JP6361588B2 - 装飾シート - Google Patents

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本発明は、菓子類の箱、煙草の箱、ノートの表紙、本のカバー、ポスター、電車内の吊り下げ広告等を装飾することが可能な装飾シートに関する。
従来の包装体として、例えば、白板紙に印刷を施した包装箱と、その包装箱を透明プラスチックフィルムがラッピングしてなる包装体が多用されている。この様な包装体に工夫を加えて意匠性を高めた発明として、特許文献1には、包装箱からラッピングフィルムを剥がす前後で、包装箱に印刷された金属光沢調の装飾部の色調が変化して見える包装体が提案されている。しかしながら、商品の包装等には意匠性を高めるための新たな工夫が求められている。
特許第4756167号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、意匠性に優れた装飾シートの提供を目的とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 一方の表面の少なくとも一部の領域に細線模様が形成された基材シートと、前記一方の表面に重ねられた不透明度に分布のあるフィルムと、を備え、前記不透明度の分布に応じて前記細線模様が前記フィルムを介して透視可能とされている装飾シート。
[2] 前記フィルムは前記基材シートの一方の表面に対して非接着状態で重ねられている、上記[1]に記載の装飾シート。
[3] 前記細線模様が前記基材シートの一方の表面側に設けられた微細な凹凸からなる、上記[1]又は[2]に記載の装飾シート。
[4]前記フィルムにおける前記細線模様が透視可能とされた領域によって、装飾模様が描かれている、上記[1]〜[3]の何れか一項に記載の装飾シート。
[5]前記細線模様が、対称状、放射状、渦巻き状及び略同心円状からなる群から選択される1つ以上のパターンを含む、上記[1]〜[4]の何れか一項に記載の装飾シート。
[6]前記基材シートにおける前記細線模様が形成された前記少なくとも一部の領域が金属光沢を有する、上記[1]〜[5]の何れか一項に記載の装飾シート。
[7]前記細線模様が万線状模様である、上記[1]〜[6]の何れか一項に記載の装飾シート。
本発明の装飾シートは、優れた意匠性を有するため見映えがする。すなわち、装飾シートを構成する基材シートに描かれた細線模様の一部が、不透明度に分布があるフィルムを透かして部分的に見えるため、視覚的な奥行き感等の視覚効果を生じ、フィルムが無い場合とは異なる新鮮な印象を観察者(消費者)に与えることができる。したがって、本発明の装飾シートを用いて、物品を包装したり、物品を装飾したりすると、当該物品の意匠性を高めることができる。
本発明の一例としての装飾シート10の分解斜視図である。 本発明の一例としての装飾シート20の基材シートに形成された万線状模様を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート20のフィルムが有する不透明度の分布を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート20における要部の視覚効果を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート30の基材シートに形成された万線状模様を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート30のフィルムが有する不透明度の分布を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート30における要部の視覚効果を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート40の基材シートに形成された万線状模様を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート40のフィルムが有する不透明度の分布を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート40における要部の視覚効果を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート50の基材シートに形成された万線状模様を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート50のフィルムが有する不透明度の分布を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート50における要部の視覚効果を示す図である。 本発明の一例としての装飾シート10が構成する包装箱15の斜視図である。
本発明の第一実施形態の装飾シート10は、図1に示す様に、一方の表面1aの少なくとも一部の領域に細線模様が形成された基材シート1と、基材シート1の一方の表面1aに重ねられた不透明度に分布があるフィルム2と、を備えている。フィルム2が有する不透明度の分布に応じて、細線模様の設けられた細線模様領域Mがフィルム2を介して透視可能とされている。
ここでフィルム2に不透明度の分布があるとは、フィルム2の不透明度が一様ではないことを意味する。フィルム2に不透明度の分布があるとき、フィルム2において一の領域と他の領域との不透明度が互いに異なり、フィルム2を透かして基材シート1の一方の表面1aを見たとき、一の領域と他の領域とで、表面1aの見え易さが異なる(表面1aからの光の透過率が異なる)。
フィルム2の不透明度は、JIS P 8149に準じて測定した値として表される。例えば、スガ試験機株式会社製の分光白色測色計SC−10WNを使用してフィルム2の不透明度を測定することができる。
図1に示す装飾シート10においては、不透明度が20%以下の第一領域R1が、不透明度が60%以上の第二領域R2の中に形成されている。相対的に透明度が高い第一領域R1を透かして、基材シート1の一方の表面1aに形成された細線模様領域Mの一部が見える。細線模様領域Mの残部は、相対的に透明度が低い第二領域R2によって遮られ、見え難くなっている。したがって、装飾シート10の上方から見える細線模様領域Mには、フィルム2に形成された不透明度の分布に応じて、フィルム2が無い場合には得られない視覚的な効果が加えられる。この視覚効果を利用することにより、装飾シート10の意匠性を高めることができる。
図1の例では説明の便宜上、第二領域R2の中に形成された相対的に透明度が高い第一領域R1を星形で示したが、第一領域R1の形状は特に限定されない。装飾シート10の意匠性を高める目的において、例えば、第一領域R1によって、絵、幾何学図形、文字等の任意の装飾模様が描かれていることが好ましい。装飾模様の輪郭は、不透明度が相対的に高く、透視し難い第二領域R2によって形成することができる。
図1の例では、透視可能とされた第一領域R1によって星形の装飾模様が描かれており、その星形の輪郭は透視し難い第二領域R2によってなぞられている。装飾模様の輪郭が明確であるためには、第一領域R1と第二領域R2の不透明度の差が大きい程好ましく、例えば、当該差が10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。透視可能とされた第一領域R1の輪郭を明確にすることにより、細線模様の形状と相俟って、例えば、スピード感、躍動感等を表現できる場合がある。
また、装飾模様の輪郭が明確ではなくても意匠性を高められる場合がある。例えば、第一領域R1から第二領域R2に向けて漸次又は段階的に不透明度が増加又は減少する構成が挙げられる。この構成によれば、細線模様の形状と相俟って、装飾模様の輪郭や不透明度の分布の境界が明確である場合とは異なる視覚効果が得られ、例えば、柔らかい風合い、奥行き感等を表現できる場合がある。
図1の例では説明の便宜上、1つの第一領域R1が形成されている場合を示したが、フィルム2における第一領域R1の数は特に限定されず、1つであってもよいし、2つ以上であってよい。複数の第一領域R1がある場合、個々の第一領域R1は同一の形状(装飾模様)であってもよいし、異なる形状であってもよい。複数の第一領域R1がある場合、全ての第一領域R1の直下に細線模様が配置されている必要は無い。
図1の例では説明の便宜上、装飾模様をなす第一領域R1と細線模様領域Mがほぼ同等の大きさである様に示したが、その相対的な大小関係は特に限定されず、用途やデザインに応じて適宜設定される。装飾模様をなす第一領域R1は細線模様領域Mよりも大きくてもよいし、小さくてもよいが、細線模様領域Mの一部のみがフィルム2を介して透視可能であると意匠性が高まり易いので、第一領域R1は細線模様領域Mよりも小さいことが好ましい。
図1の例では説明の便宜上、細線模様の設けられた細線模様領域Mを円形の領域で示したが、細線模様領域Mの形状は特に限定されず、用途やデザインに応じて適宜設定される。
図1の例では説明の便宜上、細線模様領域Mが1つである場合を示したが、基材シート1の一方の表面1aの細線模様領域Mの数は特に限定されず、1つであってもよいし、2つ以上であってよい。複数の細線模様領域Mがある場合、個々の細線模様領域Mは同一の形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。複数の細線模様領域Mがある場合、全ての細線模様領域Mが第一領域R1の直下に配置されている必要は無い。
基材シート1の一方の表面1aにおける細線模様領域Mに形成された細線模様は、単数又は複数の細線によって描かれた、パターン柄、不定形柄、絵及び図形から選ばれる1つ以上であることが好ましい。
細線模様を構成する細線の太さは、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下がさらに好ましい。細線の太さの下限値は特に限定されず、例えば10倍程度の拡大鏡で観察したときに線として認識し得る太さであることが好ましく、具体的には例えば0.001mm程度が細線の太さの下限値として適当である。細線模様を構成する細線の太さは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
基材シート1の一方の表面1aに形成された細線模様は、万線状模様であることが好ましい。万線状模様は、細線からなる直線又は曲線が略平行に多数引かれて描かれた模様である。万線状模様を構成する線の太さは、前述した細線の太さと同じでよい。万線状模様を構成する線の太さは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
万線状模様を構成する線と線のピッチ(間隔)は特に限定されないが、ピッチが線の太さと同等以下であると、モアレ様の視覚効果が得られ易く、意匠性が高まるので好ましい。具体的には、例えば、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下がさらに好ましい。万線状模様を構成する線と線のピッチは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
万線状模様を構成する各線は、互いに類似した形状又は相似形の形状を描き得る。例えば、万線状模様が描かれた領域の任意の1箇所又は複数箇所に設定した中心に対して、万線状模様を構成する各線は、対称状、放射状、渦巻き状及び略同心円状からなる群から選ばれる何れか1種以上の形状を描き得る。前記対称状の万線状模様を構成する各線は、互いに、線対称、点対称、回転対称、並進対称及び鏡像対称からなる群から選ばれる何れか1種以上の対称関係となり得る。
<基材シートの構成>
第一実施形態の装飾シート10の基材シート1の構成は、一方の表面側の少なくとも一部の領域(細線模様領域M)に細線模様が形成された構成であれば特に限定されず、例えば、基材紙と、該基材紙の一方の面に積層された金属層と、該金属層の表面に形成された細線模様と、を備えた基材シートが挙げられる。
金属層の表面に形成された細線模様の構成は特に限定されず、例えば、当該金属層の表面に彫られた微細な多数の溝からなる構成、当該金属層の表面にインク、ニス等の塗料によって印刷された微細な多数の線からなる構成等が挙げられる。
金属層の表面に細線模様が形成された構成であると、細線模様の陰影の濃淡、色合いの明暗、光の反射率、金属の光沢感等が見る角度によって異なって見えるため、意匠性がより高まる。
ここで、細線模様が形成された金属層の表面に、例えば透明で薄い保護層が形成されている場合にも、当該細線模様は基材シート1の一方の表面「側」に形成されている。つまり、細線模様は基材シート1の一方の表面1aに露出している必要はなく、一方の表面1aの上方から視認可能な様に形成されていればよい。
金属層の表面に形成された細線模様が万線状模様である場合、当該万線状模様は平行な直線群又は曲線群状の溝を形成する凹部及び凸部の集合体からなり、凹部の幅、凸部の幅、凹部深さ及び凸部の高さは1〜1000μm程度であることが好ましい。微細な凹凸からなる万線状模様は、視線の角度、光源の角度等の変化によって、その艶や光沢が変化するので、塗料で印刷された万線状模様とは異なる視覚効果を与え得る。
金属層の表面の少なくとも一部の領域は、細線模様の有無に関わらず、青色、黄色、緑色、赤色、黒色、銀色、金色等に着色されていてもよい。細線模様が形成された領域が着色されている場合、予め着色された表面に対して、溝が彫られたり、塗料が印刷されたりすることによって、細線模様が形成されていることが、意匠性を高める観点から好ましい。
金属層を構成する金属の種類は特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、銀、金等が挙げられる。なかでも、アルミニウムは、軽量且つ安価であり、耐久性に優れ、細線模様を形成し易く、優れた金属光沢を有し、意匠性に優れるため好ましい。
金属層の厚さは、装飾シートの用途に応じて適宜調整可能である。
基材紙の種類は、装飾シートの用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、板紙、普通紙、段ボールライナ、合成紙等が挙げられる。
基材紙の坪量は、装飾シートの用途に応じて適宜調整すればよく、例えば、包装箱用途の場合、160g/m2〜500g/m2が好適である。
基材紙に金属層を積層する方法は特に限定されず、例えば、基材紙に金属箔を貼る方法、金属を予め蒸着したフィルムを基材紙の表面に貼る方法、基材紙に金属蒸着を施す方法、基材紙に金属を含む接着性ペースト(接着剤)を塗布する方法等が挙げられる。
また、基材シート1の他の構成として、金属層を有しない基材シートも例示できる。例えば、基材紙の表面に所望の着色を施し、その着色面にインク、ニス等の塗料によって微細な多数の線からなる細線模様が印刷された構成が挙げられる。前記着色面は、塗料の種類に応じて、金属光沢感、艶感(照り感)、マット感等の所望の質感を有し得るので、金属層を有する場合と同様に、細線模様の陰影の濃淡、色合いの明暗、光の反射率及び/又は質感等は、見る角度によって異なって見え得る。
上述した何れの構成においても、細線模様は、基材シート1の一方の表面側に設けられた、複数の溝又は塗料で形成された線からなる、微細な凹凸によって構成され得る。細線模様の視認性及び意匠性を高める観点から、凹凸の高低差は例えば1〜1000μm程度であることが好ましい。微細な凹凸からなる細線模様は、視線の角度、光源の角度等の変化によって、その艶や光沢が変化するので、優れた意匠性を与え得る。
細線模様を基材シート1の一方の表面に形成する方法は特に限定されず、例えば、金属層の表面に微細な凹凸を形成することにより表面光沢差を有する万線状波形凹凸模様を形成する特公平7−119084号公報に記載の方法が挙げられる。また、印刷で着色された普通紙上にアクリル系樹脂からなるニス層を形成し、更にエンボス加工を施して、当該ニス層に万線状凹凸模様を形成する特開2008−260217号公報に記載の方法等も例示できる。
<フィルムの構成>
第一実施形態の装飾シート10のフィルム2の構成は、不透明度に分布があり、その分布に応じて基材シート1の細線模様が透視可能とされた構成であればよく、例えば、透明フィルムの表面及び/又は裏面に印刷が施された構成が挙げられる。フィルム2において、印刷された領域の不透明度は、印刷されていない領域よりも高い。
フィルム2の全領域のうち、細線模様が透視可能とされている第一領域R1の不透明度は特に限定されず、細線模様の視認性高めることにより装飾シート10の意匠性を高める観点から、例えば0〜30%程度が好ましい。
フィルム2の全領域のうち、細線模様が透視可能とされている第一領域R1以外の第二領域R2の不透明度は特に限定されず、各領域R1,R2の境界を明確にする観点から、例えば30%超100%以下程度が好ましい。
フィルム2に印刷された塗料の色、厚さ、密度(濃度)等によって、印刷された領域における不透明度の高低が調節され得る。したがって、透明フィルムに印刷された塗料の分布に対応して、フィルム2の不透明度に分布が形成され得る。
フィルム2に塗料を印刷する方法は特に限定されず、常法により所望の分布で印刷することができる。
フィルム2を構成する材料の種類は特に限定されず、例えば、公知のフィルムを構成する樹脂が適用可能であり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ乳酸、セロハン(セルロース)、ポリビニルアルコール等が例示できる。
フィルム2の厚さは特に限定されず、装飾シート10の用途に応じて適宜設定可能である。
また、フィルム2の別の構成として、フィルム2が部分的に打ち抜きされた不透明フィルムであり、当該打ち抜きされた領域が、当該不透明フィルムに所望の分布で配置され、基材シート1の細線模様を透視可能とする第一領域R1をなす構成も例示できる。
フィルム2は、必ずしも1層である必要はなく、積層された2層以上のフィルムであってもよい。例えば、部分的に打ち抜きされた不透明フィルムと透明フィルムとが積層された積層フィルムを適用することもできる。
<基材シートとフィルムの重ね合せ>
第一実施形態の装飾シート10において、基材シート1とフィルム2とは、基材シート1の細線模様領域Mとフィルム2の第一領域R1とが少なくとも部分的に重なる様に、相対的な位置関係が調整されている。基材シート1の一方の表面1aにフィルム2を重ねる方法は特に限定されず、結果として上記位置関係が実現されるようにすればよい。例えば、基材シート1の一方の表面1aにフィルム2を載置し、細線模様領域Mと第一領域R1とが装飾シート10の厚さ方向で少なくとも部分的に重なるような位置にフィルム2をスライドした後、フィルム2を固定する方法が挙げられる。
基材シート1とフィルム2の相対位置を固定又は保持する方法は特に限定されず、例えば、装飾シート10の意匠性に影響し難い箇所、例えば端部、で、基材シート1とフィルム2とを部分的に接着する方法;基材シート1をフィルム2で包んで覆い、基材シート1とフィルム2とを密着する方法;等が挙げられる。
<万線状模様と装飾模様の組み合わせ1>
万線状模様の一例として、図2に例示する同心円状の万線状模様m1が挙げられる。万線状模様m1は複数の太さの線からなり、各線はそれぞれ異なる直径の円を描いている。万線状模様m1を上方から見て、その視点を動かすと、モアレ様の視覚効果が実感されるはずである。この万線状模様m1が形成された基材シートの一方の表面の上に、図3に例示する放射状の装飾模様が白抜きで印刷されたフィルムを重ねて設置すると、図4に示す視覚効果を有する装飾シート20が得られる。
万線状模様m1を、装飾模様が白抜き印刷されたフィルムを透かして見ると、万線状模様m1を単独で見る場合とは異なる、新鮮な視覚効果が得られる。この視覚効果が得られるメカニズムは未解明であるが、次のことが一因であると推測される。
すなわち、同心円の万線状模様m1を構成する各線が描く個々の円は、単独では対称形状であり且つ相対的には相似形状であり、その複合された形状を有する万線状模様m1の一部のみが、フィルムに描かれた装飾模様を透かして観察され、残部がフィルムによって遮られて見え難くなっていることが、一因であると推測される。
図3〜図4の例においては、図面作成の便宜のために、不透明度が0%で透視可能とされた第一領域r1と、不透明度が100%の透視不可能とされた第二領域r2とによって、フィルムの装飾模様である放射状の輪郭が形成されている。
この変形例として、例えば、透視可能な第一領域r1において、中心から放射方向へ向けて、徐々に不透明度が増加するグラデーションが形成された例;透視不能な第二領域r2において、中心から放射方向へ向けて、徐々に不透明度が低下するグラデーションが形成された例;等も挙げられる。このようなグラデーションを適用すると、さらなる視覚効果が加わり、意匠性が更に向上し得る。
また、意匠性を更に向上させ得る、図3〜図4では表現されていない視覚効果として、フィルム2に形成された装飾模様が、基材シート1の表面1aに落とす影による陰影の視覚効果が挙げられる。フィルム2の上方から装飾シート10を明るい環境で観察すると、透視可能とされた第一領域r1から基材シート1の表面1aに光が入射するとともに、第一領域r1と第二領域r2の境界線、すなわち装飾模様の輪郭線に対応する影が基材シート1の表面1aに投影される。実際には入射光の角度は様々であるため、境界線(輪郭線)に沿ったクッキリと見える影というよりは、境界線に沿ってぼんやりとした陰影が観察され得る。この陰影が生じることにより、万線状模様m1と装飾模様との間で奥行き感が生じ、意匠性が更に高まり得る。この陰影による視覚効果は、フィルム2と基材シート1との相対位置が微妙に変化すると、変化し得る。例えば、装飾シート10に触れたり、手に持って動かしたりすると、柔軟なフィルムに若干のウネリが発生して上記相対位置(フィルム2と基材シート1との離間距離)は自ずと変化するため、観察者の動作と視覚効果とが連動し、観察者に動きのある視覚効果を与え得る。このようにフィルム2と基材シート1との相対位置が変化するためには、フィルム2が、少なくとも万線状模様の周辺において、基材シート1の一方の表面1aに対して非接着状態で設置されていることが好ましい。非接着状態の基材シート1の一方の表面1aとフィルム2との間には通常、空気層が介在する。
<万線状模様と装飾模様の組み合わせ2>
万線状模様の他の一例として、図5に例示する放射状の万線状模様m2が挙げられる。万線状模様m2を上方から見て、その視点を動かすと、モアレ様の視覚効果が実感されるはずである。
この万線状模様m2が形成された基材シートの一方の表面の上に、図6に例示する文字からなる装飾模様が白抜きで印刷されたフィルムを重ねて設置すると、図7に示す視覚効果を有する装飾シート30が得られる。
前述した装飾シート20と同様に、万線状模様m2を、装飾模様が白抜き印刷されたフィルムを介して見ると、万線状模様m2を単独で見る場合とは異なる、新鮮な視覚効果が得られる。この視覚効果が得られる基本的なメカニズムは、装飾シート20と同様であると推測される。
すなわち、放射状の万線状模様m2を構成する各線が描く個々の直線は、単独では中心から外側に向けて徐々に太くなる線であり且つ相対的には中心対称に配置されている。その複合された形状を描く万線状模様m2の一部のみが、フィルムに描かれた装飾模様を透かして観察され、残部がフィルムによって遮られて見え難くなっていることが、新鮮な視覚効果が得られる一因であると推測される。
装飾シート30を構成する基材シートの一方の表面に対して、装飾模様が形成されたフィルムが非接着状態で載置されていることにより、装飾シート20の場合と同様に、装飾模様の影が基材シートの万線状模様の上又は周辺に落とされるので、陰影による視覚効果も得られる。
<万線状模様と装飾模様の組み合わせ3>
万線状模様の他の一例として、図8に例示する放射状且つ渦巻き状の万線状模様m3が挙げられる。万線状模様m3を上方から見て、その視点を動かすと、モアレ様の視覚効果が実感されるはずである。
この万線状模様m3が形成された基材シートの一方の表面の上に、図9に例示する文字からなる装飾模様が白抜きで印刷されたフィルムを重ねて設置すると、図10に示す視覚効果を有する装飾シート40が得られる。
前述した装飾シート20と同様に、万線状模様m3を、装飾模様が白抜き印刷されたフィルムを介して見ると、万線状模様m3を単独で見る場合とは異なる、新鮮な視覚効果が得られる。この視覚効果が得られる基本的なメカニズムは、装飾シート20と同様であると推測される。
すなわち、放射状の万線状模様m3を構成する各線が描く個々の直線は、単独では中心から外側に向けて徐々に太くなるS字曲線であり且つ相対的には中心対称に配置されている。その複合された形状を描く万線状模様m3の一部のみが、フィルムに描かれた装飾模様を透かして観察され、残部がフィルムによって遮られて見え難くなっていることが、新鮮な視覚効果が得られる一因であると推測される。
装飾シート40を構成する基材シートの一方の表面に対して、装飾模様が形成されたフィルムが非接着状態で載置されていることにより、装飾シート20の場合と同様に、装飾模様の影が基材シートの万線状模様の上又は周辺に落とされるので、陰影による視覚効果も得られる。
<万線状模様と装飾模様の組み合わせ4>
万線状模様の他の一例として、図11に例示する放射状の万線状模様m4が挙げられる。万線状模様m4を上方から見て、その視点を動かすと、モアレ様の視覚効果が実感されるはずである。
この万線状模様m4が形成された基材シートの一方の表面の上に、図12に例示する文字からなる装飾模様が白抜きで印刷され、当該文字の上半分を含む領域において中心から上側に向けて不透明度が徐々に低下するグラデーションが形成されたフィルムを重ねて設置すると、図13に示す視覚効果を有する装飾シート50が得られる。
前述した装飾シート20と同様に、万線状模様m4を、装飾模様が白抜き印刷されたフィルムを介して見ると、万線状模様m4を単独で見る場合とは異なる、新鮮な視覚効果が得られる。この視覚効果が得られる基本的なメカニズムは、装飾シート20と同様であると推測される。
すなわち、放射状の万線状模様m4を構成する各線が描く個々の直線は、単独では中心から外側に向けて徐々に太くなり且つ相対的には中心対称に配置されている。その複合された形状を描く万線状模様m4の一部のみが、フィルムに描かれた装飾模様を透かして観察され、残部がフィルムによって遮られて見え難くなっていることが、新鮮な視覚効果が得られる一因であると推測される。
装飾シート50を構成する基材シートの一方の表面に対して、装飾模様が形成されたフィルムが非接着状態で載置されていることにより、装飾シート20の場合と同様に、装飾模様の影が基材シートの万線状模様の上又は周辺に落とされるので、陰影による視覚効果も得られる。
<装飾シートの形態>
本発明の装飾シートの形態は特に限定されず、所望の形態をとることができる。例えば、 図1に示した装飾シート10の様な矩形の他、円形、楕円形、その他の多角形等の平面形状の形態が挙げられる。平面形状の装飾シートは、単独で使用されてもよいし、他の物に取り付けて使用されてもよい。装飾シートが単独で使用される例としては、例えば、ポスター、広告、名刺、デスクマット(テーブルシート)等の用途が挙げられる。装飾シートが他の物に取り付けられて使用される例としては、例えば、包装シート(包装紙)、ノートや本の表紙、ステッカー等の用途が挙げられる。
また、本発明の装飾シートの一例として、装飾シートのフィルム側が表面となる(露出する)ように、基材シートが段ボールライナに貼合されてなる段ボールシートが挙げられる。
本発明の装飾シートの形態は、例えば、直方体、球、回転楕円体、その他の多面体等の立体の全部又は一部を構成する形態であってもよい。
前記立体の全部を構成する形態としては、例えば、図14に示す様に、装飾シート10が、包装箱15の正面部分を含む全部を構成する形態が挙げられる。包装箱15の箱本体は、基材シート1が折り曲げ及び糊付け加工によって直方体に組み立てられてなる。この箱本体をフィルム2がラッピングすることによって、包装箱15が構成されている。このラッピングの際に、包装箱15の正面において、基材シート1の細線模様領域Mと細線模様領域Mを透視可能なフィルム2の第一領域R1とが重なるように調整されている。箱本体には切れ込みや折れ込みが適宜細工されており、物品を収納及び取出し可能とされている。
前記立体の一部を構成する形態としては、例えば、図14の包装箱15の下半分の容器部が装飾シート10によって構成され、包装箱15の上半分の蓋部が別の部材によって構成された形態が挙げられる。
図14に例示した包装箱15の形態においては、包装箱15が閉じられた状態において細線模様が視認可能とされている。この変形例として、例えば、包装箱15の蓋部を取り外して、包装箱15を開いた状態において、フィルム2を透かして細線模様が視認される様に、包装箱15の内側に装飾シート10の要部(基材シート1の細線模様領域M及びフィルム2の第一領域R1)が配置されている例も挙げられる。
1…基材シート、1a…基材シートの一方の表面、2…フィルム、R1…フィルムの第一領域、R2…フィルムの第二領域、M…細線模様領域、m1,m2,m3,m4…万線状模様、r1…フィルムの第一領域、r2…フィルムの第二領域、10…装飾シート、15…包装箱、20,30,40,50…装飾シートの要部

Claims (6)

  1. 一方の表面の少なくとも一部の領域に細線模様が形成された基材シートと、
    前記一方の表面に重ねられた不透明度に分布のあるフィルムと、を備え、
    前記不透明度の分布に応じて前記細線模様が前記フィルムを介して透視可能とされており、
    前記細線模様が前記基材シートの一方の表面側に設けられた微細な凹凸からなる装飾シート。
  2. 前記フィルムは前記基材シートの一方の表面に対して非接着状態で重ねられている、請求項1に記載の装飾シート。
  3. 前記フィルムにおける前記細線模様が透視可能とされた領域によって、装飾模様が描かれている、請求項1又は2に記載の装飾シート。
  4. 前記細線模様が、対称状、放射状、渦巻き状及び略同心円状からなる群から選択される1つ以上のパターンを含む、請求項1〜の何れか一項に記載の装飾シート。
  5. 前記基材シートにおける前記細線模様が形成された前記少なくとも一部の領域が金属光沢を有する、請求項1〜の何れか一項に記載の装飾シート。
  6. 前記細線模様が万線状模様である、請求項1〜の何れか一項に記載の装飾シート。
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