JP6363850B2 - インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造 - Google Patents

インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6363850B2
JP6363850B2 JP2014037163A JP2014037163A JP6363850B2 JP 6363850 B2 JP6363850 B2 JP 6363850B2 JP 2014037163 A JP2014037163 A JP 2014037163A JP 2014037163 A JP2014037163 A JP 2014037163A JP 6363850 B2 JP6363850 B2 JP 6363850B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor drive
wheel
wheel motor
drive device
lower arms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014037163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015160530A (ja
Inventor
四郎 田村
四郎 田村
勇介 澁谷
勇介 澁谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2014037163A priority Critical patent/JP6363850B2/ja
Publication of JP2015160530A publication Critical patent/JP2015160530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6363850B2 publication Critical patent/JP6363850B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

本発明は、転舵輪を駆動するインホイールモータ駆動装置と、転舵輪を転舵させる転舵機構との連結構造に関する。
インホイールモータ駆動装置は、電気駆動されることから環境に負荷を与えることが少ないばかりでなく、自動車の車輪内に設置されて当該車輪を駆動することから、エンジン自動車と比較して広い車室スペースを確保することができ、有利である。そこでインホイールモータ駆動装置を車体側に取り付ける技術としては従来、例えば非特許文献1に記載のごときものが知られている。非特許文献1は、インホイールモータ駆動装置をハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置で懸架し、当該インホイールモータ駆動装置で転舵輪を駆動する技術を提案する。
ところで、転舵輪を転舵させる転舵機構として、ステアリングギアボックスが周知である。一般的なステアリングギアボックスは例えば特許文献1に記載されるように、車幅方向に延びるラックと、ラックの両端から車幅方向外側へそれぞれ延びる1対のタイロッドと、各タイロッドの先端に取り付けられたタイロッドエンドとを備えている。そしてタイロッドエンドが、左右の転舵輪のロードホイール内空領域に差し込まれ、ロードホイール内のハブキャリア(ナックルあるいはナックルアームとも称する)に回動可能に連結される。
特開2005−138709号公報
村田智史、「139-20105175 インホイールモータ駆動ユニットの開発」、学術講演会前刷集 No.28-10、社団法人自動車技術会、2010年
非特許文献1は、転舵機構を、インホイールモータ駆動装置で駆動される転舵輪にどのように連結するかについては何ら開示していない。仮に転舵機構をインホイールモータ駆動装置に連結するとすれば、以下に説明するような問題を生ずる。つまりインホイールモータ駆動装置と従来のハブキャリアとを比較すると、インホイールモータ駆動装置の軸線方向寸法および径方向寸法は、ハブキャリアのそれよりも大きいため、転舵時に転舵機構とインホイールモータ駆動装置が互いに干渉する虞がある。
本発明は、上述の実情に鑑み、インホイールモータ駆動装置と転舵機構とが干渉しない、インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造は、転舵輪のロードホイール内空領域に配置され、転舵輪を駆動するインホイールモータ駆動装置と、インホイールモータ駆動装置からロードホイールの周縁を超えて上方へ延びる上下アームと、ロードホイールの周縁よりも上方で上下アームに連結される転舵機構と、インホイールモータ駆動装置の下側に配置され車幅方向外側端部が下側回動点を介してインホイールモータ駆動装置の下部に連結されるロアアームとを備える。そして転舵輪の直進走行において上下アームは、その根元部から中間部分まで一旦車幅方向内側へ向かって延び、次に中間部分から上端部まで車幅方向外側へ向かって延びる形状である。さらに上下アームは、その根元部から中間部分まで一旦車両後方へ向かって延び、次に中間部分から上端部まで車両前方へ向かって延びる形状である。またロアアームは、中央部が下側回動点および車幅方向内側端部よりも下方に位置するよう湾曲して延びる形状である。
かかる本発明によれば、転舵機構がロードホイールの外径側に配置されることから、転舵機構をインホイールモータ駆動装置から十分に離隔することができる。したがって、従来のハブキャリアよりも大きな外径方向寸法および軸線方向寸法を有するインホイールモータ駆動装置が、転舵軸回りに回動して、転舵機構に接近したとしても、インホイールモータ駆動装置および転舵機構が互いに干渉することはない。なお転舵機構は、ラックアンドピニオン式のステアリングギアボックスと、ステアリングギアボックスの両端からそれぞれ延びる一対のタイロッドとを有する一般的なものであればよい。そしてステアリングギアボックスの構成は機械式、電動式、油圧式等特に限定されない。
四輪車において、転舵機構は車幅方向に離隔した左右一対の転舵輪の間に配置される。転舵機構の配置箇所は特に限定されないが、一実施形態としてインホイールモータ駆動装置は、当該インホイールモータ駆動装置に設けられて転舵輪の転舵を可能にする下側回動点を有し、上下アームは、当該上下アームの上端部に設けられて転舵輪の転舵を可能にする上側回動点と、上下アームの上端部から突出し、上側回動点と下側回動点とを通る仮想直線である転舵輪の転舵軸から離れる方向に延びる延長アーム部とを有し、転舵機構は延長アーム部に連結される。かかる実施形態によれば、転舵機構が上下アームから十分に離隔される。したがって、一対の上下アーム間の領域が狭い場合であっても、一対の上下アーム間に転舵機構を配置する必要が無く、転舵機構の配置箇所を確保することができる。
好ましい実施形態として転舵輪は車両の前輪であって、延長アーム部は上下アームの上端部から車両前方へ延びる。かかる実施形態によれば、転舵機構を転舵輪およびインホイールモータ駆動装置よりも車両前方へ配置することができる。したがって車両の前後方向中央に位置する車室空間を車両前方に拡張することができる。また、インホイールモータ駆動装置を採用することによって従来よりも広がった車室空間を損なうことがない転舵機構の配置レイアウトを提供することができる。他の実施形態として延長アーム部は上下アームの上端部から車両後方へ延びてもよい。あるいは延長アーム部を設けることなく、転舵機構を上下アームに連結してもよい。別の実施形態として転舵輪は車両の後輪であってもよい。
インホイールモータ駆動装置と上下アームとの接続構造は特に限定されない。また上下アームと延長アーム部との接続構造は特に限定されない。好ましい実施形態として、インホイールモータ駆動装置のケーシングと、上下アームとが一体に形成される。また好ましい実施形態として、上下アームと、延長アーム部とが一体に形成される。より好ましい実施形態として、インホイールモータ駆動装置のケーシングと、上下アームと、延長アーム部とが一体に形成される。かかる実施形態によれば、インホイールモータ駆動装置のケーシングと、上下アームと、延長アーム部とを互いに強固に一体結合することができる。またインホイールモータ駆動装置の軽量化を図り、サスペンション装置のばね下重量を軽くすることができる。一実施形態として転舵機構は、上下アームのうち中間部分と上端部との間の部位に連結される。そして上下アームは回動連結点を介して転舵機構と連結されるとよい
このように本発明によれば、転舵輪の転舵中にインホイールモータ駆動装置と転舵機構とが互いに干渉しない。また転舵機構が車室空間を損なうことがない。
本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造を示す平面図である。 同構造を示す側面図である。 同構造を示す正面図である。 同構造を示す底面図である。 本発明の他の実施形態になるインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造を示す平面図である。 同構造を示す側面図である。 参考例になるインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造を示す平面図である。 同構造を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造を示す平面図であり、車両上方から観察した状態を表す。図2はこの構造を示す側面図であり、車幅方向内側から観察した状態を表す。図3はこの構造を示す正面図であり、車両前方から観察した状態を表す。図4はこの構造を示す底面図であり、車両下方から観察した状態を表す。
まずインホイールモータ駆動装置11から説明すると、図1および図3に示すように、インホイールモータ駆動装置11はモータ部11A、減速部11B、およびハブ部11Cを備える。これらモータ部11A、減速部11B、およびハブ部11Cは、ハブ部11Cの軸線O方向に順次直列に配置され、かつ同軸に配置される。インホイールモータ駆動装置11は、車両の車幅方向外側に配置される転舵輪を駆動するものであり、転舵輪のロードホイールWの内空領域に設けられる。このときハブ部11Cは車幅方向外側に配置され、モータ部11Aは車幅方向内側に配置される。転舵輪は、図2に示すように、車両側部に形成された車輪ハウジング45内に配置され、図3に示すように上下方向に延びるキングピンK(転舵軸線ともいう)を中心として転舵可能である。転舵輪の転舵角が0°のとき、インホイールモータ駆動装置11の軸線Oは図1、図3、および図4に示すように車幅方向に延びる。これにより車両は直進走行する。またインホイールモータ駆動装置11は、転舵輪とともに、後述のように転舵する。
モータ部11Aは図3および図4に示すように車幅方向内側で相対的に大きな外径のケーシングを有し、減速部11Bは車幅方向外側で相対的に小さな外径のケーシングを有し、ハブ部11Cは減速部11Bよりもさらに車幅方向外側で相対的にさらに小さな外径の外輪部材12Lを有する。これらケーシングおよび外輪部材12Lはインホイールモータ駆動装置の外郭をなす非回転部材である。これに対しハブ部11Cは、外輪部材12Lから車幅方向外側に突出する回転部材としてのハブ輪12Mを有する。ハブ輪12Mの軸部は外輪部材12Lの中央孔を貫通し、複数の転動体を介して外輪部材12Lに回転自在に支持される。ハブ輪12Mのフランジ部には、複数のボルト19で、仮想線で示す転舵輪のロードホイールWが連結固定される。
モータ部11Aはケーシング内に回転電機を内蔵し、ハブ部11Cのハブ輪12Mを駆動し、あるいはハブ輪12Mの回転を利用して電力回生を行う。減速部11Bはケーシング内に例えばサイクロイド減速機などの減速機構を内蔵し、モータ部11Aの回転を減速してハブ輪12Mに伝達する。なおモータ部11Aおよび減速部11Bの下部は、モータ部11Aおよび減速部11Bのケーシングよりもさらに外径側に張り出し、オイルを貯留するためのオイルタンク11Rを有する(図2、図3参照)。
相対的に車幅方向外側に位置するハブ部11Cおよび減速部11Bは、円筒形状のロードホイールWの内空領域に配置される。これに対し相対的に車幅方向内側に位置するモータ部11Aは、ロードホイールWの内空領域から車幅方向内側へ一部はみ出し、当該はみ出し部分の上部には複数本の電力ケーブル26および信号ケーブル27が接続される。減速部11Bの下部には下側ボールジョイント座部17が設けられる。下側ボールジョイント座部17は減速部11Bのケーシングよりもさらに外径側に張り出す。下側ボールジョイント座部17は下側ボールジョイント25と接続する。
また減速部11Bの上部には、減速部11Bのケーシングから上方へ弧を描くように延びる上下アーム13が設けられている。詳細には、図2に示すように上下アーム13の根元部が軸線Oよりも後側(車両後方をいう)に配置され、当該根元部は減速部11Bのケーシングと一体結合する。図3を参照して上下アーム13は、その根元部から中間部分13mまで一旦車幅方向内側へ向かって延び、次に中間部分13mから上端部まで車幅方向外側へ向かって延び、ロードホイールWとの干渉を回避する。そして上下アーム13の上端部には上側ボールジョイント座部14が設けられている。このように上下アーム13はロードホイールWの内空領域からロードホイールWの周縁を跨ぐようにして上下方向に延びる。そして上側ボールジョイント座部14を含む上下アーム13の上端部はロードホイールWよりも上方に位置する。上側ボールジョイント座部14は上側ボールジョイント24と接続する。また図2を参照して上下アーム13は、その根元部から中間部分13mまで一旦車両後方へ向かって延び、次に中間部分13mから上端部まで車両前方へ向かって延びる。
上下アーム13は、上下アーム13の上端部から突出する延長アーム部15を有する。図1に示すように延長アーム部15は、上側ボールジョイント24と、下側ボールジョイント25とを結ぶ直線であるキングピンKから離れる方向に延びる。具体的には、延長アーム部15は上側ボールジョイント座部14から車両前方へさらに延びる。延長アーム部15の前端16は、ステアリングギアボックス41から延びるタイロッド42の先端に回動可能に連結される。
ステアリングギアボックス41は車幅方向に延び、例えばラックアンドピニオン式である。またステアリングギアボックス41の構成は、機械式、電動式、あるいは油圧式であって、図示しない操舵ホイールに機械的に連結される。ステアリングギアボックス41の左右両端にはタイロッド42がそれぞれ取り付けられる。これらステアリングギアボックス41およびタイロッド42は、転舵輪の転舵機構を構成する。車両の運転者が操舵ホイールを操舵すると、ステアリングギアボックス41はかかる操舵に応じて各タイロッド42を車幅方向に進退動させる。そうすると、左右の各タイロッド42から左右の各延長アーム部15の前端にキングピンK回りの転舵力が入力されて、インホイールモータ駆動装置11がキングピンKを中心として左右方向に転舵する。
次にインホイールモータ駆動装置11を懸架するサスペンション装置につき説明する。
本実施形態のサスペンション装置は、図1〜図3に示すように、ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置であり、インホイールモータ駆動装置11の上部に連結されるアッパアーム22と、インホイールモータ駆動装置11の下部に連結されるロアアーム23と、インホイールモータ駆動装置11のバウンド量およびリバウンド量を減衰させるダンパ31とを備える。アッパアーム22およびロアアーム23は上下方向に揺動する。ダンパ31は、インホイールモータ駆動装置11よりも車幅方向内側を上下方向に延び、その上端は図示しない車体側メンバ、例えば車体フレーム、に取り付けられる。またダンパ31の下端はロアアーム23に取り付けられる。
アッパアーム22は図1に示すように略V字状であり、V字の両端になる車幅方向内側端部221,222を基端として図示しない車体側メンバ、例えば車体フレーム、に揺動可能に連結される。これに対しV字の中央部になる車幅方向外側端部223は遊端をなし、上側ボールジョイント24を介して、上下アーム13の上端部の上側ボールジョイント座部14に回動可能に連結される。上側ボールジョイント24は図3に示すようにロードホイールWよりも上方に位置し、アッパアーム22の上下方向位置はローマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置のアッパアームよりも高いことから、このサスペンション装置はハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置である。なお車体側メンバとは、説明される部材からみて車体側にある部材をいうと理解されたい。車両前後方向に離隔する車幅方向内側端部221,222の間には、上述したダンパ31が通される(図1、図2参照)。
ロアアーム23は図4に示すように車幅方向に延びる前側アームと、この前側アームの途中から分岐して車両後方かつ車幅方向内側へ斜めに延びる後側アームからなり、前側(車両前方をいう)の車幅方向内側端部231および後側の車幅方向内側端部232を基端として図示しない車体側メンバ、例えば車体フレーム、に揺動可能に連結される。これに対しロアアーム23の車幅方向外側端部233は遊端をなし、下側ボールジョイント25を介して、インホイールモータ駆動装置11の下部の下側ボールジョイント座部17に回動可能に連結される。ロアアーム23のうち前側アームと後側アームの分岐箇所にはダンパブラケット32が形成される。ダンパブラケット32は、図3に示すように上方から延びてくるダンパ31の下端に連結固定される。なおダンパブラケット32はロアアーム23の車幅方向中央部に設けられる。
このようにロアアーム23の車幅方向外側端部233と、下側ボールジョイント25と、インホイールモータ駆動装置11の下部に設けられた下側ボールジョイント座部17は、ロードホイールWの内空領域に配置される。なお図には示さなかったが、アッパアーム22およびロアアーム23は上述したV字形状あるいは分岐形状以外のアームであってもよいこと勿論である。
上側ボールジョイント24および下側ボールジョイント25は、インホイールモータ駆動装置11の転舵を可能にする。すなわち上側ボールジョイント24および下側ボールジョイント25を通る仮想直線は図3に示すようにキングピン(転舵軸ともいう)Kを構成する。そして、ロードホイールWを含む転舵輪はインホイールモータ駆動装置11とともに、キングピンKを中心として左右方向に転舵可能にされる。本実施形態では、旋回外輪として約30°まで転舵可能であり、旋回内輪として約40°まで転舵可能である。本実施形態は、例えば車両の車幅方向両側に配置される左右の前輪に使用される。
図4を参照してロアアーム23につき詳細に説明すると、ロアアーム23は前側アームおよび後側アームが一体結合した1部材のみであって、インホイールモータ駆動装置11の下側に配置される。ロアアーム23の遊端になる車幅方向外側端部233は、下側ボールジョイント25の1点のみを介してインホイールモータ駆動装置11の下部に連結される。これにより、キングピンKが前後左右に動き難くすることができ、車両が安定して旋回することができる。換言すると、ロアアーム23を2本のリンク部材に置き換える場合、リンク部材とインホイールモータ駆動装置11とが2点で連結される。そうすると、2本のリンク部材からインホイールモータ駆動装置11に別々な方向の力が入力されて、キングピンKが前後左右に動いてしまうのである。
ロアアーム23の基端である車幅方向内側端部231,232には、円筒状のラバーブッングが設けられる。車幅方向内側端部231,232のラバーブッングは略水平に延びる回転軸線を有するピボットであり、ロアアーム23の上下方向の揺動を可能にする。そして、ロアアーム23は、図3に示すようにその中央部が下側ボールジョイント25および車幅方向内側端部231,232のピボットよりも下方に位置するよう湾曲して延びる形状である。
このようにロアアーム23が下方に膨らむよう湾曲する形状であるから、図3に示すように、ロアアーム23とインホイールモータ駆動装置11との間にクリアランスC1を確保することができる。したがってロアアーム23が下方に揺動してインホイールモータ駆動装置11に接近しても、ロアアーム23とインホイールモータ駆動装置11の下部との間にクリアランスを確保することができる。特に外径が大きなモータ部11Aが上下方向にバウンド/リバウンドしても、モータ部11Aとロアアーム23の干渉を回避することができる。また本実施形態によれば、ロアアーム23とロードホイールWとの間にクリアランスC2を確保することができる。したがってロアアーム23が上方に揺動してロードホイールWに接近しても、ロアアーム23とロードホイールWの内周面との間にクリアランスを確保することができる。
オイルタンク11Rにつき詳細に説明すると、オイルタンク11Rは、減速部11Bのケーシングに付設されたタンクであり、図2に示すようにインホイールモータ駆動装置11の下部に設置される。そして、オイルタンク11Rの底部11Sがインホイールモータ駆動装置11の下部および減速部11Bのケーシングよりもさらに下方に突出する(図3参照)。このようにオイルタンク11Rはインホイールモータ駆動装置11の最も下部に位置する。これによりインホイールモータ駆動装置11内を流れるオイルをオイルタンク11Rに集めることができる。オイルタンク11Rに溜まったオイルは、インホイールモータ駆動装置11内のオイルポンプによって汲み上げられ、再びインホイールモータ駆動装置11の内部を潤滑する。
またオイルタンク11Rは、図4に示すように下側ボールジョイント25よりも車両前方に配置される。これにより転舵輪が旋回外輪として転舵して、インホイールモータ駆動装置11が最大角まで転舵する場合であっても、オイルタンク11Rとロアアーム23との間にクリアアランスを確保することができる。
減速部11Bのケーシングはアルミニウム等の軽金属製の部材であり、図3に示すように、円筒部分11Gおよび端面部分11Wを含む。端面部分11Wは、外輪部材12Lの外周を包囲する中心孔を有し、この中心孔を中心として図3に示すように椀状に形成され、円筒部分11Gの車幅方向端と一体に結合する。このためダイカストによってケーシングの端面部分11Wおよび円筒部分11G、上下アーム13、上側ボールジョイント座部14、延長アーム部15、前端16、および下側ボールジョイント座部17が一体に形成されるとよい。これによりインホイールモータ駆動装置11の小型化および軽量化に資する。
上述したように減速部11Bのケーシングは円筒部分11Gおよび端面部分11Wを含む。図3に示すように端面部分11Wは、軸線O方向において減速部11Bとハブ部11Cとの境界領域に配置される。つまり端面部分11Wの中心孔は、円筒部分11Gからみて軸線O方向一方(ハブ部11C側)にされる。かかる端面部分11Wの中心孔には、ハブ部11Cのハブ輪12Mを回動自在に支持する転がり軸受の外輪部材12Lが固定される。かくして減速部11Bのケーシングは軸線O方向一方端で転がり軸受を介してハブ輪12Mを回転自在に支持する。また減速部11Bのケーシングは軸線O方向他方端で減速部11Bの全周を包囲し、モータ部11Aの外周を包囲する円筒状のケーシングとボルト等で結合される。
ここで付言すると、減速部11Bのケーシングの円筒部分11Gおよび端面部分11Wは、下側ボールジョイント25と連結する下側ボールジョイント座部17と結合する。これにより旋回時の横荷重がロアアーム23と、下側ボールジョイント座部17と、円筒部分11Gと、端面部分11Wと、外輪部材12Lと、ハブ輪12Mと、ロードホイールWとをつなぐ経路で伝達され、モータ部11A全体および減速部11Bの内部には伝達されない。したがって、モータ部11A全体および減速部11Bの内部が不所望な変形を起こすことがない。
ところで本実施形態におけるインホイールモータ駆動装置11と転舵機構との連結構造は、転舵輪を駆動するインホイールモータ駆動装置11と、インホイールモータ駆動装置11からロードホイールWの周縁を超えて上方へ延びる上下アーム13と、ロードホイールWの周縁よりも上方で上下アーム13に連結されるタイロッド42とを備える。
かかる本実施形態によれば、タイロッド42がロードホイールWの外径側に配置されることから、タイロッド42をインホイールモータ駆動装置11から十分に離隔することができる。したがって、従来のハブキャリアよりも大きな外径方向寸法および軸線方向寸法を有するインホイールモータ駆動装置11が、キングピンK回りに回動して、タイロッド42に接近したとしても、インホイールモータ駆動装置11およびタイロッド42が互いに干渉することはない。
本実施形態では、車幅方向両側にそれぞれ設けられる一対の上下アーム13が、ロードホイールWを跨ぐよう車幅方向内側に湾曲して延びるため、一対の上下アーム13間の車幅方向領域は狭くなっている。このため、上下アーム13間に一対のタイロッド42およびステアリングギアボックス41を配置することが困難である。
そこで本実施形態のインホイールモータ駆動装置11は、インホイールモータ駆動装置11に設けられて転舵輪の転舵を可能にする下側ボールジョイント25を有する。また上下アーム13は、上下アーム13の上端部に設けられて転舵輪の転舵を可能にする上側ボールジョイント24と、上下アーム13の上端部から突出し、下側ボールジョイント25と上側ボールジョイント24とを通る仮想直線であるキングピンKから離れる方向に延びる延長アーム部15とを有する。そして、タイロッド42は延長アーム部15に連結される。
かかる本実施形態によれば、タイロッド42が上下アーム13から十分に離隔される。したがって、一対の上下アーム13間の狭い車幅方向領域にステアリングギアボックス41を配置する必要が無く、タイロッド42の長さを十分に確保することができる。
また本実施形態の転舵輪は車両の前輪であって、図1に示すように、延長アーム部15は上下アーム13の上端部から車両前方へ延びる。これによりステアリングギアボックス41を転舵輪およびインホイールモータ駆動装置11よりも車両前方へ配置することができる。したがって車両の前後方向中央に位置する車室空間を車両前方に拡張することができる。
また本実施形態によれば、インホイールモータ駆動装置11のケーシングになる円筒部分11Gおよび端面部分11Wと、上下アーム13と、延長アーム部15とがダイカストで一体に形成される。したがって円筒部分11Gおよび端面部分11Wと、上下アーム13と、延長アーム部15とを互いに強固に一体結合することができる。またインホイールモータ駆動装置11の軽量化を図り、サスペンション装置のばね下重量を軽くすることができる。
次に本発明の他の実施形態を説明する。図5は他の実施形態になるインホイールモータ駆動装置11と転舵機構との連結構造を示す平面図である。図6は同構造を示す側面図である。この実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この実施形態の転舵輪は車両の前輪である。ただし上下アーム13は、その上端部に前述した延長アーム部を有しない。そしてタイロッド42の先端が上下アーム13の中央領域に連結される。
上下アーム13のうち中間部分13mと上側ボールジョイント座部14との間の部位には回動連結点43が設けられる。回動連結点43はキングピンKよりも車両後方に位置する。そしてタイロッド42の先端が回動連結点43に回動可能に連結される。図5および図6に示す実施形態によれば、ステアリングギアボックス41およびタイロッド42を転舵輪およびインホイールモータ駆動装置11よりも車両後方へ配置することができる。また延長アーム部15を省略することができる。
なお本発明との対比のため参考例につき説明する。図7は参考例になるインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造を示す平面図である。図8は同構造を示す側面図である。参考例につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。参考例は上下アーム13の上端部に前述した延長アームを有しない。また参考例のタイロッド42の先端は、上下アーム13に連結されず、インホイールモータ駆動装置11に設けられた回動連結点44に回動可能に連結される。回動連結点44は、モータ部11Aのケーシングに設けられ、車両後方へ突出する。
図1〜図6に示す実施形態と図7および図8に示す参考例とを比較すると、参考例の回動連結点44は前端16および回動連結点43よりも相対的に車幅方向内側に位置する。このため車幅寸法から左右のタイロッド42の長さ寸法を差し引くと、ステアリングギアボックス41を設置するための領域を確保することが困難になる。あるいはステアリングギアボックス41の長さ寸法を確保しようとすると、参考例のタイロッド42は図1〜図6に示す実施形態のタイロッド42よりも相対的に短くなってしまう。またタイロッド42の先端が、ロードホイールWの内径側に位置するため、転舵輪が最大転舵角まで転舵するとタイロッド42がインホイールモータ駆動装置11に干渉する虞がある。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置のサスペンション構造は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
11 インホイールモータ駆動装置、 11A モータ部、
11B 減速部、 11C ハブ部、 11R オイルタンク、
11S オイルタンク底部、 13 上下アーム、
14 上側ボールジョイント座部、 15 延長アーム部、
16 前端、 17 下側ボールジョイント座部、
22 アッパアーム、 23 ロアアーム、
24 上側ボールジョイント、 25 下側ボールジョイント、
31 ダンパ、 32 ダンパブラケット、
41 ステアリングギアボックス、 42 タイロッド、
43,44 回動連結点、 K キングピン、
O インホイールモータ駆動装置の軸線、 W ロードホイール。

Claims (5)

  1. 転舵輪のロードホイール内空領域に配置され、前記転舵輪を駆動するインホイールモータ駆動装置と、
    前記インホイールモータ駆動装置から前記ロードホイールの周縁を超えて上方へ延びる上下アームと、
    前記ロードホイールの周縁よりも上方で前記上下アームに連結される転舵機構と、
    前記インホイールモータ駆動装置の下側に配置され、車幅方向外側端部が下側回動点を介して前記インホイールモータ駆動装置の下部に連結されるロアアームとを備え、
    前記転舵輪の直進走行において前記上下アームは、根元部から中間部分まで一旦車幅方向内側へ向かって延び、次に前記中間部分から上端部まで車幅方向外側へ向かって延びる形状であり、
    さらに前記上下アームは、前記根元部から前記中間部分まで一旦車両後方へ向かって延び、次に前記中間部分から前記上端部まで車両前方へ向かって延びる形状であり、
    前記ロアアームは、中央部が前記下側回動点および車幅方向内側端部よりも下方に位置するよう湾曲して延びる形状である、インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造。
  2. 前記上下アームは、当該上下アームの上端部に設けられて前記転舵輪の転舵を可能にする上側回動点と、前記上下アームの上端部から突出し、前記上側回動点と前記下側回動点とを通る仮想直線である前記転舵輪の転舵軸から離れる方向に延びる延長アーム部とを有し、
    前記転舵機構は前記延長アーム部に連結される、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造。
  3. 前記転舵輪は車両の前輪であって、
    前記延長アーム部は前記上下アームの上端部から車両前方へ延びる、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造。
  4. 前記インホイールモータ駆動装置のケーシングと、前記上下アームと、前記延長アーム部とが一体に形成される、請求項2または3に記載のインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造。
  5. 前記転舵機構は前記上下アームのうち前記中間部分と前記上端部との間の部位に連結される、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造。
JP2014037163A 2014-02-27 2014-02-27 インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造 Expired - Fee Related JP6363850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014037163A JP6363850B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014037163A JP6363850B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015160530A JP2015160530A (ja) 2015-09-07
JP6363850B2 true JP6363850B2 (ja) 2018-07-25

Family

ID=54183918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014037163A Expired - Fee Related JP6363850B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6363850B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6823417B2 (ja) 2016-09-30 2021-02-03 Ntn株式会社 インホイールモータ駆動装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03148383A (ja) * 1989-11-04 1991-06-25 Aisin Aw Co Ltd 車両用操舵装置およびその適用車両
DE9308654U1 (de) * 1993-06-09 1993-08-05 Ec Engineering + Consulting Spezialmaschinen Gmbh, 89079 Ulm Doppelquerlenker-Vorrichtung zum Führen, Antreiben und Lenken eines Fahrzeugrades
JP2005178410A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Honda Motor Co Ltd ハイマウント型ダブルウイッシュボーン式サスペンション装置
JP2009202606A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵装置
JP2013159224A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Nissan Motor Co Ltd 動力源一体式車輪のワイヤハーネス配索構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015160530A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6313610B2 (ja) インホイールモータ駆動装置とダンパとの連結構造およびこの連結構造を備えるサスペンション装置
JP6438228B2 (ja) インホイールモータ駆動装置の電力線配索構造
US9604531B2 (en) Suspension structure for in-wheel motor drive device
JP5872360B2 (ja) 電動車両
JP2008168804A (ja) 車両用駆動装置の配設構造
JP6056972B2 (ja) インホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造
JP6339820B2 (ja) インホイールモータ駆動装置のサスペンション構造
JP2018127158A (ja) 前二輪懸架装置
WO2016170807A1 (ja) 自動車用サスペンション構造
JP2017007455A (ja) インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造
JP5634091B2 (ja) 不整地走行車両
WO2015104942A1 (ja) インホイールモータ駆動装置のサスペンション構造
JP6365008B2 (ja) 車両用懸架装置
JP6363850B2 (ja) インホイールモータ駆動装置と転舵機構との連結構造
JP6613056B2 (ja) インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造
JP5616239B2 (ja) 走行車両
WO2015104941A1 (ja) インホイールモータ駆動装置のサスペンション構造
WO2016181795A1 (ja) インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造
WO2015008574A1 (ja) サスペンション装置
KR101316219B1 (ko) 인-링크 모터 독립현가장치
JP5978077B2 (ja) インホイールモータ駆動装置のサスペンション構造
JP2007307968A (ja) 車輪支持構造
JP6518516B2 (ja) インホイールモータ駆動装置のサスペンション構造
JP2006335154A (ja) サスペンション装置
JP6546485B2 (ja) インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6363850

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees