以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が流入しても表示は増えない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入しても表示は増えない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。その他に演出ユニット40には、演出用の可動体(例えばキャラクターのフィギュア、装飾物等)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属していてもよい。演出用の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図7中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図7中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図7)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図7は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図8は、スイッチ入力イベント処理(図7中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図7)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図9は、第1特別図柄記憶更新処理(図8中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が上限値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図8)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が上限値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図7中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が時間短縮機能作動中であるか否かを確認する。時間短縮機能が非作動であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行し、時間短縮機能が作動中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS39に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、第1特別図柄の作動記憶と第2特別図柄の作動記憶がともに残存する場合、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動を優先して行う(第2特別図柄の作動記憶を優先して消化する)こととしており、特に時間短縮機能作動中は可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるからである。なお、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば251分の250程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で6秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.5秒程度→1.5秒程度に延長)されるため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の変動を優先しても、その作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄について優先順位を設けることなく、これらを入賞発生順に当り判定(変動)することとしてもよい。
ステップS37:時間短縮機能が非作動の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図8)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図10は、第2特別図柄記憶更新処理(図8中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図8)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図9)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図7中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図9)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図9)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図9)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図9)と同様である。
ステップS46:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。ここで、ステップS46の前に時間短縮機能の作動状態を判定するステップを設けていないのは、上記のように本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させるため、時間短縮機能の作動状態に関わらず、第2特別図柄については事前に内部抽選の結果を判定し、その結果を先読み演出に利用できるからである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図8)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図11は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS37,図10中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はここで取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図9)又は第2特別図柄記憶更新処理(図10)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、ここで主制御CPU72は呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図9)又は第2特別図柄記憶更新処理(図10)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図9)又は第2特別図柄記憶更新処理(図10)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図7)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図12は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、15回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また15ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、各当選種類によって可変入賞装置30の開閉動作パターンが異なっている。なお、これらの詳細についてはさらに後述する。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図7中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(高確率状態移行手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば251分の250程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で6秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.5秒程度→2.5秒程度に延長)される。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として「15ラウンド確変大当り1(特定当選種類)」、「15ラウンド確変大当り2(特定当選種類)」、「15ラウンド確変大当り3」、「15ラウンド確変大当り4」、「15ラウンド確変大当り5」及び「15ラウンド通常(非確変)大当り(通常当選種類)」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類として「2ラウンド確変大当り1」及び「2ラウンド確変大当り2」が設けられている。なお、ここでは「2ラウンド確変大当り」を2種類としているが、その他の「2ラウンド確変大当り3」や「2ラウンド確変大当り4」等が設けられていてもよい。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「15ラウンド確変大当り1」は「15ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り2」は「15ラウンド確変図柄2」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り3」は「15ラウンド確変図柄3」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り4」は「15ラウンド確変図柄4」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り5」は「15ラウンド確変図柄5」の大当りに対応する。また、「2ラウンド確変大当り1」は例えば「2ラウンド確変時短あり図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド確変大当り2」は例えば「2ラウンド確変時短なし図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔15ラウンド通常図柄〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。このため「15ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄1,5〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。これら「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄5」の大当り遊技もまた、15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお、「15ラウンド確変図柄1」と「15ラウンド確変図柄5」では、それぞれが対応する演出の内容(表面上の見せ方)が異なっている。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄2〕
また先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目までにおいては、それぞれ充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われるが、6ラウンド目において極端に短時間(例えば0.1秒)内の大入賞口の開放が例えば10回まで行われた後、同じ6ラウンド目においてある程度の充分な時間(例えば最長で26.5秒)をかけて大入賞口の開放が1回行われる。そして、続く7ラウンド目からは再び充分な時間(例えば最長で29.0秒)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。したがって、1ラウンド目から5ラウンド目までで大入賞口への入賞は比較的容易に発生するが、続く6ラウンド目において10回の短期間内の開放時に大入賞口への入賞はほとんど発生することはない。ただし、同じ6ラウンド目で大入賞口の11回目の開放(例えば開放時間が最長で26.5秒)からは大入賞口への入賞が比較的容易に発生する。そして、7ラウンド目以降は再び充分な時間(例えば最長で29.0秒)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われるので、この間に大入賞口への入賞は比較的容易に発生する。したがってこの場合、途中の6ラウンド目で可変入賞装置30の開閉動作パターンが一時的に変化するが、実質的には15ラウンド分の出玉(賞球)が遊技者に付与されることになる。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄3〕
また先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目までにおいては、それぞれ充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われるが、6ラウンド目以降は極端に短時間(例えば0.1秒)内の大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。したがって、1ラウンド目から5ラウンド目までは大入賞口への入賞が比較的容易に発生するが、6ラウンド目以降の15ラウンド目までの間は、いずれも短期間内の開放時に大入賞口への入賞はほとんど発生することはない。したがって「15ラウンド確変図柄3」の大当り遊技は、当選種類上は「15ラウンド大当り」であるものの、実質的には5ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する大当りとなる。なお、ここでも大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄4〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄4」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、例えば1ラウンド目において極端に短時間(例えば0.1秒)内の大入賞口の開放が例えば2回まで行われた後、同じ1ラウンド目において充分な長い時間(例えば最長で26.0秒)をかけて大入賞口の開放が1回行われ大入賞口の開放が1回行われる。そして、続く2ラウンド目以降(15ラウンド目まで)は、充分に長い時間(例えば最長で29.0秒)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われる。したがって、1ラウンド目に2回の短期間内の開放時に大入賞口への入賞はほとんど発生することはないが、同じ1ラウンド目で大入賞口の3回目の開放からは大入賞口への入賞が比較的容易に発生し、これは2ラウンド目以降も継続する。したがって、「15ラウンド確変図柄4」の大当り遊技は、実質的に15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものである。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変時短あり図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変時短あり図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変時短あり図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変時短あり図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」及び「時間短縮機能」をともに作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典とともに、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変時短なし図柄〕
一方、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変時短なし図柄」の態様で停止表示されると、同じくそれまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ここでも同様に、2ラウンドの大当り遊技は15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変時短なし図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。ただし、大当り遊技終了後に「時間短縮機能」は作動しないため、遊技者の見た目上は通常の状態(通常確率状態であり、かつ、時間短縮機能が非作動の状態)と変わらず、内部的に「高確率状態」であることが遊技者に認識されにくい。したがってこの場合、いわゆる「隠し確変」の遊技状態となる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図13は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図7中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。
ステップS2250:次に主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかに対応する方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。このとき減算対象となる作動記憶数カウンタは、先のステップS2200で記憶した乱数のシフトを行った方に対応するものである。これにより、上記の表示出力管理処理(図7中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図7中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて上記の8種類が用意されている。8種類の内訳は、上記のとおり「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」である。ただし本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」のいずれかが選択される。一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかが選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図14は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図14に示される大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「28」,「44」,「1」,「4」,「3」,「20」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の28(=28%)であり、「15ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の44(=44%)である。また、「15ラウンド確変図柄4」が選択される割合は100分の1(=1%)、「15ラウンド確変図柄5」が選択される割合は100分の4(=4%)である。そして、「2ラウンド確変時短あり図柄」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「2ラウンド確変時短なし図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)となっている。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は72%である。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「15ラウンド確変図柄2」及び「15ラウンド確変図柄3」についての振分値は設定されていない。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、その右側カラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「04H」,「05H」,「06H」,「07H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「15ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
また図15は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図15に示される大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「28」,「41」,「9」,「8」,「4」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」及び「15ラウンド確変図柄5」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においても、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の28(=28%)である。一方、「15ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の41(=41%)であり、「15ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の9(=9%)である。また、「15ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「15ラウンド確変図柄5」が選択される割合は100分の4(=4%)となっている。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は72%である。また第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「15ラウンド確変図柄4」、「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その右側カラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」,「05H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「15ラウンド確変図柄3」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔図13:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「2ラウンド確変時短なし図柄」に該当する場合を除き、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」又は「2ラウンド確変時短あり図柄」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図12:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図13中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔大当り時変動パターン決定処理〕
次に、特別図柄変動前処理の中で行われる大当り時変動パターン決定処理(図13中のステップS2412)の内容について説明する。大当り時変動パターン決定処理は、上記のように内部抽選の結果が当選(小当り以外の大当り)に該当した場合に実行される処理であるが、本実施形態においては、その前の大当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS2410)において、当選時の内部状態が「高確率状態」であるか否かによって第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを決定する手法が異なっている。さらに「高確率状態」であっても、大当り時の当選種類(当選図柄)として「15ラウンド確変図柄」が選択されたか否かによっても第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを決定する手法が異なっている。
図16は、大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
〔通常確率状態〕
先ず大当り時の内部状態が「通常確率状態」である場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
ステップS2600:主制御CPU72は、現在の内部状態が「高確率状態」であるか否かを判断する。この判断は、上記の特別図柄確率状態フラグの値を参照することで行われる。主制御CPU72は確率状態フラグの値から現在の内部状態が「高確率状態」でないことを確認すると(No)、次にステップS2608に進む。
ステップS2608:主制御CPU72は、通常(低)確率中当選時変動パターンテーブル選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えばROM74のテーブル格納領域にアクセスし、「通常(低)確率中当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスを取得(指定)する。なお「通常(低)確率中当選時変動パターン選択テーブル」は、当選図柄別に用意されていてもよい。この場合、主制御CPU72はそのときの当選種類(大当り時停止図柄番号)に基づいて、当選図柄別の「通常(低)確率中当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスを取得(指定)する。
ステップS2604:次に主制御CPU72は選択抽選を実行する。具体的には、主制御CPU72は今回の変動パターン決定乱数値(例えば、0〜255のいずれかとする)を「通常(低)確率中当選時変動パターン選択テーブル」の比較値と比較し、該当する変動パターン番号を選択する。ここでは図示していないが、「通常(低)確率中当選時変動パターン選択テーブル」には、例えば予め複数種類の「大当りリーチ変動パターン1〜20」が規定されており、その中からいずれかの番号が選択されることになる。
ステップS2606:そして主制御CPU72は、選択した番号に基づいて今回の変動パターンを設定する。具体的には、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(大当りリーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、例えばMODE値−EVENT値の形式で記述された「97H01H」等の2バイトのコマンドである。なお変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔高確率状態〕
一方、大当り時の内部状態が「高確率状態」である場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。上記のように高確率中は、さらに当選種類(当選図柄)が「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」のいずれかであるか否かによって変動パターンの選択手法が異なってくる。以下、具体的に説明する。
先のステップS2600において、確率状態フラグの値から現在の内部状態が「高確率状態」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2601に進む。
〔高確率中15ラウンド確変図柄当選時〕
大当り時の当選図柄として「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」のいずれかが選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
ステップS2601:主制御CPU72は、選択された当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄2」のいずれかに該当するか否かを判断する。この判断は、例えば上記の大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。主制御CPU72は、例えばRAM76のバッファ領域にアクセスし、該当するアドレスから大当り時停止図柄番号の値を読み出す。その結果、「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」のいずれかに対応する値であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2602を実行する。なお本実施形態では、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」では第2特別図柄の変動が優先されることから、この間の当選種類が「15ラウンド確変図柄4」に該当することはほとんどない。ただし、「高確率状態」には上記のように「時間短縮機能」が作動しない「隠し確変」も含まれるため、ここでは便宜上、「15ラウンド確変図柄4」をも含めて判断している。
ステップS2602:この場合、主制御CPU72は高確率中15ラウンド確変当選時変動パターンテーブル選択処理を実行する。この処理で、主制御CPU72は同じくROM74のテーブル格納領域にアクセスし、当選図柄別選択テーブル(図示していない)から該当するテーブルアドレス(1)〜(5)を取得(指定)する。ここで取得したテーブルアドレス(1)〜(5)には、それぞれ「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」の当選時に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。例えば、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」に該当する場合、主制御CPU72はテーブルアドレス(1)を取得する。このときテーブルアドレス(1)には、「高確率中15ラウンド確変図柄1当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されている。あるいは、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄2」に該当する場合、主制御CPU72はテーブルアドレス(2)を取得する。このテーブルアドレス(2)には、「高確率中15ラウンド確変図柄2当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されている。以下同様に、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄3」,「15ラウンド確変図柄4」,「15ラウンド確変図柄5」に該当する場合、主制御CPU72はそれぞれテーブルアドレス(3),(4),(5)を取得する。このうちテーブルアドレス(3)には、「高確率中15ラウンド確変図柄3当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されており、またテーブルアドレス(4)には、「高確率中15ラウンド確変図柄4当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されており、そしてテーブルアドレス(5)には、「高確率中15ラウンド確変図柄5当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されている。なお、上記のように本実施形態では、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」で当選種類が「15ラウンド確変図柄4」に該当することはほとんどないことから、テーブルアドレス(4)が取得されることはほとんどないが、ここでも便宜上、「高確率中15ラウンド確変図柄4当選時変動パターン選択テーブル」が規定されている。
本実施形態では、高確率状態での大当り時に「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」のいずれかに該当した場合、演出上で例えば「特定リーチ」を発生させる制御を行うこととしている。またこれらの中でも、特に「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」に該当した場合、演出上で「特定リーチ」を発生させつつ、停止表示時に非当選(はずれ)の態様で演出を行う制御を行うこととしている。このため「高確率中15ラウンド確変図柄1当選時変動パターン選択テーブル」、「高確率中15ラウンド確変図柄2当選時変動パターン選択テーブル」及び「高確率中15ラウンド確変図柄3当選時変動パターン選択テーブル」には、例えば予め複数種類の「特定リーチ」に対応した変動パターンが規定されており、その中からいずれかの番号が選択されることになる。なお、上記の「特定リーチ」の具体的な内容については、本実施形態における演出上の特徴とその制御手法とともに後述するものとする。
〔高確率中15ラウンド確変図柄1当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図17は、高確率中15ラウンド確変図柄1当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば6つの段階的に異なる値「78」,「155」,「195」,「235」,「245」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「114」〜「119」が割り当てられている。特に本実施形態では、高確率状態で「15ラウンド確変図柄1」に当選した場合、演出上で「特定リーチ」を発生させた後、確変大当りの態様で図柄が停止表示される制御を行うこととしている。したがって、これら変動パターン番号「114」〜「119」は、いずれも演出上で上記の「特定リーチ」を発生させるとともに、確変大当りで図柄が停止表示されるリーチ変動パターン(特定リーチ後当り変動パターン)に該当するものとなっている。
なお、「リーチ変動パターン」と「非リーチ(通常)変動パターン」では、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」が基本的に短い変動時間(例えば6.0秒〜12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜60秒程度)に対応するものである。また、上記のように演出上で「特定リーチ」を発生させる場合、演出に必要な時間(いわゆる「尺の長さ」)を考慮した充分に長い変動時間(例えば120秒〜160秒程度)がリーチ変動パターンに設定されている。
主制御CPU72は選択抽選(次のステップS2604)において、取得した変動パターン決定乱数値を選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「150」であったとすると、最初の比較値「78」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「155」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「115」を選択する。
〔高確率中15ラウンド確変図柄2当選時変動パターン選択テーブルの例〕
次に図18は、高確率中15ラウンド確変図柄2当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。この選択テーブルもまた、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、同じく6つの段階的に異なる値「78」,「155」,「195」,「235」,「245」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「120」〜「125」が割り当てられている。特に本実施形態では、高確率状態で「15ラウンド確変図柄2」に当選した場合、演出上で「特定リーチ」を発生させた後、見た目上は非当選(はずれ)の態様で図柄が停止表示される制御を行うこととしている。したがって、これら変動パターン番号「120」〜「125」は、いずれも演出上で上記の「特定リーチ」を発生させるとともに、非当選の態様で図柄が停止表示されるリーチ変動パターン(特定リーチ後はずれ演出変動パターン)に該当するものとなっている。ただし、非当選の態様で図柄が停止表示されるのはあくまで演出上でのことであり、主制御CPU72による特別図柄遊技の制御上は当選の態様で特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が停止表示されることは言うまでもない。
同様に主制御CPU72は、選択抽選(次のステップS2604)において、取得した変動パターン決定乱数値を選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「157」であったとすると、最初の比較値「78」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「155」と乱数値を比較する。すると、ここでも乱数値が比較値を超えているため、さらに主制御CPU72は次の比較値「195」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「122」を選択する。
〔図16:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
いずれにしても、先のステップS2602で変動パターン選択テーブルをテーブルアドレス(1)〜(5)から選択すると、主制御CPU72はステップS2604において、以上のような変動パターンの選択抽選を実行する。
ステップS2606:そして主制御CPU72は、選択した番号に基づいて今回の変動パターンを設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。
〔高確率中15ラウンド確変図柄以外の当選時〕
一方、高確率状態で大当り時の当選種類として「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」以外の当選図柄が選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
ステップS2601:例えば、高確率状態で大当り時に「15ラウンド通常図柄」が選択されるか、あるいは、上記の「隠し確変」の状態で第1特別図柄に対応する内部抽選で大当りし、「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」のいずれかが選択された場合、主制御CPU72は、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」のいずれにも対応しない(No)と判断する。この場合、主制御CPU72は次にステップS2607を実行する。
ステップS2607:この場合、主制御CPU72は高確率中非15ラウンド確変当選時変動パターンテーブル選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はROM74のテーブル格納領域にアクセスし、当選図柄別選択テーブル(図示していない)から該当するテーブルアドレス(6)〜(8)を取得(指定)する。ここで取得したテーブルアドレス(6)〜(8)には、それぞれ「15ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変時短あり図柄」、「2ラウンド確変時短なし図柄」のそれぞれの当選時に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。例えば、今回の当選図柄が「15ラウンド通常図柄」に該当する場合、主制御CPU72はテーブルアドレス(6)を取得する。このときテーブルアドレス(6)には、「高確率中15ラウンド通常図柄当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されている。あるいは、今回の当選図柄が「2ラウンド確変時短あり図柄」に該当する場合、主制御CPU72はテーブルアドレス(7)を取得する。このテーブルアドレス(7)には、「高確率中2ラウンド確変時短あり図柄当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されている。そして、今回の当選図柄が「2ラウンド確変時短なし図柄」に該当する場合、主制御CPU72はテーブルアドレス(8)を取得する。このテーブルアドレス(8)には、「高確率中2ラウンド確変時短なし図柄当選時変動パターン選択テーブル」の先頭アドレスが記述されている。
ステップS2604:いずれかの変動パターン選択テーブルをテーブルアドレス(6)〜(8)から選択すると、次に主制御CPU72は選択抽選を実行する。具体的には、主制御CPU72は今回の変動パターン決定乱数値(0〜255)を上記の「高確率中15ラウンド通常図柄当選時変動パターン選択テーブル」、「高確率中2ラウンド確変時短あり図柄当選時変動パターン選択テーブル」又は「高確率中2ラウンド確変時短なし図柄当選時変動パターン選択テーブル」のいずれかの比較値と比較し、該当する変動パターン番号を選択する。
本実施形態では、高確率状態での大当り時に「15ラウンド通常図柄」に該当した場合、演出上で「特定リーチ」とは別のリーチ演出を発生させる制御を行うこととしている。また、「隠し確変」の状態で「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」に該当した場合、演出上で特にリーチ演出を発生させる制御は行われない。このため「高確率中15ラウンド通常図柄当選時変動パターン選択テーブル」には、例えば予め「特定リーチ」に対応しない複数種類のリーチ変動パターンが規定されており、その中からいずれかの番号が選択されることになる。また「高確率中2ラウンド確変時短あり図柄当選時変動パターン選択テーブル」又は「高確率中2ラウンド確変時短なし図柄当選時変動パターン選択テーブル」には、例えば予め複数種類の非リーチ変動パターンが規定されている。
ステップS2606:そして主制御CPU72は、選択した番号に基づいて今回の変動パターンを設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。
以上の手順を経て主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図13)に復帰し、上記のように大当り時その他設定処理及び特別図柄変動開始処理(図13中のステップS2413,ステップS2414)を実行する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図19は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図12中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「15ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図20は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図7中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図21は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図22は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図12)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りであるが、これについては次の図23で一覧表にまとめている。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については20ms程度、「15ラウンド図柄」については数秒程度に設定されるものとする。ただし、上記のように「15ラウンド確変図柄3」については、その6ラウンド目から15ラウンド目までの開放時間が極端な短時間(0.1秒程度)に設定されているため、これに合わせてインターバル時間も20ms程度に設定されている。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となるが、上記のように開放時間はラウンド数やラウンド内での開放回数(何回目の開放であるか)によって異なる。なお、大当り時開放タイマの値として26.5秒や26.0秒、29.0秒等が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となるが、上記のようにラウンド数と開放回数(何回目の開放であるか)によってインターバル時間の設定は異なる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば10ms程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔当選図柄別開放パターンの設定例〕
図23は、当選図柄別の大入賞口開放パターンをグループ別に示した一覧表である。このうち図23中(A)の一覧表は、1ラウンド目から5ラウンド目までの大入賞口開放パターンを共通とする当選図柄のグループについて、それぞれの大入賞口の開放パターンを示している。また図23中(B)の一覧表は、1ラウンド目と2ラウンド目の大入賞口開放パターンを共通とする当選図柄のグループについて、それぞれの大入賞口の開放パターンを示している。主制御CPU72は先の図柄別開放パターン設定処理(図22中のステップS5204)において、図23に示される当選図柄別に規定された大入賞口開放パターンをラウンド数別・開放回数別に設定する。
〔15ラウンド通常図柄〕
図23中(A)の最上段に示されているように、「15ラウンド通常図柄」については、1ラウンド目から5ラウンド目、6ラウンド目及び7ラウンド目以降の15ラウンド目までの全てのラウンドについて、例えば「29.0秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されている。この場合の大当り遊技(特別遊技)は、遊技者に15ラウンド分の出玉(賞球)を付与するものとなる。
〔15ラウンド確変図柄1〕
図23中(A)の2段目に示されているように、「15ラウンド確変図柄1」についても1ラウンド目から5ラウンド目、6ラウンド目及び7ラウンド目以降の15ラウンド目までの全てのラウンドについて、例えば「29.0秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されている。この場合の大当り遊技(特別遊技)もまた、遊技者に15ラウンド分の出玉(賞球)を付与するものとなる。
〔15ラウンド確変図柄2〕
次に図23中(A)の3段目に示されているように、「15ラウンド確変図柄2」については、1ラウンド目から5ラウンド目までの各ラウンドについて、例えば「29.0秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されているが、6ラウンド目については、例えば「0.1秒開放×10回」及び「26.5秒開放×1回」という大入賞口開放パターンが規定されている。また、7ラウンド目以降の15ラウンド目までは、各ラウンドについて「29.0秒開放×1回」という大入賞口開放パターンが規定されている。この場合、大当り遊技(特別遊技)中の6ラウンド目で一時的(開放1回目〜10回目まで)に大入賞口への入賞は困難となるが、同じ6ラウンド目の開放11回目で充分な開放時間(26.5秒)が確保されているため、6ラウンド目においても大入賞口への入賞は比較的容易に発生する。したがって、遊技者の見た目上は大当り遊技が5ラウンド目までで終了するかのように認識されるが、その後、大入賞口が充分に長い時間をかけて開放動作を再開するため、この場合の大当り遊技は実質的に15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
〔15ラウンド確変図柄3〕
次に図23の4段目に示されているように、「15ラウンド確変図柄3」については、1ラウンド目から5ラウンド目までの各ラウンドについて、例えば「29.0秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されているが、6ラウンド目については例えば「0.1秒開放×1回」という極めて短時間の大入賞口開放パターンが規定されており、さらに7ラウンド目以降の15ラウンド目までについても「0.1秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されている。この場合、大当り遊技中の1ラウンド目から5ラウンド目までは比較的容易に大入賞口への入賞が発生するが、6ラウンド目以降の15ラウンド目までは、各ラウンド内で大入賞口への入賞を発生させることは極めて困難である。したがって、この場合の大当り遊技は、実質的に5ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
〔15ラウンド確変図柄5〕
そして図23中(A)の最下段に示されているように、「15ラウンド確変図柄5」については、1ラウンド目から5ラウンド目、6ラウンド目及び7ラウンド目以降の15ラウンド目までの全てのラウンドについて、例えば「29.0秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されている。この場合の大当り遊技(特別遊技)もまた、遊技者に15ラウンド分の出玉(賞球)を付与するものとなる。なお、「15ラウンド確変図柄1」と「15ラウンド確変図柄5」では、上記のようにそれぞれが対応する演出の内容(表面上の見せ方)が異なっている。すなわち「15ラウンド確変図柄5」については、演出上で非確変大当りした場合と同様の図柄の停止表示態様(例えば「6−6−6」の組み合わせ)を発生させ、その後の大当り遊技(大役)中に確変大当りへの昇格を演出上で発生させる制御を行うこととしている。一方の「15ラウンド確変図柄1」については、演出上で最初から確変大当りした場合の図柄の停止表示態様(例えば「7−7−7」の組み合わせ)を発生させる制御を行うこととしているが、いずれも主制御CPU72による特別図柄遊技制御上で「確変大当り」となる点は同じである。
以上は、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば29.0秒)の大入賞口開放パターンが規定されている当選図柄のグループについての説明である。これに対し、「15ラウンド確変図柄4」、「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」については、1ラウンド目から極めて短時間の大入賞口開放パターンが規定されている当選図柄のグループとなる。以下、それぞれについて説明する。
〔15ラウンド確変図柄4〕
図23中(B)の最上段に示されているように、「15ラウンド確変図柄4」については、1ラウンド目で例えば「0.1秒開放×2回」及び「26.0秒開放×1回」という大入賞口開放パターンが規定されている。そして、2ラウンド目については例えば「29.0秒開放×1回」の大入賞口開放パターンが規定されており、また3ラウンド目以降の15ラウンド目までは、各ラウンドについて「29.0秒開放×1回」という大入賞口開放パターンが規定されている。この場合、大当り遊技(特別遊技)中の1ラウンド目において、当初は一時的(開放1回目と2回目まで)に大入賞口への入賞は困難となるが、同じ1ラウンド目の開放3回目で充分な開放時間(26.0秒)が確保されているため、1ラウンド目から大入賞口への入賞は比較的容易に発生する。そして、その後の2ラウンド目以降は全て充分な開放時間(29.0秒)が確保されているため、やはり大入賞口への入賞は比較的容易に発生する。したがって、遊技者の見た目上は大当り遊技があたかも2ラウンドまでの短期間で終了してしまうかのように認識されるが、その後、大入賞口が充分に長い時間をかけて開放動作を再開するため、この場合の大当り遊技は実質的に15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
〔2ラウンド確変時短あり図柄〕
図23中(B)の2段目に示されているように、「2ラウンド確変時短あり図柄」については、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×1回」が規定されており、2ラウンド目の開放パターンとして同じく「0.1秒開放×1回」が規定されている。なお、当選図柄が「2ラウンド大当り」であるため、ここでは3ラウンド目以降の開放パターンは当然に規定されていない。したがってこの場合、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生することは極めて困難であることから、2ラウンドの大当り遊技は実質的に出玉(賞球)を遊技者に付与しない短期間のものとなる。ただし、「2ラウンド確変時短あり図柄」については、上記のように大当り終了後に確率変動機能及び時間短縮機能がともに付加される。
〔2ラウンド確変時短なし図柄〕
また図23中(B)の最下段に示されているように、「2ラウンド確変時短なし図柄」についても、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×1回」が規定されており、2ラウンド目の開放パターンとして同じく「0.1秒開放×1回」が規定されている。また同様に、3ラウンド目以降の開放パターンは当然に規定されていない。そして、この場合も大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生することは極めて困難であることから、2ラウンドの大当り遊技は実質的に出玉(賞球)を遊技者に付与しない短期間のものとなる。また、「2ラウンド確変時短なし図柄」については、上記のように大当り終了後に時間短縮機能は付加されず、確率変動機能だけが付加される。
〔当選図柄別大入賞口開放パターンのまとめ〕
以上の当選図柄別に規定されている大入賞口開放パターンにより、本実施形態では以下のゲーム性が実現されている。
〔15ラウンド開放動作を行う当選図柄グループ〕
(1)図23中(A)の当選図柄グループについては、大当り時に「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかに該当すると、大当り遊技中の1ラウンド目から15ラウンド目までを通して比較的容易に大入賞口への入賞が発生する。このため「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかで大当りした場合、遊技者は15ラウンド分の出玉(賞球)を容易に獲得することができる。
特に「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかに該当した場合、大当り遊技の終了後に高確率状態及び時間短縮状態に移行する特典が付与されるため、その後の遊技において抽選の契機となる事象(下始動入賞口28aへの入賞)が発生しやすくなるとともに、内部抽選が遊技者にとって有利な条件(当選確率が通常確率状態の10倍程度)で行われる。これにより、次回の大当りが比較的短期間(比較的少ない変動回数)のうちに発生しやすくなるため、短期間内に大当りの連続(いわゆる連チャン)を発生させることができる。
(2)一方、大当り時に「15ラウンド確変図柄3」に該当すると、大当り遊技中の1ラウンド目から5ラウンド目までは比較的容易に大入賞口への入賞が発生するが、6ラウンド目以降の15ラウンド目までは大入賞口への入賞が極めて困難となる。このため「15ラウンド確変図柄5」で大当りした場合、当選図柄上は「15ラウンド」であっても、遊技者は実質的に5ラウンド分の出玉(賞球)を獲得することになる。このように「15ラウンド確変図柄3」については、同じ「確変大当り」ではあるものの、「15ラウンド確変図柄1」や「15ラウンド確変図柄5」よりも出玉数の少ない大当りとして位置付けられている。ただし、大当り遊技の終了後に高確率状態及び時間短縮状態に移行する特典が付与されるため、次回の大当りは比較的短期間(比較的少ない変動回数)のうちに発生しやすくなる。
(3)上記の(2)と関連して、大当り時に「15ラウンド確変図柄2」に該当すると、同じく大当り遊技中の1ラウンド目から5ラウンド目までは比較的容易に大入賞口への入賞が発生するが、6ラウンド目で一時的(開放1回目から10回目まで)に大入賞口への入賞が極めて困難となる。この場合、遊技者の見た目上は5ラウンドまでで大当り遊技が終了するかのように認識されるが、その後に大入賞口の開放動作が再開し、15ラウンドまで継続するため、遊技者は実質的に15ラウンド分の出玉(賞球)を獲得することができる。
このように「15ラウンド確変図柄2」については、途中で6ラウンド目の当初に「15ラウンド確変図柄3」と同じ大入賞口開放パターンで可変入賞装置30が動作するため、「15ラウンド確変図柄3」と見た目上の区別が付きにくい。したがって遊技者にとっては、大当り時に「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」のいずれに該当したかを第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35の停止表示態様から明確に区別できない場合、大当り遊技中の6ラウンド目以降(6ラウンド中又は6ラウンド〜15ラウンドまで)に大入賞口の開放動作が短時間(0.1秒)で10回行われている間は、そのまま大当り遊技が終了してしまうのか、それとも大入賞口の開放が再開されて15ラウンドまで大当り遊技が継続するのかの分かれ道となる。これにより、大当り遊技の途中にも緊張感のある山場(見せ場)を発生させることで、遊技の単調化を防止することができる。
〔2ラウンド開放動作を行う当選図柄グループ〕
(4)また図23中(B)の当選図柄グループについては、大当りの開始時から大入賞口が2回(0.1秒ずつ)開放するまでの挙動について、複数の当選図柄(当選種類)にまたがって共通の開放パターンが規定されていることがわかる。すなわち、大当り遊技の開始当初から0.1秒×2回開放パターンを有する「15ラウンド確変図柄4」、「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」については、互いに当選図柄が異なるものの、大当り開始時から2回目の大入賞口の開放までの挙動は全て共通している。ただし、これらは大当りの開始から終了時までを通して全て共通するのではなく、あくまで大当りの開始時から2回目の大入賞口の開放までであり、その後の展開(可変入賞装置30の挙動)は当選図柄に応じて共通の場合もあれば、異なる場合もある。
すなわち、当選図柄が「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」に該当していれば、大当りの開始に伴い大入賞口が0.1秒ずつ2回だけ開放し、そのまま大入賞口が閉止されて大当りが終了する。この場合、1回あたりの開放時間が極端に短いため、大入賞口への入賞は不能ではないものの、実際(実質的)には極めて困難であることがわかる。したがって「2ラウンド確変時短あり図柄」又は「2ラウンド確変時短なし図柄」の大当り中に賞球(出玉)が発生することはほとんどない。
一方、当選図柄が「15ラウンド確変図柄4」に該当していれば、大当りの開始に伴い大入賞口が0.1秒ずつ2回だけ開放して大入賞口が閉止されるが、続いて同じ1ラウンド中に大入賞口が3回目に最長で26.0秒にわたり再び開放して閉止される。さらに、2ラウンド目からは最長で29.0秒の充分な長時間にわたり大入賞口が開放されるため、1ラウンド目の3回目以降は全て大入賞口への入賞が容易となる。
以上を遊技者の立場から見ると、大当り開始時から極めて短時間で大入賞口が2回開放して終了する大当りは「出玉(賞球)なし」であり、逆に3回目以降も大入賞口が開放する大当りは「出玉(賞球)あり」であるということがわかる。したがって遊技者にとっては、短時間で大入賞口が2回開放しただけで終了してしまうのか、それとも3回目以降まで(本実施形態では15ラウンドまで)大入賞口の開放が継続するのかが出玉の有無を決める大きな分かれ道となる。これにより本実施形態では、大当り開始時から0.1秒×2回の開放中に「果たして3回目以降の開放があるのか?」という緊張感や期待感を遊技者に抱かせ、それによって新たな興趣を提供することができる。
なお「確率変動機能」の作動という観点からいえば、たとえ大入賞口の開放が0.1秒×2回で終了してしまったとしても、その後に時間短縮機能が作動すれば、「高確率状態」に以降したことが明確となるため、「突発的に確変状態に突入した」という驚きを遊技者に与えることができる。一方、大入賞口の開放が0.1秒×2回で終了し、その後に時間短縮機能が作動しなかったとしても、上記のように「隠し確変状態に期待が持てる」という意味で別の興趣を提供することもできる。そして、「大入賞口の開放が0.1秒×2回で終了する」という表面的(見た目上)の挙動については、上記のように「小当り」の場合でも同様に発生するため、それによって生じるフェイク効果(「小当り」と「隠し確変」とが区別しにくい)と相まって、益々遊技者の期待感や探求心を刺激することができる。
以上のように当選図柄別に設定された大入賞口開放パターンに基づく可変入賞装置30の挙動は、例えば以下の大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理を通じて制御されている。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図24は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図22中のステップS5208又はステップS5216)で設定したラウンド数別・開放回数別の開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放、また「15ラウンド確変図柄4」の1ラウンド目における2回目までの開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。また同様に、「15ラウンド確変図柄2」の6ラウンド目における10回目までの開放や、「15ラウンド確変図柄3」の6ラウンド目から15ラウンド目までの開放については、やはり開放タイマの値が短時間に設定されているので、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図22中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。なおインターバルタイマは、大入賞口の1回の開放ごとに設定されている。すなわち、「15ラウンド確変図柄2」や「15ラウンド確変図柄4」については、同じラウンド内(6ラウンド目又は1ラウンド目)で複数回の開放を行うため、インターバルタイマはそれぞれの開放回数ごとに設定されている。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。「現ラウンド内で設定した回数」は、例えば図23中(A)に示されているように、「15ラウンド確変図柄2」の場合、その1ラウンド目から5ラウンド目では1回、6ラウンド目では11回、7ラウンド目以降では1回にそれぞれ設定されている。あるいは図23中(B)に示されているように、「15ラウンド確変図柄4」の場合、その1ラウンド目では3回、2ラウンド目以降ではそれぞれ1回に設定されている。その他の「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄5」、「2ラウンド確変時短あり図柄」及び「2ラウンド確変時短なし図柄」の場合、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがってこれらの場合、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄4」の場合、それぞれ6ラウンド目で11回又は1ラウンド目で3回の開閉動作を繰り返すまでの間は、カウンタ値が設定した回数に達していない(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図25は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図21中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図22中のステップS5218)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図21中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図26は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図13中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図13中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図12中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
以上が主制御CPU72による遊技制御処理の基本的な流れである。このような遊技制御処理を通じて、本実施形態のパチンコ機1において以下のゲーム性が実現されている。
(1)確変比率による大当りの連続性
本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選で大当りした場合の当選種類(当選図柄)の選択において、「確変図柄」の選択比率が全体の72%を占めている(図14,図15を参照)。このため本実施形態では、大当り遊技の終了後に明確な高確率状態(時間短縮状態を伴うもの)に移行する頻度が比較的高く、それによって大当りの連続性を高くしたゲーム性が実現されている。
(2)第2特別図柄の変動優先による出玉の連続性
加えて本実施形態では、明確な高確率状態では第2特別図柄の作動記憶が途切れにくく、基本的に第1特別図柄よりも第2特別図柄の作動記憶が優先して消化(消費)されるため、高確率状態での大当り時に「2ラウンド確変図柄」が選択されることはない(第2特別図柄の変動時)。これにより、本実施形態では高確率状態の継続中に2ラウンドの大当りが発生せず、毎回の大当りで出玉の獲得が連続するというゲーム性が実現されている。
(3)複数の確変図柄による大当りの多様性
また本実施形態では、出玉のある「確変図柄」にも複数の種類があり、大きく分けて〔1〕15ラウンド分の出玉がある確変図柄か、もしくは〔2〕実質的に5ラウンド分の出玉がある確変図柄のいずれかが主に選択されることになる。このうち、〔2〕の確変図柄(例えば「15ラウンド確変図柄3」とする。)が選択された場合、〔1〕の確変図柄(例えば「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」とする。)が選択された場合に比較して大当り遊技が短時間で終了する。このため「確変大当り」であっても、〔1〕と〔2〕の違いによって大当りに多様性を持たせることができる。このような大当りの多様性を利用して、例えば大当り中の演出(大役中演出)の内容にも多様性を持たせることができる。
〔大当りの連続性を利用した演出の特徴〕
また本実施形態では、上記のような大当りの連続性を利用して、演出上でも以下の特徴を持たせている。すなわち本実施形態では、例えば通常の状態(通常確率状態で時間短縮機能が非作動の状態)から上記〔1〕の確変図柄で大当りすると(初当りが出玉あり確変の場合)、その大当り遊技中から内容にストーリー性のある一連の特定態様演出を発生させる制御を行うこととしている。特定態様演出は予め決められた回数の進行順序に応じて1回毎にストーリーの内容が進んでいくものであり、このような特定態様演出を確変大当りが連続するごとに1回ずつ進行させることで、「大当りが連続するたびにストーリー性を有した演出の進行回数が進行していく」という興趣性を遊技者に提供することができる。
〔確変中のリーチ変動を利用した演出の特徴〕
さらに本実施形態では、連続する毎回の大当りで上記の特定態様演出の内容を進行させつつ、大当りの間(確変中)のリーチ変動をも利用して特定態様演出の内容を進行させている。具体的には、ある回の大当り遊技中に1回分の特定態様演出を実行すると、大当り終了後のリーチ変動時に引き続き同じ回の特定態様演出に対応する特定リーチ演出(特定態様変動表示演出)を実行することとしている。そして、特定リーチ演出を経て大当り(確変大当り)すると、その大当り遊技中に次回の特定態様演出が進行するといった具合である。これにより、大当りの連続に合わせて大当り中の演出の内容を変化させるだけでなく、大当りの連続に合わせて確変中のリーチ演出についてもその内容を変化させていくことで、遊技者に対して確変中のストーリー性をより効果的に訴求させることができる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。ここでは先ず、大当りに至るまでの通常の遊技中における演出図柄を用いた演出画像の例から説明する。
図27は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図27中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「0」〜「7」に加えて、左演出図柄については平仮名の「へ」、中演出図柄については平仮名の「い」、そして右演出図柄については平仮名の「わ」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、昇順に並んだ数字の「0」〜「7」に平仮名の「へ」を加えた図柄列を構成しており、中演出図柄については、降順に並んだ数字の「7」〜「0」に平仮名の「い」を加えた図柄列を構成している。また右演出図柄については、降順に並んだ数字の「7」〜「0」に平仮名の「わ」を加えた図柄列を構成している。
また液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。またマーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお図27中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図27中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる何らかの背景画像(図示していない)が視認しやすい状態で表示されている。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
また特に図示していないが、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄が表示されている。この第4図柄は、上記の左・中・右演出図柄に続く第4の演出図柄であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して第4図柄も変動表示されている。なお第4図柄は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、その表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
〔左図柄停止〕
図27中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に平仮名の「へ」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止〕
図27中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。平仮名の演出図柄について、当選時の組み合わせが例えば「へ」−「い」−「わ」であるとすると、この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって平仮名の「わ」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「0」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって平仮名の「わ」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、今度は平仮名の「わ」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図27中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「へ」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき第4図柄(図示していない)についても、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
〔大当り時の演出例〕
次に図28は、大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。ただし、このリーチ演出は上記の特定リーチ演出とは異なるものである。
大当り時のリーチ演出は、例えば内部抽選の結果が当選であり、そのときの当選種類として「15ラウンド確変図柄1」が選択されたことで、第1特別図柄表示装置34(第2特別図柄表示装置35でもよい)において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が当選時の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される。なお図28中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また上記のマーカM1,M2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図28中(A):第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図28中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。演出用の絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔発生前予告演出(2段階目)〕
図28中(C):さらに2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われる。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。このような2つ目の絵柄画像を用いた発生前予告演出(2段階目)は、先の図28中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。
〔左演出図柄の停止〕
図28中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図28中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「6」−「変動中」−「6」と「7」−「変動中」−「7」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「6」と「7」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、この場合は数字の「7」が揃えば確率変動大当りであり、数字の「6」が揃えば非確変大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、非確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「6」と「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図28中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図28中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「7」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「6」又は「7」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であるが、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であり、そして数字の「7」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なおこの場合、数字の「7」が消去された後の画面上に例えば平仮名の「い」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「5」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「4」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「5」が消去されると、今度は「通常(非確変)大当り」又は「確変大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図28中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されれば、次に「6」−「6」−「6」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「6」までが消去されてしまい、最後に残った数字の「7」が消去されずに残れば、「7」−「7」−「7」の確変大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ確変大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図28中(I):第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がそのときの当選種類に対応した当選図柄で停止表示されるため、その当選種類(当選図柄)に応じた態様で演出図柄が停止表示される。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われている。一方、当選図柄が「非確変図柄」であれば、偶数の「6」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「通常(非確変)大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる。
この他に、内部的には「確変大当り」であっても偶数の演出図柄を停止表示させておき、再度の変動によって奇数の演出図柄を停止表示させて「確変」に昇格させたり、あるいは上記の「15ラウンド確変図柄5」に該当していた場合、偶数の演出図柄を停止表示させておき、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させたりする演出が行われる場合もある。
また、「2ラウンド確変大当り」の場合は奇数の3つ揃いではなく、例えば平仮名の「へ」−「い」−「わ」の組み合わせの演出図柄が表示される。これに対し、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「6」や「7」以外の数字「5」や平仮名の「い」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。
以上は、通常の状態からリーチ演出を経て確変大当り(15ラウンド分の出玉がある確変図柄での大当り)に至るまでの演出例である。上記のように本実施形態では、15ラウンド分の出玉がある確変大当りが連続していく過程で、毎回の大当りでストーリー順に特定態様演出を進行させていくとともに、大当りの間の確変中に15ラウンド分の出玉がある確変図柄で当選すると、その変動中に特定リーチ演出を実行することとしている。以下、特定態様演出及び確変中の特定リーチ演出について説明する。
〔特定態様演出例〕
図29及び図30は、上記の特定態様演出及び確変中の特定リーチ演出の流れを概略的に示す連続図である。これら図29及び図30中、左側欄に示される破線の囲み(図中に「変動中」と表記)内には、上記の停止表示演出又は特定リーチ演出の一部を示している。また、右側部分に示される破線の囲み(図中に「大役中」と表記)内には、大当り中の特定態様演出の流れを部分的に示している。
〔初当り時〕
図29中(A):左側欄の囲み内に示されるように、例えば通常の状態から内部抽選で当選し、15ラウンド分の出玉がある確変大当りに該当すると、変動中に上記のリーチ演出(例えば図28)を経て確変大当りの停止表示演出が実行される。なお、この時点で特定リーチ演出は未だ実行されない。
〔初当り時の大役中〕
同図29中(A):右側部分の囲み内に示されているように、初当りからの大当り遊技中、例えば1ラウンド目から3ラウンド目にかけて大当り中の共通演出(例えば、キャラクターの紹介等)が実行される(枠内で左から1コマ目)。この後も大当り中の10ラウンド目までは、同様に大当り中の共通演出が実行される。そして、大当り遊技中の11ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「サクセスロード」のタイトルロゴが表示される(枠内で左から2コマ目)。このようなタイトルロゴの表示により、遊技者に対して何らかのストーリー性を持った演出が開始されたことを印象付けることができる。
さらに、大当り遊技中の12ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「進行回数リスト」の文字情報とともに一覧表の枠組み(例えば左半分に5段、右半分に4段)が表示される。このとき枠組みの左上段には、第1回の特定態様演出(「進行回数1演出」とする)に対応するタイトルとして、例えば「あいつは誰だ?」の文字情報が表示されるとともに、枠組みのその他には未出現のタイトルが伏せ字(「???」)により表示される。なお図中、文字情報を記号(例えば「○」,「△」,「□」等)により適宜簡略化している(枠内で左から3コマ目)。このようなタイトルリストを表示することで、遊技者に対して「複数回ある特定態様演出のうち、その第1回までを見ることができた」という演出の経過(流れ)を明確に伝達することができる。また、未出現の特定態様演出についてはタイトルを伏せ字とすることで、遊技者に「その他の特定態様演出も是非見てみよう」という意欲を抱かせることができる。
さらに13ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「No.1」の文字情報とともに、上記のタイトルが大きく強調して表示される(右端のコマ)。このようなタイトルの表示により、遊技者に対して今回の特定態様演出がストーリー全体の中の第1回であることや、特定態様演出の内容が何らかのキャラクター(例えば演出上の主人公と別人の男性キャラクター)に関するものであることを伝達することができる。また、「No.1」の文字情報により、遊技者に対して「何らかのストーリー性のある演出の第1回が始まった」ということを印象付けることができる。さらに、このような印象付けを与えることにより、遊技者に対して「次回の進行回数に進めるため今後もできるだけ大当りを連続させよう(連チャンさせよう)」という意欲をかき立て、遊技に対して積極的に取り組むための動機を与えることができる。
特に図示していないが、この後、大当り中の13ラウンドから15ラウンドにかけて進行回数1演出が実行される。進行回数1演出の内容は、例えばストーリー上のあらすじを紹介するものであったり、ストーリーに合わせてキャラクターを出現させるものであったりする。
〔進行回数1演出実行後〕
上記の進行回数1演出の実行を伴う大当り遊技が終了すると、それまでの通常確率状態から高確率状態(かつ時間短縮状態)に移行する。
図29中(B):左側欄の囲み内に示されるように、高確率状態で大当りし、15ラウンド分の出玉がある確変図柄(「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2」とする。これ以降も同様。)か、もしくは実質的に5ラウンド分の出玉がある確変図柄(「15ラウンド確変図柄3」とする。これ以降も同様。)に該当すると、その変動中に特定リーチ演出が実行される。この場合の特定リーチ演出の内容は、先の大当り遊技中に実行された特定態様演出の進行順序と同様に、第1回の特定態様演出に対応したものとなっている。例えば、左演出図柄と右演出図柄で数字の「3」が揃うと、その後のリーチ演出中に今回の進行回数1演出のタイトルである「あいつは誰だ?」に関係するキャラクターを用いた特定リーチ演出(「進行回数1リーチ演出」とする)が実行される。
本実施形態では、変動中に何らかの特定リーチ演出が発生すると、それによって内部的に出玉のある確変大当り(ただし「実質的に5ラウンド分の出玉あり大当り」も含む。)が確定する。具体的には、主制御CPU72による制御上で上記の「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」のいずれかが選択された場合、その変動表示演出の制御に関して特定リーチ演出が選択されるものとなっている。なお、このような演出の制御手法については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
いずれにしても、特別図柄(ここでは第2特別図柄とする)の変動表示中に特定リーチ演出が発生すると、それによって出玉あり確変大当りが確定する。特に本実施形態では、今回の当選種類が「15ラウンド確変図柄1」に該当する場合、特定リーチ演出を経て、確変大当りの態様で停止表示演出が実行される。一方、今回の当選種類が「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」のいずれかに該当する場合、特定リーチ演出を経て、一旦は非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が実行される(例えば「3」−「2」−「3」等)。ただし、この場合は演出上で非当選(はずれ)になるだけであり、主制御CPU72による制御上は大当り遊技が開始されるため、それに伴って以下の大当り中演出が実行される。
〔2連続目の大役中〕
同図29中(B):右側部分の囲み内に示されているように、2連続目の大当り遊技中、例えば1ラウンド目から3ラウンド目にかけては、前回と同様に大当り中の共通演出が実行される(枠内で左から1コマ目)。また同様に、10ラウンド目まで大当り中の共通演出が実行される。そして、大当り遊技中の11ラウンド目に移行すると、画面内に例えば別の女性キャラクターが出現して大きく表示される(枠内で左から2コマ目)。このようなキャラクターの出現により、遊技者に対してストーリー性を持った演出の続きが開始されたことを印象付けることができる。
さらに、大当り遊技中の12ラウンド目に移行すると、前回と同様に画面内に上記の「進行回数リスト」の文字情報とともに一覧表の枠組みが表示される。このとき枠組みの左上段には、上記の進行回数1演出に対応するタイトルとして「あいつは誰だ?」の文字情報が表示されている。これに加えて枠組みの左2段目には、第2回の特定態様演出(「進行回数2演出」とする)に対応するタイトルとして、例えば「ナゾの女」の文字情報が新たに表示されている。なお、枠組みのその他には未出現のタイトルが伏せ字(「???」)により表示されている(枠内で左から3コマ目)。このようなタイトルリストを表示することで、遊技者に対して「複数回ある特定態様演出のうち、その第1〜第2回までを見ることができた」という演出の経過(流れ)を明確に伝達することができる。また、未出現の特定態様演出については依然、タイトルを伏せ字とすることで、遊技者に「その他の特定態様演出も是非見てみたい」という意欲を引き続き抱かせることができる。
さらに13ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「進行回数2」の文字情報とともに、上記のタイトルが大きく強調して表示される(右端のコマ)。このようなタイトルの表示により、同じく遊技者に対して今回の特定態様演出がストーリー全体の中の第2回であることや、特定態様演出の内容が何らかの女性キャラクター(例えば第1回のキャラクターとは別人)に関するものであることを伝達することができる。また、「進行回数2」の文字情報により、遊技者に対して「何らかのストーリー性のある演出の第2回が始まった」ということを印象付けることができる。さらに、このような印象付けを与えることにより、引き続き遊技者に対して大当りの連続(連チャン)への意欲をかき立て、遊技に対して積極的に取り組むための動機を与えることができる。
ここでも特に図示していないが、この後、大当り中の13ラウンドから15ラウンドにかけて進行回数2演出の続きが実行される。
〔進行回数2演出実行後〕
上記の進行回数2演出の実行を伴う大当り遊技が終了すると、それまでの高確率状態が再開(大当り遊技中は確率変動機能が非作動)される。
図29中(C):左側欄の囲み内に示されるように、引き続き高確率状態で大当りし、出玉のある確変図柄に該当すると、その変動中に特定リーチ演出が実行される。この場合の特定リーチ演出の内容は、先の大当り遊技中に実行された特定態様演出の進行順序と同様に、第2回の特定態様演出に対応したものとなっている。例えば、左演出図柄と右演出図柄で数字の「7」が揃うと、その後のリーチ演出中に今回の進行回数2演出のタイトルである「ナゾの女」に関係する女性キャラクターを用いた特定リーチ演出(「進行回数2リーチ演出」とする)が実行される。
ここでも同様に、今回の当選種類が「15ラウンド確変図柄1」に該当する場合、特定リーチ演出を経て、確変大当りの態様で停止表示演出が実行される。一方、今回の当選種類が「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」のいずれかに該当する場合、特定リーチ演出を経て、一旦は非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が実行される(例えば「7」−「6」−「7」等)。ただし、この場合も演出上で非当選(はずれ)になるだけであり、主制御CPU72による制御上は大当り遊技が開始されるため、それに伴って以下の大当り中演出が実行される。
〔3連続目の大役中〕
同図29中(C):右側部分の囲み内に示されているように、初当りから3連続目の大当り遊技中、例えば1ラウンド目から3ラウンド目にかけては、前回(2連続目)の大当りと同様に大当り中の共通演出が実行される(枠内で左から1コマ目)。また同様に、10ラウンド目まで大当り中の共通演出が実行される。そして、大当り遊技中の11ラウンド目に移行すると、画面内に例えば別の男性キャラクターが出現して大きく表示される(枠内で左から2コマ目)。このような男性キャラクターの出現により、遊技者に対してストーリー性を持った演出の続き(第3回)が開始されたことを印象付けることができる。
そして、大当り遊技中の12ラウンド目に移行すると、前回までと同様に画面内に上記の「進行回数リスト」の文字情報とともに一覧表の枠組みが表示される。このとき枠組みの左上段には、上記の進行回数1演出に対応するタイトルとして「あいつは誰だ?」の文字情報が表示されている。また枠組みの左2段目には、進行回数2演出に対応するタイトルとして「ナゾの女」の文字情報が新たに表示されている。これに加えて枠組みの左3段目には、第3回の特定態様演出(「進行回数3演出」とする)に対応するタイトルとして、例えば「ライバル登場!!」の文字情報が新たに表示されている(枠内で左から3コマ目)。なお、枠組みのその他には、引き続き未出現のタイトルとして伏せ字「???」が示されている。ここでも同様にタイトルリストを表示することで、遊技者に対して「複数回ある特定態様演出のうち、その第1〜第3回までを見ることができた」という演出の経過(流れ)を明確に伝達することができる。同じく未出現の特定態様演出については依然、タイトルを伏せ字とすることで、遊技者に「その他の特定態様演出も是非見てみたい」という意欲を引き続き抱かせることができる。
さらに13ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「進行回数3」の文字情報とともに、上記のタイトルが大きく強調して表示される(右端のコマ)。このようなタイトルの表示により、同じく遊技者に対して今回の特定態様演出がストーリー全体の中の第3回であることや、特定態様演出の内容が何らかの男性キャラクター(例えばストーリー上で主人公とライバル関係となるキャラクター)に関するものであることを伝達することができる。また、「進行回数3」の文字情報により、遊技者に対して「何らかのストーリー性のある演出の第3回が始まった」ということを印象付けることができる。同様に、このような印象付けを与えることで引き続き遊技者に対して大当りの連続(連チャン)への意欲をかき立て、遊技に対して積極的に取り組むための動機を与えることができる。
同様にここでも特に図示していないが、この後、大当り中の13ラウンドから15ラウンドにかけて進行回数3演出の続きが実行される。
〔進行回数3演出実行後〕
上記の進行回数3演出の実行を伴う大当り遊技が終了すると、同じくそれまでの高確率状態が再開(大当り遊技中は確率変動機能が非作動)される。特に図示していないが、この後も内部抽選で出玉あり確変大当りに連続(初回からN回連続)して当選することにより、その変動中に第(N−1)回の特定リーチ演出が実行される。そして15ラウンドの大当り遊技中は、例えばその11ラウンド目から第N回の特定態様演出が実行されることになる。
この後、例えば初回から9回連続して出玉ありの確変大当りに当選し、大当り遊技中に第9回(規定回数)の特定態様演出(進行回数9演出)が実行された場合を想定する。この場合、進行回数9演出の実行を伴う大当り遊技の終了後、同じくそれまでの高確率状態が再開(大当り遊技中は確率変動機能が非作動)される。
〔進行回数9演出実行後〕
図30中(D):左側欄の囲み内に示されるように、進行回数9演出の実行後も引き続き高確率状態で大当りし、出玉のある確変図柄に該当すると、その変動中に特定リーチ演出が実行される。この場合の特定リーチ演出の内容は、先の大当り遊技中に実行された進行回数9演出の進行順序と同様に、第9回の特定態様演出に対応したものとなっている。例えば、左演出図柄と右演出図柄で数字の「0」が揃うと、その後のリーチ演出中に今回の進行回数9演出のタイトル(例えば「ラストゲーム」)に関係する主人公及び女性キャラクターを用いた特定リーチ演出(「進行回数9リーチ演出」とする)が実行される。
またこれまでと同様に、今回の当選種類が「15ラウンド確変図柄1」に該当する場合、特定リーチ演出を経て、確変大当りの態様で停止表示演出が実行される。一方、今回の当選種類が「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」のいずれかに該当する場合、特定リーチ演出を経て、一旦は非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が実行される(例えば「0」−「1」−「0」等)。ただし、この場合も演出上で非当選(はずれ)になるだけであり、主制御CPU72による制御上は大当り遊技が開始されるため、それに伴って以下の大当り中演出が実行される。
〔10連続目の大役中〕
同図30中(D):右側部分の囲み内に示されているように、初当りから10連続目の大当り遊技中、例えば1ラウンド目から3ラウンド目にかけては、前回(9連続目)の大当りと同様に大当り中の共通演出が実行され(枠内で左から1コマ目)、このような共通演出が10ラウンド目まで実行される。そして、大当り遊技中の11ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「ストーリーコンプリート」の文字情報が表示される(枠内で左から2コマ目)。このような文字情報の表示により、遊技者に対してストーリー性を持った演出の全9回を完結(コンプリート)させたことを印象付けることができる。またこれにより、ここまで連続して10回もの確変大当りを連続して発生させたことを遊技者に実感させることで、何らかの満足感や達成感を抱かせることができる。
〔進行回数の任意選択〕
そして、大当り遊技中の12ラウンド目に移行すると、今度は画面内に全9回の特定態様演出に対応したアイコン(例えば「No.1」〜「No.9」のアイコン)が表示されるとともに、例えば「進行回数を選択してください」といった文字情報が表示される。このとき画面上では、「No.1」〜「No.9」の各アイコン上を色枠線等による強調表示が順に移動していく表示が行われる。そして、所望のアイコンが強調表示されたタイミングで遊技者が上記の演出切替ボタン45を操作(押下)すると、そのアイコンに対応する特定態様演出の回数が選択される。あるいは、遊技者が演出切替ボタン45を所望により操作(押下)するごとに画面上で「No.1」〜「No.9」の各アイコン上を強調表示が順に移動していき、所定時間経過後の時点で強調表示されていたアイコンに対応する特定態様演出の回数が選択される態様でもよい。いずれの場合でも、今回(初回から10連続目)の大当り中に発生させる特定態様演出の回数を遊技者の操作に応じて任意に選択することができる(進行順序選択手段)。
この例では、12ラウンド目で例えば「No.5」のアイコンが選択されている(枠内の左から3コマ目)。したがって次の13ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「進行回数5」の文字情報とともに、タイトルとして「サクセスを目指せ!」の文字情報が大きく強調して表示される(右端のコマ)。このようなタイトルの表示により、遊技者に対して自己の選択した特定態様演出が実行されることを明確に実感させることができる。またこれにより、これまで多くの回数(ここでは10回)にわたり大当りを連続(連チャン)させてきたことへの特典として、演出上で自己が所望する回の特定態様演出を任意に選択できる権利が付与されたことを実感させることができる。
ここでも特に図示していないが、この後、大当り中の13ラウンドから15ラウンドにかけて進行回数5演出の続きが実行される。
〔ストーリーコンプリート後〕
任意に選択された回の特定態様演出(ここでは進行回数5演出)の実行を伴う大当り遊技が終了すると、同じくそれまでの高確率状態が再開(大当り遊技中は確率変動機能が非作動)される。
図30中(E):左側欄の囲み内に示されるように、任意に選択された回の特定態様演出(例えば進行回数5演出)の実行後も引き続き高確率状態で大当りし、特に15ラウンド分の出玉のある確変図柄に該当すると(特定の条件を満たす場合)、その変動中に特別な回数の特定リーチ演出が実行されて大当り(例えば「7」−「7」−「7」)となる。このとき実行される特別な回数の特定リーチ演出の内容は、先の大当り遊技中に任意で選択された第2回の特定態様演出に対応するものではなく、これまでに存在が秘匿されていた第10回の特定態様演出(シークレット演出)に対応したものとなっている。すなわち、このリーチ演出中にはシークレット演出(進行回数10演出とする)のタイトル(例えば「俺たちのサクセス」)に関係する主人公やその他のキャラクターを用いた特定リーチ演出(「進行回数10リーチ演出」とする)が実行されることになる。このように、変動中に特別な回数の進行回数10リーチ演出を実行することにより、遊技者に対して新鮮で意外性のある印象を抱かせたり、特別なリーチ演出を目撃したことへの満足感を与えたりすることができる。
〔11連続目の大役中〕
同図30中(E):右側部分の囲み内に示されているように、初当りから11連続目の大当り遊技中、これまでの共通演出とは異なり、例えば1ラウンド目から進行回数10演出が実行される(枠内で左から1コマ目)。このような進行回数10演出は、例えば10ラウンド目まで実行される。そして大当り遊技中の11ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「サクセスコンプリート」の文字情報が表示される(枠内で左から2コマ目)。このような文字情報の表示により、遊技者に対してストーリー性を持った演出の全9回に加えて、特別な回数(第10回)のシークレット演出までも完結(フルコンプリート)させたことを印象付けることができる。またこれにより、ここまで連続して11回もの確変大当りを連続して発生させたことを遊技者に実感させることで、さらなる満足感や達成感を抱かせることができる。
〔フルコンプリート後の進行回数の任意選択〕
そして、大当り遊技中の12ラウンド目に移行すると、先と同様に画面内に全9回の特定態様演出に対応したアイコン(例えば「No.1」〜「No.9」のアイコン)が表示されるとともに、例えば「進行回数を選択してください」といった文字情報が表示される。なお、アイコンを用いた進行回数の選択手法は上記と同様である。また、ここでは表示するアイコンを「No.1」〜「No.9」までとしているが、フルコンプリートの場合は「No.1」〜「No.10」の全てのアイコンを表示することで、繰り返し進行回数10演出を選択可能としてもよい(進行順序選択手段)。
またこの例では、12ラウンド目で例えば「No.2」のアイコンが選択されている(枠内の左から3コマ目)。したがって次の13ラウンド目に移行すると、画面内に例えば「進行回数2」の文字情報とともに、進行回数2演出のタイトルとして「ナゾの女」の文字情報が大きく強調して表示される(右端のコマ)。このようなタイトルの表示により、遊技者に対して自己が選択した特定態様演出が実行されることを明確に実感させることができる。またこれにより、これまで多くの回数(ここでは11回)にわたり大当りを連続(連チャン)させてきたことへの特典として、演出上で自己が所望する特定態様演出を任意に選択できる権利が付与されたことを実感させることができる。さらにフルコンプリート後の特典として、上記のシークレット演出(進行回数10演出)を含めて全部の特定態様演出を任意に選択であれば、遊技者に対してさらなる満足感や達成感を抱かせることができる。
〔ストーリーフルコンプリート後〕
上記のように全ての特定態様演出(第1回〜第10回)が実行されたことで、任意に選択された回の特定態様演出(ここでは進行回数2演出)の実行を伴う大当り遊技が終了すると、同じくそれまでの高確率状態が再開(大当り遊技中は確率変動機能が非作動)される。
図30中(F):左側欄の囲み内に示されるように、任意に選択された回の特定態様演出(例えば進行回数2演出)の実行後も引き続き高確率状態で大当りし、出玉のある確変図柄に該当すると、その変動中に今度は任意に選択された回の特定リーチ演出(ここでは進行回数2リーチ演出)が実行されて大当り(例えば「7」−「7」−「7」)となる。このように、ストーリーフルコンプリート後の変動中は遊技者が任意に選択した回数の特定リーチ演出を実行することにより、遊技者の好みに応じた演出を提供することができる。
〔12連続目の大役中〕
同図30中(F):右側部分の囲み内に示されているように、初当りから12連続目の大当り遊技中は、例えば1ラウンド目から10ラウンド目までに大当り中の共通演出が実行される(枠内で左から1コマ目)。このような進行回数10演出は、例えば10ラウンド目まで実行される。そして大当り遊技中の11ラウンド目に移行すると、画面内にひとまず次の特定態様演出に関連するキャラクターが表示される(枠内で左から2コマ目)。
〔フルコンプリート後の進行回数の任意選択〕
この後、例えば大当り遊技中の12ラウンド目に移行すると、先と同様に画面内に全9回の特定態様演出に対応したアイコン(例えば「No.1」〜「No.9」のアイコン)が表示されるとともに、同じく「進行回数を選択してください」といった文字情報が表示される(枠内の左から3コマ目)。すなわちこの場合、現在までの大当り(11連続大当り)中に全ての特定態様演出が既に実行済みであるため、これ以降(12連続目以降)は大当りごとに特定態様演出を遊技者が任意に選択可能としている。なお、アイコンを用いた進行回数の選択手法は上記と同様である。また、ここでも「No.1」〜「No.10」の全てのアイコンを表示することで、進行回数10演出を含めて任意に選択可能としてもよい(進行順序選択手段)。
〔特定態様演出の終了契機〕
本実施形態では、確変大当りの連続中(高確率状態の継続中)に非確変図柄(例えば「15ラウンド通常図柄」)で当選すると、その変動中に特定リーチ演出以外のリーチ演出(例えば図28参照)が実行される。そして、特別図柄(ここでは第2特別図柄)の停止表示時に非確変大当りの態様(例えば「6」−「6」−「6」)で演出図柄が停止表示されることにより、これまで連続していた特定リーチ演出が終了する。この場合、大当り遊技中の11ラウンド目以降で特定態様演出は実行されず、その他の態様により大当り中演出(例えば共通演出)が実行されることになる。そして大当り遊技の終了後は、主制御CPU72による遊技制御上でそれまでの高確率状態から通常確率状態に復帰し(通常確率状態復帰手段)、時間短縮状態に移行する。
〔進行回数の保存〕
その上で本実施形態では、特定態様演出が実行された後に非確変大当りに該当した場合、上記のように特定態様演出(特定リーチ演出を含む)は終了するが、例えば大当り遊技の最終ラウンド(15ラウンド)中に上記の演出切替ボタン45を遊技者が操作することにより、これまでに実行済みの特定態様演出の回数情報を保存する機能が設けられている(進行回数情報保存手段)。あるいは、最終ラウンド(15ラウンド)の終了後に表示される演出上のエンディング画面にて、遊技者が演出切替ボタン45を操作することで回数情報が保存される態様であってもよい(進行回数情報保存手段)。そして、例えば次の確変大当り時に同じく演出切替ボタン45を遊技者が操作すると、保存されている回数情報読み出すことで、前回までの続きから特定態様演出を実行することができるものとなっている。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出や非特定リーチ演出、特定リーチ演出、大当り中の特定態様演出等は、以下の制御処理を通じて制御されている。また以下の説明により、遊技者の操作による進行回数の任意な選択やその保存、読み出し等を実現するための制御手法が明らかとなる。
〔演出制御処理〕
図31は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、特図別作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図32は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図12中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(当選種類、大当りの連続回数等)に応じて上記の特定リーチ演出の内容を選択することができる。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、例えば大当り時に「15ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄3」に該当した場合、見た目上では非当選(はずれ)の態様で結果表示演出を実行することは既に述べたとおりである。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(当選種類、大当りの連続回数等)に応じて上記の特定態様演出の内容を選択することができる。例えば15ラウンドの出玉あり確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、これまでの大当り連続回数に応じて特定態様演出のパターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また演出制御CPU126は、15ラウンド確変大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて共通演出又は特定態様演出のパターンをそれぞれ選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では15ラウンド確変大当り中に上記の共通演出や特定態様演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。なお、特定態様演出のパターンを選択する手法については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
図33は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図31中のステップS404)、ランプ駆動処理(図31中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の組み合わせ」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の組み合わせは、上述した平仮名の「へ−い−わ」の他に、例えば数字の「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)としてもよい。また、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図34は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。上記のように可変入賞装置作動時処理は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図12中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択されるが、その場合でも当選種類が「小当り」又は「大当り」のいずれに該当するかによってさらに処理を分岐させるためのものである。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、現在の状態が大役中(大当り中)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大役中の状態指定コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大役中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS800を実行する。逆に、大役中でないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS900を実行する。なお大当り時演出選択処理(ステップS800)については、別のフローチャートを参照してさらに説明する。
〔大当り時演出選択処理〕
図35は、上記の大当り時演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時演出選択処理は、2ラウンド大当りに該当するか、あるいは15ラウンド大当りでも確変図柄に該当するかによって可変入賞装置30の作動に伴う演出内容を選択するためのものである。またこの処理を通じて、演出制御CPU126は大当り中の特定態様演出パターンを選択する。以下、手順に沿って説明する。
ステップS801:先ず演出制御CPU126は、今回の大当りが2ラウンド大当りであるか否かを確認する。この確認は、例えばRAM130のコマンドバッファ領域に保存されている停止図柄コマンドに基づいて行うことができる。すなわち、停止図柄コマンドが2ラウンド大当り図柄であった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS818を実行する。
〔2ラウンド大当り時〕
ステップS818:演出制御CPU126は、大入賞口2回開放演出選択処理を実行する。この処理では、2ラウンド大当り中の演出内容として、例えば上記の平仮名を用いた演出図柄の組み合わせ(「へ−い−わ」)や「チャンス当選目」が表示されている間の演出パターンを選択する。そして演出制御CPU126は、大入賞口2回開放演出選択処理から復帰すると、上記の可変入賞装置作動時処理に復帰する。
以上は2ラウンド大当りの場合の手順例であるが、15ラウンド大当り時には以下の手順が実行される。
〔15ラウンド大当り時〕
ステップS802:先のステップS801で2ラウンド大当りでないことを確認した場合(No)、次に演出制御CPU126は、今回の当選種類が「15ラウンド確変大当り」であるか否かを確認する。この確認もまた停止図柄コマンドに基づいて行うことができる。その結果、今回の大当り種別が確変(15ラウンド確変図柄)に該当することを確認すると(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS803に進む。
ステップS803:ここで演出制御CPU126は、大当り中の共通演出パターンを選択する。共通演出パターンは、例えば上述した演出例(図29,図30)において1ラウンド目から10ラウンド目で実行される共通の演出パターンである。
ステップS804:次に演出制御CPU126、今回の確変図柄が特定態様演出に対応したものであるか否かを確認する。より具体的には、ここでは特定態様演出を発生させる当選種類として、上記の「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2」のいずれか(15ラウンド分の出玉がある確変図柄)に該当するか否かを確認する。この確認についても停止図柄コマンドに基づいて行うことができる。その結果、特に今回の大当り種別が上記の15ラウンド確変図柄のいずれにも該当しないことを確認すると(No)、演出制御CPU126はここで可変入賞装置作動時処理に復帰する。
一方、今回の大当り種別が上記の15ラウンド確変図柄のいずれかに該当することを確認すると(ステップS804:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS805に進む。
〔1ラウンド〜10ラウンドまで〕
ステップS805:演出制御CPU126は、現在の大当りラウンドが特定ラウンド以降であるか否かを確認する。なお本実施形態において特定ラウンドは、例えば上述した演出例では特定態様演出が開始される「11ラウンド」とする。演出制御CPU126は、例えば現在のラウンド数コマンドに基づいて大当り中のラウンド数を認識する。その結果、未だ11ラウンドに到達していなければ(No)、演出制御CPU126はここで可変入賞装置作動時処理に復帰する。
〔11ラウンド開始時〕
この後、大当り中のラウンド数が進行して11ラウンドが開始されると(ステップS805:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS806を実行する。
ステップS806:ここで演出制御CPU126は、進行回数フラグの値を確認する。進行回数フラグは、上述した特定態様演出の回数情報(第N回)を示すものであり、この進行回数フラグは例えばRAM130のフラグ領域に保存されている。したがって、この手順において演出制御CPU126は、RAM130のフラグ領域から進行回数フラグに対応する値を読み出す。
ステップS807:そして演出制御CPU126は、読み出した進行回数フラグの値が初回(=「0」)を表すものであるか否かを確認する。すなわち、通常の状態から初当り時に確変図柄で当選した場合、通常は進行回数フラグの値が初回(=「0」)を表すものとなっている。したがって、今回の確変大当りが初当りであれば、演出制御CPU126は進行回数フラグの値が初回(=「0」)であることを確認し(Yes)、次にステップS809を実行する。
ステップS809:この場合、演出制御CPU126は初回確変処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は初当りが確変図柄である場合の進行回数フラグの設定を行う。以下に別のフローチャートを用いて説明する。
〔初回確変処理〕
ここで図36は、上記の初回確変処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS850:先ず演出制御CPU126は、進行回数保存用フラグを読み込むか否かを確認する。この確認は、遊技者による演出切替ボタン45の操作に対応した入力信号に基づいて行うことができる。例えば、演出制御CPU126は演出切替ボタン45の入力信号をトリガとして別の割込処理を発生させ、この割込処理において入力信号の受信回数をインクリメントし、その結果をRAM130のバッファ領域に記憶(更新)しておく。なお入力信号の受信回数をインクリメントするのは、例えば大当り開始時から数秒間の期間内とする。そして演出制御CPU126は、ステップS850においてRAM130のバッファ領域を参照し、記憶されている受信回数が所定値(例えば3〜5)以上であるか否かを確認する。その結果、受信回数が所定値未満であれば、演出制御CPU126は進行回数保存用フラグを読み込まないと判断し(No)、次にステップS854を実行する。
ステップS854:この場合、演出制御CPU126は進行回数フラグを更新する。これにより、進行回数フラグの値として「1」が設定されることになる。
一方、先のステップS850で受信回数が所定値以上であることを確認した場合、演出制御CPU126は進行回数保存用フラグを読み込むと判断し(Yes)、次にステップS852を実行する。
ステップS852:この場合、演出制御CPU126は進行回数フラグに進行回数保存用フラグをロードする。その結果、進行回数フラグには以前に保存されていた進行回数フラグの値(例えば「2」〜「9」)が設定されることになる(進行回数情報設定手段)。
以上のステップS852又はステップS854を実行すると、演出制御CPU126は大当り時演出選択処理に復帰する。
〔図35参照:特定態様演出選択処理〕
ステップS812:初回確変処理から復帰すると、演出制御CPU126は次に特定態様演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は現在設定されている進行回数フラグの値に基づいて、大当り遊技中に実行するべき回数の特定態様演出を選択する。すなわち、現在設定されている進行回数フラグの値が「1」を表すものであれば、演出制御CPU126は上記の進行回数1演出(図29中(A))に対応する演出パターンを選択する。一方、現在設定されている進行回数フラグの値が例えば「2」〜「9」のいずれかを表すものであれば、演出制御CPU126は進行回数フラグの値に基づいて第2回以降のいずれかの特定態様演出に対応する演出パターンを選択する。なお、この時点で進行回数フラグの値に「1」以外が設定されている場合、先の初回確変処理(図36中のステップS852)において以前に保存されていた進行回数保存用フラグの値がロードされたことを意味する。
以上は15ラウンド確変図柄での初当り時に実行される手順であるが、既に特定態様演出が実行された後の出玉あり確変大当り時(11ラウンド開始時)には以下の手順が実行される。
この場合、先のステップS807で進行回数フラグの値が初回(=「0」)を表すものではなくなっている(ステップS807:No)。したがって、演出制御CPU126は次にステップS808を実行する。
ステップS808:演出制御CPU126は、今回の変動パターンが指定した特定リーチに対応するものであるか否かを判断する。この判断は、例えばRAM130のコマンドバッファ領域に保存されている変動パターンコマンドに基づいて行うことができる。例えば、変動パターンコマンドが上述した「特定リーチ後当り変動パターン」である(図17)か、あるいは「特定リーチ後はずれ演出変動パターン」のいずれか(図18)である場合、演出制御CPU126は、今回の変動パターンが指定した特定リーチに対応するものであると判断する(Yes)。この場合、演出制御CPU126は次にステップS810を実行する。
ステップS810:ここで演出制御CPU126は、進行回数フラグ更新処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は現在までの特定態様演出の進行状況(第何回まで実行されたか)に応じて進行回数フラグを設定する。以下に別のフローチャートを用いて説明する。
〔進行回数フラグ更新処理〕
図37は、上記の進行回数フラグ更新処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS860:先ず演出制御CPU126は、現在までの特定態様演出上で上記の「サクセスコンプリート」を表示済みであるか否かを確認する。例えば、演出制御CPU126は上記の特定態様演出を実行するに際して、これまでの実行履歴を別途RAM130のバッファ領域に記憶している。この実行履歴は、進行回数フラグの値とは別に更新されるものであり、既に上記の進行回数10演出(図30中(E)のシークレット演出)を実行済みであれば、実行履歴に「進行回数10演出まで実行済み」が記録されている。したがって、演出制御CPU126は実行履歴に基づいて進行回数10演出(「サクセスコンプリート」)を未だ表示済みでないことを確認した場合(No)、次にステップS862を実行する。
ステップS862:次に演出制御CPU126は、現在設定されている進行回数フラグの値が「9」(=進行回数9演出)であるか否かを判断する。その結果、未だ進行回数フラグの値が「9」に達していなければ(No)、演出制御CPU126は次にステップS863を実行する。
ステップS863:演出制御CPU126は、今回の大当り中に進行回数フラグを既に更新済みか否かを確認する。その結果、今回の大当り中に未だ進行回数フラグを更新していなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS864に進む。なお、既に今回の大当りで進行回数フラグを更新していれば(Yes)、演出制御CPU126はここで大当り時演出選択処理に復帰する。
ステップS864:先のステップS863で未だ進行回数フラグを更新していないことを確認した場合(ステップS863:No)、演出制御CPU126は進行回数フラグの値を1つ更新(+1)し、大当り時演出選択処理に復帰する。
これに対し、ステップS862で進行回数フラグの値が「9」に達していることを確認した場合(ステップS862:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS865を実行する。
ステップS865:演出制御CPU126は、現在のラウンドが進行回数を任意に選択できるラウンド(例えば12ラウンド)であるか否かを確認する。未だ12ラウンド中でなければ(No)、演出制御CPU126はここで大当り時演出選択処理に復帰する。一方、現在のラウンドが12ラウンド中であれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS866を実行する。
ステップS866:この場合、演出制御CPU126は、大当り中(例えば12ラウンド目)に選択された進行回数(図30中(E):アイコン「No.1」〜「No.9」を用いた進行回数の選択を参照。)に基づいて進行回数フラグを設定する(進行順序選択手段,進行回数情報設定手段)。以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は大当り時演出選択処理に復帰する。
〔図35:大当り時演出選択処理を参照〕
以上のように、15ラウンド分の出玉がある確変大当り時は、演出制御CPU126が初回確変処理(ステップS809)又は進行回数フラグ更新処理(ステップS810)を経て特定態様演出選択処理(ステップS812)を実行し、ここで今回の進行回数フラグに対応した特定態様演出パターンを選択する。これにより、演出制御処理(図31)を通じて確変大当りの連続中に上述した特定態様演出(図29,図30)が実行され、その回数が進行していくことになる(特別遊技中演出実行手段)。
〔非確変図柄の当選時〕
これに対し、大当り時に非確変図柄(「15ラウンド通常図柄」)に該当した場合は以下の手順が実行される。
すなわち演出制御CPU126は、ステップS802で確変図柄に該当しないことを確認すると(ステップS802:Yes)、次にステップS814を実行する。
ステップS814:演出制御CPU126は、ここで通常大当り演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は上述した特定態様演出とは異なる大当り中の演出パターン(例えば、11ラウンド以降も共通演出のみの演出パターン)を選択する。
ステップS815:次に演出制御CPU126は、現在の状態が大役終了のタイミングか否かを確認する。すなわち演出制御CPU126は、例えば状態指定コマンドに基づいて「大役終了」か否かを確認し、その結果、現在の状態が未だ「大役終了」でないことを確認した場合(No)、ここで演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理に復帰する。これに対し、現在の状態が「大役終了」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS816を実行する。
ステップS816:演出制御CPU126は、通常大役終了処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主に進行回数フラグの保存を管理する。具体的には、以下に別のフローチャートを用いて説明する。
〔通常大役終了処理〕
図38は、上記の通常大役処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS870:先ず演出制御CPU126は、これまでの進行回数フラグを保存するか否かを確認する。この確認もまた、遊技者による演出切替ボタン45の操作に対応した入力信号に基づいて行うことができる。例えば、演出制御CPU126は演出切替ボタン45の入力信号をトリガとして別の割込処理を発生させ、この割込処理において入力信号の受信回数をインクリメントし、その結果をRAM130のバッファ領域に記憶(更新)している。この場合に入力信号の受信回数をインクリメントするのは、例えば大当りが終了する直前の数秒の期間内とする。そして演出制御CPU126は、ステップS870においてRAM130のバッファ領域を参照し、記憶されている受信回数が所定値(例えば3〜5)以上であるか否かを確認する。その結果、受信回数が所定値未満であれば、演出制御CPU126は進行回数フラグを保存しないものと判断し(No)、大当り時演出選択処理に復帰する。これに対し、受信回数が所定値以上であれば、演出制御CPU126は進行回数フラグを保存するものと判断し(Yes)、次にステップS872を実行する。
ステップS872:この場合、演出制御CPU126は現在の進行回数フラグ(「2」〜「9」)を上記の進行回数保存用フラグへ保存する(進行回数情報保存手段)。ここで保存された進行回数保存用フラグには、例えばこれまでに実行済みの特定態様演出の回数に応じた進行回数フラグの値が反映されている。また進行回数保存用フラグは、パチンコ機1の電源遮断時以外にクリアされることはない。なお進行回数フラグの値については、例えば大当り終了後に時間短縮状態(回数切りで変動100回分)の終了とともにクリアされる。
上記のように本実施形態では、確変大当りが連続して発生し、特定態様演出の回数がある程度まで進行していても、通常大当りに該当した場合は特定態様演出が終了することとなっている。ただし、ここで保存された進行回数保存用フラグは、例えばこの後に実行される初回確変処理(図35中のステップS809)の中でロードすることができる。そして、進行回数保存用フラグをロードして進行回数フラグを設定した場合、演出制御CPU126は前回までの続きから特定態様演出を実行させることができる。これにより、たとえ一度は確変大当りの連続が途切れたとしても、その後に確変大当りに再度当選すれば、前回までの続きから特定態様演出を発生させることができる。
なお、ここでは初当り時に「15ラウンド通常図柄」に該当した場合であっても、図35のフロー上では大役終了時(図35中のステップS815:Yes)に通常大役終了処理が実行されることとしているが、このようなフローに限るものではない。例えば、これまでに出玉ありの確変大当りに当選し、少なくとも1回の特定態様演出が実行された後、確変中に「15ラウンド通常図柄」で当選した場合(いわゆる連チャン終了時)にのみ、通常大役終了処理が選択されるフロー(ロジック)を採用してもよい。この場合、例えば初当り時が「15ラウンド通常図柄」であれば、特に進行回数フラグは更新されていない状態であるため、そのような大役終了時にまで通常大役終了処理を実行する必要がないことから、それだけ演出制御CPU126の処理負担を軽減し、処理の高速化を図ることができる。
〔特定リーチ演出の制御手法例〕
以上は大当り中に実行される特定態様演出についての制御手法の一例である。加えて本実施形態では、上記のように特定態様演出の実行を伴う大当り遊技の終了後、出玉ありの確変図柄で大当りすると、その変動中に特定リーチ演出を実行することとしている。以下、この場合の特定リーチ演出の制御手法について説明する。
〔大当り時変動演出パターン選択処理〕
図39は、上述した演出図柄変動前処理の中で実行される大当り時変動演出パターン選択処理(図33中のステップS610)の手順例を示したフローチャートである。本実施形態において特定リーチ演出のパターンは、この大当り時変動演出パターン選択処理を通じて選択することができる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:先ず演出制御CPU126は、現在の演出制御上で「サクセスロード」の演出を実行中であるか否かを判断する。なお、ここでいう「サクセスロード」の演出とは、これまでに説明した特定態様演出のことである。したがって、例えばこれまでに演出制御CPU126が大当り時演出選択処理で特定態様演出選択処理(図35中のステップS812)を実行し、それ以降で未だ通常大役終了処理(図35中のステップS816)を実行していない場合、特定態様演出の流れは終了していない。したがってこの場合、演出制御CPU126は現在の演出制御上で「サクセスロード」の演出を実行中であると判断し(Yes)、次にステップS652を実行する。
ステップS652:次に演出制御CPU126は、今回の変動パターンが特定リーチ系であるか否かを判断する。この判断は、変動パターンコマンドに基づいて行うことができる。例えば、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドが例えば上記の「特定リーチ後当り変動パターン」を指定するものであったり(図17)、「特定リーチ後はずれ演出変動パターン」を指定するものであったり(図18)した場合、演出制御CPU126は今回の変動パターンが特定リーチ系であると判断する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS654を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、ここで特定リーチ演出選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は現在までの進行回数フラグに応じた内容の特定リーチ演出パターンを選択する。より具体的には、以下に別のフローチャートを用いて説明する。
〔特定リーチ演出選択処理〕
図40は、特定リーチ演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS670:先ず演出制御CPU126は、既に演出制御上で「ストーリーコンプリート」の状態であるか否かを確認する。具体的には、これまでの大当り中で、上記の進行回数9演出までを実行済みであるか否かを確認する。この確認は、例えば現在の進行回数フラグの値に基づいて行うことができる。すなわち、進行回数フラグの値が未だ「10」に達していなければ(No)、演出制御CPU126はステップS676に進む。
ステップS676:この場合、演出制御CPU126は現在の進行回数フラグの値に基づいて特定リーチ演出のパターンを選択する。ここで選択された特定リーチ演出の内容は、直前の大当り時に実行された回(第N回)の特定態様演出の内容に対応している。これにより、上述した大当り中の特定リーチ演出と、これに続く確変中の特定リーチ演出の連続性(例えば図29中(A)→図29中(B)→図29中(C)等)を実現することができる。
これに対し、先のステップS670で既に「ストーリーコンプリート」の状態であることを確認した場合(ステップS670:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS672を実行する。
ステップS672:演出制御CPU126は、今回の変動でプレミアリーチ演出を出現させるか否かを判断する。ここでいう「プレミアリーチ演出」は、例えば上述した演出例の進行回数10リーチ演出(図30中(E))に該当するものである。なお、プレミアリーチ演出を出現させるか否かの判断は、今回の変動パターンが特定の変動パターンに該当するか否かによって行うことができる。具体的には、今回の変動パターンが上記の「15ラウンド確変図柄1」についての変動パターンである場合、演出制御CPU126は「プレミアリーチ演出」を出現させるものと判断する(Yes)。
上記のような判断手法を採用しているのは、「15ラウンド確変図柄1」で大当りした場合、変動の停止表示時に確変大当りによる停止表示演出が実行されるとともに、大当り中もすんなりと特定態様演出が実行されることから、その後の流れから言って、演出の見せ場である「プレミアリーチ演出」を出現させるのに好適だからである。この点、例えば他の「15ラウンド確変図柄2」や「15ラウンド確変図柄3」の場合、変動の停止表示時に見た目上で非当選(はずれ)による停止表示演出が実行されるとともに、大当り中も途中の6ラウンドで15ラウンドへの昇格演出が行われることから、その後の流れから言って「プレミアリーチ演出」を出現させるのにはあまり適していない。そこで本実施形態では、演出に適した変動パターンの場合にのみ「プレミアリーチ演出」を出現させることで、レアな演出よる訴求力を最大限に発揮させることとしている。
いずれにしても、ステップS672で「プレミアリーチ演出」を出現させるものと判断した場合(ステップS672:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS674を実行する。
ステップS674:この場合、演出制御CPU126は、プレミアリーチ演出のパターンを選択する。ここで選択されたプレミアリーチ演出の内容は、上述した特定の進行回数10リーチ演出の内容に対応している(図30中(E))。これにより、確変大当りの連続によってストーリーコンプリートを達成した後は、遊技者への特典として希少価値の高い特定リーチ演出を発生させることができる。
なお、現在が「ストーリーコンプリート」の状態であったとしても、先のステップS672で「プレミアリーチ演出」を出現させる変動パターンでないと演出制御CPU126が判断した場合(ステップS672:No)、演出制御CPU126はステップS676を実行する。この場合、演出制御CPU126は現在設定されている進行回数フラグに基づいて特定リーチ演出のパターンを選択する。この時点で設定されている進行回数フラグの値は、その前の大当り中に演出切替ボタン45の操作に応じて遊技者が任意に選択し特定態様演出の回数が反映されている。これにより、大当り中に任意に選択された特定リーチ演出と、これに続く確変中の特定リーチ演出との連続性(例えば図30中(E)→図30中(F)等)を実現することができる。
〔図39:大当り時変動演出パターン選択処理を参照〕
ステップS656:特定リーチ演出選択処理から復帰すると、演出制御CPU126は、先の特定リーチ演出選択処理で選択したいずれかの変動演出パターンを保存する。
そして、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図33)に復帰すると、予告選択処理(図33中のステップS)を経て演出図柄管理処理(図32)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図32中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンによる特定リーチ演出が実行されることになる(図柄演出実行手段)。
あるいは先のステップS650において、演出制御CPU126が現在の演出制御上で「サクセスロード」の演出を実行中ではないと判断した場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS658を実行する。
ステップS658:この場合、演出制御CPU126は非特定リーチ演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は特定リーチ演出以外のリーチ演出パターン(例えば図28)を選択する。
ステップS656:非特定リーチ演出選択処理から復帰した場合も同様に、演出制御CPU126は非特定リーチ演出選択処理で選択したいずれかの変動演出パターンを保存する。
そして、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図33)に復帰すると、予告選択処理(図33中のステップS614)を経て演出図柄管理処理(図32)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図32中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターン(特定リーチ演出以外)によるリーチ演出が実行されることになる。
上述した実施形態のパチンコ機1によれば、例えば以下の優位性を得ることができる。
(1)初回に「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2」で大当りすることで「サクセスロード」の演出が開始されるため、それによって遊技者に「今後も連チャンを継続させよう」という意欲を抱かせることに寄与できる。
(2)また、「サクセスロード」の演出中は、大役中だけでなく、確率変動状態での変動中もストーリー性のある演出が発生するため、大役が終了した後も遊技者の意識から演出のストーリー性がなかなか薄れていかない。
(3)その上で、実際に高確率状態で15ラウンド分の出玉あり確変大当りに該当すると、それによって特定態様演出に続く特定リーチ演出が発生する。この場合、その後の大役中に特定態様演出の進行が確定するとともに、次回の大当り(大役終了後に高確率状態に移行すること)も確定するため、ひとまず高確中に特定リーチ演出を発生させたことで遊技者に大きな満足感や安心感を抱かせることができる。
(4)上記の(1)〜(3)に加え、連チャン回数を重ねると演出上で「ストーリーコンプリート」が発生し、その後の進行回数を任意に選択できる特典(権利)が遊技者に付与される。これにより、遊技者に対して一定の満足感や達成感を抱かせるとともに、この後も遊技を継続しようとする動機付けを与えることができる。
(5)さらに演出上で「ストーリーコンプリート」が発生した後、高確率状態で特定の条件(15ラウンド分の出玉あり確変大当り)を達成すると、プレミア演出(プレミアリーチ演出及びシークレット演出)に接する機会が遊技者に付与される。これにより、さらなる満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。
(6)また、プレミア演出を目撃した遊技者(周辺で遊技をしている遊技者を含む)に対し、「次の機会もプレミア演出を発生させよう」というインセンティブを働かせ、本実施形態のパチンコ機1に対する興味を強く沸き立たせることができる。
(7)その一方で、せっかくの特定態様演出が「15ラウンド通常大当り」によって終了することもあるが、この場合でも遊技者が自ら演出切替ボタン45を操作することにより、それまでの進行回数フラグを保存しておくことができる。
(8)そして、保存された進行回数フラグは、この後に「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2」を引き戻すことで再び読み込むことができ、この場合は前回までの続きから特定態様演出を再開することができる。このため、たとえ一旦は連チャンが終了したとしても、そこで遊技者に倦怠感を抱かせることなく、再度特定態様演出を発生させようとする意欲を沸き立たせることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態では、特定態様演出を発生させる当選図柄を「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2」としているが、これ以外の確変図柄で特定態様演出を発生させることとしてもよい。
また一実施形態では、高確率状態の連続(継続)を条件として本発明の手法を適用しているが、高確率中の通常大当り後、通常確率状態の時間短縮状態に移行した場合に本発明の手法を適用してもよい。あるいは、高確率状態に移行するか否かを条件とすることなく、例えば出玉ありの大当りであれば、当選図柄に関係なく本発明の手法を適用することもできる。