[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図7参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2Aを参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2Aは、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2Aに示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。また、特別変動入賞装置39の大入賞口内や大入賞口近傍(大入賞口の周囲)には、大入賞口を照らす1つ又は複数の大入賞口LED39d(フルカラーLED)が配設されている。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える(図2B参照)。
図2Bは、一括表示装置50の構成を示す図である。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD8、D10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD7)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D6)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3−6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100(主基板)は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定値を変更可能な状態にする設定キースイッチ93と、操作者の操作に応じて遊技条件に関する設定値を変更可能な設定値変更スイッチ102と、を備える。本実施形態では、遊技条件(遊技)に関する設定値は、大当り確率の確率設定値であるが、大当り確率以外の他の遊技条件(小当り確率や確変突入率など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102は、遊技条件に関する設定(設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、本実施形態において、設定値を確定させるための確定信号として、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチのタッチスイッチ信号を利用するが、操作可能な確定ボタンスイッチ(操作手段、操作部)を遊技制御装置100に設けて、確定ボタンスイッチからの信号を、設定値を確定させるための確定信号として利用してもよい。
設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102にアクセスして操作することができない。なお、本実施形態において、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102は、遊技制御装置100上に組み付けるようにして設けるが、電源装置400の電源基板上など、前面枠12(本体枠)が開放されなければアクセスできない位置に設けてもよい。
遊技機10の電源投入の際に、前面枠12(本体枠)が開放されて設定キースイッチ93がオンした状態にある場合、操作者が設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)を操作することによって、大当りの確率や確変突入率などの遊技条件に関する設定(設定値)を変更することができる。即ち、電源投入のときに、前面枠12が開放され設定キースイッチ93がオンした状態が、設定(設定値)の変更が可能となる設定可変状態となる。通常の手順では、操作者は、前面枠12を開放して設定キースイッチ93を回転操作してオン位置にし電源投入を行うと、設定変更中の状態に相当する設定可変状態となる。設定可変状態は、スピーカからの音声によって報知されてもよい。なお、電源投入のときに、ガラス枠15が開放され設定キースイッチ93がオンした状態を設定可変状態としてもよいし、前面枠12とガラス枠15の両方が開放され設定キースイッチ93がオンした状態を設定可変状態としてもよい
本実施形態において、遊技条件に関する設定値は、6段階で規定され、設定値1(設定1)、設定値2(設定2)、設定値3(設定3)、設定値4(設定4)、設定値5(設定5)、設定値6(設定6)がある。設定値1が遊技者に最も不利な設定であり、設定値6が遊技者に最も有利な設定である。設定値1、2が低設定であり、設定値3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定値5、6が高設定である。
設定値変更処理では、操作者によって設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)が操作される度に、設定値(設定)を設定値1→設定値2→設定値3→設定値4→設定値5→設定値6→設定値1→設定値2→・・・のように変更して選択する。なお、設定値変更ボタンの操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して設定値を変更する構成としてもよい。また、設定値は6段階に限られない。そして、選択されている1〜6の設定値が、7セグメント型の表示器である確率設定値表示装置143等に表示される。なお、確率設定値表示装置143は、電気回路を介して設定値変更スイッチ102の操作に直接連動して表示を変化させてよい。後述のように、一括表示装置50の変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52に、選択されている1〜6の設定値を表示してもよい。
操作者が操作ハンドル24に触れることによってタッチスイッチ信号が遊技制御装置100に入力されると、選択(変更)された設定値(即ち設定)が確定してRWM(記憶手段)内の確率設定値領域に記憶され、設定値変更処理は終了する。なお、タッチスイッチ信号に関係なく、設定値変更後に設定キースイッチ93をオフしたり、設定可変状態になってから所定時間経過すると、遊技制御装置100が設定値(即ち設定)を確定して記憶する構成も可能である。
一方、遊技機10の電源投入後に、前面枠12(本体枠)を開放して設定キースイッチ93を回転操作してオフ状態からオン状態にすると、設定値確認モード(設定確認状態)になる。設定値確認モードでは、確率設定値表示装置143に表示された設定値を確認できる。一括表示装置50の変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52に、選択されている1〜6の設定値を表示して確認してもよい。設定値確認モード(設定確認状態)は、スピーカからの音声によって報知されてもよい。
なお、設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)はRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)としても使用可能であり、電源投入(電源復旧)の際に初期化スイッチがオン状態であると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。
また、第2入力ポート123(入力ポート3)は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号と、設定値変更スイッチ102からの設定値変更スイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、アウト球検出スイッチからのアウト球検出スイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。本実施形態において、アウト球検出スイッチ(不図示)は、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するものである。アウト球検出スイッチ(不図示)は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよい。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
また、出力部130には、設定値(確率設定値)の情報を確率設定値表示装置143に出力するための第6出力ポート141(確率設定値表示出力ポート)が設けられている。本実施形態において、確率設定値表示装置143は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)であるが、設定値(確率設定値)の情報を、第6出力ポート141からドライバ(LEDドライバ)を介して確率設定値表示装置143に出力してよい。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、状態表示装置152を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、状態表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
状態表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、状態表示装置152は、4桁の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器であり、役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。なお、状態表示装置152は、役物比率や出玉率や排出球数を直接的に表示するものに限られずに、排出球数、出玉率、役物比率を間接的に表示するものでもよい。即ち、状態表示装置152は、役物比率や出玉率や排出球数に関する情報を表示できればよい。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、球発射装置から遊技領域32に発射された遊技球の個数である発射球数と基本的に同じになる。排出球数は、アウト球検出スイッチの信号をカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。排出球数は、カウントダウン表示され、(100−排出球数)が表示され、100個(所定個数)までしかカウントされない。なお、排出球数は、「00」から「99」へとカウントアップ表示されてもよい。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
なお、本実施形態では、出玉率は、排出球数が100個になる度に、排出球数が0から100個になるまでの間の獲得球数から簡易に求められる。即ち、排出球数は、100個(所定個数)までしかカウントされない。なお、排出球数が100個(所定個数)になる度に、出玉率は、排出球数が1から100個に変化するまでの間の最新の出玉率へと更新される。これにより、状態表示装置152に獲得球数(賞球数の合計)をそのまま表示すれば、出玉率が表示されることになる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート3(第2入力ポート123)の状態を読み込む(A1006)。これにより、設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102、ガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号を読み込むことができる。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2入力ポート123(入力ポート3)には、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号と設定値変更スイッチ102からの設定値変更スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第2入力ポート123の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、状態表示装置152を駆動するドライバ150を初期設定する(A1016)。
ここで、遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、状態表示装置152の各LEDの明るさに対応する。デューティ比に対応する制御用データは、ドライバ150(LEDドライバ)のデューティ設定部で使用される。各LEDを省電力で暗めにするため、ドライバ150のデューティ比を通常より小さくしてよい。次に、遊技制御装置100は、初期設定において、状態表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。使用桁数に対応する制御用データは、ドライバ150(LEDドライバ)の桁数設定部で使用される。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、RAM111cは正常であり、RAMクリア先頭アドレス2を設定する(A1021)。
図5Cは、遊技用マイコン111のRAM111cの構成を示す図である。図5Cのように、RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値領域をクリア対象のRAM領域から外すように設定される。RAMクリア先頭アドレス2によって、クリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#2となる。クリア領域#2は、乱数領域、制御用情報領域、遊技制御用スタック領域を含む。乱数領域は、各種初期値乱数を記憶する初期値乱数領域と、変動パターン乱数を記憶する変動パターン乱数領域を含む。制御用情報領域は、停電検査領域1からチェックサム領域までの領域であり、停電検査領域1、停電検査領域2、チェックサム領域などを含む。なお、乱数領域はクリア領域#2から除いてもよい。なお、クリア領域#2に、役物比率など状態表示装置152に表示する情報を記憶する状態表示用作業領域と、状態表示装置152に表示する情報を処理するための状態表示用スタック領域は含まれない。
なお、図5Cにおいて、確率設定値領域、乱数領域、制御用情報領域からなる遊技制御用作業領域と遊技制御用スタック領域との間に、未使用領域を設けてもよい。また、状態表示用作業領域と状態表示用スタック領域との間に、未使用領域を設けてもよい。また、状態表示用スタック領域がRAM111cのアドレスの最後尾に配置され、図5Cの最後尾の未使用領域(図5Cの最下部)をなくしてもよい。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中(設定可変状態中、設定変更状態中)であるか否かを判定する(A1022)。遊技制御装置100は、確率設定変更中である場合に(A1022の結果が「Y」)、ステップA1036−A1041の確率設定変更中の処理を実行する。確率設定値変更中フラグ(A1038)がセットされている場合に確率設定変更中であると判定できる。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でない場合に(A1022の結果が「N」)、前面枠12(本体枠)は開放状態であるか否か判定する(A1023)。前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号が入力されている場合に、前面枠12(本体枠)は開放状態であると判定できる。なお、ステップA1023では、前面枠12の代わりにガラス枠15が開放状態であるか否か判定してもよいし、前面枠12とガラス枠15の両方が開放状態であるか否か判定してもよい。なお、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号が入力されている場合に、ガラス枠15は開放状態であると判定できる。
遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態である場合に(A1023の結果が「Y」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A1024)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、設定(設定値)の変更が可能となる設定可変状態であるため、ステップA1036−A1041の設定可変状態でのRAM初期化処理(RAMクリア処理)と設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態でない場合(閉状態の場合)(A1023の結果が「N」)、又は、設定キースイッチ93がオフの場合に(A1024の結果が「N」)、設定値変更スイッチ102がオンしているか否かを判定する(A1025)。設定値変更スイッチ102がオンしていない場合に(A1025の結果が「N」)、ステップA1031−A1035の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、設定値変更スイッチ102がオンしている場合に(A1025の結果が「Y」)、ステップA1042−A1045のRAM初期化(RAMクリア)の処理を実行する。なお、ここで、設定キースイッチ93のオフ状態で、電源投入の際に設定値変更スイッチ102が操作されて(押されて)オンしているため、設定値変更スイッチ102はRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)として使用されていることになる。なお、前面枠12の閉状態(A1023の結果が「N」)で、設定値変更スイッチ102がオンする状況は実際にはない。初期化スイッチとしても機能し得る設定値変更スイッチ102は外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1020の結果が「N」)、RAM111cの異常が生じており、ステップA1026以降のRAM異常に対処する処理に移行する。まず、RAMクリア先頭アドレス1を設定する(A1026)。図5Cのように、RAMクリア先頭アドレス1は、遊技制御用作業領域の先頭アドレスであるため、確率設定値領域もクリア対象のRAM領域に含まれる。RAMクリア先頭アドレス1によって、クリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#1に設定される。クリア領域#1は、遊技制御用作業領域(確率設定値領域、乱数領域、制御用情報領域からなる)、及び、遊技制御用スタック領域を含む。なお、クリア領域#1に、状態表示装置152に表示する情報を記憶する状態表示用作業領域と、状態表示装置152に表示する情報を処理するための状態表示用スタック領域は含まれない。
次に、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)は開放状態であるか否か判定する(A1027)。前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号が入力されている場合に、前面枠12は開放状態であると判定できる。
遊技制御装置100は、前面枠12が開放状態である場合に(A1027の結果が「Y」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A1028)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1028の結果が「Y」)、設定値の変更が可能となる設定可変状態であるため、ステップA1036−A1041の設定可変状態でのRAM初期化処理(RAMクリア処理)と設定変更中の処理を実行する。なお、この場合のRAM初期化処理でのクリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#1となる。従って、RAM異常が解消できる。
遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態でない場合(閉状態の場合)(A1027の結果が「N」)、又は、設定キースイッチ93がオフの場合に(A1028の結果が「N」)、遊技者に設定変更することを促すための設定変更指示のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1029)。なお、設定変更指示のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技者に設定変更することを促す設定変更指示表示を表示装置41に表示する。設定変更指示表示により、遊技者が設定変更を行おうとして設定キースイッチ93がオンになり(A1028の結果が「Y」)、設定変更の際のRAMクリア処理(A1036)によって、RAM異常が解消できる。
その後、遊技制御装置100は、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1030)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
次に、ステップA1031−A1035の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を説明する。
遊技制御装置100は、まず、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1031)。初期化すべき領域とは、図5Cのクリア領域#2(乱数領域、制御用情報領域、遊技制御用スタック領域)となる。ここで、制御用情報領域には、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域が含まれる。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1032)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1032の結果が「N」)、ステップA1033及びステップA1034の処理をスキップして、ステップA1035の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1032の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1033)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示部59、エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1034)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1035)、ステップA1046の処理に移行する。
次に、ステップA1036−A1041の設定可変状態でのRAM初期化処理(RAMクリア処理)と設定変更中の処理を説明する。
遊技制御装置100は、まず、クリア対象のRAM領域を0クリアする(A1036)。クリア対象のRAM領域は、RAM111cが正常である場合に(A1020の結果が「Y」)、RAMクリア先頭アドレス2が設定されているため、図5Cのクリア領域#2となる。RAM111cが異常である場合に(A1020の結果が「N」)、RAMクリア先頭アドレス1が設定されているため、図5Cのクリア領域#1となる。即ち、RAM正常時には確率設定値領域はクリアされないが、RAM異常時には、確率設定値領域もクリアされることになる。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1037)。なお、この時点では、前面枠12が開放状態であることが前提であり、セキュリティ信号を出力するためのセキュリティ信号制御タイマ(後述)の初期値をセーブし、前面枠12(本体枠)が開放されたことなどを外部装置(ホールコンピュータなど)に出力できるようにする。なお、RAM異常時に確率設定値領域がクリアされた場合には、デフォルト値(例えば設定値1)を確率設定値領域に初期値としてセーブしてよい。
そして、遊技制御装置100は、設定変更が可能となる設定可変状態であること(即ち、設定変更中であること)を示す確率設定値変更中フラグをセットする(A1038)。続いて、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値変更時の初期データとして確率設定値表示データ領域にセーブし(A1039)、確率設定値領域の値をロードし、確率設定値変更時の初期データとして作業用確率設定値領域にセーブする(A1040)。続いて、設定可変状態(確率設定変更中)であることを示す確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1041)、ステップA1046の処理に移行する。確率設定変更中のコマンドによって、演出制御装置300は、設定可変状態(確率設定変更中)であることを認識できる。
次に、ステップA1042−A1045のRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ、設定値変更スイッチ102)によるRAM初期化(RAMクリア)の処理を説明する。
遊技制御装置100は、まず、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(A1042)、クリア対象のRAM領域を0クリアする(A1043)。クリア先頭アドレス2が設定されているため、クリア対象のRAM領域RAMは、図5Cのクリア領域#2となる。このため、RAM初期化スイッチ(設定値変更スイッチ102)の操作によるRAM初期化(RAMクリア)の処理において、確率設定値領域はクリアされない。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1044)。ここで、初期化すべき領域とは、例えば、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1045)、ステップA1046の処理に移行する。
なお、ステップA1035の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1045の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入されたこと示す電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、演出回数情報コマンド、高確率状態での残りゲーム数を示す高確率回数情報コマンドが含まれる。なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)を受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。
さらに、停電復旧時のコマンド及びRAM初期化時のコマンドには、遊技機10の設定値(確率設定値)の情報である設定値情報を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
ステップA1035、A1041、A1045の処理の後、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1046)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1046のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、小当り図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1050の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1051)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1052)。停電監視信号がオンでない場合には(A1052の結果が「N」)、ステップA1050の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1050)の前に割込みを許可する(A1049)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。なお、設定変更中(設定可変状態中)は、初期値乱数更新に係るステップA1046、A1047、A1048、A1050の処理を実行しなくてもよい。
なお、ステップA1050の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1052の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1051の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1053)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1053の結果が「N」)、ステップA1052に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1053の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1054)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1055)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1056)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1057)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1058)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1059)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1060)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、乱数更新処理1(A1305)、乱数更新処理2(A1306)を実行する。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、確率設定変更中(設定可変状態中)である場合に乱数更新処理1と乱数更新処理2を実行しなくてよい。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1307)。
次に、遊技制御装置100は、確率設定値を変更するための確率設定値変更処理を実行する(A1308)。続いて、確率設定変更中(設定可変状態中)であるか否かを判定する(A1309)。確率設定変更中であるか否かは、確率設定値変更中フラグ(A1038)によって判定できる。次に、確率設定確認中(設定確認状態中)であるか否かを判定する(A1310)。後述の確率設定値確認モード中フラグがセットされている場合に、確率設定確認中であると判定できる。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1310の結果が「N」)、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行する(A1311)。さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1312)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技制御装置100は、確率設定変更中である場合に(A1309の結果が「Y」)又は確率設定確認中である場合に(A1310の結果が「Y」)、必要がないため、払出コマンド送信処理(A1311)、特図ゲーム処理(A1312)、普図ゲーム処理(A1313)を実行せず、ステップA1314の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。例えば、磁石不正監視処理では、異常があった場合に磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグをセーブする。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。例えば、電波不正監視処理では、異常があった場合に盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグをセーブする。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1317)。そして、状態表示装置152への出力データを編集して出力する状態表示編集出力処理を実行する(A1318)。状態表示編集出力処理では、状態表示装置152への出力データとして、役物比率や出玉率や排出球数などを計算してよい。また、状態表示編集出力処理では、電源投入(電源復旧)時において状態表示用作業領域のチェックサムを計算して電源断時のチェックサムと一致しない場合に、状態表示用作業領域と状態表示用スタック領域をクリアしてもよい。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(A1304)の詳細について説明する。図7は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A1601)。次に、大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(A1602)。
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新する(A1603)。さらに、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(A1604)。そして、取得したデータと外部情報データを合成し(A1605)、合成したデータをデジット出力・外部情報出力用の第4出力ポート136に出力する(A1606)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A1607)、ロードしたデータをセグメント出力用の第3出力ポート135に出力する(A1608)。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力するデータをロードして合成し(A1609)、さらに、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(A1610)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の第5出力ポート137に出力する(A1611)。
次に、遊技制御装置100は、確率設定値表示のオフ出力データを設定する(A1612)。オフ出力データは、確率設定値表示を行わない期間の出力データ(消灯するためのブランクデータ)である。そして、確率設定値の表示を許可する確率設定値表示許可フラグがセットされているか判定する(A1613)。確率設定値表示許可フラグは、後述の確率設定値変更処理で設定されるものである。
遊技制御装置100は、確率設定値表示許可フラグがセットされている場合に(A1613の結果が「Y」)、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データをロードし(A1614)、ロードした確率設定値表示データを確率設定値表示出力ポート(第6出力ポート141)に出力する(A1615)。確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合に(A1613の結果が「N」)、確率設定値表示データをロードせず、オフ出力データを確率設定値表示出力ポート(第6出力ポート141)に出力する(A1615)。従って、確率設定値表示許可フラグがセットされている場合に、確率設定値表示装置143に確率設定値が表示され、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合に、確率設定値表示装置143は消灯する(ブランク表示)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1に合成したデータを出力する(A1616)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(A1617)。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(A1618)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(A1619)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5に合成したデータを出力し(A1620)、出力処理を終了する。
その後、遊技制御装置100は、確率設定値の試験信号出力データをロードする(A1621)。ここでは、確率設定値に関する試験信号出力データとして、確率設定値表示装置143(7セグメント型の表示器)の表示データそのもの、即ち、確率設定値表示データ領域の確率設定値表示データを出力する。なお、試験信号出力データは、設定値を表す数値データ(1〜6)でもよいし、その他の形態の出力データでもよい。そして、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1622)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1622の結果が「Y」)、ロードしたデータと設定キースイッチオン情報を合成し(A1623)、合成したデータを試験信号出力ポート6に出力する(A1624)。一方、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1622の結果が「N」)、確率設定値の試験信号出力データをそのまま試験信号出力ポート6に出力する(A1624)。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図8は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞口スイッチ/状態監視処理は、タイマ割込み処理におけるステップA1307にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中(設定可変状態中)であるか否かを判定する(A2001)。遊技制御装置100は、確率設定変更中でない場合に(A2001の結果が「N」)、確率設定確認中(設定確認状態中)であるか否かを判定する(A2002)。確率設定確認中でない場合に(A2001の結果が「N」)、通常の通り、ステップA2003からA2010までの監視処理等を実行する。一方、確率設定変更中である場合に(A2001の結果が「Y」)又は確率設定確認中である場合に(A2002の結果が「Y」)、ガラス枠15が解放されている場合もあるため何れかの入賞口に手で遊技球を入れられる可能性があり、監視処理等を行っても意味がないため、ステップA2003からA2010までの監視処理等を実行せず、ステップA2011の処理に移行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でない場合に(A2001の結果が「N」)、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の一方に対応する入賞口監視テーブル1を準備する(A2003)。そして、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2004)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の他方に対応する入賞口監視テーブル2を準備する(A2005)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2006)。
そして、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに対応する入賞口監視テーブルを準備する(A2007)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2008)。続いて、不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2009)。不正監視が不要な入賞口スイッチは、始動口1スイッチ36aと一般入賞口35の入賞口スイッチ(SW)35aである。
次に、遊技制御装置100は、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2010)。そして、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(A2011)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(A2012)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2013)。なお、遊技機状態チェック処理の詳細は、後述する。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態(スイッチ異常1エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態(払い出し異常エラー)の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(A2014)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2015)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する(A2016)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(A2016の結果が「N」)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(A2016の結果が「Y」)、遊技機状態監視テーブル3を準備し(A2017)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2018)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態(スイッチ異常2エラー)の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、遊技制御装置100は、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信号チェック処理を実行し(A2019)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
なお、ステップA2017からA2019までの処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にA2017からA2019までの処理が行われることとなる。
なお、不正&入賞監視処理(A2008)において、大入賞口(特別変動入賞装置39)や普通変動入賞装置37に関する入賞数と役物別獲得球数(賞球数の合計)をカウントし記憶し、さらに、入賞数と役物別獲得球数の情報を演出コマンドとして設定してよい。入賞数カウンタ更新処理(A2010)において、始動入賞口36と一般入賞口35に関する入賞数と役物別獲得球数(賞球数の合計)をカウントし記憶し、さらに、入賞数と役物別獲得球数の情報を演出コマンドとして設定してよい。また、入賞口スイッチ/状態監視処理(図8)において、アウト球検出スイッチによってアウト球数(排出球数)をカウントし記憶し、さらに、アウト球数の情報を演出コマンド(アウト球数コマンド)として設定してよい。出玉率は、排出球数に対する全賞球数(全役物別獲得球数)の比率(割合)である。役物比率は、例えば、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。状態表示編集出力処理(A1318)で、状態表示装置152への出力データとして、役物比率や出玉率や排出球数などを計算してよい。
〔遊技機状態チェック処理〕
図9は、遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技機状態チェック処理は、図8に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2013、A2015及びA2018にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(A2201)。状態スキャンカウンタは遊技状態に対応して0から3の範囲の値が設定されている。なお、状態監視テーブルと状態スキャンカウンタとの関係については、図8に示した入賞口スイッチ/状態監視処理にて説明した通りである。
続いて、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンであるか否かを判定する(A2202)。チェック対象の信号がオンでない場合(A2202の結果が「N」)、すなわち、チェック対象の信号がオフの場合には、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(A2203)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(A2204)。さらに、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(A2205)。状態オフフラグは、エラー系の信号に関しては、正常状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ無しの状態を示す。
一方、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンの場合には(A2202の結果が「Y」)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(A2206)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(A2207)。さらに、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得する(A2208)。状態オンフラグは、エラー系の信号に関しては、異常又は不正状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ有りの状態を示す。
ステップA2205又はステップA2208の処理が終了すると、遊技制御装置100は、対象の信号制御領域の値が取得された信号の状態と一致するか否かを判定する(A2209)。一致する場合には(A2209の結果が「Y」)、ステップA2212の処理に移行する。一致していない場合には(A2209の結果が「N」)、対象の信号制御領域に取得した信号状態をセーブし(A2210)、対象の状態監視タイマをクリアする(A2211)。
続いて、遊技制御装置100は、対象の状態監視タイマを+1更新する(A2212)。さらに、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2213)。更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値未満の場合には(A2213の結果が「N」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上の場合には(A2213の結果が「Y」)、状態監視タイマを−1更新し、タイマ比較値−1の値に留める(A2214)。さらに、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A2215)。一致している場合には(A2215の結果が「Y」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致していない場合には(A2215の結果が「N」)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブする(A2216)。最後に、演出コマンドを設定する演出コマンド設定処理を実行し(A2217)、遊技機状態チェック処理を終了する。ここでの演出コマンドは、状態オフコマンドか状態オンコマンドの何れかである。状態オンコマンドがエラー系のコマンドであれば、演出制御装置300にエラー報知を開始させる。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
〔確率設定値変更処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における確率設定値変更処理(A1308)の詳細について説明する。図10は、確率設定値変更処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値変更中(設定可変状態中)であるか否かを判定する(A2401)。確率設定値変更中でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値を確認するための確率設定値確認処理を実行する(A2402)。
遊技制御装置100は、確率設定値変更中である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値消灯タイマが0でなければ−1更新し(A2403)、確率設定値消灯タイマは0であるか否かを判定する(A2404)。確率設定値消灯タイマが0である場合に(A2404の結果が「Y」)、確率設定値表示許可フラグをセットし(A2405)、ステップA2406の処理に移行する。確率設定値消灯タイマが0でない場合に(A2404の結果が「N」)、何もせず、ステップA2406の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、ステップA2406において、確率設定値が変更済みであるか否かを判定する(A2406)。後述の確率設定値変更済みフラグがセットされている場合に、確率設定値が変更済みである。確率設定値が変更済みである場合に(A2406の結果が「Y」)、ステップA2416からA2421の設定変更終了の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定値が変更済みでない場合に(A2406の結果が「N」)、設定値変更スイッチ102からの入力があるか否かを判定する(A2407)。設定値変更スイッチ102からの入力がない場合に(A2407の結果が「N」)、ステップA2411の処理に移行する。
遊技制御装置100は、設定値変更スイッチ102からの入力がある場合に(A2407の結果が「Y」)、作業用確率設定値領域の値を0〜5の範囲で+1更新する(A2408)。このように、設定値変更スイッチ102が操作される度に、作業用確率設定値領域の値が1だけ増加する。なお、作業用確率設定値領域の値が5になった後、設定値変更スイッチ102が操作されると、作業用確率設定値領域の値は0に戻るようにしてよい。作業用確率設定値領域の値0〜5は、6段階の確率設定値1〜6に対応する。なお、確率設定値は6段階に限られるものではない。
そして、遊技制御装置100は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(A2409)。次に、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(例えば100ms)をセーブする(A2410)。この初期値は、確率設定値表示装置143が消灯(ブランク表示)する消灯期間(ブランク期間)に対応する。
このように、確率設定値消灯タイマが0である場合に、確率設定値表示許可フラグをセットすることによって、確率設定値表示データが設定変更中の確率設定値(作業用確率設定値)として確率設定値表示装置143に表示され、確率設定値消灯タイマが0でない場合に、確率設定値表示装置143は消灯する。確率設定値消灯タイマによって設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)が操作されてから所定の消灯期間だけ消灯するため、設定が一段階だけしかない場合(設定値が1のみである場合)でも、設定値変更スイッチ102が操作されたことが確率設定値表示装置143で視認できる。
次に、遊技制御装置100は、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからのタッチスイッチ信号の入力があるか否かを判定する(A2411)。タッチスイッチ信号の入力がない場合に(A2411の結果が「N」)、確率設定値変更処理を終了する。タッチスイッチ信号の入力がある場合に(A2411の結果が「Y」)、作業用確率設定値領域の値をロードし、確率設定値領域にセーブする(A2412)。タッチスイッチ信号は、設定値を確定させるための確定信号となる。そして、確定した確率設定値に対応する値0〜5が確率設定値領域に記憶されることになる。
なお、設定キースイッチ93をオフしたり、設定可変状態になってから所定時間経過すると、確率設定値を確定して確率設定値領域に記憶する構成も可能である。また、操作可能な確定ボタンスイッチ(操作手段、操作部)を遊技制御装置100に新たに設けて、この確定ボタンスイッチからの信号を、設定値を確定させるための確定信号として利用してもよい。即ち、タッチスイッチの操作の代わりに、新たに設けた確定ボタンスイッチの操作を確定操作としてもよい。
続いて、遊技制御装置100は、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(A2413)。これにより、確定した確率設定値が確率設定値表示装置143に表示される。そして、確率設定値が変更済みであることを示す確率設定値変更済みフラグをセットし(A2414)、確率設定値が変更されたことを示す確率設定値変更のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A2415)、確率設定値変更処理を終了する。
ステップA2416からA2421の設定変更終了の処理において、遊技制御装置100は、まず、設定キースイッチ93はオフであるか否かを判定する(A2416)。設定キースイッチ93がオン状態の場合に(A2416の結果が「N」)、確率設定値変更処理を終了する。設定キースイッチ93はオフ状態の場合に(A2416の結果が「Y」)、RAMクリア先頭アドレス3を設定し(A2417)、クリア対象のRAM領域を0クリアする(A2418)。ここでのクリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#3となる。クリア領域#3は、制御用情報領域(停電検査領域1からチェックサム領域までの領域)と遊技制御用スタック領域からなり、確率設定値領域と乱数領域は除外されている。なお、クリア領域#3は、クリア領域#2から乱数領域を除いたものであり、設定変更中に更新した乱数は無駄にならない。クリア対象のRAM領域を0クリアすることによって、作業用確率設定値領域の情報や、確率設定値変更中フラグ、確率設定値変更済みフラグなど、設定変更のために使用した情報やフラグはクリアされる。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A2419)。なお、設定変更終了の際であるため、セキュリティ信号を出力するためのセキュリティ信号制御タイマ(後述)の初期値をセーブし、前面枠12(本体枠)が開放されたことなどを外部装置(ホールコンピュータなど)に出力できるようにする。その後、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(A2420)。これにより、設定変更終了の際の確率設定値が確率設定値表示装置143に表示され、維持される。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更が終了したことを示す確率設定変更終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A2421)、メイン処理(図5B)に戻り、ステップA1049の処理に移行する。ここで送信するコマンドは、前述の機種指定コマンド、飾り特図1保留数コマンド、飾り特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)、確率設定変更終了のコマンド(RAM初期化のコマンドでよい)である。機種によって、演出モード情報コマンド、演出回数情報コマンド、高確率回数情報コマンドが送信される。確率設定変更終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。
〔確率設定値確認処理〕
次に、前述の確率設定値変更処理における確率設定値確認処理(A2402)の詳細について説明する。図11は、確率設定値確認処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値を確認可能なモードである確率設定値確認モード中(設定値確認可能状態中)であるか否かを判定する(A2501)。後述の確率設定値確認モード中フラグがセットされている場合に、確率設定値確認モード中であると判定できる。確率設定値確認モード中である場合に(A2501の結果が「Y」)、ステップA2509以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定値確認モード中でない場合に(A2501の結果が「N」)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(A2502)。そして、遊技中であるか否かを判定する(A2503)。例えば、変動表示ゲーム実行中や大当り状態中であれば、遊技中であると判定できる。遊技中である場合に(A2503の結果が「Y」)、確率設定値の確認を不可とすべく確率設定値確認処理を終了する。遊技中でない場合に(A2503の結果が「N」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A2504)。設定キースイッチ93がオフである場合に(A2504の結果が「N」)、確率設定値確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオンである場合に(A2504の結果が「Y」)、確率設定値確認モード中フラグをセットする(A2505)。これにより、確率設定値変更中(設定可変状態中)でない場合において(A2401の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンになれば、確率設定値を確認可能な確率設定値確認モード(設定値確認可能状態)になる。続いて、確率設定値表示許可フラグをセットする(A2506)。これにより、出力処理(図7)によって、確率設定値表示データ領域からロードした確率設定値表示データに基づいて、確率設定値が確率設定値表示装置143に表示される。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号を出力可能とするために、セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブする(A2507)。設定値を確認するとセキュリティ信号が出力されることになり、前面枠12が開放されたことなどを外部装置(ホールコンピュータなど)に出力できるようになる。確率設定値確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A2508)、確率設定値確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定値確認モード中である場合に(A2501の結果が「Y」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A2509)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A2509の結果が「Y」)、確率設定値確認モードが継続し、確率設定値確認確率設定値確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A2509の結果が「N」)、確率設定値確認モード中フラグをクリアする(A2510)。従って、設定キースイッチ93がオフすることによって、確率設定値確認モードが終了する。そして、確率設定値が確率設定値表示装置143に表示されないようにするため、確率設定値表示許可フラグをクリアする(A2511)。続いて、確率設定値確認が終了したことを示す確率設定値確認終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A2512)。
なお、以上において、設定値変更スイッチ102をRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)としても使用可能であるように構成したが、設定値変更スイッチ102とは別にRAM初期化スイッチを設けてもよい。この場合に、電源投入(電源復旧)の際に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチがオンであれば設定可変状態(設定変更状態)となり、設定キースイッチ93がオンでRAM初期化スイッチがオフであれば設定確認状態(設定値確認可能状態)となり、設定キースイッチ93がオフでRAM初期化スイッチがオンであればRAM初期化(RAMクリア)が可能になり、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチがオフであれば通常の電源投入(電源復旧)の状態となるように構成してもよい。さらに、設定キースイッチ93がオンからオフしたときに、設定値(設定)が確定するように構成してもよい。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312)の詳細について説明する。図12は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。なお、特図変動中処理の詳細については、図28にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りファンファーレコマンド(演出コマンド)、大当りファンファーレ時間、確率情報コマンド(低確率)など必要な情報を設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンド(演出コマンド)や小当りファンファーレ時間など必要な情報を設定して、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号「7」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りでなければ、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンド(演出コマンド)や大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大入賞口開放中処理では、演出コマンドとしてのインターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。例えば、大当り終了処理では、大当り状態終了後の確率状態や大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、これら確率状態や時短状態などを確率情報コマンド(演出コマンド)として設定し、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率情報コマンドには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報などが含まれる。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A2615)。例えば、小当りファンファーレ中処理では、大入賞口の小当り開放時間など必要な情報を設定して、小当り中処理に係る処理番号「8」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A2616)。例えば、小当り中処理では、小当り残存球処理時間など必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「9」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「9」の場合には、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A2617)。例えば、小当り残存球処理では、小当りエンディング時間など必要な情報を設定して、特図小当り終了処理に係る処理番号「10」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理を実行する(A2618)。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2619)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2620)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2621)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2622)。なお、図柄変動制御処理の詳細については、図29にて後述する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図13は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図14は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A2912)。始動入賞口36への入賞でない場合(A2912の結果が「N」)には、ステップA2915の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A2912の結果が「Y」)、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2913)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2914)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2915)、特図保留情報判定処理を実行する(A2916)。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2917)、演出コマンド設定処理(A2918)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2916)の詳細について説明する。図15は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、ステップA2907にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A3001)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3001の結果が「N」)、ステップA3004の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A3001の結果が「Y」)には、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A3002)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A3002の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。一方、特図時短中でない場合(A3002の結果が「N」)には、大当り中または小当り中であるか否かを判定する(A3003)。大当り中または小当り中である場合(A3003の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、大当り中または小当り中でない場合(A3003の結果が「N」)、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるかを判定する大当り判定処理を実行する(A3004)。そして、判定結果が大当りである場合(A3005の結果が「Y」)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3006)、ステップA2910にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3007)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、判定結果が大当りでない場合(A3005の結果が「N」)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるか否かを判定する(A3008)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3008の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞である場合(A3008の結果が「Y」)、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるかを判定する小当り判定処理を実行する(A3009)。そして、判定結果が小当りでない場合(A3010の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。一方、判定結果が小当りである場合(A3010の結果が「Y」)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3011)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3012)、ステップA3014の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A3014)、演出コマンド設定処理を実行する(A3015)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を行い(A3016)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3017)。
その後、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3018)、演出コマンド設定処理を行い(A3019)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA3016における特図情報設定処理、ステップA3017における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(A2602)の詳細について説明する。図16は、大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3101)。大入賞口開放中処理中である場合(A3101の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(A3101の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3102)。
遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理中である場合(A3102の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(A3105の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるか否かを判定する(A3103)。小当り中処理中である場合(A3104の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(A3103の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3104)。特図ゲーム処理タイマが0になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中でない場合(A3104の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(A3104の結果が「Y」)は、ステップA3105の処理に移行する。そして、入賞カウンタに0をセットして(A3105)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3106)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ1に入力がない場合(A3106の結果が「N」)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3110)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(A3106の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3107)、演出コマンド設定処理(A3108)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3109)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3110)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ2に入力がない場合(A3110の結果が「N」)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3114)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(A3110の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3111)、演出コマンド設定処理(A3112)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3113)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3114)。
遊技制御装置100は、入賞カウンタの値が0である場合(A3114の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でない場合(A3114の結果が「N」)、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3115)。大入賞口残存球処理中である場合(A3115の結果が「Y」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(A3115の結果が「N」)、小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3116)。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中である場合(A3116の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(A3116の結果が「N」)、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(A3117)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったか否かを判定する(A3118)。
遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3118の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3118の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を上限値に留め(A3119)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A3120)、小当り中処理中であるかを判定する(A3121)。
遊技制御装置100は、小当り中処理中でない場合(A3121の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(A3121の結果が「Y」)、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(A3122)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図17は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3205)。そして、特図1保留数が0である場合(A3205の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3209)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3209の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に、客待ちデモ状態(客待ちデモ中の状態)であることを示す客待ちデモ中フラグをセットする(A3210)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3211)、演出コマンド設定処理を行い(A3212)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A3213)。一方、ステップA3209にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3209の結果が「Y」)も、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A3213)。その後、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3214)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3215)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3216)、特図普段処理を終了する。
このように、客待ちデモコマンドは、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)が0である場合に送信され、客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41等に客待ちデモを表示する設定を行う。なお、遊技制御装置100は、操作ハンドル24のタッチスイッチからのタッチスイッチ信号がオフ信号となった場合にのみ、客待ちデモコマンドを送信する構成も可能である。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行し(A3204)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3205の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3206)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3207)、演出コマンド設定処理を実行し(A3208)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3206)の詳細について説明する。図18は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、特図1変動表示ゲームに関して、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。
そして、遊技制御装置100は、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3408)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3409)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3410)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3411)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3412)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3413)。続いて、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図19は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図18に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。そして、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(A3507)。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、特図2変動表示ゲームに関して、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。
次に、遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3508)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3509)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3510)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3511)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3512)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3513)。続いて、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図20は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(A3601)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3602)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3603)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3604)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3605)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りである場合(A3606の結果が「Y」)、ステップA3602にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3607)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3606の結果が「N」)、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3608)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りである場合(A3609の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3610)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りでない場合(A3609の結果が「N」)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図21は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図20に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図22は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する上限判定値のテーブル(上限判定値テーブル)を設定する(A3801)。上限判定値テーブルは、高確率状態の場合と低確率状態の場合のそれぞれに関して、確率設定値に応じて上限判定値を定めるものである。そして、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3802)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3803)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3803の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3808)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3803の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3804)。そして、高確率状態である場合には(A3804の結果が「Y」)、上限判定値テーブルを用いて、確率設定値に対応して高確率中の上限判定値を設定する(A3805)。一方、高確率状態でない場合には(A3804の結果が「N」)、上限判定値テーブルを用いて、確率設定値に対応して低確率中の上限判定値を設定する(A3806)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3807)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3807の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3808)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3807の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3809)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(A3608)の詳細について説明する。図23は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3009などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定する(A3901)。そして、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3902)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3904)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3902の結果が「N」)、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3903)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3903の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3904)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3903の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3905)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。
〔大当り確率、小当り確率〕
図24(A)(B)(C)は、上述の大当り判定処理(図22)と小当り判定処理(図23)の結果として決定される特図変動表示ゲームの大当り確率と小当り確率を各設定(各設定値)に対して例示するテーブルである。
図24(A)の例では、設定(各設定値)ごとに大当り確率と小当り確率が異なる場合を示す。大当り確率(低確率時と高確率時)と小当り確率は、設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなり、設定値が大きいほど大当りが発生し易くなり遊技者に有利となる。なお、大当り確率は、図22の上限判定値と下限判定値の差分を大当り乱数の値の範囲で割ったものである。大当り確率は、上限判定値の他に、下限判定値又は大当り乱数の値の範囲を設定値に対応して変更することによって、設定値に応じて変更できる。別例では、低確率時の大当り確率と高確率時の大当り確率のうち一方だけを、設定値が大きくなるとともに高くするように構成してもよい。大当り確率と小当り確率が設定(設定値)に応じて変化することによって、遊技者は設定(設定値)を大当り確率と小当り確率から推定する楽しみがあり、遊技の興趣が向上する。
図24(B)の例では、設定1、2、3(設定値1、2、3)と設定4、5、6(設定値4、5、6)の大当り確率と小当り確率が同じに設定されている。なお、設定1〜3又は設定4〜6において、大当り確率と小当り確率は、設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなる。図24(B)の例では、遊技者は設定(設定値)を大当り確率と小当り確率から推定することが、図24(A)の場合より難しくなり、遊技者を飽きさせないようにできる。
図24(C)の例では、設定(設定値)によらず、大当り確率(低確率時と高確率時)と小当り確率は同じである。この場合に、遊技者は設定(設定値)を他の設定判別要素から推定することになる。
他の設定判別要素としては、確変突入率(後述)、大当り終了後の普電サポートの継続回数(後述)、ST機での確変状態の継続回数、大当りラウンド回数(ラウンド数上限値)、特図変動表示ゲームの変動パターン(変動時間値)、特図ゲーム処理で設定される各種の時間(停止表示時間、ファンファーレ時間等)などがある。これら設定判別要素の所定の内容が選択される確率を設定値ごとに異ならせておけば、遊技者は設定値をこれら設定判別要素から推定することができる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図25は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(A4001)、大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定する(A4003)。
続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4007)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4008)。時間短縮判定データには、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の有無の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4009)。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(A4018)。
なお、演出モード移行情報は、演出モードを移行させるための情報である。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4001の結果が「Y」)に設定され大当り終了処理で使用される。即ち、演出モード移行情報によって、大当りを契機に演出モードを移行させることができる。また、上記のように演出モード移行情報は大当りの停止図柄パターン(確変大当り図柄/通常大当り図柄であるか等)に応じて設定されるため、大当り図柄の種類(大当りの種類)で、大当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化することになる。また、上記のように演出モード移行情報は確率状態に応じて設定されるため、現在特図高確率状態(確変状態)中か否かによっても、演出モードの移行先が影響を受ける。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、小当りフラグが小当りか否かを判定し(A4010)、小当りである場合(A4011の結果が「Y」)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(A4011)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(A4012)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4013)。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(A4014)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(A4015)。ここでの演出モード移行情報は、小当りの場合(A4010の結果が「Y」)に設定され、小当りを契機に演出モードを移行させることができる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(A4010の結果が「N」)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4016)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4017)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4019)、演出コマンド設定処理を実行する(A4020)。この飾り特図コマンドは、演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4021)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4022)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A4023)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図26は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2が大当りか否かを判定し(A4101)、大当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定する(A4103)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4107)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4108)。時間短縮判定データには、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の有無の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4109)。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4101の結果が「Y」)に設定され大当り終了処理で使用される。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(A4112)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4101の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4110)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4111)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4112)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4113)、演出コマンド設定処理を実行する(A4114)。この飾り特図コマンドは、演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4115)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4116)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図大当り図柄振分の一例〕
図27は、上述の特図ゲーム処理によって制御される特図変動表示ゲームの大当り図柄振分(大当り内訳)を各設定に対して例示するテーブルである。
図27は、大当りの種類を示す大当り図柄番号1〜6(停止図柄番号)とその振分率を規定する大当り図柄テーブルを各設定に対して例示する。図27のように、大当り図柄番号(大当りの種類、図柄1〜6)の振分率は、設定(設定値)に応じて変更でき、確変突入率は設定値が大きくなるほど高くなり遊技者に有利となる。なお、確変突入率は、大当り終了後の確率状態が高確率になる確変大当り図柄が全図柄に対して占める割合である。また、大当り終了後の普電サポートの回数は、特に通常大当り(大当り終了後の確率状態が低確率になるもの)に対して、設定1〜3又は設定4〜6において、設定値が大きくなるほど大きくなる。設定1、2、3(設定値1、2、3)と設定4、5、6(設定値4、5、6)の普電サポートの回数は同じに設定されている。なお、ST機では、確変状態の継続回数を設定値が大きくなるほど大きくするような構成も可能である。
また、図27では、1回の大当りで付与されるラウンド回数(ラウンド数上限値、例えば2R、6R、16R)は設定値に対して変化しないが、ラウンド数を設定値が大きくなるほど大きくするような構成も可能である。また、図27では、特図2変動表示ゲームの大当りに対して、特図1変動表示ゲームの大当りよりも大きなラウンド回数が付与され易くなっており、特図2変動表示ゲームの方が特図1変動表示ゲームよりも遊技者に有利になっている。
なお、図24(C)と同様に、設定(設定値)によらず、大当り図柄振分(大当り内訳)を同じにする構成も可能である。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図28は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動中の図柄に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。変動中の図柄は、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)から判別できる。図柄停止コマンドを受信した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンを示す停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン、小当り図柄パターンである場合に、表示時間として共通に600msecを設定する。
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4705)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4706)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4707)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4708)。
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A4709)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A4710)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A4711)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図29に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(A2620、A2622)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理を示した。図柄変動制御処理は、一括表示装置50の変動表示部における変動表示ゲームの特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と、特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(A7501)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(A7502の結果が「Y」)、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(A7503)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用、表示テーブル1)のアドレスが定義されている。
次に、遊技制御装置100は、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(A7504)、更新後の点滅制御タイマが0であるかを判定して(A7505)、更新後の点滅制御タイマが0でない場合(A7505の結果が「N」)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが0である場合(A7505の結果が「Y」)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(A7506)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(A7507)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(A7502の結果が「N」)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(A7509)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用、表示テーブル2)のアドレスが定義されている。次に、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(A7510)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA7506でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、点滅制御タイマ初期値として100msecに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA7507における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA7507において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA7508、A7511ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1313)の詳細について説明する。図30は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図32にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図31は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図30に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、小当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図保留数を+1更新し(A7706)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7707)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7708)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7709)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、又は、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合には(A7705の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図32は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよく、本実施形態では2個存在する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数3を抽出し(A7919)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。例えば、変動時間は、確率200/256で500msec、確率40/256で1500msec、確率16/256で3000msecに振り分けられる。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。例えば、普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図点滅制御タイマ領域にセーブし、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1317)の詳細について説明する。図33は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図33Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図33Bは外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1311)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1307)、磁石不正監視処理(A1315)、盤電波不正監視処理(A1316)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(A9501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9501の結果が「N」)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9502)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9502の結果が「N」)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9503)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9504)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9501の結果が「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9502の結果が「Y」)、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9505)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9506)。
遊技制御装置100は、ステップA9504、A9506の後、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新し(A9507)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9508)。セキュリティ信号制御タイマの初期値は、初期化スイッチ(設定値変更スイッチ102)の操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときや、設定変更終了時に、所定時間(例えば256msec)が設定される(メイン処理のA1044、A2419)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時や設定変更終了時から計時されることになる。また、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の操作等により設定可変状態(設定変更モード)や設定確認状態(設定確認モード)になった場合に設定され(メイン処理のA1037、A2507)、確率設定値変更中フラグがセットされている設定変更中(設定可変状態中)や確率設定値確認モード中フラグがセットされている設定確認状態中は、セキュリティ信号をずっと出力するようにしてもよい。なお、確率設定値変更中フラグがクリアされるとき(A2418)ではなく、確率設定値変更済みフラグがセットされたときに(A2414)、セキュリティ信号制御タイマが0に設定され、セキュリティ信号の出力を終了する構成も可能である。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9508の結果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9509)、ステップA9510の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9508の結果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9510)。なお、磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグがセーブされている場合に、磁石不正が発生中であると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(A9510の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9511)。なお、盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグがセーブされている場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9511の結果が「N」)、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9512)。枠電波不正が発生中でない場合(A9512の結果が「N」)、さらに、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9513)。普電不正発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(A9514)。なお、不正&入賞監視処理によって大入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、スイッチ異常エラーが発生中であるか否かを判定する(A9515)。
遊技制御装置100は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラー(前述のスイッチ異常1エラー)が発生中である場合(A9515の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9516)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9515の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9518)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9510の結果が「Y」)、盤電波不正が発生中である場合(A9511の結果が「Y」)、枠電波不正が発生中である場合(A9512の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9513の結果が「Y」)、又は、大入賞口不正が発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9517)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9518)。セキュリティ信号のオンデータの設定によって、セキュリティ信号が外部情報として外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
遊技制御装置100は、ステップA9516、A9518の後、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行する(A9519)。続いて、遊技制御装置100は、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(A9520)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(A9521)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9522)。図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(A9522の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9523)、外部情報編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(A9522の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9524)、外部情報編集処理を終了する。
〔設定変更中の一括表示装置の表示〕
図34は、確率設定変更中(設定の変更が可能となる設定可変状態中)の一括表示装置50の各表示部の表示、即ち、一括表示装置50の各発光部(LEDランプD1−D18)の発光態様(点灯・消灯の態様)について説明する図である。
確率設定変更中において、遊技制御装置100は、電源投入の前の電源遮断時の遊技機10の状態(遊技状態など)によらず、所定の表示を一括表示装置50の特図変動表示ゲーム用の表示部51、52に表示する。例えば、電源投入の前の電源遮断時に大当り図柄が停止表示されていても、遊技制御装置100は、確率設定変更中において、一括表示装置50の電源遮断時の状態にかかわらず所定の表示を一括表示装置50の表示部51、52に表示できる。従って、確率設定変更中(設定可変状態)において、遊技機10の正面から視認し易い特図変動表示ゲーム用の表示部51、52での所定の表示によって、確率設定変更中であることや、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを示唆することができる。
図34Aでは、確率設定変更中(設定可変状態中)において、一括表示装置50の特図1変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(7セグメント型のLEDランプD1)に、所定の表示として確率設定値(ここでは6)が表示される。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示では、確率設定値を示す数字1〜6は使用されないものとする。
例えば、遊技制御装置100は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ(A2409)や確率設定値に対応する確率設定値表示データ(A2413)に基づいて、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、作業用確率設定値や確率設定値を第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に点灯表示又は点滅表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型のLEDランプD2)に、確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方を用いて、確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。
さらに、設定変更する権限のない者が遊技機10から離れた場所で確率設定値を視認し難くするように、明るさを通常よりも弱くして確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。
図34Bでは、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に、所定の表示として、確率設定変更中(設定可変状態中)であることを示唆する変更中情報表示(例えば文字「P」)が表示される。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示では、変更中情報表示(例えば文字「P」)と同じ識別情報(特別図柄)は使用されないものとする。
例えば、遊技制御装置100は、確率設定変更中であると判定された場合に(A2401の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136への変更中情報表示に関する出力データを生成する処理を実行して(図10に処理ステップを追加する)、変更中情報表示を第1特図変動表示部51に点灯表示又は点滅表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。また、例えば、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態で設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、確率設定値変更中フラグをセットするときに(A1038)、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、変更中情報表示を第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に点灯表示又は点滅表示してもよい。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型のLEDランプD2)に、変更中情報表示が点灯表示又は点滅表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方を用いて、変更中情報表示が点灯表示又は点滅表示されてもよい。
図34Cでは、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に、所定の表示として、特別結果以外(大当り以外)の変動表示ゲームの停止結果(はずれ結果)と同じ表示が表示される。本実施形態において、はずれ結果(はずれ図柄)は、第1特図変動表示部51(7セグメント型のLEDランプD1)の中央のセグメントが点灯する表示である。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に所定の表示を行うことによって、遊技機10が遊技の実行中でないことを遊技機10の正面において示唆できる。また、設定変更終了にRAM領域を0クリアするが(A2418)、はずれ結果(はずれ図柄)を確率設定変更中から表示しておくことによって、第1特図変動表示部51に表示するデータの初期値設定(A2419)が不要になる場合もある。
例えば、遊技制御装置100は、確率設定変更中であると判定された場合に(A2401の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136へのはずれ結果(はずれ図柄)の表示に関する出力データを生成する処理を実行して(図10に処理ステップを追加する)、はずれ結果の表示を第1特図変動表示部51に点灯表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。また、例えば、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態で設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、確率設定値変更中フラグをセットするときに(A1038)、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、はずれ結果の表示を第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に点灯表示してもよい。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(LEDランプD2)に、はずれ結果の表示が点灯表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方を用いて、はずれ結果の表示が点灯表示されてもよい。
図34Dでは、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に、所定の表示として、消灯表示が表示される。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示では、消灯表示は使用されないものとする。
例えば、遊技制御装置100は、電源投入(電源復旧)から確率設定値が変更済みになるまで(A2406の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136への第1特図変動表示部51用の出力データを生成しないようにし、消灯表示を第1特図変動表示部51に表示してよい。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型のLEDランプD2)に、消灯表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方で、消灯表示されてもよい。
以上の図34Aから図34Dにおいて、確率設定変更中において、特図変動表示ゲーム用の表示部51、52(D1、D2)以外のLEDランプ(例えばLEDランプD3−D18)は、消灯されてもよいし、循環的に点灯させてアニメーションを表示してもよい。
図34Eと図34Fでは、確率設定変更中において、一括表示装置50の全ての表示部(即ち、全ての発光部:LEDランプD1−D18)を点灯表示又は点滅表示することによって、所定の表示として、全点灯表示又は全点滅表示が一括表示装置50に表示される。このように、確率設定変更中において、一括表示装置50に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
なお、図34Fの全点滅表示は、一括表示装置50の全消灯表示と全点灯表示が所定時間間隔で繰り返されることによって、実行される。
例えば、遊技制御装置100は、確率設定変更中であると判定された場合に(A2401の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136への全点灯表示又は全点滅表示に関する出力データを生成する処理を実行して、全点灯表示又は全点滅表示を一括表示装置50に表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。また、例えば、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態で設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、確率設定値変更中フラグをセットするときに(A1038)、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、全点灯表示又は全点滅表示を一括表示装置50(LEDランプD1−D18)に表示してもよい。
図34Gは、図34A−図34Fの一括表示装置50の他の構成例を示す。図34Gでは、一括表示装置50のLEDランプD1−D18の周囲において、遊技機10の性能(スペック)に関する性能表示が表示されている。なお、性能表示は印字されているが、LEDランプや液晶ディスプレイ等の発光によって表示されてもよい。性能表示として、設定1(最低設定)と設定6(最高設定)における低確率時における大当り確率の表示85a「1/300と1/200」、賞球数の表示85b「3&2&10&14」、ラウンド数上限値の表示85c「2,6,16」、型式(正式な名称)の表示85d「CRxxxxx」、確変大当りに関するリミットの有無の表示85e(ここでは「リミットなし」)が表示される。
賞球数の表示85bでは、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、及び特別変動入賞装置39の賞球数が順に表示される。確変大当りに関するリミットとは、連続して発生する確変大当りの回数が所定のリミット回数に制限されることを意味する(一回の大当りで所定のリミット回数(連荘回数)の大当りが発生可能になる)。
なお、低確率時における大当り確率の表示85aを設定1(最低設定)と設定6(最高設定)に対してだけ表示するため、一括表示装置50の周囲の空き領域に収まるように表示できる。なお、低確率時における大当り確率の表示85aを設定3(中間設定)に対してだけ表示したり、低確率時における大当り確率の表示85aを設定1(最低設定)と設定6(最高設定)のいずれか一方(最低値1/300と最高値1/200の一方)だけ表示したり、低確率時における大当り確率の範囲(1/300〜1/200)を表示してもよい。
また、低確率時における大当り確率のうち、一括表示装置50のLEDランプD1−D18の周囲で表示しきれないもの(設定2、4、5等の大当り確率)は、遊技領域32の外で一括表示装置50とは別部材の空き領域に表示してよい。なお、この別部材に一括表示装置50に表示したものを重複して表示してもよい。例えば、図2Aの遊技盤の右上や左下や左上の空き領域や、遊技領域32を区画する部材(ガイドレール31)などに、設定2、4、5等に対する低確率時における大当り確率を表示してもよい。或は、遊技領域内の空き領域(例えば左下の一般入賞口35の表面)に、設定2、4、5等に対する低確率時における大当り確率を表示してもよい。また、確変大当りに関するリミットの有無の表示85eは、リミットがある場合のみ「リミットあり」と表示され、リミットがない場合には何も表示しなくてよい。このように、一括表示装置50のLEDランプD1−D18の周囲に性能表示として表示する項目は適宜変更可能である。例えば、大当り時のラウンド数上限値の表示85cは別領域や表示装置41に表示する等、性能表示として表示する一部又は全部の項目は、必要に応じて一括表示装置50に表示させたり、表示させなくてもよい。
また、演出制御装置300は、表示装置41に、設定変更中、設定確認中、及び/又は、客待ち中に、設定2、4、5等に対する低確率時における大当り確率を表示してもよい。演出制御装置300は、低確率時における大当り確率を予めメモリ(プログラムROM321等)に記憶しておいてよい。なお、この表示装置41に一括表示装置50に表示したものを重複して表示してもよい。各設定の大当り確率の表示の切替えは、演出ボタン25や十字キー等の操作部を操作することによって実行されてよい。
図35(A)(B)は、確率設定変更中において、一括表示装置50の第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52に所定の表示(ここでは確率設定値6)を表示する場合において、遊技機10の正面以外の斜め方向から所定の表示を視認し難くする構成を示す。この構成によって、確率設定変更中に、設定変更する権限のない者が遊技機10の斜め方向から所定の表示(特に確率設定値)を視認することを防止できる。
図35(A)では、一括表示装置50の正面に2つの窪み部51a、51b(凹部)を設けて、窪み部51a、51bの中にそれぞれ第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52が配置される。図35(B)では、一括表示装置50の正面に、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52を包囲する環状の壁部50a(凸部)を設ける。これによって、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52の表示を斜め方向から視認し難くなる。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図36は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、計時手段としてのRTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば1分おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。また、演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマをRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、RTC338に代えて、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
なお、RTC読込処理において、読み込んだ時刻が複数の所定時刻(第1所定時刻、第2所定時刻、・・・)のいずれかに合致する場合に、所定の演出を実行してよいが、複数の所定時刻の時間間隔を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者はこの時間間隔から設定値を推定することができる。例えば、長い時間間隔の選択率が、設定値が大きいほど小さくなるように抽選されてよい。また、所定の演出を実行する実行期間を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は所定の演出の実行期間から設定値を推定することができる。例えば、長い実行期間の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選されてよい。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。なお、演出ポイントに加算する値(加算値)を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は加算値から設定値を推定することができる。例えば、大きな加算値の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選してよい。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図37にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0015)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0016)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0017)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0017の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0017の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0017の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0018)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0019)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0020)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44、枠演出装置)を制御する可動体制御処理を実行する(B0021)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図37を参照して、上述したメイン処理(図36)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図37は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図38にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図38を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図37)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図38は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンド(変動開始情報設定処理で設定)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、当り系コマンドは、当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、大当りファンファーレコマンド(特図表示中処理で設定)、ラウンドコマンド(ファンファーレ/インターバル中処理で設定)、インターバルコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、エンディングコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、小当りファンファーレコマンド、小当り開放中コマンド(小当りラウンドコマンド)、小当り終了画面コマンド(小当りエンディングコマンド)などである。などである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンド(A4018)、飾り特図2コマンド(A4112)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、前述の先読み停止図柄コマンド(図15のA3014)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、前述の先読み変動パターンコマンド(図15のA3018)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図39を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図39は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A2917、A3207)を表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A2917、A3203)を表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド(不正の発生した際に不正&入賞監視処理で設定)、不正解除コマンド(不正の解除した際に不正&入賞監視処理で設定)、状態オフコマンド(A2204)、状態オンコマンド(A2207)がある。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(A3107、A3111の大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部がカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図5BのステップA1035の停電復旧時のコマンド及びステップA1045の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。また、前述のように、ステップA2421の確率設定変更終了のコマンドに伴って、確率設定変更終了の際に設定値情報コマンドが遊技制御装置100から送信される。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、設定変更指示のコマンド(A1029)、確率設定変更中のコマンド(A1041)、確率設定値変更のコマンド(A2415)、確率設定変更終了のコマンド(A2421)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、設定変更指示のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更することを促す設定変更指示表示を表示装置41に表示する。また、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定値確認中のコマンド(A2508)、確率設定値確認終了のコマンド(A2512)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定値確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図40を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図40は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図41を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図41は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図42を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図42は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、図27に示した2R確変大当り図柄(2R−A1等)、2R通常大当り図柄(2R−A2等)、6R確変大当り図柄(6R−A1等)、6R通常大当り図柄(6R−A2等)、16R確変大当り図柄(16R−A1等)、16R通常大当り図柄(16R−A2等)に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図43を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図43は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続予告演出の先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図44を参照して、前述した変動系コマンド処理(図43)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図44は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、例えばリーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する停止図柄設定処理を実行する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、リーチ演出等の変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少(保留シフト)の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を、演出内容に基づいて設定するだけでなく、設定値(確率設定値)に応じた抽選確率で抽選して設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定値(確率設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示される。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図45を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図45は、演出制御装置300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド又は小当り開放中コマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。なお、小当りで大入賞口が一回だけ開放される場合、即ち、小当りが1ラウンドである場合、インターバルコマンドはない。
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンド又は小当り終了画面コマンドである場合、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマンド処理を終了する。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態によると、遊技機10は、始動条件の成立(例えば始動入賞口への入賞)に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを表示部(例えば、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)に表示可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。設定変更手段(例えば、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102)は、遊技機10への電源投入の際に、遊技条件に関する設定(又は遊技に関する設定)を変更可能である。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、遊技機10への電源投入の際に、設定の変更が可能となる設定可変状態に移行可能であり、設定可変状態に移行する前の電源遮断時の遊技機10の状態によらず、所定の表示を表示部に表示する(図34)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、遊技機10の正面から視認し易い特図変動表示ゲーム用の表示部での所定の表示によって、設定変更中であることや、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを示唆することができる。なお、設定可変状態においても電源遮断時の遊技機10の状態を維持して、特図変動表示ゲーム用の表示部に変動停止時の通常の表示(はずれ図柄、大当り図柄)などを表示したままだと、例えば設定変更完了前に前面枠12(本体枠)を閉じてしまった場合などに、遊技のできる状態であると誤認させる可能性がある。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを発光部(例えば、LEDランプD1やD2)に表示可能である。遊技機10は、この発光部、及び、当該発光部と異なる他の発光部を含む表示装置(一括表示装置50)と、を備える。遊技制御手段は、設定の変更が可能となる設定可変状態において、表示装置の全ての発光部を点滅させてよい(図34F)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、表示装置(一括表示装置50)に通常と異なる表示を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態(設定変更中)において、設定可変状態であることを示唆する情報を表示部(例えば、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)に表示してよい(図34B)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、変動表示ゲーム用の表示部に通常と異なる表示を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態(設定変更中)において、表示部(例えば、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52)を消灯してよい(図34D)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、変動表示ゲーム用の表示部に通常と異なる表示(変動表示ゲームの変動停止時と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態において、特別結果以外(大当り結果以外)の変動表示ゲームの停止結果(はずれ結果)と同じ表示を表示部(例えば、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)に表示してよい(図34C)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、変動表示ゲーム用の表示部に所定の表示を行うことによって、遊技機10が遊技の実行中でないことを遊技機10の正面において示唆できる。特別結果以外(大当り結果以外)の変動表示ゲームの停止結果(はずれ結果)を設定変更中から表示しておくことによって、変動表示ゲーム用の表示部に表示するデータに関して、設定変更終了時の初期値設定が不要になる。
[第2実施形態]
図46から図55を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態の実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第2実施形態では、着脱可能なパーツ(部品、部材)510のパーツ識別情報(第1識別情報)と遊技機10の機種に対応する機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する。
〔遊技機のパーツ〕
図46は、着脱可能なパーツ510が遊技機10に取り付けられている様子を示す。パーツ510は、電気的に読取り可能なパーツ識別情報が割り当てられている。例えば、パーツ510は、取り付けられるべき遊技機10の機種情報(機種ロゴ等)が表示された板状の部材でもよいし、また、枠演出装置や盤演出装置44を構成する可動役物でも、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDを有する装飾部材でもよい。パーツ510は、遊技場(遊技店)への搬入時の邪魔になる等の理由によって遊技場において遊技機10に取り付け可能なものであり、不慣れな係員が間違った機種に取り付ける可能性がある。
図46(A)のように、例えば、機種A用のパーツ510Aが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に問題は生じない。しかし、例えば、図46(B)のように、機種B用のパーツ510Bが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に問題が生じるため、演出制御装置300がスピーカ19a、19bや表示装置41を介してエラー報知する。
図47は、本実施形態の遊技機10の構成例を概略的に示す概略構成図である。遊技制御装置100は、遊技機10の電源投入の際などに、遊技機10の機種(種類)を示す機種指定コマンドを演出制御装置300に送信する(A1035、A1045)。演出制御装置300は、参照テーブル(後述の図55)から、受信した機種指定コマンド(B1301)に対応する機種識別情報を選択して設定する。また、演出制御装置300は、パーツ510から読取ったパーツ識別情報と、設定した機種識別情報とを比較する。さらに、演出制御装置300は、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する。
パーツ510は、パーツ識別情報を保持する識別基板513を有する。識別基板513において、パーツ識別情報は、所定の電圧が印加された一又は複数の配線519(電線)によって設定される。図46では、配線519は、プルアップ抵抗を介して所定の電圧にプルアップされているが、プルアップ抵抗を設けなくてもよい。なお、パーツ510への電源(電圧)は、パーツ510が取り付けられた場合に、例えば、演出制御装置300又は電源装置400から供給される。
図47では、複数の配線519(複数の電線)は、それぞれ、パラレルシリアル変換部516における複数(8個)の端子(ポート)のうちの所定の端子に接続される。このようにして、所定の電圧が入力される所定の端子を値「1」のビットとして、所定の電圧が入力されない端子(配線519が接続されない)を値「0」のビットとして、例えば「01111100」のようなパーツ識別情報がパラレルシリアル変換部516を介して送信できる。
即ち、識別基板513は、複数の配線519によって、パラレルデータとしてのパーツ識別情報を割り当てられている。そして、パラレルシリアル変換部516は、入力されたパーツ識別情報(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して、シリアル通信(ここではI2C)によって、演出制御装置300に送信する。
図48は、識別基板513の別例を示す。図48では、パーツ識別情報は、ディップスイッチ521によって設定される。複数の配線519の各々は、ディップスイッチ521によって、所定の電圧又は接地電圧となり、パラレルシリアル変換部516における複数(8個)の端子(ポート)に、パーツ識別情報の各ビット(「1」又は「0」)の情報が入力される。図48の例では、ディップスイッチ521がオンになっている配線519に接続される端子は、接地電圧(値「0」のビット)となり、ディップスイッチ521がオフになっている配線519に接続される端子は、所定の電圧(値「1」のビット)となる。
〔パラレルシリアル変換部〕
図49は、パラレルシリアル変換部516が通常のパラレルシリアル変換ICである場合のパラレルシリアル変換部516の構成を示す。
パラレルシリアル変換部516は、複数のD型フリップフロップ516a(D−FF)を備える通常のパラレルシリアル変換ICの構成を有する。パラレルシリアル変換部516は、端子0〜7(ポート0〜7)から入力されたパーツ識別情報としてのパラレルデータ(例えば「01111100」)をシリアルデータに変換して、シリアル通信(ここではI2C通信)によって接続線SDA(データ線)を介して演出制御装置300に送信する。演出制御装置300はI2C通信におけるマスタIC300aを有し、複数のD型フリップフロップ516a用のクロック信号を接続線SCL(タイミング信号線)を介してパラレルシリアル変換部516に入力する。
複数のD型フリップフロップ516a(D−FF)は、クロック信号に同期して右から左にパラレルデータの各ビットデータが移動するシフトレジスタを構成している。あるクロックタイミングにおける各D型フリップフロップ516aのビットデータは、次のクロックタイミングで、隣のD型フリップフロップ516aに移動する。パラレルデータの各ビットデータは、あるクロックタイミングで、複数のD型フリップフロップ516aに取り込まれ、順次、左端のD型フリップフロップ516aからシリアルデータとして出力される。即ち、パラレルデータが取り込まれてから8クロックで、シリアルデータの出力が完了する。
〔識別基板の第1変形例〕
図50は、パーツ510の識別基板513の第1変形例を示す。第1変形例では、識別基板513のパラレルシリアル変換部516が、通常のパラレルシリアル変換ICではなく、入力用のI2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)である。入力用のI2CI/Oエクスパンダ815は、演出制御装置300のマスタIC300aにポート0〜7から入力されたパーツ識別情報をデータとして入力する。
I2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)は、接続線SDAに接続されるトランジスタ830、接続線SDAに接続されるフィルタ831、接続線SDAに接続されるドライバ832、接続線SCLに接続されるフィルタ833、バスコントローラ834、及びリセット信号発生回路839を備える。さらに、他のI2CI/Oエクスパンダ815によって接続線SDAが占有されているか否かを判断するためのバス監視WDT(ウォッチドッグタイマ)840、及びI2CI/Oエクスパンダ815自身が接続線SDAを占有しているか否かを判断するための自己占有WDT841を備えている。
接続線SDAは、演出制御装置300のマスタIC300aとI2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)との間でデータ信号を授受するための接続線であり、データ線として機能する。接続線SCLは、接続線SDAでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、タイミング信号線として機能する。
フィルタ831は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータ(ここでは返答信号やアドレスデータ等)のノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ834に出力する。
ドライバ832は、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(ここではパーツ識別情報等)を出力する場合に、トランジスタ830が動作可能な電圧をトランジスタ830に印加する。
トランジスタ830は、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ830のゲートはドライバ832に接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
ドライバ832は、データ(パーツ識別情報等)をマスタIC300aに接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ830にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ830のゲートにトランジスタ830が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ832は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
フィルタ833は、接続線SCLに接続され、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ834に出力する。
また、I2CI/Oエクスパンダ815には、当該I2CI/Oエクスパンダ815に備わるアドレス設定用端子A0〜A3によって固有のアドレスが設定されており、バスコントローラ834に入力されている。さらに、I2CI/Oエクスパンダ815をリセットするためのアドレスも、あらかじめ設定されている。
I2CI/Oエクスパンダ815の固有のアドレス(8ビット)は、上位3ビットからなる固定アドレス部及び下位5ビットからなる可変アドレス部によって構成される。固定アドレス部は、所定の値(例えば「110」)が予め設定され、I2CI/Oエクスパンダ815によって変更することができない。
可変アドレス部は、I2CI/Oエクスパンダ815のA0〜A3の端子に設定されているパターンに対応した4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレスと、データが読み出し要求であるのか書き込み要求であるのかを示す1ビットのR/W識別データとによって構成される。入力用のI2CI/Oエクスパンダ815では、読み出し要求に対応して、R/W識別データには、通常「1」が登録される。
バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定された固有のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(パーツ識別情報)を出力する。I2CI/Oエクスパンダ815における8個のポート0〜7(端子0〜7)のうちの所定のポート(ここでは5つ)には、複数の配線519が接続されることによって所定の電圧が印加される。従って、バスコントローラ834には、8個のポート0〜7を介して8ビットのパーツ識別情報(例えば、「01111100」)がパラレルデータとして入力される。なお、所定の電圧が入力される所定のポートが値「1」のビットに対応し、それ以外の端子(配線519が接続されない)が値「0」のビットに対応する。
また、バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定されたリセット用のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを初期化指示データ(初期化コマンドRES)として取り込み、当該I2CI/Oエクスパンダ815を初期化する。
また、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し、8ビット目のデータ(パーツ識別情報)をバスコントローラ834が出力した後、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、マスタIC300aは、返答信号を接続線SDAからにバスコントローラ834に出力する。さらに、接続線SCLの信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、マスタIC300aは、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
リセット信号発生回路839には、I2CI/Oエクスパンダ815に電源を供給する接続線Vccに接続されるVcc端子、及び外部からのリセット信号を受け付けるRESET端子が接続されている。
リセット信号発生回路839は、I2CI/Oエクスパンダ815に電源が投入され、電圧が所定値まで立ち上がると、リセット信号を発生させ、発生させたリセット信号をバスコントローラ834に入力することによって初期化する。
したがって、ハーネスを抜くとロジック用の電源を供給するための接続線Vccが一時的に断線し、ハーネスを再度差し込むと電源供給が復帰して、リセット信号発生回路839がリセット信号を出力することになる。なお、ロジック用の電源を供給するための接続線Vcc、接続線SDA、接続線SCL、及び接地線GNDなどを束ねたものをハーネスという。
バス監視WDT840は、他のI2CI/Oエクスパンダ815が接続線SDAを占有していることを検出するために用いられる。バス監視WDT840は、リセット信号発生回路839に接続されており、接続線SDAが占有されてから所定の時間が経過すると、自身のリセット信号発生回路839を作動させて、当該I2CI/Oエクスパンダ815を初期化する。
自己占有WDT841は、自身(I2CI/Oエクスパンダ815)による接続線SDAの占有を検出するために使用される。自己占有WDT841が一定時間連続して作動すると、自己占有WDT841は、リセット信号発生回路839にリセット信号を発生させて当該I2CI/Oエクスパンダ815を初期化する。
〔識別基板の第2変形例〕
図51は、パーツ510の識別基板513の第2変形例を示す。第2変形例では、識別基板513のパラレルシリアル変換部516が、通常のパラレルシリアル変換ICではなく、出力用のI2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)である。また、第2変形例では、パーツ510は演出装置を備え演出を実行できる。演出装置は、例えばLED(発光部)等の装飾装置であるが、可動役物でもよい。
出力用のI2CI/Oエクスパンダ815は、演出制御装置300のマスタIC300aから受信した演出制御データに基づいて、パーツ510に設けられた演出装置(ここではLED、発光部)の出力状態(ここでは発光状態)を出力側のポート0〜15を介して制御する。なお、I2CI/Oエクスパンダ815は、I2CI/Oエクスパンダ815の固有のアドレス(8ビット)をパーツ識別情報として利用して、演出制御装置300のマスタIC300aに入力する。
出力用のI2CI/Oエクスパンダ815は、入力用のI2CI/Oエクスパンダ815(図50)に、出力設定レジスタ835、出力コントローラ836、I2CI/Oエクスパンダ815の出力側の各ポート0〜15(端子0〜15)に接続されるドライバ837、各ポート0〜15に接続されるトランジスタ838A〜838Pが追加されたものである。このため、入力用のI2CI/Oエクスパンダ815(図50)と同じ構成については、適宜説明を省略する。
フィルタ831は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータ(ここでは演出制御データや返答信号等)のノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ834に出力する。
ドライバ832は、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(ここではパーツ識別情報や返答信号等)を出力する場合に、トランジスタ830が動作可能な電圧をトランジスタ830に印加する。
ドライバ832は、データ(パーツ識別情報や返答信号等)を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ830にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ830のゲートにトランジスタ830が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ832は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定された固有のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(パーツ識別情報や返答信号等)を出力する。マスタIC300aに出力するパーツ識別情報は、前述のようにI2CI/Oエクスパンダ815の固有のアドレス(8ビット)であるか、固有のアドレスとは異なる別途設定された識別情報(第1変形例のようにポートを介して設定されるか記憶部(メモリ)に記憶されたもの)である。なお、バスコントローラ834からマスタIC300aにパーツ識別情報を出力することは必ずしも必要でなく、演出制御装置300は、バスコントローラ834からの返答信号を受信すると、送信したデータのアドレスをパーツ識別情報と認識するように構成してもよい。
また、バスコントローラ834は、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し、8ビット目の演出制御データを接続線SDAから取り込んだ後、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、返答信号を接続線SDAからマスタIC300aに出力する。さらに、接続線SCLの信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、バスコントローラ834は、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
出力設定レジスタ835には、当該I2CI/Oエクスパンダ815の動作モードやポート0〜15の出力状態が設定される。バスコントローラ834が接続線SDAから初期化指示データを取り込んで、当該I2CI/Oエクスパンダ815が初期化された場合には、出力設定レジスタ835は、すべてのポート0〜15に電流が流れないように初期状態に設定される。
出力コントローラ836は、出力設定レジスタ835に設定されたデータに基づいて、ポートドライバ837を介して、各ポート0〜15に接続された演出装置(ここではLED、発光部)に電流を流すこと(点灯データの出力)によって、演出装置の出力状態(ここでは発光状態)を実際に制御する。この出力状態は、バスコントローラ834が接続線SDAから演出制御データを取り込むと、演出制御データに指定されている内容に更新される。
すなわち、マスタIC300aから受信した演出制御データに基づいて、出力設定レジスタ835に設定し、ストップコンディションを受信した時点で、各ポート0〜15の出力状態を更新して演出装置に反映させる。
ドライバ837は、ポートに電流を流す場合に、電流を流すポートに接続されるトランジスタ838A〜838Pが動作可能な電圧を当該トランジスタに印加する。
トランジスタ838A〜838Pのゲートはドライバ837に接続され、ドレインは演出装置を動作させるための電圧が印加された接続線に接続するポート端子に接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ838A〜838Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ838を動作させる所定値以上であれば、駆動電源からゲートに印加されている所定の電圧が、トランジスタ838のドレインを介して接地されているソースへ電流が流れることによって、ポート端子に接続された演出装置(ここではLED)の出力状態を制御できる。
〔識別基板の第3変形例〕
図52は、パーツ510の識別基板513の第3変形例を示す。第3変形例では、識別基板513のパラレルシリアル変換部516が存在せず、複数の配線519から所定の電圧が8ビットのパーツ識別情報(例えば「01111100」)として、演出制御装置300が備える入力ポート300b(ポート0〜7)に直接入力される。入力ポート300bに入力されたパーツ識別情報は、データバス340を介して主制御用マイコン(CPU)311に取り込まれる。なお、所定の電圧が入力される所定の端子が値「1」のビットに対応し、それ以外の端子(配線519が接続されない)が値「0」のビットに対応する
そして、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311は、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する処理を実行する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
図53は、第2実施形態に係るメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入(復旧)されると、演出制御装置300(主制御用マイコン311)によって実行される。
第2実施形態のメイン処理は、図36のメイン処理に対して、パーツ照合処理(B5000)を追加したものであり、その他の処理は図36と同じであるため同じステップ番号を付して説明を省略する。
パーツ照合処理では、パーツ510から読取ったパーツ識別情報と、機種指定コマンド(B1301)に対応する機種識別情報とを比較して、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、エラー報知によって警告する。本実施形態では、パーツ照合処理(B5000)は、受信コマンドチェック処理(B0014)の後に実行される。
パーツ照合処理(B5000)は、遊技機10の電源投入の際に最初に実行され、その後、ステップB0008からB0021までのループ処理によって、繰り返し実行される。
〔パーツ照合処理〕
次に、図54を参照して、メイン処理(図53)におけるパーツ照合処理(B5000)の詳細について説明する。図54は、演出制御装置300によって実行されるパーツ照合処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、照合時間タイマ(計時手段)が0でなければ−1更新する(B5001)。照合時間タイマは、パーツ識別情報を読取って機種識別情報と照合(比較)する照合タイミング或は照合時間間隔を定めるものである。そして、照合時間タイマが0であるか否かを判定する(B5002)。照合時間タイマが0でない場合に(B5002の結果が「N」)、照合タイミングでないため、パーツ照合処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、照合時間タイマが0である場合に(B5002の結果が「Y」)、照合タイミングであるため、パーツ510からパーツ識別情報を読取る(B5003)。そして、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)とを比較(照合)する(B5004)。なお、機種識別情報は、遊技機10の電源投入の際の機種設定処理(B1302)において、遊技機の種類(機種)を示す情報として、機種指定コマンドに基づいて設定されている。
演出制御装置300は、メモリ(例えばプログラムROM321)内に、図55の参照テーブルを記憶している。図55の参照テーブルにおいて、機種指定コマンドと機種識別情報が対応付けられている。このようにして、演出制御装置300は、遊技機の機種に対応する機種識別情報(第2識別情報)を保持している。
次に、演出制御装置300は、パーツ識別情報と機種識別情報が一致するか否かを判定する(B5005)。パーツ識別情報と機種識別情報が一致しない場合に(B5005の結果が「N」)、エラー報知によって、パーツ識別情報と機種識別情報が不一致であることを報知する(B5006)。即ち、パーツ510が、パーツ510に適合(対応)しない間違った機種に取り付けられていることを報知する。演出制御装置300は、スピーカ19a、19bから音を発生させたり、表示装置41に文字を表示することで、エラー報知(警告)を実行してよい。また、ここで、演出制御装置300は、図55の参照テーブルを参照して、エラー報知と共に、パーツ510に適合(対応)する正しい機種を報知してもよい。正しい機種は、パーツ510のパーツ識別情報と同一の機種識別情報となる機種である。
続いて、演出制御装置300は、照合時間タイマの初期値を設定し(B5007)、パーツ照合処理を終了する。従って、電源投入時を初回として、照合時間タイマの初期値に相当する時間が経過する度に、定期的に、パーツ識別情報と機種識別情報とが比較(照合)されることになる。照合時間タイマの初期値は、例えば、数分に相当する時間であるが、これに限られない。
一方、演出制御装置300は、パーツ識別情報と機種識別情報が一致する場合に(B5005の結果が「Y」)、パーツ510がパーツ510に適合(対応)する正しい機種に取り付けられているため、エラー報知せずに、照合時間タイマの初期値を設定し(B5007)、パーツ照合処理を終了する。
以上のパーツ照合処理によって、例えば、機種B用のパーツ510Bが、遊技機10の機種Aに取り付けられている場合(図46(B))、機種識別情報(例えば「01111100」)とパーツ識別情報(例えば「01111101」)が不一致であり、エラー報知が実行される。エラー報知と共に、パーツ510Bに適合する正しい機種(機種B)を報知してもよい。一方、例えば、機種A用のパーツ510Aが、遊技機10の機種Aに取り付けられている場合(図46(A))、機種識別情報(例えば「01111100」)とパーツ識別情報(例えば「01111100」)が一致して、エラー報知は実行されない。
なお、変形例として、演出制御装置300は、メモリ(例えばプログラムROM321)内に、図55の参照テーブルを記憶せず、一種類の機種に対応する機種識別情報(第2識別情報)のみを保持してよい。この場合にも、演出制御装置300は、パーツ510から読取ったパーツ識別情報と、保持した機種識別情報とを比較して、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態によると、遊技機10において、遊技(例えば、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技に関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、電気的に読取り可能な第1識別情報(パーツ識別情報)が割り当てられた着脱可能な部品(パーツ510)を備える。演出制御手段は、遊技機10の機種に対応する第2識別情報(機種識別情報)を保持し、部品の第1識別情報を読取って第2識別情報と比較し、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、不一致であることを報知する。
従って、間違った部品(パーツ510)が取り付けられた場合でも適切に報知できる。このため、遊技場(遊技店)内での部品(パーツ510)の取り付けミスがあった遊技機10が稼働することを防止できる。
第2実施形態によると、遊技機10において、演出制御手段は、少なくとも遊技機10の電源投入の際に、部品(パーツ510)の第1識別情報を読取って第2識別情報と比較し、第1識別情報と第2識別情報が不一致である場合に、不一致であることを報知する。従って、間違った部品(パーツ510)が取り付けられた場合でも電源投入の際に報知できる。このため、遊技場(遊技店)内での部品(パーツ510)の取り付けミスがあった遊技機10が稼働することを早期に確実に防止できる。
第2実施形態によると、遊技機10において、演出制御手段は、遊技機10の電源投入の際に、遊技制御手段から遊技機10の機種に関する情報を受信し、遊技機10の機種に対応する第2識別情報(機種識別情報)をテーブル(参照テーブル)から選択し、部品(パーツ510)の第1識別情報と選択した第2識別情報を比較する。従って、遊技機10の様々な機種に対して、間違った部品(パーツ510)が取り付けられた場合にこれを報知できる。また、間違った部品が取り付けられるべき正しい機種を報知できる。
第2実施形態によると、遊技機10において、部品(パーツ510)において、第1識別情報(パーツ識別情報)は、所定の電圧にプルアップされた一又は複数の配線によって設定できるため、簡便に第1識別情報を設定できる。
第2実施形態によると、遊技機10において、部品(パーツ510)において、第1識別情報は、ディップスイッチによって設定できるため、簡便に第1識別情報を設定できる。
[第3実施形態]
図56から図71を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。第3実施形態は、確率設定値の確定表示期間に関するものである。なお、確定表示期間は、確率設定値の確定値を表示するための期間である。
〔第3実施形態に係る遊技制御装置〕
始めに、図56を参照して、第3実施形態に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングについて説明する。図56は、第3実施形態に係る遊技機10の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。第3実施形態の遊技制御装置100は、第1実施形態の遊技制御装置100と類似するが、当該遊技制御装置100に取り付けられていた確率設定値表示装置143が、状態表示装置152に組み込まれた形となっている。即ち、状態表示装置152が、第1実施形態の確率設定値表示装置143としても機能する。また、第3実施形態の遊技制御装置100には、設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)とは別にRAM初期化スイッチ112(RAMクリアスイッチ)が取り付けられる。
〔電源投入時の移行状態〕
図57は、第3実施形態に係る遊技機10の電源投入(電源復旧)時の移行状態を説明する図である。電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、図57に示すように4つの状態(モード)へ移行する。
まず、電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、RAMクリアされた後、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図5AのA1036−A1041)。ここでのRAMクリアでは、ステップA1036のクリア処理が実行され、図5CのA1021で設定されたRAMクリア先頭アドレス2によってクリア対象のRAM領域としてクリア領域#2が指定される。なお、第3実施形態において、第1実施形態と異なり、図5AのステップA1024とA1028では、RAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93の両方がオンであるか否かを判定する。また、第1実施形態と異なり、図5AのステップA1025では、設定値変更スイッチ102ではなく、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。なお、設定確認状態への移行は、通常の復電(A1031−A1035)が行われた後のタイマ割込み処理中において、確率設定値確認処理(図11)のステップA2504−A2508で実行できる。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、ステップA1042−1045のRAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行され、図5Cに示すようにRAMクリア先頭アドレス2によってクリア対象のRAM領域としてクリア領域#2が指定されてRAMクリアされる。なお、RAMクリアでは、RAMクリア先頭アドレス3によってクリア対象のRAM領域としてクリア領域#3が指定されてもよい。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、単に復電されるだけの状態になる。
〔確率設定値変更処理〕
次に、図58を参照して、タイマ割り込み処理における確率設定値変更処理(A1308)の詳細について説明する。図58は、第3実施形態に係る確率設定値変更処理の手順を示すフローチャートである。
第3実施形態の確率設定値変更処理は、図10の確率設定値変更処理に対して、ステップA2412、A2414、A2415の処理の位置を変更し、ステップA2411、A2413の処理を削除したものであり、その他の処理は図10と同じであるため同じステップ番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA2416の処理で、設定キースイッチ93がオフ状態の場合に(A2416の結果が「Y」)、作業用確率設定値領域の値をロードし、確率設定値領域にセーブする(A2412)。設定キースイッチ93をオフにすることで設定値が確定し、確定した確率設定値に対応する値0〜5が確率設定値領域に記憶されることになる。
続いて、遊技制御装置100は、確率設定値が変更済みであることを示す確率設定値変更済みフラグをセットし(A2414)、確率設定値が変更されたことを示す確率設定値変更のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A2415)。その後、第1実施形態と同様にステップA2417−A2421の処理を実行し、メイン処理(図5B)に戻り、ステップA1049の処理に移行する。ここで、ステップA2420で確率設定値に対応する確率設定値表示データが確率設定値表示領域にセーブされることで、確定した確率設定値が確率設定値表示装置143が組み込まれた状態表示装置152に表示可能になる。
〔設定値受信時処理〕
次に、図59を参照して、単発系コマンド処理における設定値受信時処理(B1324)の詳細について説明する。図59は、第3実施形態に係る設定値受信時処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B5201)。受信したコマンドが正常なコマンドでない場合には(B5201の結果が「N」)、設定値受信時処理を終了する。
演出制御装置300は、受信したコマンドが正常なコマンドである場合には(B5201の結果が「Y」)、RTC338(又は時刻用タイマ)から現在日時(現在時刻)を示す情報を取得し(B5202)、受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドであるか否かを判定する(B5203)。設定変更終了時の設定値情報コマンドとは、確率設定値変更処理のステップA2421で確率設定変更終了のコマンドと共に遊技制御装置100から送信される設定値情報コマンドである。受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドでない場合には(B5203の結果が「N」)、設定値受信時処理を終了する。
演出制御装置300は、受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドである場合には(B5203の結果が「Y」)、設定値と現在日時(現在時刻)とを関連付けてメモリに記憶し(B5204)、設定値受信時処理を終了する。ここでのメモリは、電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323である。
なお、受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドでない場合、即ち、停電復旧時の設定値情報コマンド(A1035)又はRAM初期化時の設定値情報コマンド(A1045)である場合には(B5203の結果が「N」)、設定値(確率設定値)を現在日時と関連付けることなくRAM322に記憶するようにしてもよい。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、図60を参照して、タイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(A1314)の詳細について説明する。図60は、第3実施形態に係るセグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。なお、図60で記載されていないが、セグメントLED編集処理では、変動表示ゲーム以外で特図1表示器51、特図2表示器52、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53を発光制御する場合に、特図1表示器51、特図2表示器52、変動表示部53の発光制御(消灯制御、点灯制御、点滅制御)を、保留表示器54−56の発光制御と同様に実行してよい。なお、変動表示ゲームにおいて、特図1表示器51、特図2表示器52、変動表示部53を発光(点滅)させる制御は、図柄変動制御処理(図29)で実行される。
遊技制御装置100は、まず、点滅制御タイマを+1更新し(A9201)、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9202)。点滅制御タイマの特定ビットが1である場合に、出力オンタイミングであると判定する。本実施形態では、特定ビットはビット5であるため、128msの点滅周期を作ることができる(図2B参照)。
遊技制御装置100は、出力オンタイミングである場合(A9202の結果が「Y」)、普図保留数表示テーブル1を設定し(A9203)、出力オンタイミングでない場合(A9202の結果が「N」)、普図保留数表示テーブル2を設定し(A9204)、普図保留数に対応する表示データを取得して普図保留表示器56(ランプD15、D16)のセグメント領域にセーブする(A9205)。保留数が0〜2なら、普図保留数表示テーブル1、2のどちらのテーブルでも表示データは同じになるため、普図保留表示器56は点滅しないが、保留数が3〜4なら、普図保留数表示テーブル1の表示データと普図保留数表示テーブル2の表示データは異なるため、普図保留表示器56は点滅する(図2B参照)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9206)。出力オンタイミングである場合(A9206の結果が「Y」)、特図1保留数表示テーブル1を設定し(A9207)、出力オンタイミングでない場合(A9206の結果が「N」)、特図1保留数表示テーブル2を設定し(A9208)、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留表示器54(ランプD11、D12)のセグメント領域にセーブする(A9209)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9210)。出力オンタイミングである場合(A9210の結果が「Y」)、特図2保留数表示テーブル1を設定し(A9211)、出力オンタイミングでない場合(A9210の結果が「N」)、特図2保留数表示テーブル2を設定し(A9212)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留表示器55(ランプD13、D14)のセグメント領域にセーブする(A9213)。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド表示部60(ランプD3−D7)での表示態様が規定されたラウンド表示LED表示テーブルを設定し(A9214)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示部60のセグメント領域にセーブする(A9215)。
次に、遊技制御装置100は、第2遊技状態表示部58(ランプD9)や第3遊技状態表示部59(ランプD17)等での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定する(A9216)。さらに、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して各遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(A9217)。
次いで、遊技制御装置100は、第1遊技状態表示部57(ランプD8)での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定する(A9218)。さらに、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得して第1遊技状態表示部57のセグメント領域にセーブする(A9219)。その後、セグメントLED編集処理を終了する。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャート〕
次に、図61を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングについて説明する。図61は、第3実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻x1で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされた後、時刻x2でRAM初期化スイッチ112がオンにされた状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技機10の状態(遊技機状態)が設定変更モード(設定可変状態)になり、状態表示装置152には未確定の確率設定値(未確定値)が表示される(確率設定値表示(未確定値))。状態表示装置152の確率設定値表示(未確定値)では、未確定の確率設定値は点滅表示される。また、時刻x2において設定変更モードにされたことに対応して、表示装置41には、設定変更中であることが分かる所定の表示態様の表示が表示される。一括表示装置50(第1表示装置)、ランプ表示装置80(第4図柄)、及び装飾装置は、消灯状態が維持される。装飾装置は、装飾装置18a、18b等の枠装飾装置18、上部演出ユニット40c等の盤装飾装置46の他、装飾用発光部(LED)を有するものである。また、装飾装置は、消灯状態ではなく減光状態になってもよいし、特定の色以外の発光部だけが消灯してもよい。
時刻x3で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態が遊技を行える遊技可能状態になり、状態表示装置152(第2表示装置)には確定した確率設定値(確定値)が表示される(確率設定値表示(確定値))。状態表示装置152の確率設定値表示(確定値)では、確定した確率設定値は点灯表示される。遊技機状態が遊技可能状態であるときは、設定値の変更や確認を行えなくなる。また、時刻x3において遊技可能状態になったことに対応して、一括表示装置50の特図1表示器51及び/又は特図2表示器52にははずれ図柄の識別情報が表示され(本特図表示)、表示装置41には客待ちデモが表示される。なお、一括表示装置50の特図1表示器51と特図2表示器52以外の表示部(ランプD3−D18)も点滅表示するなどして、客待ち表示を実行してもよい。ランプ表示装置80及び装飾装置は、通常表示になる。なお、時刻x3で確率設定値が確定した際に、音や音声により確率設定値が確定したことを知らせる報知を合せて行うこととしてもよい。
時刻x4は、時刻x3から所定時間(所定期間、例えば2〜3sec)が経過したときの時刻である。状態表示装置152(第2表示装置)は、時刻x4になると確率設定値表示を終了して全点滅表示を開始し、全てのセグメントの全消灯表示と全点灯表示とを所定時間間隔で繰り返し行う。なお、状態表示装置152の全点滅表示は、図60のセグメントLED編集処理で使用する点滅制御タイマを使用して実行し、一括表示装置50の表示部の点滅表示(前述の客待ち表示)と同じ点滅周期で同期させてもよい。
なお、時刻x4は、時刻x3から所定時間(例えば2〜3sec)が経過したときに限らず、前面枠12(本体枠)が閉じられたときや操作ハンドル24のタッチスイッチ信号を検出したときでもよい。このように、設定変更状態から設定値が変更不能な遊技可能状態に切り替えた際に、状態表示装置152で確定した設定値が所定時間(例えば2〜3sec)確認できるようになるので、設定変更後に改めて設定確認モードに入らなくても確定した設定値を見ることができ、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
時刻x5は、時刻x4から所定時間(所定期間、例えば0.5sec)が経過したときの時刻である。状態表示装置152は、時刻x5になると全点滅表示を終了して性能表示(役物比率表示)を開始し、役物比率が表示される。なお、状態表示装置152には、役物比率に関する情報を表示する代わりに、出玉率や排出球数、ベース値(通常遊技状態における出玉率)に関する情報を表示してもよい(出玉率表示、排出球数表示、ベース値表示)。なお、役物比率と出玉率(ベース値含む)は、前述のように、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、遊技機の性能を示す性能情報となる。そして、状態表示装置152は、性能情報を表示する性能表示を実行可能である。
なお、時刻x2からの確率設定値表示(未確定値)を点滅表示とし、時刻x3からの状態表示装置152の確率設定値表示(確定値)を点灯表示としたが、これらの点滅表示又は点灯表示を入れ替えて、確率設定値表示(未確定値)を点灯表示とし、確率設定値表示(確定値)を点滅表示としてもよい。
〔設定変更時の表示装置の表示画面例〕
図62は、第3実施形態に係る設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の表示装置41(第3表示装置)の表示画面の一例を示す図である。図62には、表示装置41の表示画面とともに、ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cも表示画面の上方に示してある。
図62(さ)に示すように、演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信することで(A1041)、表示装置41の表示画面に設定変更中であることを示す設定変更中表示721を表示する。また、上述したように設定変更中はランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cが消灯されている。なお、演出制御装置300は、設定変更中表示721とともに音や音声によって設定変更中であることが分かる報知を行ってもよい。
図62(し)では、設定変更後に遊技可能状態となったことに対応して、表示装置41の表示画面に客待ちデモ画面722が表示される。遊技可能状態になると、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cは通常表示となり、図62(し)に黒塗りで示すように客待ちデモに合わせて上部演出ユニット40cの一部が点灯又は点滅する。ランプ表示装置80は、前述のように、第4図柄(第四特別図柄)として変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)からなるため、通常表示では消灯しているが(消灯表示)、客待ちデモに合わせての一部が点灯又は点滅してもよい。
図62(す)は、特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)によって、客待ちデモが終了し特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始したときの表示装置41の表示画面である。図62(し)で示していた客待ちデモ画面722が非表示になり、変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)で飾り第1図柄A〜Cが変動表示される。また、ランプ表示装置80や上部演出ユニット40cは、特図変動表示ゲームに合わせて一部が点灯又は点滅する演出態様となる。保留消化領域640には、実行中(消化中)の特図変動表示ゲームに対応する特図変動中保留表示643(始動記憶表示、特図消化中保留表示)が表示される。保留表示部630には、保留中の第1始動記憶や第2始動記憶が表示される。例えば、客待ちデモ後に特図変動表示ゲームが開始された場合には図62(す)に示すように保留表示部630には保留中の第1始動記憶や第2始動記憶がない状態になる。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの変形例〕
次に、図63を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例について説明する。図63は、第3実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。なお、以下の図63、図64、図66及び図67の説明においては、図61と重複する説明は適宜省略する。
前述のように、時刻x3において設定キースイッチ93がオフにされ遊技機状態が設定変更モードから遊技可能状態に切り替わると、状態表示装置152は全点滅を開始する。
そして、時刻x3から所定時間(所定期間、例えば0.5sec)経過した時刻x4’で、状態表示装置152は全点滅から確率設定値表示(確定値)に表示を切り替える。状態表示装置152は、確率設定値表示に表示を切り替えた後、所定時間(所定期間、例えば2〜3sec)経過した時刻x5’で、性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始して、役物比率を表示する。このように、設定キースイッチ93がオフにされ、設定変更モードから遊技可能状態にされたことに対応して状態表示装置152を全点滅表示にすることで、設定が確定したことを遊技場管理者に明示することができる。また、その後、確率設定値表示によって確定した設定値を所定時間(例えば2〜3sec)表示するので、遊技場管理者は、確定した設定値をそのまま確認することができ、作業効率を向上させることができる。
なお、図61と同様に、確率設定値表示の後、時刻x5’で全点滅を所定時間(例えば0.5sec)行ってから性能表示を開始するようにしてもよい。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの第2変形例〕
次に、図64を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第2変形例について説明する。図64は、第3実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第2変形例を示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻x3において設定キースイッチ93がオフにされ遊技機状態が設定変更モードから遊技可能状態に切り替わると、状態表示装置152は確率設定値表示を開始する。
そして、時刻x3から所定時間(例えば2〜3sec)経過した時刻x4で、状態表示装置152は確率設定値表示から報知表示に表示を切り替える。報知表示は、図65で後述するように、設定が確定したことを報知する表示である。状態表示装置152は、報知表示に表示を切り替えた後、所定時間(例えば0.5sec)経過した時刻x5で性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始して、役物比率を表示する。
なお、時刻x3において、状態表示装置152にて確率設定値表示(確定値)を行う前に、所定時間(例えば0.5sec)全点滅又は報知表示を行うこととしてもよい。また、時刻x3において、状態表示装置152にて確率設定値表示(確定値)を行う前に報知表示を行うこととした場合には、確率設定値表示(確定値)後に時刻x4から時刻x5まで報知表示を行う代わりに全点滅を行うこととしてもよい。
〔状態表示装置の設定変更時の表示態様〕
図65は、第3実施形態の第2変形例に係る状態表示装置152の設定変更時の表示態様の一例を示す図である。
始めに、図65(a)は、図64の時刻x2までにおける電源がオフにされているときの状態表示装置152の表示態様であり、状態表示装置152の4個の7セグメント(点部分を含めると8セグメント)は全て消灯されている。
図65(b)は、時刻x2から時刻x4までにおいて確率設定値表示(未確定値、確定値)を表示しているときの状態表示装置152の表示態様であり、状態表示装置152の左端の桁3には現在の確率設定値(例えば「6」)が表示され、桁3以外の7セグメント(桁2、桁1、桁0)は消灯されている。なお、状態表示装置152の左端の桁3に表示される現在の確率設定値(例えば「6」)は、時刻x2から時刻x3までにおける確率設定値表示(未確定値)では点滅表示となり、時刻x3から時刻x4までにおける確率設定値表示(確定値)では点灯表示となる。
図65(c)は、時刻x4から時刻x5までにおいて報知表示をしているときの状態表示装置152の表示態様である。状態表示装置152の桁0〜3には確率設定値が確定したことを示す上下のバーが表示される。なお、状態表示装置152の桁0〜3に表示される報知表示は、上下のバーによる表示に限らず、確率設定値や性能表示と異なる表示態様で表示されればよい。
図65(d)は、時刻x5後に、性能表示される状態表示装置152の表示態様である。状態表示装置152には、図65(d)に示すように、直近の所定数(例えば1万発)の排出球数に対する出玉率(例えば「b1.35」)が性能表示として表示される。なお、状態表示装置152に遊技機10の電源投入から現在までの全体の出玉率(例えば図102に示す「bL.35」)やベース値、役物比率を表示させてもよく、これらの表示を所定間隔(例えば2〜3sec)周期で切替表示してもよい。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの第3変形例〕
次に、図66を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第3変形例について説明する。図66は、第3実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第3変形例を示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻x3において設定キースイッチ93がオフにされた後、時刻x4’’で特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)が行われると、一括表示装置50の特図1表示器51又は特図2表示器52では停止表示されていたはずれ図柄から本特図表示(識別情報の表示)が変動表示を開始し、特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始される。また、同時に、表示装置41の表示画面では、客待ちデモが終了し、飾り特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始される。一括表示装置50(第1表示装置)及び表示装置41(第3表示装置)の特図変動表示ゲームの開始に対応して、ランプ表示装置80では第4図柄による特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)及び保留数表示が開始され、装飾用装置では特図変動表示ゲームの演出に対応する演出対応表示が行われる。
そして、時刻x4’’から所定時間(例えば0.5sec)経過した時刻x5’’で、状態表示装置152は、全点滅を終了し、性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始する。このように、所定時間の経過を待たずに、特図変動表示ゲームが開始されたことに対応して、全点滅と性能表示を開始することで、遊技に関する情報を早期に表示させることができる。
なお、状態表示装置152は、特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)が行われること、すなわち、普通変動入賞装置37又は始動入賞口36への遊技球の入賞があった場合に全点滅を開始する態様に限らず、一般入賞口35に遊技球の入賞があった場合や普図始動ゲート34を遊技球が通過した場合に全点滅を開始してもよい。また、前述の図61における例と同様に、前面枠12(本体枠)が閉じられたときや操作ハンドル24のタッチスイッチ信号を検出したときに全点滅を開始してもよい。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの第4変形例〕
次に、図67を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第4変形例について説明する。図67Aは、第3実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第4変形例を示すタイミングチャートである。
時刻x2で遊技機10の電源が投入されると、遊技機状態が設定変更モードになるとともに、第4変形例の一括表示装置50、ランプ表示装置80及び装飾装置は、全点滅を開始する。その際、一括表示装置50の点滅周期は、図60のセグメントLED編集処理によって制御され、併せてランプ表示装置80及び装飾装置の点滅周期も一括表示装置50の点滅周期と同じとなるように設定されて、各装置の点滅タイミングの同期がとられる。遊技制御装置100は演出制御装置300にコマンドを送って、演出制御装置300で制御されるランプ表示装置80及び装飾装置と一括表示装置50との間で点滅タイミングの同期を取ってよい。また、状態表示装置152が点滅して確率設定値表示を行う場合には、状態表示装置152の点滅をセグメントLED編集処理で使用する点滅制御タイマを使用して制御して、一括表示装置50の点滅タイミングと状態表示装置152の点滅タイミングの同期を取ってもよい。
なお、一括表示装置50の全点滅表示は、図34Fに示すように全ての表示部(発光部、LEDランプD1−D18)で行うようにしてもよく、特図変動表示ゲーム用の表示部51、52(LEDランプD1、D2)だけで行うようにしてもよい。また、特図変動表示ゲーム用の表示部51、52(D1、D2)以外のLEDランプ(例えばLEDランプD3−D18)で一括表示装置50の全点滅表示を行うようにしてもよい。
そして、時刻x3で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態は設定変更モードから遊技可能状態になり、一括表示装置50、ランプ表示装置80及び装飾装置は全点滅を終了する。時刻x3になることで、一括表示装置50にははずれ図柄の識別情報が停止表示され(本特図表示)、ランプ表示装置80及び装飾装置は通常表示になる。また、状態表示装置152には確定した確率設定値(確定値)が表示され(確率設定値表示)、表示装置41の表示画面では設定変更中表示が終了し客待ちデモが開始される。
続いて、時刻x3から所定時間(例えば2〜3sec)が経過して時刻x5’’’になると、状態表示装置152は確率設定値表示(確定値)を終了し、性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始する。このように、第4変形例に係る状態表示装置152では、確率設定値表示(確定値)を終了した後、全点滅を省略して性能表示(役物比率表示や出玉率表示)をすぐに行うので、遊技場管理者は、設定変更後に出玉率等を早期に確認することができる。なお、時刻x5’’’になることで、一括表示装置50及び表示装置41では特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始され、ランプ表示装置80では第4図柄による特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)及び保留数表示が行われ、装飾装置では特図変動表示ゲームの演出に対応する表示が行われる(演出対応表示)。
〔設定確認時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャート〕
次に、図68を参照して、設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングについて説明する。図68は、第3実施形態に係る設定確定時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻x11で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされた後、時刻x12でRAM初期化スイッチ112がオフにされた状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技機10の状態(遊技機状態)が設定確認モード(設定確認状態)になり、状態表示装置152には確定した確率設定値(確定値)が表示される(確率設定値表示)。そして、表示装置41の表示画面には、後述する図69で示すように停止図柄が表示される(停止図柄表示)。なお、遊技機状態が設定確認モードになっているときには、一括表示装置50、ランプ表示装置80及び装飾装置は、例えば全てのセグメント及びLEDが全点灯した全点灯状態になる(一部の点灯状態でもよい)。また、一括表示装置50は、設定確認モードにおいて、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄を表示してもよい。また、設定確認モードに移行する際は、表示装置41の表示画面に表示される停止図柄は、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄になる。
時刻x13で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態が設定確認モードから遊技可能状態になり、状態表示装置152には性能表示(役物比率表示や出玉率表示)が表示される。また、時刻x13において遊技機状態が遊技可能状態にされたことに対応して、一括表示装置50には直前(電源遮断時)に表示した図柄(識別情報)が本特図として表示される(本特図表示(直前表示図柄))。そして、表示装置41の表示画面では客待ちデモが開始され、ランプ表示装置80及び装飾装置は通常表示になる。このように、設定確認状態から遊技可能状態に切り替えた際に、状態表示装置152(第2表示装置)に性能情報を直ちに性能表示として表示させることができるので、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
なお、時刻x13で状態表示装置152には性能表示が直ちに表示されるようにしたが、図63に示す設定変更時のときのタイミングチャートのように、性能表示させる前に所定時間(例えば0.5sec)全点滅を行わせてもよい。このように、設定確認モードと遊技可能状態との間に、確率設定値や性能表示とは異なる態様の表示(全点滅表示)を状態表示装置152に表示することで、遊技場管理者は、遊技可能状態に切り替わったことをより確実に把握しやすくなる。
〔設定変更時の表示装置の表示画面例〕
図69は、第3実施形態に係る設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の表示装置41(第3表示装置)の表示画面の一例を示す図である。図69には、表示装置41の表示画面とともに、ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cも表示画面の上方に示してある。なお、以下の図69、及び図71の説明においては、図62と重複する説明は適宜省略する。
図69(せ)に示すように、演出制御装置300は、確率設定確認中のコマンドを受信することで(A2508、B1327)、ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cを全点灯させる。このように、ランプ表示装置80及び装飾装置は、設定確認中は、設定変更中(図62)と異なる発光態様となる。なお、演出制御装置300は、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cの全点灯とともに設定確認中であることが分かる報知(音などで)を行ってもよい。他方で、表示装置41の表示画面には、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄(停止結果)が表示されており、設定確認中であることが分からない表示態様となる。
図69(そ)では、設定確認後に遊技可能状態となったことに対応して、表示装置41の表示画面に客待ちデモ画面722が表示される。遊技可能状態になると、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cは通常表示となる。
図69(た)は、特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)によって、客待ちデモが終了し特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始されたときの表示装置41の表示画面である。図62(す)と同様に、客待ちデモ画面722が非表示になり、変動表示領域620で飾り第1図柄A〜Cが変動表示され、ランプ表示装置80や上部演出ユニット40cが特図変動表示ゲームに合わせて点灯又は点滅する演出態様となる。
〔設定確認時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの変形例〕
次に、図70を参照して、設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例について説明する。図70は、第3実施形態に係る設定確認時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。なお、以下の図70の説明においては、図68と重複する説明は適宜省略する。
前述のように、時刻x12においてRAM初期化スイッチ112がオフにされた状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技機状態が設定確認モードに切り替わる。本変形例の設定確認モードでは、表示装置41の表示画面には、例えば図71(せ’)で後述するようにこれまでの確率設定値の設定履歴が分かる設定確認中表示723が一覧表示され、設定確認中であることが分かる表示態様となる(設定確認中表示(設定履歴表示))。また、状態表示装置152には確定した設定値が表示され(確率設定値表示(確定値))、ランプ表示装置80及び装飾装置は全点滅を開始する。一括表示装置50は、消灯状態が維持される。なお、設定確認中表示は、設定履歴表示に限らず、設定確認中であることが分かる表示態様であればよく、例えば文字等によって設定確認中であることを表示してもよい。また、設定確認中表示とともに、音や音声によって設定確認中であることを報知してもよい。
その後、時刻x13で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態は設定確認モードから遊技可能状態になり、表示装置41の表示画面は、設定確認中表示(設定履歴表示)を終了し客待ちデモを開始する。時刻x13において遊技機状態が遊技可能状態にされたことに対応して、状態表示装置152には性能表示(役物比率表示や出玉率表示)が表示され、一括表示装置50には直前(電源遮断時)に表示した図柄(識別情報)が本特図として表示される(本特図表示(直前表示図柄))。また、ランプ表示装置80及び装飾装置は通常表示になる。
〔設定変更時の表示装置の表示画面例〕
図71は、第3実施形態に係る設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の表示装置41の表示画面の変形例を示す図である。
図71(せ’)に示すように、演出制御装置300は、確率設定確認中のコマンドを受信することで(A2508、B1327)、表示装置41の表示画面に設定確認中表示723を表示する。設定確認中表示723は、これまでの確率設定値の設定履歴を一覧できる表示であり、例えば図61(せ’)に示すように設定履歴の番号、日付、変更した設定内容等が一覧表示される。図59で説明したように、演出制御装置300は、設定変更終了時の設定値情報コマンドを受信(B5203の結果が「Y」)する毎に、設定値とその設定値が確定した設定変更日時(設定変更終了の日時)とを関連付けてFeRAM323に記憶する(B5204)。そのため、演出制御装置300は、設定値とその設定変更日時をFeRAM323から読み出すことによって、設定確認中表示723に確率設定値の設定履歴を一覧表示する。ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cは、設定確認モードの間、全点滅になる。
図71(そ’)では、設定確認後に遊技可能状態になったことに対応して、表示装置41の表示画面に客待ちデモ画面722が表示され、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cが通常表示となる。
図71(た’)は、図62(す)及び図69(た)と同様に客待ちデモが終了し特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始されたときの表示装置41の表示画面である。表示装置41の表示画面は客待ちデモ画面722が非表示になり、変動表示領域620で飾り第1図柄A〜Cが変動表示され、ランプ表示装置80や上部演出ユニット40cが特図変動表示ゲームに合わせて点灯又は点滅する演出態様となる。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、本特図)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置39の大入賞口)と、遊技球が入賞領域に入賞すると、入賞領域ごとに定められた賞球数の賞球を払い出し可能な払出制御手段(払出制御装置200)と、遊技に関する表示を表示可能な第1表示装置(一括表示装置50)と、遊技条件に関する設定値(設定値、確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42、RAM初期化スイッチ112)と、設定値と、入賞により得られた賞球数に基づいて導出される性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)と、を表示可能な第2表示装置(状態表示装置152)と、を備える。制御手段は、設定変更手段によって設定値が変更可能な設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたことに対応して、第1表示装置の表示を所定の表示態様(例えば消灯表示、全点滅表示)にし、設定変更状態から設定変更手段によって設定値が変更不能な遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置に確定した当該設定値を所定期間(所定時間、例えば2〜3sec)にわたり表示可能である。
このような遊技機10によれば、設定変更状態から設定値が変更不能な遊技可能状態に切り替えた際に、第2表示装置で確定した設定値を所定期間(所定時間)確認できるので、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
また、第3実施形態に係る遊技機10では、制御手段(遊技制御装置100)は、設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)から遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置(状態表示装置152)に確定した当該設定値を遊技に関する信号(例えば、普通変動入賞装置37、始動入賞口36又は一般入賞口35に入賞した遊技球を検出した際の検出信号、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを知らせる信号、前面枠開放検出スイッチ64の信号、操作ハンドル24のタッチスイッチ信号)が検出されるまで表示する。このような遊技機10によれば、遊技に関する信号が検出されたときに性能情報が表示されるので、遊技場管理者は設定変更後に直ぐに性能情報を確認することができる。
第3実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、本特図)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置39の大入賞口)と、遊技球が入賞領域に入賞すると、入賞領域ごとに定められた賞球数の賞球を払い出し可能な払出制御手段(払出制御装置200)と、遊技に関する表示を表示可能な第1表示装置(一括表示装置50)と、遊技条件に関する設定値(設定値、確率設定値)を確認可能な設定確認手段(設定キースイッチ92、RAM初期化スイッチ112)と、設定値と、入賞により得られた賞球数に基づいて導出される性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)と、を表示可能な第2表示装置(状態表示装置152)と、を備える。制御手段は、設定確認手段によって設定値が確認可能な設定確認状態(設定確認モード)にされたことに対応して、第1表示装置の表示を所定の表示態様(例えば、全点灯表示、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄の表示)にし、設定確認状態から設定確認手段によって設定値が確認不能な遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置に性能情報を表示可能である。
このような遊技機10によれば、設定確認状態から設定値が確認不能な遊技可能状態に切り替えた際に、第2表示装置に性能情報を直ちに表示させることができるので、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
また、第3実施形態に係る遊技機10は、設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたときに設定値(設定値、確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42、RAM初期化スイッチ112)をさらに備える。制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態にされたことに対応して、第1表示装置(一括表示装置50)の表示を設定変更状態にされたときの表示(確率設定値表示)、又は遊技に関する表示とは異なる態様(例えば、全点灯表示)にする。このような遊技機10によれば、第1表示装置の表示態様が設定確認状態と設定変更状態とで異なる表示態様となるので、遊技場管理者は、設定確認状態と設定変更状態とを容易に見分けることができ作業効率を向上させることができる。
また、第3実施形態に係る遊技機10は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に関連する演出を表示可能な第3表示装置(表示装置41)と、第3表示装置における演出の表示を制御可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。演出制御手段は、設定確認状態(設定確認モード)にされたことに対応して、第3表示装置に設定変更の履歴を表示する。このような遊技機10によれば、第1表示装置(一括表示装置50)が設定確認状態であることが分かる表示態様となっていない場合でも、遊技場管理者は、第3表示装置から設定確認状態であることが分かり、設定履歴を確認することができる。
制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態(設定確認モード)にされたことに対応して、第1表示装置(一括表示装置50)の表示態様を直前の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果(停止図柄、識別情報)を表示した態様にする。このような遊技機10によれば、第1表示装置の表示態様が設定確認状態と設定変更状態とで異なる表示態様となるので、遊技場管理者は、設定確認状態と設定変更状態とを容易に見分けることができ作業効率を向上させることができる。また、設定確認状態で専用の表示態様を第1表示装置に行わせる必要がないので、その分の処理負担やデータ量を抑制することができる。
制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態(設定確認モード)から遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置(状態表示装置152)に性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)を直ちに表示する。このような遊技機10によれば、遊技場管理者は、設定確認状態から遊技可能状態にすることで直ぐに性能情報を確認できるので、作業効率を向上させることができる。
制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態(設定確認モード)から遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置(状態表示装置152)の表示を設定確認状態にされたときの表示(確率設定値表示)、又は性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)の表示とは異なる態様にし、第2表示装置の表示を異なる態様にした後、第2表示装置に性能情報を表示する。このような遊技機10によれば、遊技可能状態になった直後に、これらの表示とは異なる態様の表示が第2表示装置に表示されるので、遊技場管理者は、遊技可能状態に切り替わったことをより確実に把握しやすくなる。
[第4実施形態]
図72と図73を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
図72は、第4実施形態に係る遊技制御系の構成例を示すブロック図である。図73は、第4実施形態に係る遊技制御装置100内の入力ポートのアドレスと、各入力ポートに入力される信号を示す図である。
第4実施形態における遊技制御系は、基本的には第3実施形態(図56)と同様であるが、以下のように一部相違点がある。
第3実施形態において、設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102、RAM初期化スイッチ112は、全て同じ入力ポート(入力ポート123)に接続されている(図56)。
一方、図72に示すように、第4実施形態では、RAM初期化スイッチ112が入力ポート123に接続され、設定値変更スイッチ102及び設定キースイッチ93が入力ポート124に接続されている。すなわち、RAM初期化スイッチ112と、設定値変更スイッチ102及び設定キースイッチ93は互いに異なる入力ポートに接続されている点で第3実施形態と相違する。
前記のように、電源投入時にRAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93がオンにされている場合は設定可変状態に移行(図57参照)する。
その際、第3実施形態では、遊技制御装置100を構成する遊技用マイコン111は、入力ポート123のアドレスを指定して入力ポート123からRAM初期化スイッチ112のオン信号、及び設定キースイッチ93のオン信号を取得している。
一方、第4実施形態では、遊技用マイコン111は、入力ポート123のアドレス(81H、図73)を指定して入力ポート123からRAM初期化スイッチ112のオン信号を取得し、入力ポート124のアドレス(82H、図73)を指定して入力ポート124から設定キースイッチ93のオン信号を取得している。
すなわち、第4実施形態においては、上記のようなオン信号の取得先となる入力ポート(122,123,124)が互いに異なることがある。例えば、遊技用マイコン111がRAM初期化スイッチ112のオン信号を取得するために入力ポート124のアドレス(82H、図73)を指定することはなく、設定キースイッチ93のオン信号を取得するために入力ポート123のアドレス(81H、図73)を指定することはない。
図73に示すように、入力ポート122(アドレス:80H(16進表記))、入力ポート123(アドレス:81H(16進表記))、入力ポート124(アドレス:H82(16進表記))は、互いに異なるアドレスを有している。
また、各入力ポートには各種信号(オン信号、オフ信号)が入力されるように割り当てられている。同一の入力ポートにおいてはビット(b0−b6)の位置により各種信号を識別できるようになっている。なお、ビット数を増減させることで一つの入力ポートに接続できる信号の数を増減させることができる。
また、以下において、信号の異常の有無やスイッチ操作の有無などに関して、負論理(例えば信号オフの場合に異常有りや操作有りとする)と正論理(信号オンの場合に異常有りや操作有りとする)が混在しているが、負論理と正論理のどちらかに統一してもよい。
入力ポート122(80H)には、例えば、枠電波不正信号(b0)、払出ビジー信号(b1)、払出異常ステータス信号(b2)、シュート球切れスイッチ信号(b3)、オーバーフロースイッチ信号(b4)、タッチスイッチ信号(b5)、アウト球検出スイッチ信号(b6)が入力される。なお、以後も含め各種の信号は第1実施形態において説明している。
枠電波不正信号(b0)は、オン(High:1)であれば枠電波エラーが発生していることを示し、オフ(Low:0)であれば通常(異常なし)であることを示している。
払出ビジー信号(b1)は、オン(High:1)であれば払出コマンド送信禁止を示し、オフ(Low:0)であれば払出コマンド送信可能であることを示している。
払出異常ステータス信号(b2)は、オン(High:1)であれば払い出しに異常があることを示し、オフ(Low:0)であれば通常(異常なし)であることを示している。
シュート球切れスイッチ信号(b3)は、オン(High:1)であればシュート球切れ状態であることを示し、オフ(Low:0)であれば通常(異常なし)であることを示している。
オーバーフローフロースイッチ信号(b4)は、オン(High:1)であればオーバーフロー状態であることを示し、オフ(Low:0)であれば通常(異常なし)であることを示している。
タッチスイッチ信号(b5)は、オン(High:1)であれば操作ハンドル24(図3)にタッチしている場合を示し、オフ(Low:0)であればタッチしていないことを示している。
アウト球検出スイッチ信号(b6)は、オン(High:1)であればアウト球を検出していることを示し、オフ(Low:0)であればアウト球を検出していないことを示している。なお、アウト球を検出する構成の代わりに発射球を検出する構成を適用してもよい。
入力ポート123(81H)には、例えば、盤電波センサ信号(b0)、異常検知信号(b1)、磁気センサ信号(b2)、ガラス枠開放検出スイッチ信号(b3)、本体枠開放検出スイッチ信号(b4)、RAM初期化スイッチ信号(b5)、停電監視信号(b6)が入力される。
盤電波センサ信号(b0)は、オン(High:1)であれば通常(異常なし)を示し、オフ(Low:0)であれば盤電波エラーが発生していることを示している。
異常検知信号(b1)は、オン(High:1)であれば異常検知信号(第1実施形態)に係る異常発生があることを示し、オフ(Low:0)であれば通常(異常なし)であることを示している。
磁気センサ信号(b2)は、オン(High:1)であれば通常(異常なし)であることを示し、オフ(Low:0)であれば磁気エラーが発生していることを磁気センサスイッチ61(図72)が検知したことを示している。
ガラス枠開放検出スイッチ信号(b3)は、オン(High:1)であればガラス枠15(図1)が閉鎖状態であることをガラス枠開放検出スイッチ63(図72)が検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば開放状態であることを検知したことを示している。
本体枠開放検出スイッチ信号(b4)は、オン(High:1)であれば本体枠(前面枠12、図1)が閉鎖状態であることを前面枠開放検出スイッチ64(図72)が検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば開放状態であることを検知したことを示している。
RAM初期化スイッチ信号(b5)は、オン(High:1)であればRAM初期化スイッチ112がオフ(押下されていない)状態であることを示し、オフ(Low:0)であればオン(押下されている)状態(設定変更可能移行状態)であることを示している。
停電監視信号(b6)は、オン(High:1)であれば通常(異常なし)であることを示し、オフ(Low:0)であれば停電が発生していることを示している。
入力ポート124(82H)には、例えば、ゲートスイッチ信号(b0)、入賞口スイッチ信号(b1)、大入賞口スイッチ信号(b2)、始動口1スイッチ信号(b3)、始動口2スイッチ信号(b4)、設定値変更スイッチ信号(b5)、設定キースイッチ信号(b6)が入力される。
ゲートスイッチ信号(b0)は、オン(High:1)であれば普図始動ゲート34(図2)を通過する遊技球をゲートスイッチ34a(図72)が検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば検知していないことを示している。
入賞口スイッチ信号(b1)は、オン(High:1)であれば一般入賞口35(図2)に入賞した遊技球を入賞口スイッチ35a(図72)が検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば検知していないことを示している。
大入賞口スイッチ信号(b2)は、オン(High:1)であれば大入賞口(特別変動入賞装置39)に入賞した遊技球を大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ39a)(図72)が検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば検知していないことを示している。
始動口1スイッチ信号(b3)は、オン(High:1)であれば始動入賞口36に遊技球が入賞したことを始動口1スイッチ36aが検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば検知していないことを示している。
始動口2スイッチ信号(b4)は、オン(High:1)であれば普通変動入賞装置37に遊技球が入賞したことを始動口2スイッチ37aが検知したことを示し、オフ(Low:0)であれば検知していないことを示している。
設定値変更スイッチ信号(b5)は、オン(High:1)であれば設定値変更スイッチ102がオフ(押下されていない)状態であることを示し、オフ(Low:0)であればオン(押下されている)状態であることを示している。
設定キースイッチ信号(b6)は、オン(High:1)であれば設定キースイッチ93がオフ状態(設定変更禁止状態)であることを示し、オフ(Low:0)であればオン状態(設定変更許容状態)であることを示している。
ここで、遊技機10の電源投入の際に、入力ポート124に入力される設定キースイッチ信号(b6)がオン(Low:0)(設定変更許容状態)であるときに、入力ポート123に入力されるRAM初期化スイッチ信号(b5)をオン(Low:0)にすることにより設定変更可能移行状態となり、設定値変更スイッチ102の操作による設定値の変更を行うことができる。
上記信号のうち、設定変更に関わる信号は、入力ポート124に入力される設定値変更スイッチ信号、入力ポート124に入力される設定キースイッチ信号、入力ポート123に入力されるRAM初期化スイッチ信号となるが、各信号は、入力ポート122、入力ポート123、入力ポート124のいずれかに任意に入力することができる。
ただし、設定値変更スイッチ信号、設定キースイッチ信号、RAM初期化スイッチ信号を同一の入力ポートに入力するようにスイッチを接続すると、悪意ある遊技者等の不正による設定変更が行われるときに、同一の入力ポートに関して細工するだけでその不正が容易に行われるおそれがある。
したがって、設定値変更スイッチ信号(設定値変更スイッチ102)、設定キースイッチ信号(設定キースイッチ93)、RAM初期化スイッチ信号(RAM初期化スイッチ112)のうち、少なくとも一つは、他の入力ポートに入力するように設計することが好適である。
または、設定キースイッチ信号(設定キースイッチ93)、RAM初期化スイッチ信号(RAM初期化スイッチ112)は互いに異なる入力ポートに入力するように設計することが好適である。
なお、設定キースイッチ信号(設定キースイッチ93)と、設定値変更スイッチ信号(設定値変更スイッチ102)は同一の入力ポートに入力するように設計することも好適である。これにより、RAM初期化スイッチ112は、例えば前面枠開放検出スイッチ64と同一の入力ポート123に接続される形態となる。したがって、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102から入力ポート124への配線をなくして、第4実施形態の遊技制御装置100を実装すれば、設定変更の機能を持たない遊技機として、当該遊技機を動作させることができるので、遊技制御装置100の汎用性を高めることができる。
[第4実施形態の作用・効果]
上記のように、第4実施形態の遊技機10は、少なくとも2つのスイッチ(設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ102のいずれか2つ)を含み、遊技に関する設定に対応する設定値を変更可能な設定変更手段(設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ102)と、設定値に基づいて遊技の結果を制御可能な制御手段(遊技用マイコン111)と、を備える。2つのスイッチからの信号が、それぞれ互いに異なる入力ポート(例えば、入力ポート123、入力ポート124)を介して、制御手段(遊技用マイコン111)に入力される。
また、第4実施形態の遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値が設定される設定値設定手段(遊技用マイコン111)と、設定値設定手段(遊技用マイコン111)を設定変更許容状態と設定変更禁止状態に切り替え可能な設定許否切替手段(設定キースイッチ93)と、設定変更許容状態のもと、操作されることで設定値設定手段(遊技用マイコン111)を設定変更可能状態に移行させる設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)と、を備える。設定許否切替手段(設定キースイッチ93)及び設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)は、それぞれ互いに異なる入力ポート(例えば、入力ポート123、入力ポート124)を介して設定値設定手段(遊技用マイコン111)に接続されている。
上記構成により、設定変更に関するスイッチ(設定許否切替手段(設定キースイッチ93)、設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112))が互いに異なる入力ポートに接続されるので、悪意ある遊技者の不正による設定変更を防止することができる。
さらに、第4実施形態の遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値が設定される設定値設定手段(遊技用マイコン111)と、設定値設定手段(遊技用マイコン111)を設定変更許容状態と設定変更禁止状態に切り替え可能な設定許否切替手段(設定キースイッチ93)と、設定変更許容状態のもと操作することで設定値設定手段(遊技用マイコン111)を設定変更可能状態に移行させる設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)と、設定値設定手段(遊技用マイコン111)に対して設定値を変更するための操作が可能な設定操作手段(設定値変更スイッチ102)を備える。設定許否切替手段(設定キースイッチ93)、設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)、及び設定操作手段(設定値変更スイッチ102)は、入力ポート(入力ポート122−124)を介して設定値設定手段(遊技用マイコン111)に接続される。設定許否切替手段(設定キースイッチ93)、設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)、及び設定操作手段(設定値変更スイッチ102)のうちの少なくとも一つと、残余のものと、は互いに異なる入力ポート(例えば、入力ポート123、入力ポート124)に接続されている。
上記構成により、設定変更に関するスイッチ(設定許否切替手段(設定キースイッチ93)、設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)、設定操作手段(設定値変更スイッチ102))のうち、少なくとも一つが他の入力ポートに接続されるので、悪意ある遊技者等の不正による設定変更を防止することができる。
第4実施形態において、設定許否切替手段(設定キースイッチ93)及び設定操作手段(設定値変更スイッチ102)は、同一の入力ポート(入力ポート124)に接続されている。
上記構成により、設定変更可能移行手段(RAM初期化スイッチ112)は、例えば前面枠開放検出スイッチ64と同一の入力ポート123に接続される形態となる。したがって、設定許否切替手段と設定操作手段から入力ポート124への配線をなくして、遊技制御手段(遊技制御装置100)を実装すれば、設定変更の機能を持たない遊技機として、当該遊技機を動作させることができるので、遊技制御手段(遊技制御装置100)の汎用性を高めることができる。
[第5実施形態]
図74と図75を参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第4実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第4実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第5実施形態は、遊技に関する設定に対応する設定値を示唆する設定示唆演出に関する。
従来、特定の条件下において、設定値の示唆となる設定示唆演出を行う遊技機がある。一方、遊技者は、熱い演出が出現すると、保留が貯められている状況でも遊技球の打ち出しを止めてしまうという問題がある。そこで、第5実施形態では、設定値の示唆と保留とを互いに関連付けた演出を行うことにより遊技の興趣を向上させることを目的とする。
図74は、第5実施形態に係る遊技盤30の正面図である。図75は、第5実施形態に係る保留数と設定示唆演出の発生確率との関係(図75(A))と、保留数、設定値及び赤色点灯の点灯確率の関係(図75(B))を示す図である。
図74に示すように、遊技盤30の下部に配置された始動入賞口36にはLED36b(演出手段、点灯手段)が配置されている。なお、図74の遊技盤30は、LED36bを除いて、図2Aの遊技盤30と同じものである。LED36bは、例えば、盤装飾装置46(図4)の一部として構成され、後述のように、演出制御装置300(主制御用マイコン311)から送信される点灯情報(設定示唆演出の情報)により設定値を示唆するための設定示唆演出を行うものである。
LED36bは、例えば、赤色発光する発光部材(LED)、白色発光する発光部材(LED)、青色発光する発光部材(LED)を個別に駆動可能な発光デバイスであって、点灯情報にしたがって各発光部材(LED)を発光させるものである。
なお、LED36bは、始動入賞口36ではなく、例えば、一般入賞口35、普通変動入賞装置37に取り付けることもでき、また、大入賞口LED39dを代用することもできる。
図75(A)に示すように、演出制御装置300の主制御用マイコン311は、保留数(第1始動記憶数または第2始動記憶数)と、設定示唆演出の発生確率との関係を示すテーブルを、例えば、RAM322(図4)に記憶している。また、当該テーブルには最大始動記憶数(4個)よりも多いオーバーフローの場合の発生確率も含まれる。
また、主制御用マイコン311は、遊技制御装置100から送信される保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)に基づいて図75(A)に示すテーブルから発生確率を選択し、選択された発生確率で抽選することにより設定示唆演出を行うか否かの判定を行う演算機能も備えている。
そして、主制御用マイコン311は、抽選で当選して設定示唆演出を行うと判断した場合に設定示唆演出の情報(点灯情報)を、盤装飾LED制御回路332(図4)を介してLED36b(盤装飾装置46)に送信する。
図75(A)では、保留数が多くなるほど、設定示唆演出の発生確率が高くなるように設定している。例えば、保留数がゼロのときの設定示唆演出の発生確率を500分の1とし、保留数が1のときの設定示唆演出の発生確率を300分の1とし、保留数が2のときの設定示唆演出の発生確率を100分の1とし、保留数が3のときの設定示唆演出の発生確率を30分の1とし、保留数が4のときの設定示唆演出の発生確率を10分の1とし、保留数がオーバーフローのときの設定示唆演出の発生確率を5分の1としている。このように、第5実施形態では、遊技中に熱い演出が出現したとしても、保留数を貯めることにより、先読みが発生する楽しみ以外に、設定値を判別する楽しみを提供でき、これにより遊技の興趣を高めることができる。特に、保留数が多くなるほど設定示唆演出の発生確率が高くする場合には、保留数を貯めるモチベーションをさらに高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
遊技制御装置100(図72)は、保留数コマンドのみならず、設定値を表す設定値情報を演出制御装置300に送信することができる。演出制御装置300の主制御用マイコン311(図4)は、点灯情報によりLED36bを所定回数(例えば20回)点灯させ、そのうち、例えば赤色(他の色でもよい)の点灯が何回行われたかにより設定値を示唆する設定示唆演出を行うが、当該設定示唆演出は設定値及び保留数が反映される。すなわち、LED36bにおける赤色点灯の点灯確率が設定値及び保留数により変化する。
図75(B)に示すように、主制御用マイコン311は、赤色点灯の点灯確率の保留数及び設定値の関係を示したテーブルを、例えば、RAM322(図4)に記憶している。ここで、図75(B)は、図24(A)のように設定値が高くなるほど大当たり確率及び小当たり確率が高くなることを前提として点灯確率を設定している。
主制御用マイコン311は、LED36bが20回点灯する点灯情報(設定示唆演出の情報)を生成するが、各回点灯において、赤色点灯、白色点灯、青色点灯のいずれかを点灯させる信号を所定の点灯確率で組み込む。そのうち赤色点灯の点灯確率については、遊技制御装置100から送信される設定値の情報及び保留数の情報を用いて図75(B)のテーブルから抽出する。例えば、赤色点灯の点灯確率が20パーセントに定まるのであれば、白色点灯の点灯確率及び青色点灯の点灯確率をそれぞれ40パーセントとすることができる。
図75(B)に示すように、保留数がゼロのとき、設定値1−3では赤色点灯の点灯確率を20パーセントとし、設定値4−6では赤色点灯の点灯確率を40パーセントとしている。これにより、点灯20回中、赤色点灯は、設定値1−3では平均4回点灯し、設定値4−6では平均8回点灯し、平均点灯回数の相違により設定値1−3のいずれかであるか、設定値4−6のいずれかであるかを示唆することが可能となる。
保留数が1のとき、設定値1−2では赤色点灯の点灯確率を10パーセントとし、設定値3では赤色点灯の点灯確率を20パーセントとし、設定値4−6では赤色点灯の点灯確率を40パーセントとしている。これにより、点灯20回中、赤色点灯は、設定値1−2では平均2回点灯し、設定値3では平均4回点灯し、設定値4−6では平均8回点灯し、平均点灯回数の相違により設定値1−2のいずれかであるか、設定値3であるか、設定値4−6のいずれかであるかを示唆することが可能となる。
保留数が2のとき、設定値1では赤色点灯の点灯確率を5パーセントとし、設定値2では赤色点灯の点灯確率を15パーセントとし、設定値3では赤色点灯の点灯確率を25パーセントとし、設定値4−6では赤色点灯の点灯確率を40パーセントとしている。これにより、点灯20回中、赤色点灯は、設定値1では平均1回点灯し、設定値2では平均3回点灯し、設定値3では平均5回点灯し、設定値4−6では平均8回点灯し、平均点灯回数の相違により設定値1であるか、設定値2であるか、設定値3であるか、設定値4−6のいずれかであるかを示唆することが可能となる。
保留数が3のとき、設定値1では赤色点灯の点灯確率を5パーセントとし、設定値2では赤色点灯の点灯確率を15パーセントとし、設定値3では赤色点灯の点灯確率を25パーセントとし、設定値4では赤色点灯の点灯確率を35パーセントとし、設定値5−6では赤色点灯の点灯確率を40パーセントとしている。これにより、点灯20回中、赤色点灯は、設定値1では平均1回点灯し、設定値2では平均3回点灯し、設定値3では平均5回点灯し、設定値4では平均7回点灯し、設定値5−6では平均8回点灯し、平均点灯回数の相違により設定値1であるか、設定値2であるか、設定値3であるか、設定値4であるか、設定値5−6のいずれであるかを示唆することが可能となる。
保留数が4のとき、設定値1では赤色点灯の点灯確率を5パーセントとし、設定値2では赤色点灯の点灯確率を15パーセントとし、設定値3では赤色点灯の点灯確率を25パーセントとし、設定値4では赤色点灯の点灯確率を35パーセントとし、設定値5では赤色点灯の点灯確率を40パーセントとし、設定値6では赤色点灯の点灯確率を45パーセントとしている。これにより、点灯20回中、赤色点灯は、設定値1では平均1回点灯し、設定値2では平均3回点灯し、設定値3では平均5回点灯し、設定値4では平均7回点灯し、設定値5では平均8回点灯し、設定値6では平均9回点灯し、平均点灯回数の相違により設定値1−6のいずれであるかを示唆することが可能となる。
なお、上記のように、設定値4、設定値5、設定値6の赤色点灯の点灯確率の差分の間隔(5パーセント)を設定値1−4の赤色点灯の点灯確率の差分の間隔(10パーセント)よりも小さくして、大当たり確率及び小当たり確率が最も高い設定値6を容易に示唆できないようにすることが可能である。
上記説明では、LED36bは赤色、白色、青色の3色を点灯させていたが、赤色のみ点灯させるとともに、保留数に関わらず設定値に応じてその点灯回数を変化させるようにしてもよい。例えば、点灯回数=設定値+2、点灯回数=設定値×2のように設定値と点灯回数が何らかの関数により関連付けられるようにしてもよい。より端的には、点灯回数=設定値としてもよい。ただし、上記態様は設定値を間接的・直接的に明示することになり、大当たり確率の高い設定値となっている遊技機10に遊技者が集中する虞があるので、設定示唆演出の発生確率(点灯情報の発生確率)は、図75(A)に示す発生確率よりも低く設定することが好ましい。
第5実施形態において、演出制御装置300は、遊技に関する所定のタイミングで設定示唆演出(点灯情報の送信)を実行可能である。例えば、図74に示すように始動入賞口36に遊技球が入賞すると、演出制御装置300は、図75(A)の発生確率のもと点灯情報を送信してLED36bを点灯させることが可能である。より詳細には、演出制御装置300が遊技制御装置100から送信された保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を受信することで図75(A)の発生確率のもと点灯情報(設定示唆演出の情報)をLED36bに送信することになる。これにより、始動口36への遊技球の入賞とともに設定示唆演出が所定の発生確率のもと発生し得るので、自然と遊技者の目に入り、遊技者の注意を引くことで遊技の興趣を向上させることができる。特に保留がオーバーフロー状態のときは設定示唆演出の発生確率(5分の1)が極めて高くなり、上記の平均点灯回数が理解しやすくなるので、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
他のタイミングとしては、電源装置400(図4)の電源投入時、電源投入後に特図変動表示ゲームが所定回転数実行されたとき、初回(または最後)の大当たり後に特図変動表示ゲームが所定回数実行されたとき、リーチ後のはずれが所定回数発生したとき、小当たり中、大当たり中、大当たりエンディング中、大当たり中の楽曲演奏中、RTC338(図4)による定期的な演出中、通常時のキャラクタ演出中、客待ち中があり、これらのいずれかのタイミングで図75(A)の確率のもと点灯情報を送信するようにしてもよい。また、これらのイベントのタイミングを適宜組み合わせてもよい。
第5実施形態では、LED36b以外にも小当たりの発生頻度、遅れ演出の発生頻度、特図変動表示ゲームでの特定図柄の停止頻度、特図変動表示ゲームでの特定出目(特定のはずれ停止図柄)の発生頻度により設定値の設定示唆演出を行ってもよく、また上記タイミングに合わせて表示装置41において何かかの設定示唆演出を行うようにしてもよい。
なお、遊技に関する設定に応じた設定値(B1323)を示唆する演出である設定示唆演出を以下の方法で実行してもよい。以下に、設定示唆演出の別例を説明する。
別例として、設定示唆演出は、大当り状態(特別遊技状態)中において、表示装置41で実行されてよく、これにより遊技の興趣が向上する。演出制御装置300は、特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞する度に、即ち、大入賞口カウントコマンド(B1321のカウントのコマンド)を受信する度に、表示装置41に各色で色付けされたコイン画像(コインを模した画像)を表示する。例えば、コイン画像の色は、設定値が1と6の場合に赤色、設定値が2と5の場合に黄色、設定値が3と4の場合に青色である。ここでは、低設定の設定値(1、2、3)と高設定の設定値(4、5、6)の各組合せに対して、コイン画像の各色が対応している。なお、コイン画像の色は、設定値が1、2、3の場合に赤色、設定値が4、5、6の場合に黄色のようにしてもよい。なお、エンディング演出設定処理(B2111)で設定されるエンディング演出の一環として、大当り状態において表示されたコイン画像の総枚数を表示装置41で報知する。
なお、コイン画像の色は、抽選によって決定されてもよい。設定値が1と6の場合に赤色、設定値が2と5の場合に黄色、設定値が3と4の場合に青色が、他の色より高い選択確率で抽選されてもよい。例えば、大当り状態において大入賞口に120個遊技球が入賞して、赤色のコイン画像が60個、黄色のコインが30個、青色のコインが30個表示された場合に、遊技者は、設定値が1又は6であると推測できる。
また、さらなる別例として、設定示唆演出は、所定時間(例えば1時間)ごとに設けられた設定報知期間(例えば10分間)に表示装置41で実行されてよく、これにより遊技の興趣が向上する。演出制御装置300は、設定報知期間における飾り特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄(B2012)を用いて設定示唆演出を実行する。なお、演出制御装置300は、RTC338や時刻用タイマから設定報知期間であるか否か判定できる。
例えば、設定値が5であれば、演出制御装置300は、設定報知期間の1回目の飾り特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄を「1,2,3」に設定し、2回目の飾り特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄を「1,3,3」に設定し、3回目の飾り特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄を「2,5,6」に設定する。このようにして、演出制御装置300は、時間経過とともに、徐々に設定値付近の値がはずれ停止図柄の数字に含まれるようにしていき、設定報知期間の最後に設定値に対応する数字がはずれ停止図柄の数字に含まれるようにする。なお、はずれ停止図柄の数字を増減しながら設定値に近づけてもよい。
また、上記に限られず、演出制御装置300は、設定報知期間において、特定の所定回(例えば初回)の飾り特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄(B2012)だけを用いて、設定示唆演出を実行するようにしてもよい。
[第5実施形態の作用・効果]
上記のように、第5実施形態の遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値に基づいて当該遊技の結果を制御可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、演出を実行可能な演出手段(LED36b、表示装置41)と、演出手段(LED36b、表示装置41)を制御可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技として識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能である。遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備える。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定値を示す設定値情報を演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段(演出制御装置300)は、設定値情報に基づいて、設定値を示唆する設定示唆演出を演出手段に実行させることができ、設定示唆演出を所定の確率(発生確率)で実行するとともに、当該確率(発生確率)を始動記憶の数(保留数)に基づいて設定する。
上記構成により、遊技中に熱い演出が出現したとしても、保留数を貯めることにより、先読みが発生する楽しみ以外に、設定値を判別する楽しみを提供でき、これにより遊技の興趣を高めることができる。
第5実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶の数(保留数)が多いほど確率(発生確率)を高く設定する。
これにより、保留数を貯めるモチベーションをさらに高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
第5実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶の数(保留数)(及び設定値)に基づいて設定示唆演出を変化させる。
これにより、設定値を判断しやすい設定示唆演出、設定値を判断しにくい設定示唆演出等、様々な設定示唆演出が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
第5実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技に関する所定のタイミングで設定示唆演出を実行可能である。
これにより、設定値の示唆を行う機会が増えるので、遊技の興趣を高めることができる。
第5実施形態において、演出手段(LED36b)は、設定示唆演出として発光態様(例えば20回点灯)により設定値を示唆可能な点灯手段(LED36b)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、発光態様を表す点灯情報に基づいて、点灯手段(LED36b)を制御し、点灯情報を前記確率(発生確率)のもと生成して点灯手段(LED36b)に向けて送信可能である。
これにより、簡易な構成で設定値の示唆を行うことができる。
第5実施形態において、点灯手段(LED36b)は、互いに異なる複数の色の光を点灯可能とされ、点灯情報は、点灯手段を複数回点灯(例えば20回点灯)させつつ点灯させるたびに複数の色の光いずれか一つを選択する情報であって、特定の色(赤色)の光の点灯回数により設定値を示唆する。
上記構成により、簡易な構成で設定値の示唆をより明確に行うことができる。
第5実施形態において、点灯手段(LED36b)は、遊技球が入賞することにより始動記憶(保留)を発生可能な始動口(始動入賞口36)に取り付けられ、演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技球の始動口(始動入賞口36)への入賞時に点灯情報を前記確率(発生確率)のもと生成して点灯手段(LED36b)に向けて送信可能である。
上記構成により、始動口への遊技球の入賞とともに設定示唆演出が所定の発生確率のもと発生し得るので、自然と遊技者の目に入り、遊技者の注意を引くことで遊技の興趣を向上させることができる。
[第6実施形態]
図76から図78を参照して、第6実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第5実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第5実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第6実施形態は、複数のエラーの有無を一括的に表示するエラーコードに関する。
図76は、第6実施形態に係るエラーの優先順位とエラーコードのビットとの関係(図76(A))、及びエラーコード(2進)とエラーコード(16進)の表記(図76(B))を示す図である。図77は、第6実施形態に係るエラーコードとエラー内容の表示例であって、エラー(左:2進表記、右:16進表記)が2つある場合(図77(A))、エラーが1つ解消した場合(図77(B))、エラーが全て解消した場合(図77(C))を示す。
第6実施形態は、遊技機10において何らかのエラーが発生した場合、当該エラーを包含するエラーコード(エラーコード341,342)を表示装置41(図77)に表示することが特徴となっている。
エラーコードとは、図76(A),(B)に示すように、遊技機10で発生する複数のエラー内容の有無をそれぞれコード化した有無情報を一括表示するものであり、2進表記と、16進表記により表示することができる。16進表記では、2進表記のb0からb3までが下位ビットとなり、2進表記のb4からb7までが上位ビットとなっている。
ここで、図76(A)で表示されるエラー内容は遊技機10で発生するエラー内容の一部を例として表示したものであり、実際にはさらに多くのエラー内容が存在するが、説明を簡単にするために他のエラー内容を省略している。よって、エラー内容の数に応じて2進表記、16進表記のビット数も変化する。
図76(A)に表示されるエラー内容には優先順位の情報が関連付けられている。優先順位の情報は、遊技場管理者または係員が解決すべきエラー内容の優先順位を並べたものである。よって、各エラー内容と優先順位との関係は原則不変である。
一方、優先順位(エラー内容)とビット(b0−b6)との関係は任意である。よって、図76(A)では、ビットの順番と優先順位(エラー内容)を一致させているが、ビットに対して優先順位(エラー内容)をランダムに設定することも可能である。
演出制御装置300(図4)のRAM322またはFeRAM323には、図76(A)に係るテーブルの情報が記憶されている。前記テーブルの情報には、エラー内容を表す文字情報(文字情報343)も含まれている。
演出制御装置300は遊技制御装置100から送信されるエラーコマンドに基づいてエラーコード341,342(図76(B))を生成する。
遊技機10のエラー検出は遊技制御装置100が行っている。遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61の異常検出である磁気エラーを検知する磁石不正監視処理(図6、A1315)、電波センサ62の異常検出である盤電波エラーを検知する盤電波不正監視処理(図6、A1316)、大入賞口への不正入賞である大入賞口エラーを検知する不正&入賞管理処理(図8、A2004、A2006)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)への不正入賞である普電エラーを検知する不正&入賞管理処理(図8、A2008)を行い、それぞれのエラーに対応するエラーコマンド(不正コマンドを含む)を送信する。また、遊技状態監視テーブル1(第1実施形態)を参照することで、枠電波不正信号における異常発生である枠電波エラー、ガラス枠開放検出スイッチ63によるガラス枠15の開放状態の検出であるガラス枠開放エラー、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)による前面枠12(本体枠)の開放状態の検出である本体枠開放エラー、異常検知信号の発生であるスイッチ異常エラーをそれぞれ検知してそれぞれのエラー内容の有無を表すエラーコマンドを送信する(図9、A2204、A2207)。エラー/不正設定処理を実行(図39、B1316)することで、エラーコマンドを演出制御装置300が受信する。
図77(A)に示すように、演出制御装置300は表示装置41にエラーコード341,342を表示することができる。その際、左側のようにエラーコード341を2進表記にすることもでき、また右側のようにエラーコード342を16進表記にすることもできる。これにより、エラーコード341,342とエラー内容の対応関係をあらかじめ把握することにより、エラーコード341,342が表示されることでエラー内容を直ちに把握することができる。また、2進表記とすることで、各エラーの有無及びエラーの個数を直ちに把握することができる。
なお、図77(A)におけるエラーコード341(2進表記:00010010),及びエラーコード342(16進表記:12)は、「盤電波エラー」と「枠電波エラー」が同時に発生していることをそれぞれ示している。
また、図77(A)に示すように、演出制御装置300は、エラーコード341,342に隣接してエラー内容を表す文字情報343を表示することができる。この文字情報343は、例えばエラーコード341において有、即ち2進表記で「1」となっているコード(有無情報)に対応するエラー内容のうち最も優先順位の高いエラー内容を表したものとなっている。図77(A)に従うと、ここでは最も優先順位の高いエラー内容が「盤電波エラー」となっているので、表示装置41には、「盤電波エラー」の文字情報343が表示される。このように文字情報343が表示されることで、優先的に解決すべきエラー内容をただちに把握することができる。
なお、エラーコード341,342及び文字情報343は、電源投入後に何らかのエラーが発生すれば必ず表示されるものであり、遊技中においても同様である。また、変動表示ゲーム中であっても、飾り特別図柄のうち大図柄の変動表示が行われる変動表示領域610(第1変動表示領域)にエラーコード341,342,及び文字情報343を重ねて表示してもよいが、飾り特別図柄のうち小図柄の変動表示が行われる変動表示領域615(第2変動表示領域)に重ねて表示されることはない。
ところで、上記エラーコマンドを準備する処理(A1315,A1316,A2004、A2006,A2008,A2204,A2207)、及びエラー/不正設定処理(B1316)は、その内容が常に更新されて実行される。すなわち、エラー内容が更新されればエラーコード341,342及び文字情報343も更新される。
よって、例えば「盤電波エラー」が解消されると、図77(B)に示すように、エラーコード341(2進表記:00010010)、はエラーコード341(2進表記:00010000)に更新され、エラーコード342(16進表記:12)がエラーコード342(16進表記:10)に更新され、文字情報343が「盤電波エラー」から「枠電波エラー」に更新される。
そして、「枠電波エラー」が解消されると、全てのエラーが解消されることになり、エラーコード341,342、及び文字情報343を生成しない。このとき、エラーコード341を構成する2進表記の有無情報は全て「0」となっている。これにより、図77(C)に示すように、表示装置41において、エラーコード341,342、及び文字情報343の表示は消去される。これにより、エラーが全て解消したことを容易に把握することができる。
図78は、第6実施形態に係るエラー内容の表示を切り替える例であって、初期状態として盤電波エラーを表示する例(図78(A))、操作部を1回操作して枠電波エラーを表示する例(図78(B))、さらに操作部を1回操作してスイッチ異常エラーを表示する例(図78(C))を示す。本実施形態では、操作部(操作手段)は、演出ボタン25であるが、図示しない十字キーなどでもよい。
第6実施形態において、表示装置41にエラーコード341、及び文字情報343を表示する場合、文字情報343としては初期的に優先順位の最も高いエラー内容を表示する。図78(A)において、エラーコード341は、例えば「盤電波エラー」、「枠電波エラー」、「スイッチ異常エラー」が発生していることを示している(図76参照)。そして、初期的には最も優先順位の高い「盤電波エラー」が文字情報343として表示されている。
また、演出制御装置300は、表示されている文字情報343に対応するエラーコード341の有無情報「1」に隣接して下線344(所定の画像)を表示することができる。図78(A)では、「盤電波エラー」の文字情報343に対応するエラーコード341の右から2番目(ビット:b1)の有無情報「1」を指示する下線344(所定の画像)が表示される。下線344は有無情報「1」の下に隣接するように表示される。これにより、文字情報343とエラーコード341中の有無情報「1」との対応関係が明確になる。なお、下線344以外にも有無情報「1」の周囲を四角や丸で囲むような所定の画像を適用してもよい。
ところで、演出制御装置300(主制御用マイコン311)は、変動表示ゲーム等で遊技者が操作する操作部となる演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)にスイッチ入力回路336を介して接続されている(図4)。そして、演出制御装置300は、演出ボタン25のボタン操作により送信される信号を受信するたびに、エラーコード341において有となっている複数の有無情報に対応する文字情報343を切り替え表示できるようになっている。これにより、発生している全てのエラー内容を文字情報343により把握することができる。
よって、演出ボタン25を1回押下すると、図78(B)に示すように、文字情報343として「枠電波エラー」が表示され、当該文字情報343に対応するエラーコード341の右から5番目(ビット:b4)の有無情報「1」の下に下線344が表示される。
さらに、演出ボタン25を1回押下すると、図78(C)に示すように、文字情報343として「スイッチ異常エラー」が表示され、当該文字情報343に対応するエラーコード341の左から1番目(ビット:b7)の有無情報「1」の下に下線344が表示される。そして、さらに演出ボタン25を1回押下すると図78(A)の表示に戻る。
なお、変動表示ゲーム中であっても、エラーコード341及び文字情報343が表示された場合は、演出ボタン25による変動表示ゲームの演出に係る操作は制限され、演出ボタン25による文字情報343の切り替え操作が優先的に行われることになる。
[第6実施形態の作用・効果]
上記のように、第6実施形態の遊技機10は、遊技に関するコマンドを送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、コマンドに対応する演出を表示手段(表示装置41)に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、遊技機10に発生し得る複数のエラーのうちのいずれかが発生した場合に当該エラーに係るエラーコマンドを演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数のエラーの有無を一括して表示するエラーコード(341,342)をエラーコマンドに基づいて生成して表示手段(表示装置41)に表示する。
上記構成により、エラーコード341,342とエラー内容の対応関係をあらかじめ把握することによって、エラーコード341,342が表示されることでエラー内容を一括で直ちに把握することができる。
第6実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、エラーコード(341)を、エラーの有無を個別に示す複数の有無情報(2進表記)により生成する。
これにより、2進表記とすることで、各エラーの有無及びエラーの個数を直ちに把握することができる。
第6実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、エラーコードにおいて有無情報をエラーの優先順位に基づいて配列する。
これにより、エラーコード中において、優先的に対処すべきエラーを把握することができる。
第6実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、エラーの内容を示す文字情報343を備え、エラーコード341において有となっている有無情報「1」のうち、最も優先順位の高いエラーに係る文字情報343を表示手段(表示装置41)に表示する。
これにより、エラーコード341の有無情報とエラー内容との対応関係を把握していなくても、文字情報343により最も優先順位の高いエラー内容を報知することできるので、エラー内容を容易に把握することができる。
第6実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、エラーの内容を示す文字情報343と、エラーの優先順位を示す優先順位情報(図76(A))と、を備え、エラーコード341,342において有となっているエラーのうち、優先順位情報に基づいて、最も優先順位の高いエラーに係る文字情報343を表示手段(表示装置41)に表示する。
これにより、エラーコード341,342の内容を何ら把握せずとも文字情報343により最も優先順位の高いエラー内容を報知することできるので、エラー内容を容易に把握することができる。
第6実施形態において、遊技者の操作に応じて信号を発生可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、操作手段(演出ボタン25)から信号を受信するたびに、エラーコード341,342において有となっているエラーに係る文字情報343を切り替えて表示手段(表示装置41)に送信する。
これにより、発生している全てのエラー内容を文字情報343により把握することができる。
第6実施形態において、遊技者の操作に応じて信号を発生可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、操作手段(演出ボタン25)から信号を受信するたびに、エラーコード341において有となっている有無情報「1」に係る文字情報343を切り替えて表示手段(表示装置41)に送信するとともに、表示手段(表示装置41)に表示されている文字情報343に係る有無情報「1」を示す所定の画像(下線344)を表示する。
これにより、文字情報343とエラーコード341中の有無情報「1」との対応関係が明確になる。
第6実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、エラーコード341,342において複数のエラーが全て無となったら、エラーコード341,342を生成しない。
これにより、表示手段(表示装置41)に表示されたエラーコード341,342及び文字情報343は消去されるので、エラーが全て解消したことを容易に把握することができる。
[第7実施形態]
図79から図85を参照して、第7実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第6実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第6実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第7実施形態は、第2実施形態と同様に、パーツ510の取り付けに関する。
図79は、第7実施形態に係る着脱可能なパーツ510が遊技機10に取り付けられた例を示す図である。第7実施形態は、第2実施形態の変形例となっている。第7実施形態のパーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)との照合手順は第2実施形態と同様である。
第2実施形態では、図46(B)に示すように、機種Aの機種識別情報(第2識別情報)と不一致となるパーツ識別情報(第1識別情報)を有する機種B用のパーツ510Bが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に、演出制御装置300がスピーカ19a、19bや表示装置41を介してエラー報知を行っている。
一方、第7実施形態では、当該機種B用のパーツ510Bが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に、演出制御装置300が盤装飾装置46(または枠装飾装置18)の駆動(ここでは発光)を許容するとともに、枠装飾装置18(または盤装飾装置46)(図4)の駆動(ここでは発光)を禁止する構成となっている。すなわち、図79に示すように、枠装飾装置18(装飾装置18b)は、LED等の点灯(発光)により遊技盤30を装飾するものであるが、機種B用のパーツ510Bが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に、枠装飾装置18のLEDの点灯(発光)が禁止される。
具体的には、演出制御装置300は、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、枠装飾LED制御回路333(または盤装飾LED制御回路334)(図4)の駆動を停止させることで、枠装飾装置18(または盤装飾装置46)(図4)の駆動(発光)を禁止する。
これにより、ユニットが間違っていることを枠装飾装置18に含まれるLED等の照明部材(または盤装飾装置46に含まれるLED等の照明部材)が発光しない。したがって、ユニットの取り付け間違いを遊技場管理者または係員が理解しやすくなるので、スムーズに原因を取り除ける。また間違ったまま使用されなくなるので、故障する要因を低減し、長寿命化につなげることができる。
なお、図79に示すように、第7実施形態においてもスピーカ19a,19bを用いた音声情報(「ユニットエラーです」の音声)によりユニットエラーを報知することができる。ここで、音声情報は、演出ボタン25(図4)を操作することにより、その出力を停止することができる。また、表示装置41において、文字によって「ユニットエラー」を報知する報知情報345を表示することができる。なお、この報知情報345は、初期化に関する画像(例えば、後述の第8実施形態の図90の「初期化中」の文字431)、又は停電復旧(A1035)に関する画像よりも優先して表示される。
図80は、第7実施形態に係る報知情報345を、特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄を表示中の表示装置41に表示する例を示す図である。図80に示すように、「ユニットエラー」を報知する報知情報345は、パーツ識別情報が機種識別情報と異なるようなパーツ510Bが取り付けられている限り、表示装置41に表示され、遊技中(変動表示ゲーム中)においても同様である。
特図変動表示ゲーム中において、大図柄の変動表示が行われる変動表示領域610(第1変動表示領域)に報知情報345が重ねて表示されるが、小図柄の変動表示が行われる変動表示領域615(第2変動表示領域)に重ねて表示されることはない。これにより、報知情報345(「ユニットエラー」)が表示されても遊技者は特図変動表示ゲームの経過及び結果を変動表示領域615において確認することができる。
図81は、第7実施形態に係る報知情報の表示態様を可動体の動作に合わせて変化させる例を示す図である。第7実施形態の報知情報345は、可動体44c,44d(可動役物)の電源投入時の初期動作中であっても表示装置41に表示される。可動体44c,44dの初期動作の詳細については、後述の第8実施形態において説明する。
図81(A)に示すように、可動体44c、44dは、初期状態(待機状態)において、その一部が表示装置41の前面にわずかに重なる程度となる位置に配置されているが、図81(B)に示すように、初期動作の際に、可動体44c,44dは表示装置41の前面中央に移動する。よって、報知情報345は表示装置41において可動体44c,44dと重ならない位置に表示され確実に報知内容(「ユニットエラー」)を報知できるようにしている。
図81(A)の左側において、報知情報345は表示装置41の中央部に大きく表示されているが、図81(B)において、報知情報345は、例えば、表示装置41の左上(他の場所でもよい)に図81(A)の表示態様よりも小さく表示されている。このように可動体44c,44dの位置に対応して報知情報345の表示態様を変化させることにより、遊技場管理者または係員に対して強く注意を促すことができる。
また、報知情報345は、図81(A)の右側に示すように、表示装置41において、可動体44c,44dが動作しても重ならない位置に初めから表示するようにしてもよい。少なくとも、報知情報345を表示装置41において可動体44c、44dが覆う領域とは異なる領域に配置することにより、遊技場管理者または係員に対して注意を促すことができる。
図82は、第7実施形態に係るパーツ照合処理であって枠装飾装置18の駆動(発光)を禁止する場合の例を示す図である。第7実施形態のパーツ照合処理は、第2実施形態(図54)とほぼ同様であるが、図82に示すように、エラー報知(B5006)の後(前でも良い)に枠装飾装置18(盤装飾装置46でも良い)の駆動を禁止する処理(B5006a)が追加されている。枠装飾装置18の駆動の禁止は、主制御用マイコン311(図4)が枠装飾装置18への信号の出力を停止させる、または枠装飾LED制御回路333の駆動を停止させることにより行う。
図83は、第7実施形態に係るパーツ510の識別基板513の構成例を示す図である。
図83に示すように、第7実施形態のパーツ510の識別基板513(I2CI/Oエクスパンダ815)は、第2実施形態の識別基板513と同様であるが、バスコントローラ834には、識別基板513のパーツ識別情報(第1識別情報)が格納されたROM834aを備えている。
よって、バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定された固有のアドレス(A3,A2,A1,A0により定まるアドレス)と一致するか否かを判定し、一致している場合に、接続線SDAからマスタIC300aにROM834aに記憶されたパーツ識別情報(第1識別情報)を出力する。
図84は、第7実施形態に係る機種指定コマンドと機種識別情報を対応付ける参照テーブル(図84(A))と、不適合機種の分類を示す参照テーブル(図84(B))を示す図である。
図84(A)に示すように、演出制御手段300のメモリ(RAM322やFeRAM323(図4)等)には、遊技機10に適合する機種及びそれに対応する機種識別情報のテーブルが記憶されている。図84(A)では、遊技機10が識別可能な機種として機種A−Dが登録されている。例えば、遊技機10の機種が機種A(機種A−Dのいずれかであればよい)であるとすると、取り付けられたパーツ510のパーツ識別情報が機種Aの機種識別情報と不一致であると枠装飾装置18(または盤装飾装置46)の駆動(発光)を禁止し、エラー報知等を行うことになる。
ここで、パーツ識別情報が機種A−Dの機種識別情報のいずれかに一致すれば、パーツ510を遊技機10に適合する規格品であると判断し、いずれにも一致しない場合には、パーツ510を遊技機10に適さない規格外品と判断することができる。
前記のように、第7実施形態では、機種B用のパーツ510Bが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に、演出制御装置300が枠装飾装置18(または盤装飾装置46)(図4)の駆動を禁止することができる。
ところで、従来の遊技機では、低コストで遊技機を提供するための工夫として、枠装飾装置18の一部(機種要素)として部品(パーツ510)を変更することが行われていたが、遊技場で変更した場合に部品(パーツ510)が正しくないと故障の原因となる可能性があった。また枠装飾装置18が間違ったまま使用される可能性があった。
しかし、第7実施形態では、間違ったユニット(パーツ510B)が取り付けられたとしても、必ずしも枠装飾装置18(または盤装飾装置46)の駆動を禁止する必要はなく、また、遊技の進行に影響がない範囲でパーツ510の一部の駆動を許容することで、故障の要因を減らす対応も可能である。
図84(B)に示すように、演出制御装置300のメモリ(RAM322やFeRAM323(図4)等)には、パーツ510が遊技機10に適合しない場合に、それを3種類にエラー分類するための参照テーブルが記憶されている。なお、パーツ510が遊技機10に適合しない場合とは、パーツ510のパーツ識別情報と、パーツ510を取り付けた遊技機10の機種識別情報(特定の機種識別情報)と一致しない場合である。
パーツ510は、遊技盤30(図2)を装飾するものであるが、演出制御装置300により制御可能なLEDや可動部材を備えている。図84(B)に示すように、パーツ510は、対応するパーツ識別情報により、LEDのみを備えているものと、LED及び可動部材を備えているものに分類することができる。
例えば、パーツ識別番号の下2桁が「00」または「01」である場合は、パーツ510はLEDのみ備えているものと判断することができる。また、パーツ識別情報の下2桁が「10」または「11」である場合には、パーツ510はLED及び可動部材を備えていると判断することができる。
なお、図84(A)に示すように、パーツ識別情報が、その下2桁で対応する機種A−Dを識別できるような形態となっているが、上2桁で機種A−Dを識別できる形態としてもよい。この場合は、パーツ識別情報の上2桁でパーツ510がLEDのみを備えるか、LED及び可動部材を備えるかを判断することができる。このようにパーツ識別情報の一部を比較することにより、パーツ510のタイプを分類することができる。
以上より、演出制御装置300(主制御用マイコン311)は、パーツ510から送信されたパーツ識別情報(第1識別情報)と演出制御装置300が備える特定の機種識別情報(第2識別情報)とを比較し、パーツ510を、特定の機種識別情報と一致する適合品と不一致となる不適合品に分類することができる。
適合品の場合は、パーツ510を何ら制限なく駆動させることができる。
一方、不適合品である場合は、図84(B)の参照テーブルに従って規格品であってLEDのみ備える第1分類、規格品であってLED及び可動部材を備える第2分類、規格外品となる第3分類に分類することができる。
第1分類に関して、パーツ510が規格品である限り、パーツ510のLEDの定格は遊技機10に対応しているため、LEDの点灯を許容することができる。
第2分類に関して、パーツ510のLED及び可動部材は、パーツ510が規格品である限りその定格も遊技機10に対応するため、駆動させることが可能である。しかし、往復動作、周回動作等、機種の相違により遊技機10に対応する可動部材の動作態様が異なる場合には、パーツ510が破損する虞がある。よって、第2分類では、LEDの駆動(発光)を許容しつつも、パーツ510の可動部材の駆動(移動、回転など)を禁止する必要がある。
第3分類に関して、パーツ510が規格外品である場合には、LED及び可動部材の定格が遊技機10と異なる可能性があり、これらを駆動させると遊技機10側の基板等が破損するおそれがあるため、パーツ510のLED及び可動部材の駆動を、その有無に関わらず禁止する必要がある。
なお、パーツ510が、盤装飾装置46の一部として構成されている場合、主制御用マイコン311は、盤装飾装置46に送信する信号のうち、パーツ510に関する信号だけを制限すればよく、例えば、パーツ510が第2分類に属するときは、パーツ510のLEDに係る信号の送信を許容するとともに可動部材に係る信号の送信を禁止し、例えば、パーツ510が第3分類に属するときは、パーツ510のLED及び可動部材に係る信号の送信を禁止すればよい。
例えば、図83に示すI2CI/Oエクスパンダ815が盤装飾装置46を駆動する場合において、例えば、PORT1がパーツ510のLEDを駆動するポートであり、PORT2がパーツ510の可動部材(モータ)を駆動するポートである場合は、PORT1及びPORT2のアドレスに属する信号の出力を禁止すればよい。
また、パーツ510が、盤装飾装置46から独立したものとして構成されている場合、主制御用マイコン311は、パーツ510が第2分類に属するときは、パーツ510のLEDに係る信号の送信を許容するとともに可動部材に係る信号の送信を禁止し、パーツ510が第3分類に属するときは、パーツ510のLED及び可動部材に係る信号の送信を禁止すればよい。
図85は、第7実施形態に係るパーツ照合処理であってパーツ510を分類することで駆動態様を変化させる場合の例を示す図である。第7実施形態のパーツ照合処理は第2実施形態のパーツ照合処理(図54)と同様であるが、パーツ識別情報と機種識別情報が一致しない場合に(B5005の結果が「N」)、エラー報知(B5006)を行うとともに、パーツ識別情報のエラー分類処理を行う(B5006b)。なお、図82と同様に、ステップB5006とB5006bの間で、枠装飾装置18の駆動を禁止するために、ステップB5006aの処理を実行する構成も可能である。
エラー分類処理(B5006b)において、パーツ識別情報が第1分類に属すると判断された場合には、パーツ510のLEDの駆動を許容する(B5006c)。
エラー分類処理(B5006b)において、パーツ識別情報が第2分類に属すると判断された場合には、パーツ510のLEDの駆動を許容する一方パーツ510の可動部材の駆動を禁止する(B5006d)。
エラー分類処理(B5006b)において、パーツ識別情報が第3分類に属すると判断された場合には、パーツ510のLED及び可動部材の駆動を禁止する(B5006e)。
このように、取り付けたパーツ510が間違ったまま使用された場合であっても、遊技の進行に影響がない上に、故障する要因を減らせるので、長寿命化につなげることができる。
[第7実施形態の作用・効果]
上記のように、第7実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、当該遊技に関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段(演出制御装置300)によって駆動され発光演出を行う装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)と、を備える。遊技機10において、電気的に読取り可能な第1識別情報(パーツ識別情報)が割り当てられた着脱可能な部品(パーツ510)を含む。演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技機10の機種に対応する第2識別情報(機種識別情報)を保持し、部品(パーツ510)の第1識別情報(パーツ識別情報)を読取って第2識別情報(機種識別情報)と比較し、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、装飾装置の一部(枠装飾装置18、または盤装飾装置46)の駆動を禁止する。
これにより、間違った部品(パーツ510)が取り付けられることで装飾装置の一部(例えば、枠装飾装置18)の駆動が禁止されるので、取り付けた部品(パーツ510)が間違っていることを遊技場管理者または係員が迅速且つ容易に判断しやすく、部品(パーツ510)を交換することで、スムーズに原因を取り除くことができる。
第7実施形態において、装飾装置(枠装飾装置18、盤装飾装置46)は、遊技機10の枠を装飾するための発光演出を行う枠装飾装置18と、遊技機の遊技盤30を装飾するための発光演出を行う盤装飾装置46と、を含み、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に盤装飾装置46の駆動を許容するとともに枠装飾装置18の駆動を禁止する。
これにより、取り付けた部品(パーツ510)が間違っていることを遊技場管理者または係員が枠装飾装置18の駆動の有無により容易に理解できるので、部品(パーツ510)を交換することで、スムーズに原因を取り除くことができる。
第7実施形態において、部品(パーツ510)は、盤装飾装置46の一部として構成される。演出制御手段(演出制御装置300)は、部品(パーツ510)を、遊技機10に適合する規格品であって演出制御手段(演出制御装置300)により駆動可能な発光部材(LED)を備える第1分類と、規格品であって、発光部材(LED)と、演出制御手段(演出制御装置300)により駆動可能な可動部材と、を備える第2分類と、規格品ではない(規格外品となる)第3分類と、に分類可能とされる。演出制御手段(演出制御装置300)は、第1分類の場合には、部品(パーツ510)の駆動を許容し、第2分類の場合には、部品(パーツ510)の発光部材(LED)の駆動を許容して可動部材の駆動を禁止し、第3分類の場合には、部品(パーツ510)の駆動を禁止する。
これにより、取り付けた部品(パーツ510)が間違ったまま使用された場合であっても、遊技の進行に影響がない上に、故障する要因を減らせるので、長寿命化につなげることができる。
また、第7実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、当該遊技に関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御手段300)と、発光演出を行う装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)と、を備える。遊技機10において、装飾装置の一部として構成され、電気的に読取り可能な第1識別情報(パーツ識別情報)が割り当てられた着脱可能な部品(パーツ510)を含む。演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技機10の機種に対応する第2識別情報(機種識別情報)を保持し、部品(パーツ510)の第1識別情報(パーツ識別情報)を読取って第2識別情報(機種識別情報)と比較し、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、部品(パーツ510)を、遊技機10に適合する規格品であって演出制御手段(演出制御装置300)により駆動可能な発光部材(LED)を備える第1分類と、規格品であって、発光部材(LED)と、演出制御手段(演出制御装置300)により駆動可能な可動部材と、を備える第2分類と、規格品ではない(規格外品となる)第3分類と、に分類可能とされる。演出制御手段(演出制御装置300)は、第1分類の場合には、部品(パーツ510)の駆動を許容し、第2分類の場合には、部品(パーツ510)の発光部材(LED)の駆動を許容して可動部材の駆動を禁止し、第3分類の場合には、部品(パーツ510)の駆動を禁止する。
これにより、取り付けた部品(パーツ510)が間違ったまま使用された場合であっても、遊技の進行に影響がない上に、故障する要因を減らせるので、長寿命化につなげることができる。
第7実施形態において、遊技機10は、遊技に関連する画像を表示する表示装置41を含み、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、当該不一致であることを示す報知情報345(「ユニットエラー」)を表示装置41に表示する。
これにより、表示装置41に報知情報345を表示することで遊技場管理者または係員にエラーを確実に報知することができる。
第7実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、表示装置41に識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを表示するとともに、変動表示ゲームの表示装置41における表示領域として、大図柄の変動表示を行う第1変動表示領域(変動表示領域610)と、第1変動表示領域よりも小さな領域であって大図柄よりも小さい小図柄(615A、615B、615C)の変動表示を行う第2変動表示領域(変動表示領域615)と、を含む態様で表示し、報知情報345を、第2変動表示領域には重ねて表示させずに、第1変動表示領域に重ねて表示する。
これにより、報知情報345(「ユニットエラー」)が表示されても遊技者は変動表示ゲームの経過及び結果を変動表示領域615において確認することができる。
第7実施形態において、遊技機10は、動作可能な可動体(44c、44d)を含む盤演出装置44を備える。演出制御手段(演出制御装置300)は、盤演出装置44の可動体(44c、44d)を駆動可能であり、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、報知情報345を表示装置41において盤演出装置44の駆動により可動体(44c、44d)に覆われる領域に重ならない領域に表示する。
これにより、報知情報345が可動体(44c、44d)により隠れることはないので、報知情報345を常時視認することができる。
第7実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、報知情報345の表示態様を可動体(44c、44d)の位置に対応して変化させる。
これにより、報知情報345の表示態様を可動体(44c、44d)の位置の変化に合わせて視認性の最も高い状態に最適化することができる。
第7実施形態において、遊技機10は、遊技状態に応じた効果音を出力する音出力手段(スピーカ(19a,19b))を備える。演出制御手段(演出制御装置300)は、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、当該不一致であることを示す音声情報(「ユニットエラーです」)を音出力手段(スピーカ19a,19b)に出力する。
これにより、遊技盤30(枠装飾装置18、または盤装飾装置46)及び報知情報345が表示された表示装置41が視認できない位置にいる遊技場管理者または係員にもエラーが発生していることを周知させることができる。
[第8実施形態]
図86から図96を参照して、第8実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第7実施形態までの実施形態と同様でよい。第7実施形態は、初期動作制御処理に関するものである。
〔第8実施形態に係る遊技盤〕
始めに、図86を参照して、第8実施形態に係る遊技盤30について説明する。図86は、第8実施形態に係る遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。第8実施形態に係る遊技盤30は、第1実施形態の遊技盤30(図2A)に導光板251と内部役物44c、44d(内側可動部材)とを追加したものである。
導光板251は、センターケース40に取り付けられ、端部に取り付けられた発光部材(例えばLED)から照射され導光された光の一部を前方へ反射することで、前方から視認可能な所定の模様等(例えば図86に示すようなスパーク状の模様)を公知のように表面に浮かび上がらせる(特開2016−83463、特開2017−148150参照)。導光板251は、表示装置41の前方(遊技者側)に配置される。
内部役物44c、44d(内部可動部材)は、盤演出装置44に備えられ、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める役物である。
内部役物44cは、内部役物44cの「激」という文字を、表示装置41の前方(遊技者側)の位置させることが可能な図示しないモータ等と、「激」という文字を目立たせるために当該文字の周辺で発光可能な発光部材(例えばLED)と、を備える。
また、内部役物44dは、内部役物44dの「熱」という文字を、表示装置41の表示画面の前方(遊技者側)に位置させることが可能な図示しないモータ等と、「熱」という文字を目立たせるために当該文字の周辺で発光可能な発光部材(例えばLED)と、を備える。
そのため、内部役物44c、44dが共に可動されることで、表示装置41の前方には、遊技者に視認可能な「激熱」という文字が配列される(図86、図90、及び図93参照)。なお、図86に示すように、第8実施形態に係る遊技盤30では、導光板251の表面に模様を浮き上がらせたときに内部役物44c、44dを可動させると、当該模様と内部役物44c、44dとが表示装置41の表示画面の前方で重なった状態になる。
〔導光板制御処理〕
図87は、第8実施形態に係る導光板制御処理の手順を示すフローチャートである。導光板制御処理は、例えば、メイン処理(図36)における装飾制御処理(B0020)の一部として、演出制御装置300によって実行されてよい。
演出制御装置300は、まず、電源投入時であるか否かを判定する(B7001)。なお、停電復旧時であるか否かを判定することとしてもよい。
演出制御装置300は、電源投入時ではないと判定した場合には(B7001の結果が「N」)、変動演出設定処理(図44)等で設定された演出内容に応じた通常の制御処理を開始し(B7003)、導光板制御処理を終了する。他方で、演出制御装置300は、電源投入時であると判定した場合には(B7001の結果が「Y」)、確率設定変更中のコマンドを受信しているか否かを判定する(B7002)。
ステップB7002の処理において、確率設定変更中のコマンドは、単発系コマンド処理(図39)で確率設定変更中のコマンドによってMODE部が設定変更系を表す場合に(B1325の結果が「Y」)、受信していると判定される。すなわち、前面枠12(本体枠、本体部)が開放され(図5AのA1023又はA1027の結果が「Y」)、設定変更装置42の設定キースイッチ93がオンにされることによって(A1024又はA1028の結果が「Y」)、確率設定変更中のコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される(図5BのA1041)。確率設定変更中に、設定変更装置42の設定値変更スイッチ102が押下されることで、遊技条件に関する設定値が変更される。また、変更された遊技条件に関する設定値の情報は、確率設定値表示装置143に表示される。
そして、演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信していないと判定した場合(B7002の結果が「N」)、すなわち通常の電源投入時である場合には、内部役物44c、44dが初期動作中であるか否かを判定する(B7005)。
他方で、演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信していると判定した場合には(B7002の結果が「Y」)、確率設定変更終了のコマンドを受信しているか否かを判定する(B7004)。
ステップB7004の処理において、確率設定変更終了のコマンドは、単発系コマンド処理(図39)で確率設定変更終了のコマンドによってMODE部が設定変更系を表す場合に(B1325の結果が「Y」)、受信していると判定される。すなわち、確率設定値変更済みとなり(図10のA2406の結果が「Y」)、設定キースイッチ93がオフにされることによって(A2416の結果が「Y」)、確率設定変更終了のコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される(A2421)。
そして、演出制御装置300は、確率設定変更終了のコマンドを受信していないと判定した場合(B7004の結果が「N」)、すなわち確率設定変更中である場合には、導光板制御処理を終了する。
他方で、演出制御装置300は、確率設定変更終了のコマンドを受信していると判定した場合(B7004の結果が「Y」)、すなわち確率設定変更が終了した場合には(設定終了後)、内部役物44c、44dが初期動作中であるか否かを判定する(B7005)。
ステップB7005の処理では、演出制御装置300は、内部役物44c、44dが初期動作中であるか否かを判定する(B7005)。なお、内部役物44c、44dの初期動作の詳細については、図88を参照して後述する。
演出制御装置300は、内部役物44c、44dが初期動作中であると判定した場合には(B7005の結果が「Y」)、導光板制御処理を終了する。このように、内部役物44c、44dの初期動作中には、導光板251の発光(初期動作)を実行させないことになる。なお、内部役物44c、44dの初期動作中には、演出制御装置300は、導光板251の初期動作による発光に限らず、発光演出による発光も行わないようにしてもよい。
他方で、演出制御装置300は、内部役物44c、44dが初期動作中ではないと判定した場合には(B7005の結果が「N」)、導光板251の初期動作制御処理を行う(B7006)。
導光板251の初期動作制御処理(B7006)では、演出制御装置300は、例えば図89に示すように、初期動作として導光板251の端部に取り付けられた発光部材を全て発光させて、当該発光部材からの光を導光板251から前方へ反射させる制御を行う(初期動作制御)。
図89は、第8実施形態に係る導光板251が初期動作したときの遊技盤30の正面図である。遊技場管理者等(ホールスタッフを含む)は、導光板251の表面に浮き上がった模様を視認することで、導光板251と発光部材とが正常に動作することを確認することができる。導光板251の初期動作制御処理(B7006)が終わると、演出制御装置300は、導光板制御処理を終了する。なお、図88で後述する外部役物95aの初期動作制御条件を満たしていれば(B7109の結果が「N」)、図89に示すように、導光板251の初期動作制御とともに外部役物95aの初期動作制御を行ってもよい。外部役物95aは、枠演出装置の一部であり、例えばガラス枠15(開放部)の上方から突出するように動作可能な役物である。また、表示装置41の表示画面は、導光板251の模様が見え易くなるように消灯状態としているが、明るさを通常よりも落とした状態で表示してもよく、黒等の暗色を基調とした画面で導光板251の模様と重ならない位置等(遊技場管理者等が前方から視認可能な位置)に「初期化中」等の文字(例えば図90の文字431)を表示してもよい。
〔可動体制御処理〕
図88は、第8実施形態に係る可動体制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、電源投入時であるか否かを判定する(B7101)。なお、停電復旧時であるか否かを判定することとしてもよい。
演出制御装置300は、電源投入時ではないと判定した場合には(B7101の結果が「N」)、変動演出設定処理(図44)等で設定された演出内容に応じた通常の制御処理を開始し(B7103)、可動体制御処理を終了する。他方で、演出制御装置300は、電源投入時であると判定した場合には(B7101の結果が「Y」)、確率設定変更中のコマンドを受信しているか否かを判定する(B7102)。
演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信していると判定した場合(B7102の結果が「Y」)、確率設定変更終了のコマンドを受信しているか否かを判定する(B7104)。他方で、演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信していないと判定した場合(B7102の結果が「N」)、すなわち通常の電源投入時である場合には、導光板251が初期動作中であるか否かを判定する(B7105)。
ステップB7104の処理において、演出制御装置300は、確率設定変更終了のコマンドを受信していると判定した場合(B7104の結果が「Y」)、すなわち確率設定変更が終了した場合には(設定終了後)、導光板251が初期動作中であるか否かを判定する(B7105)。他方で、演出制御装置300は、確率設定変更終了のコマンドを受信していないと判定した場合(B7104の結果が「N」)、すなわち確率設定変更中である場合には、内部役物44c、44dのみ初期動作制御処理を開始する(B7107)。
内部役物44c、44dの初期動作制御処理(B7107)では、例えば、盤演出装置44の内部役物44cを動かすモータ及び内部役物44dを動かすモータをそれぞれ駆動させて、「激熱」という文字が認識可能となるように内部役物44c、44dを表示装置41の表示画面の前方に動作させた後、初期位置まで動作させる制御が行われる(初期動作制御)。なお、例えば、内部役物44cの初期動作制御が完了した後に内部役物44dの初期動作制御が行われるように、内部役物44cの初期動作制御及び内部役物44dの初期動作制御を、順番に実行してもよい。また、内部役物44c、44dとは異なる他の内部役物をさらに取り付けた場合も同様に、それぞれの内部役物の初期動作制御が順番に実行される。
また、ステップB7105の処理において、演出制御装置300は、導光板251が初期動作中であると判定した場合には(B7105の結果が「Y」)、ステップB7109に処理を進めて、本体枠が開放されていることによる本体枠開放エラーが発生しているか否かを判定する(B7109)。他方で、演出制御装置300は、導光板251が初期動作中ではないと判定した場合には(B7105の結果が「N」)、ステップB7106に処理を進めて、本体枠開放エラーが発生しているか否かを判定する(B7106)。例えば、エラー/不正系のコマンドとして、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)を示す状態オンコマンドを受信した場合に(B1315)、本体枠開放エラー発生中であると判断できる。
ステップB7106の処理において、演出制御装置300は、本体枠開放エラーが発生していると判定した場合(B7106の結果が「Y」)、内部役物44c、44dのみ初期動作制御処理を開始する(B7107)。他方で、演出制御装置300は、本体枠開放エラーが発生していないと判定した場合(B7106の結果が「N」)、図90に示すように内部役物44c、44dと外部役物95aの初期動作制御処理を開始する(B7108)。
図90は、第8実施形態に係る内部役物44c、44d及び外部役物95aが初期動作したときの遊技盤30の正面図である。ステップB7108の処理において、演出制御装置300は、例えば図90に示すように、内部役物44c、44dの初期動作制御処理とともに外部役物95aの初期動作制御処理を行う。また、図90に示すように、内部役物44c、44dが表示装置41の表示画面の前方に動作した際に、前方から重ならない位置等(遊技場管理者等が前方から視認可能な位置)に、「初期化中」という文字431が表示される。内部役物44c、44dと外部役物95aの初期動作制御処理(B7108)が終わると、演出制御装置300は、可動体制御処理を終了する。
また、ステップB7109の処理では、演出制御装置300は、本体枠開放エラーが発生していると判定した場合(B7109の結果が「Y」)、可動体制御処理を終了する。他方で、演出制御装置300は、本体枠開放エラーが発生していないと判定した場合(B7109の結果が「N」)、外部役物95aのみ初期動作制御処理を開始する(B7110)。導光板251が初期動作中に(B7105の結果が「Y」)、外部役物95aの初期動作制御処理が開始されることで、遊技場管理者等は、図89に示すように、外部役物95aの動作と導光板251の模様とを同時に確認することができる。その後、演出制御装置300は、可動体制御処理を終了する。また、導光板251の初期動作中には(B7105の結果が「Y」である場合には)、外部役物95aのみ初期動作が実行されるが(B7110)、内部役物44c、44dの初期動作は実行されない。なお、導光板251の初期動作中には、演出制御装置300は、内部役物44c、44dの初期動作に限らず、演出による可動も行わないようにしてもよく、内部役物44c、44dの発光部材の発光も行わないようにしてもよい。
〔初期動作制御処理のタイミングチャート〕
次に、図91を参照して、第8実施形態に係る演出制御装置300の初期動作制御処理のタイミングについて説明する。図91は、第8実施形態に係る初期動作制御処理のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻T71で通常の状態で電源が投入されると、導光板251の初期動作制御処理が開始され(B7006)、図89に示すように、導光板251の端部の発光部材(LED)が発光開始する。
また、導光板251の初期動作制御処理が開始されることで(B7105の結果が「Y」)、可動体制御処理によって外部役物95aの初期動作制御処理が開始され(B7110)、外部役物95aが遊技盤30の上方から突出する位置に移動(動作)する。他方で、内部役物44c、44dは初期動作制御されることなく停止しており、表示装置41の表示画面は消灯した状態(オフの状態)にされている。
時刻T72では、導光板251の初期動作制御処理が終了することで(B7105の結果が「N」)、導光板251の発光部材の発光が終了し、内部役物44c、44dの初期動作制御が開始され(B7108)、図90に示すように、内部役物44c、44dが表示装置41の表示画面の前方に移動(動作)する。なお、外部役物95aの初期動作制御処理は継続して行われている。また、表示装置41の表示画面には「初期化中」という文字431が内部役物44c、44dに重ならない位置(例えば画面右下)に表示される(初期化表示)。
時刻T73で、外部役物95aと内部役物44c、44dの移動(動作)が終わり、それぞれの位置で内部役物44c、44dの発光部材の発光が開始され、時刻T74で当該発光が終了すると、元の位置に戻るために外部役物95aと内部役物44c、44dの移動が始まる。このように、内部役物44c、44d(可動役物)そのものの移動中(動作中)には、表示装置41の前方で内部役物44c、44dの発光部材の発光(初期動作)を実行しない。なお、外部役物95aの移動と内部役物44c、44dの移動とは、同時に開始や終了されなくてもよい。
時刻T75で、内部役物44c、44dの移動が終わると、表示装置41の表示画面に表示されている初期化表示が消え、通常の表示画面に変わる(通常表示)。その後、時刻T76で、外部役物95aの移動が終わることで、演出制御装置300の初期動作制御処理が終了する。なお、時刻T76の外部役物95aの移動が終わったことに合わせて、表示装置41の表示画面を通常表示に切り替えてもよい。
なお、導光板251の初期動作制御処理が終了してから、内部役物44c、44dの初期動作制御処理が行われることとしたが、逆の順にしてもよい。すなわち、内部役物44c、44dの初期動作制御処理が終了してから、導光板251の初期動作制御処理が行われるようにしてもよい。
〔通常時に変動表示ゲームが行われた場合の遊技盤〕
次に、図92及び図93を参照して、第8実施形態に係る演出制御装置300の通常時に変動表示ゲームが行われた場合について説明する。図92は、第8実施形態に係る変動表示ゲームを実行しているときの遊技盤30の正面図である。
通常時(初期動作制御処理中や確率設定変更中、確率設定確認中ではないとき)に変動表示ゲームが行われた場合、図92に示すように、第8実施形態に係る遊技盤30の表示装置41の表示画面には、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)で飾り第1図柄A〜C(識別情報、識別図柄、飾り特別図柄)が変動表示される。例えば、飾り第1図柄A〜Cは、図92に示すように「7↓7」とリーチ状態で表示される。また、内部役物44c、44dは、可動(動作)する前の位置(初期位置)で停止しており、表示装置41の表示画面の上端部に内部役物44cの下部の一部が重なり、表示画面の下端部に内部役物44dの上部の一部が重なっている。
図93は、第8実施形態に係る変動表示ゲームを実行しているときに、リーチ状態に対応する演出であるリーチ演出が行われたときの遊技盤30の正面図である。
リーチ演出が行われると、例えば図93に示すように、枠装飾装置18a、18bや上スピーカ19aの周辺の照明部材が発光する発光演出が行われ、内部役物44c、44bが表示装置41の表示画面の前方に移動(動作、可動)し、遊技者は「激熱」という文字が並んで表示されていることを認識可能になる。また、内部役物44c、44bの発光部材が発光する発光演出が行われるとともに、表示装置41の表示画面にもリーチ演出に対応する演出が表示される。
そして、図92の状態からリーチ演出が行われることによって、図93に示すように、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cは、表示画面の右下に小さく表示される。なお、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cの代わりに、変動表示領域615の飾り縮小図柄(小図柄)が表示画面の右下に小さく表示されてもよい。
〔初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合の遊技盤〕
次に、図94を参照して、第8実施形態に係る演出制御装置300の初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合について説明する。図94は、第8実施形態に係る初期動作制御処理を実行しているときに、変動表示ゲームでリーチ演出が行われたときの遊技盤30の正面図である。
初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合、図94に示すように、第8実施形態に係る遊技盤30の表示装置41の表示画面の右下には通常時と同様に飾り第1図柄A〜Cの変動表示「7↓7」が小さく表示される一方で、図93のリーチ演出に対応する表示画面の演出は表示されない。例えば、表示装置41の表示画面は飾り第1図柄A〜C以外の表示がなく黒い画面で表示される。なお、表示装置41の表示画面には、飾り第1図柄A〜Cの変動表示「7↓7」とともに、初期化表示を表示してもよく、また、初期化表示を行う際に画面全体を暗く表示してもよい。
また、初期位置で停止している内部役物44c、44dでは、可動することなく、その場で発光部材が発光する発光演出が行われる。したがって、遊技者からは、内部役物44cの下端の一部と、内部役物44dの上部の一部が発光していることを視認できる。
なお、内部役物44c、44dは、初期動作制御処理中にも発光部材が発光するが、リーチ演出に伴う発光演出と異なり、内部役物44c、44dが表示装置41の表示画面の前方に移動してから初期動作制御処理による発光が行われることになる。また、初期動作制御処理によって発光する時間(図91に示す時刻T73から時刻T74まで)は、遊技場管理者等が発光動作を確認可能な時間であればよく(例えば、5sec)、リーチ演出に伴う発光演出で発光する時間(例えば、30sec)と比べて比較的短い時間となる。そのため、遊技者は、内部役物44c、44dの発光部材の発光演出を視認した際に、初期動作制御処理による発光ではなく、リーチ演出に伴う発光演出であると認識することができる。
〔初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合の遊技盤の変形例〕
次に、図95を参照して、第8実施形態に係る演出制御装置300の初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合の変形例について説明する。図95は、第8実施形態に係る初期動作制御処理を実行しているときに、変動表示ゲームでリーチ演出が行われたときの遊技盤30の正面図の変形例である。
初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合、図95に示すように、第8実施形態に係る変形例の遊技盤30の表示装置41の表示画面の右下には通常時と同様に飾り第1図柄A〜Cの変動表示「7↓7」が小さく表示される一方で、図93のリーチ演出に対応する表示画面の演出は表示されない。例えば、表示装置41の表示画面は飾り第1図柄A〜C以外の表示がなく黒い画面で表示される。なお、表示装置41の表示画面には、飾り第1図柄A〜Cの変動表示「7↓7」とともに、初期化表示を表示してもよく、また、初期化表示を行う際に画面全体を暗く表示してもよい。
また、リーチ演出に合わせて、図95に示すように、枠装飾装置18a、18bや上スピーカ19aの周辺の照明部材が発光する発光演出が行われる。他方で、内部役物44c、44dは、初期位置で停止し続け、発光部材も消灯し続けている。なお、枠装飾装置18a、18bや上スピーカ19aの周辺の照明部材の初期動作制御処理によって発光する時間(例えば、5sec)は、図94で説明した内部役物44c、44dと同様に、リーチ演出に伴う発光演出で発光する時間(例えば、30sec)と比べて比較的短い時間となる。したがって、遊技者は、枠装飾装置18a、18bや上スピーカ19aの周辺の照明部材の発光演出を視認した際に、初期動作処理による発光ではなく、リーチ演出に伴う発光演出であると認識することができる。
〔初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合の遊技盤の変形例〕
次に、図96を参照して、第8実施形態に係る演出制御装置300の初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合の第2変形例について説明する。図96は、第8実施形態に係る初期動作制御処理を実行しているときに、変動表示ゲームでリーチ演出が行われたときの遊技盤30の正面図の第2変形例である。
初期動作制御処理中に変動表示ゲームが行われた場合、図96に示すように、第8実施形態に係る第2変形例の遊技盤30の表示装置41の表示画面の右下には通常時と同様に飾り第1図柄A〜Cの変動表示「7↓7」が小さく表示されるとともに、表示画面の全体に図93のリーチ演出(本来のリーチ演出)に対応する演出が表示される。したがって、遊技者は、表示装置41の表示画面に表示される演出を視認することで、リーチ演出が行われていることを認識することができる。
他方で、内部役物44c、44dは初期位置で停止し続け、発光部材も消灯し続けている。また、枠装飾装置18a、18bや上スピーカ19aの周辺の照明部材も、消灯状態が維持される。
[第8実施形態の作用・効果]
第8実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に関連する演出を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。遊技機10は、表示装置41の前方で所定の動作を実行可能な可動役物(内部役物44c、44d)と、表示装置41の前方で所定の発光演出を実行可能な発光演出手段(導光板251とその発光部材、或は、内部役物44c、44dの発光部材)と、を備える。演出制御手段は、当該遊技機10に電源が投入されることで、可動役物及び発光演出手段の初期動作を実行可能であり、発光演出手段の初期動作中には、可動役物の初期動作及び所定の動作を実行しない。
このような遊技機10によれば、遊技に係る演出を行う複数の部材として可動役物(内部役物44c、44d)及び発光演出手段(導光板251とその発光部材、或は、内部役物44c、44dの発光部材)について初期動作を確認し易い態様にできるので、効率的にメンテナンスを行うことができる。
また、第8実施形態に係る遊技機10では、発光演出手段(導光板251とその発光部材、或は、内部役物44c、44dの発光部材)は、端部からの光の照射に基づき所定の模様が浮かび上がる導光板251と、導光板251の対面と対向するように当該導光板251の端部に配設され、当該導光板251に光を照射可能な照射手段(導光板251の発光部材)と、を有する。演出制御手段(演出制御装置300)は、発光演出手段の照射手段が初期動作によって光を照射している間には、可動役物(内部役物44c、44d)の初期動作及び所定の動作を実行しない。このような遊技機10によれば、遊技場管理者等は、導光板251と可動役物との初期動作を別々に確認できるので、効率的にメンテナンスを行うことができる。
また、第8実施形態に係る遊技機10では、発光演出手段は、可動役物(内部役物44c、44d)に設置された発光源(発光部材)である。このような遊技機10によれば、可動役物そのものの動作と、可動役物の発光演出手段の発光動作とをそれぞれ別々に初期動作として確認できるので、上記同様に効率的にメンテナンスを行うことができる。
第8実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に関連する演出を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。遊技機10は、表示装置41の前方で所定の動作を実行可能な可動役物(内部役物44c、44d)と、表示装置41の前方で所定の発光演出を実行可能な発光演出手段(導光板251とその発光部材、或は、内部役物44c、44dの発光部材)と、を備える。演出制御手段は、当該遊技機10に電源が投入されることで、可動役物及び発光演出手段の初期動作を実行可能であり、可動役物の初期動作中には、発光演出手段の発光演出及び初期動作を実行しない。
このような遊技機10によれば、遊技に係る演出を行う複数の部材として可動役物(内部役物44c、44d)及び発光演出手段(導光板251とその発光部材、或は、内部役物44c、44dの発光部材)について初期動作を確認し易い態様にできるので、効率的にメンテナンスを行うことができる。
また、第8実施形態に係る遊技機10では、発光演出手段は、端部からの光の照射に基づき所定の模様が浮かび上がる導光板251と、導光板251の対面と対向するように当該導光板251の端部に配設され、当該導光板251に光を照射可能な照射手段(導光板251の発光部材)と、を有する。演出制御手段(演出制御装置300)は、可動役物(内部役物44c、44d)の初期動作中には、照射手段に光を照射させない。このような遊技機10によれば、遊技場管理者等は、導光板251と可動役物との初期動作を別々に確認できるので、効率的にメンテナンスを行うことができる。
[第9実施形態]
図97を参照して、第9実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第8実施形態までの実施形態と同様でよい。第9実施形態は、停電復帰前後の変動表示ゲームの演出に関するものである。
〔第9実施形態に係る変動表示ゲームの表示態様のタイミングチャート〕
図97は、第9実施形態に係る停電復帰前後の変動表示ゲームの表示態様(演出態様)のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻T81で、始動記憶にはずれ保留と当り保留とがこの順番で2つ存在する場合に、はずれ保留に基づく変動表示ゲームが開始されると、変動表示ゲームを実行するために使用する特図LED(特図表示器(特図1表示器51や特図2表示器52)、発光部)の発光が始まり(オン)、表示装置41の表示画面では飾り識別図柄(識別情報、識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本図柄)による変動表示が開始される。なお、はずれ保留は変動表示ゲームの表示結果(停止結果)がはずれ停止態様となる保留(始動記憶)であり、当たり保留は変動表示ゲームの表示結果が大当り結果(特別結果)となる場合の保留である。
他方で、遊技状態は、特別遊技状態(大当り状態)ではなく通常遊技状態であり、内部役物(44c、44d)は停止している。
そして、停電によって時刻T82で電源がオフになり、時刻T83まで停電状態が続いた後、時刻T83で電源がオン(復電)されると、はずれ保留に基づく変動表示ゲームが再開され、特図LEDの発光が再度始まる(オン)。他方で、表示装置41の表示画面には、飾り識別図柄ではなく、停電復帰画面(立ち上げ画面)が表示される。その後、復電に伴い内部役物44c、44dの初期動作制御処理が開始されることで、内部役物44c、44dの初期動作が第1の動作として行われる。
なお、遊技制御装置100(始動記憶手段)は、RAMにおいて記憶した始動記憶内に特図変動表示ゲームの表示結果が大当り結果(特別結果)となる始動記憶が含まれている状態で停電が発生した場合に、バックアップ電源部420によって当該特別結果となる始動記憶を保持できる。
時刻T84で、はずれ保留に基づく変動表示ゲームが終了すると、特図LEDは消灯される(オフ)。なお、はずれ停止態様となる状態で特図LEDを発光(オン)させてもよい。
そして、時刻T85で当り保留に基づく変動表示ゲームが実行されると、特図LEDの発光が始まる(オン)。また、表示装置41の表示画面では、停電復帰画面が終了すると、当たり保留に基づく変動表示ゲームに対応して飾り識別図柄が変動表示され、リーチ演出が開始される。その後、リーチ演出に対応する内部役物44c、44dの演出がリーチ中動作(第2の動作)として実行される。
時刻T86で、当たり保留に基づく変動表示ゲームが終了すると、特図LEDは消灯され(オフ)、内部役物44c44dのリーチ中動作が終了する。なお、大当り結果態様(特別結果態様)となる状態で特図LEDを発光(オン)させてもよい。そして、表示装置41の表示画面の飾り識別図柄は、変動表示を停止し、例えば「777」等の大当り結果態様(特別結果態様)が表示され、時刻T86から時刻T87までのファンファーレ演出(図示省略)の後、時刻T87から大当り演出(大当り中画面、大当りラウンド演出)が開始される。
時刻T87で大当り演出が開始されると、遊技状態は大当り中(大当り状態、特別遊技状態)となり、大当り演出に対応する内部役物44c、44dの演出が大当り中動作(第3の動作)として実行される。このように、第1の動作と第2の動作と第3の動作のいずれにおいても、同一の可動役物である内部役物44c、44dが動作する。
なお、当たり保留に基づく変動表示ゲームが実行されるときに、内部役物44c、44dの初期動作(第1の動作)が未完了である場合には、リーチ中動作(第2の動作)を実行せずにスキップし、大当り中動作(第3の動作)を第1の動作の後に実行することとしてもよい。
また、時刻T83において電源がオン(復電)された場合に、はずれ保留に基づく変動表示ゲームを再開せずに、再度始めからやり直すようにしてもよい。このように、始めからやり直すことで、はずれ保留に基づく変動表示ゲームの変動時間が短い場合(リーチなし変動の場合)でも時間的余裕が生じ、当該変動表示ゲーム中に、内部役物44c、44dの初期動作(第1の動作)が完了し易くなるので、初期動作の後にリーチ中動作(第2の動作)をスキップせずに実行させることができる。
なお、初期動作(第1の動作)及びリーチ中動作(第2の動作)の両方で、同一の可動役物(内部役物44c、44d)が動作するようにして、当該可動役物で大当り中動作(第3の動作)を実行しないようにしてもよい。また、大当り中動作(第3の動作)を、他の可動役物(内部役物44c、44d以外の可動役物(例えば外部役物95a))によって実行することとしてもよい。このような態様によっても、はずれ保留に基づく変動表示ゲーム中に可動役物の初期動作が実行されるので、当たり保留に基づく変動表示ゲームのリーチ演出中に可動役物によるリーチ中動作を直ぐに開始でき、遊技の興趣を向上させることができる。
[第9実施形態の作用・効果]
第9実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り識別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態(大当り中、大当り遊技状態)を発生可能である。遊技機10は、遊技演出を行う可動役物(内部役物44c、44d)と、始動条件の成立(例えば始動入賞口への入賞)に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶(保留)を記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、可動役物の制御と、始動記憶に対応する始動記憶表示(特図変動中保留表示643、保留表示633)を表示する制御と、を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。始動記憶手段は、記憶した始動記憶内に変動表示ゲームの表示結果が特別結果となる始動記憶が含まれている状態で停電が発生した場合に、当該特別結果となる始動記憶を保持する。演出制御手段は、始動記憶手段が記憶した始動記憶内に変動表示ゲームの表示結果が特別結果となる始動記憶が含まれている状態で停電(電源オフ)が発生した場合において、当該停電の復帰後に可動役物を第1の動作(初期動作)で動作させ、第1の動作の後に実行される変動表示ゲームにおいて、可動役物を第2の動作(リーチ中動作)で動作させ、第2の動作の後に実行される特別遊技状態において、可動役物を第3の動作(大当り中動作)で動作させ、第1の動作、第2の動作、又は第3の動作のいずれにおいても、同一の可動役物を動作させる。
このような遊技機10によれば、停電復帰(復電)後に、可動役物(内部役物44c、44d)による第1の動作(初期動作)が行われることで、第2の動作(リーチ中動作)や第3の動作(大当り中動作)による可動役物の演出を直ぐに開始できるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第9実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶手段(遊技制御装置100)が記憶した始動記憶(保留)内に変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様)となる始動記憶が含まれている状態で停電(電源オフ)が発生した場合において、当該停電の復帰後に可動役物(内部役物44c、44d)を第1の動作(初期動作)で動作させ、第1の動作の後に実行される変動表示ゲームにおいて、可動役物を第2の動作(リーチ中動作)で動作させ、第1の動作、及び第2の動作の両方で、同一の可動役物を動作させる。このような遊技機10によれば、停電復帰(復電)後に、可動役物(内部役物44c、44d)による第1の動作(初期動作)が行われることで、第2の動作(リーチ中動作)による可動役物の演出を直ぐに開始できるようになるので、同様に遊技の興趣を向上させることができる。
[第10実施形態]
図98及び図99を参照して、第10実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第9実施形態までの実施形態と同様でよい。第10実施形態は、大当りが発生した場合の識別情報(飾り特別図柄、飾り識別図柄)の表示に関するものである。
〔第10実施形態に係る表示装置の表示画面の一例〕
図98は、第10実施形態において、各表示態様で識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り識別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)が表示されるときの表示装置41の表示画面の一例を示す図である。
まず、図98(a)は、遊技状態が通常遊技状態、すなわち第1期間中であるときに、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果(表示結果)が大当り結果態様(特別結果態様)、すなわち第1の表示態様となる場合の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610(左領域610A(左の変動表示領域610A)、右領域610B(右の変動表示領域610B)、中領域610C(中央の変動表示領域610C))の飾り第1図柄A〜C(左図柄611a、右図柄611b、中図柄611c)は、例えば「777」と大当り結果態様で停止しており、表示画面の上部に「!大当り!」の文字が表示されている。
第1の表示態様の飾り第1図柄A〜Cには、識別情報(図柄)の「7」とともに、キャラクタ(虎たろう)とキャラクタの名前「虎たろう」の文字とが、それぞれ表示される。
なお、変動表示ゲームが停止結果となった際に、当該変動表示ゲームに対応する始動記憶(保留)は消化され、保留消化領域640(特定表示部、変動中保留表示領域)の特図変動中保留表示643(始動記憶表示、特図消化中保留表示)は非表示となっている。また、保留表示部630(始動記憶表示部)や保留表示633(保留、始動記憶)は非表示となっているが、保留表示部630を表示してもよい。また、演出制御装置300は、第1の表示態様の飾り第1図柄A〜Cを用いて、仮停止時にキャラクタ(虎たろう等)に所定の動作をさせることによって大当り図柄(例えば「777」)が停止する演出を行うようにしてもよい。
次に、図98(b)は、遊技状態が特定遊技状態(確変状態、確率変動状態、時短状態)すなわち第2期間中であるときに、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果(表示結果)が大当り結果態様(特別結果態様)、すなわち第2の表示態様となる場合の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)の飾り第1図柄A〜C(左図柄611a、右図柄611b、中図柄611c)は、例えば「777」と大当り結果態様で停止しており、表示画面の上部に「!大当り!」の文字が表示されている。遊技状態が特定遊技状態であるときには、例えば表示画面の右下隅に、右打ちするよう指示する報知である右打ち指示報知691を表示してもよい。また、第1の表示態様と同様に、特図変動中保留表示643等は非表示となっている。
第2の表示態様の飾り第1図柄A〜Cには、識別情報(図柄)の「7」のみがそれぞれ大きく表示され、キャラクタやキャラクタの名前の文字は表示されていない。
図98(c)は、遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)すなわち第3期間中であるときの表示装置41の表示画面である。表示画面には、大当り中の演出に関する動作としてラウンド演出が表示されている。表示画面の左上隅には、現在の大当りラウンド数を表示するラウンド数表示676が例えば「8 ROUND」と表示される。
また、第3の表示態様の識別情報(図柄)として、表示画面の左下隅の変動表示領域610D(停止図柄表示領域610D)に、大当り結果態様となった際の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果(表示結果)の識別情報(停止図柄611d)が一つだけ表示される(例えば「7」)。したがって、遊技者は、第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)を視認することで、どの図柄で大当りとなったかをラウンド中に確認することができる。その結果、遊技者は、ラウンド終了後に移行する特定遊技状態(確変状態、確率変動状態、時短状態)の種別を、図柄種別(確変大当り図柄又は通常大当り図柄)からラウンド中にも容易に認識できるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)は、第1の表示態様又は第2の表示態様と略同一の表示態様で表示してもよい。また、ラウンド中に限らず、エンディング中に第3の表示態様の識別情報(図柄)を、表示画面に表示してもよい。さらに、第3の表示態様の識別情報を、そのままの図柄(例えば「7」)のまま軸回転する演出にしてもよい。また、第3の表示態様の識別情報を、そのままの図柄(例えば「7」)のままラウンド中の演出に合わせて軸回転させてもよい。
なお、第1の表示態様で大当り状態(特別結果)となった場合や第2の表示態様で大当り状態となった場合の何れの場合でも、演出制御装置300は、大当り遊技状態(特別遊技状態(ラウンドやファンファーレ演出、エンディング演出))中に、第3の表示態様で識別情報(停止図柄611d)を表示することができる。したがって、遊技者は、特別遊技状態となった際に、停止図柄611dを毎回確認することができ、特別遊技状態の終了後に発生する有利な状態(特定遊技状態、特典)を事前に把握し易くなる。
また、識別情報(図柄)は、第1〜第3の表示態様の何れにおいても、例えば図柄の数字が赤色で全て表示されるというように、1以上の共通要素を備えるように構成してもよい。
〔第10実施形態に係る表示装置の表示画面の画面遷移図〕
図99は、第10実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果態様(大当り結果態様)となってから特別遊技(大当りラウンド)が開始されるまでの遊技全体の画面遷移の一例である。
図99(b1)は、図98(a)と同じ図であり、遊技状態が通常遊技状態(第1期間中)であるときに、変動表示ゲームの停止結果(表示結果)が大当り結果態様(特別結果態様)、すなわち第1の表示態様となる場合の表示装置41の表示画面である。
図99(b2)に示すように、演出制御装置300は、第1の表示態様の飾り第1図柄A〜Cを非表示にする。また、演出制御装置300は、ファンファーレ演出の一環として、大当り結果態様となった際に表示されている変動表示領域610Bの飾り第1図柄B(右図柄611b)の数字(識別情報、図柄)(例えば「7」)がある位置に、変動表示領域610Dの第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)を表示する。なお、表示画面の上部に「!大当り!」の文字を残しているが非表示にしてもよい。
そして、図99(b3)に破線矢印で示すように、演出制御装置300は、変動表示領域610Dの第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)を表示画面の中央下部に滑らかに移動させることで、停止図柄611dの「7」が移動する態様を遊技者が視認することができる。
その後、図99(b4)に示すように、演出制御装置300は、ラウンド開始までに変動表示領域610Dの第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)を表示画面の左下隅に滑らかに移動させることで、図98(c)で上述した第3の表示態様の停止図柄611dのように、表示画面の左下隅に「7」が表示され、ラウンド演出が開始される(「1 ROUND」が表示される)。
このように、変動表示ゲームの表示結果が大当り結果態様である場合に、ファンファーレ演出からラウンド演出にかけて、第1の表示態様の飾り第1図柄B(右図柄611b)が表示されていた場所に、第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)を表示し、当該停止図柄611dを表示画面の左下隅にそのまま滑らかに移動させることによって、ラウンド終了後の特定遊技状態の種別を容易に遊技者に認識させることができるだけでなく、視覚効果の奏する演出を行うこともできるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図99では、第1の表示態様の識別情報(図柄)のうち飾り第1図柄B(右図柄611b)が表示されていた場所に、第3の表示態様の識別情報(停止図柄611d)を表示し、当該停止図柄611dを表示画面の左下隅に移動させることとしたが、第1の表示態様の飾り第1図柄A(左図柄611a)又は飾り第1図柄C(中図柄611c)が表示されていた場所に、停止図柄611dを表示し、当該停止図柄611dを表示画面の左下隅に移動させるようにしてもよい。
[第10実施形態の作用・効果]
第10実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に関連する演出を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、第1期間中(通常遊技状態)に、識別情報を、第1の表示態様(通常遊技状態のときの大当り結果態様(図98(a)))で表示し、第2期間中(特定遊技状態)に、識別情報を、第2の表示態様(特定遊技状態のときの大当り結果態様(図98(b)))で表示し、変動表示ゲームの表示結果が特別結果(大当り状態)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態(大当り遊技状態)中に、識別情報を、第3の表示態様(特別遊技状態のときの表示態様(図98(c)))で表示する。
このような遊技機10によれば、遊技状態に応じて識別情報の表示態様が変化することで、遊技者に有利な遊技状態であるか否かを報知できるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、特別遊技状態中に識別情報を表示することで、特別遊技状態の終了後に発生する有利状態(特定遊技状態、特典)を事前に把握し易くなる。
また、第10実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)が、第1期間中(通常遊技状態)に第1の表示態様(通常遊技状態のときの大当り結果態様(図98(a)))で特別結果(大当り状態)となった場合、及び第2期間中(特定遊技状態)に第2の表示態様(特定遊技状態のときの大当り結果態様(図98(b))で特別結果となった場合、の何れの場合でも、特別遊技状態(大当り遊技状態)中に、識別情報を、第3の表示態様(特別遊技状態のときの表示態様(図98(c)))で表示する。このような遊技機10によれば、第1の表示態様で特別結果となった場合、第2の表示態様で特別結果となった場合の何れの場合でも、特別遊技状態中に第3の表示態様で識別情報が表示されるので、遊技者が特別遊技状態の終了後に発生する有利状態(特定遊技状態、特典)を事前に把握し易くなる。
[第11実施形態]
図100から図103を参照して、第11実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第10実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第10実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第11実施形態は、表示装置41において実行される飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄の構成態様(構成の態様)と、飾り特別図柄の変動態様(変動表示の態様)に関するものである。
〔飾り特別図柄の構成態様と変動態様〕
図100は、表示装置41の表示画面に表示される飾り特別図柄(飾り識別情報、飾り図柄)の構成態様と変動態様を示す図である。表示画面において、飾り特別図柄として、左図柄611a(第1の識別情報)、右図柄611b(第2の識別情報)、及び、中図柄611c(第3の識別情報)を変動表示することができる。左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの変動表示は、各々、左の変動表示領域610A、右の変動表示領域610B、中央の変動表示領域610Cに表示される。これらの変動表示は、変動演出設定処理のステップB2010、B2013で、演出制御装置300によって変動演出の一環として設定される。なお、飾り特図変動表示ゲームの変動に関して、リーチ成立前の変動を前半変動と呼び、リーチ成立後(リーチ中)の変動を後半変動と呼ぶことがある。
図100の(ア1)のように、リーチ状態になる前、即ちリーチ成立前の変動表示において、左図柄611aは、キャラクタを示すキャラクタ画像612a(キャラクタ構成要素、キャラクタ部)と数字(文字)を示す文字画像613a(文字構成要素、文字部)から構成される。同様に、リーチ成立前の変動表示において、右図柄611bは、キャラクタを示すキャラクタ画像612b(キャラクタ構成要素、キャラクタ部)と数字を示す文字画像613b(文字構成要素、文字部)から構成される。なお、数字は、数を表す文字であり、図に示すアラビア数字の他、漢数字やローマ数字などを含む。
なお、本実施形態において、飾り特別図柄が、画像としてキャラクタと数字を含む場合に、キャラクタは数字に一対一で対応して数字ごとに異なるが、この限りでなく、異なる数字に対して同じキャラクタを用いてもよい。
一方、(ア1)のリーチ成立前の変動表示において、中央に表示される中図柄611cは、数字を示す文字画像613c(文字構成要素、文字部)だけから構成される。このようにすると、中図柄611cは左図柄611aや右図柄611bよりも小さく表示されて、中央の変動表示領域610Cが左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610Bよりも小さくなる(狭くなる)。このため、表示画面において、変動表示領域610以外の領域が広がり、変動表示以外の演出を行う演出領域を有効に確保でき、遊技の興趣が向上する。また、中図柄611cは、数字を示す文字画像613cだけから構成され小さいため、左図柄611aや右図柄611b(又は、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610B)と重なり合うことがなく、遊技者は、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cの各変動表示を視認し易くなり、遊技の興趣が向上する。
なお、(ア1)において、中図柄611cだけでなく、左図柄611aと右図柄611bの一方を数字を示す文字画像613a、613bだけから構成してもよい。この場合には、表示画面において、変動表示領域610以外の領域がさらに広がることになる。
なお、仮に、キャラクタを遊技者に印象付けるために、左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの3つの飾り特別図柄が、各々、キャラクタを示すキャラクタ画像を含むと、3つの飾り特別図柄が表示装置41の表示画面の大部分を占めて表示されてしまい、変動表示領域610以外で演出が有効に表示できないおそれがある。
また、(ア1)のリーチ成立前において、左図柄611aと右図柄611bは、縦スクロールで変動表示される。例えば、縦スクロールでは、1から9までの数字に対応する9個の一連の複数の図柄(飾り識別図柄)が、順番に表示画面に出現して縦方向(上下方向)に表示画面を横切って移動した後、表示画面から消える。なお、左図柄611aと右図柄611bは、横方向に一連の複数の図柄が移動する横スクロールで、変動表示してもよい。
一方、(ア1)のリーチ成立前において、中図柄611c(第3の識別情報)は、左図柄611a(第1の識別情報)と右図柄611b(第2の識別情報)と変動表示の方向が異なり、軸を中心に回転するように遊技者に視認される回転変動で変動表示される。回転変動は、一つの図柄が回転するような態様だけでなく、一連の複数の図柄が一回転するごとに切り換えて表示される態様でもよい。なお、回転変動に代えて、重なった一連の複数の図柄が前後方向に移動するように遠近法などによって見せる前後変動(前後スクロール)や、単に一連の複数の図柄を同じ位置で順番に切り換えて表示する切り換え変動や、一つの図柄が小さく揺れるような揺れ変動が行われてもよい。
なお、中図柄611cの回転変動(前後変動、切り換え変動、揺れ変動でも可)は、図柄が表示画面を横切らない変動であり、左図柄611aと右図柄611bの縦スクロールと異なり、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610Bのように一方向(スクロール方向)に長く延びる広い変動表示領域を必要としない。従って、中図柄611cの回転変動によって、中央の変動表示領域610Cが、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610Bよりも小さく(狭く)なる。このため、変動表示以外の演出を行う演出領域を有効に確保できるとともに、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cの各変動表示を視認し易くなり、遊技の興趣が向上する。
また、(ア1)において、表示画面の下部において、保留表示部630に保留(ここでは第1始動記憶)に対応して保留表示633が2つ表示されている。また、四角形枠の保留消化領域640が表示画面の中央下部に表示される。実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。しかし、中図柄611cの回転変動によって、中央の変動表示領域610Cが小さくなり、保留表示部630や保留消化領域640と重ならないため、中図柄611cも、保留表示633又は変動中保留表示633aと重なることがなく、中図柄611c、保留表示633、又は、変動中保留表示633aの視認性は良好なものとなり、遊技の興趣が向上する。さらに、特図1保留数表示650は、現在の特図1保留(第1始動記憶)の数「2」を表示し、特図2保留数表示660は、現在の特図2保留(第2始動記憶)の数「0」を表示する。
図100の(ア2)のように、リーチ成立時(リーチの成立の際)において、左図柄611aと右図柄611bは仮停止して揺れ変動するため、リーチ成立前の縦スクロールから変動態様(即ち変動表示の態様)が変更されて変化する。なお、左図柄611aの構成態様は変化せず、左図柄611aは、(ア1)と同様にキャラクタを示すキャラクタ画像612aと数字を示す文字画像613aから構成される。同様に、右図柄611bの構成態様は変化せず、右図柄611bは、(ア1)と同様にキャラクタを示すキャラクタ画像612bと数字を示す文字画像613bから構成される。しかし、左図柄611aと右図柄611bの全体サイズは、リーチ成立前(仮停止前)に比較して小さくなる。
一方、(ア2)のリーチ成立時において、中図柄611cは縦スクロールで変動表示され、リーチ成立前の回転変動での変動表示から変動態様が変更されて変化する。なお、中図柄611cの変動表示の方向は、左図柄611a及び右図柄611bの仮停止する前の変動表示の方向(即ち、表示画面の縦方向又は上下方向)と同じになり対応することになる(変動表示の方向が揃えられる)。従って、中図柄611cの回転変動による遊技者の違和感をなくすととに、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めることができる。なお、(ア2)では、縦スクロールで表示画面上を移動する一連の複数の図柄(飾り識別図柄)のうち、連続する数字5の中図柄611cと数字6の中図柄611c’が示されている。
さらに、(ア2)のリーチ成立時において、中図柄611cの構成態様は変更されて変化し、文字画像613cだけのリーチ成立前の構成態様から、キャラクタを示すキャラクタ画像612cと数字を示す文字画像613cから構成される構成態様に変化する。従って、中図柄611cの構成態様が、左図柄611aと右図柄611bの構成態様と同じになり、これら3つ(3種類)の飾り特別図柄に共通性が出て遊技者の違和感をなくすととに、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めることができる。さらに、遊技者は、キャラクタ画像612c(612c’)追加されて新たな構成態様に変更された中図柄611c(611c’)に注目するため、リーチが成立したことなど遊技の進行を理解し易くなる。
なお、左図柄611aと右図柄611bの全体サイズがリーチ成立前(仮停止前)から縮小されることによって、キャラクタ画像612cと文字画像613cから構成される中図柄611cが縦スクロールで変動表示されても、左図柄611aや右図柄611b(又は、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610B)と重なり合うことがない。
また、リーチ成立前とリーり成立後において、小さな変動表示領域615で変動表示される飾り特別図柄である小図柄は、構成態様と変動態様が変化せず、遊技者に安心感を与えることができる。なお、左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cを大図柄とし、大図柄の変動表示領域610と比較して小さな変動表示領域615で変動表示され、大図柄よりも小さい飾り特別図柄を小図柄とする。小図柄は、前述の第四特別図柄(第4図柄)であってもよい。
〔飾り特別図柄の構成態様と変動態様の変形例〕
図101は、表示装置41の表示画面に表示される飾り特別図柄の構成態様と変動態様の変形例を示す図である。下記で述べる構成以外の構成は、図101と図100の両方で共通する。
図101の(イ1)では、図100の(ア1)からリーチ成立前の飾り特別図柄の構成態様と変動態様が変更されている。
(イ1)のように、リーチ成立前の変動表示において、左図柄611aは、数字を示す文字画像613aだけから構成される。また、右図柄611bは、数字を示す文字画像613bだけから構成される。左図柄611aと右図柄611bは、軸を中心に回転するように遊技者に視認される回転変動で変動表示される。回転変動に代えて、前述の前後変動、切り換え変動でもよい。
(イ1)において、左図柄611a及び右図柄611bの回転変動によって、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610Bが中央の変動表示領域610Cよりも小さく(狭く)なる。このため、変動表示以外の演出を行う演出領域を有効に確保できるとともに、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cの各変動表示を視認し易くなり、遊技の興趣が向上する。
一方、(イ1)では、リーチ成立前の変動表示において、中図柄611cは、キャラクタを示すキャラクタ画像612cと数字を示す文字画像613cから構成される。中図柄611cは、縦スクロールで変動表示される。
図101の(イ2)では、リーチ成立時(リーチの成立の際)において、左図柄611aと右図柄611bは仮停止して揺れ変動するため、リーチ成立前の回転変動から変動態様が変更されて変化する。また、左図柄611aの構成態様は変更されて変化し、文字画像613aだけのリーチ成立前の構成態様から、キャラクタを示すキャラクタ画像612aと数字を示す文字画像613aから構成される構成態様に変化する。また、右図柄611bの構成態様も変更されて変化し、文字画像613bだけのリーチ成立前の構成態様から、キャラクタを示すキャラクタ画像612bと数字を示す文字画像613bから構成される構成態様に変化する。左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの構成態様の変化によって、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めることができる。
また、(イ2)では、リーチ成立時において、中図柄611cは回転変動で変動表示され、リーチ成立前の縦スクロールでの変動表示から変動態様が変更されて変化する。回転変動に代えて、前述の前後変動、切り換え変動でもよい。なお、中図柄611cの変動表示の方向は、左図柄611a及び右図柄611bの仮停止する前の変動表示の方向(即ち、軸の周りの円周方向)と対応することになる。左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの変動態様の変化によって、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めることができる。
同様に、(イ2)において、中図柄611cの回転変動によって、中央の変動表示領域610Cが、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610Bよりも小さく(狭く)なる。このため、変動表示以外の演出を行う演出領域を有効に確保できるとともに、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cの各変動表示を視認し易くなり、遊技の興趣が向上する。
〔参照テーブル〕
図102Aのテーブルは、例えば変動演出設定処理のステップB2010やB2013などで演出制御装置300によって参照される参照テーブルである。このような参照テーブルは、演出制御装置300の記憶部(RAM322、FeRAM323などのメモリ)に記憶されている。演出制御装置300は、図102Aのテーブルを参照して、変動演出の一環として飾り特別図柄の構成態様と変動態様を設定する。図102Aのテーブルは、図100の飾り特別図柄の構成態様と変動態様に対応する。
演出制御装置300は、変動パターン種別(B1904、B2001)からこれから実行する飾り特図変動表示ゲームにリーチがあるか否か判定できる。リーチがある場合、即ち、リーチが発生する場合、図102Aのテーブルのように、リーチ成立前とリーチ成立後の飾り特別図柄の構成態様と変動態様を設定する。これにより、図100のように、左図柄611aと右図柄611bは、リーチ成立時に、リーチ成立前の縦スクロールから仮停止の状態に変化するが、数字とキャラクタを含む構成態様は変化しない。中図柄611cは、リーチ成立時に、リーチ成立前の回転変動から縦スクロールに変化するとともに、構成態様が数字のみを含むものから数字とキャラクタを含むものに変化する。
なお、本実施形態において、リーチ成立前において、飾り特図変動表示ゲームの開始からリーチ成立まで、飾り特別図柄の構成態様と変動態様は変化しないが、変化する構成も可能である。即ち、リーチ成立直前に、図102Aのテーブルのようなリーチ前の構成態様と変動態様になっていればよい。
リーチがない場合、即ちリーチが発生しない場合、図102Aのテーブルのように、飾り特図変動表示ゲームの開始から終了まで、飾り特別図柄の構成態様と変動態様は変化しないように設定される。飾り特図変動表示ゲームの開始から終了まで、左図柄611aと右図柄611bは縦スクロールで変動表示され、中図柄611cは回転変動で変動表示される。
なお、演出制御装置300が、飾り識別図柄の変動態様を抽選で決定する構成も可能である。例えば、リーチがない場合、中図柄611cを高い当選確率で縦スクロールさせ、低い当選確率で回転変動させてもよい(図102Aと異なり、中図柄611cも縦スクロールされ得る)。逆に、リーチがある場合、リーチ成立前に、中図柄611cを低い当選確率で縦スクロールさせ、高い当選確率で回転変動させてもよい(図102Aと異なり、中図柄611cも縦スクロールされ得る)。このようにすると、飾り特図変動表示ゲームの開始の際に、中図柄611cの回転変動(変動態様)によってリーチの期待度ひいては大当りの期待度を報知できる。即ち、中図柄611cの回転変動があると、遊技者はリーチの発生ひいては大当りの発生に期待できるようになり、遊技の興趣が向上する。
また、通常遊技状態や時短/確変状態(特定遊技状態)などの遊技状態に応じて、飾り特別図柄の構成態様と変動態様を設定する構成も可能である。例えば、変動時間の短い時短/確変状態では飾り特別図柄の構成態様と変動態様が変化してもわかりにくいため、飾り特図変動表示ゲームの開始から終了まで飾り特別図柄の構成態様と変動態様を変化しないように設定してもよい。また、飾り特図2変動表示ゲームが時短/確変状態で多く発生して変動時間が短くなるため、飾り特図2変動表示ゲームでは、リーチの有無にかかわらず、飾り特図変動表示ゲームの開始から終了まで飾り特別図柄の構成態様と変動態様を変化しないように設定してもよい。即ち、飾り特図1変動表示ゲームでのみリーチ成立前後で飾り特別図柄の構成態様と変動態様を変化するように設定してもよい。
さらに、変動パターン種別(B1904、B2001)からわかるリーチの系統(Nリーチ、SPリーチ等)に応じて、リーチ成立後の飾り特別図柄の構成態様と変動態様が設定されてもよい。このようにすると、飾り特別図柄の構成態様と変動態様によって、大当りの期待度を報知できる。
図102Bは、図101に対応する参照テーブルの変形例である。この参照テーブルによって、図101のように、左図柄611aと右図柄611bは、リーチ成立時に、リーチ成立前の回転変動から仮停止の状態に変化するとともに、構成態様が数字のみを含むものから数字とキャラクタを含むものに変化する。中図柄611cは、リーチ成立時に、リーチ成立前の縦スクロールから回転変動に変化するとともに、構成態様が数字とキャラクタを含むものから数字のみを含むものに変化する。リーチがない場合(リーチが発生しない場合)、図102Bのテーブルのように、飾り特図変動表示ゲームの開始から終了まで、飾り特別図柄の構成態様と変動態様は変化しないように設定される。
なお、図102Aと図102Bにおいて、リーチ成立前の左図柄611aと右図柄611bの一方の構成態様と変動態様を中図柄611cと同じにしてもよい。この場合、リーチ成立前の表示画面において、変動表示領域610以外の領域がさらに広がることになる。
〔画面遷移〕
図103Aと図103Bは、第11実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図である。
図103Aの(ウ1)は、飾り特図変動表示ゲームを開始する際の表示画面である。前回の飾り特図変動表示ゲームの停止結果として、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cのはずれ停止図柄が変動表示領域610に表示されている。また、3つの小図柄のはずれ停止図柄が小さな変動表示領域615に表示されている。そして、保留(ここでは第1始動記憶)に対応して表示される保留表示633が右側に移動(保留シフト)するとともに、四角形枠の保留消化領域640に保留表示部630の右端の保留表示633が移動する(保留シフト)。さらに、特図1保留数表示650では、特図1保留(第1始動記憶)の数が「3」から「2」に変化し、特図2保留数表示660では、現在の特図2保留(第2始動記憶)の数「0」を表示する。
図103Aの(ウ2)は、図100の(ア1)と同じであるが、飾り特別図柄(大図柄)としての左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの変動が変動表示領域610で実行中であり、飾り縮小図柄としての小図柄の変動が変動表示領域615で実行中である。なお、左図柄611aと右図柄611bは、(ウ1)のリーチが発生した飾り特図変動表示ゲームの停止結果である停止図柄よりも、サイズが拡大されて縦スクロールで変動している(構成態様は変化しない)。また、中図柄611cは、(ウ1)のリーチが発生した飾り特図変動表示ゲームの停止結果である停止図柄の構成態様(キャラクタ画像612cと文字画像613cからなる)から変化し、数字を示す文字画像613cだけからなる構成態様となって回転変動する。
(ウ3)(ウ4)のように、変動表示が継続した後、図103Aの(ウ5)のようにリーチが発生して、左図柄611aと右図柄611bが仮停止(揺れ変動)するとともに、中図柄611cの構成態様と変動態様が変化する。なお、図103Aの(ウ5)は、図100の(ア2)と同じであり、詳しい説明を省略する。
続いて、(ウ6)のように、リーチ変動が継続した後、(ウ7)のように、左図柄611a、右図柄611bに加えて、中図柄611cも仮停止(揺れ変動)して3つの図柄が仮停止(揺れ変動)する。その後、(ウ8)のように、3つの図柄が完全に停止してはずれ停止図柄が表示される。
なお、(ウ8)のはずれ停止図柄において、左図柄611aと右図柄611bは、(ウ7)の仮停止(揺れ変動)時の飾り図柄から、サイズが拡大されている。また、中図柄611cは、(ウ7)の仮停止(揺れ変動)時の構成態様(キャラクタ画像612cと文字画像613cからなる)から変化し、数字を示す文字画像613cだけからなる構成態様に変化する。
その後、(ウ9)では、再度、飾り特図変動表示ゲームが実行されている。そして、(ウ10)のように飾り特図変動表示ゲームが継続した後、リーチが発生しないため、(ウ11)では、左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの構成態様と変動態様は変化することなく、はずれ停止図柄が表示される。
以上のように、飾り特別図柄の構成態様と変動態様について説明したが、擬似連続演出が実行される場合には、リーチ成立前であっても、左図柄611aと右図柄611bが仮停止する度に、中図柄611cの構成態様と変動態様を変更するようにしてもよい。なお、擬似連続演出とは、一回の特図変動表示ゲームの開始から終了までの間に、変動表示されている飾り特別図柄を擬似的に仮停止(擬似停止)させる擬似変動(副変動)を、所定回数だけ連続して行う演出である。なお、仮停止時に、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が中図柄611cとして停止表示されてよい。
また、飾り特別図柄の構成態様は、文字画像のみからなる態様やキャラクタ画像と文字画像からなる態様だけでなく、文字画像とこの文字画像を囲む枠画像からなる態様や、キャラクタ画像と文字画像と枠画像(キャラクタ画像と文字画像を囲むもの)からなる態様を含んでよい。また、キャラクタ画像の代わりに、枠画像等の他の画像を使用する構成も可能である。
[第11実施形態の作用・効果]
第11実施形態によると、遊技機10は、第1の識別情報(例えば左図柄611a)、第2の識別情報(例えば右図柄611b)、及び、第3の識別情報(例えば中図柄611c)を変動表示させる変動表示ゲームを表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、キャラクタを示す構成要素(キャラクタ画像)と数字を示す構成要素(文字画像)を含む構成態様の第1の識別情報又は第2の識別情報を、表示装置41に表示可能である。演出制御手段は、第1の識別情報及び第2の識別情報と共に、数字を示す構成要素(文字画像)を含みキャラクタを示す構成要素(キャラクタ画像)を含まない構成態様の第3の識別情報を、表示装置41に表示可能である。
このような遊技機10によると、第3の識別情報(例えば中図柄611c)が数字を示す構成要素(文字画像)を含みキャラクタを示す構成要素(キャラクタ画像)を含まない構成態様をとるため、表示装置41の表示画面において、各識別情報を表示する変動表示領域610以外の領域が広がる。従って、この広がった領域において、変動表示以外の演出を行う演出領域を有効に確保でき、遊技の興趣が向上する。また、第3の識別情報(例えば中図柄611c)は、数字を示す文字画像だけから構成され小さいため、第1の識別情報(例えば左図柄611a)、第2の識別情報(例えば右図柄611b)、及び、第3の識別情報(例えば中図柄611c)が互いに重なり合うことなく表示でき、遊技者は、各識別情報の変動表示を視認し易くなり、遊技の興趣が向上する。従って、遊技機10の演出のモチーフである登場人物等のキャラクタを遊技者に認識させるために、キャラクタ画像を第1の識別情報(例えば左図柄611a)又は第2の識別情報(例えば右図柄611b)の構成に含めても、変動表示ゲームを表示装置41にて確実に実行できる。
また、第11実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームに関してリーチが成立した場合に、第3の識別情報(例えば中図柄611c)の構成態様を変更して表示装置41に表示可能である。従って、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者は、新たな構成態様に変更された第3の識別情報に注目するため、リーチが成立したことなど遊技の進行を理解し易くなる。
また、第11実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームに関してリーチが成立する前の変動態様として、第3の識別情報(例えば中図柄611c)の変動態様を、第1の識別情報(例えば左図柄611a)及び第2の識別情報(例えば右図柄611b)の態様とは異ならせる。また、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームに関してリーチが成立した場合に、第1の識別情報及び第2識別情報を仮停止し、第3の識別情報の変動態様を、第1の識別情報及び第2の識別情報の仮停止する前の変動態様と対応させる。
従って、リーチが成立する前に、第3の識別情報(例えば中図柄611c)の変動表示の方向が第1の識別情報(例えば左図柄611a)及び第2の識別情報(例えば右図柄611b)の変動表示の方向とは異なっていたことによる遊技者の違和感が、リーチが成立した場合に減少する。また、第3の識別情報(例えば中図柄611c)の変動表示の方向が変化することによって、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めることができる。
[第12実施形態]
図104から図108を参照して、第12実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第11実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第11実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第12実施形態は、左打ちや右打ちなどの特定の打ち方を遊技者に推奨(又は指示、案内、報知)するように報知する打ち方報知に関するものである。打ち方とは、前述したように、球発射装置の発射態様であり、遊技領域32において遊技球を発射して流下させることが推奨される領域に対応している。打ち方の情報を報知する打ち方報知には、特に、表示装置41の表示画面に表示される右打ち指示表示657、658や左打ち指示表示659などの打ち方指示表示や、間接的に特定の打ち方を遊技者に推奨するモード表示645などが含まれる。
打ち方報知のうち右打ち報知は、遊技領域32においてセンターケース40よりも右側の領域である右領域(第1遊技領域)に遊技球を発射することを遊技者に推奨する。打ち方報知のうち左打ち報知(通常打ち報知)は、遊技領域32においてセンターケース40よりも左側の領域である左領域(第2遊技領域)に遊技球を発射することを遊技者に推奨する。
本実施形態では、通常遊技状態において、遊技領域32のうち左領域に遊技球を発射することが推奨され、左打ちを推奨するための左打ちの情報が遊技者に報知される。また、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り状態、小当り状態)、及び、特定遊技状態(時短状態又は確変状態)において、遊技領域32のうち右領域に遊技球を発射することが推奨され、右打ちを推奨するための右打ちの情報が遊技者に報知される。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
図104を参照して、第12実施形態に係るメイン処理を説明する。図104は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。図104のメイン処理は、図36のメイン処理にステップB0014aを追加したものである。なお、図36と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。
ステップB0014aでは、ステップB0014の受信コマンドチェック処理において受信したコマンドから判断した遊技状態などに基づいて、左打ちや右打ちなどの打ち方を遊技者に報知する打ち方報知処理を実行する。
〔打ち方報知〕
図105は、上述したメイン処理(図104)における打ち方報知処理(B0014a)の詳細について説明する。図105は、演出制御装置300によって実行される打ち方報知処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、現在の遊技状態が、特別遊技状態(大当り状態等)、又は、時短/確変状態(特定遊技状態)であるか否かを判定する(B3501)。現在の遊技状態が、通常遊技状態である場合に(B3501の結果が「N」)、打ち方報知処理を終了する。
なお、演出制御装置300は、直近に受信した当り系コマンドの情報、直近に受信した図柄系コマンドの情報(B1801の特図種別、B1802の図柄種別)、確変状態の継続回数(例えば50回や次回まで)、時短状態の継続回数(例えば70回)、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数、確率情報(B1313)などから、現在の遊技状態が、通常遊技状態、特別遊技状態(大当り状態等)、確変状態、時短状態のいずれであるかを判別できる。なお、B1802の図柄種別から、大当り終了後に確変状態になる確変大当りであるか、大当り終了後に時短状態になる通常大当りであるかがわかる。また、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード(B1318)などからも、現在の遊技状態が判別できる。
演出制御装置300は、現在の遊技状態が、特別遊技状態(大当り状態等)、又は、時短/確変状態(特定遊技状態)である場合に(B3501の結果が「Y」)、打ち方報知として、打ち方指示表示のうち通常態様の右打ち指示表示657(第1表示)を表示装置41に表示する設定を行う(B3502)。次に、現在、所定タイミング以降であるか否かを判定する(B3503)。所定タイミング以降でない場合に(B3503の結果が「N」)、打ち方報知処理を終了する。
ここで、所定タイミングは、大当りエンディングの開始時、時短/確変状態の開始時、又は、時短/確変状態の途中のタイミングである。大当りエンディングの開始時は、エンディングコマンドを受信した時である(B2111)。時短/確変状態の開始時は、エンディングコマンドを受信した後に初めて変動系コマンド(変動コマンド)を受信した時である(B1206)。なお、本実施形態では、大当り状態の終了後に時短状態と確変状態
のいずれかが必ず発生する。時短/確変状態の途中のタイミングは、例えば、時短/確変状態の開始後に変動系コマンド(変動コマンド)を所定回(例えば10回)だけ受信した時である。
一方、演出制御装置300は、現在、所定タイミング以降である場合に(B3503の結果が「Y」)、打ち方報知として、現在の遊技状態に対応するモード表示(第2表示)を表示装置41に表示する設定を行って(B3504)、打ち方報知処理を終了する。モード表示のモードは、確変状態を反映する演出モードに対応してよい。
このような打ち方報知処理によって、遊技領域32の右領域(第1遊技領域)に遊技球を発射することを遊技者に推奨する右打ち報知として、右打ち指示表示657(第1表示)とモード表示(第2表示)が、表示装置41に表示可能になる。なお、モード表示からわかる現在の遊技状態が時短/確変状態(特定遊技状態)であれば、遊技者は、右打ちすべきことを認識できるため、モード表示も右打ち報知となる。従って、右打ち指示表示657(第1表示)とモード表示(第2表示)の両方によって、右打ちの報知を確実に実行できる。
ステップB3501とB3502の処理によって、右打ち指示表示657は、特別遊技状態、及び、特別遊技状態後に移行する時短/確変状態(特定遊技状態)において継続して表示されることになる。従って、右打ち指示表示657によって、必要な期間(特別遊技状態、及び、時短/確変状態の期間)の間、継続的に右打ちの報知を実行でき、遊技者が右打ちの報知を見過ごすことがない。
また、ステップB3503とB3504の処理によって、モード表示(第2表示)が、所定のタイミング(特別遊技状態の終了時、又は、特定遊技状態の開始時、又は、特定遊技状態の途中)より後で表示されることになる。モード表示が表示されることによって、遊技者は、確変状態や普電サポート状態を把握できるとともに右領域に遊技球を発射することも認識できるため、遊技の興趣が高まることになる。また、所定のタイミングが特別遊技状態の終了時又は時短/確変状態の開始時であれば、適切な期間にモード表示が表示できる。また、所定のタイミングが時短/確変状態の途中であれば、特別遊技状態の終了時のエンディング演出や特定遊技状態の開始時の演出を避けて、他の演出に邪魔されることなくモード表示が表示できる。
〔単発系コマンド処理〕
図106を参照して、第12実施形態に係る単発系コマンド処理(B1212)を説明する。図106は、受信コマンド解析処理(図38)において、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。図106の単発系コマンド処理は、図39の単発系コマンド処理にステップB1333とB1334を追加したものである。なお、図39と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、MODE部が打ち方指示コマンドを表すか否かを判定する(B1333)。打ち方指示コマンドは、右打ち指示報知コマンド(A2705)又は左打ち指示報知コマンド(A7703)である。MODE部が打ち方指示コマンドを表していない場合(B1333の結果が「N」)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が打ち方指示コマンドを表す場合(B1333の結果が「Y」)、打ち方指示コマンドを受信した場合の処理である打ち方指示受信時処理を実行して(B1334)、単発系コマンド処理を終了する。
〔打ち方指示受信時処理〕
図107は、上述した単発系コマンド処理(図106)における打ち方指示受信時処理(B1334)の詳細について説明する。図107は、演出制御装置300によって実行される打ち方報知処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B3701)。MODE部のコマンドが正常なコマンドでない場合(B3701の結果が「N」)、打ち方指示受信時処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合(B3701の結果が「Y」)、打ち方指示コマンドのうち右打ち指示報知コマンドを受信したか否か、即ち、受信した打ち方指示コマンドが右打ち指示報知コマンドであるか否かを判定する(B3702)。右打ち指示報知コマンドを受信した場合(B3702の結果が「Y」)、特殊態様の右打ち指示表示658(第1表示)を表示設定し(B3703)、打ち方指示受信時処理を終了する。
打ち方指示コマンドのうち左打ち指示報知コマンドを受信した場合(B3702の結果が「N」)、打ち方報知として、打ち方指示表示のうちの左打ち指示表示659(第3表示)を表示設定し(B3704)、打ち方指示受信時処理を終了する。
〔画面遷移〕
図108Aから図108Cは、第12実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で例示する画面遷移図である。
図108Aの(エ1)は、変動表示領域610において、飾り特図変動表示ゲームの実行中の表示画面である。ここでは、特図変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームである。実行中の特図変動表示ゲームに係る保留を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。また、実行前の特図変動表示ゲームに係る保留(ここでは第1始動記憶)に対応して保留表示633が保留表示部630aに1つ表示されている。保留表示部630aは、第1始動記憶に対応する保留表示633(始動記憶表示)を表示する。さらに、特図1保留数表示650は、現在の特図1保留(第1始動記憶)の数「1」を表示し、特図2保留数表示660は、現在の特図2保留(第2始動記憶)の数「0」を表示する。
その後、(エ2)では、飾り特図変動表示ゲームが終了して、大当り結果に対応する大当り停止図柄「3,3,3」が導出されている。ここで、変動中保留表示633aは消去されている。
続いて、(エ3)では、大当りファンファーレ演出が実行され、表示画面の中央で「大当りおめでとう!!」と表示されるとともに、大当り停止図柄「3,3,3」が左上隅に移動して小さく表示される。なお、ここでの大当り停止図柄は、6R確変大当り図柄であるとして、以降の説明をする。なお、本実施形態では、演出制御装置300が大当りファンファーレコマンドを受信して大当りファンファーレ演出を開始する時点から、大当り状態(特別遊技状態)が開始するものとする。
さらに、(エ3)では、打ち方報知処理(図105)のステップB3502の処理によって、通常態様の右打ち指示表示657(第1表示)が表示装置41の右上の隅に表示される。通常態様の右打ち指示表示657は、文字を示す文字画像657a「右打ち」(文字表示)と矢印の図形(又は記号)を示す図形画像657b「⇒」(図形表示)がまとめて表示されるものである。大当り状態(特別遊技状態)では、遊技領域32のうち特別変動入賞装置39の存在する右領域に遊技球を発射することが有利である。このため、遊技者は、打ち方報知のうちの右打ち指示表示657によって、右領域(第1遊技領域)に遊技球を発射することが推奨(指示、案内)される。
右打ち指示表示657の全体の画像は、文字画像657aと図形画像657bが組み合わされたもので、演出制御装置300の画像ROM325に記憶されている。又は、右打ち指示表示657を表示するときに、画像ROM325に記憶されている文字画像657aと図形画像657bを合成して、右打ち指示表示657として表示してもよい。
続いて、(エ4)と(エ5)では、大当りラウンドが開始して、大当りラウンド演出が1ラウンドから6ラウンドまで実行される。ここでの、大当りは、6R確変大当りであり、大当りラウンドは6ラウンドまでであるが、1ラウンドから6ラウンドまで右打ち指示表示657が継続的に表示される。
その後、(エ6)では、大当りエンディング演出が実行されるている。ここでも、文字を示す文字画像657a「右打ち」と矢印の図形を示す図形画像657b「⇒」からなる通常態様の右打ち指示表示657が継続して表示される。
次に、図108Bの(エ7)では、時短/確変状態のうち確変状態が開始する。ここでも、通常態様の右打ち指示表示657が継続して表示される(B3502)。確変状態(高確率状態)では、普電サポートが実行されるため、普図始動ゲート34に遊技球を通過させて普図変動表示ゲームを実行させることが有利となる。このため、遊技領域32のうち普図始動ゲート34の存在する右領域に遊技球を発射することが有利である。従って、遊技者は、打ち方指示表示のうち右打ち指示表示657によって、右領域(第1遊技領域)に遊技球を発射する右打ちが推奨(指示、案内)される。
また、(エ7)では、所定のタイミング(ここでは特定遊技状態の開始時)であるため、打ち方報知処理(図105)のステップB3504の処理によって、現在の遊技状態である確変状態(確率変動状態)を示すモード表示645「確率変動モード突入!!」(第2表示、文字画像)が、右打ち指示表示657と共に表示画面の中央に大きく表示される。なお、このモード表示645は、単に、文字画像「確率変動モード」でもよい。
また、(エ7)では、実行前の特図変動表示ゲームに係る保留(ここでは第2始動記憶)に対応して保留表示633が保留表示部630bに1つ表示されている。保留表示部630bは、第2始動記憶に対応する保留表示633(始動記憶表示)を表示する。さらに、特図1保留数表示650は、現在の特図1保留(第1始動記憶)の数「0」を表示し、特図2保留数表示660は、現在の特図2保留(第2始動記憶)の数「1」を表示する。
その後、(エ8)では、保留シフトが実行され、飾り特図変動表示ゲームが開始するとともに、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。ここでは、特図変動表示ゲームは、特図2変動表示ゲームである。また、確変状態を示すモード表示645「確率変動モード」(第2表示)が、右打ち指示表示657と共に表示画面の左上の隅の位置に小さく表示され、確変状態(特定遊技状態)の開始時から形態が変化する。モード表示645は、確変状態であることを示すことによって遊技者に右打ちを推奨(指示)する。通常態様の右打ち指示表示657は、飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄よりも優先して前面側(上層レイヤ)に表示される。
次に、(エ9)では、右打ち指示表示657によって右打ちが推奨されているにもかかわらず、遊技者が左打ちを行っている。このため、左領域を流下して始動入賞口36(第2所定領域)へ遊技球の入賞があったことにより、遊技制御装置100からの右打ち指示報知コマンド(A2705)が、演出制御装置300で受信される(図106のB1334)。そして、打ち方指示受信時処理(図107)のステップB3703の処理によって、特殊態様の右打ち指示表示658(第1表示)が表示画面の中央の位置に所定の期間だけ表示される。特殊態様の右打ち指示表示658は、飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄よりも優先して前面側(上層レイヤ)に表示される。
右打ち指示表示658の全体の画像は、文字を示す文字画像658a「右打ち」と矢印の図形(又は記号)を示す図形画像658b「⇒」が組み合わされたもので、演出制御装置300の画像ROM325に記憶されている。又は、右打ち指示表示658を表示するときに、画像ROM325に記憶されている文字画像658aと図形画像658bを合成して、右打ち指示表示658として表示してもよい。
本実施形態において、特殊態様の右打ち指示表示658は、通常態様の右打ち指示表示657と相似する形状であり大きさだけが異なるが、これに限られない、右打ち指示表示657と相似しない異なる形状であってもよい。また、特殊態様の右打ち指示表示658は、通常態様の右打ち指示表示657と形状が同じで色だけが異なってもよい。
なお、右打ちが推奨(指示)されているにもかかわらず遊技者が左打ちを行っている場合には、特殊態様の右打ち指示表示658によって遊技者により強く右打ちを推奨(指示)する。従って、特殊態様の右打ち指示表示658は、通常態様の右打ち指示表示657よりも大きく目立つように表示される。また、通常態様の右打ち指示表示657(第1の画像)と通常態様の右打ち指示表示657よりも大きい特殊態様の右打ち指示表示658(第2の画像)の両方によって、遊技者により強く右打ちを推奨(指示)できる。
また、(エ9)において、確変状態を示すモード表示645「確率変動モード」に変化はない。また、右打ち指示表示657の表示態様(表示位置と形態)にも変化はなく、文字を示す文字画像657a「右打ち」と矢印の図形を示す図形画像657b「⇒」の両方が、同じ右上の隅の位置に継続して表示される。しかし、特殊態様の右打ち指示表示658が表示されるような所定条件下(所定の場合)では、通常態様の右打ち指示表示657は、邪魔にならないように或は表示画面の演出の領域を確保するために、矢印の図形を示す図形画像657b「⇒」だけが表示画面に表示されてよい。
次に、(エ10)では、特殊態様の右打ち指示表示658が表示画面の中央の位置に所定の期間だけ表示された後に消去されている。また、ここでは、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)への入賞によって保留(第2始動記憶)が発生して、この保留に対応する保留表示633が発生するが、保留表示633に対して保留変化予告(先読み演出)が実行され、通常の態様(例えば白色)から大当りの期待度が高いことを示唆する示唆態様(例えば緑色)に変化した保留表示633bが表示されている。なお、保留変化予告は、保留に係る特図変動表示ゲームの大当りの期待度が高い場合に、先読み変動系コマンド処理(図41)のステップB1716の処理によって実行される。
また、(エ10)では、示唆態様に変化して保留の期待度(信頼度)が高いことに対応して、演出制御装置300は、モード表示645「確率変動モード」の表示態様(形状と大きさ、色)を通常態様から特殊態様に変化させるが、右打ち指示表示657の表示態様(表示位置と形態)は維持される。このように、大当りの期待度に応じて、モード表示645が変化するため、遊技の興趣が高まる。
なお、保留の期待度の代わりに、現在実行中の特図変動表示ゲームの大当りの期待度が高いことに対応して、モード表示645「確率変動モード」の表示態様を変化させてもよい。
続いて、(エ11)では、SPリーチが発生してSPリーチ演出(所定の演出)が画面の中央の位置で実行される。SPリーチ演出の演出表示領域の確保のため、モード表示645「確率変動モード」は非表示となる。これにより、SPリーチ演出が、表示画面の広い領域で実行できるため、遊技の興趣が高まる。
その後、何回かの特図変動表示ゲームが実行されることによって、(エ12)では、確変状態の開始から確変状態の継続回数分(例えば50回)の特図変動表示ゲームが実行されたため、確変状態が終了し、「確率変動モード終了」と表示される。なお、本例では、遊技機10はST機としている。
以上のように、特別遊技状態及びその後の時短/確変状態(特定遊技状態)を通して、右打ち指示表示657(第1表示)の表示態様(表示位置と形態)に変化はなく、常に一定の表示態様で継続して表示される。一方、確変状態であることを示すことによって遊技者に右打ちを推奨するモード表示645(第2表示)は、(エ7)(エ10)のように状況に応じて表示態様が変化したり、(エ11)のように非表示の状態に切り換えられ断続的に表示されてもよい。
なお、特別遊技状態及びその後の時短/確変状態を通して、右打ち指示表示657は、常に一定の表示態様でなくてもよく、時間経過とともに徐々に薄く表示されたり、表示位置が変化してもよい。また、時短/確変状態において遊技者が遊技を止めて休憩するような事態を防止するために、保留表示633と変動中保留表示633aの両方が消えた場合に、モード表示645(第2表示)を点滅させるなどして、遊技を行うよう催促してもい。
その後、図108Cの(エ13)では、確変状態に代わって通常遊技状態が開始して、推奨される打ち方が右打ちから左打ちに変化する。通常遊技状態の開始時に、遊技制御装置100は、左打ち指示報知コマンドを送信してよい。演出制御装置300は、左打ち指示報知コマンドを受信すると(図106のB1334)、打ち方指示受信時処理(図107)のステップB3704の処理によって、打ち方指示表示としての左打ち指示表示659を表示画面の中央の位置に所定の期間だけ表示する。左打ち指示表示659(第3表示、第3の画像)は、通常態様の右打ち指示表示657(第1の画像)よりも大きいが、特殊態様の右打ち指示表示658(第2の画像)と略同一の大きさである。従って、左打ち指示表示659は、大きく目立つように表示される。左打ち指示表示659は、飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄よりも優先して前面側に表示される。
左打ち指示表示659の全体の画像は、文字を示す文字画像659a「左打ち」と矢印の図形(又は記号)を示す図形画像659bが組み合わされたもので、演出制御装置300の画像ROM325に記憶されている。又は、左打ち指示表示659を表示するときに、画像ROM325に記憶されている文字画像659aと図形画像659bを合成して、左打ち指示表示659として表示してもよい。
また、(エ13)では、実行前の特図変動表示ゲームに係る保留に対応して保留表示633が保留表示部630aに1つ表示されている。保留表示部630aは、第1始動記憶に対応する保留表示633(始動記憶表示)を表示する。実行中の特図変動表示ゲームに係る保留を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。さらに、特図1保留数表示650は、現在の特図1保留(第1始動記憶)の数「1」を表示し、特図2保留数表示660は、現在の特図2保留(第2始動記憶)の数「0」を表示する。
その後、(エ14)では、飾り特図変動表示ゲームが実行中である。
そして、(エ15)では、左打ちが推奨される通常遊技状態にもかかわらず、遊技者が右打ちを行っている。そして、右領域を流下して普図始動ゲート34(第1所定領域)へ遊技球の通過があったことにより、遊技制御装置100からの左打ち指示報知コマンド(A7703)が、演出制御装置300で受信される(図106のB1334)。そして、打ち方指示受信時処理(図107)のステップB3704の処理によって、左打ち指示表示659が表示画面の中央の位置に所定の期間だけ表示される。ここでも、左打ち指示表示659(第3表示、第3の画像)は、通常態様の右打ち指示表示657(第1の画像)よりも大きいが、特殊態様の右打ち指示表示658(第2の画像)と略同一の大きさである。従って、特殊態様の右打ち指示表示658は、大きく目立つように表示される。
次に、(エ16)では、所定の期間だけ表示された左打ち指示表示659(第3表示)が消去されている。
以上説明した画面遷移において、(エ3)の大当り状態の開始時において、遊技制御装置100から右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、(エ9)と同様に、演出制御装置300は、特殊態様の右打ち指示表示658を表示してもよい。
[第12実施形態の作用・効果]
第12実施形態によると、遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。遊技機10は、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば大当り状態)及び特定遊技状態(時短/確変状態)を発生可能である。また、遊技機10は、特別遊技状態及び特定遊技状態において遊技球を発射することが推奨される第1遊技領域(遊技領域32の右領域)と、通常遊技状態において遊技球を発射することが推奨される第2遊技領域(遊技領域32の左領域)と、を備える。演出制御手段は、第1遊技領域に遊技球を発射することを遊技者に推奨する表示として、第1表示(右打ち指示表示)と第2表示(モード表示)とを表示装置41に表示可能である。演出制御手段は、第1表示(右打ち指示表示)を、特別遊技状態、及び、特別遊技状態後に移行する特定遊技状態において継続して表示する。演出制御手段は、第2表示(モード表示)を、特別遊技状態の終了時から、又は、特定遊技状態の開始時から、又は、特定遊技状態の途中から表示する。
このような遊技機10によると、第1表示(右打ち指示表示)と第2表示(モード表示)によって、右打ちの報知を確実に実行できるとともに、特別遊技状態の終了時、又は、特定遊技状態の開始時、又は、特定遊技状態の途中以降の適切な期間に第2表示(モード表示)を表示できる。このため、遊技の興趣を向上できる。
また、第12実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1の画像(通常態様の右打ち指示表示657)、及び、当該第1の画像より大きい第2の画像(特殊態様の右打ち指示表示658)によって、第1表示(右打ち指示表示)を表示装置41に表示可能である。さらに、演出制御手段は、第1の画像よりも大きい第3の画像によって、第2遊技領域に遊技球を発射することを遊技者に推奨する第3表示(左打ち指示表示)を表示装置41に表示可能である。
従って、第1の画像(通常態様の右打ち指示表示657)と第1の画像よりも大きい第2の画像(特殊態様の右打ち指示表示658)の両方によって、遊技者に第1遊技領域(右領域)に遊技球を発射することを遊技者に強く推奨(指示)できる。また、第3表示(左打ち指示表示)を表示装置41に大きく目立つように表示できる。
また、第12実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、通常遊技状態において、第1遊技領域(右領域)を流下して第1所定領域(普図始動ゲート34)に遊技球の通過があった場合に、第3表示(左打ち指示表示)を表示装置41に表示可能である。演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態又は特定遊技状態において、第2遊技領域(左領域)を流下して第2所定領域(始動入賞口36)に遊技球の通過があった場合に、第1表示(右打ち指示表示)を表示装置41に表示可能である。従って、第1遊技領域と第2遊技領域のうち現在の遊技状態において推奨されない遊技領域に向けて、遊技球が発射された場合に、警告として第1表示(右打ち指示表示)又は第3表示(左打ち指示表示)を表示できる。
[第13実施形態]
図109から図117を参照して、第13実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第12実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第12実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第13実施形態は、一の情報を執拗に報知する執拗報知演出に関するものである。執拗報知演出は、演出制御装置300の制御によって表示装置41等の表示装置(表示装置41以外のサブ表示装置でもよい)において実行される。本実施形態では、特に、前述の第12実施形態の打ち方の情報を一の情報の例とし、打ち方の情報を報知する打ち方報知の演出を執拗報知演出の例として説明する。
本実施形態で例に挙げる打ち方報知は、特に、推奨される打ち方と異なる打ち方を遊技者が実行する場合に表示される打ち方指示表示(図108Bの(エ9)、図108Cの(エ15)参照)、又は、遊技状態が変化して推奨される打ち方が変化する場合に表示される打ち方指示表示(例えば図108Bの(エ13)参照)である。
以下では、打ち方指示表示のうち特殊態様の右打ち指示表示658によって、右打ちを推奨するための右打ちの情報を報知する執拗報知演出について説明する。下記のように、執拗報知演出の態様は、複数のパラメータによって特徴付けられる。
〔画像自体の形態(第1パラメータ)〕
図109は、右打ち指示表示658による執拗報知演出の演出態様を規定して特徴付ける第1パラメータ(第1因子)として、右打ち指示表示658の画像自体の形態を例示する図である。ここで、形態とは、形状、模様、及び、色彩を含む。第1パラメータとしての画像自体の形態によって、右打ち指示表示658全体の画像を遊技者に印象付けることができる。
図109の(A)(B)(C)は、それぞれ、右打ち指示表示658の画像の形態の一例を示す。(A)(B)(C)は、特に形状が異なっているが、色や模様が異なってもよい。なお、演出制御装置300は、画像ROM325に記憶された一定の形態の右打ち指示表示658の画像((A)(B)(C)のいずれか一つ)を使用するだけでなく、(A)(B)(C)のように互いに異なる形態を有する複数の右打ち指示表示658の画像を画像ROM325に記憶して適宜選択してもよい。
図109のように、右打ち指示表示658の画像は、「右打ち」という文字を示す文字画像658aと矢印を示す図形画像658bに加えて、枠の図形を示す枠画像658cから構成される。図形画像658bに形状的に適合した枠画像658cは、図形画像658bの外周に接して図形画像658bを囲む。このため、図形画像658bと枠画像658cは一体化して表示される。なお、枠画像658cは、これに限られず、文字画像658a及び/又は図形画像658bを囲むような他の形状を有してもよい(後述の図113(B1)−(B3)参照)。なお、文字画像658a、図形画像658b、及び、枠画像658cを、それぞれ、第1画像、第2画像、及び、第3画像と呼んでよい。
文字画像658a、図形画像658b、及び、枠画像658cの色は、多色(複数色)でも単色でもよいが、本実施形態では多色の場合を示す。多色の場合、各画像は場所によって異なる複数の色で塗られている。また、文字画像658a、図形画像658b、及び、枠画像658cは、所定の模様を有してもよい。
〔色変化(第2パラメータ)〕
図110は、右打ち指示表示658による執拗報知演出の演出態様を規定して特徴付ける第2パラメータ(第2因子)として、右打ち指示表示658の内部の色変化を例示する図である。ここで、色変化とは、色の時間的な変化である。第2パラメータとしての色変化によって、右打ち指示表示658全体の画像を遊技者に印象付けることができる。
演出制御装置300は、表示装置41の表示画面における右打ち指示表示658の内部の色を時間的に変化させることができるが、動画(ムービー、アニメーション)として、右打ち指示表示658の内部の色を時間的に変化させてもよい。
図110Aの(A1)から(A3)は、右打ち指示表示658の画像のうち文字画像658aの色の時間変化を示し、時間の経過とともに(A1)→(A2)→(A3)のように文字画像658aの各部の色が変化していく。文字画像658aの内部は、多色(複数の色)で塗られており、縦縞で示す青色領域661A、斜め縞で示す緑色領域661B、格子縞で示す黄色領域661C、網目状の縞で示す赤色領域661Dが存在している。各色領域は、表示画面の横方向(左右方向)に並べられているが、縦方向(上下方向)や斜め方向に並べられてもよい。
図110Aの(A1)では、左から青色領域661A、緑色領域661B、黄色領域661C、赤色領域661Dが配置され、(A2)では、中央に青色領域661Aが広がり、左右方向外側に向けて、緑色領域661B、黄色領域661C、赤色領域661Dが配置され、(A3)では、(A1)とは逆に、左から赤色領域661D、黄色領域661C、緑色領域661B、青色領域661Aが配置される。
図110Aの(B1)から(B3)は、右打ち指示表示658の画像のうち図形画像658bの色の時間変化を示し、時間の経過とともに(B1)→(B2)→(B3)のように図形画像658bの各部の色が変化していく。図形画像658bの内部は、多色(複数の色)で塗られており、縦縞で示す青色領域661A、斜め縞で示す緑色領域661B、格子縞で示す黄色領域661C、網目状の縞で示す赤色領域661Dが存在している。
図110Aの(B1)では、左から赤色領域663D、黄色領域663C、緑色領域663B、青色領域663Aが配置され、(B2)では、中央に青色領域663Aが広がり、左右方向外側に向けて、緑色領域663B、黄色領域663C、赤色領域663Dが配置され、(B3)では、(B1)とは逆に、左から青色領域663A、緑色領域663B、黄色領域663C、赤色領域663Dが配置される。
図110Aでは、文字画像658aと図形画像658bの各部の色が、様々な態様で時間的に変化する。例えば、文字画像658aの文字「打」の左側の部分(手偏部分)では緑→青→黄へ、文字「打」の右側の部分(「丁」)では黄→青→緑へ時間的に変化する。
なお、より単純に、図110Bの(A1)から(A3)ように、青色領域661A、緑色領域661B、黄色領域661C、赤色領域661Dが流れるように右側に移動していくようにして、文字画像658aの色の流れる方向によって右打ちの情報を報知してもよい。また、同様に、図110Bの(B1)から(B3)のように、赤色領域661D、黄色領域661C、緑色領域661B、青色領域661Aが流れるように右側に移動していくようにして、図形画像658bの色の流れる方向によって右打ちの情報を報知してもよい。
なお、図示する都合上、図110では、青色領域663A、緑色領域663B、黄色領域663C、赤色領域663Dが明確な境界で区切られて配置されるが、図111のように、色が明確な境界をもたずに、色相環に従って徐々に左右方向に(空間的に)変化するようにしてもよい。なお、図111の(A1)から(A3)と(B1)から(B3)は、各々、図110の(A1)から(A3)と(B1)から(B3)に対応する。
図111は、文字画像658aと図形画像658bにおいて、色相環に従って色が徐々に左右方向に(空間的に)変化するように配置される例である。図111において、濃い部分が赤系の色であり、薄い部分が青系の色である。例えば、図111において、黄色と赤色の間にオレンジ色が現れ、緑色と黄色の間に黄緑色が現れる。図111では、(A1)→(A2)→(A3)のように、文字画像658aの内部の色が時間的に変化する。また、図111では、(B1)→(B2)→(B3)のように、図形画像658bの内部の色が時間的に変化する。
また、図110と図111の(A1)から(A3)や(B1)から(B3)の色の時間変化はあくまで一例であって、これに限られるものでない。例えば、文字画像658aと図形画像658bが多色ではなく単色で塗られる場合には、文字画像658aと図形画像658bの全体の色(一色)が、色相環に従って徐々に時間的に変化するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、枠画像658cの色は時間的に変化しないが、文字画像658aと図形画像658bと同様に、時間的に変化してもよい。例えば、枠画像658cの部分とこれに対抗する(接する)図形画像658bの部分が、異なる色か同じ色で時間的に変化してもよい。また、本実施形態では、枠画像658cの色は、単色(例えば白)であるが、多色であってもよい。
〔表示位置変化(第3パラメータ、移動)〕
図112は、右打ち指示表示658による執拗報知演出の演出態様を規定して特徴付ける第3パラメータ(第3因子)として、表示装置41の表示画面における右打ち指示表示658の表示位置の変化、即ち、右打ち指示表示658の移動を例示する図である。第3パラメータとしての表示位置変化(移動)によって、右打ち指示表示658全体の画像を遊技者に印象付けることができる。
演出制御装置300は、表示装置41の表示画面における右打ち指示表示658の表示位置を変化させ、右打ち指示表示658を移動することができる。演出制御装置300は、動画(ムービー、アニメーション)として、右打ち指示表示658を移動させてもよい。
図112において、文字画像658aと図形画像658bと枠画像658cからなる右打ち指示表示658の全体は、表示装置41の表示画面内を移動して、右打ち指示表示658の表示位置が時間的に変化する。右打ち指示表示658の移動方向は、右打ちを報知(指示、推奨、案内)するために、右側へと向かう右方向である。
なお、文字画像658aと図形画像658bと枠画像658cの右打ち指示表示658内における互いの配置(相対的な位置)は、右打ち指示表示658が移動しても固定されている。即ち、文字画像658aと図形画像658bと枠画像658cは、一体として移動する。右打ち指示表示658内において、文字画像658aは、一体化した図形画像658bと枠画像658cよりも、右側に配置される。なお、遊技の興趣向上のために、右打ち指示表示658内における文字画像658aと図形画像658bと枠画像658cの配置(相対的な位置)が時間的に変化して、右打ち指示表示658の移動とともに変化する構成も可能である。
まず、図112の(オ1)において、まず、文字画像658a「右打ち」が、表示画面に左端の位置から出現して右側に移動する。文字画像658a(第1画像)の画像自体の形態(第1パラメータ)、色変化(第2パラメータ)、及び、表示位置変化(第3パラメータ)によって、右打ちの情報が印象付けて遊技者に報知される。
次に、(オ2)において、一体に結合した図形画像658b(第2画像)と枠画像658c(第3画像)が左端の位置から出現して右側に移動する。図形画像658bの画像自体の形態、色変化、及び、表示位置変化によって、右打ちの情報が印象付けて遊技者に報知される。枠画像658cの画像自体の形態、及び、表示位置変化によって、右打ちの情報が印象付けて遊技者に報知される。なお、枠画像658cの色変化によって、右打ちの情報が印象付けて遊技者に報知されてもよい。
なお、図形画像658b(第2画像)又は枠画像658c(第3画像)の画像自体の形態、色変化、及び、表示位置変化によって、右打ちの情報が遊技者に報知されれば、文字情報としての文字画像658aに加えて、一体に結合した図形画像658bと枠画像658cの一つの矢印によって確実に右打ちの情報を報知できる。
次に、(オ3)において、右方向に移動した文字画像658a「右打ち」が、表示画面に右端の位置に達して、表示画面から消えていく。また、その後、右方向に移動した図形画像658bと枠画像658cも右端の位置に達して、表示画面から消えていくことになる。
また、(オ1)から(オ3)において、演出制御装置300は、右打ち指示表示658による執拗報知演出と独立して右打ちの情報を報知する右打ち指示表示665を、執拗報知演出と同時に表示装置41に表示する。右打ち指示表示665(第4画像)は、画像自体の形態(第1パラメータ)のみによって、一の情報としての右打ちの情報を遊技者に報知する。図114において、右打ち指示表示665は、矢印を示す図形画像(第4画像)であるが、文字(例えば「右打ち」)を示す文字画像でもよい。
右打ち指示表示665(第2右打ち指示表示)は、右打ち指示表示658(第1右打ち指示表示)と異なり、移動せず表示される位置が固定されており、色変化もしないことから、右打ち指示表示658の複数のパラメータによる執拗報知演出と独立して右打ちの情報を目立たずに報知することになる。また、右打ち指示表示665は、右打ち指示表示658よりも小さいので目立たない。右打ち指示表示665は、第12実施形態における通常態様の右打ち指示表示657と同じく、特別遊技状態、及び/又は、特別遊技状態後に移行する時短/確変状態(特定遊技状態)において、継続して表示されるものでもよい。即ち、右打ち指示表示665は、右打ち指示表示658と同時に表示可能であるだけでなく、右打ち指示表示658とは異なる状況でも表示可能であるため、右打ち指示表示658よりも長期間に亘って表示可能であり、その分右打ち指示表示658よりも小さく目立たなくなっている。右打ち指示表示665は、右打ち指示表示658と同等の大きさにして、薄く表示することによって目立たなくしてもよい。
また、(オ1)から(オ3)において、図形画像658b及び枠画像658cに対して移動可能なエフェクト画像658dが、枠画像658c上に付加されているが、エフェクト画像658dについては後述する。
〔エフェクト付加(第4パラメータ、強調)〕
図113は、右打ち指示表示658による執拗報知演出の演出態様を規定して特徴付ける第4パラメータ(第4因子)として、右打ち指示表示658(ここでは枠画像658c)に対するエフェクト画像658dの付加を例示する図である。第4パラメータとしてのエフェクト付加(エフェクト画像658dの付加)によって、右打ち指示表示658を遊技者に印象付けることができる。
演出制御装置300は、エフェクト画像658dの表示位置を変化させて移動することができる。演出制御装置300は、動画(ムービー、アニメーション)として、エフェクト画像658dを移動させてもよい。
図113の(A1)から(A3)のように、エフェクト画像658dは、時間の経過とともに(A1)→(A2)→(A3)のように図形画像658b及び枠画像658cに対して相対的に右方向へ移動することによって、右打ちの情報を報知する。また、エフェクト画像658dの移動によって、図形画像658b及び枠画像658cの一体的な矢印を強調することができ、図形画像658b及び枠画像658cによる右打ちの情報を強調的に報知できる。エフェクト画像658dは、枠画像658c上を移動し、枠画像658cの右端まで移動した後、再度、左端から右方向への移動を開始してよい。
また、エフェクト画像658dの他の例として、図113の(B1)から(B3)のような、文字画像658aを隙間を有して取り囲む枠画像658c上をエフェクト画像658dが右方向に移動するようにしてもよい。エフェクト画像658dの形状は一定でなく時間的に変化してもよい。エフェクト画像658dは、時間の経過とともに(B1)→(B2)→(B3)のように文字画像658a及び枠画像658cに対して相対的に右方向へ移動することによって、右打ちの情報を報知する。
〔各パラメータの有無の例〕
図114は、右打ち指示表示による報知演出の演出態様を規定して特徴付ける各パラメータ(各因子)の有無を例示する図である。各パラメータ(各因子)によって、報知演出を遊技者に印象付けることができる。
前述したように、第1画像(文字画像658a)、第2画像(図形画像658b)、及び、第3画像(枠画像658c)の複数の画像からなる右打ち指示表示658による第1報知演出(即ち執拗報知演出)は、各画像の第1パラメータ(画像自体の形態)、第2パラメータ(色変化)、第3パラメータ(表示位置変化)、及び、第4パラメータ(エフェクト付加)によって、右打ちを推奨するための右打ちの情報を遊技者に執拗に報知可能である。第1報知演出(即ち執拗報知演出)は、少なくとも2以上の複数のパラメータによって特徴付けられる。一方、第4画像(図形画像)のみからなる右打ち指示表示665による第2報知演出は、第1パラメータ(画像自体の形態)のみによって、右打ちの情報を遊技者に報知する。
図114の例では、前述のように、第1画像(文字画像658a)と第2画像(図形画像658b)の演出は、第1パラメータ、第2パラメータ、及び、第3パラメータによって特徴付けられる。第3画像(枠画像658c)の演出は、第1パラメータ、第3パラメータ、及び、第4パラメータによって特徴付けられる。
なお、第1画像と第2画像の演出が、第4パラメータ(エフェクトの付加)によっても特徴付けられてよいし、第3画像の演出が、第2パラメータ(色変化)によっても特徴付けられてよい。
図115の別例では、第1画像(文字画像658a)の演出は、第1パラメータ、第2パラメータ、及び、第4パラメータによって特徴付けられる。第2画像(図形画像658b)の演出は、第1パラメータ、及び、第3パラメータによって特徴付けられる。第3画像(枠画像658c)の演出は、第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータ、及び、第4パラメータによって特徴付けられる。第1報知演出(即ち執拗報知演出)は、少なくとも2以上の複数のパラメータによって特徴付けられる。
図114と図115に記載された第1パラメータから第4パラメータ以外に、執拗報知演出の演出態様を特徴付けるパラメータには、第5パラメータとして、スピーカからの音声の付加(「右打ちしてください」など)、第6パラメータとして、遊技盤30の右側などに配置される発光部材(盤演出装置44のLED)の発光、第7パラメータとして、各画像の濃淡の時間的な変化、第8パラメータとして、各画像の形状の時間的な変化(例えば、図109の(A)→(B)→(C)の変化)があってもよい。また、各画像の色の空間的な変化自体や濃淡の空間的な変化自体をパラメータとみなすこともできる。
〔執拗報知演出の変形例〕
図116は、右打ち指示表示658による執拗報知演出の演出態様の変形例を示す画面遷移図である。図116では、文字画像658aと図形画像658bの各部の色が、色相環の同じ方向に時間的に変化するようにしてもよい。例えば、文字画像658aと図形画像658bの各部の色が、色相環の一方向(・・・赤→青→緑→黄→赤→青→緑→・・・)のように時間的に変化してもよい。
図116では、表示装置41の表示画面を、横方向(左右方向)に、青領域41A、緑領域41B、黄領域41C、赤領域41Dに分割して設定しておく。そして、移動する文字画像658aと図形画像658bにおいて、青領域41Aと重なる部分を青色で塗られる青色領域661Aにし、緑領域41Bと重なる部分を緑色で塗られる緑色領域661Bにし、黄領域41Cと重なる部分を黄色で塗られる黄色領域661Cにし、赤領域41Dと重なる部分を赤色で塗られる赤色領域661Dにする。このようにすると、文字画像658aと図形画像658bの移動によって、文字画像658aと図形画像658bの各部の色が、色相環の一方向(・・・赤→青→緑→黄→赤→青→緑→・・・)のように時間的に変化する。
また、エフェクト画像658dは、表示画面において縦方向の中央線の位置に常に表示されてもよい。このようにしても、枠画像658cの移動によって、エフェクト画像658dは、図形画像658b及び枠画像658cに対して相対的に移動して、図形画像658b及び枠画像658cの右打ちの情報を強調して表示できる。ただし、エフェクト画像658d自体は、図形画像658b及び枠画像658cに対して相対的に左方向に移動するため、右打ちの情報は報知できない。
〔左打ち指示表示〕
図109から図113において、右打ち指示表示658による執拗報知演出の演出態様を説明したが、図117の画面遷移図のように、右打ち指示表示658と同様に、左打ち指示表示659によって左打ち情報の執拗報知演出を実行してもよい。
図117(キ1)から(キ3)では、第1画像(文字画像659a)、第2画像(図形画像659b)、及び、第3画像(枠画像659c)の複数の画像からなる左打ち指示表示659による第1報知演出(即ち執拗報知演出)は、各画像の第1パラメータ(画像自体の形態)、第2パラメータ(色変化)、第3パラメータ(表示位置変化)、及び、第4パラメータ(エフェクト付加)によって、左打ちを推奨するための左打ちの情報を遊技者に執拗に報知可能である。一方、第4画像(図形画像)のみからなる左打ち指示表示667による第2報知演出は、第1パラメータ(画像自体の形態)のみによって、左打ちの情報を遊技者に報知する。
なお、左打ちの状態(通常遊技状態)は、右打ちの状態(確変状態等)より遊技者にとって不利であるため、左打ち指示表示659は、右打ち指示表示658とは異なる態様であってもよい。例えば、左打ち指示表示659は、右打ち指示表示658とは色が異なってよい。左打ち指示表示659はグレーなど地味な色で空間的及び時間的に変化させてよいし、色を単色にして空間的及び時間的に変化させないようにしていよい(第2パラメータなし)。また、左打ち指示表示659では、エフェクトの付加をなくしてもよい(第4パラメータなし)。
以上のように、執拗報知演出について説明したが、本実施形態の執拗報知演出は、打ち方以外の情報の報知する場合にも適用可能である。打ち方以外の情報の報知として、例えば、演出ボタン25の操作指示の報知や、飾り特別図柄の仮停止の報知(リーチの報知)、大当り発生の報知(ファンファーレ)や、大当り中のラウンドの報知などがある。演出ボタン25の操作指示の報知は、例えば、「ボタンを押せ」などの文字画像と操作ボタンを模した図形画像とによる報知である。飾り特別図柄の仮停止の報知は、例えば、「リーチ」の文字画像などによる報知である。大当り発生の報知は、例えば、「大当り」の文字画像などによる報知である。ラウンドの報知は、「1ラウンド」「3ラウンド」などの文字画像による報知である。
[第13実施形態の作用・効果]
第13実施形態によると、遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、少なくとも第1パラメータ(例えば画像自体の形態)によって特徴付けられる第1画像(例えば文字画像658a)、第2画像(例えば図形画像658b)、及び、第3画像(例えば枠画像658c)を表示装置41に表示することによって、一の情報(例えば右打ちの情報)を執拗に報知する執拗報知演出を実行可能である。第1画像、第2画像、及び、第3画像の少なくとも一つは、第1パラメータに加えて、第2パラメータ(例えば色変化)及び第3パラメータ(例えば表示位置変化)によって特徴付けられる。第1パラメータ、第2パラメータ、及び、第3パラメータによって、遊技者に一の情報(例えば右打ちの情報)を報知可能である。
このような遊技機10によると、3つの画像と3つのパラメータを使用する執拗報知演出によって、一の情報をわかりやすく表示装置41に表示(報知)して遊技者に印象付けることができる。例えば、一の情報を前面側(上層のレイヤ)に優先して表示しても、背景が激しく切り替わると見え難くなる事態が発生するおそれがあるが、このような事態を防止することができる。また、初心者である遊技者や所定の言語(日本語)を母国語としない遊技者にも、3つの画像と3つのパラメータを使用する執拗報知演出によって、わかりやすく一の情報を表示装置41に表示(報知)して印象付けることができる。また、3つの画像と3つのパラメータによって、執拗報知演出が賑やかになり、遊技の興趣が高まる。
第13実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1画像の第1パラメータ、第2パラメータ、及び、第3パラメータによって、遊技者に一の情報を報知した後、第2画像又は第3画像の第1パラメータ、第2パラメータ、及び、第3パラメータによって、遊技者に一の情報を報知可能である。従って、3つのパラメータによって、何度も執拗報知演出を印象付けることができる。
第13実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、執拗報知演出と独立して一の情報を報知する第4画像(例えば右打ち指示表示665の画像)を、執拗報知演出と同時に表示装置41に表示可能である。第4画像は、第1パラメータ(例えば画像自体の形態)によって遊技者に一の情報を報知する。従って、執拗報知演出に追加して第4画像の表示によって、一の情報をわかりやすく表示装置41に表示(報知)して遊技者に印象付けることができる。また、第4画像によって常に一の情報(例えば右打ちの情報)を報知しておき、報知する必要性が増した特殊な状況(例えば右打ちが推奨される遊技状態で左打ちしたような状況)においてのみ執拗報知演出を実行して一の情報(例えば右打ちの情報)を強調して報知するような柔軟な報知が可能となる。
第13実施形態によると、第1画像、第2画像、及び、第3画像の少なくとも一つは、第1パラメータ、第2パラメータ、及び、第3パラメータに加えて、第4パラメータ(例えばエフェクトの付加)によって特徴付けられる。演出制御手段は、第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータ、及び、第4パラメータによって、遊技者に一の情報を報知可能である。従って、一の情報をより強調して報知する執拗報知演出が実行できるとともに、執拗報知演出がさらに賑やかになり、遊技の興趣が向上する。
第13実施形態によると、第1パラメータは各画像自体の形態であり、第2パラメータは各画像の色変化であり、第3パラメータは表示装置41における各画像の表示位置の変化であり、第4パラメータはエフェクトの付加である。従って、執拗報知演出自体の見た目が賑やかになり、遊技の興趣が向上する。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)識別情報を変動させる変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段を備える遊技機において、前記表示装置の前方で所定の動作を実行可能な可動役物と、前記表示装置の前方で所定の発光演出を実行可能な発光演出手段と、を備え、前記演出制御手段は、当該遊技機に電源が投入されることで、前記可動役物及び前記発光演出手段の初期動作を実行可能であり、前記可動役物の初期動作中には、前記発光演出手段の発光演出及び初期動作を実行しないことを特徴とする遊技機。
(2)発光演出手段は、端部からの光の照射に基づき所定の模様が浮かび上がる導光板と、前記導光板の対面と対向するように当該導光板の前記端部に配設され、当該導光板に光を照射可能な照射手段と、を有し、前記演出制御手段は、前記可動役物の初期動作中には、前記照射手段に光を照射させないことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記発光演出手段は、前記可動役物に設置された発光源であることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(1)の発明によれば、遊技に係る演出を行う複数の部材として可動役物(内部役物44c、44d)及び発光演出手段(導光板251とその発光部材、或は、内部役物44c、44dの発光部材)について初期動作を確認し易い態様にできるので、効率的にメンテナンスを行うことができる。
(2)の発明によれば、遊技場管理者等は、導光板251と可動役物との初期動作を別々に確認できるので、効率的にメンテナンスを行うことができる。
(3)の発明によれば、可動役物そのものの動作と、可動役物の発光演出手段の発光動作とをそれぞれ別々に初期動作として確認できるので、上記同様に効率的にメンテナンスを行うことができる。