JP6366208B1 - ランナー材及びランナー材の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の壁厚に対応する場合にも、用意する長尺体が1種類でよく、材料コストを抑えつつ、強度の低下を防ぎ、加工なしに配管、配線類を引き込み又は引き出すことができるランナー材を提供する。【解決手段】ランナー材1は、一対の長尺体と、複数の連結体5とを備え、長尺体4は、基板部6と、側壁部7と、爪部8とを有しており、一対の長尺体4はその基板部6の他方の側縁が互いに向き合って間隔を開けて配置され、連結体5は、嵌合部9と、嵌合部を繋ぐ接続部10と、を有し、嵌合部9は、側壁部7の基板部6側の端部に当接する第一当接部11と、爪部8の側面に当接する第二当接部12とで長尺体4をランナー材1の幅方向に移動不能に挟持するとともに、爪部8の先端に当接する先端当接部13と、基板部6に当接する基板当接部14とで長尺体4を鉛直方向に移動不能に挟持する。【選択図】図1
Description
本発明は、スタッドを支持し、間仕切り壁の下地となるランナー材及び当該ランナー材の施工方法に関する。
従来より、天井面及び床面に溝形のランナー材を敷設し、当該ランナー材の間にスタッドを立設させて、間仕切壁の下地とする構造が知られている(例えば特許文献1)。このような構造においては、間仕切壁の内部空間を利用して電気配線がなされるが、床又は天井から配線を壁体内に引き込む又は引き出す際にランナー材に貫通孔を設ける加工が必要となっていた。このおような貫通孔を設ける加工は、通常、施工現場で行われており、作業者の負担となっていた。
そこで、ランナー材を溝形で構成するのではなく、一対のアングル材を互いに間隔を開けて配置し、これらのアングル材の間を平板状の連結体で接続して形成したランナー材が提案されている(例えば特許文献2)。この構成によると、枠材同士の間でコネクタ同士の間に電気配線を引き込み可能な間隔が形成されることとなり、別途貫通孔を設ける加工が必要ではなくなる利点がある。
しかし、特許文献2のようなランナー材は、単にアングル材同士を平板状の連結体で接続しているだけなので、ランナー材の捻り方向の強度が低下する問題がある。また、一対のアングル材及び連結体は寸法精度上、予め固定された状態で施工現場に搬入されることになり、壁厚に応じて複数のランナー材を用意する必要があった。
そこで、本発明は、複数の壁厚に対応する場合にも、用意する長尺体が1種類でよく、材料コストを抑えつつ、強度の低下を防ぎ、加工なしに配管、配線類を引き込み又は引き出すことができるランナー材を提供することを目的とする。
本発明のランナー材は、間隔を開けて平行に配置される一対の長尺体と、前記長尺体同士を連結する互いに間隔を開けて設けられる複数の連結体とを備えるランナー材であって、前記長尺体は、当該長尺体が固定される固定面に沿って設けられる基板部と、前記基板部の一方の側縁から前記固定面と離反する方向に突出する側壁部と、前記基板部の他方の側縁から前記固定面と離反する方向に突出する前記側壁部よりも短い爪部とを有しており、これら一対の長尺体の基板部の他方の側縁が互いに向き合って間隔を開けて配置され、前記連結体は、両端に形成され前記長尺体に嵌合可能な一対の嵌合部と、前記一対の嵌合部を繋ぐ接続部と、を有し、前記嵌合部は、前記側壁部の前記基板部側の端部に当接する第一当接部と、前記爪部の側面に当接する第二当接部とで前記長尺体を前記ランナー材の幅方向に移動不能に挟持するとともに、前記爪部の先端に当接する先端当接部と、前記固定面と前記基板部との間に配置され当該基板部に当接する基板当接部とで前記長尺体を鉛直方向に移動不能に挟持することを特徴としている。
本発明のランナー材は、前記基板当接部は前記接続部の端部から前記ランナー材の幅方向に突出し、当該基板当接部の先端が折れ曲がって前記第一当接部が形成されるとともに、前記接続部の前記ランナー材の長さ方向の側縁には前記固定面と離反する方向に突出する側面ヒレが形成されており、当該側面ヒレの端部が前記第二当接部を構成し、前記第一当接部は前記側壁部を前記側面ヒレに向かう方向に付勢することを特徴としている。
本発明のランナー材は、前記連結体の前記ランナー材の長さ方向における中央に前記先端当接部が形成されるとともに、前記側面ヒレが前記接続部の両側縁に形成されており、当該ランナー材の長さ方向における両側縁の前記側面ヒレと前記先端当接部との間にそれぞれ前記第一当接部が形成されることを特徴としている。
本発明のランナー材は、前記先端当接部は、前記接続部の端部から前記固定面と離反する方向に折れ曲がり、さらに、前記第一当接部に接近する方向に折れ曲がって前記爪部の先端に当接するものであり、当該先端当接部の前記爪部の先端に当接する位置から前記第一当接部に接近する方向であり、且つ、前記基板当接部に接近する方向に延びる延出腕部が形成されており、前記延出腕部の先端に前記基板当接部から離間する方向に折り曲げられた折曲片が形成されており、前記ランナー材の長さ方向から見て、前記折曲片と前記第一当接部との水平距離及び前記延出腕部の先端と前記基板当接部との鉛直距離がそれぞれ前記爪部の長さよりも短いことを特徴としている。
本発明の壁構造は、上記いずれかのランナー材を備えることを特徴としている。
本発明のランナー材の施工方法は、上記いずれかのランナー材を前記固定面に固定するランナー材の施工方法であって、前記連結体の一方の前記嵌合部に前記一対の長尺体の一方の長尺体を嵌合させた後、当該連結体及び一方の長尺体を前記固定面に固定させ、その後、前記連結体の他方の前記嵌合部に他方の長尺体を嵌合させることを特徴としている。
本発明のランナー材の施工方法は、上記いずれかのランナー材を前記固定面に固定するランナー材の施工方法であって、前記連結体の両方の前記嵌合部に前記長尺体をそれぞれ嵌合させた後、当該連結体及び前記長尺体を前記固定面に固定させることを特徴としている。
本発明のランナー材の施工方法は、ランナー材を前記固定面に固定するランナー材の施工方法であって、前記連結体の前記嵌合部に前記長尺体を嵌合させる工程が、前記爪部の先端が当該爪部の基端よりも前記連結体の前記基板当接部に近くなるように前記長尺体を保持して、前記第一当接部と前記折曲片との間に前記爪部を挿入するステップと、前記爪部を前記第二当接部に接近する方向に移動させつつ、前記基板当接部に前記基板部が平行になるように前記長尺体を回転させるステップと、を有することを特徴としている。
本発明のランナー材の施工方法は、前記連結体は、前記接続部の前記ランナー材の幅方向の長さが異なる複数種類から間仕切壁の壁厚に応じて決定されることを特徴としている。
本発明のランナー材によると、間隔を開けて平行に配置される一対の長尺体と、長尺体同士を連結する互いに間隔を開けて設けられる複数の連結体とを備えているので、長尺体の間で、且つ連結体の間に配管や配線類を通すことができる開口が設けられることになるので、別途貫通孔を加工することなく、配管や配線を壁内に引き込み又は引き出すことができる。そして、長尺体は連結体に嵌合により固定されているので、施工現場で簡単に長尺体を連結体に固定することができ、しかも、連結体の嵌合部は、第一当接部と第二当接部とで長尺体をランナー材の幅方向に移動不能に挟持するとともに、先端当接部と基板当接部とで長尺体を鉛直方向に移動不能に挟持するので、強固に固定することができる。また、長尺体と連結体とを別体とすることで、たとえば壁厚が変わる場合でも連結体のみを変更することで長尺体を変更することなく対応することができるので、在庫を減らすことができる。
本発明のランナー材によると、基板当接部は接続部の端部からランナー材の幅方向に突出し、基板当接部の先端が折れ曲がって第一当接部が形成されており、接続部のランナー材の長さ方向の側縁に固定面と離反する方向に突出する側面ヒレが形成されており、側面ヒレの端部が第二当接部を構成するので、長尺体を水平方向に拘束することができる。しかも、側面ヒレは、接続部のランナー材の長さ方向の側縁に固定面と離反する方向に突出して形成されているので、当該接続部を曲げ荷重に対して補強することができる。また側面ヒレの端部を第二当接部とすることで、側面ヒレはランナー材の幅方向には弾性変形することが無く寸法精度を高めることができ、第一当接部が側壁部を側面ヒレに向かう方向に付勢しているので、確実且つ強固に長尺体の水平方向の移動を規制することができる。
本発明のランナー材によると、爪部の先端に当接する先端当接部がランナー材の長さ方向における連結体の中央に形成されるとともに、爪部の側面に当接する第二当接部を形成する側面ヒレが接続部の両側縁に形成されており、側壁部に当接する第一当接部が側面ヒレと先端当接部との間にそれぞれ形成されるので、長尺体を爪部側と側壁部側とで交互にずらして拘束することができ、水平方向のブレを抑制することができる。
本発明のランナー材によると、延出腕部が先端当接部の爪部の先端に当接する位置から第一当接部に接近する方向であり、且つ、基板当接部に接近する方向に形成されており、折曲片が延出腕部の先端に基板当接部から離間する方向に折り曲げられて形成されており、ランナー材の長さ方向から見て、折曲片と第一当接部との水平距離及び延出腕部の先端と基板当接部との鉛直距離がそれぞれ爪部の長さよりも短いので、長尺体を連結体に固定する際に、当該長尺体の爪部が折曲片と第一当接部の間を通り抜けるときに折曲片及び延出腕部が弾性変形し、爪部が通り抜けた後に折曲片及び延出腕部が元に戻ることで、爪部を仮に保持することができる。そして、爪部が延出部と基板当接部の間を通って第二当接部に当接する位置に移動するときに、基板部と延出腕部とが干渉して、再度、延出腕部が弾性変形し、爪部を第二当接部に接近する方向に移動させつつ、基板当接部に基板部が平行になるように長尺体を回転させて固定することになるので、単に直線的に嵌合する場合に比べて強固に固定することができる。
本発明の壁構造によると、上記いずれかのランナー材を用いているので、材料コストを抑えつつ、強度の低下を防ぎ、ランナー材を加工することなしに配管、配線類を引き込み又は引き出すことができる。
本発明のランナー材の施工方法によると、連結体の一方の嵌合部に一対の長尺体の一方の長尺体を嵌合させた後、連結体及び一方の長尺体を固定面に固定させ、その後、連結体の他方の嵌合部に他方の長尺体を嵌合させるので、一方の長尺体を固定面に固定させた後、他方の長尺体を固定する作業を行うことができ、長尺体2本が固定された状態で持ち上げる必要がないので、例えば天井面に固定する場合などのように高所であっても比較的持ち上げやすく、作業の安全性を高めることができる。
本発明のランナー材の施工方法によると、連結体の両方の嵌合部に長尺体をそれぞれ嵌合させた後、連結体及び長尺体を固定面に固定させるので、ランナー材を固定面へ固定する作業が1工程で行えるので、例えば床面に固定する場合などのように比較的安全な作業の場合に作業工程を簡単にすることができる。
本発明のランナー材の施工方法によると、連結体の嵌合部に長尺体を嵌合させる工程が、爪部の先端が爪部の基端よりも連結体の基板当接部に近くなるように長尺体を保持して、第一当接部と折曲片との間に爪部を挿入するステップを有するので、爪部を仮固定することができる。そして、爪部を第二当接部に接近する方向に移動させつつ、基板当接部に基板部が平行になるように長尺体を回転させるステップを有するので、単に直線的に嵌合する場合に比べて強固に固定することができる。
本発明のランナー材の施工方法によると、連結体は、接続部のランナー材の幅方向の長さが異なる複数種類から間仕切壁の壁厚に応じて決定されるので、長尺体を変更することなく、様々な壁厚に対応することができ、部品在庫を圧縮することができる。
以下、本発明に係るランナー材1、ランナー材1を用いた壁構造3、及びランナー材の施工方法について各図を参照しつつ説明する。ランナー材1は例えば天井面又は床面などの固定面2に固定されて、間仕切壁などの壁構造3の下地となる部材である。なお、壁構造3は間仕切壁に限定されるものではなく、階段室や吹き抜けに設けられる腰高さの壁などの構造耐力を負担しない壁構造3として用いることができる。
ランナー材1は、図1に示すように、間隔を開けて平行に配置される一対の長尺体4と、前記長尺体4同士を連結する互いに間隔を開けて設けられる複数の連結体5とを備えている。
一対の長尺体4はそれぞれ図2に示すように、基板部6と側壁部7とを有する長尺な断面L字状に形成された鋼製材であり、基板部6の側壁部7が設けられた一方の側縁と逆の他方の側縁に側壁部7よりも短い爪部8が側壁部7と同じ方向に突出している。ランナー材1を固定面2に固定したときに、基板部6は、固定面2に沿って配置され、側壁部7及び爪部8が固定面2と離反する方向に突出するように配置される。側壁部7の先端にはヘミング曲げが施されている。長尺体4の寸法は、例えば全長が999mmで、側壁部7の高さが30mm、基板部6の幅が25mm、爪部8の高さが4mmである。
一対の長尺体4は、連結体5に連結されて、基板部6の爪部8が形成されている側縁同士が互いに向き合って間隔を開けて固定される。
連結体5は、例えばばね鋼製などの弾性を有する金属製で、図3及び図4に示すように、両端に形成され長尺体4に嵌合可能な一対の嵌合部9と、一対の嵌合部9を繋ぐ接続部10と、を有している。連結体5の嵌合部9は、長尺体4の側壁部7に当接する第一当接部11と、爪部8の側面に当接する第二当接部12と、爪部8の先端に当接する先端当接部13と、基板部6に当接する基板当接部14とで、長尺体4を嵌合している。
連結体5は、接続部10が矩形平板状に形成されるとともに、当該接続部10のランナー材1の幅方向における両側縁に固定面2と離反する方向に突出する側面ヒレ15が形成されている。側面ヒレ15は、長方形の平板状であり、ランナー材1の幅方向における両端は、爪部8の側面に当接する第二当接部12を構成している。基板当接部14は接続部10の端部からランナー材1の幅方向に突出して形成されている。基板当接部14は、固定面2と長尺体4の基板部6との間に配置され、当該基板当接部14の先端が固定面2から離反する方向に折れ曲がって第一当接部11が形成される。基板当接部14は接続部10に対して約3度の傾斜が設けられており、長尺体4を嵌合したときに基板当接部14が接続部10と面一になる方向に弾性変形することで、第一当接部11が変位し、第一当接部11が長尺体4の側壁部7を側面ヒレ15に向かう方向に付勢する。
先端当接部13は、接続部10の端部から固定面2と離反する方向に向かって折れ曲がり、さらに、第一当接部11に接近する方向に折れ曲がって爪部8の先端に当接するものである。先端当接部13は、ランナー材1の長さ方向からみて、爪部8の先端に当接する位置から第一当接部11に接近する方向で、且つ、基板当接部14に接近する方向に向かって、延出腕部16が形成されている。延出腕部16の先端は、ランナー材1の長さ方向からみて基板当接部14に最も接近する位置で、基板当接部14との間の隙間が0.3mmである。延出腕部16の先端は、基板当接部14から離間する方向に折り曲げられた折曲片17が形成されている。折曲片17は、基板当接部14から離間する方向であり、且つ、第一当接部11に近づく方向に延びている。ランナー材1を固定面2に固定したときに、ランナー材1の長さ方向から見て、折曲片17と第一当接部11との最も接近する位置での水平距離は長尺体4の爪部8の長さよりも短く形成されており、また、延出腕部16の先端と基板当接部14との鉛直距離も爪部8の長さよりも短くなるように形成されている。
ランナー材1の長さ方向における連結体5の中央には先端当接部13、延出腕部16、及び折曲片17が形成されており、その両側には基板当接部14及び第一当接部11が形成されている。そして、接続部10の両側縁には側面ヒレ15が形成されており、側面ヒレ15の両端である第二当接部12が、基板当接部14の外側に形成されている。このように爪部8の先端に当接する先端当接部13が中央に形成され、側壁部7に当接する第一当接部11がランナー材1の長さ方向において、先端当接部13の両側に形成され、さらにその外側に第二当接部12がそれぞれ形成されているので、連結体5の嵌合部9は長尺体4を爪部8側と側壁部7側とで交互にずらして、言わばW字状に拘束することができ、水平方向のブレを抑制することができる。
長尺体4は、第一当接部11に側壁部7の基板部6側の端部が付勢されつつ当接され、側面ヒレ15の両端に形成された第二当接部12に爪部8の側面が当接されるので、連結体5の第一当接部11及び第二当接部12で長尺体4をランナー材1の幅方向に移動不能に挟持することができる。このように、側面ヒレ15の両端を第二当接部12とすることで第二当接部12は弾性変形することもなくまた寸法精度が高まる。一方、第一当接部11は長尺体4の側壁部7を側面ヒレ15側に付勢しつつ当接しているので、長尺体4は第一当接部11と第二当接部12とに確実に当接して挟持されることになり、ランナー材1の幅方向の移動を確実に防止できる。
また、長尺体4は、先端当接部13に爪部8の先端が当接されて、基板部6に基板当接部14が当接されているので、先端当接部13と基板当接部14とで、長尺体4を鉛直方向に移動不能に挟持することができる。
壁構造3は、例えば、図5に示すように、固定面2としての天井面及び床面にそれぞれ一対の長尺体4を連結体5で接続したランナー材1を固定しており、上下のランナー材1の間にスタッド18を立設して下地枠を形成し、この下地枠に壁面材19を固定して形成される間仕切壁である。なお、前述のとおり壁構造3は、間仕切壁に限定されるものではないので、例えば壁構造3が腰壁であるような場合は、ランナー材1が、床面のみに固定されるものであってもよく、また、壁構造3が垂れ壁であるような場合は、ランナー材1が天井面のみに固定されるものであってもよい。
上述のランナー材1を天井面又は床面などの固定面2に固定するランナー材の施工方法は、まず、連結体5の一方の嵌合部9に一方の長尺体4を嵌合させる。具体的には、図6(a)に示すように、爪部8の先端が基端よりも連結体5の基板当接部14に近くなるように長尺体4を保持し、第一当接部11と折曲片17との間に爪部8を挿入する。このとき、第一当接部11と折曲片17とは最も接近する位置の水平距離が爪部8の長さよりも短いので、折曲片17及び延出腕部16が当該第一当接部11と折曲片17との隙間を広げる方向に弾性変形して、爪部8が第一当接部11及び折曲片17の間を通過し、当該爪部8が延出腕部16と基板当接部14との間に配置される。長尺体4は、図6(b)に示すように、その爪部8が基板当接部14と平行になる方向に回転され、折曲片17及び延出腕部16が弾性応力によって元に戻るので、爪部8が折曲片17に引っかかって長尺体4を連結部の嵌合部9に仮固定することができる。
次に、図7(c)及び(d)に示すように、爪部8を延出腕部16と基板当接部14との間で、第二当接部12に接近する方向に移動させつつ、基板当接部14に基板部6が平行になるように長尺体4を回転させる。そして、図7(e)に示すように、爪部8の先端が先端当接部13に当接し、爪部8の側面が第二当接部12に当接する位置に長尺体4を配置すると、第一当接部11が側壁部7の基板部6側の端部に当接することで、長尺体4を第一当接部11と第二当接部12とでランナー材1の幅方向に移動不能に挟持する。また、このとき、爪部8の先端に当接する先端当接部13と、基板部6に当接する基板当接部14とで長尺体4を鉛直方向に移動不能に挟持する。したがって、長尺体4は連結体5に強固に固定することができる。このように長尺体4を連結体5の嵌合部9に回転させつつ嵌合させるものであるので、単に直線的に嵌合させる場合に比べて、強固且つ確実に固定することができる。
その後、図8(A)に示すように、図示しないビスなどで連結体5及び当該連結体5の嵌合部9に嵌合された一方の長尺体4を固定面2に固定させる。その後、図8(B)及び図9に示すように、固定面2に固定した連結体5の他方の嵌合部9に、他方の長尺体4を嵌合させる。他方の嵌合部9に他方の長尺体4を嵌合させる工程は、一方の嵌合部9に一方の長尺体4を嵌合させる工程と同様であるので説明を省略する。このように、連結体5の一方の嵌合部9に一対の長尺体4の一方の長尺体4を嵌合させた後、連結体5及び一方の長尺体4を固定面2に固定させ、その後、連結体5の他方の嵌合部9に他方の長尺体4を嵌合させるので、重量の軽い状態で固定面2への固定作業を行うことができ、例えば固定面2としての天井面に固定する場合などのように高所であっても比較的持ち上げやすく、作業の安全性を高めることができる。
このようにして、図9に示すように固定面2にランナー材1を固定すると、次に、図10に示すように、必要に応じて固定面2に配線20の引き込み孔21を設けて、配線20を壁構造3に引き込み又は壁構造3から引き出す。このとき、ランナー材1には、長尺体4の間で、且つ連結体5の間に配管や配線類を通すことができる開口が設けられることになるので、別途貫通孔を加工することなく、配管や配線を壁構造3内に引き込み又は引き出すことができる。
ランナー材1は、壁構造3が間仕切壁である場合には、図5に示すように、固定面2としての天井面及び床面にそれぞれ固定する。なお壁構造3が例えば腰壁や垂れ壁である場合には、天井面又は床面のいずれにランナー材1を設けるものであってもよい。その後、ランナー材1の間にスタッド18を立設し、ランナー材1及びスタッド18を下地として壁面材19を固定して、壁構造3を完成させる。
なお、ランナー材の施工方法は、上述のものに限られるものではない。ランナー材の施工方法は、図11(A)に示すように、連結体5の両方の嵌合部9に長尺体4をそれぞれ嵌合させて、その後、図11(B)(C)に示すように、連結体5及び長尺体4を固定面2に固定させるものであってもよい。この施工方法によると、ランナー材1を完成させてから固定面2に固定させるので、ランナー材1を固定面2へ固定する作業が1工程で行えるので、例えば床面に固定する場合などのように比較的安全な作業の場合に作業工程を簡単にすることができる。
なお、ランナー材1は、図12(A)(B)に示すように、接続部10のランナー材1の幅方向の長さが異なる複数種類の連結体5をそれぞれ用意し、壁構造3の壁厚に応じて連結体5を選択するものであってもよい。このように構成したとしても長尺体4は1種類で対応することができるので、長尺体4の在庫管理を容易にすることができる。
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係るランナー材1、壁構造3、ランナー材の施工方法は、例えば住宅の間仕切壁などの壁構造3に用いるランナー材1、壁構造3、ランナー材の施工方法として好適に用いることができる。
1 ランナー材
2 固定面
3 壁構造
4 長尺体
5 連結体
6 基板部
7 側壁部
8 爪部
9 嵌合部
10 接続部
11 第一当接部
12 第二当接部
13 先端当接部
14 基板当接部
15 側面ヒレ
16 延出腕部
17 折曲片
2 固定面
3 壁構造
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5 連結体
6 基板部
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12 第二当接部
13 先端当接部
14 基板当接部
15 側面ヒレ
16 延出腕部
17 折曲片
Claims (9)
- 間隔を開けて平行に配置される一対の長尺体と、前記長尺体同士を連結する互いに間隔を開けて設けられる複数の連結体とを備えるランナー材であって、
前記長尺体は、当該長尺体が固定される固定面に沿って設けられる基板部と、前記基板部の一方の側縁から前記固定面と離反する方向に突出する側壁部と、前記基板部の他方の側縁から前記固定面と離反する方向に突出する前記側壁部よりも短い爪部とを有しており、これら一対の長尺体の基板部の他方の側縁が互いに向き合って間隔を開けて配置され、
前記連結体は、両端に形成され前記長尺体に嵌合可能な一対の嵌合部と、前記一対の嵌合部を繋ぐ接続部と、を有し、
前記嵌合部は、
前記側壁部の前記基板部側の端部に当接する第一当接部と、前記爪部の側面に当接する第二当接部とで前記長尺体を前記ランナー材の幅方向に移動不能に挟持するとともに、
前記爪部の先端に当接する先端当接部と、前記固定面と前記基板部との間に配置され当該基板部に当接する基板当接部とで前記長尺体を鉛直方向に移動不能に挟持することを特徴とするランナー材。 - 前記基板当接部は前記接続部の端部から前記ランナー材の幅方向に突出し、当該基板当接部の先端が折れ曲がって前記第一当接部が形成されるとともに、前記接続部の前記ランナー材の長さ方向の側縁には前記固定面と離反する方向に突出する側面ヒレが形成されており、
当該側面ヒレの端部が前記第二当接部を構成し、前記第一当接部は前記側壁部を前記側面ヒレに向かう方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載のランナー材。 - 前記連結体の前記ランナー材の長さ方向における中央に前記先端当接部が形成されるとともに、前記側面ヒレが前記接続部の両側縁に形成されており、当該ランナー材の長さ方向における両側縁の前記側面ヒレと前記先端当接部との間にそれぞれ前記第一当接部が形成されることを特徴とする請求項2に記載のランナー材。
- 前記先端当接部は、前記接続部の端部から前記固定面と離反する方向に折れ曲がり、さらに、前記第一当接部に接近する方向に折れ曲がって前記爪部の先端に当接するものであり、
当該先端当接部の前記爪部の先端に当接する位置から前記第一当接部に接近する方向であり、且つ、前記基板当接部に接近する方向に延びる延出腕部が形成されており、
前記延出腕部の先端に前記基板当接部から離間する方向に折り曲げられた折曲片が形成されており、前記ランナー材の長さ方向から見て、前記折曲片と前記第一当接部との水平距離及び前記延出腕部の先端と前記基板当接部との鉛直距離がそれぞれ前記爪部の長さよりも短いことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のランナー材。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のランナー材を備えることを特徴とする壁構造。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のランナー材を前記固定面に固定するランナー材の施工方法であって、
前記連結体の一方の前記嵌合部に前記一対の長尺体の一方の長尺体を嵌合させた後、当該連結体及び一方の長尺体を前記固定面に固定させ、その後、前記連結体の他方の前記嵌合部に他方の長尺体を嵌合させることを特徴とするランナー材の施工方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のランナー材を前記固定面に固定するランナー材の施工方法であって、
前記連結体の両方の前記嵌合部に前記長尺体をそれぞれ嵌合させた後、当該連結体及び前記長尺体を前記固定面に固定させることを特徴とするランナー材の施工方法。 - 請求項4に記載のランナー材を前記固定面に固定するランナー材の施工方法であって、
前記連結体の前記嵌合部に前記長尺体を嵌合させる工程が、
前記爪部の先端が当該爪部の基端よりも前記連結体の前記基板当接部に近くなるように前記長尺体を保持して、前記第一当接部と前記折曲片との間に前記爪部を挿入するステップと、
前記爪部を前記第二当接部に接近する方向に移動させつつ、前記基板当接部に前記基板部が平行になるように前記長尺体を回転させるステップと、を有することを特徴とするランナー材の施工方法。 - 前記連結体は、前記接続部の前記ランナー材の幅方向の長さが異なる複数種類から間仕切壁の壁厚に応じて決定されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のランナー材の施工方法。
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