JP6613056B2 - インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造 - Google Patents

インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造 Download PDF

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Description

本発明は、インホイールモータ駆動装置を車体側メンバに取り付けるサスペンション装置に関する。
インホイールモータは、電気駆動されることから環境に負荷を与えることが少ないばかりでなく、自動車の車輪内に設置されて当該車輪を駆動することから、エンジン自動車と比較して広い車室スペースを確保することができ、有利である。そこでインホイールモータを車体、車体フレーム、あるいは車体に附設されるブラケット等の車体側メンバに取り付けるサスペンション装置としては従来、例えば特許文献1および非特許文献1に記載のごときものが知られている。特許文献1および非特許文献1に記載の技術は、インホイールモータを車体に取り付けるハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置であり、上下方向に揺動するアッパアームおよびロアアームと、揺動を減衰させるショックアブソーバを備える。
車輪の回転軸線は自動車の車幅方向に延び、インホイールモータは車輪よりも車幅方向内側に配置され、ショックアブソーバはインホイールモータよりも車幅方向内側に配置される。またショックアブソーバ上端は車体と連結し、ショックアブソーバ下端はリンクを介してアッパアームと連結し、あるいは直接にロアアームと連結する。
国際公開第2014/178251号公報
村田智史、「139-20105175 インホイールモータ駆動ユニットの開発」、学術講演会前刷集 No.28-10、社団法人自動車技術会、2010年
特許文献1および非特許文献1の懸架装置のホイールレートを、図7中のグラフに細線で示す。図7中、横軸はホイールストロークを示し、縦軸はホイールレートを示す。図7に細線で示すように従来の懸架装置の一般的なホイールレートは、ホイールストロークが+のときと−のときで一定とならず、変化してしまう。この理由として以下のことが考えられる。つまり路面から車輪に上向きの力が付与されて車輪とともにインホイールモータが上方へバウンドすると、車輪よりも車幅方向内側に配置されるショックアブソーバが下向きの反力を付与する。これら上向きの力と下向きの反力は車幅方向に離れているためモーメント力(偶力)が車輪およびインホイールモータに作用する。そして、上向きの力および下向きの反力が徐々に大きくなるほどモーメント力は格段に大きくなり、かかるモーメント力がショックアブソーバに影響すると考えられる。ホイールストロークが大きくなるほどホイールレートが急激に変化することは好ましくない。換言するとホイールレートは一定であるのが望ましい。
本発明は上述の実情に鑑み、インホイールモータを車体に取り付けるサスペンション装置において、モーメント力の影響をなるべく排除して、サスペンション装置のホイールレートを一定に近づけることができる技術を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造は、車
輪の回転中心に配置される本体部およびこの本体部から上方へ延びるナックルアームを有し、車輪の車幅方向内側に配置されるインホイールモータ駆動装置と、一方領域がナックルアームの上端部分と連結し他方端部が車体側メンバと回動可能に連結し一方領域を遊端とし他方端部を基端として上下方向に揺動可能なサスペンション部材と、車輪の車幅方向内側に配置されてサスペンション部材の揺動を減衰させるダンパと、サスペンション部材の一方領域と回動可能に連結する上側連結部、本体部と回動可能に連結する下側連結部、およびダンパと回動可能に連結するダンパ連結部を有するダンパブラケットとを備え、ダンパブラケットは本体部に設けられる車輪ハブの軸線よりも上側に配置され、ダンパブラケットのうち上側連結部および下側連結部は相対的に車幅方向外側に配置され、残るダンパ連結部は相対的に車幅方向内側に配置される。
かかる本発明によればダンパブラケットが、揺動するサスペンション部材と回動可能に連結する上側連結部、インホイールモータ駆動装置の本体部と回動可能に連結する下側連結部、およびダンパと回動可能に連結するダンパ連結部を有する。これにより、上下方向の力が路面から車輪に付与されて車輪がインホイールモータ駆動装置とともに上下方向に移動し、ダンパが伸縮しても、ダンパおよび路面間のモーメント力はダンパブラケットに受け持たれ、ダンパに作用するモーメント力を軽減することができる。したがってサスペンション部材が揺動しても、ダンパに対するモーメント力の影響を軽減して、ホイールレートを一定に近づけることができる。またダンパにモーメント力によって変位することがなく、ダンパと周辺部品との間でクリアランスを確保することができる。連結部の構造は特に限定されないが、例えば外筒およびこの外筒を貫通する回動軸であったり、あるいはボールジョイント等のユニバーサルジョイントであったりする。なおサスペンション部材とはサスペンション装置の構成部材をいい、リンクあるいはアームを含む。サスペンション装置が複数のリンクおよびアームを含む場合、これらを区別するためアッパリンクあるいはアッパアームと称したり、ロアリンクあるいはロアアームと称する場合がある。車体側メンバとは、車体、車体フレーム、あるいは車体に附設されるブラケット等、説明される部材からみて車体に取り付けられる部材をいう。
また本発明のインホイールモータ駆動装置は車輪の車幅方向内側に配置され、ダンパブラケットはインホイールモータ駆動装置の上側に配置され、ダンパブラケットのうち上側連結部および下側連結部は相対的に車幅方向外側に配置され、残るダンパ連結部は相対的に車幅方向内側に配置される。かかる本発明によればダンパを車輪よりも車幅方向内側に配置することができ、サスペンション構造をコンパクトにまとめることができる。
ダンパはインホイールモータ駆動装置よりも車幅方向内側に配置され車輪に近い程良く、好ましくはインホイールモータ駆動装置の本体部よりも上方に配置される。本発明の好ましい実施形態として、ダンパはインホイールモータ駆動装置の本体部よりも上方に配置されて上下方向に延び、車幅方向に関し本体部と重なるよう配置される。かかる実施形態によれば、ダンパをナックルアームと平行に配置することができ、インホイールモータ駆動装置およびサスペンション構造をコンパクトにまとめることができる。
本発明のさらに好ましい実施形態としてサスペンション部材の一方領域とナックルアームの上端部分の連結部は上下方向に延びるキングピンを構成し、ダンパブラケットの下側連結部はキングピンと重なるように配置される。かかる実施形態によれば、転舵可能なインホイールモータ駆動装置において、サスペンション構造のホイールレートを益々一定に近づけることができる。本発明の他の実施形態としてインホイールモータ駆動装置は、転舵しないものであってもよい。
サスペンション部材一方領域とナックルアーム上端部分の連結部は、ダンパブラケットの上側連結部からみて任意の位置に設けることができる。本発明の好ましい実施形態としてサスペンション部材の一方領域とナックルアームの上端部分の連結部は、ダンパブラケットの上側連結部よりも車幅方向内側に配置される。かかる実施形態によればダンパブラケットをサスペンション部材の遊端に連結し得て、インホイールモータ駆動装置とともに上下に移動するダンパブラケットの上下移動範囲を大きく確保することができる。
インホイールモータ駆動装置の本体部から上方へ延びるナックルアームの長さは特に限定されないが本発明の好ましい実施形態としてナックルアームの上端部分は車輪よりも上方に配置される。かかる実施形態によればハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置においてホイールレートを一定に近づけることができる。
このように本発明によれば、サスペンション部材が上下に揺動する際に、路面からインホイールモータ駆動装置の軸線方向一方側に入力される上向き力とダンパからインホイールモータ駆動装置の軸線方向他方側に入力される下向き反力を原因とするモーメント力が、ダンパに与える影響を軽減することができる。したがってサスペンション装置のホイールレートを一定に近づけることができる。
本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造を模式的に示す正面図である。 同実施形態を模式的に示す平面図である。 同実施形態を模式的に示す斜視図である。 同実施形態からアーム部材と車体側メンバとの連結箇所を取り出して示す断面図である。 同実施形態が上方へバウンドした様子を模式的に示す正面図である。 図4においてダンパブラケットに作用する力を示す正面図である。 サスペンション装置のホイールレートを示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造を模式的に示す正面図であり、車両前後方向にみた状態を表す。図2は同実施形態を模式的に示す平面図である。図3は同実施形態を模式的に示す斜視図である。
まずインホイールモータ駆動装置11から説明すると、インホイールモータ駆動装置11はモータ部、減速部と、および車輪ハブ軸受部を備え、これらは本体部12をなす。本体部12は電動車両の車幅方向に延びる円筒体であり、車幅方向外側端面から車輪ハブ軸受部の車輪ハブ13が突出する。車輪ハブ13は、本体部12の軸線Oに沿って延びる。
インホイールモータ駆動装置11のモータ部は本体部12内に回転電機を内蔵し、車輪ハブ13を駆動し、あるいは車輪ハブ13の回転を利用して電力回生を行う。インホイールモータ駆動装置11の減速部は本体部12内に例えばサイクロイド減速機などの減速機構を内蔵し、モータ部の回転を減速して車輪ハブ13に伝達する。車輪ハブ13には車輪21が取付固定される。
車輪21は金属製のロードホイール22と、ロードホイール22の外周に取付固定されるゴムタイヤ23を含む。軸線Oは車輪21の回転中心になる。インホイールモータ駆動装置11は車輪21の車幅方向内側に配置される。インホイールモータ駆動装置11の車幅方向外側領域はロードホイール22の内空領域に収容され、インホイールモータ駆動装置11の車幅方向内側領域はロードホイール22の内空領域から突出する。本体部12の上部にはナックルアーム14が一体形成される。ナックルアーム14の根元は、インホイールモータ駆動装置11の車幅方向外側領域に配置される。ナックルアーム14は根元から車幅方向内側へ一旦延び、そこから車輪21を越えて上方へ延びる。さらにナックルアーム14は折れ曲がって車幅方向外側に延びる。このようにナックルアーム14はゴムタイヤ23を迂回して車輪21よりも上方に達する。軸線Oは車輪21の回転軸線であり、車幅方向に延びる。
次にインホイールモータ駆動装置11を車体101に取り付けるサスペンション装置につき説明する。
図1および図2に示すサスペンション装置31は、ハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置の一種であり、ナックルアーム14の上端部分と連結するアッパアーム32と、インホイールモータ駆動装置11の下部と連結するロアアーム33と、インホイールモータ駆動装置11のバウンド量およびリバウンド量を減衰させるダンパ41とを備える。サスペンション装置31は、インホイールモータ駆動装置11および車輪21とともに、ホイールハウジング102に収容される。なおホイールハウジング102は車体101の車幅方向両側に形成される。本実施形態を具備する電動車両は、エンジン自動車と同様に、公道を高速走行可能である。
アッパアーム32は図2に示すように2本のアーム部材32f,32rを含むサスペンション部材である。アーム部材32fは車両前側に配置され、アーム部材32rは車両後側に配置され、これらは車幅方向に延びる。アーム部材32fの車幅方向外側になる一方領域とアーム部材32rの車幅方向外側になる一方領域は連結軸32sを介して一体に結合する。アッパアーム32の一方領域に設けられる連結軸32sは、車両前後方向に延び、中央部に第1のボールジョイント34を有する。ボールジョイント34は、アッパアーム32の一方領域とナックルアーム14の上端部分を回動可能に連結する。なおアッパアーム32の一方端とは、車幅方向に延びるアッパアーム32のうち車幅方向外側(アウトボード側)の端をいう。アッパアーム32の他方端とは、車幅方向に延びるアッパアーム32のうち車幅方向内側(インボード側)の端をいう。
前側のアーム部材32fと後側のアーム部材32rの距離は、一方端から他方端へ向かうほど大きくなる。アーム部材32fの車幅方向内側になる他方端は、車体101に回動可能に連結される。図4はアーム部材32fと車体101との連結箇所を取り出して示す断面図であり、図2中のIV−IVにおける断面を矢印方向にみた状態を表す。車体101には、2個で対をなすブラケット103が、複数対形成される。一対のブラケット103間には筒状部材38が配置される。一対のブラケット103には支持軸104が架設される。支持軸104は筒状部材38を貫通して車両前後方向に延びる。筒状部材38はアーム部材32fの他方端に一体形成される。筒状部材38と支持軸104の環状空間には円筒形状のゴムブッシュ39が介在する。アーム部材32rの他方端も、アーム部材32fの他方端と同様である。これによりアッパアーム32は、車幅方向外側の一方端を遊端とし、車幅方向内側の他方端を基端として、上下方向に揺動可能に車体101に連結される。
ロアアーム33は、アッパアーム32よりも下方に配置されるサスペンション部材である。ロアアーム33は、車幅方向外側になる一方端で、図1に示すように第2のボールジョイント35を介してインホイールモータ駆動装置11の下部と連結する。ロアアーム33は一方端から車幅方向内側へ延びるとともに下方へ膨らむよう湾曲する。これによりロアアーム33はインホイールモータ駆動装置11の下部よりもさらに下方に位置し、インホイールモータ駆動装置11の下部との間にクリアランスCを確保する。なお図2では、図面が煩雑になるのを避けるため、ロアアームを図略する。
ロアアーム33の形状は特に限定されず、上下方向にみて例えばH字状であってもよいし、あるいはV字状であってもよいし、あるいはY字状であってもよい。ロアアーム33の車幅方向内側になるロアアーム他方端と車体101との連結構造は、図4に沿って上述したアッパアーム32の他方端と同様である。これによりロアアーム33は、ロアアーム一方端を遊端とし、ロアアーム他方端を基端として、上下方向に揺動可能に車体101に連結される。
車輪21よりも上方に配置される第1のボールジョイント34と、車輪21の内空領域に在ってインホイールモータ駆動装置11の下部に配置される第2のボールジョイント35を結ぶ直線は、キングピンKを構成する。インホイールモータ駆動装置11は車輪21とともに、キングピンKを中心として転舵する。なお図1および図2は、インホイールモータ駆動装置11が左右いずれにも転舵しない直進走行状態を表す。
ダンパ41は、本体部12よりも上方に配置され、ダンパ41の軸線O方向位置は、本体部12の軸線O方向位置と重なる。ダンパ41は上下方向に延び、上側に配置される外筒と、下側に配置されて外筒を出入りするシャフトを有する入れ子構造であり、上下方向に伸縮することができる。ダンパ41の外筒は、コイルスプリング42を貫通する。コイルスプリング42の上端はダンパ41の上端とともに車体101に取り付けられ、コイルスプリング42の下端は受け皿を介してダンパ41のシャフトに取り付けられる。ダンパ41およびコイルスプリング42はサスペンション装置31のショックアブソーバ40を構成する。ダンパ41の上端は車体101を支持する。ダンパ41の下端は、ダンパブラケット43を介して、アッパアーム32およびインホイールモータ駆動装置11と連結する。
ダンパブラケット43は、インホイールモータ駆動装置11の上側、具体的には本体部12よりも上方、に配置される。具体的な形状としてダンパブラケット43は、上側に配置される上側腕部43a、下側に配置される下側腕部43c、これらの腕部同士を結合する中間腕部43bを含む。上側腕部43aおよび下側腕部43cは車幅方向に延びる。中間腕部43bは上下方向に延び、中間腕部43bの上端は上側腕部43aの車幅方向内側端と一体に結合し、中間腕部43bの下端は下側腕部43cの車幅方向内側端と一体に結合する。上側腕部43aはボールジョイント34よりも上方に配置される。中間腕部43bはナックルアーム14よりも車幅方向内側、かつ本体部12の端面12sからみて車幅方向外側寄りに配置される。下側腕部43cはナックルアーム14の根元と略同じ高さ位置に配置される。
上側腕部43aの車幅方向外側端は、車幅前後方向に延びる回動軸44を介して、アッパアーム32の一方端と回動可能に連結する(上側連結部)。具体的には回動軸44はアッパアーム32の一方端に形成される外筒に通され、これら外筒と回動軸44の環状隙間には円筒形状のゴムブッシュが介在する。これら回動軸44、外筒、およびゴムブッシュの連結状態は図1および図4に沿って上述したアッパアーム32の他方端と同様である。
中間腕部43bと下側腕部43cの結合部は、車幅前後方向に延びる回動軸45を介して、ダンパ41の下端と回動可能に連結する(ダンパ連結部)。具体的には回動軸45はダンパ41の下端に形成される外筒に通され、これら外筒と回動軸45の環状隙間には円筒形状のゴムブッシュが介在する。これら回動軸45、外筒、およびゴムブッシュの連結状態は図4に沿って上述したアッパアーム32の他方端と同様である。
下側腕部43cの車幅方向外側端は、連結部46を介して、本体部12の上部と回動可能に連結する(下側連結部)。連結部46は、ナックルアーム14の根元と隣り合うよう配置され、キングピンKと重なる。連結部46は、ボールジョイントであってもよいし、あるいは上下方向に延びる回動軸であってもよい。これら回動軸44および連結軸46の位置関係は、回動軸44がダンパブラケット43の上側に位置し、回動軸46がダンパブラケット43の下側に位置する。このため回動軸44を上側連結部ともいい、連結軸46を下側連結部ともいう。また回動軸45はダンパ41と回動可能に連結することからダンパ連結部ともいう。図1に示すように回動軸44(上側連結部)および連結軸46(下側連結部)は、相対的に車幅方向外側に配置される。これに対し回動軸45(ダンパ連結部)は相対的に車幅方向内側に配置される。
次に本実施形態の機能を説明する。
図1に示す常態で、車輪21は基準高となる路面111に接地する。路面111に支持される車輪21の輪重は、車体101からショックアブソーバ40と、ダンパブラケット43と、インホイールモータ駆動装置11を伝達する。
輪重の他、図5に示すように車輪21に上向き力Fが付与されると、車輪21は基準高となる路面111から上方へバウンドする。具体的にはインホイールモータ駆動装置11が車輪21とともに上方へ移動し、アッパアーム32およびロアアーム33は上方へ揺動し、ショックアブソーバ40が縮小する。またショックアブソーバ40は下向き反力Frをダンパブラケット43に付与する。下向き反力Frの大きさは上向き力Fと同じである。
図5の状態でダンパブラケット43に作用する力を、図6に模式的に示す。図6中、F+F=Fである。ダンパブラケット43の一方の端部(回動軸44および連結部46)には上向き力F,Fが付与され、ダンパブラケット43の他方の端部(回動軸45)には下向き反力Frが付与されるため、ダンパブラケット43にはモーメント力V,Vが作用する。
しかしながら水平方向のモーメント力V,Vは主にダンパブラケット43で相殺され、ダンパブラケット43の他方の端部(回動軸45)に殆ど伝達しない。したがって回動軸45と連結するダンパ41には、車輪21のバウンドおよびリバウンドに関するモーメント力が影響しない。サスペンション装置31のホイールレートは図7に太線で示すグラフのようになる。図7中、横軸はホイールストローク(mm)を示し、右側+が上向きのバウンドを、左側−が下向きのリバウンドを表す。図7中、縦軸はホイールレート(N/mm)を示す。図1に示す常態でホイールストロークは0であり、ホイールレートは図7に示すようにαである。αは常態の輪重に対応して個々に選定される。本実施形態によれば、ホイールストロークが−の場合、−の度合に係わらずホイールレートが略αになる。またホイールストロークが+の場合、+の度合に係わらずホイールレートが略αになる。このように本実施形態によれば、従来と比較して、ホイールレートを一定に近づけることができる。参考のため、従来のホイールレートを図7に細線で示す。
本実施形態のサスペンション構造は、車輪21の回転中心に配置される本体部12、および本体部12から上方へ延びるナックルアーム14を有するインホイールモータ駆動装置11と、一方領域がナックルアーム14の上端部分と連結し、他方端部が車体101と回動可能に連結し、一方領域を遊端とし他方端部を基端として上下方向に揺動可能なアッパアーム32と、アッパアーム32の揺動を減衰させるダンパ41と、アッパアーム32と回動可能に連結する上側の回動軸44、本体部12と回動可能に連結する下側の連結部46、およびダンパ41と回動可能に連結する回動軸45を有するダンパブラケット43とを備える。これにより、サスペンション装置31が上下方向に揺動しても、揺動の際のモーメント力はダンパブラケット43で相殺され、ダンパ41へ伝達しない。したがってホイールレートを図7に太線で示すように一定にすることができる。
また本実施形態によれば、インホイールモータ駆動装置11は車輪21の車幅方向内側に配置され、ダンパブラケット43はインホイールモータ駆動装置11の上側に配置され、ダンパブラケット43のうち回動軸44および連結部46は相対的に車幅方向外側に配置され、残る回動軸45は相対的に車幅方向内側に配置される。これにより、ダンパを車輪よりも車幅方向内側に配置することができ、サスペンション構造をコンパクトにまとめることができる。
また本実施形態によれば、ダンパ41は、インホイールモータ駆動装置11の本体部12よりも上方に配置されて上下方向に延び、車幅方向に関し本体部12と重なるよう配置されることから、ダンパ41をナックルアーム14と平行に配置することができ、インホイールモータ駆動装置11およびサスペンション装置31をコンパクトにまとめることができる。
また本実施形態によれば、アッパアーム32の一方領域とナックルアーム14の上端部分の連結部(第1のボールジョイント34)は、上下方向に延びるキングピンKを構成する。そしてダンパブラケット43の下側の連結部46はキングピンKと重なるように配置される。これにより転舵可能なインホイールモータ駆動装置11において、サスペンション装置31のホイールレートを図7に太線で示すように益々直線に近づけることができる。
また本実施形態によれば、アッパアーム32の一方領域とナックルアーム14の上端部分の連結部(第1のボールジョイント34)は、ダンパブラケット43の上側の回動軸44よりも車幅方向内側に配置される。これによりダンパブラケット43をアッパアーム32の遊端に連結し得て、インホイールモータ駆動装置11とともに上下に移動するダンパブラケット43の上下移動範囲を大きく確保することができる。
また本実施形態によれば、ナックルアーム14の上端部分は車輪21よりも上方に配置されることから、ハイマウント型ダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置31においてホイールレートを一定に近づけることができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
11 インホイールモータ駆動装置、 12 本体部、
12s 端面、 13 車輪ハブ、 14 ナックルアーム、
21 車輪、 22 ロードホイール、 23 ゴムタイヤ、
31 サスペンション装置、 32 アッパアーム(サスペンション部材)、
32f,32r アーム部材、 32s 連結軸、
33 ロアアーム、 34,35 ボールジョイント、
38 筒状部材、 39 ゴムブッシュ、
40 ショックアブソーバ、 41 ダンパ、
42 コイルスプリング、 43 ダンパブラケット、
43a 上側腕部、 43b 中間腕部、 43c 下側腕部、
44 回動軸(上側連結部)、 45 回動軸(ダンパ連結部)
46 連結部(下側連結部)、 101 車体、 102 ホイールハウジング、
103 ブラケット、 104 支持軸、 111 基準路面
C クリアランス、 K キングピン。

Claims (5)

  1. 車輪の回転中心に配置される本体部、および前記本体部から上方へ延びるナックルアームを有し、前記車輪の車幅方向内側に配置されるインホイールモータ駆動装置と、
    一方領域が前記ナックルアームの上端部分と連結し、他方端部が車体側メンバと回動可能に連結し、前記一方領域側を遊端とし前記他方端部を基端として上下方向に揺動可能なサスペンション部材と、
    前記車輪の車幅方向内側に配置され、前記サスペンション部材の揺動を減衰させるダンパと、
    前記サスペンション部材の前記一方領域と回動可能に連結する上側連結部、前記本体部と回動可能に連結する下側連結部、および前記ダンパと回動可能に連結するダンパ連結部を有するダンパブラケットとを備え
    前記ダンパブラケットは、前記本体部に設けられる車輪ハブの軸線よりも上側に配置され、
    前記ダンパブラケットのうち前記上側連結部および前記下側連結部は相対的に車幅方向外側に配置され、残る前記ダンパ連結部は相対的に車幅方向内側に配置される、インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  2. 前記ダンパは、前記インホイールモータ駆動装置の前記本体部よりも上方に配置されて上下方向に延び、車幅方向に関し前記本体部と重なるよう配置される、請求項に記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  3. 前記サスペンション部材の前記一方領域と前記ナックルアームの前記上端部分の連結部は、上下方向に延びるキングピンを構成し、
    前記ダンパブラケットの前記下側連結部は前記キングピンと重なるように配置される、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  4. 前記サスペンション部材の前記一方領域と前記ナックルアームの前記上端部分の連結部は、前記ダンパブラケットの前記上側連結部よりも車幅方向内側に配置される、請求項の1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  5. 前記ナックルアームの上端部分は前記車輪よりも上方に配置される、請求項1〜のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
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