JP6362582B2 - 多孔質グラフェン部材、多孔質グラフェン部材の製造方法及びこれを用いた多孔質グラフェン部材の製造装置 - Google Patents

多孔質グラフェン部材、多孔質グラフェン部材の製造方法及びこれを用いた多孔質グラフェン部材の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質グラフェン部材、多孔質グラフェン部材の製造方法及びこれを用いた多孔質グラフェン部材の製造装置に関する。特に、本発明は、単原子層からなるグラフェンの形成のあいだに、グラフェンの炭素原子間の共有結合部分に人為的に結晶欠陥(crystal defect)が形成され、そして不純物原子が結晶欠陥が発生した部分の炭素原子を置換するという方法で製造される、グラフェン(graphene)を貫通する細孔(through hole)が形成されている多孔質グラフェン部材、多孔質グラフェン部材の製造方法及びこの方法を用いて多孔質グラフェン部材を製造するための製造装置に関する。
近年、急速な技術開発が進んでいるグラフェンは、炭素原子が一層で形成された単原子層を含み、その導電性は銅に比べて非常に優れており、電子移動度はシリコン(silicon)に比べて高く、強度は鋼鉄に比べて非常に高いなどの多様な長所を有する新素材であって、超高速半導体、透明電極を活用したフレキシブルディスプレイ、コンピュータの部品、高効率太陽電池など多様な分野に適用され得る。
特許文献1は、例えば光電子装置、太陽電池などのためのグラフェン導電層の製造方法を開示している。
しかしながら、このようにグラフェンの多様な長所にも拘らず、グラフェンの製造は多くの工程、非常な高温および高価な装備を必要とするため、低コストで大量生産し難いという問題がある。
韓国登録特許第10−1375145号
そこで、本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、炭素前駆体を含む炭素源の熱分解により生成した炭素原子を堆積させてグラフェンを形成する際に、インサイチュ(in-situ)で置換反応源(又はドーピング源)を分解して、グラフェンの炭素原子間の共有結合部分に人為的に結晶欠陥を導入し、結晶欠陥が導入された炭素原子を置換する置換原子をグラフェンに供給するという方法で製造される、グラフェンを貫通する細孔(through hole)が形成されている多孔質グラフェン部材、多孔質グラフェン部材の製造方法及びこれを用いた多孔質グラフェン部材の製造装置を提供することである。
一実施形態として、多孔質グラフェン部材の製造方法は、炭素源及び置換反応源を蒸着炉内に導入する工程と、炭素源および置換反応源を同時に熱分解して炭素原子および置換原子をそれぞれ生成させて、多孔質グラフェン部材を形成する工程であって、炭素原子は蒸着炉の内部に配置された基板上に堆積されて炭素単原子層構造で構成されるグラフェン薄膜を形成し、および、炭素原子の堆積のあいだに、置換原子は炭素原子間の共有結合に干渉して人為的に結晶欠陥を形成するだけでなく、結晶欠陥部分の炭素原子部分を置換してインサイチュでグラフェン中に炭素単原子層を貫通する細孔を形成して、これによって多孔質グラフェン部材が形成される工程と、基板から多孔質グラフェン部材を分離する工程と、を含む。
多孔質グラフェン部材の製造方法の一実施形態において、基板は、炭素単原子層の形成時における熱による形状変形を防止し得る、および、多孔質グラフェン部材の基板からの容易な分離を可能にする銅板及び銅メッキ板の何れか1つを少なくとも含む。
いくつかの実施形態において、多孔質グラフェン部材の製造方法は、炭素源及び置換反応源を蒸着炉内に導入する前に炭素源及び置換反応源を同時に、それぞれ別個に気化させる工程を更に含み、ここで、気化された炭素源及び置換反応源は、キャリアガスによって蒸着炉内に送られる。
多孔質グラフェン部材の製造方法の一実施形態において、炭素源は炭化水素を含む炭素前駆体を含み、および、置換反応源は窒素化合物を含む窒素前駆体を含む。
多孔質グラフェン部材の製造方法の一実施形態において、炭素源及び置換反応源は、異なる配管によって蒸着炉内に導入される。
多孔質グラフェン部材の製造方法の一実施形態において、炭素源及び置換反応源は、蒸着炉内に供給される前に蒸着炉と連結されている共通配管内で混合された後、蒸着炉内に導入される。
多孔質グラフェン部材の製造方法の一実施形態において、置換反応源は、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)、ピリジン(C55N)、ピロール(C45N)、アセトニトリル(CH3CN)、硝酸(HNO3)、硝酸銀(AgNO3)、硝酸バリウム(Ba(NO32、N,N-ジメチルホルムアミド((CH32NCHO)、窒化リチウム(Li3N)及び塩化シアヌル(C3Cl33)からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
多孔質グラフェン部材の製造方法の一実施形態において、炭素源は、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、一酸化炭素(CO)、エタン(C26)、エチレン(C24)、エタノール(C25OH)、アセチレン(C22)、アセトン(CH3COCH3)、プロパン(C38)、プロピレン(C36)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ペンテン(C510)、シクロペンタジエン(C56)、ヘキサン(C614)、シクロヘキサン(C612)、ベンゼン(C66)、トルエン(C78)及びキシレン(C810)からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
一実施形態として、多孔質グラフェン部材の製造装置は、炭素源を提供する第1試料供給装置及び置換反応源を提供する第2試料供給装置を備える試料供給装置と、炭素源を気化させる第1気化器及び置換反応源を気化させる第2気化器を備える同時気化器と、多孔質グラフェン部材が堆積される基板を備える蒸着炉であって、第1気化器から供給される炭素源および第2気化器から供給される置換反応源が同時に分解されてそれぞれ炭素原子および置換原子が生成され、炭素原子が基板上に堆積されるあいだ、置換原子は炭素原子間の共有結合部分に干渉して人為的に結晶欠陥を形成するだけでなく、炭素原子を置換してインサイチュでグラフェン中に炭素単原子層を貫通する細孔を形成し、これによって多孔質グラフェン部材が基板上に形成される蒸着炉と、を備える。
多孔質グラフェン部材の製造装置において、蒸着炉内の基板は、多孔質グラフェン部材を分離できる金属板を含む。
いくつかの実施形態において、多孔質グラフェン部材の製造装置は、第1気化器を蒸着炉に連通する第1配管及び第2気化器を蒸着炉に連通する第2配管をさらに備え、第1及び第2配管それぞれには、気化された炭素源及び置換反応源を加熱するヒーティングユニットが結合される。
いくつかの実施形態において、多孔質グラフェン部材の製造装置は、蒸着炉に連結されており、第1気化器と連結された第1配管および第2気化器と連結された第2配管の両方がその中に合流する共通配管をさらに備える。
多孔質グラフェン部材の製造装置の一実施形態において、第1試料供給装置から供給される炭素源は、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、一酸化炭素(CO)、エタン(C26)、エチレン(C24)、エタノール(C25OH)、アセチレン(C22)、アセトン(CH3COCH3)、プロパン(C38)、プロピレン(C36)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ペンテン(C510)、シクロペンタジエン(C56)、ヘキサン(C614)、シクロヘキサン(C612)、ベンゼン(C66)、トルエン(C78)及びキシレン(C810)からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
多孔質グラフェン部材の製造装置の一実施形態において、第2試料供給装置から供給される置換反応源は、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)、ピリジン(C55N)、ピロール(C45N)、アセトニトリル(CH3CN)、硝酸(HNO3)、硝酸銀(AgNO3)、硝酸バリウム(Ba(NO32)、N,N-ジメチルホルムアミド((CH32NCHO)、窒化リチウム(Li3N)及び塩化シアヌル(C3Cl33)からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態において、多孔質グラフェン部材の製造装置は、第1気化器及び第2気化器に連結され、第1及び第2気化器内でそれぞれ気化された炭素源及び置換反応源を蒸着炉内に送るためのキャリアガス供給部を更に備える。
多孔質グラフェン部材の製造装置の一実施形態において、蒸着炉は、基板上に炭素単原子層を形成させるための原子層蒸着(ALD)装置をさらに備える。
多孔質グラフェン部材の製造装置の一実施形態において、第1気化器は、炭素源を気化させる熱を提供する第1加熱炉を備え、第2気化器は、置換反応源を気化させる熱を提供する第2加熱炉を備える。
一実施形態として、その中に細孔を有する多孔質グラフェン部材であって、置換原子が炭素原子間の共有結合に干渉して人為的に結晶欠陥を形成するだけでなく、炭素原子部分を置換して炭素原子の堆積のあいだにグラフェン中に細孔を形成するため細孔がインサイチュで形成される多孔質グラフェン部材が提供される。
本発明に係る多孔質グラフェン部材、多孔質グラフェン部材の製造方法及びこれを用いた多孔質グラフェン部材の製造装置によれば、炭素前駆体を含む炭素源から熱分解により生成される炭素原子がグラフェンを形成するために堆積されているあいだに、置換反応源が炭素原子間の共有結合に干渉して結晶欠陥を形成し、炭素原子部分を置換して、これによってグラフェン中にインサイチュで細孔を形成されることで、簡単な工程及び装置によって多孔質グラフェン部材が形成され得るという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る多孔質グラフェン部材の製造方法を示すフロー図である。 図1に示される多孔質グラフェン部材の製造方法によって製造された多孔質グラフェン部材を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る多孔質グラフェン部材の製造装置を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態に係る多孔質グラフェン部材の製造装置を示すブロック図である。
下記の説明では、本発明の実施形態を理解するのに必要な部分のみ説明され、それ以外の部分の説明は、本発明の要旨を不明確にしないように省略されるということに留意すべきである。
以下で説明される本明細書及び請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的、又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念により適切に定義できるという原則に即して本発明の技術的な思想に整合する意味と概念で解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を何れも代弁するものではないので、本出願時点においてそれらに代えられる多様な均等物と変形例が存在し得ることが理解できるはずである。
本発明で頻繁に用いられる技術用語である「グラフェン(graphene)」は、炭素原子の単原子層(one atomic layer)の構造であって、単原子層を構成する炭素原子が基本的な反復単位として6角形のリング状骨格で共有結合されているものとして定義される。しかしながら、本発明では5つ又は7つの炭素原子が一緒に共有結合している単原子層構造も「グラフェン」として定義され得る。
本発明では、炭素原子が複数層で積層されている多層原子層は、本発明の目的を実現し難いため、炭素原子が複数層で積層されている多層炭素原子層は本発明の「グラフェン」の範囲に含めないこととする。
また、本発明で頻繁に用いられる技術用語である「結晶欠陥(crystal defect)」とは、炭素原子を窒素原子で置換するための、グラフェンを構成するいくつかの炭素原子間に形成されている共有結合の少なくとも1つの切断と定義される。
図1は、本発明の一実施形態に係る多孔質グラフェン部材の製造方法を示すフロー図である。図2は、図1に示される多孔質グラフェン部材の製造方法によって製造された多孔質グラフェン部材を示す平面図である。
図1及び図2を参照して、多孔質グラフェン部材100を製造するためには、まずグラフェンの製造における使用のための液相又は気相の炭素源(carbon source)及びグラフェン中での多孔の形成のための置換反応源(substitution reaction source、又はドーピング源)を同時に気化する工程が行われる(工程S10)。
工程S10において、炭素源は、例えば、熱によって炭素原子及び水素原子に分解される炭素前駆体を含み、置換反応源は、例えば、炭素原子間の共有結合に結晶欠陥を発生させ、結晶欠陥が発生した部分の炭素を置換して多孔質グラフェンの形成に寄与する窒素前駆体を含み得る。
炭素源に含まれている炭素前駆体及び置換反応源に含まれている窒素前駆体の気化は、炭素前駆体及び窒素前駆体が液相である場合に適用され得、炭素前駆体及び窒素前駆体が気相である場合には工程S10は省略され得る。
炭素源である炭素前駆体から生成される炭素原子(C)は、互いに共有結合を形成しつつ、単原子層を形成するように基板上に堆積される。炭素前駆体は、例えば、炭素原子及び水素原子に熱分解され得る気相又は液相の炭化水素を含み得る。
例えば、本発明の一実施形態において、炭素源である炭素前駆体として使用され得る物質の例としては、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、一酸化炭素(CO)、エタン(C26)、エチレン(C24)、エタノール(C25OH)、アセチレン(C22)、アセトン(CH3COCH3)、プロパン(C38)、プロピレン(C36)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ペンテン(C510)、シクロペンタジエン(C56)、ヘキサン(C614)、シクロヘキサン(C612)、ベンゼン(C66)、トルエン(C78)及びキシレン(C810)などによって例示されるような、炭素および水素へと熱分解され得る炭化水素(hydrocarbon)が挙げられ得る。
本発明の一実施形態として、グラフェン形成において使用され得る、高温で炭素原子及び水素原子に熱分解される幾つかの炭化水素の例が示されているが、本発明の他の実施形態では、高温で炭素原子及び水素原子に熱分解され得る炭化水素であれば多様な炭化水素が使用され得る。
工程S10において、置換源である窒素前駆体から生成される窒素原子は、炭素前駆体を用いて基板上に単原子層で形成されるグラフェンを構成している炭素原子間の共有結合部分のうちの一部を切断することによって炭素原子の共有結合部分に結晶欠陥を発生させる。
具体的には、結晶欠陥が形成された炭素原子はグラフェンから外れ、一方、窒素源である窒素化合物から生成された窒素原子が外れた炭素原子の部分を占め、これによってグラフェンには、図2に示されるように、多数の細孔(through-hole)110が形成される。
グラフェンに細孔110を形成する際の置換反応源として機能する窒素前駆体としては、窒素原子を含む気相の窒素前駆体又は窒素原子を含む液相の窒素前駆体が使用され得る。
置換反応源としての窒素前駆体として使用され得る窒素化合物の例としては、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)、ピリジン(C55N)、ピロール(C45N)、アセトニトリル(CH3CN)、硝酸(HNO3)、硝酸銀(AgNO3)、硝酸バリウム(Ba(NO32)、N,N-ジメチルホルムアミド((CH32NCHO)、窒化リチウム(Li3N)、塩化シアヌル(C3Cl33)などが挙げられ、このうち、ピリジンが最も好ましい。グラフェンを貫通して形成される細孔110は通常、グラフェンを構成する炭素原子のうちの一部がピリジン型窒素やピロール型窒素に置換されることによって生成されるが、グラファイト型窒素による置換は、細孔110の形成を導かない。ピリジンが窒素前駆体として用いられる場合、ドーピング濃度とは無関係に、グラファイト型窒素を生成することなく、ピリジン型窒素およびピロール型窒素のみが生成されて結晶欠陥が発生したグラフェン中の置換反応を行うため、他の窒素前駆体と比較して、ピリジンはグラフェンを貫通する細孔の形成においてより有利である。
本発明の一実施形態において、置換反応源としての窒素前駆体が液相の窒素化合物を含む場合、窒素前駆体は工程S10で気化されるが、窒素前駆体が気相の場合、工程S10は省略され得る。
たとえ本発明の一実施形態において、窒素前駆体が置換反応源として記載されていたとしても、炭素原子に結晶欠陥を引き起こし、結晶欠陥が発生した炭素原子を置換してグラフェンに多様なサイズの細孔を形成するためには、多様な置換原子を含む置換反応源が使用され得る。
図1を更に参照して、置換反応源として機能する窒素前駆体及び炭素源として機能する炭素前駆体は、それらが液相である場合、置換源および炭素源を気化する工程S10で、それぞれ別個の容器内で同時気化方式で気化されてもよい。
このように窒素前駆体及び炭素前駆体をそれぞれ別個の容器内で同時に気化させる方法を用いることにより、より容易かつ迅速にインサイチュで品質の高い多孔質グラフェン部材を大量生産することができる。
窒素前駆体及び炭素前駆体は共に、多孔質グラフェン部材が形成されるプロセス空間及び条件を提供する蒸着炉(deposition furnace)の内部に導入される(工程S20)。
窒素前駆体及び炭素前駆体の両方を蒸着炉の内部に容易に導入するために、キャリアガスがそれぞれの前駆体と混合されて使用されてもよく、これにより窒素前駆体及び炭素前駆体が蒸着炉内にそれぞれ運搬され得る。
本発明の一実施形態において、窒素前駆体及び炭素前駆体を運搬するキャリアガスは、例えば窒素またはアルゴンなどの不活性ガスであり得る。
窒素前駆体及び炭素前駆体の両方が適切なプロセス条件を備えた蒸着炉の内部に導入されることによって、炭素前駆体の熱分解によって生成された炭素原子が蒸着炉の内部に配置された基板に堆積(deposition)されてグラフェンが形成されると同時に、インサイチュ(in-situ)方式で置換反応源である窒素前駆体の熱分解によって生成された置換原子である窒素原子は、炭素原子間の共有結合と干渉してグラフェン中に結晶欠陥を引き起こす。
結晶欠陥が発生された炭素原子の部分の、置換原子である窒素原子による置換によって、図2に示されるように、グラフェンに複数の細孔(又は空隙(pore))が形成された多孔質グラフェン部材100が蒸着炉内の基板上に単原子層の形態で製造され得る(工程S30)。
本発明の一実施形態において、蒸着炉内で炭素前駆体及び窒素前駆体を用いて多孔質グラフェン部材を製造する工程は、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition:CVD)、熱化学気相蒸着法(Thermal Chemical Vapor Deposition:TCVD)、急速熱化学気相蒸着法(Rapid Thermal Chemical Vapor Deposition:RTCVD)、誘導結合プラズマ化学気相蒸着法(Inductive Coupled Plasma Chemical Vapor Deposition:ICP-CVD)、原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition:ALD)などによって行われ得る。
本発明の一実施形態では、基板上に単原子層としてグラフェンを形成するため、原子層蒸着法(ALD)を用いることが好ましい。
薄膜状の多孔質グラフェン部材100は、蒸着炉内の基板上に形成された後、基板から分離される。
本発明の一実施形態において、蒸着炉の内部に配置された基板としては、多孔質グラフェン部材100がその上に付着しにくく、したがって多孔質グラフェン部材100の基板からの容易な剥離を可能にするため、好ましくは銅板又は銅コーティング板が使用され得る。
本発明の一実施形態において、蒸着炉内に配置された基板上に形成された多孔質グラフェン部材100の細孔110の形成密度は、蒸着炉に供給される炭素前駆体と窒素前駆体との割合(又は濃度)によって調整され得る。
例えば、炭素前駆体に対する窒素前駆体のレベル(濃度)の増加は、多孔質グラフェン部材100中の細孔110の形成密度を増加させることができ、反対に、炭素前駆体に対する窒素前駆体のレベル(濃度)の減少は、多孔質グラフェン部材100中の細孔110の形成密度を減少させることができる。特に、液相の炭素前駆体および液相の窒素前駆体からのそれぞれの気化物が同時に蒸着炉に導入される場合には、炭素前駆体に対する窒素前駆体の割合の調整が容易であり、製造しようとするグラフェン部材の細孔の形成密度を簡単に調整することができる。
図3は、本発明の一実施形態による多孔質グラフェン部材の製造装置700を示すブロック図である。
図2及び図3を参照して、多孔質グラフェン部材製造装置700は、試料供給装置200、同時気化器300及び蒸着炉400を備える。これに加えて、多孔質グラフェン部材製造装置700は、キャリアガス供給部500を更に備えていてもよい。
試料供給装置200は、第1試料供給装置210及び第2試料供給装置220を備え得る。
第1試料供給装置210は、後述するように炭素源を同時気化器300の第1気化器310に供給する。
第1試料供給装置210から第1気化器310に供給される炭素源は、炭化水素を含む炭素前駆体であり得る。
第1試料供給装置210から供給される炭素前駆体の例としては、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、一酸化炭素(CO)、エタン(C26)、エチレン(C24)、エタノール(C25OH)、アセチレン(C22)、アセトン(CH3COCH3)、プロパン(C38)、プロピレン(C36)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ペンテン(C510)、シクロペンタジエン(C56)、ヘキサン(C614)、シクロヘキサン(C612)、ベンゼン(C66)、トルエン(C78)及びキシレン(C810)などのような、熱分解により炭素原子及び水素原子を生成する炭化水素(hydrocarbon)が挙げられる。
本発明の一実施形態において、第1試料供給装置210に気相の炭素前駆体が貯蔵される場合、第1試料供給装置210から供給される気相炭素前駆体は、後述する同時気化器300をバイパスして蒸着炉400に供給され得る。
第2試料供給装置220は、後述するように置換反応源を同時気化器300の第2気化器320に供給する。
第2試料供給装置220から第2気化器320に供給される置換反応源は、窒素化合物を含む窒素前駆体であり得る。
第2試料供給装置220から供給される置換反応源である窒素前駆体の例としては、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)、ピリジン(C55N)、ピロール(C45N)、アセトニトリル(CH3CN)、硝酸(HNO3)、硝酸銀(AgNO3)、硝酸バリウム(Ba(NO32)、N,N-ジメチルホルムアミド((CH32NCHO)、窒化リチウム(Li3N)、塩化シアヌル(C3Cl33)などが挙げられる。
本発明の一実施形態において、第2試料供給装置220から気相の窒素前駆体が供給される場合、第2試料供給装置220から供給される気相窒素前駆体は、後述する同時気化器300をバイパスして蒸着炉400に供給され得る。
また、本発明の一実施形態において、第1及び第2試料供給装置210、220に、炭素源及び置換反応源の供給量を個別に調整するための電子バルブ又は流量制御器(MFC)がそれぞれ設置されてもよい。
前述されたように、同時気化器300は、第1気化器310及び第2気化器320を備える。
第1気化器310は、第1試料供給装置210と連通され、これによって第1気化器310には第1試料供給装置210から、例えば、炭素源である炭素前駆体が供給される。
第1気化器310は、気化される炭素前駆体がそれを通って容器へと導入される流入口と気化された炭素前駆体がそれを通って容器から放出される排出口とを備える容器を備え、流入口は第1試料供給装置210に連通され、排出口は後述する蒸着炉400の内部と連通される。
第1気化器310に提供された炭素前駆体を熱によって気化させるために第1気化器310の外側には第1加熱炉315が配置され、第1加熱炉315の内側には、熱を発生させる熱線316が配置され得る。第1加熱炉315には、熱線316以外に多様な熱発生装置が配置され得る。
第2気化器320は、第2試料供給装置220と連通され、これによって第2気化器320には第2試料供給装置220から、置換源、例えば窒素前駆体が供給される。
第2気化器320は、気化される窒素前駆体がそれを通って容器へと導入される流入口及び気化された窒素前駆体がそれを通って容器から放出される排出口を備える容器を備え、流入口は第2試料供給装置220に連通され、排出口は後述する蒸着炉400の内部と連通される。
第2気化器320に供給された窒素前駆体を熱によって気化させるために、第2気化器320の外側には、第2加熱炉325が配置され、第2加熱炉325の内側には、熱を発生させる熱線326が配置される。第2加熱炉325には、熱線326以外に多様な熱発生装置が配置されてもよい。
たとえ本発明の一実施形態では、第1及び第2気化器310、320に供給された炭素前駆体及び窒素前駆体をそれぞれ気化させるために、熱線316、326を備える第1及び第2加熱炉315、325が用いられていても、これとは異なり、炭素前駆体及び窒素前駆体に反応ガスを供給して化学的に炭素前駆体及び窒素前駆体が気化されてもよい。
一方、キャリアガスが第1気化器310から気化された炭素前駆体及び第2気化器320から気化された窒素前駆体をそれぞれ蒸着炉400に運搬できるように、キャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部500は第1気化器310及び第2気化器320の両方と連通される。
キャリアガス供給部500は、窒素、アルゴンのような不活性ガスを第1気化器310及び第2気化器320に供給し、第1気化器310で気化された炭素前駆体及び第2気化器320で気化された窒素前駆体のそれぞれが、それぞれキャリアガス供給部500から提供された不活性ガスによって蒸着炉400に運搬される。
本発明の一実施形態において、キャリアガス供給部500及び第1気化器310、キャリアガス供給部500及び第2気化器320は、それぞれ不活性ガス供給配管510、520によって連通される。不活性ガス供給配管510、520には、それぞれ不活性ガスの流量を制御するための流量制御器(Mass Flow Controller、MFC)が連結され得る。
図3を更に参照して、第1気化器310の、それを通って第1気化器310内で気化された炭素前駆体が放出される排出口は、第1配管317と連通され、第2気化器320の、それを通って第2気化器320内で気化された窒素前駆体が放出される排出口は、第2配管327と連通される。
第1配管317及び第2配管327は、それぞれ共通配管330に合流され、共通配管330は、蒸着炉400と連通される。
第1配管317によって供給される気化された炭素前駆体及び第2配管327によって供給される気化された窒素前駆体は、共通配管330内で混合された後、蒸着炉400への供給のため、気化された炭素及び窒素前駆体の均一な混合物の形状で蒸着炉400に向かって送られ得る。
本発明の一実施形態において、第1配管317によって共通配管330に供給される気化された炭素前駆体及び第2配管327によって共通配管330に供給される気化された窒素前駆体が、温度変化によって再び液化されること、または、第1及び第2配管317、327の内壁に被着されることを防止するために、共通配管330には、ヒーティングユニット335が備えられていてもよい。
ヒーティングユニット335は、例えば、電気エネルギーを消費して熱を発生させる熱線を備え得る。ヒーティングユニット335は、共通配管330を加熱して、気化された炭素及び窒素前駆体の温度変化を最小限のものとする。
本発明の一実施形態では、気化された炭素前駆体及び気化された窒素前駆体が混合される共通配管330にヒーティングユニット335が備えられることが図示及び説明されているが、これとは異なり、ヒーティングユニット335が、第1配管317及び第2配管327のそれぞれに備えられていてもよい。
一方、図3に示されるように、本発明の一実施形態において、第1配管317を通って供給される気化された炭素前駆体及び第2配管327を通って供給される気化された窒素前駆体は、共通配管330を通って一緒に蒸着炉400に供給されるが、これとは異なり、図4に示されるように、第1配管317及び第2配管327が共通配管330なしに蒸着炉400と直接連通されていてもよい。
このように、共通配管330なしに窒素及び炭素前駆体が蒸着炉400内にそれぞれ別々に供給される場合、蒸着炉400の内部に、窒素及び炭素前駆体を注入し、混合するためのシャワーヘッドなどを備えることが好ましい。
図3を更に参照して、蒸着炉400は、第1気化器310から第1配管317及び共通配管330を通って供給される炭素前駆体、ならびに、第2気化器320から第2配管327及び共通配管330を通って供給される窒素前駆体を用いて、図2に示される多孔質グラフェン部材100が製造されるためのプロセス条件及びプロセス雰囲気を確立するように機能する。
多孔質グラフェン部材を形成するためのプロセス条件及びプロセス雰囲気を確立する蒸着炉400としては、例えば、化学気相蒸着装置(Chemical Vapor Deposition equipment)、熱化学気相蒸着装置(Thermal Chemical Vapor Deposition equipment)、急速熱化学気相蒸着装置(Rapid Thermal Chemical Vapor Deposition equipment)、誘導結合プラズマ化学気相蒸着装置(Inductive Coupled Plasma Chemical Vapor Deposition equipment)、原子層蒸着装置(Atomic Layer Deposition equipment)のうち何れか1つが用いられてもよい。
本発明の一実施形態では、単原子層が蒸着炉400の内部に配置された基板上に形成されるため、原子層蒸着法(ALD)を用いることが好ましい。
蒸着炉400の内部に配置され、その上に多孔質グラフェン部材が堆積される基板は、例えば、基板上に蒸着によって形成された多孔質グラフェン部材の基板からの容易な分離を可能にし、及び高温の熱で形状変形が発生しない金属材料で作製されることが好ましい。蒸着炉400の内部に配置された金属材料は、例えば、銅板又は銅メッキ板を含むことができる。
たとえ本発明の一実施形態では、蒸着炉400の内部に配置されて多孔質グラフェン部材がその上に形成される基板が銅板又は銅メッキ板であることが図示及び説明されていても、これとは異なり、蒸着炉400の内部に配置された基板が多孔質グラフェン部材の基板からの容易な剥離を可能としている限り、多様な金属材料が使用され得る。
以下、本発明の一実施形態に係る多孔質グラフェン部材を製造するための装置の働きが説明される。
まず、例えば、液相の炭素前駆体が、第1試料供給装置210から第1気化器310に供給され、第1気化器310で第1加熱炉315から提供される熱によって炭素前駆体が気化される。
これと同時に、例えば、液相の窒素前駆体が、第2試料供給装置220から第2気化器320に供給され、第2気化器320で第2加熱炉325から提供される熱によって窒素前駆体が気化される。
第1気化器310において気化された炭素前駆体及び第2気化器320において気化された窒素前駆体は、それぞれ、第1配管317及び第2配管327を通って運ばれ、共通配管330中で混合され、蒸着炉400内に供給される。
原子層堆積工程において、蒸着炉400内で供給された気化された炭素前駆体は、例えば熱分解によって炭素原子及び水素原子に分解され、水素原子は、蒸着炉400の外部に排気され、炭素原子は、基板上に堆積されて基板上には単原子層であるグラフェンが形成され始める。
基板上に炭素前駆体によってグラフェンが形成されているあいだ、炭素前駆体と共に蒸着炉400に供給された置換反応源である窒素前駆体は、窒素原子に分解され、窒素原子が、共有結合している炭素原子のうち一部の炭素原子間の共有結合部分に作用して、炭素原子の共有結合を切断する結晶欠陥を発生させる。
次いで、結晶欠陥が発生した部分の炭素原子がグラフェンから外れるのと同時に、結晶欠陥が発生した部分が窒素原子によって置換され、このプロセスにより、結晶欠陥が誘発された部分に、グラフェンを貫通する細孔100が図2に示されるように形成される。
蒸着炉400の内部に配置された基板上に細孔が形成されている多孔質グラフェン部材が形成された後、多孔質グラフェン部材が、基板から分離される。
本発明の一実施形態に係る多孔質グラフェン部材は、例えば二酸化炭素など特定の気体の空気からのフィルタリング又は車両の排気ガスなどに含まれている有害ガスをフィルタリングする気体フィルタ、水中の不純物をフィルタリングする浄水器用フィルタ、血液内の不純物のフィルタリング又は血液内の特定の成分をフィルタリングするための医療用フィルタなど非常に多様な分野で使用可能である。
以上の詳細な説明によれば、グラフェンを形成する炭素前駆体、ならびに、グラフェンに結晶欠陥を導入し、及び結晶欠陥が導入された部分を置換することによって、グラフェンを貫通する細孔を形成する窒素前駆体を同時に気化させ、同時に蒸着炉に供給して多孔質グラフェン部材を形成することにより、簡単なプロセス及び設備によって多孔質グラフェン部材が製造される。
本明細書および添付の図面に開示された実施形態は、理解を促進するために特定例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施形態以外にも本発明の技術的思想に基づく多くの他の変形例が実施可能であるということは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には自明である。
200 試料供給装置
210 第1試料供給装置
220 第2試料供給装置
300 同時気化器
310 第1気化器
320 第2気化器
315 第1加熱器
325 第2加熱器
400 蒸着炉
500 キャリアガス供給部
700 多孔質グラフェン部材製造装置

Claims (15)

  1. 炭素源、及びグラフェンを貫通する細孔を形成するための置換反応源としてピリジン(C 5 5 N)を含む窒素前駆体を蒸着炉内に導入する工程と、
    前記炭素源を熱分解して生成された炭素原子を用いて前記蒸着炉の内部に配置された基板上に炭素単原子層を堆積させると同時に、インサイチュ方式で前記窒素前駆体を熱分解して生成された窒素原子を用いて前記炭素単原子層を構成する炭素原子のうちの一部の炭素原子の共有結合部分を切断することにより結晶欠陥を導入し、結晶欠陥部分の前記炭素原子を前記窒素原子で置換して、前記炭素単原子層を貫通する細孔が形成された多孔質グラフェン部材を形成する工程と、
    前記基板から前記多孔質グラフェン部材を分離する工程と
    を含む多孔質グラフェン部材の製造方法。
  2. 前記基板が、前記炭素単原子層の形成時における熱による形状変形を防止し、および前記多孔質グラフェン部材と分離可能な銅板及び銅メッキ板の何れか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質グラフェン部材の製造方法。
  3. 炭素源及び窒素前駆体を蒸着炉内に導入する前に前記炭素源及び前記窒素前駆体を同時に、それぞれ別個に気化させる工程を更に含み、
    前記炭素源及び前記窒素前駆体の前記蒸着炉内への供給が、気化された前記炭素源及び前記窒素前駆体のキャリアガスによる前記蒸着炉内部への導入によって行われることを特徴とする請求項1に記載の多孔質グラフェン部材の製造方法。
  4. 前記炭素源が、炭化水素を含む炭素前駆体を含むことを特徴とする請求項3に記載の多孔質グラフェン部材の製造方法。
  5. 前記炭素源及び前記窒素前駆体が、異なる配管によって前記蒸着炉内に導入されることを特徴とする請求項1に記載の多孔質グラフェン部材の製造方法。
  6. 前記炭素源及び前記窒素前駆体が、前記蒸着炉内に供給される前に前記蒸着炉と連結されている共通配管内で混合された後、前記蒸着炉内に導入されることを特徴とする請求項1に記載の多孔質グラフェン部材の製造方法。
  7. 前記炭素源が、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、一酸化炭素(CO)、エタン(C26)、エチレン(C24)、エタノール(C25OH)、アセチレン(C22)、アセトン(CH3COCH3)、プロパン(C38)、プロピレン(C36)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ペンテン(C510)、シクロペンタジエン(C56)、ヘキサン(C614)、シクロヘキサン(C612)、ベンゼン(C66)、トルエン(C78)及びキシレン(C810)からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質グラフェン部材の製造方法。
  8. 炭素源を提供する第1試料供給装置及びグラフェンを貫通する細孔を形成するための置換反応源としてピリジン(C 5 5 N)を含む窒素前駆体を提供する第2試料供給装置を備える試料供給装置と、
    前記炭素源を気化させる第1気化器及び前記ピリジンを含む窒素前駆体を気化させる第2気化器を含む同時気化器と、
    前記第1気化器から供給される前記炭素源の分解及び堆積によって形成される炭素単原子層に、前記第2気化器から供給される前記ピリジンを含む窒素前駆体を用いて前記炭素単原子層の炭素原子のうちの一部の炭素原子の共有結合部分を切断することにより結晶欠陥を導入し、前記結晶欠陥部分の前記炭素原子を前記窒素前駆体の窒素原子で置換して、炭素単原子層を貫通する細孔が形成された多孔質グラフェン部材が堆積される基板を備える蒸着炉と
    を含む多孔質グラフェン部材の製造装置。
  9. 前記蒸着炉内に備えられる基板が、前記多孔質グラフェン部材を分離できる金属板を含むことを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
  10. 前記第1気化器を前記蒸着炉に連通する第1配管、及び、前記第2気化器を前記蒸着炉に連通する第2配管をさらに備え、
    前記第1及び第2配管それぞれには、気化された前記炭素源及び前記置換反応源としての前記窒素前駆体を加熱するヒーティングユニットが結合されていることを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
  11. 前記第1気化器と連結された第1配管、前記第2気化器と連結された第2配管、及び、一方の端部が前記第1及び第2配管と連結され、他方の端部が前記蒸着炉に連結されている共通配管をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
  12. 前記第1試料供給装置から供給される炭素源が、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、一酸化炭素(CO)、エタン(C26)、エチレン(C24)、エタノール(C25OH)、アセチレン(C22)、アセトン(CH3COCH3)、プロパン(C38)、プロピレン(C36)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ペンテン(C510)、シクロペンタジエン(C56)、ヘキサン(C614)、シクロヘキサン(C612)、ベンゼン(C66)、トルエン(C78)及びキシレン(C810)からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
  13. 前記第1気化器及び前記第2気化器に連結され、前記第1及び第2気化器内でそれぞれ気化された前記炭素源及び前記窒素前駆体を前記蒸着炉に送るためのキャリアガス供給部を更に備えることを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
  14. 前記蒸着炉が、前記基板上に前記炭素単原子層を形成させるための原子層蒸着(ALD)装置をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
  15. 前記第1気化器が、前記炭素源を気化させる熱を提供する第1加熱炉を備え、前記第2気化器が、前記窒素前駆体を気化させる熱を提供する第2加熱炉を備えることを特徴とする請求項に記載の多孔質グラフェン部材の製造装置。
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