JP6363911B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
(1)本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に沿って延びるコードのゴム引き層からなる補強ベルトを備え、かつ、トレッド踏面のタイヤ幅方向両端に、トレッド周方向に連続して延びる周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側の周方向主溝とトレッド端とでリブ状の外側陸部が形成された空気入りタイヤであって、前記空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態において、前記補強ベルトは、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面視において、第1のベルト補強層と、前記第1のベルト補強層のタイヤ径方向外側、かつ、前記第1のベルト補強層のタイヤ幅方向の両端側に配置された一対のベルト補強部からなる第2のベルト補強層とを少なくとも有し、前記第2のベルト補強層を構成するコードの弾性率は、前記第1のベルト補強層を構成するコードの弾性率よりも高く、前記外側陸部のトレッド踏面に、前記周方向主溝に連通しない複数の穴部が形成され、タイヤ周方向に並ぶ前記穴部からなる穴部列が、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面視において、前記ベルト補強部のタイヤ幅方向内側の端部から、タイヤ幅方向外側に向かって前記ベルト補強部のタイヤ幅方向の寸法の30%までの、第1のタイヤ幅方向領域に形成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の空気入りタイヤによれば、効率的な静粛性の達成とショルダー部の偏摩耗の抑制とを両立させることができる。
「トレッド踏面」とは、タイヤを、適用リムに組み付け、規定内圧を適用し、最大負荷能力に対応する負荷を加えた状態で転動させた際に、路面と接触することとなる、タイヤの全周にわたる外表(周)面のことを言う。
「トレッド端」とは、上記「トレッド踏面」のタイヤ幅方向最外位置を指す。
「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMAのJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTOのSTANDARDS MANUAL、米国ではTRAのYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。
また、「規定内圧」とは、適用サイズのタイヤにおける上記規格のタイヤの最大負荷能力に対応する内圧をいうものとする。
「リブ状」とは、溝やサイプによりブロック状に分断されていない陸部をいうものとする。
「サイプ」とは、ブロックの表面から内部に切り込まれた薄い切込みであって、接地時に閉じることが可能なものをいう。
本実施形態のタイヤによれば、まず上述の基準状態において、補強ベルト6は、タイヤ1のタイヤ幅方向断面視において、第1のベルト補強層6aと、第1のベルト補強層6aのタイヤ径方向外側、かつ、第1のベルト補強層6aのタイヤ幅方向の両端側に配置された一対のベルト補強部6c及び6dからなる第2のベルト補強層6bとを少なくとも有し、第2のベルト補強層6bを構成するコードの弾性率は、第1のベルト補強層6aを構成するコードの弾性率よりも高くしている。そして、外側陸部12cのトレッド踏面に、周方向主溝11bに連通しない複数の穴部13が形成され、タイヤ周方向に並ぶ穴部13aからなる穴部列14aが、タイヤ1のタイヤ幅方向断面視において、ベルト補強部6cのタイヤ幅方向内側の端部6eから、タイヤ幅方向外側に向かってベルト補強部6cのタイヤ幅方向の寸法の30%までの、第1のタイヤ幅方向領域AR1に形成されている。
そのため本実施形態のタイヤ1によれば、ベルト補強層6bだけ高弾性としたことにより、効率的に静粛性を達成できる。また、ベルト補強層6bだけ高弾性としたことにより、ショルダー領域とセンター領域との径差が大きくなって、ひきずりが発生するものの、ひきずりにより生じる力を、穴部13aの変形により吸収・緩和することができるので、偏摩耗を抑制できる。よって本実施形態のタイヤ1によれば、安価な静粛性の達成と外側陸部12cの偏摩耗の抑制とを両立させることができる。
特に図1の実施形態に示すように、このようなサイプ26は、タイヤ周方向に屈曲して終端していることがより好ましい。サイプ26をこのような形状とすると、種々の方向から加わる力を分散することができ、偏摩耗をより抑制することができる。
路面上走行時と同様の負荷を与え、摩耗状態を室内で再現する摩耗ドラム試験を行うことにより行った。具体的には、路面端から路面中央に向かって水平方向に対して0.2°の傾斜角度を有する路面上を、70km/hの一定速度下で車両を120,000km走行させた。そして、タイヤセンター領域とショルダー領域のそれぞれにおいて、新品時のセンター領域及びショルダー領域のタイヤ径方向の寸法と、摩耗後のセンター領域及びショルダー領域のタイヤ径方向の寸法を測定し、これを比較することにより磨耗性評価を行った。なお、ここで言うセンター領域の径方向の寸法とは、タイヤ赤道面の径方向寸法のことであり、ショルダー領域のショルダータイヤ径方向の寸法とは、外側陸部12cのショルダータイヤ径方向の寸法の平均のことである。
Claims (5)
- タイヤ周方向に沿って延びるコードのゴム引き層からなる補強ベルトを備え、かつ、トレッド踏面のタイヤ幅方向両端に、トレッド周方向に連続して延びる周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側の周方向主溝とトレッド端とでリブ状の外側陸部が形成された空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態において、
前記補強ベルトは、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面視において、第1のベルト補強層と、前記第1のベルト補強層のタイヤ径方向外側、かつ、前記第1のベルト補強層のタイヤ幅方向の両端側に配置された一対のベルト補強部からなる第2のベルト補強層とを少なくとも有し、
前記第2のベルト補強層を構成するコードの弾性率は、前記第1のベルト補強層を構成するコードの弾性率よりも高く、
前記外側陸部のトレッド踏面に、前記周方向主溝に連通しない複数の穴部が形成され、
タイヤ周方向に並ぶ前記穴部からなる穴部列が、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面視において、前記ベルト補強部のタイヤ幅方向内側の端部から、タイヤ幅方向外側に向かって前記ベルト補強部のタイヤ幅方向の寸法の30%までの、第1のタイヤ幅方向領域に形成されており、
前記穴部が形成された外側陸部には、前記基準状態とした空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面視において、前記周方向主溝とタイヤ幅方向最内側の穴部列との間の第3のタイヤ幅方向領域に、一端が前記周方向主溝に開口し、かつ、他端が前記外側陸部内でタイヤ周方向に屈曲して終端するサイプが形成されている空気入りタイヤ。 - 前記サイプは、前記周方向周溝に開口する前記一端からタイヤ周方向に対して傾斜する方向に延在する傾斜部分と、当該傾斜部分からタイヤ周方向に屈曲して延在し前記他端で終端する周方向部分と、で構成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記周方向部分は、タイヤ周方向において、前記穴部とオーバーラップしている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記穴部が形成された外側陸部のトレッド踏面には、前記基準状態とした空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面視において、前記第1のタイヤ幅方向領域に形成された穴部列よりもタイヤ幅方向外側の第2のタイヤ幅方向領域に、タイヤ周方向に並ぶ穴部からなる穴部列が形成されており、各穴部列の穴部はタイヤ周方向において他の穴部列の穴部とオフセットした位置に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記穴部が形成された外側陸部には、タイヤ幅方向内側の端部が、タイヤ幅方向最外側の穴部列の穴部とタイヤ幅方向でオーバーラップし、かつ、タイヤ周方向でオフセットするサイプが形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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