演出の他の変形例を示す。図78(A)(B)において、前半変動中にセリフ演出予告(予告B)の一部が実行される。その後、図78(C)(D)において、前半変動中に、擬似連続予告として見かけ上のSPリーチ演出が行なわれる。そして、図78(E)において、変化契機演出が行われる。次に、図78(F)(G)において、前半変動中にセリフ演出予告(予告C)の一部が実行される。続いて、図77(H)において、真のリーチが成立して、後半変動が開始する。なお、図78(C)において、見かけ上でなく(擬似連続予告でなく)、真にリーチが成立して、後半変動中に図78(E)において変化契機演出が行われて、図78(F)(G)において、見かけ上、前半変動のセリフ演出予告(予告C)の一部が実行されてもよい。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態によると、制御手段(遊技制御装置600と演出制御装置700)は、特図変動表示ゲームの実行中に変動表示装置35に表示され、それぞれ演出内容の異なる複数の演出態様(例えば予告A、B、C)を実行可能である。制御手段は、特図変動表示ゲーム中に、いずれかの演出態様を一部分だけ表示した後(例えば図60(C))、他の演出態様の一部分に切り替えて表示する切替演出(例えば図60(E))を行う切替演出実行手段を備える。切替演出実行手段は、いずれかの演出態様の連続性のある途中段階を実行中においても、他の演出態様の連続性のある途中段階へ切り替えて表示することが可能である。従って、演出が途中で終わるとともに途中から始まるので切り替わった印象を遊技者に強く与え、強い印象(インパクト)のある演出を実行できる。
第2実施形態によると、切替演出実行手段は、切替演出を実行する際、いずれかの演出態様の切り替え前の表示を一旦隠蔽した後に(変化契機演出)、他の演出態様の一部分を表示する。従って、一旦表示を隠すことにより、違和感なく(映像の異常との誤解を遊技者に与えることなく)演出内容を大幅に切り替えることができる。また、演出が切り替わった印象を遊技者に強く与え、強い印象(インパクト)のある演出を実行できる。
第2実施形態によると、音出力手段(演出制御装置700、スピーカ)は、遊技の進行に応じて音を出力可能である(例えば図60(B)のセリフ「プレゼントもらった」)。音出力手段は、切替演出が実行される際、当該切替演出に対応させて、いずれかの演出態様に伴う音出力内容(例えばセリフ(声)や音楽)の連続性のある途中段階を実行中においても音出力を中断させ(例えば図60(C)のセリフ「開けてみ・・・」)、他の演出態様に伴う音出力内容の連続性のある途中段階から音出力を開始する(例えば図60(E)のセリフ「・・・てやる」)。従って、演出が途中で終わるとともに他の演出の途中から始まるので切り替わった印象を遊技者に強く与え、強い印象(インパクト)のある音の演出を実行できる。
第2実施形態によると、制御手段(遊技制御装置600と演出制御装置700)は、変動表示ゲーム中に音出力手段により出力される音出力内容(例えばセリフ(声)や音楽)に応じた情報(例えば文字表示)を変動表示装置35に表示可能である(例えば図60(B)の文字表示「プレゼントもらった!」)。切替演出が実行される際、音出力手段が、当該切替演出に対応させて、いずれかの演出態様に伴う音出力内容の連続性のある途中段階を実行中において音出力を中断する場合でも、制御手段は、音出力を中断する後に出力される予定であった音出力内容に応じた情報(例えば図60(C)の文字表示「開けてみるね」)を表示させる。さらに、この場合に、制御手段は、他の演出態様に伴う音出力内容の連続性のある途中段階から音出力を開始するときに出力されなかった音出力内容に応じた情報(例えば図60(E)の文字表示「食べてやる!」)を表示させる。従って、表示された文字情報の一部が音出力されないので演出が切り替わった印象を遊技者に強く与え、強い印象(インパクト)のある演出を実行できる。また、遊技者は、情報表示によって、中断した音出力が全体の内容がわかる。
(第3実施形態)
次に、図79から図87を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、遊技機1の機歴(設置場所の履歴)の管理、不正報知、及び、遊技システムに関するものである。第3実施形態に関して、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同じでよい。
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
まず、図79を参照して、前述したメイン処理(図25)におけるホール・遊技者設定モード処理(B2510)の詳細について説明する。図79は、第3実施形態において演出制御装置700によって実行されるホール・遊技者設定モード処理の手順を示すフローチャートである。ホール・遊技者設定モード処理によって、ホール(遊技店)の係員等が遊技機1の各種設定を行えるホール設定モード、又は、遊技者が遊技機1の各種設定を行える遊技者設定モードを起動させる(立ち上げる)。
演出制御装置700は、まず、ホール設定モード中であるか否か判定する(B7901)。後述のホール設定モード中フラグが設定されている場合に、ホール設定モード中であると判定できる。ホール設定モード中である場合に(B7901の結果が「Y」)、B7906−B7916の処理を行って、ホール(遊技店)の係員等による演出ボタン70(プッシュボタン71とセレクトボタン72)の操作に基づいて、各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置700は、ホール設定モード中でない場合に(B7901の結果が「N」)、遊技者設定モード中であるか否か判定する(B7902)。後述の遊技者設定モード中フラグが設定されている場合に、遊技者設定モード中であると判定できる。遊技者設定モード中である場合に(B7902の結果が「Y」)、B7920−B7924の処理を行って、遊技者による演出ボタン70の操作に基づいて各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置700は、遊技者設定モード中でない場合に(B7902の結果が「N」)、ホール設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B7903)。客待ち中において、ホール設定モードに入るための演出ボタン70の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B2509)で検出された場合などに、ホール設定モード開始条件が成立したと判定できる。なお、客待ち中とは、例えば、表示装置35に客待ち用の映像が表示されるような状態である。ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B7903の結果が「N」)、B7917の処理を実行する。
演出制御装置700は、ホール設定モード開始条件が成立した場合に(B7903の結果が「Y」)、ホール設定モードにおける表示装置35に対する画面描画(ホール設定画面の描画)を開始するための画面描画開始設定を行う(B7904)。そして、ホール設定モード中フラグを設定する(B7905)。
次に、演出制御装置700は、ホールの係員等による演出ボタン70の操作に基づいて、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量を調整するホール側音量調整処理(B7906)、枠装飾装置21や盤装飾装置760のLEDの輝度を調整するホール側LED輝度調整処理(B7907)、表示装置35の表示部35a(液晶ディスプレイ等)の輝度を調整する液晶等輝度調整処理(B7908)、省電力の設定を行う省電力設定処理(B7909)を実行する。
次に、演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(即ち、演算処理装置)のID情報を表示装置35の表示部35aに表示するID情報表示処理(図80)を実行する(B7910)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B7911)。演出ボタン70の設定確定操作による操作信号が演出ボタン入力処理(B2509)で検出された場合に、設定確定操作入力があったと判定できる。設定確定操作入力がない場合に(B7911の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、設定確定操作入力があった場合に(B7911の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で確定したか否か判定する(B7912)。設定確定操作以外に演出ボタン70の操作がなかった場合に、工場出荷時の設定で確定したと判定できる。工場出荷時の設定で確定しなかった場合に(B7912の結果が「N」)、B7914の処理に進む。工場出荷時の設定で確定した場合に(B7912の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で各種設定や各種調整を行う工場出荷時設定処理を実行する(B7913)。工場出荷時の設定は、PROM702等のメモリに記憶されているデフォルトの設定である。次に、B7906−B7909やB7913で決定された音量や各種輝度などのホール設定データ(又はホール調整データ)をバックアップRAM(例えばFRAM704)に書き込む(B7914)。
次に、演出制御装置700は、ホール設定モードにおける表示装置35に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B7915)。そして、ホール設定モード中フラグをクリアする(B7916)。
演出制御装置700は、ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B7903の結果が「N」)、遊技者設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B7917)。客待ち中において、遊技者設定モードに入るための演出ボタン70の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B2509)で検出された場合などに、遊技者設定モード開始条件が成立したと判定できる。遊技者設定モード開始条件が成立していない場合に(B7917の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、遊技者設定モード開始条件が成立した場合に(B7917の結果が「Y」) 、遊技者設定モードにおける表示装置35に対する画面描画を開始するための画面描画開始設定を行う(B7918)。そして、遊技者設定モード中フラグを設定する(B7919)。
次に、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン70の操作に基づいて、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量を調整する遊技者側音量調整処理(B7920)と、枠装飾装置21や盤装飾装置760のLEDの輝度を調整する遊技者側LED輝度調整処理(B7921)を実行する。
次に、演出制御装置700は、設定確定操作入力があったか否か判定する(B7922)。設定確定操作入力がない場合に(B7922の結果が「N」)、今回の処理を終了する。設定確定操作入力があった場合に(B7922の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置35に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B7923)。そして、遊技者設定モード中フラグをクリアする(B7924)。なお、B7920−B7921で決定された音量や輝度などの遊技者設定データ(又は遊技者調整データ)は、消えてもよいため、バックアップRAMに書き込まない。
なお、上記において、一旦ホール設定モード又は遊技者設定モードに入った後の描画更新設定(メニュー表示におけるハイライト項目更新など)は、演出ボタン入力処理(B2509)の方で行うものとする。
〔ID情報表示処理〕
次に、図80を参照して、前述したホール・遊技者設定モード処理(図79)におけるID情報表示処理(B7910)の詳細について説明する。図80は、第3実施形態において演出制御装置700によって実行されるID情報表示処理の手順を示すフローチャートである。ID情報表示処理は、遊技用マイコン611の固有情報(ID)を符号化した二次元コードを生成して、表示装置35の表示部35aの画面に表示するための処理である。なお、図80では、二次元コードとしてQRコード(登録商標)を一般的な方法で生成する例を説明する。
演出制御装置700は、まず、ID情報表示中フラグが設定されているか否か判定する(B8001)。ID情報表示中フラグが設定されている場合に(B8001の結果が「Y」)、B8018−B8021の処理を実行する。ID情報表示中フラグが設定されていない場合に(B8001の結果が「N」)、表示装置35の表示部35aの画面がメニュー画面中であるか否か判定する(B8002)。メニュー画面中でない場合に(B8002の結果が「N」)、今回の処理を終了する。メニュー画面以外の他の設定画面(例えば、省電力設定画面)の表示中なら、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、メニュー画面中である場合に(B8002の結果が「Y」)、
ID情報表示モード開始条件が成立しているか否か判定する(B8003)。メニュー画面でカーソルがID情報表示の位置にある状態で、演出ボタン70(プッシュボタン71)を押す操作が検出された場合などに、ID情報表示モード開始条件が成立したと判定できる。ID情報表示モード開始条件が成立していない場合に(B8003の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
演出制御装置700は、ID情報表示モード開始条件が成立している場合に(B8003の結果が「Y」)、遊技用マイコン611(演算処理装置)の固有情報として、遊技用マイコン611のIDをメモリからロードする(B8004)。次に、遊技用マイコン611のIDを符号化し、符号化データを生成し(B8005)、誤り訂正コードを生成し(B8006)、符号化データと誤り訂正コードをマトリックスデータに配置する(B8007)。
続いて、マトリックスデータを個々のマスクパターンに基づきマスク処理してマスクデータを生成し(B8008)、全マスクパターン(8種類)に対してのマスクデータの生成を完了したか否か判定する(B8009)。全マスクパターン(8種類)に対してのマスクデータの生成を完了していない場合に(B8009の結果が「N」)、B8008の処理に戻る。
演出制御装置700は、全マスクパターンに対してのマスクデータの生成を完了した場合に(B8009の結果が「Y」)、生成したマスクデータを評価するためのマスク評価値(失点値)を算出する(B8010)。そして、全マスクデータに対してマスク評価値の算出が完了したか否か判定する(B8011)。全マスクデータに対してマスク評価値の算出が完了していない場合に(B8011の結果が「N」)、B8010の処理に戻る。全マスクデータに対してマスク評価値の算出が完了した場合に(B8011の結果が「Y」)、マスク評価値(失点値)の失点が最も低いマスクデータを抽出、選択する(B8012)。
B8010−B8012の処理により、マスクデータの黒か白が極端に多くなってしまったり、位置検出パターンに類似したデータ形状になってしまうことによる読み込みエラー等がでないように、生成したマスクデータの中から最適なものを選択する。特定の条件に基づいて評価値(失点値)を計算し、失点の最も低いマスクデータが選択される。
次に、演出制御装置700は、不要となったマスクデータを消去し(B8013)、形式情報を生成する(B8014)。ここで、形式情報は、誤り訂正レベルの情報や、選択したマスクデータをマスク処理したマスクパターンの情報や、誤り訂正レベルの情報を基に生成した復元用の情報などである。次に、選択したマスクデータに形式情報を合成し、二次元コード(出力情報)を生成する(B8015)。形式情報は、二次元コード内の所定の位置に埋め込まれる。このように、ID情報表示処理は、二次元コード(出力情報)を生成する出力情報生成手段を構成する。
次に、演出制御装置700は、生成した二次元コード(出力情報)を表示装置35の画面へ表示するための表示設定を行い(B8016)、ID情報表示中フラグを設定する(B8017)。
一方、演出制御装置700は、ID情報表示中フラグが設定されている場合に(B8001の結果が「Y」)、ID情報表示モード終了条件が成立しているか否か判定する(B8018)。二次元コード表示中に演出ボタン70(プッシュボタン71)を押す操作が1回でも検出された場合などに、ID情報表示モード終了条件が成立したと判定できる。
演出制御装置700は、ID情報表示モード終了条件が成立していない場合に(B8018の結果が「N」)、今回の処理を終了する。ID情報表示モード終了条件が成立している場合に(B8018の結果が「Y」)、表示装置35の画面をメニュー画面へ復帰するための復帰設定を行い(B8019)、表示装置35にメニュー画面を表示するための表示設定を行う(B8020)。そして、ID情報表示中フラグをクリアする(B8021)。
〔遊技システム〕
次に、第3実施形態に係る遊技システム910を説明する。図81は、遊技機1と、携帯端末920と、ホール管理装置940と、機歴管理装置(外部管理装置)960とを含む遊技システム910を示す図である。遊技機1、携帯端末920、及びホール管理装置940は、遊技店内に配置され、機歴管理装置(外部管理装置)960は、遊技店外の管理会社(遊技機1のメーカー等)に配置される。
遊技システム910は、遊技機1の遊技店への設置時に、遊技制御装置(主基板)600の遊技用マイコン611のIDと設置情報を関連付ける登録作業を行う。設置情報は、遊技機1が設置される設置場所(設置位置)を示す情報であり、遊技機1の遊技店内での場所を示す台番号、及び/又は、遊技店の店舗情報を含む。設置時に遊技店にて登録を行うことで、グループ店内で遊技機の移動があった場合でも機歴(設置場所の履歴)を管理でき、新規販売された遊技機だけでなく中古販売された遊技機に対しても機歴を追うことができる。また、遊技システム910は、設置時に登録されたIDと設置情報の組合せ(正当な組合せ)と、現在の組合せが一致するか否か等の正当性判定を行い、不一致となった場合(正当でない場合)には、不正な遊技制御装置(主基板)を遊技機に取付けるような不正行為が行われた旨を報知できる。
携帯端末(情報通信端末)920は、例えばスマートフォンや携帯電話である。携帯端末920は、二次元コードを撮影可能な撮像部(カメラ)と、ホール管理装置940と無線通信可能な無線通信部と、二次元コードを復号化(デコード)して遊技用マイコン611のIDを取得するID取得部と、各種情報や画像を記憶する記憶部(メモリ)、画面となる表示部(液晶表示器、EL表示器)と、ボタンや画面のタッチパネル等の操作部とを備える。撮像部は、光学像から映像信号を生成する撮像素子と、映像信号に対する画像処理やその他の処理を行う画像処理部を含んで構成できる。ID取得部と画像処理部は、それぞれ又はまとめて、マイクロプロセッサ(CPU)から構成できる。マイクロプロセッサは、操作部からの入力信号を受付け、さらに、無線通信部の通信を制御する。携帯端末(情報通信端末)920は、二次元コードを読み取り可能な読取装置を構成する。
ホール管理装置940は、コンピュータであり、マイクロプロセッサと、各種情報を記憶する記憶部(メモリ又はデータベース)と、携帯端末920又は機歴管理装置960等と無線通信可能な無線通信部と、操作者が入力操作等を行う操作部(キーボード等のマンマシンインターフェース)を備える。ホール管理装置940は、機歴管理装置960等と有線通信する有線通信部とを備えてもよい。機歴管理装置960もコンピュータであり、マイクロプロセッサと、各種情報を記憶する記憶部(メモリ又はデータベース)と、ホール管理装置940等と無線又は有線通信可能な通信部と、操作者が入力操作等を行う操作部(マンマシンインターフェース)を備える。
次に、遊技システム910の動作の概要を説明する。遊技機1は、前述のように、ホール設定モードにおいて、遊技機1の遊技用マイコン611のID(固有情報)を符号化した二次元コードを表示装置35の表示部35aに表示する。携帯端末920は、撮影した二次元コードから読み取った(復号した)IDと、携帯端末920の操作部から入力した遊技機1の台番号をホール管理装置940に送信する。ホール管理装置940は、IDと台番号等を機歴管理装置960に送信する。機歴管理装置960は、設置時に登録されたIDと台番号の組合せと現在の組合せが一致するか否か等の正当性判定を行い、正当性判定の判定結果をホール管理装置940に送信する。ホール管理装置940は、不一致となった場合(正当でない場合)には、不正行為が行われた旨を報知する。
〔遊技システムの動作シーケンス(新規設置時)〕
図82は、遊技機1の新規設置時において遊技システム910の動作を示す動作シーケンス図である。遊技機1の新規設置時の電源投入時に、遊技制御装置600は、メイン処理(図5A、B)において、遊技用マイコン611(演算処理装置)のIDを読み出し、演出制御装置700にID系コマンドとして送信する(A526)。
次に、演出制御装置700は、受信コマンド解析処理において、ID系コマンドを受信して、遊技用マイコン611のIDをメモリ(例えばFRAM704)に保存する(B2716)。演出制御装置700は、ホール・遊技者設定モード処理(図79)において、ホール設定モードが起動すると(B7903の結果が「Y」)、IDを読み出して、ID情報を二次元コード(出力情報)として表示装置35に表示出力する。
携帯端末920は、二次元コードを撮影してID情報を読み取る。携帯端末920は、係員等によって操作部を介して入力された遊技機1の台番号を設定する。遊技機1の台番号は、台番号を示すコードを撮影して読み取るなど、他の方法によって入力されてもよい。携帯端末920は、IDと台番号をホール管理装置940に送信する。
ホール管理装置940は、携帯端末920から送信されたIDと台番号を受信する。そして、ホール管理装置940は、新規登録であることを示す新規登録情報を付加して、IDと店舗情報と台番号とを機歴管理装置960に送信する。なお、ホール管理装置940は、操作者が操作部を介して所定の操作(所定の入力操作)を行うことに基づき、新規登録情報を付加することを事前に決定している。店舗情報は、遊技機1が新規設置された遊技店の情報であり、ホール管理装置940の記憶部に記憶されている。
なお、ホール管理装置940を通さずに、携帯端末920は、新規登録情報を付加してIDと台番号とを機歴管理装置960に直接送信するようにしてもよい。また、係員等が操作部を介して店舗情報を携帯端末920に入力し、携帯端末920は、新規登録情報を付加して店舗情報も機歴管理装置960に直接送信するようにしてもよい。
機歴管理装置960は、送信されたIDと店舗情報と台番号を受信する。そして、受信したIDが既に登録されているIDであるか否か判定する。受信したIDが既に登録されているIDでない場合には、不正なIDである、即ち、遊技機1の遊技制御装置(主基板)600が不正なものであると判定する。一方、受信したIDが既に登録されているIDである場合には、正当なIDである。なお、機歴管理装置960は、新規(正規)に出荷された遊技機1の遊技用マイコン(演算処理装置)のIDを、正当(正規)なIDとして記憶部に既に記憶して登録している。なお、中古販売等された又は他店から移動した遊技機1も正規に出荷されたものであり、遊技制御装置の遊技用マイコンのIDも正当のものとなる。
受信したIDが既に登録されている場合(正当なIDの場合)には、機歴管理装置960は、受信したIDに対して登録済の店舗情報(過去の店舗情報)があればIDに関連付けて店舗履歴情報に登録する。なお、遊技機1が中古販売された又は他店から移動したであれば、対応する店舗情報も登録済である。さらに、受信したIDが既に登録されている場合(正当なIDの場合)には、機歴管理装置960は、新規登録情報が付加されている新たな店舗情報と新たな台番号を受信したIDと組合せて、組合せ情報として記憶部に新規登録(記憶)する。組合せ情報は、IDと設置情報(店舗情報と台番号)の正当な組合せ(正当な対応付け)を示し、IDと設置情報を対応付ける対応付けテーブル等で構成されてよい。
続いて、機歴管理装置960は、正当性判断の結果をホール管理装置940に送信する。なお、受信したIDと新たな店舗情報と新たな台番号の組合せ情報が登録された場合には、正当であることを示す判断結果をホール管理装置940に送信する。受信したIDが不正である場合には、不正であることを示す判断結果(不正検出情報)をホール管理装置940に送信する。
ホール管理装置940は、正当であることを示す判断結果を機歴管理装置960から受信した場合には、機歴管理装置960へ送信したID、店舗情報、台番号を正常登録の情報として記憶、保持する。又は、機歴管理装置960で登録されたID、店舗情報、台番号の正当な組合せを正常登録の情報として、機歴管理装置960から受信して記憶、保持してもよい。さらに、ホール管理装置940は、正当であることを示す判断結果を携帯端末920に転送する。
次に、携帯端末920は、正当であることを示す判断結果をホール管理装置940から受信した場合には、送信したIDと台番号とを正常登録の情報として記憶、保持する。又は、ホール管理装置940から転送されたID、店舗情報、台番号の正当な組合せを正常登録の情報として、ホール管理装置940から受信して記憶、保持してもよい。
〔遊技システムの動作シーケンス(通常営業時)(例1)〕
図83は、遊技機1の新規設置時より後の通常営業時において、遊技システム910の動作を示す動作シーケンス図である。この動作では、機歴管理装置960において、新規設置時に登録されたIDと設置情報(店舗情報及び/又は台番号)の組合せと、現在のIDと設置情報の組合せが一致するか否かの正当性判定を行う。これにより、不正な遊技制御装置(主基板)を遊技機に取付けるような不正行為が行われたかチェックする。
遊技機1の新規設置時と同様に、遊技機1の電源投入時に、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611のIDを読み出し、演出制御装置700にID系コマンドとして送信する。次に、演出制御装置700は、ID系コマンドによって遊技用マイコン611のIDをメモリ(例えばFRAM704)に保存する(B2716)。演出制御装置700は、ホール設定モードが起動すると、IDを読み出してID情報を二次元コードとして表示装置35に表示出力する。
携帯端末920は、二次元コードを撮影してID情報を読み取る。携帯端末920は、係員等によって操作部などを介して入力された遊技機1の台番号を設定する。携帯端末920は、IDと台番号をホール管理装置940に送信する。
ホール管理装置940は、携帯端末920から送信されたIDと台番号を受信する。そして、ホール管理装置940は、IDと店舗情報と台番号とを機歴管理装置960に送信する。ここで、新規登録であることを示す新規登録情報は付加されない。
機歴管理装置960は、送信されたIDと店舗情報と台番号を受信する。機歴管理装置960は、IDと店舗情報と台番号に新規登録情報が付加されないため新規登録でないと判断し、記憶部に既に記憶された組合せ情報においてIDを検索する。さらに、検索したIDから正当な店舗情報と正当な台番号を確認する。
その後、機歴管理装置960は、機歴管理装置960は、正当性判断の結果をホール管理装置940に送信する。なお、受信した店舗情報と台番号が、それぞれ正当な店舗情報と正当な台番号に一致する場合には、正当であることを示す判断結果をホール管理装置940に送信する。受信した店舗情報が正当な店舗情報に不一致である場合、或いは、受信した台番号が正当な台番号に不一致である場合、又は、受信したID自体が検索できない場合には、不正であることを示す判断結果をホール管理装置940に送信する。正当性判断の結果には、正当/不正の情報だけでなく、店舗情報が不一致であることを示す情報や、台番号が不一致であることを示す情報を含めてもよい。
ホール管理装置940は、正当性判断の結果をさらに携帯端末920に転送する。また、ホール管理装置940は、不正であることを示す判断結果を機歴管理装置960から受信した場合には、呼び出しランプを点滅して不正を報知する。
次に、携帯端末920は、正当性判断の結果を表示部の画面に表示する。そして、ホール係員は、IDと台番号の組合せの正当性を携帯端末920の画面で確認できる。
このように、一度設置時にIDと設置情報を関連付ける登録をした後は、遊技店の係員が確認作業を行いたいときにホール設定モードを遊技機1において起動させることにより、遊技制御装置(主基板)の不正交換や機歴(設置場所の履歴)の確認を行うことができる。
〔遊技システムの動作シーケンス(通常営業時)(例2)〕
図84は、遊技機1の新規設置時より後の通常営業時において、遊技システム910の動作を示す動作シーケンス図であるが、この動作では、図83と異なり、携帯端末920において(機歴管理装置960ではなく)、正当性判断を行う。これにより、不正な遊技制御装置(主基板)を遊技機に取付けるような不正行為が行われたかチェックする。
図84において、遊技制御装置600と演出制御装置700の動作は、図83と同じである。携帯端末920は、二次元コードを撮影してID情報を読み取る。携帯端末920は、復号して取得したIDと操作部等から入力された台番号の組合せの正当性を判断する。取得したIDと入力された台番号の組合せが、正常登録の情報として記憶したIDと台番号の正当な組合せに合致する場合は、正当であると判断する。携帯端末920は、正当性判断の結果を表示部の画面に表示する。そして、ホール係員は、IDと台番号の組合せの正当性を携帯端末920の画面で確認できる。
なお、図83と図84以外でも、ホール管理装置940において、正当性判断を行い不正行為が行われたかチェックできる。
〔ID情報表示処理の変形例〕
図85は、ID情報表示処理の変形例の手順を示すフローチャートである。図85のB8501−B8503、B8506−B8522の処理は、図80のB8001−B8003、B8005−B8021の処理に対応するため、説明を省略する。図85のID情報表示処理によって、正当性判断を演出制御装置700で行う。
演出制御装置700は、ID情報表示モード開始条件が成立している場合に(B8003の結果が「Y」)、遊技用マイコン611の固有情報として、遊技用マイコン611のIDをメモリからロードする(B8504)。なお、ロードするIDは、遊技機1の設置時に記憶した設置時IDと、最新の電源投入時に遊技制御装置600からB2716の処理によって受信して記憶された新規受信IDである。
次に、演出制御装置700は、設置時IDと新規受信IDを比較して、これらが同じであるか否か判定する(B8505)。設置時IDと新規受信IDが同じである場合に(B8505の結果が「Y」)、B8506―B8518の処理に進み、通常の二次元コードを生成する。
一方、設置時IDと新規受信IDが異なる場合や設置時IDがない場合に(B8505の結果が「N」)、演出制御装置700は、新規受信IDをメモリの設置時ID領域に設置時IDとして格納する(B8523)。なお、今まで正常とされていた設置時IDがあればこれを消してしまう。次に、不正であることを示唆するNG用二次元コードを表示装置35の画面に表示する表示設定を行う(B8524)。例えば、位置検出パターンしかないような二次元コードの画像データを予め画像ROM723内に準備しておき、それを表示する。なお、NG用二次元コードの表示に代えて、IDが違っている旨を文字表示してもよい。次に、ID情報表示中フラグを設定する(B8525)。
〔遊技システムの動作シーケンスの変形例(新規設置時)〕
図86は、遊技機1の新規設置時における遊技システム910の動作シーケンスの変形例である。この変形例では、ID情報表示処理の変形例(図85)に対応して、演出制御装置700の動作のみが図82とは異なる。
演出制御装置700は、遊技機1の新規設置時の電源投入時に遊技制御装置600から送信された遊技用マイコン611のIDを受信して、メモリ(例えばFRAM704)に新規受信IDとして保存しておく(B2716)。演出制御装置700は、ホール設定モードが起動すると新規受信IDを設置時IDとして保存する(B8523)。
〔遊技システムの動作シーケンスの変形例(通常営業時)〕
図87は、遊技機1の新規設置時より後の通常営業時における遊技システム910の動作シーケンスの変形例である。演出制御装置700は、ID情報表示処理の変形例(図85)に対応して動作する。遊技制御装置600の動作は図84と同じであり、携帯端末920の動作は、図84とほぼ同様である。
演出制御装置700は、遊技機1の電源投入時に遊技制御装置600から送信された遊技用マイコン611のIDを受信して、メモリ(例えばFRAM704)に新規受信IDとして保存しておく(B2716)。演出制御装置700は、ホール設定モードが起動すると、設置時IDと新規受信IDを読み出して比較して、設置時IDと新規受信IDが同じであるか否か判断する(B8504、B8505)。
演出制御装置700は、判断結果に対応するID情報(二次元コード等)を表示する。即ち、設置時IDと新規受信IDが同じである場合に、正当と判断して、通常の二次元コードを生成する(B8506―B8518)。設置時IDと新規受信IDが異なる場合に、不正と判断して、新規受信IDを設置時IDとして保存し(B8523)、不正であることを示唆するNG用二次元コードを表示装置35の画面に表示する表示設定を行う(B8524)。NG用二次元コードは、異常と分かる色でコードを表示したり、薄い色でコードを表示したり、位置検出パターンのみを表示し、不正であることを示唆する。なお、NG用二次元コードに代えてIDが違っている旨を文字で表示するなど、NG用二次元コードを表示しなくてもよい。
携帯端末920は、二次元コードを撮影してID情報を読み取る。携帯端末920は、ID情報を復号して取得したIDと操作部等から入力された台番号の組合せの正当性を判断する。取得したIDと入力された台番号の組合せが、正常登録の情報として記憶したIDと台番号の正当な組合せに不一致である場合は、不当であると判断する。なお、NG用二次元コード(ID情報)からはIDを取得できない場合もあるため、IDを取得できない場合にも、不当であると判断する。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置600、主基板)は、遊技制御手段に備えられた演算処理装置(例えば、遊技用マイコン611)の固有情報を演出制御手段(演出制御装置700、サブ基板)へ送信する固有情報送信手段(A526の処理)を備える。演出制御手段(演出制御装置700)は、固有情報送信手段から送信された固有情報を受信する固有情報受信手段(B2716の処理)と、受信した固有情報に基づく出力情報を、読取装置で読み取り可能な二次元コードの表示態様にて生成する出力情報生成手段(ID情報表示処理)と、を備える。演出制御手段は、出力情報(二次元コード)を表示装置35に表示する。従って、演算処理装置や遊技制御手段(遊技制御装置600)が不正に交換された場合、不正を発見できる。又、設置場所が移動された場合でも、表示装置35に表示した出力情報を読み取って、機歴の管理ができる。
第3実施形態によると、遊技システム910は、遊技機1と読取装置(携帯端末920)とを備える。読取装置(携帯端末920)は、正当な固有情報と遊技機1の設置情報(台番号又は店舗情報)との正当な組合せを組合せ情報として記憶可能であり、表示装置35に表示された出力情報を読み取ることにより、遊技機1から固有情報を取得可能である。読取装置(携帯端末920)は、取得した固有情報と入力した設置情報(台番号又は店舗情報)との組合せが正当であるか否かを、組合せ情報に基づいて判定する。従って、演算処理装置や遊技制御手段(遊技制御装置600)が不正に交換された場合、不正を発見できる。
第3実施形態によると、遊技システム910は、読取装置が取得した固有情報を受信する外部管理装置(例えば機歴管理装置960)を備える。外部管理装置(例えば機歴管理装置960)は、受信した固有情報が正当な情報であるか否かを判定可能であるとともに、受信した固有情報と設置情報(台番号又は店舗情報)との組合せが正当であるか否かを判定可能であり、正当でないと判定した場合には、不正を検出したことを示す不正検出情報(不正であることを示す正当性判断の結果)を送信可能である。従って、演算処理装置や遊技制御手段(遊技制御装置600)が不正に交換されたものか否かがわかり、不正を発見できる。
第3実施形態によると、外部管理装置(例えば機歴管理装置960)は、新規登録であることを示す新規登録情報と同時に固有情報を受信した場合にのみ、受信した固有情報と設置情報(台番号又は店舗情報)との組合せが正当でなくても、不正検出情報を送信せず、受信した固有情報と設置情報との組合せを正当な組合せとして新規登録する。従って、遊技機の設置が正当に変更された場合に、不正報知してしまうことがなくなる。又、新規登録によって、設置場所が移動された場合でも機歴の管理ができる。
第3実施形態によると、固有情報送信手段(A526の処理)は、遊技機1の電源が投入されたことに基づき、遊技制御手段から演出制御手段へ固有情報を送信可能であり、遊技システムにおいて操作が行われることに基づき、新規登録情報が外部管理装置に送信される。従って、遊技制御手段から演出制御手段への固有情報の送信は電源投入時に自動的に行われるが、新規登録情報は人為的に操作を行わなければ送信されないため、不正に交換した演算処理装置や遊技制御手段(遊技制御装置600)の固有情報が正当な組合せとして登録されてしまうことがない。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。