実施の形態1.
(空気清浄機の本体構造と本体の支持台構造)
本発明の実施の形態1に係る空気清浄機について、図1から図7に従って説明する。なお、それぞれの図において、同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略することがある。
空気清浄機100は、本体1と支持台2で構成されている。本体1は、図1に示すように縦方向に長い直方体状である。その直方体状の本体1の下方に支持台2が設けられている。支持台2は、本体1が向きを変えられるよう回動可能に支持している。本体1は後述するステッピングモータ(駆動モータ)82によって回動するようになっている。
支持台2は、図4、図5、図6に示すように左右方向が長手、前後方向が短手の平たい直方体のベース台71を備えている。ベース台71には、円形状の凹部71jが設けられている。この円形状の凹部71jの中心には、中空で先端が開口している回動中心軸ガイド73が設けられている。この回動中心軸ガイド73に回動中心軸76がネジのような締結部品で取り付けられる。回動中心軸76は摺動性の高い樹脂、例えばポリアセタール(POM)樹脂で形成されている。
図4、図5、図6において、29は樹脂成形で形成された下部本体ケースであり、下部本体ケース29の外周から外側へ突出したフランジ29gとフランジ29hを、図3に示す前部本体ケース7の下部と後部本体ケース8の下部で前後から挟むように固定され、図1及び図2のように本体1に取り付けられて本体1の下端を構成する。
下部本体ケース29には、金属で円盤状に形成され、その円盤状内に開口74aが設けられ環状となった摺動板74が、取り付けられている。下部本体ケース29は、その下端が摺動板74の開口74aから下方に突出している。下部本体ケース29は、摺動板74の上面とフランジ29gとフランジ29hの下面が当接する位置で、下部本体ケース29と摺動板74が構造体として一体となるようにネジ(締結部品)で取り付けられる。
摺動板74は、ベース台71の上面から一段低くなった段部71gに収容され、ベース台71に設けられた複数の摺動板押さえ保持部71aに、それと同数の摺動板押さえ75がネジ(締結部品)で取り付けられることで、下部本体ケース29がベース台71から抜けないよう摺動板74の上面から一段下がった外周の一部が押さえられている。但し、摺動板74は可動不可能な状態で固定されている訳ではなく、微小な隙間を有して回動自在に押さえられている。
摺動板74が微小な隙間を有して回動自在に押さえられていることにより、摺動板74が浮き上がることなく、下部本体ケース29がベース台71から抜けない。このため、本体1の傾き、ふらつきを抑制できる。
摺動板74の外周全周には、下方に折れ曲がった縁部74bが形成されている。ベース台71の上面から一段低くなった段部71gの外周には、全周にわたって環状凹部71hが設けられている。摺動板74が段部71gに収容された状態で、縁部74bが全周にわたって環状凹部71hに入り込むインロー構造になっている。
この構造により、ベース台71の段部71g及び凹部71jに塵埃等、異物が侵入しにくくなっている。また、前述のように摺動板74は摺動板押さえ75で浮き上がらないように押さえられているので、より確実に塵埃等、異物が侵入しにくい構造となっている。
このように塵埃等、異物が侵入しにくい構造とすることで、後述する本体1の回動を補助する支持台側車輪78に塵埃が絡まって動作に支障をきたすことがないようにしている。また、ステッピングモータ(駆動モータ)82やピニオンギア84等の本体1を回動させる部品の動作にも支障をきたすことがないようにしている。
下部本体ケース29には中心部に回動中心軸受け29fが設けられている。下部本体ケース29がベース台71に取り付けられるときに回動中心軸受け29fは回動中心軸76に回動自在に挿入される。下部本体ケース29は回動中心軸76に挿入され、回動中心軸受け29fの側面に設けられた横穴から回動中心軸76に設けられた溝状凹部76aを挟み込むようにストッパー79が取り付けられる。ストッパー79は、ベース台71から下部本体ケース29が抜けることを防止している。
前述したように回動中心軸ガイド73は先端が開口している。この開口は商用電源から駆動電力を供給するための電源コード55の接続端子側を本体1内に通すようになっている。回動中心軸ガイド73は回動する本体1の回動中心であり、電源コード55は回動中心を通って図示しない接続線で制御基板49と接続される。これにより、支持台2に対して本体1が回動しても電源コード55や図示しない接続線の屈曲が抑えられ、断線を起こし難い構成となっている。
下部本体ケース29に設けられた、下方から上方へ向かって突出している(下側から見れば凹んでいる)駆動ユニット支持部29aに本体回動駆動ユニット81が下方からネジ(締結部品)で取り付けられる。本体回動駆動ユニット81は、パルス数で回転速度を容易に変えられるステッピングモータ(駆動モータ)82、連結軸83、ピニオンギア84、軸受け85から構成されている。
連結軸83はピニオンギア84に、ステッピングモータ(駆動モータ)82の駆動トルクを伝達するものである。連結軸83はピニオンギア84と連結され、一端がステッピングモータ(駆動モータ)82と連結し、他端は保持部材86に取り付けられた軸受け85に回動自在に支持される。
また、下部本体ケース29には、ベース台71の凹部71jに収容される位置、言い替えると下端に、複数の本体側車輪(第1の車輪)77と同数の本体側車輪保持部29eが設けられている。本体側車輪保持部29eは、複数の本体側車輪(第1の車輪)77を回転自在に保持する。本体側車輪保持部29eは下面側から本体側車輪(第1の車輪)77を挿入するようになっている。本体側車輪(第1の車輪)77は、保持された状態で一部が下部本体ケース29の下面から突出している。
本体側車輪(第1の車輪)77は下部本体ケース29の本体側車輪保持部29eに保持される。本体側車輪(第1の車輪)77は、図2、図6(b)に示すようにベース台71の凹部71jの底面71kと接地して本体1を支持し、本体1の回動に合わせて回転している。
ベース台71には、回動中心軸76の中心からの距離が本体側車輪(第1の車輪)77よりも外側で、本体側車輪(第1の車輪)77の保持位置よりも上方の位置に、複数の支持台側車輪(第2の車輪)78と同数の支持台側車輪保持部71fが設けられている。支持台側車輪保持部71fは、複数の支持台側車輪(第2の車輪)78を回転自在に保持する。
支持台側車輪保持部71fはベース台71上面の段部71gで、環状凹部71hの直ぐ内側に設けられている。支持台側車輪保持部71fは、段部71gの上面側から支持台側車輪(第2の車輪)78を挿入するようになっている。支持台側車輪(第2の車輪)78は保持された状態で一部が段部71gの上面から突出している。
支持台側車輪(第2の車輪)78は支持台側車輪保持部71fに保持される。支持台側車輪(第2の車輪)78は、図2、図6(b)に示すように摺動板74の下面側に当接して本体1を支持し、本体1の回動に合わせて回転している。
図2、図6(b)に示すように、下部本体ケース29はベース台71の凹部71jに入り込んでいる。本体1は、下部本体ケース29の下面から一部が突出している本体側車輪(第1の車輪)77がベース台71の凹部71jの底面71kと接地して支持されている。
また、本体1は、下部本体ケース29に取り付けられている摺動板74が、ベース台71の段部71gの上面から一部が突出している支持台側車輪(第2の車輪)78と当接して支持されている。このように、本体1は、ベース台71の凹部71jの底面71kとベース台71上面の段部71gとで支持されるので、本体1の回動が安定する。
次に、ベース台71の凹部の縁部の内周壁に沿ってラックギア72が設けられている。下部本体ケース29の回動中心軸受け29fが回動中心軸76に挿入され、摺動板74が摺動板押さえ75で回動自在に押さえられ、下部本体ケース29が抜けないようにストッパー79が取り付けられた状態で、ラックギア72と本体回動駆動ユニット81のピニオンギア84が噛み合うようになっている。
次に、下部本体ケース29には、例えばフォトインタラプタからなる位置検出手段80a、80b、80cがそれぞれ位置検出手段保持部29b、29c、29dに保持されている。
フォトインタラプタは発光部と受光部を有している。フォトインタラプタは発光部が発した光を受光部が受光できる状態か、受光できない状態かによって検知をするセンサーである。位置検出手段80a、80b、80cは、その発光部と受光部の中間位置が回動中心軸76の中心から同一円上に等間隔となるように配置されている。
ベース台71には位置検出手段80a、80b、80cの発光部と受光部を遮るためのリブ状の遮断壁71bが底面から上方に突出して設けられている。遮断壁71bは回動中心軸76の中心から同一円上に設けられている円弧状で、位置検出手段80a、80b、80cの発光部と受光部の中間位置と同心円上で重なるように設けられている。遮断壁71bには、位置検出手段80a、80b、80cの発光部の発した光が通過可能な位置検出用スリット71c、71d、71eが等間隔に設けられている。
図1に示すように前面パネル3と、支持台2のベース台71の左右長手方向の1辺が平行になっている状態が、本体1が基準状態の位置にあるとする。その状態で位置検出手段80aは位置検出用スリット71cと、位置検出手段80bは位置検出用スリット71dと、位置検出手段80cは位置検出用スリット71eと、それぞれ対応して配置されている。
この状態のとき、位置検出手段80a、80b、80cは全て発光部が発した光を受光部が受光できる状態である。よって、位置検出手段80a、80b、80c全てが受光できる状態にあるときに、本体1が基準状態の位置にあると判断ができる。
図7を用いて更に詳しく説明する。図7(a)は本体1が基準状態の位置にあるときの位置検出手段80a、80b、80cと位置検出用スリット71c、71d、71eの位置関係を表している。
それぞれ、位置検出手段80aの発光部の発した光が位置検出用スリット71cを通過して位置検出手段80aの受光部で受光可能な位置、位置検出手段80bの発光部の発した光が位置検出用スリット71dを通過して位置検出手段80bの受光部で受光可能な位置、位置検出手段80cの発光部の発した光が位置検出用スリット71eを通過して位置検出手段80cの受光部で受光可能な位置となっている。
図7(b)は、本体1が左向き(図1の図示L方向)に回動しているときの位置検出手段80a、80b、80cと位置検出用スリット71c、71d、71eの位置関係である。位置検出手段80aは位置検出用スリット71dによって、位置検出手段80bは位置検出用スリット71eによって受光が可能であるが、位置検出手段80cは位置検出用スリットから外れ、遮断壁71bによって光が遮られ受光不可能となっている。
図7(c)は、図7(b)の状態よりも、さらに本体1が左向きに回動しているときの位置検出手段80a、80b、80cと位置検出用スリット71c、71d、71eの位置関係である。位置検出手段80aは位置検出用スリット71eによって受光が可能であるが、位置検出手段80b及び位置検出手段80cは位置検出用スリットから外れ、遮断壁71bによって光が遮られ受光不可能となっている。
このように、位置検出手段80a、80b、80cの受光状態の組み合わせで、本体1が左、あるいは右にどの程度回動しているか判断することができる。つまり、位置検出手段80a、80b、80cは全て発光部が発した光を受光部が受光できる状態になければ本体1が基準状態の位置にないと判断できる。これにより本体1を位置検出手段80a、80b、80cの全て受光できる位置まで戻るように回動させることで本体1を基準状態の位置に戻すことができる。
次に、図3に示すように、本体1は直方体状の長手の4面をカバー部材で覆う構成となっている。詳しくは前面を前面パネル3、側面を側面カバー4、側面カバー5、後面を後面カバー6という、それぞれ樹脂成形で一体形成されたカバー部材で覆われている。
4面を前面パネル3、側面カバー4、側面カバー5、後面カバー6で覆われた内部には、本体1の主要構造物として、前部本体ケース7と後部本体ケース8を備えている。前部本体ケース7と後部本体ケース8は、それぞれ樹脂成形で一体形成されている。
後部本体ケース8には、ファン21、ファン用モータ22、モータ保持部材23からなる上方ファンユニット9、ファン24、ファン用モータ25、モータ保持部材26からなる下方ファンユニット10がそれぞれ取り付けられる。
上方ファンユニット9のファン用モータ22は、上ファンケーシング8aの上ファンケーシング後面板8bに設けられた上ファンケーシング後面板凹部8cに一部が入り込むようにして、モータ保持部材23の図示しない穴からファン用モータ回転軸22aを通過させ、モータ保持部材23で保持される。その後、モータ保持部材23は図示しないネジ(締結部品)で上ファンケーシング後面板凹部8cに固定される。
そして、ファン用モータ回転軸22aにファン21のふらつきを防止するためのワッシャー27a、ファン21、ファン21のふらつきを防止するためのワッシャー27bが通され、図2に示すナット28でファン用モータ回転軸22aにファン21が固定されることで上方ファンユニット9が構成される。
同様に、下方ファンユニット10のファン用モータ25は、下ファンケーシング8dの下ファンケーシング後面板8eに設けられた下ファンケーシング後面板凹部8fに一部が入り込むようにして、モータ保持部材26の図示しない穴からファン用モータ回転軸25aを通過させ、モータ保持部材26で保持される。その後、モータ保持部材26は図示しないネジ(締結部品)で下ファンケーシング後面板凹部8fに固定される。
そして、ファン用モータ回転軸25aにファン24のふらつきを防止するためのワッシャー27a、ファン24、ファン24のふらつきを防止するためのワッシャー27bが通され、図2に示すナット28でファン用モータ回転軸25aにファン24が固定されることで下方ファンユニット10が構成される。
上方ファンユニット9及び下方ファンユニット10が取り付けられた後部本体ケース8の前方に前部本体ケース7が図示しないネジ(締結部品)で取り付けられる。このとき、下部本体ケース29の外周から外側へ突出したフランジ29gとフランジ29hは後部本体ケース8の下部と前部本体ケース7の下部で前後から挟まれるように固定される。後部本体ケース8と前部本体ケース7と下部本体ケース29は一体化される。後部本体ケース8と前部本体ケース7と下部本体ケース29が一体化された状態を本体ケース12とする。
前部本体ケース7は、上ファンケーシング8aを覆う上ファンケーシングカバー7aと、下ファンケーシング8dを覆う下ファンケーシングカバー7cを備える。上ファンケーシングカバー7aには、上方ファンユニット9に空気を供給するための上ファンケーシングカバー開口7bが設けられている。下ファンケーシングカバー7cには、下方ファンユニット10に空気を供給するための下ファンケーシングカバー開口7dが設けられている。
上方ファンユニット9のファン21は、回転軸の軸線前方向から吸気して遠心方向に送出する多翼遠心ファンであるシロッコファンである。上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aによって、上方ファンユニット9が送風するためのスクロール空間が形成されている。
同様に、下方ファンユニット10のファン24もシロッコファンである。下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cによって、下方ファンユニット10が送風するためのスクロール空間が形成されている。
図2に示すように、上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aで形成されたスクロール空間の上方には、上方ファンユニット9が回転軸の軸線前方向にある上ファンケーシングカバー開口7bから吸込んだ空気を遠心方向に送出するための前側送出口64が設けられている。
下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cで形成されたスクロール空間の上方には通風路66が設けられている。通風路66は、図8(a)に示すように後部本体ケース8に後面カバー6が複数のネジ(締結部品)11で取り付けられることで、後部本体ケース8の上ファンケーシング後面板8bと後面カバー6とで形成される。
通風路66は、下方ファンユニット10が吸込んだ空気を、上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aで形成されたスクロール空間の背面を通過させて、前側送出口64と同じ高さの位置に設けられた後側送出口65まで導く風路である。
下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cで形成されたスクロール空間は、上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aで形成されたスクロール空間に対し、通風路66に寄った位置である後方側にずらして配置されている。
この配置により、下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cで形成されたスクロール空間から通風路66に至る経路が急激に曲がることなく空気の流れる風路圧損を小さくすることができる。
前側送出口64と後側送出口65の上方にはガードネット31が取り付けられている。ガードネット31は、上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aで形成されたスクロール空間及び通風路66を経由して下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cで形成されたスクロール空間に異物が入り込まないようにするとともに、ファン21のような回転物に指が触れないように保護するものである。
ガードネット31の上方には、上部ユニット40が設けられている。上部ユニット40は、前側ルーバー62と後側ルーバー63及び、それらを駆動する前側ルーバー駆動モータ54aと後側ルーバー駆動モータ54bを備えている。
前側ルーバー62は、前側送出口64から送出された上方ファンユニット9の大半の送出空気を前方斜め上方から上方の範囲、例えば前方斜め上方45度から90度の範囲に送風するためのものである。同様に後側ルーバー63は、後側送出口65から送出された下方ファンユニット10の大半の送出空気を前方斜め上方から上方の範囲、例えば前方斜め上方45度から90度の範囲に送風するためのものである。前側ルーバー62及び後側ルーバー63は、空気清浄機100が稼働していないときは図12(b)のように閉じているが、稼働するときに図1のように開くようになっている。
さらに、上部ユニット40は人検出センサー45を備えている。人検出センサー45は、空気清浄機100が吸込んで送出する空気の送出方向を決定するために、空気清浄機100が置かれている居室にいる人間の位置を検出するものである。これにより人間が検出された位置に向かって送出する空気の送出方向が変更されている。
詳しくは、人間がいる位置の方向に本体1の前面パネル3が向くように、本体1が回動されて空気の送出方向が変更されている。なお、本体1を回動させて空気の送出方向を変更することについては後段で説明する。
上部ユニット40の上面前方には操作表示部41が設けられている。操作表示部41は操作基板ユニット42と複数の操作スイッチ43及び意匠シート44で構成されている。空気清浄機100を稼働させるための各種選定等の入力は操作スイッチ43で行われる。操作基板ユニット42からの操作信号が、図示しない信号線で操作基板ユニット42から接続されている制御基板49に送られる。また、入力情報や稼働状況を、図示しない表示手段に表示する。
図3に示すように制御基板49は、基板ケース48と50に組み込まれカバー47と51に覆われていて、制御基板ユニット46を構成している。制御基板49には、後述するマイコン49a、基板に実装される電子部品で構成されている出力回路49b等で制御回路が構成されている。
基板ケース48と50は難燃性の樹脂で形成されている。カバー47と51は金属で形成されている。制御基板ユニット46は、図3に示す上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aで形成されたスクロール空間と下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cで形成されたスクロール空間との間の、風路に影響を及ぼさない空間53に収容される。
前述したように制御基板49は、操作基板ユニット42と図示しない接続線で接続されている。リード線カバー52は、上方ファンユニット9から引き出された接続線がファン21に触れないようにするように後部本体ケース8に取り付けられる。
また、制御基板49と上方ファンユニット9及び下方ファンユニット10は、図示しない接続線で接続され、駆動電力が供給されるようになっている。図示しない接続線は、スクロール空間等の風路と干渉しない前部本体ケース7及び後部本体ケース8と側面カバー4あるいは側面カバー5で形成される空間に収容される。
次に、側面カバー4、側面カバー5の取り付けについて説明する。図8(a)に示すように、後面カバー6が本体ケース12に取り付けられている。後面カバー6には複数のネジ受け部6aが設けられる。後面カバー6は、複数のネジ受け部6aに、それと同数のネジ(締結部品)11がそれぞれ挿入され、本体ケース12に設けられた図示しないネジ座にねじ込まれて後面側から取り付けられている。このとき、ネジ(締結部品)11は見えている。
なお、図8(a)では前面側からみて右側寄りに設けられたネジ受け部6aと、そこに止められたネジ(締結部品)11を示してあるが、前面側からみて左側寄りにも図示しないが同様に複数のネジ受け部が設けられており、そこにネジが止められている。
後面カバー6には図8(a)に示すように、前面側からみて右側寄りに複数のスリット状開口(第2の開口)6b、6c、6d、6e、6f、6gが設けられている。スリット状開口(第2の開口)6b、6c、6d、6e、6f、6gは上下方向に並んでいる。なお、図示しないが、前面側からみて左側寄りにも同様に複数のスリット状開口が設けられている。
側面カバー4には、図9(b)に示すように、複数の係合片4d、4e、4f、4g、4h、4jが設けられている。係合片4d、4e、4f、4g、4h、4jは、後面カバー6のスリット状開口(第2の開口)6b、6c、6d、6e、6f、6gと、それぞれ1対1で対応している。
係合片4dには係合片開口(第1の開口)4kが設けられている。係合片4eには係合片開口(第1の開口)4mが設けられている。係合片4fには係合片開口(第1の開口)4nが設けられている。係合片4gには係合片開口(第1の開口)4pが設けられている。係合片4hには係合片開口(第1の開口)4qが設けられている。係合片4jには係合片開口(第1の開口)4rが設けられている。
側面カバー4は前面側からみて右側に取り付けられる。まず、図9(a)、(b)に示すように、側面カバー4の係合片4d、4e、4f、4g、4h、4jを、対応する後面カバー6のスリット状開口(第2の開口)6b、6c、6d、6e、6f、6gにそれぞれ挿入し、その後、図9(a)に示すC方向に側面カバー4を回動させる。
後面カバー6のスリット状開口(第2の開口)6bのそばには突起部6hが設けられている。スリット状開口(第2の開口)6cのそばには突起部6jが設けられている。スリット状開口(第2の開口)6dのそばには突起部6kが設けられている。スリット状開口(第2の開口)6eのそばには突起部6mが設けられている。スリット状開口(第2の開口)6fのそばには突起部6nが設けられている。スリット状開口(第2の開口)6gのそばには突起部6pが設けられている。
後面カバー6のスリット状開口(第2の開口)のそばに設けられた突起部6h、6j、6k、6m、6n、6pは、側面カバー4の係合片に設けられた係合片開口(第1の開口)4k、4m、4n、4p、4q、4rと、それぞれ1対1で対応している。
側面カバー4を回動させていくと、係合片開口(第1の開口)4k、4m、4n、4p、4q、4rが、それぞれ対応する突起部6h、6j、6k、6m、6n、6pに徐々に近づき、側面カバー4の回動が止まる位置、つまり、側面カバー4が固定される位置まで回動させると、図10(a)、(b)に示すようにそれぞれ嵌り込み、側面カバー4が抜けない係合状態となる。図11は、図10(a)、(b)に示す背面カバーと側面カバーの係合状態の斜視図である。
このように、側面カバー4を取り付けることで、図10(b)に示すようにネジ受け部6aに挿入され本体ケース12に後面カバー6を取り付けているネジ(締結部品)11のネジ頭11aは、側面カバー4によって覆われることになる。図8(b)に示すように、本体ケース12に後面カバー6を取り付けているネジ(締結部品)11は外観から視認できなくなる。これにより、見映えが良くなるとともに、本体の外観は後面カバーと側面カバーで構成されることによって金型の抜き勾配を考慮する必要がなく、デザイン性を損なわない空気清浄機を得ることが出来る。
前面側からみて左側に取り付けられる側面カバー5も、同様に複数の係合片と係合片に設けられた係合片開口を有している。図示しない後面カバー6の前面側からみて左側寄りに設けられた複数のスリット状開口に、それに対応する係合片を挿入し、側面カバー5を側面カバー5が固定される位置まで回動させると、側面カバー5の係合片開口が、図示しないスリット状開口のそばに設けられた突起部に嵌り込み、側面カバー5が抜けない係合状態となる。
図示しないが、前面側からみて左側でも本体ケース12に後面カバー6をネジで取り付けているので、側面カバー4と同様に側面カバー5もネジを覆い、ネジが外観から視認できなくなる。
次に、側面カバー4は、ネジ(締結部品)11で本体ケース12に取り付けられる。図12(a)に示すように、側面カバー4は固定される位置において、前面側にネジ受け部4u、4vが設けられており、ネジ(締結部品)11がそれぞれ挿入され、本体ケース12に設けられた図示しないネジ座にねじ込まれて前面側から取り付けられる。
同様に側面カバー5もネジ(締結部品)11で本体ケース12に取り付けられる。図12(a)に示すように、側面カバー5は固定される位置において、前面側にネジ受け部5v及び図示しないネジ受け部が設けられており、ネジ(締結部品)11がそれぞれ挿入され、本体ケース12に設けられた図示しないネジ座にねじ込まれて前面側から取り付けられる。
側面カバー4の上部には意匠シート4bが、側面カバー5の上部には意匠シート5bがそれぞれ設けられている。なお、意匠シート4bと5bは外観の質感を向上させるためのものであるが必ずしも必要ではなく、側面カバー4と5の上部をそのまま外観意匠としてもよい。
図12(a)に示す、本体1の前面側に取り付けられたプレフィルター36a、36bの奥側には、図3に示すようにHEPAフィルター35、脱臭フィルター34が取り付けられている。
吸込んだ空気に含まれる大きめの塵埃をプレフィルター36a、36bで捕集し、さらにHEPAフィルター35で、細かい塵埃を捕集し空気を浄化して排出する。脱臭フィルター34は吸込んだ空気の臭気を吸着して臭いを低減させる機能を有している。
さらにその奥側で、上ファンケーシングカバー開口7bの前方には上方ファンガード32が設けられている。下ファンケーシングカバー開口7dの前方には下方ファンガード33が設けられている。
上方ファンガード32及び下方ファンガード33はスクロール空間に異物が入り込まないようにするとともに、ファン21、ファン24のような回転物に指が触れないように保護するものである。
図12(b)に示すように、これらフィルター類を前面側から覆う前面パネル3が着脱自在に取り付けられる。フィルター類の交換や清掃は、前面パネル3を取り外して簡単に行える。図1に示すように、前面パネル3の上方には凹状の落とし込みが設けられ、その中央に開口を有している。前面パネル3が取り付けられた状態で、その開口から人検出センサー45が突出する。
前面パネル3を取り付けると、前面側から側面カバー4と5を取り付けたネジ(締結部品)11は前面パネル3に覆われることになる。本体ケース12に側面カバー4、5を取り付けているネジ(締結部品)11は外観から視認できなくなり、見映えが良くなる。
図12(a)に示すように側面カバー4には本体1の内部側に凹んだ凹状の手掛け部4aが、同様に側面カバー5には凹状の手掛け部5a(図3参照)がそれぞれ設けられ、空気清浄機100を移動するときに、そこに使用者が手を掛けて持ち運べるようになっている。手掛け部4a、手掛け部5aはともに4つの側面と底面がある凹状をしているので、手が掛けやすくなっている。
図11に示す、手掛け部4aの、本体1の内部側に侵入している手掛け部壁面4tには、ネジ受け部4sが設けられている。図13に示すように、このネジ受け部4sからネジ(締結部品)11が挿入され、本体ケース12に設けられたネジ座12aにねじ込まれて本体ケース12に取り付けられる。
これは、手掛け部4aに手を掛けて空気清浄機100を移動するときに手掛け部4aに荷重が掛かるので、手掛け部4aを本体ケース12と締結することにより強度を向上させるためのものである。図示しないが、側面カバー5の手掛け部5aも、同様に本体ケース12に締結され、手掛け部5aの強度を向上させている。
それから、図13に示すように、ネジ(締結部品)11のネジ頭11aが、手掛け部壁面4tから一段下がった位置になっている。これによって、手掛け部4aに手を掛けたとき、指がネジ(締結部品)11に触ることがなく、空気清浄機100を移動するときに不快に感じることがない。
図12(a)に示すように、側面カバー4の前側には凹部4cが設けられている。同様に側面カバー5の前方には凹部5cが設けられている(図3参照)。図12(b)に示すように、前面パネル3と側面カバー4の前方の凹部4cで、上ファンケーシング8aと上ファンケーシングカバー7aで形成されたスクロール空間及び下ファンケーシング8dと下ファンケーシングカバー7cで形成されたスクロール空間に吸込まれる空気を吸気する吸気口61が構成される。図示しないが、同様に前面パネル3と側面カバー5の前方の凹部5cでも吸気口が構成される。
(空気清浄機の動作)
次に図14を用いて空気清浄機100の動作を説明する。図14は本発明の実施の形態1に係る空気清浄機の概略ブロック図である。
制御基板49にはマイコン49aが実装され、図示しない基板上に設けられた配線パターンと実装された電子部品で出力回路49b等の制御回路が構成されている。
出力回路49bは上方ファンユニット9、下方ファンユニット10、前側ルーバー駆動モータ54a、後側ルーバー駆動モータ54b、ステッピングモータ(駆動モータ)82に接続されている。
空気清浄機100を稼働させるとき、まず、電源コード55の図示しないプラグをコンセントに挿入すると、位置検出手段80a、80b、80cが、本体1が正面を向いた状態であるかを検出する。
本体1が基準の状態、つまり正面を向いた状態でなければ、マイコン49aがステッピングモータ(駆動モータ)82を駆動させ本体1が正面を向くように本体1を回動させる。本体1が正面を向くと待機状態となる。本体1が正面を向いた状態であった場合は、そのまま待機状態となる。
待機状態から使用者が操作スイッチ43を操作すると、操作基板ユニット42を介して入力信号が制御基板49のマイコン49aに送られる。前側ルーバー駆動モータ54aと後側ルーバー駆動モータ54bが駆動し、前側ルーバー62と後側ルーバー63が、送出される空気を前方斜め上方の方向に送風するように開く。
その後、上方ファンユニット9及び下方ファンユニット10が駆動し、空気の吸込みを開始する。外部の空気は、前面パネル3と側面カバー4の前方の凹部4cで構成された吸気口61と、前面パネル3と側面カバー5の前方の凹部5cで構成された図示しない吸気口から吸込まれる。吸込まれた空気は、プレフィルター36a、36bとHEPAフィルター35と脱臭フィルター34を経由し浄化される。浄化された空気は、上方ファンガード32と上ファンケーシングカバー開口7bを通過して上方ファンユニット9へ、下方ファンガード33と下ファンケーシングカバー開口7dを通過して下方ファンユニット10へ吸込まれる。
上方ファンユニット9及び下方ファンユニット10に吸込まれた浄化された空気は、前側送出口64および後側送出口65から送出され、ガードネット31を通過し、前側ルーバー62および後側ルーバー63により前方斜め上方の方向に送風される。
さらに、その後、人検出センサー45がセンシングを開始し、空気清浄機100が置かれている居室内に人が居るか否かを検出する。人が居ることが検出できなかった場合、マイコン49aは本体1を回動させず、送出した空気をより遠くまで到達させるべく、前側ルーバー62及び後側ルーバー63が前方斜め上方約45度を向くように前側ルーバー駆動モータ54aと後側ルーバー駆動モータ54bを駆動させる。
人検出センサー45は人が居ることを検出したら、その人がいる位置の情報に関する信号を、操作基板ユニット42を介して制御基板49のマイコン49aに送る。マイコン49aはその位置情報に基づき、人がいる方向へ送風が向くように本体1を回動させるため、ステッピングモータ(駆動モータ)82を駆動させる。
ステッピングモータ(駆動モータ)82が駆動すると、ステッピングモータ(駆動モータ)82と連結した連結軸83に取り付けられたピニオンギア84が回転する。そのピニオンギア84がラックギア72との噛み合いにより回転しながら移動する。
ピニオンギア84の移動に伴い、下部本体ケース29は、回動中心軸76を中心として回動する。本体1は下部本体ケース29に締結されているので、下部本体ケース29の回動に追従して本体1が支持台2に対して回動する。そうして、本体1は人がいる位置の方向に前面パネルが向き、人がいる方向へ送風が向くようになる。
そして、送出した空気が人に直接当たらないよう、前側ルーバー62及び後側ルーバー63が上方約90度を向くように前側ルーバー駆動モータ54aと後側ルーバー駆動モータ54bを駆動させる。なお、人検出センサー45の動作タイミングは本体1が正面を向いた後で上方ファンユニット9および下方ファンユニット10が駆動する前でも良い。
以上のように本発明の実施の形態1に係る空気清浄機は、後面カバーを取り付けるネジは側面カバーによって覆われ、外観から視認できなくなる。側面カバーを取り付けるネジは前面パネルによって覆われ、外観から視認できなくなる。よって、後面、側面、前面の4面方向から見たときにネジが見えることがない外観とすることができ、意匠性が向上する。