JP6366776B1 - 発泡シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】厚さが0.05〜0.5mmであり、見かけの密度が0.40〜0.90g/cm3であり、動的粘弾性測定における周波数1Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ;23℃)が0.4以上である、発泡体で構成されている発泡シート1。前記発泡体のガラス転移温度が5〜40℃であることが好ましい、発泡シート1。前記発泡体が、エマルジョン樹脂組成物を発泡及び硬化させることにより、形成されたものが好ましく、前記エマルジョン樹脂組成物が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、又はEVA系樹脂の1つ以上の樹脂材料を含むことが好ましい、発泡シート1。好ましくは発泡体が基材2上にシート状に形成された発泡シート1。
【選択図】図1
Description
厚さが0.05mm以上0.5mm以下であり、
見かけの密度が0.40g/cm3以上0.90g/cm3以下であり、
動的粘弾性測定における周波数1Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ;23℃)が0.4以上である、
発泡体で構成されている発泡シートである。
本発明(2)は、
前記発泡体のガラス転移温度が、5℃以上40℃以下である前記発明(1)の発泡シートである。
本発明(3)は、
振り子型衝撃吸収試験機による点衝撃吸収試験(前記発泡体に振り子を直接衝突させる試験であり、23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度30°の条件による)において、点衝撃吸収率が15%以上(点衝撃吸収率は下式(1)で算出される)であり、かつ、振り子型衝撃吸収試験機による面衝撃吸収試験(前記発泡体に樹脂板を介して振り子を衝突させる試験であり、23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度160°の条件による)において、面衝撃吸収率が3%以上である(面衝撃吸収率は下式(2)で算出される)前記発明(1)、または、(2)の発泡シートである。
点衝撃吸収率(%)={(fp0−fp1)/fp0}×100 式(1)
(上記式(1)において、fp0は、前記発泡体を試料台に設置せずに衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fp1は、前記発泡体を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である)
面衝撃吸収率(%)={(fa0−fa1)/fa0}×100 式(2)
(上記式(2)において、fa0は、前記発泡体を試料台に設置せず、前記樹脂板のみを設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fa1は、前記発泡体を試料台に設置し、更に前記発泡体を介して前記樹脂板を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である)
本発明(4)は、
前記発泡体が、エマルジョン樹脂組成物を発泡及び硬化させることにより形成されたものである前記発明(1)から(3)のいずれかの発泡シートである。
本発明(5)は、
前記エマルジョン樹脂組成物が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)のうち少なくとも1つの樹脂材料を含む前記発明(4)の発泡シートである。
本発明(6)は、
前記発泡体が、基材上にシート状に形成された前記発明(1)から(5)のいずれかの発泡シートである。
本発明(7)は、
前記発泡体の片面または両面に粘着剤層が設けられた前記発明(1)から(6)のいずれかの発泡シートである。
本発明(8)は、
前記粘着剤層の表面に、さらに剥離ライナーが設けられた前記発明(7)の発泡シートである。
本発明(9)は、
前記発明(1)から(8)のいずれかの発泡シートを有する電子・電気機器部品である。
本発明(10)は、
前記発明(1)から(8)のいずれかの発泡シートを有する電子・電気機器である。
1.発泡シート
1−1.構造
2.各部
2−1.発泡体
2−1−1.原料
2−1−1−1.エマルジョンの種類
2−1−1−1−1.アクリル系エマルジョン
2−1−1−1−2.ウレタン系エマルジョン
2−1−1−1−3.スチレン系エマルジョン
2−1−1−1−4.エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン
2−1−1−2.エマルジョンの特性
2−1−1−2−1.粘度(mPa・s)
2−1−1−2−2.ガラス転移温度(℃)
2−1−1−2.分散媒
2−1−1−3.起泡剤(アニオン性界面活性剤)
2−1−1−4.両性界面活性剤
2−1−1−5.架橋剤(硬化剤)
2−1−1−6.水分散性樹脂分散用界面活性剤
2−1−2.組成
2−1−2−1.エマルジョン組成物中の配合比
2−1−3.製造方法
2−1−3−1.原料調製工程
2−1−3−2.発泡・硬化工程
2−1−3−3.発泡用気体
2−1−3−4.発泡方法、発泡条件
2−1−3−5.発泡体の形成
2−1−3−6.硬化
2−1−4.特性
2−2.基材
2−3.粘着剤層
2−4.剥離ライナー
3.発泡シートの用途・使用方法
1−1.構造
本発明に係る発泡シートは、厚さが0.05mm以上0.5mm以下であり、見かけの密度が0.40g/cm3以上0.90g/cm3以下であり、動的粘弾性測定における−80℃〜150℃の温度範囲を5℃/minで昇温し、周波数1Hzの条件で測定した貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ;23℃)が0.4以上である発泡体をシート状に形成されていることを特徴とする発泡シートである。なお、本明細書において、「発泡シートの厚さ」と記載した場合は、「シート状に形成された発泡体」の厚さを示し、粘着剤層、基材及び剥離ライナー等を含むその他の層の厚さを含まないものとする。
2−1.発泡体
2−1−1.原料
本発明に係る発泡体は、原料として、例えば、エマルジョン、起泡剤(アニオン性界面活性剤)、分散媒として水、架橋剤及びその他の添加剤等を含む(なお、発泡工程において用いられる発泡用の気体に関しては、発泡工程にて述べる)。
本発明に係る発泡体を製造する際に使用されるエマルジョン組成物のエマルジョン原料は特に限定されず、公知の方法で発泡体を形成できるエマルジョンであればよい。例えばアクリルエマルジョン、スチレンエマルジョン、ウレタンエマルジョン、及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、エポキシ系エマルジョン等が挙げられ、1つ、または、複数のエマルジョンを使用することができる。特にアクリルエマルジョン、スチレンエマルジョン、ウレタンエマルジョン、及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンから選択される1種以上のエマルジョンを用いることが好ましい。さらに、アクリル系エマルジョンを少なくとも用いることがより好ましい。また、ウレタンエマルジョンを用いることで、更に材料強度を付与することができ、被着体が粘着性のあるガラス等である場合には、特に好適である。また、得られるウレタン樹脂発泡体は柔軟性が優れ、圧縮残留歪みが低くなる。
アクリル樹脂の水分散体(アクリル系エマルジョン)の製法としては、重合開始剤、必要に応じて乳化剤及び分散安定剤の存在下に、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須の重合性単量体成分とし、更に必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なその他の重合性単量体の混合物を共重合させることにより得ることができる。尚、2種以上アクリル系エマルジョンを組み合わせて用いてもよい。
ウレタン樹脂の水分散体(ウレタンエマルジョン)の調製方法としては、下記方法(I)〜(III)が例示出来る。
(I)活性水素含有化合物、親水性基を有する化合物、及び、ポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液または有機溶剤分散液に、必要に応じ、中和剤を含む水溶液を混合し、ウレタン樹脂エマルジョンを得る方法。
(II)活性水素含有化合物、親水性基を有する化合物、及び、ポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤を含む水溶液と混合するか、または、予めプレポリマー中に中和剤を加え、水を混合して水に分散させた後、ポリアミンと反応させて、ウレタン樹脂エマルジョンを得る方法。
(III)活性水素含有化合物、親水性基を有する化合物、及び、ポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤及びポリアミンを含む水溶液と混合するか、または、予めプレポリマー中に中和剤を加えた後、ポリアミンを含む水溶液を添加混合し、ウレタン樹脂エマルジョンを得る方法。
スチレン樹脂の水分散体(スチレン系エマルジョン)の製法としては、重合開始剤、必要に応じて乳化剤及び分散安定剤の存在下に、例えば、スチレン系単量体を必須の重合性単量体成分とし、更に必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なその他の重合性単量体の混合物を共重合させることにより得ることができる。なお、2種以上スチレン系エマルジョンを組み合わせて用いてもよい。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの原料樹脂は、特に限定されるものではなく、例えばスチレン単独重合体、あるいはスチレンを50質量%以上含む共重合体が挙げられる。
より詳しくは、前記スチレン系モノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
また、このようなスチレン系モノマーと共重合体を形成するモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、セチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブタジエン、無水マレイン酸等が挙げられる。
エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンの製法としては、例えばポリビニルアルコール等を保護コロイドとし、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘導体や界面活性剤等を乳化分散剤として併用し、エチレンと酢酸ビニルモノマーとを乳化重合法により共重合して得ることができる。
本発明に用いられるエマルジョンの内、好適な態様であるアクリル系エマルジョン及びエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンの物性について以下説明する。
粘度は、ブルックフィールド粘度計(25℃)によって測定する。
ガラス転移温度は、動的粘弾性装置(Anton Paar社製:型式MCR302)にて、JIS−K7198に準拠した手順で−80℃〜150℃、5℃/minで昇温、周波数1Hzの条件で測定したtanδのピーク値を示す温度をガラス転移温度とする。
本形態において、エマルジョン組成物の分散媒としては、水を必須成分とするが、水と水溶性溶剤との混合物であってもよい。水溶性溶剤とは、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤等であり、これらの1種または2種以上の混合物等を使用してもよい。
アニオン性界面活性剤(起泡アニオン性界面活性剤)は、エマルジョン組成物の起泡剤として機能する。
本形態に係る発泡体は、アニオン性界面活性材に加えて、更に両性界面活性剤を用いることにより、気泡が微細かつ均一化する。
架橋剤(硬化剤)を用いることで、本形態に係る発泡体の強度を向上させることが可能となる。
本形態に係る水分散性樹脂分散用界面活性剤とは、水分散性樹脂を分散させるための界面活性剤である(アニオン性界面活性剤と異なり、起泡剤としての効果を有さずともよい)。このような界面活性剤は、選択する水分散性樹脂に応じて適宜選択すればよい。
液体媒体に対する、水分散性樹脂(固形分)の配合量としては、液体媒体100重量部に対して、30〜80重量部が好ましい。このような範囲とすることで、安定な発泡体を成形することができるという効果が得られる。なお、以下では本発明に係る発泡体の好適配合比について説明する。なお、以下の記載における配合量や配合比は、特記しない限り、固形分を基準とする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲にいうエマルジョンの「固形分」を構成する成分は、エマルジョンから分散媒を除いた成分である。具体的には、樹脂の他、界面活性剤やフィラー等を含有したものである。
本発明に係る発泡体の製造方法は、原料調製工程と、発泡・硬化工程(エマルジョンと起泡剤とを少なくとも含有するエマルジョン組成物を、メカニカルフロス法を用いて発泡させて発泡体を形成し、当該発泡体を硬化させる工程)と、を含む。前記エマルジョン組成物が、架橋剤を更に含有し、前記工程において、エネルギーを印加して前記エマルジョンを構成する樹脂を前記架橋剤を介して架橋させることにより、前記発泡体を硬化させてもよい。以下、それぞれの工程に関して詳述する。
原料調製工程では、以上説明したような各原料を混合することで、発泡体の原料混合物であるエマルジョン組成物を調製する。この際の混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、各成分を混合する混合タンク等の容器内で撹拌しながら混合すればよい。
発泡・硬化工程では、上記原料調製工程で得られたエマルジョン組成物に所定の発泡用気体を添加し、これらを充分に混合させてエマルジョン組成物中に気泡が多数存在する状態(発泡エマルジョン組成物)にする。この発泡・硬化工程は、通常は、原料調製工程で得られた液状の多孔質フォームの原料混合物と、発泡用気体とをミキシングヘッド等の混合装置により充分に混合することで実施される。
攪拌・発泡工程でエマルジョン組成物に混合される発泡用気体は、発泡体中の気泡(セル)を形成するものであり、この発泡用気体の混入量によって、得られる発泡体の発泡倍率及び密度が決まる。多孔質フォームの密度を調整するためには、所望の多孔質フォームの密度と、多孔質フォームの原料の体積(例えば、多孔質フォームの原料が注入される成形型の内容積)とから、必要な多孔質フォームの原料の重量を算出し、この重量において所望の体積となるように発泡用気体の量を決定すればよい。また、発泡用気体の種類としては、主に空気が使用されるが、その他にも、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを使用することもできる。
本発明に係る発泡体の調製方法で使用される発泡方法としては、メカニカルフロス(機械発泡)法を使用する。メカニカルフロス法は、エマルジョン組成物を攪拌羽根等で攪拌することにより、大気中の空気をエマルジョン組成物に混入させて発泡させる方法である。撹拌装置としては、メカニカルフロス法に一般に用いられる撹拌装置を特に制限なく使用可能であるが、例えば、ホモジナイザー、ディゾルバー、メカニカルフロス発泡機等を使用することができる。このメカニカルフロス法によれば、エマルジョン組成物と空気との混合割合を調節することによって、種々の用途に適した密度の多孔質フォームを得ることができる。その他の発泡方法を併用することも可能であるが、化学発泡剤を用いた発泡方法を併用すると、独立泡の割合が高くなることで、密度が大きくなり、多孔質フォームの柔軟性が失われるため、好ましくない。
以上のようにして発泡したエマルジョン組成物(発泡エマルジョン組成物)は、例えば、ドクターナイフ、ドクターロール等の公知の手段により、所望の厚みに合わせたシート状等の発泡体に形成される。
発泡体の硬化方法としては、公知の方法を用いることができる。本形態に係る発泡体は自己架橋をさせることもできるが、エネルギーを印加してエマルジョンを構成する樹脂を架橋剤を介して架橋させることにより、発泡体を硬化させてもよい。エネルギーを印加する工程としては特に限定されないが、例えば、加熱工程(熱架橋)が挙げられる。
前記発泡体の見かけの密度は、0.40g/cm3以上0.90g/cm3以下である。前記見かけの密度はJIS K7222に準じて測定できる。見かけの密度は発泡体の気泡の包含率の目安であり、見かけの密度が小さすぎると、気泡が多すぎるため衝撃吸収性能が低くなる。特に点衝撃吸収性能は著しく低下する。また見かけの密度が大きすぎると、気泡が少なすぎるため衝撃吸収性能が低下する。見かけの密度の下限値は、好ましくは0.41g/cm3、より好ましくは0.42g/cm3、さらに好ましくは0.43g/cm3であり、上限値は、好ましくは0.89g/cm3、より好ましくは0.88g/cm3、さらに好ましくは0.87g/cm3である。
また貯蔵弾性率は、粘弾性体である発泡体の弾性項を表すパラメータであり、加えられた変形エネルギー等を弾性エネルギーとして蓄えることができる能力を表す。一方、損失弾性率は、粘弾性体である発泡体の粘性項を表すパラメータであり、加えられた変形エネルギー等を発泡体内部の内部摩擦等によって散逸エネルギーとする能力を表す。また、損失正接は、損失弾性率/貯蔵弾性率で表され、発泡体が相対的に粘性的であるかという指標である。従って損失正接が大きい発泡体は相対的に粘性的であり、損失正接が小さい発泡体は相対的に粘性的ではなく、即ち弾性的となる。
点衝撃吸収性とは、振り子型衝撃吸収試験機による点衝撃吸収試験(前記発泡体に振り子を直接衝突させる試験であり、23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度30°の条件による)において、下式(1)により算出される値とする。
また、面衝撃吸収性とは、振り子型衝撃吸収試験機による面衝撃吸収試験(前記発泡体に樹脂板を介して振り子を衝突させる試験であり、23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度160°の条件による)において下式(2)により算出される値とする。
点衝撃吸収率(%)={(fp0−fp1)/fp0}×100 式(1)
(上記式(1)において、fp0は、前記発泡体を試料台に設置せずに衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fp1は、前記発泡体を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である)
面衝撃吸収率(%)={(fa0−fa1)/fa0}×100 式(2)
(上記式(2)において、fa0は、前記発泡体を試料台に設置せず、前記樹脂板のみを設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fa1は、前記発泡体を試料台に設置し、更に前記発泡体を介して前記樹脂板を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である)
基材の材質は、特に限定されず、公知の基材を用いることができる。例えば、樹脂フィルムや紙等を用いることができる。基材の厚さは、用途や設計要求等に合わせて選択することができ、例えば10μm以上100μm以下とすることができる。
前記粘着剤層の材質は、特に限定されず、公知の粘着剤を用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等から、被着体の種類、用途及び設計要求等に合わせて選択することができる。
本発明に係る発泡シートに前記粘着剤層を設けた場合には、粘着剤層の表面に、使用時まで粘着剤層を保護する剥離ライナーを、さらに設けることができる。剥離ライナーの材質や表面に塗布される剥離剤は特に限定されず、公知のものから選択できる。例えば材質としては樹脂フィルムや紙等が挙げられ、剥離剤としては、ジメチルシロキサン等が挙げられる。
本発明に係る発泡シートは、厚さが薄く、衝撃吸収性能が高いため、電子・電気機器内部の精密な電子・電気部品等を保護するための衝撃吸収シートとして用いることができる。特に、液晶パネル、有機ELパネルやタッチパネル等の薄く、面積の広い表示部品の保護に有用である。
また、本発明に係る発泡シートは、予め保護対象である電子・電気部品に貼り付けて用いることができる。そのようにすることで、前記電子・電気部品を組み立てる際に、作業性が向上する。
≪発泡体原料≫
まず、本実施例においては、発泡体の原料として下記の原料を使用した。
<水分散性樹脂>
アクリルエマルジョン1 :アクリル−シリコーン共重合体 固形分53%(サイデン化学社製:サイノビール)
アクリルエマルジョン2 :アクリル共重合体 固形分55%(ダウ・ケミカル社製:Acousticryl AV1331)
アクリルエマルジョン3 :アクリル共重合体 固形分45%(DIC社製:ボンコートED−85−E)
アクリルエマルジョン4 :アクリル共重合体 固形分60%(DIC社製:ボンコートAC−501)
アクリルエマルジョン5 :アクリル共重合体 固形分48%(日本カーバイド社製:ニカゾールRX−1033)
ウレタンエマルジョン1 :ポリエーテルカーボネート系ウレタンエマルジョン 固形分60%(住化コベストロ社製インプラニール)
アニオン系界面活性剤1 :ステアリン酸アンモニウム 固形分30%
アニオン系界面活性剤2 :アルキルスルコハク酸ナトリウム 固形分35%
ベタイン系両性界面活性剤:アルキルベタイン 固形分30%
架橋剤 :疎水系HDIイソシアヌレート(官能基数3.5) 固形分100%
参考例1の発泡体原料として、アクリル系エマルジョン1とアクリル系エマルジョン3を主剤として使用し、エマルジョンの全量を基準(固形分量及び非固形分量の合計を100重量部とする。)として、各75:25重量部に対し、3重量部のアニオン系界面活性剤1、3重量部のアニオン系界面活性剤2、1重量部のベタイン系両性界面活性剤、2重量部の架橋剤を混合して発泡体原料とした。
実施例2〜35、比較例1〜16及び参考例2〜9の発泡体原料として、表1〜表6に示す割合で原料を配合した以外は、参考例1の発泡体原料と同様にして各発泡体原料を調製した。
各実施例、各比較例及び各参考例の発泡体原料にエアーまたは窒素ガス等の不活性ガスを加えて、メカニカルフロス法により(発泡条件100〜1000rpmにて)発泡させ、PET製剥離ライナー上にキャスティングした後、加熱処理(オーブンまたは乾燥炉)して各実施例、各比較例及び各参考例の発泡シートを得た。各実施例、各比較例及び各参考例の密度は、エアーまたは窒素ガス等の不活性ガスの注入量やミキサーの回転数、乾燥条件を変更することで調整した。
次に、実施例2〜35、比較例1〜16及び参考例1〜9の測定及び評価を表1〜6に示す。
単位体積当たりの重さを計算することによって測定した。
厚さをシックネスゲージによって測定した。
ガラス転移温度は、動的粘弾性装置(Anton Paar社製:型式MCR302)を用い、JIS−K7198に準拠した手順で−80℃〜150℃の温度範囲を、5℃/minで昇温、周波数1Hzの条件で測定したtanδのピーク値を示す温度とした。
損失正接は、動的粘弾性装置(Anton Paar社製:型式MCR302)にて、JIS−K7198に準拠した手順で−80℃〜150℃、5℃/minで昇温、周波数1Hzの条件で測定した際の23℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値とした。
点衝撃吸収率は、振り子型衝撃吸収試験機(テスター産業社製:IM−501)を用いて、点衝撃吸収試験を行い、下式(1)により算出した。試料をφ50mmのサイズに加工したものを試料台に設置し、気温23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度30°の測定条件で衝撃試験を行った。
点衝撃吸収率(%)={(fp0−fp1)/fp0}×100 式(1)
上記式(1)において、fp0は、前記発泡体を試料台に設置せずに衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fp1は、前記発泡体を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である。
面衝撃吸収率は、振り子型衝撃吸収試験機(テスター産業社製:IM−501)を用いて、面衝撃吸収試験を行い、下式(2)により算出した。測定は試料をφ50mmmのサイズに加工したものを試料台に設置し、さらに試料の衝撃子が接触する位置に厚さ5mmのアクリル板を設けて行った。測定条件は、気温23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度160°とした。
面衝撃吸収率(%)={(fa0−fa1)/fa0}×100 式(2)
上記式(2)において、fa0は、試料を試料台に設置せず、アクリル板のみを設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fa1は、試料を試料台に設置し、更に試料の衝撃子が接触する位置に厚さ5mmのアクリル板を設けて衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である。
点衝撃吸収率が15%以上であり、かつ面衝撃吸収率が3%以上のものを〇、その他を×とした。
2 基材
3 粘着剤層
4 剥離ライナー
10 振り子型衝撃試験機
11 支柱
12 台
20 衝撃子
21 支持棒
30 試料支持部
31 ロードセル
32 試料台
40 試料
50 樹脂板
Claims (8)
- 厚さが0.05mm以上0.5mm以下であり、
見かけの密度が0.50g/cm3以上0.90g/cm3以下であり、
動的粘弾性測定における周波数1Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ;23℃)が0.4以上であり、
アクリル系樹脂又はウレタン系樹脂の、少なくともいずれかと、架橋剤であるイソシアヌレート化合物とを含む、
発泡体で構成されている発泡シート。 - 前記発泡体のガラス転移温度が、5℃以上40℃以下である請求項1に記載の発泡シート。
- 振り子型衝撃吸収試験機による点衝撃吸収試験(前記発泡体に振り子を直接衝突させる試験であり、23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度30°の条件による)において、点衝撃吸収率が15%以上(点衝撃吸収率は下式(1)で算出される)であり、かつ、振り子型衝撃吸収試験機による面衝撃吸収試験(前記発泡体に樹脂板を介して振り子を衝突させる試験であり、23℃、衝撃子の重さ35.76g、振り上げ角度160°の条件による)において、面衝撃吸収率が3%以上である(面衝撃吸収率は下式(2)で算出される)請求項1または2のいずれか1項に記載の発泡シート。
点衝撃吸収率(%)={(fp0−fp1)/fp0}×100 式(1)
(上記式(1)において、fp0は、前記発泡体を試料台に設置せずに衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fp1は、前記発泡体を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である)
面衝撃吸収率(%)={(fa0−fa1)/fa0}×100 式(2)
(上記式(2)において、fa0は、前記発泡体を試料台に設置せず、前記樹脂板のみを設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重であり、fa1は、前記発泡体を試料台に設置し、更に前記発泡体を介して前記樹脂板を試料台に設置して衝撃吸収試験を行った時の衝撃荷重である) - 前記発泡体が、基材上にシート状に形成された請求項1から3のいずれか1項に記載の発泡シート。
- 前記発泡体シートの片面または両面に粘着剤層が形成された請求項1から4のいずれか1項に記載の発泡シート。
- 前記発泡体シートに形成された粘着剤層の表面に、さらに剥離ライナーが設けられた請求項5に記載の発泡シート。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載された発泡シートを有する電子・電気機器部品。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載された発泡シートを有する電子・電気機器。
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