JP2020050160A - インホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】インホイールモータからトレーリングアームを経由して車体に伝達する振動を少なくするトレーリングアーム構造を提供する。【解決手段】トレーリングアーム構造は、ロードホイールWの内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置10と、車両前後方向に延び前方端42がブッシュ44を介して車体側メンバに揺動可能に連結され、後方端41がインホイールモータ駆動装置10と結合するトレーリングアーム40と、上下方向に伸縮可能であって下端がインホイールモータ駆動装置10に支持され上端が車体70を支持しトレーリングアーム40の揺動に伴って伸縮するスプリング50とを備え、スプリング50の車両前後方向位置が、車軸を表す軸線Oの車両前後方向位置と重なる。【選択図】図2
Description
本発明は、電動車両、特にインホイールモータで車輪を駆動する電動車両に関し、インホイールモータを車体側メンバに連結するトレーリングアームに関する。
車輪を駆動するインホイールモータを、車体側メンバに取り付けるトレーリングアーム式サスペンション装置として従来、例えば特許第5565388号公報(特許文献1)に記載の構造が知られている。車幅方向両側にそれぞれ配置されて車両前後方向に延びる1対のトレーリングアームは、車幅方向に延びるクロスビームによって一体結合する。クロスビームと、クロスビームよりも上方に配置される車体との間には、コイルスプリングおよびショックアブソーバが介在する。
インホイールモータは、電動モータのうなり、および歯車同士の歯当たりを原因とする振動源となる。かかる振動は、インホイールモータが大きな駆動力を発揮するほど大きくなる。
図14および図15は、特許文献1記載の構造を示す模式図であり、図14は車幅方向にみた状態を表し、図15は車両前後方向にみた状態を表す。これらの図において、タイヤTの軸線Oは車軸に一致し、インホイールモータIWMはトレーリングアームRの後方端と結合し、トレーリングアームRの前方端はブッシュBを介して車体(図略)に連結される。トレーリングアームRは、前方端を基端とし、後方端を遊端として、上下方向に揺動可能である。トレーリングアームRの中央部はクロスビームCと結合する。クロスビームCはコイルスプリングSの下端を支持する。コイルスプリングSの上端は車体を支持する。
特許文献1記載の構造では、コイルスプリングSと車軸の軸線Oが車両前後方向にずれており、タイヤTの接地点に入力される上下荷重Ft(車重の反力)と、車体からトレーリングアームR前端に入力される上下荷重Fbと、コイルスプリングSからトレーリングアームR中央部に入力される上下荷重Fsが図14に示す位置関係で釣り合う。
特許文献1記載の構造では、タイヤTの接地点からの上下荷重がトレーリングアームRのブッシュBに入力されるため、ブッシュBの強度を上げる必要が生じる。それにより、ブッシュBが硬くなるため、インホイールモータIWMの振動がトレーリングアームRおよびブッシュBを経由して車体に伝達し、乗り心地が低下する虞があった。
また特許文献1記載の構造では、上下荷重Ft(車重の反力)が、タイヤTのタイヤ幅中央になるホイールセンタWcに入力される。タイヤTはインホイールモータIWMの車幅方向外側寄りに配置され、コイルスプリングSはインホイールモータIWMよりも車幅方向内側に配置されることから、図15に示すように上下荷重Ftと上下荷重Fsは車幅方向距離L1で離隔する。このため上下荷重Ftおよび車幅方向距離L1に比例するモーメントが、トレーリングアームRとクロスビームCの結合箇所、およびトレーリングアームRに作用してしまう。その結果、トレーリングアームRの強度を上げなければならずトレーリングアームRおよびクロスビームCの重量が増加してしまう。
本発明は、上述の実情に鑑み、インホイールモータからトレーリングアームを経由して車体に伝達する振動を少なくするトレーリングアーム構造を提供することを目的とする。また車幅方向距離に比例するモーメントを低減し、従来よりも軽量化されたインホイールモータのためのトレーリングアーム構造を提供することを目的とする。
この目的のため第1発明によるインホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造は、車輪の内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置と、車両前後方向に延び前方端がブッシュを介して車体側メンバに揺動可能に連結され後方端がインホイールモータ駆動装置と結合するトレーリングアームと、上下方向に伸縮可能であって下端がインホイールモータ駆動装置に支持され上端が車体側メンバを支持しトレーリングアームの揺動に伴って伸縮するスプリングとを備え、スプリングの車両前後方向位置が車輪の軸線の車両前後方向位置と重なる。
かかる本発明によれば、車輪の軸線方向にみて、スプリングからトレーリングアームに入力される上下荷重が、路面から車輪に入力される車重の反力(路面反力)に近づくので、ブッシュに入力される上下荷重が小さくなる。したがってブッシュ強度を下げることができ、伝達経路上のブッシュを柔らかくして、振動低減効果を高くすることができる。なお好ましくは、インホイールモータ駆動装置が車輪ハブ軸受部を有する。車輪ハブ軸受部は、例えばラジアル転がり軸受であり、車重を負担する。車輪ハブ軸受部の軸線は、車輪の軸線に一致する。トレーリングアーム後方端はインホイールモータ駆動装置に直接結合してもよいし、あるいはブラケット・アダプタ等の中間部材を介して間接的に結合してもよい。スプリング下端はインホイールモータ駆動装置に直接に支持されてもよいし、トレーリングアーム後方端が介在する等、間接的に支持されてもよい。
第2発明として、車輪の内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置と、車両前後方向に延び前方端が枢軸を介して車体側メンバに連結され後方端がインホイールモータ駆動装置と結合するトレーリングアームと、上下方向に伸縮可能であって下端がインホイールモータ駆動装置に支持され上端が車体側メンバを支持しトレーリングアームの揺動に伴って伸縮するスプリングとを備え、車幅方向に関し、車幅方向外側端がインホイールモータ駆動装置と結合し車幅方向内側部分がスプリングの下端を片持ち支持するロアスプリングシート部材をさらに備える。そしてトレーリングアームの後方端が、ロアスプリングシート部材の車幅方向外側端よりも、車幅方向内側に配置される。
かかる局面によれば、スプリングからインホイールモータ駆動装置に入力される上下荷重が、路面から車輪に入力される車重の反力(路面反力)に近づき、これら2つの力の車幅方向距離が短くなるので、トレーリングアームに作用するモーメントを小さくすることができる。その結果、トレーリングアームの強度を下げることができ、トレーリングアームを軽量化できる。同様にインホイールモータ駆動装置に関しても、モーメントがインホイールモータ駆動装置の車幅方向内側部に作用せず、インホイールモータ駆動装置の車幅方向内側部を軽量化させることができる。なお車輪の軸線は車幅方向に延びる。
第3発明として、車輪の内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置と、車両前後方向に延び前方端が枢軸を介して車体側メンバに連結され後方端がインホイールモータ駆動装置と結合するトレーリングアームと、上下方向に伸縮可能であって下端がインホイールモータ駆動装置に支持され上端が車体側メンバを支持しトレーリングアームの揺動に伴って伸縮するスプリングとを備え、車幅方向に関し、スプリングの車幅方向位置が、車輪の車幅方向位置と重なる。
かかる局面によれば、スプリングからトレーリングアームに入力される上下荷重と、路面から車輪に入力される車重の反力(路面反力)に近づき、車幅方向距離が短くなるので、トレーリングアーム取付け部に入るモーメントを小さくすることができる。その結果、インホイールモータの強度を下げることができ、インホイールモータを軽量化できる。
第3発明の一局面として、スプリングは車輪の内空領域に配置される。かかる局面によれば、スプリングの車幅方向位置と車輪の車幅方向位置を重ねることができる。他の局面として、スプリングは車輪よりも外径側に配置されてもよく、例えばスプリングを車輪よりも上方に配置することにより、スプリングの車幅方向位置と車輪の車幅方向位置を重ねることができる。
トレーリングアームが上下方向に揺動する際、トレーリングアームの後方端は円弧運動する。このためスプリングがトレーリングアームの後方端に連結されると、円弧運動に伴ってスプリングにモーメントが作用する。そこで本発明の好ましい局面としてスプリングはコイルスプリングであり、コイルスプリングの中心空間にはダンパが配置され、コイルスプリングおよびダンパはショックアブソーバを構成する。かかる局面によればダンパとスプリングが略同軸に配置されることから、モーメントはダンパのブッシュに作用する。つまりモーメントがスプリングに作用することを防止することができる。またダンパストローク時に、スプリングよりも剛性が低いダンパのブッシュにモーメントが入力されることで、インホイールモータ駆動装置へ入力されるモーメントが軽減されるので、インホイールモータ駆動装置のケーシングの肉厚を小さくする等、インホイールモータ駆動を軽量化できる。他の局面として、コイルスプリングの外部にダンパが配置されてもよい。
このように本発明によれば、インホイールモータの振動がトレーリングアームおよびブッシュを経由して車体に伝達し難くなり、乗り心地の低下を防止することができる。またトレーリングアームに作用するモーメントを低減させて、トレーリングアームの軽量化に資する。トレーリングアームの軽量化により、サスペンション装置のばね下重量が軽量化されて、電動車両の走行性能が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態になるトレーリングアーム構造を示す斜視図である。図2は、同実施形態を示す側面図であり、車幅方向内側からみた状態を表す。図3は同実施形態を示す正面図であり、車両前方からみた状態を表す。図4は、同実施形態を示す模式図であり、図2に対応する。この実施形態は、インホイールモータ駆動装置10と、トレーリングアーム40と、スプリング50と、ダンパ60を備える。本実施形態および後述する実施形態はすべて、通常の範囲内で荷重が車体に積載される場合を表す。
インホイールモータ駆動装置10は、車輪ハブ軸受部11、モータ部12、および減速部13を有する。車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置10の車幅方向外側(車体のアウトボード側)に配置され、モータ部12はインホイールモータ駆動装置10の車幅方向内側(車体のインボード側)に配置され、減速部13はインホイールモータ駆動装置10の車幅方向中央に配置される。
車輪ハブ軸受部11は、回転輪14と、図示しない固定輪と、回転輪14および固定輪間に配置される複数の転動体を有する転がり軸受であり、車重を支持する。車輪ハブ軸受部11の軸線Oは車幅方向に延び、車軸を表す。回転輪14はインホイールモータ駆動装置10から車幅方向外側へ突出する。回転輪14には、ボルトおよびナット等の結合手段によってロードホイールWのスポーク部が固定される。
モータ部12は、軸線Oの車両前後方向にオフセットして配置される。モータ部12のモータ回転軸の軸線Mは、軸線Oよりも後方に配置される。
インホイールモータ駆動装置10は、車輪のロードホイールWの内空領域に配置される。内空領域は、ロードホイールWのスポーク部と、スポーク部の外周縁から軸線O方向へ突出するリム部によって区画される円形断面の空間である。ロードホイールWのリム部にはタイヤTが装着される。ロードホイールWおよびタイヤTは車輪を構成する。本実施形態のインホイールモータ駆動装置10は、トレーリングアーム式サスペンション装置によって車体側メンバに連結される。
トレーリングアーム式サスペンション装置のトレーリングアーム40は、車両前後方向に延び、後方端41がインホイールモータ駆動装置10に結合され、前方端42がブッシュ44を介して車体側メンバ(図略)に連結される。ブッシュ44は例えば円筒ブッシュであり、ゴム等の弾性体を含む。
後方端41は、車両前方向きの前面および車両後方向きの後面を有するプレート形状とされる。後方端41には、上方へ突出するプレート形状であって車幅方向外側面および車幅方向内側面を有する上部43が形成される。上部43には、車幅方向内側へ突出するボス部47が形成される。後方端41の後面には、車両後方へ突出するブラケットが立設されるが、該ブラケットはインホイールモータ駆動装置10のプレート20に覆われて見えない。後方端41のブラケットの上部および下部には、車両前後方向に間隔を空けて、ボルト19が通される貫通孔が穿設される。ボルト19は、インホイールモータ駆動装置10のプレート20と、後方端41のブラケットを結合する。
トレーリングアーム40の前方端42に設けられるブッシュ44は、車幅方向に延びる軸線Jを有し、前方端42を基端とし、後方端41を遊端として、トレーリングアーム40の上下方向の揺動可能を許容する。
トレーリングアーム40の前方端42は、車幅方向に延びるクロスビーム46の端部と結合する。図3は、車体70の片側のみを示すが、本実施形態のトレーリングアーム構造は、車体70に関し、左右対称に形成される。クロスビーム46は、軸線Jに沿って延び、左右のトレーリングアーム40が異なる角度で揺動すると、ねじれることによって角度差を吸収する。なおトレーリングアーム40は、電動車両の前後左右に配置される4輪のうち、1対の後輪にそれぞれ配置される。
スプリング50は、上下方向に延びかつ伸縮するコイルスプリングであり、下端がロアコイルスプリングシート51に支持される。図2に示すようにスプリング50の上端はアッパコイルスプリングシート52を支持する。アッパコイルスプリングシート52は、車体70の下面に配置され、ボルトおよびナット等の結合手段によって車体70に固定される。車体70の重量は、スプリング50、車輪ハブ軸受部11、および車輪に受け止められる。
スプリング50の中心空間には、上下方向に延びるダンパ60のダンパ内筒61が通される。ロアコイルスプリングシート51は、ダンパ内筒61の下端部に固定される。ダンパ内筒61の下端部は、トレーリングアーム40の後方端41に一体形成されるボス部47の先端に、ブッシュ53を介して連結する。ブッシュ53は、ボス部47の先端から車幅方向内側へさらに延び、トレーリングアーム40とダンパ60の相対回動を許容する。ブッシュ53は車幅方向に延びる枢軸を構成する。ブッシュ53は環状の弾性材を含み、枢軸の若干の弾性移動を許容する。後述する他のブッシュも同様である。
図3に示すように、ボス部47の車幅方向位置は、後方端41の車幅方向位置と重なる。ブッシュ53は、後方端41よりも車幅方向内側に配置される。トレーリングアーム40は、ロードホイールWよりも車幅方向内側に配置される。
ダンパ60の上端領域はダンパ外筒62を構成する。ダンパ内筒61の端部がダンパ外筒62の内部に進入して退出することから、ダンパ60は上下方向に伸縮可能である。アッパコイルスプリングシート52はダンパ外筒62の下端に固定される。スプリング50およびダンパ60はショックアブソーバを構成し、トレーリングアーム40の揺動をスプリング50の弾性伸縮に変換してダンパ60で減衰させる。またスプリング50およびダンパ60は、路面から車輪を経由してインホイールモータ駆動装置10に入力される急激な衝撃を緩和する。
スプリング50の上下方向位置は、インホイールモータ駆動装置10よりも上方とされる。スプリング50の下端は、ロードホイールWの上端よりも低い。スプリング50の上端は、タイヤTの上端より高い。スプリング50はロードホイールWよりも車幅方向内側に配置される。
スプリング50およびダンパ60は、ブッシュ53を連結点として、トレーリングアーム40の後方端に連結される。図2に示すように、スプリング50の車両前後方向位置は、軸線Oの車両前後方向位置と重なる。軸線Oは車輪(ロードホイールWおよびタイヤT)の車軸を表す。上部43、ボス部47、およびブッシュ53は、インホイールモータ駆動装置10の前方に配置される。具体的には、モータ部12よりも車両前方かつ車輪ハブ軸受部11よりも上方に配置される。
第1実施形態によればスプリング50の車両前後方向位置が軸線Oの車両前後方向位置と重なる。これにより図4に示すように、路面からタイヤTの接地点に入力される上下荷重Ft(車重)と、スプリング50からトレーリングアーム40の後方端41に入力される上下荷重Fsが釣り合い(Fs≒Ft)、車体からトレーリングアーム40の前方端42に入力される上下荷重Fbを略0にすることができる(Fb≒0)。したがってブッシュ44の弾性率を硬くする必要が無い。第1実施形態によればブッシュ44の弾性率を柔らかくして、インホイールモータ駆動装置10の振動がトレーリングアーム40およびブッシュ44を経由して車体に伝達することを低減することができる。
次に本発明の第2実施形態を説明する。図5は、本発明の第2実施形態になるトレーリングアーム構造を示す斜視図である。図6は、同実施形態を示す側面図であり、車幅方向内側からみた状態を表す。図7は同実施形態を示す正面図であり、車両前方からみた状態を表す。図8は、同実施形態を示す模式図であり、図7に対応する。第2実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。第2実施形態ではダンパ63をスプリング50の中心空間ではなく、インホイールモータ駆動装置10の後方へ移設する。またロアコイルスプリングシート54が、枢軸を介さずに片持ちでインホイールモータ駆動装置10の取付座部16に固定され、スプリング50の下端を片持ち支持する。
ロアコイルスプリングシート54は、スプリング50の下端と嵌合する受け皿部55と、受け皿部55の車幅方向外側に附設されるブラケット56を有する。ブラケット56は受け皿部55の外周縁から外径側へ突出し、さらに上方に立ち上がる壁部であって、インホイールモータ駆動装置10のケーシングに設けられる取付座部16に沿う。さらにブラケット56はボルトおよびナット等の結合手段によって取付座部16に取付固定される。
取付座部16は車輪ハブ軸受部11に設けられる。具体的には車輪ハブ軸受部11の固定輪に直接あるいは間接的に固定される。
インホイールモータ駆動装置10の車両後端部にはブラケット15が設けられる。ブラケット15はインホイールモータ駆動装置10のケーシング後端に形成される。ブラケット15は、ロードホイールWよりも車幅方向内側で、ブッシュ64を介して、ダンパ63の下端と回動可能に連結される。ダンパ63は、第1実施形態のダンパ60と同様、ダンパ内筒および外筒を有する入れ子式ダンパである。ダンパ63の上端には支持部材65が設けられ、支持部材65は車体70の下面に沿って取り付けられ、車体70を支持する。
図7に示すように、ブラケット56はロードホイールWの内空領域に配置されることから、ブラケット56の車幅方向位置は車輪の車幅方向位置と重なる。トレーリングアーム40の後方端41は、ブラケット56よりも車幅方向内側に配置される。ロアコイルスプリングシート54の車幅方向外側端に形成されるブラケット56はインホイールモータ駆動装置10と結合する。ロアコイルスプリングシート54の車幅方向内側部分に形成される受け皿部55はスプリング50の下端を片持ち支持する。トレーリングアーム40の後方端41は、ロアコイルスプリングシート54のブラケット56よりも、車幅方向内側に配置される。これによりスプリング50からロアコイルスプリングシート54に入力される車重は、車輪のホイールセンタWcに近い箇所で、インホイールモータ駆動装置10に支持される。
第2実施形態によれば図8に示すように、ロアコイルスプリングシート54のブラケット56をロードホイールWの内空領域に配置したことから、スプリング50からインホイールモータ駆動装置10に入力される上下荷重Fsと、路面からタイヤTの接地点に入力される上下荷重Ft(車重)の車幅方向距離L2を従来よりも小さくすることができる。このことは図8に示す車幅方向距離L2と図15に示す車幅方向距離L1を対比して理解される(L2<L1)。
つまり第2実施形態のトレーリングアーム40とインホイールモータ駆動装置10の結合箇所、およびトレーリングアーム40に作用するモーメントを従来よりも大幅に小さくすることができる。その結果、トレーリングアーム40の強度を上げる必要がなく、トレーリングアーム40の軽量化に資する。
次に本発明の第3実施形態を説明する。図9は本発明の第3実施形態を示す側面図であり、車幅方向内側からみた状態を表す。図10は同実施形態を示す正面図であり、車両前方からみた状態を表す。図11は、同実施形態を示す模式図であり、図10に対応する。第3実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。第3実施形態では、スプリング50の中央空間にダンパ60を配置するが、スプリング50の上下方向位置がインホイールモータ駆動装置10の上下方向位置と重なる。
トレーリングアーム40の後方端41には下方へ突出する下部48が形成される。下部48の車幅方向内側部分にはブッシュ53が取り付けられる。下部48はブッシュ53を介してダンパ60の下端と回動可能に連結される。
アッパコイルスプリングシート52は、ロードホイールWの上縁よりも下方に配置され、インホイールモータ駆動装置10の最上部17と同じ上下方向位置にされる。ロアコイルスプリングシート51は、インホイールモータ駆動装置10の最下部18よりも上方に配置される。つまりスプリング50の長さはインホイールモータ駆動装置10の上下方向寸法よりも小さい。なお最上部17および最下部18は減速部13の最上部および最下部でもある。
図10に示すように、スプリング50およびダンパ60はインホイールモータ駆動装置10の車輪ハブ軸受部11よりも車幅方向内側に配置される。ダンパ60は、ロードホイールWよりも車幅方向内側に配置される。スプリング50は、ロードホイールWからみて車幅方向内側寄りに配置されるが、スプリング50の車幅方向外側部分はロードホイールWの内空領域に配置される。つまりスプリング50の車幅方向位置が、ロードホイールWの車幅方向位置と重なる。
第3実施形態によれば図10に示すようにスプリング50の車幅方向位置が、ロードホイールWの車幅方向位置と重なることから、図11に示すようにスプリング50からインホイールモータ駆動装置10に入力される上下荷重Fsと、路面からタイヤTの接地点に入力される上下荷重Ft(車重)の車幅方向距離L3を従来よりも小さくすることができる。このことは図11に示す車幅方向距離L3と図15に示す車幅方向距離L1を対比して理解される(L3<L1)。
次に第3実施形態の変形例を説明する。図12は、第3実施形態の変形例を示す正面図であり、車両前方からみた状態を表す。図13は、同変形例を示す模式図であり、図12に対応する。この変形例につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この変形例では、スプリング50がインホイールモータ駆動装置10およびロードホイールWよりも上方に配置される。ロアコイルスプリングシート51はタイヤTよりも車幅方向内側に配置され、タイヤTの上縁と同じ上下方向位置とされる。スプリング50の外径は、上端および下端が小さくされ、中央領域が大きくされる。スプリング50の中央領域の車幅方向位置は、タイヤTおよびロードホイールWの車幅方向位置と重なる。
変形例によれば図12に示すようにスプリング50の車幅方向位置が、ロードホイールWの車幅方向位置と重なることから、図13に示すようにスプリング50からインホイールモータ駆動装置10に入力される上下荷重Fsと、路面からタイヤTの接地点に入力される上下荷重Ft(車重)の車幅方向距離L4を従来よりも小さくすることができる。このことは図13に示す車幅方向距離L4と図15に示す車幅方向距離L1を対比して理解される(L4<L1)。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば上述した1の実施形態から一部の構成を抜き出し、上述した他の実施形態から他の一部の構成を抜き出し、これら抜き出された構成を組み合わせてもよい。
本発明は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
12 モータ部、 13 減速部、 14 回転輪、
15 ブラケット、 16 取付座部、 19 ボルト、
40 トレーリングアーム、 41 後方端、
42 前方端、 44,53,64 ブッシュ、
50 スプリング、 51,54 ロアコイルスプリングシート、
52 アッパコイルスプリングシート、 55 受け皿部、
60,63 ダンパ、 61 ダンパ内筒、 62 ダンパ外筒、
65 支持部材、 70 車体、 J,M,O 軸線。
12 モータ部、 13 減速部、 14 回転輪、
15 ブラケット、 16 取付座部、 19 ボルト、
40 トレーリングアーム、 41 後方端、
42 前方端、 44,53,64 ブッシュ、
50 スプリング、 51,54 ロアコイルスプリングシート、
52 アッパコイルスプリングシート、 55 受け皿部、
60,63 ダンパ、 61 ダンパ内筒、 62 ダンパ外筒、
65 支持部材、 70 車体、 J,M,O 軸線。
Claims (5)
- 車輪の内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置と、
車両前後方向に延び、前方端がブッシュを介して車体側メンバに揺動可能に連結され、後方端が前記インホイールモータ駆動装置と結合するトレーリングアームと、
上下方向に伸縮可能であって、下端が前記インホイールモータ駆動装置に支持され、上端が車体側メンバを支持し、前記トレーリングアームの揺動に伴って伸縮するスプリングとを備え、
前記スプリングの車両前後方向位置が、前記車輪の軸線の車両前後方向位置と重なる、インホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造。 - 車輪の内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置と、
車両前後方向に延び、前方端が枢軸を介して車体側メンバに連結され、後方端が前記インホイールモータ駆動装置と結合するトレーリングアームと、
上下方向に伸縮可能であって、下端が前記インホイールモータ駆動装置に支持され、上端が車体側メンバを支持し、前記トレーリングアームの揺動に伴って伸縮するスプリングとを備え、
車幅方向に関し、
車幅方向外側端が前記インホイールモータ駆動装置と結合し、車幅方向内側部分が前記スプリングの前記下端を片持ち支持するロアスプリングシート部材をさらに備え、
前記トレーリングアームの前記後方端が、前記ロアスプリングシート部材の前記車幅方向外側端よりも、車幅方向内側に配置される、インホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造。 - 車輪の内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置と、
車両前後方向に延び、前方端が枢軸を介して車体側メンバに連結され、後方端が前記インホイールモータ駆動装置と結合するトレーリングアームと、
上下方向に伸縮可能であって、下端が前記インホイールモータ駆動装置に支持され、上端が車体側メンバを支持し、前記トレーリングアームの揺動に伴って伸縮するスプリングとを備え、
車幅方向に関し、スプリングの車幅方向位置が、車輪の車幅方向位置と重なる、インホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造。 - 前記スプリングは前記車輪の内空領域に配置される、請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造。
- 前記スプリングはコイルスプリングであり、
前記コイルスプリングの中心空間にはダンパが配置され、
前記コイルスプリングおよび前記ダンパはショックアブソーバを構成する、請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用トレーリングアーム構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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WO2023048257A1 (ja) * | 2021-09-27 | 2023-03-30 | いすゞ自動車株式会社 | 車両 |
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2018
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Cited By (6)
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WO2023048156A1 (ja) * | 2021-09-27 | 2023-03-30 | いすゞ自動車株式会社 | 車両 |
WO2023048257A1 (ja) * | 2021-09-27 | 2023-03-30 | いすゞ自動車株式会社 | 車両 |
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KR20230083825A (ko) * | 2021-12-03 | 2023-06-12 | (유)블루에스피 | 험로 주행용 견인 트레일러 |
KR102591590B1 (ko) * | 2021-12-03 | 2023-10-19 | (유)블루에스피 | 험로 주행용 견인 트레일러 |
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