JP6365745B2 - テープ型の使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、テープ型の使い捨ておむつに関する。具体的に説明すると、本発明の使い捨ておむつは、吸収性本体にインナーパッドを重ねて使用することができるように、インナーパッドの一部を収納するためのポケットが形成されたものである。
従来から、テープ型の使い捨ておむつが知られている。テープ型使い捨ておむつは、例えば後身頃に設けられた止着テープを前身頃に止め付けることにより、着用者の身体に装着されるタイプのおむつである。例えば、テープ型使い捨ておむつは、後身頃を着用者の背部にあてがい、前身頃を着用者の腹部にあてがった状態で、後身頃に取り付けられている止着テープを、前身頃に止め付けることにより、着用者の身体に装着することができる。テープ型使い捨ておむつは、基本的に、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体が介在する構成の吸収性本体を有する。このため、この吸収性本体によって、着用者が排泄した尿などの液体を吸収し保持することができる。
また、近年、大人用のテープ型使い捨ておむつの需要が増加している。大人用のテープ型使い捨ておむつは、吸収性本体の上にインナーパッドを重ね合わせて併用されることが多い。インナーパッドは、吸収性本体と同様に、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体が介在する構造となっている。このため、吸収性本体とインナーパッドを併用することで、排泄後には、尿を吸収したインナーパッドだけを交換すれば済むようになる。これにより、使い捨ておむつ自体は続けて使用することが可能となり、おむつの費用を軽減することができる。このような事情から、現在、インナーパッドは、排尿1回分のものや4〜5回分の排尿に対応したものまで、様々な種類の吸収量や大きさを持つものが存在している。
ここで、吸収量の多いいわゆる大判のインナーパッドは縦方向に長く、横幅も広く作られている。このような大判のインナーパッドは、一般的に、着用者の身体に沿ってフィット性が高まるように、股下部の幅が狭く前身頃と後身頃の幅が広くなるような、いわゆる砂時計型やひょうたん型の形状とされている。
また、通常、テープ型使い捨ておむつの肌に触れる内側には、立体的に起立して横漏れを防止するための一対の立体ギャザーが備えられている。ここで、従来から、立体ギャザーによって形成されたポケットの中に、砂時計型やひょうたん型の大判のインナーパッドを収納する技術が知られている(例えば特許文献1、2)。従来の技術では、大判のインナーパッドの股下部を立体ギャザーの間に収納すると共に、幅の広い前身頃や後身頃についても、立体ギャザーの下側に挿し込んだり立体ギャザーを越えて広げたりして、大判のインナーパッドを使用することとしている。
国際公開第WO2001/039714号 特開2001−293032号公報 特開平8−150163号公報
しかし、従来技術のように、立体ギャザーの間にインナーパッドを収納すると、おむつの幅方向については位置ずれが発生しにくくなるものの、インナーパッドの前身頃や後身頃はおむつ本体に固定されていないため、おむつの長手方向に位置ずれが発生し易かった。
このように、大判のインナーパッドを重ねて用いる場合、その長手方向端部の両側縁を立体ギャザーの内側に差し込んだ場合でも、立体ギャザーを越えて展開した場合でも、長手方向の端部を伝って排泄物が漏れることがある。このため、例えば特許文献3には、テープ型おむつの後身頃側の端部に、股下側に開口となったポケットを形成する技術が開示されている。このように、後身頃側にポケットを形成することで、このポケットの中に、インナーパッドの後身頃側の端部を収納することができる。これにより、インナーパッドの長手方向端部がポケットの中に収まるため、排泄物がインナーパッドを伝ってその端部に達した場合であっても、そのポケットの中に流入するようになり、外に漏れ出しにくいとされている。また、インナーパッドの端部がポケット内に収まるので位置ずれも起こりにくい。その結果、排泄物の漏洩を防止することが可能となる。
しかしながら、使い捨ておむつの後身頃側にポケットを形成したとしても、おむつ自体と着用者の体との間に十分な空間がない場合には、このポケットの機能が十分に発揮されないという問題があった。例えば、使い捨ておむつと着用者の体が密着していると、ポケットの収納空間が押し潰されてしまい、その中に排泄物が流入しづらくなる。この場合、インナーパッドの端部にまで流れ出た排泄物がポケット内に上手く流入せずに、そのまま外部へと流れ出てしまう恐れがあった。また、使い捨ておむつと着用者の体が密着していると、ポケットの開口が上手く開かずに、その中にインナーパッドを収納しづらくなる。特に、テープ型使い捨ておむつの場合、インナーパッドをスムーズにポケットに収納することができるように、左右の止着テープを引っ張ったときに、ポケットの開口が連動して開くことが好ましい。しかし、従来の技術では、ポケットの開口が開きにくくなっており、インナーパッドをスムーズに収納することが困難になっていた。
このため、現在では、インナーパッドを収納するためのポケットの空間を十分に確保することができ、しかもポケットの開口を開きやすいテープ型の使い捨ておむつが求められている。
そこで、本発明の発明者は、従来発明の問題を解決する手段について鋭意検討した結果、吸収性本体のウエスト周りに、インナーパッドを収納するポケットを形成するシートを設けると共に、このシートの上に補助シートを重ね合わせることとした。特に、この補助シートは、ポケット形成シートの股下部側の内縁と左右両側縁において連結される。このような態様でポケット形成シートの上に補助シートを連結することで、インナーパッドを収納するポケットの空間を広く確保するとともに、ポケットの開口が開きやすくなる。そして、本発明者は、上記知見に基づけば、従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成を有する。
本発明は、テープ型の使い捨ておむつに関する。
本発明のテープ型使い捨ておむつは、吸収性本体10を備える。吸収性本体10は、その長手方向において、着用者の腹部に接する前身頃10aと、着用者の背部に接する後身頃10bと、当該前身頃10aと当該後身頃10bの間に位置する股下部10cとに区分されている。
本発明のテープ型使い捨ておむつは、さらに、ポケット形成部20と、第1の止着テープ30を備える。ポケット形成部20は、前身頃10aと後身頃10bの少なくともいずれか一方に設けられる。また、止着テープ30は、少なくとも左右一対設けられる。
ここで、ポケット形成部20は、ポケット形成シート21と、補助シート22と、を含む。ポケット形成シート21は、吸収性本体10の内面に貼り付けられるシートである。また、補助シート22は、ポケット形成シート21に重ね合わされるシートである。ポケット形成シート21と補助シート22は、別々のシートによって形成されていてもよいし、シートを折り返して2つに形成したものであってもよい。ポケット形成シート21は、一枚のシート部材で構成してもよいし、複数枚のシート部材で構成してもよい。同様に、補助シート22は、一枚のシート部材で構成してもよいし、複数枚のシート部材で構成してもよい。
ポケット形成シート21は、貼合部21aを有する。貼合部21aは、ポケット形成シート21が、吸収性本体10の内面に対して貼り合わせられる部分である。貼合部21aは、股下部10c側を開口としたポケット(P)を形成するために、当該ポケット(P)の周囲を画定するように形成されている。
補助シート22は、内縁連結部22aと、側縁連結部22bと、を有する。内縁連結部22aは、補助シート22が、ポケット形成シート21の股下部10c側の内縁に連結する部分である。側縁連結部22bは、補助シート22が、ポケット形成シート21の左右の両側縁に連結する部分である。ここにいう「連結」とは、補助シート22がポケット形成シート21に接着や融着されている場合と、補助シート22とポケット形成シート21が一体に繋がっている場合(折れ目を介して繋がっている場合)の両方を含む。
さらに、本発明において、一対の第1止着テープ30は、ポケット形成シート21と補助シート22の少なくとも一方に対し、左右の両側縁から延出するように固定されている。
上記構成のように、まず、ポケット形成シート21によってポケット(P)を形成することで、このポケット(P)内に、インナーパッドの端部や両側縁の一部を収めることができる。また、このポケット形成シート21には、補助シート22が重ね合わされている。そして、この補助シート22は、ポケット形成シート21の内縁と左右両側縁において、連結している(内縁連結部22a、側縁連結部22b)。このように、補助シート22はポケット形成シート21に対して完全には貼り合わされていない。このため、ポケット形成シート21は、補助シート22に貼合されていない部分(非貼合部分)において、この補助シート21から離れて膨らむことができる。そして、ポケット形成シート21が補助シート21から離れたときには、それらのシートの間に空間が生じる。このようにして補助シート22とポケット形成シート21の間に生じる空間により、使い捨ておむつと着用者の身体の間に隙間が生まれるため、ポケット形成シート21によって形成されたポケット(P)が潰れにくくなる。従って、インナーパッドを収納するためのポケット(P)の空間を十分に確保することができる。これにより、排泄物がポケット(P)内に流入すくなることから、おむつの漏れ防止効果が高まる。また、補助シート22はポケット形成シート21の内縁に連結しているため、補助シート22が持ち上げられると同時に、ポケット形成シート21の内縁も持ち上がり、その結果、ポケット(P)の開口が上手く広がるようになる。さらに、ポケット形成シート21と補助シート22の少なくとも一方には、第1止着テープ30が固定されている。従って、第1止着テープ30を引っ張ったときに、この第1止着テープ30と連動してポケット(P)の開口が開きやすくなっている。よって、テープ型使い捨ておむつを装着する際に、ポケット(P)の中にインナーパッドを収納しやすくなる。
本発明において、補助シート22は、ポケット形成シート21がポケット(P)を形成する領域において、当該ポケット形成シート21に連結する一又は複数の中間連結部22cを、さらに有することが好ましい。
上記構成のように、ポケット形成シート21がポケット(P)を形成する領域において、補助シート22をポケット形成シート21に連結することで、補助シート22の膨らみに連動して、ポケット(P)内の空間が広く広がるようになる。これにより、さらに、ポケット(P)の中にインナーパッドを収納しやすくなる。
本発明において、第1止着テープ30は、ポケット形成シート21と補助シート22の間に挟み込んで固定されていることが好ましい。
上記構成のように、第1止着テープ30をポケット形成シート21と補助シート22の間に固定することで、これら両シート21、22と第1止着テープ30の連動性が高まる。よって、第1止着テープ30が引っ張られたときに、この第1止着テープ30と連動してポケット(P)の開口がさらに開きやすくなる、
本発明の使い捨ておむつは、吸収性本体10に対し左右の両側縁から延出するように固定されている少なくとも左右一対の第2止着テープ40を、さらに備えることが好ましい。
上記構成のように、ポケット形成シート21又は補助シート22に取り付ける第1止着テープ30とは別に、吸収性本体10に対して第2止着テープ40を取り付けておくことで、テープ型使い捨ておむつと着用者の身体のフィット性が向上する。
本発明の使い捨ておむつにおいて、補助シート22には、吸収性本体10の幅方向に沿って伸縮する補助シート伸縮部材23が固定されていることとしてもよい。
上記構成のように、補助シート22に補助シート伸縮部材23を固定して伸縮性を付与することで、使い捨ておむつのウエスト周りにおけるフィット性が向上する。さらに、補助シート22に伸縮性を付与することで、この補助シート22とポケット形成シート21の伸び縮みの差が大きくなる。その結果、補助シート22とポケット形成シート21が連結されている部分を除き、これらの補助シート22とポケット形成シート21との間に空間が形成されやすくなる。これにより、補助シート22と着用者の肌との間に隙間が生じ、ポケット(P)の収納空間を十分に確保できる。
本発明のテープ型使い捨ておむつによれば、インナーパッドを収納するためのポケットの空間を十分に確保することができる。また、本発明によれば、使い捨ておむつに形成されたポケットの開口が開きやすくなる。
図1は、本発明に係る使い捨ておむつのポケット形成部の構造を模式的に示した分解斜視図である。 図2は、本発明に係る使い捨ておむつの例を示す斜視図である。 図3は、本発明に係る使い捨ておむつの例を示す平面図である。 図4は、図3に示したY−Y線における断面図である。 図5は、ポケット形成部の形態のバリエーションを示している。 図6は、他の実施形態に係る使い捨ておむつを示す分解斜視図である。 図7は、本発明に係る使い捨ておむつの製造工程の一部を模式的に示している。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本願明細書において、「A〜B」とは、「A以上B以下」であることを意味する。
また、本願明細書において、「長手方向」というときは、基本的に、吸収性物品の前身頃と後身頃を結ぶ方向(図3に示したY軸方向)を意味し、「幅方向」というときは、長手方向と平面的に直交する方向(図3に示したX軸方向)を意味する。
まず、図1〜図4を参照して、本発明に係るテープ型使い捨ておむつ100の代表的な実施形態について説明する。図1は、本発明に係るテープ型使い捨ておむつ100の分解斜視図であり、図2は、テープ型使い捨ておむつ100の斜視図である。また、図3は、テープ型使い捨ておむつ100の展開図であり、図4は、図3に示したY−Y線の断面図である。
図1〜4に示されるように、本発明のテープ型使い捨ておむつ100は、吸収性本体10を含む。吸収性本体10は、基本的には、公知の構成を適宜採用できる。図3の平面図に示されるように、吸収性本体10は、その長手方向において、着用者の腹部に接する前身頃10aと、着用者の背部に接する後身頃10bと、これらの前身頃10aと後身頃10bの間に位置する股下部10cとに区分されている。また、吸収性本体10は、前身頃10aと後身頃10bにおける横幅が、股下部10cにおける横幅よりも広く形成されている。このように、吸収性本体10には、前身頃10aと後身頃10bにおいて、股下部10cよりも幅方向外側に延出するサイドフラップ10dを形成することができる。
また、吸収性本体10は、図4の断面図に示されるように、基本的に、吸収体11と、トップシート12と、バックシート13と、を含む。吸収体11は、尿などの液体を吸収し、吸収した液体を保持するための部材である。トップシート12は、吸収体11の内面側を被覆し着用者の肌に直接接するように配置された液透過性のシート部材である。また、バックシート13は、吸収体11の外面側を被覆するように配置された液不透過性のシート部材である。トップシート12とバックシート13は、吸収体11の周囲において、互いに接合されていることが好ましい。このようにして、トップシート12とバックシート13の間に吸収体11が封入される。
具体的に説明すると、吸収体11は、吸収性材料をコアラップシートによって被包することにより構成することができる。吸収性材料としては、公知の材料を採用できる。吸収性材料としては、例えば、粉砕パルプ(フラッフパルプ)、高吸収性ポリマー、又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は、通常、単層又は複数層のマット状に形成されて用いられる。また、吸収性コアを被包するコアラップシートとしては、ティッシュペーパーなどの公知の液透過性シートを採用すればよい。
トップシート12は、着用者の股下の肌に直接接し、尿などの液体を吸収体11に透過させる。このため、トップシート12は、柔軟性が高い液透過性材料で構成される。液透過性とは、例えば、標準の大気圧下において、常温の水を5mlその上に載せた場合に、1分未満の時間で水を透過する性質を意味する。トップシート12を構成する液透過性材料の例は、織布、不織布、又は多孔性フィルムである。また、トップシート12は、例えばポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
バックシート13は、トップシート12を透過して吸収体11に吸収された液体が、外部に漏出することを防止する。このため、バックシート13は、液不透過性材料によって構成される。液不透過性とは、例えば、標準の大気圧下において、常温の水を5mlその上に載せた場合に、1分以上経過してもその水を透過しない性質を意味する。バックシート13を構成する液不透過材料の例は、ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に、バックシート13としては、0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
また、図3の展開図等に示されるように、吸収性本体10は、トップシート12の表面(着用者の肌に対向する面)の幅方向左右両側に、サイドシート14が貼り合わされていてもよい。また、図3等に示されるように、サイドシート14には、吸収性本体10の長手方向に沿って延びる一又は複数本の立体ギャザー伸縮部材15が、長手方向に伸長した状態で、固定されている。サイドシート14と立体ギャザー伸縮部材15は、吸収性本体10の左右両側に、一対の立体ギャザーを形成するための部材である。すなわち、立体ギャザー伸縮部材15が収縮すると、サイドシート14も収縮し、立体ギャザーが立ち上がる。立体ギャザーは、吸収性本体10の両側縁部に沿って起立し、着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための漏防壁として機能する。サイドシート14としては、撥水性を有する材料を用いることが好ましい。撥水性の材料の例としては、撥水性が高くかつ通気性が良いという観点から、スパンボンドやカードエンボスのような不織布を用いることが好ましい。また、立体ギャザー伸縮部材15としては、糸状弾性ゴム又は帯状弾性ゴムを適用することが好ましい。このようなゴム材としては、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、又はポリエステル等の素材を用いることができる。
図1〜4に示されるように、本発明のテープ型使い捨ておむつ100は、ポケット形成部20を含む。ポケット形成部20は、吸収性本体10に重ねて使用されるインナーパッド50の一部を収めるポケット(P)を形成するための部材である。ポケット形成部20は、吸収性本体10の内面(着用者の肌に対向する面)に配置される。本実施形態において、ポケット形成部20は、吸収性本体10の後身頃10bに設けられている。ただし、ポケット形成部20は、吸収性本体10の前身頃10aに設けることとしてもよいし、前身頃10aと後身頃10bの両方に設けることもできる。また、図3等に示されるように、ポケット形成部20は、吸収性本体10の前身頃10a及び/又は後身頃10bにおいて、その長手方向端縁近傍の位置(ウエスト周り部分)に設けられることが好ましい。
図1の分解図に示されるように、ポケット形成部20は、基本的に、ポケット形成シート21と補助シート22とを含む。図1に示されるように、ポケット形成シート21は、吸収性本体10の内面に直接貼り合わされるシートである。すなわち、ポケット形成シート10は、吸収性本体10のトップシート12の上に貼り合わされる。また、吸収性本体10が、サイドシート14を備えるものである場合、ポケット形成シート21は、左右のサイドシート14に跨って、サイドシート14とトップシート12の上に貼り合わされることとなる。他方、補助シート22は、ポケット形成シート21の内面(着用者の肌に対向する面)の上にさらに重ね合わされるシートである。補助シート22は、ポケット形成シート21と、少なくとも一部分において連結する。
図1に示した実施形態において、ポケット形成シート21と補助シート22は、それぞれ別々のシートによって構成されている。このため、本実施形態では、ポケット形成シート21と補助シート22は、例えばホットメルト接着剤によって接着したり、ヒートシールや超音波シールによって融着したりすることで、互いに連結している。ただし、ポケット形成シート21と補助シート22は、それぞれ一体に繋がったシートから構成されるものであってもよい。例えば、一枚のシート部材を折り返すことによって、その下層に位置する部分をポケット形成シート21とし、その上層に位置する部分を補助シート22とすることも可能である。このような意味において、本願明細書で「連結」とは、補助シート22がポケット形成シート21に接着や融着されている場合と、補助シート22とポケット形成シート21が一体に繋がっている場合(折れ目を介して繋がっている場合)の両方を含む。
図1に示した実施形態において、ポケット形成シート21と補助シート22は、それぞれ、一枚のシート部材から構成されている。本実施形態において、ポケット形成シート21と補助シート22は、共に矩形状であり、それぞれ略同一の大きさ及び形状で形成されている。ただし、ポケット形成シート21と、補助シート22は、それぞれ複数枚のシート部材を重ね合わせて一枚のシートとして構成されたものであってもよい。また、ポケット形成シート21と補助シート22は、四角形以外の多角形であってもよいし、それぞれ大きさや形状が異なっていてもよい。また、ポケット形成シート21と補助シート22は、吸収性物品10の長手方向にける長さが異なるものであってもよいし、吸収性物品10の幅方向における幅が異なるものであってもよい。例えば、補助シート22は、ポケット形成シート21よりも、長手方向の長さ長く、且つ幅方向の幅が広くなっていてもよい。
また、ポケット形成シート21と補助シート22は、それぞれ公知の材料で形成できる。例えば、ポケット形成シート21と補助シート22は、使い捨ておむつの装着者の身体に触れることから、通気性と肌触りの良い素材で形成されていることが好ましい。このような観点から、ポケット形成シート21と補助シート22は、不織布で形成することが好ましい。その他、これらのシート21、22の材料としては、トップシート12と同様の材料を用いることもできる。
図1に示されるように、ポケット形成シート21は、吸収性本体10の内面に対して貼り合わされるものである。このため、ポケット形成シート21は、吸収性本体10の内面に対する貼合部21aを有している。図2に示されるように、ポケット形成シート21は、貼合部21aにおいて吸収性本体10に貼り合わされることで、ポケット(P)を形成する。ポケット(P)は、インナーパッド50の一部を収納するのに好適である。すなわち、このポケット(P)は、ポケット形成シート21と吸収性本体10の内面との間に形成された収納空間である。図2等に示されるように、このポケット(P)は、吸収性本体10の股下部10c側が開口している空間である。このため、吸収性本体10の上に重ねて配置されたインナーパッド50の一部を、その開口を通じて、ポケット(P)の中に挿し込むことができる。そして、ポケット形成シート21は、このようなポケット(P)の周囲を画定するように、吸収性本体10に対する貼合部21aが形成されている。このように、貼合部21aは、ポケット(P)の開口に相当する部分を除き、そのポケット(P)の周囲に沿って形成されるものである。
すなわち、吸収性本体10は、貼合部21aによってポケット形成シート21に固定されている。本発明では、ポケット形成シート21に第1止着テープ30が取り付けられているか、ポケット形成シート21に連結する補助シート22に第1止着テープ30が取り付けられており、着用者の前身頃側に第1止着テープ30が固定されると、ポケット形成シート21の開口部側が着用者に当接される方向に浮き、その外側に貼合点21aを介して吸収性本体10が覆いかぶさるように位置することとなる。従来のテープ型おむつにおいては、吸収性本体に止着テープが取り付けられているので、止着後は吸収性本体がそのまま着用者に密着することになるが、本発明では吸収性本体10が容易に着用者から離れるので、ポケット(P)が形成されやすくなる。貼合部21aの内側においても、テープ側に位置する部分が、吸収性本体10がポケット形成シート21から引き離れやすいようにすることは重要となる。すなわち、貼合部21aのうち、吸収性本体10の両側縁に沿った部分(コの字型の突き出た辺)の間隔は広いほうが好ましい。この部分は吸収性本体10の両側縁と一致してもいいし、両側縁から内側に位置してもよい。貼合点21のうちのこの部分だけ、使用者の都合で部分的に剥がすことが可能に固定されていてもよい。そのようにすることで、大きなインサートパッドを納めやすくなる。
具体的に説明すると、貼合部21aは、図1等に示されるように、股下部10c側を開口としたコの字型で形成することができる。ただし、貼合部21aの形状は、コの字型に限定されるものではなく、開口を持つポケット(P)を画定できる形状であれどのような形状であってもよい。例えば、貼合部21aは、U字型や、C字型、M字型等で形成することもできるし、その他の多角形状や曲線で形成した形状とすることも可能である。図3等に示されるように、本実施形態において、貼合部21aは、吸収性本体10の長手方向端縁に沿って幅方向(X方向)に延びる部分と、吸収性本体10の両側縁に沿って長手方向(Y方向)に延びる部分を有している。貼合部21aのうち、幅方向に延びる部分は、吸収性本体10の長手方向端縁と一致していてもよいし、長手方向端縁から離れていてもよい。同様に、貼合部21bのうち、長手方向に延びる部分は、吸収性本体10の両側縁と一致していてもよいし、両側縁から離れていてもよい。
ポケット形成シート21を吸収性本体10に貼り合わせるための貼合部21aは、ホットメルト接着剤などの流動性のある接着剤によって形成することが好ましい。ただし、ヒートシールや超音波シール等によって、ポケット形成シート21と吸収性本体10を熱融着させることも可能である。また、貼合部21aにおいて、ポケット形成シート21は吸収性本体10に全面的に貼り付けられている必要はない。例えば、貼合部21aは、ストライプ状やドット状のパターンで形成されたものであってもよい。
補助シート22は、上記ポケット形成シート21が形成したポケット(P)を広げやすくしたり、ポケット形成シート21と着用者の身体の間の空間を確保してポケット(P)が潰れにくくするなど、ポケット形成シート21を補助する役割を担うシートである。補助シート22は、ポケット形成シート21の上に重なって連結している。
図1等に示されるように、補助シート22は、ポケット形成シート21との連結点として、内縁連結部22aと側縁連結部22bを含む。内縁連結部22aは、ポケット形成シート21の縁のうち、吸収性本体10の股下部10c側の縁(「内縁」という)と、補助シート22を連結する部分である。特に、内縁連結部22aにおいては、ポケット形成シート21の内縁と、補助シート22の内縁とが連結するものであることが好ましい。つまり、ポケット形成シート21の内縁と補助シート22の内縁とは揃っており、この揃っている点において、両シートの内縁が連結されている。また、側縁連結部22bは、ポケット形成シート21の縁のうち、吸収性本体10の幅方向の左右両側の縁(「側縁」という)と、補助シート22を連結する部分である。特に、側縁連結部22bにおいては、ポケット形成シート21の側縁と、補助シート22の側縁とが連結するものであることが好ましい。図1等に示されるように、内縁連結部22aと側縁連結部22bは、互いに交わって、交点を持つものであることが好ましい。ただし、内縁連結部22aと側縁連結部22bは互いに離れていてもよい。
また、図1等に示されるように、補助シート22は、ポケット形成シート21との連結点として、中間連結部22cを含むことが好ましい。中間連結部22cは、左右の側縁連結部22bの間に位置する連結部である。より具体的には、図2や図3に示されるように、中間連結部22cは、貼合部21aによってポケット(P)が形成されている領域において、補助シート22とポケット形成シート21を連結するものであることが好ましい。言い換えると、中間連結部22cは、貼合部21aよりも内側の領域において、補助シート22とポケット形成シート21連結するものである。図1に示された実施形態において、中間連結部22cは、吸収性本体10の長手方向に沿って延びる直線状に形成されている。ただし、中間連結部22cは、点状(ドット状)であてもよいし、破線状であってもよいし、曲線又は屈曲線状であってもよい。また、図1等に示されるように、中間連結部21cは、内縁連結部22aと繋がっているものであることが好ましい。また、図1に示された実施形態において、中間連結部22cは、2本形成されている。ただし、中間連結部21cは、1本であってもよいし、3本以上形成されていてもよい。
本発明において、内縁連結部22a、側縁連結部22b、及び中間連結部22cは、超音波シールによってポケット形成シート21と補助シート22を連結することにより、形成されていることが好ましい。ただし、各連結部22a、22b、22cは、ヒートシールやホットメルト接着剤によって形成されていてもよい。
図2の斜視図には、吸収性本体10と、ポケット形成シート21と、補助シート22とを重ね合わせた状態を示している。ポケット形成シート21は、例えばコの字状の貼合部21aによって吸収性本体10に貼り合わされているため、このポケット形成シート21と吸収性本体10の間には、股下部10c側に開口を持つポケット(P)が形成される。また、図2に示されるように、ポケット形成シート21の上には、内縁連結部22a、側縁連結部22b、及び中間連結部22cを介して、補助シート22が連結している。このように、各連結部22a、22b、22cにおいて部分的に、補助シート22がポケット形成シート21上に連結していることで、補助シート22とポケット形成シート21との間に空間が生じる。すなわち、補助シート22は膨らむことができるため、ポケット形成シート21と着用者の肌との間に空間が形成され、ポケット形成シート21が着用者の肌に密着することを防止できる。これにより、ポケット形成シート21が形成したポケット(P)内の空間が、押し潰されにくくなる。また、補助シート22がポケット形成シート21の内縁に連結(内縁連結部22a)していることで、補助シート22が膨らんだときには、ポケット形成シート21の内縁を持ち上げられる。これにより、ポケット形成シート21によって形成されたポケット(P)の開口が開きやすくなる。また、補助シート22が、中間連結部22cにおいてポケット形成シート21に連結していることで、補助シート22が膨らんだときには、ポケット(P)の収納空間が広げられるようになる。その結果、ポケット形成シート21が形成するポケット(P)の中に、大判のインナーパッド50の長手方向端部や両側縁の一部を簡単に収めることができる。
また、図4は、図3に示したY−Y線における断面図である。図4を参照してみても明らかなように、ポケット形成シート21を貼合部21aにおいて吸収性本体10に貼り付けることで、ポケット(P)が形成される。そして、ポケット形成シート21の上に補助シート22を重ね合わせて、両シートを内縁連結部22aにおいて連結することで、このポケット(P)の開口が開かれて、ポケット(P)の内部空間が大きく確保されていることがわかる。さらに、ポケット形成シート21と補助シート22の間にも空間が形成されているため、ポケット形成シート21が着用者の肌に密着しにくくなっており、このポケット(P)の内部空間が潰れにくくなっている。これにより、ポケット(P)の内部に、大判のインナーパッド50を挿し込みやすくなる。
図3の展開図には、上記ポケット(P)に、長手方向の一端が差し込まれたインナーパッド50が示されている。図4の断面図には、インナーパッド50の断面構造が示されている。図3及び図4に示されるように、インナーパッド50は、吸収性本体10の内面側に重ね合わせて用いることができる吸収性物品である。インナーパッド50は、基本的に、吸収体51と、トップシート52と、バックシート53と、を含む。吸収体51は、尿などの液体を吸収し、吸収した液体を保持するための部材である。トップシート52は、吸収体51の内面側を被覆し着用者の肌に直接接するように配置された液透過性のシート部材である。また、バックシート53は、吸収体51の外面側を被覆するように配置された液不透過性のシート部材である。トップシート52とバックシート53は、吸収体51の周囲において、互いに接合されていることが好ましい。このようにして、トップシート52とバックシート53の間に吸収体51が封入される。このように、インナーパッド50は、吸収性本体10と基本的な構成は同じである。
また、図3に示されるように、本発明の使い捨ておむつ100においては、比較的大判のインナーパッド50を併用することができる。図3に示されるように、大判のインナーパッド50は、いわゆる砂時計型に形成されたものであることが好ましい。ここにいう砂時計型とは、前身頃側及び後身頃側の幅が股下部における幅よりも広く形成された形状である。本発明の使い捨ておむつ100は、上述したポケット形成部20によって収納空間の広いポケット(P)を形成している。このため、比較的大判のインナーパッド50でも、簡単に併用することができる。
また、図1の展開図に示されるように、本発明の使い捨ておむつ100は、さらに、第1止着テープ30を含む。第1止着テープ30は、テープ型使い捨ておむつの後身頃と前身頃を連結して、着用者の股下に装着させるための部材である。第1止着テープ30は、使い捨ておむつの幅方向左右両側に設けられ、少なくとも左右一対ずつ備え付けられている。図1に示されるように、第1止着テープ30は、先端部分が使い捨ておむつの幅方向両側縁から延出しており、その先端部分に係合手段31が設けられている。係合手段31は、使い捨ておむつ100の前身頃の外面に設けられたフロントパッチ60と係合する。係合手段31は、例えば、粘着剤や粘着テープにより固定を行うものであってもよいし、フロントパッチ60に機械的に結合される面状ファスナーであってもよい。面状ファスナーは、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状等)が形成されたフック材と、表面にループ状の繊維が配置されたループ材との組み合わせにより構成される。例えば、第1止着テープ30の係合手段31としてフック材を採用し、フロントパッチ60にはループ材を採用すればよい
図1に示されるように、本発明において、第1止着テープ30の基端部は、ポケット形成シート21と補助シート22との間に挟持して固定されていることが好ましい。例えば、第1止着テープは、ポケット形成シート21と補助シート22とを側縁連結部22bにおいて連結する際に、両シート21、22の間に固定することもできる。このように、第1止着テープ30をポケット形成シート21と補助シート22の間に固定することで、第1止着テープ30を引っ張ったときに、これら両シート21、22にも引張力が伝わるため、第1止着テープ30に連動してポケット(P)が開くようになる。従って、テープ型使い捨ておむつ100を装着する際にポケット(P)が開くようになるため、このポケット(P)の中に、インナーパッド50を差し込みやすくなる。
ただし、第1止着テープ30は、ポケット形成シート21と補助シート22の少なくともいずれか一方に固定されていればよい。例えば、補助シート22の裏面(肌に対抗しない面)側に、第1止着テープ30を固定することも可能である。
また、本発明の使い捨ておむつ100は、さらに、第2止着テープ40を含むものであってもよい。第2止着テープ40は、第1止着テープ30と同様に、先端部分が使い捨ておむつの幅方向両側縁から延出しており、その先端部分に係合手段41が設けられている。この係合手段41は、使い捨ておむつ100の前身頃の外面に設けられたフロントパッチ60と係合する。第2止着テープ40は、第1止着テープ30とは異なり、吸収性本体10に固定されたものであることが好ましい。このように、ポケット形成シート21と補助シート22の間に取り付ける第1止着テープ30とは別に、吸収性本体10に対して第2止着テープ40を取り付けておくことで、テープ型使い捨ておむつと着用者の身体のフィット性が向上する。
続いて、図5は、ポケット形成部20の形態の様々なバリエーションを示している。
図5(a)に示されるように、ポケット形成シート21と補助シート22により構成されるポケット形成部20は、吸収性本体10の幅方向両側縁から延出する程度に幅広に形成されていてもよい。このように、ポケット形成部20の幅が、吸収性本体10の幅よりも広いものである場合、使い捨ておむつの着用時に、おむつのウエスト周りを着用者にフィットさせやすくなる。また、図5(a)に示されるように、ポケット形成部20の幅が吸収性物品10の幅よりも広い場合、ポケット(P)を形成するコの字型の貼合部21aの幅方向外側に、さらに追加貼合部21bを形成することとしてもよい。追加貼合部21bは、ポケット形成シート21を吸収性本体10の内面に貼り合わせた部分である。コの字型の貼合部21aの外側に、追加貼合部21bを形成しておくことで、ポケット形成シート21が吸収性本体10から浮いてしまうことを防止できる。追加貼合部21bは、直線状に形成されていてもよいし、ドット状などの間欠的なパターンで形成されていてもよい。
また、図5(b)に示されるように、ポケット形成部20の幅は、吸収性本体10の幅よりも狭く形成されていてもよい。このように、ポケット形成部20の幅を吸収性本体10の幅よりも狭くすることで、使い捨ておむつの両端からポケット形成部20がはみ出すことを防止できるため、着用時における使い捨ておむつの見栄えが良くなる。
また、図示は省略するが、ポケット形成部20の幅は、吸収性本体10の幅と同じ幅であってもよい。
さらに、図5(c)に示されるように、ポケット形成部20は、吸収性本体10の長手方向の端縁から延出していてもよい。図5(c)に示されるように、ポケット形成部20が、吸収性本体10の長手方向端縁から延出することで、装着時において着用者の腹部がポケット形成部20に接触するようになる。このため、ポケット形成部20を構成するポケット形成シート21と補助シート22を柔らかい不織布などで形成することで、使い捨ておむつの装着感が良化される。また、ポケット形成部20が吸収性本体10の長手方向の端縁から延出する場合、このポケット形成部20には比較的大型の第1止着テープ30を取り付けることが好ましい。
続いて、図6は、図1に示した実施形態とは異なる実施形態の使い捨ておむつを示している。図1に示した実施形態において、補助シート22は一枚のシート部材(例えば不織布)によって形成されている。これに対し、図6に示した実施形態において、補助シート22には、幅方向に沿って伸縮する一又は複数の補助シート伸縮部材23が固定されている。例えば、補助シート22は、一枚のシート部材の裏面(着用者の肌に対抗しない面)に補助シート伸縮部材23を固定した構成とすることもできるし、2枚のシート部材の間に弾性伸縮部材を固定した構成とすることもできる。補助シート伸縮部材23としては、糸状弾性ゴム又は帯状弾性ゴムを適用することが好ましい。補助シート伸縮部材23の数は、1本以上であればよく、2本以上であることが好ましい。例えば、補助シート伸縮部材23は、3〜10本又は4〜8本であることが好ましい。
このように、補助シート伸縮部材23を固定して、補助シート22に伸縮性を付与することで、使い捨ておむつのウエスト周りにおけるフィット性が向上する。さらに、補助シート22に伸縮性を付与することで、この補助シート22とポケット形成シート21の伸び縮みの差が大きくなる。その結果、補助シート22とポケット形成シート21が連結されている部分(22a、22b、22c)を除き、これらの補助シート22とポケット形成シート21との間に空間が形成されやすくなる。これにより、補助シート22と着用者の肌との間に隙間が生じ、ポケット(P)の収納空間を十分に確保できる。
続いて、図7は、本発明の使い捨ておむつ100の製造方法の好ましい形態を示している。図7に示した実施形態の製造方法に従うと、前身頃と後身頃の両方に上述したポケット形成部20が設けられた使い捨ておむつを容易に製造することが可能となる。図7(a)は、使い捨ておむつの製造工程のうち、吸収性本体10にポケット形成部20を取り付ける工程を模式的に示している。また、図7(b)は、図7(a)に示したX−X線における断面図を示している。
図7(a)に示されるように、本発明の使い捨ておむつを製造するためには、まず、吸収性本体の連続体10´を製造する。吸収性本体の連続体10´は、最終製品の状態における吸収性本体10が、その長手方向に複数連続して連なった状態の原体である。つまり、吸収性物品の連続体10´を、前身頃と後身頃の境界線に沿って切断することで、吸収性本体10が得られるようになっている。吸収性本体の連続体10´を製造する方法は、公知であるため、ここでの詳細な説明は割愛する。
次に、ポケット形成部の結合体20´を製造する。ポケット形成部の結合体20´は、最終製品の状態におけるポケット形成部が、2つ結合した状態にある原体である。このとき、ポケット形成部の結合体20´は、吸収性本体10の前身頃側に配置される前身頃用のポケット形成部20Aと、吸収性本体10の後身頃側に配置される後身頃用のポケット形成部20Bとが結合した状態のものとなる。
ポケット形成部の結合体20´を製造するためには、二枚分のポケット形成シートが繋がっている原体の上に、二枚分の補助シートが繋がっている原体を重ね合わせる。このとき、ポケット形成シートの原体と補助シートの原体を、上述した内縁連結部22a、側縁連結部22b、及び中間連結部22cに相当する位置で結合する。また、ポケット形成シートの原体と補助シートの原体の間には、後身頃用のポケット形成部20Bに対応する位置において、第1止着テープ30を挟持固定することとしてもよい。なお、一般的には、前身頃用のポケット形成部20Aに第1止着テープ30を取り付ける必要はない。
このようにして得られたポケット形成部の結合体20´を、吸収性本体の連続体10´の上に重ね合わせる。このとき、例えば、吸収性本体の連続体10´には、上述した貼合部21aに相当する位置に、ホットメルト接着剤等を塗布しておく。貼合部21aは最終的にはコの字型となることが好ましいため、吸収性本体の連続体10´には、2つのコの字を対称的に繋げたH型に接着剤を塗布すればよい。そして、接着剤が塗布された吸収性本体の連続体10´の上に、ポケット形成部の結合体20´を重ね合わせる。ここで、吸収性本体の連続体10´から個別の吸収性本体10を切り離す境界線となる位置に、ポケット形成部の結合体20´から個別のポケット形成部20A、20Bを切り離す境界線が一致するように、両者を重ねる。
その後、図7(a)に示されるように、個別の吸収性本体10を切り離す境界線と個別のポケット形成部20A、20Bを切り離す境界線に相当する位置において、吸収性本体の連続体10´とポケット形成部の結合体20´を同時に切断する。ここで、吸収性本体の連続体10´とポケット形成部の結合体20´の切断箇所近傍の断面図は、図7(b)に示されている。このように、吸収性本体の連続体10´とポケット形成部の結合体20´を切断することで、前身頃用のポケット形成部20Aと、後身頃用のポケット形成部20Bと、吸収性本体10とを同時に形成することができる。すなわち、上記工程に従うことで、前身頃と後身頃の両方にポケット形成部20A、20Bが取り付けられた使い捨ておむつを、少ない工程で簡単に製造できるようになる。
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は、テープ型の使い捨ておむつに関する。従って、本発明は、使い捨ておむつの製造業において好適に利用し得る。
10…吸収性本体 10a…前身頃 10b…後身頃
10c…股下部 10d…サイドフラップ 11…吸収体
12…トップシート 13…バックシート 14…サイドシート
15…立体ギャザー伸縮部材 20…ポケット形成部 21…ポケット形成シート
21a…貼合部 21b…追加貼合部 22…補助シート
22a…内縁連結部 22b…側縁連結部 22c…中間連結部
23…補助シート伸縮部材 30…第1止着テープ 31…係合手段
40…第2止着テープ 41…係合手段 50…インナーパッド
51…吸収体 52…トップシート 53…バックシート
60…フロントパッチ 100…使い捨ておむつ

Claims (4)

  1. 着用者の腹部に接する前身頃(10a)と、着用者の背部に接する後身頃(10b)と、当該前身頃(10a)と当該後身頃(10b)の間に位置する股下部(10c)とを有する吸収性本体(10)を備えた、テープ型の使い捨ておむつであって、
    前記前身頃(10a)と前記後身頃(10b)の少なくともいずれか一方に設けられたポケット形成部(20)と、
    少なくとも左右一対の第1止着テープ(30)と、を備え、
    前記ポケット形成部(20)は、
    前記吸収性本体(10)の内面に貼り付けられたポケット形成シート(21)と、
    前記ポケット形成シート(21)に重ね合わされた補助シート(22)と、を含み、
    前記ポケット形成シート(21)は、
    前記股下部(10c)側を開口としたポケット(P)を形成するために、当該ポケット(P)の周囲を画定するように形成された、前記吸収性本体(10)の内面に対する貼合部(21a)を有し、
    前記補助シート(22)は、
    前記ポケット形成シート(21)の前記股下部(10c)側の内縁に連結する内縁連結部(22a)と、
    前記ポケット形成シート(21)の左右の両側縁に連結する側縁連結部(22b)と、
    前記ポケット形成シート(21)が前記ポケット(P)を形成している領域において、当該ポケット形成シート(21)に連結する一又は複数の中間連結部(22c)を、を有し、
    前記一対の第1止着テープ(30)は、前記ポケット形成シート(21)と前記補助シート(22)の少なくとも一方に対し、左右の両側縁から延出するように固定されている
    テープ型の使い捨ておむつ。
  2. 前記補助シート(22)には、前記吸収性本体(10)の幅方向に沿って伸縮する補助シート伸縮部材(23)が固定されている
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記中間連結部(22c)は、前記内縁連結部(22a)と繋がるように形成されている
    請求項1又は請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記中間連結部(22c)は、前記吸収性本体(10)の長手方向に沿って延びる直線状,点状,破線状,曲線,又は屈曲線状に形成されている
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
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