JP6361370B2 - 硬化剤、該硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物、それを用いた接合方法、および熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法 - Google Patents

硬化剤、該硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物、それを用いた接合方法、および熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂を硬化させるために用いられる硬化剤、該硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた接合方法、および熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法に関する。
電子部品をプリント回路基板などの実装対象上に実装する方法として、はんだ付けによる方法が広く用いられている。
そのようなはんだ付けに用いられるはんだペースト(接合材料)として、特許文献1には、錫−ビスマス系のはんだよりなるはんだ粒子と、リフロー過程において前記はんだの融点よりも高い温度で硬化する熱硬化性樹脂と、はんだ付け時の熱で活性化してはんだ表面の酸化膜を除去する活性剤を含むはんだペーストであって、活性剤が、はんだの融点以上の温度で活性化することを特徴とするはんだペーストが提案されている。
特許文献1のはんだペースト(接合材料)は、はんだ、熱硬化性樹脂および活性剤を含んでおり、使用されるはんだ材料自体の強度が低く、十分な接合強度を確保することが難しい場合に、接合部を樹脂により補強することができるという特徴を備えている。なお、このようなはんだペースト(接合材料)は、特許文献2にも提案されている。
しかしながら、特許文献1,2のような、はんだ粉末、熱硬化性樹脂、活性剤を含む接合材料では、正常な接合状態を得るために、はんだの融点と、熱硬化性樹脂の硬化温度との関係が重要で、通常、熱硬化性樹脂の硬化温度の方が、はんだの融点よりも高い必要がある。すなわち、熱硬化性樹脂の硬化温度が、はんだの融点よりも低い場合、はんだ付けの工程で温度が上昇してはんだが溶融した時点では、熱硬化性樹脂が硬化してしまっているため、溶融はんだの流動が、硬化した樹脂に妨げられ、溶融はんだどうしの結合が妨げられ、接合対象(例えば、基板上に形成された電極の表面)上にぬれ広がることができないという問題点がある。
なお、特許文献1では、上記のはんだの融点と、熱硬化性樹脂の反応温度、さらに、活性剤が熱硬化性樹脂の硬化剤としての働きも有することも考慮し、活性剤の活性化する温度も含めた温度の関係に着目して、これらの関係を限定している。ちなみに、樹脂の硬化反応の開始や、進行速度などは、硬化剤の活性によって決まる。
しかし、熱硬化性樹脂の硬化反応は、同時に配合される硬化剤に左右されるだけでなく、昇温速度にも大きく影響される。すなわち、昇温を徐々に行った場合には、昇温を速やかに行った場合に比べて、低い温度で硬化反応が起こる。
そのため、精度よく熱硬化性樹脂の硬化温度を管理するためには、昇温速度や加熱する物質の熱伝導率なども把握して、全体的な管理を行う必要がある。
しかしながら、熱硬化性樹脂は、硬化反応が始まると自己発熱によって、さらに温度が上昇する性質を有しているため、詳細な温度管理は難しいのが実情である。
ところで、特許文献1では、融点が139℃と、一般的なはんだ材料の中では、比較的融点が低いはんだが用いられており、熱硬化性樹脂の硬化温度は、139℃以上であればよいため、硬化温度を制御するための昇温プロファイル管理は、比較的容易である。
しかし、特許文献1のようにはんだの融点が低い場合、はんだ接合した部品を再度リフロー加熱する際に、はんだが溶融して体積が膨張し、周囲の樹脂を破壊して噴出し、電気的な接続を損なうという問題があり、また、融点以上の高温に長時間さらされる環境下では、溶融したはんだが電極に拡散し続けることで、電極が消失して電気的な接続および機械的な接合が損なわれるため、使用できなくなるという問題もある。
そして、この問題に対して、熱硬化性樹脂とともに、比較的高い融点を有する例えば、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点218℃)はんだ粉末を配合した接合材料や、熱硬化性樹脂とともに、2種類以上の合金や金属粉末を配合し、加熱処理時に、金属どうしが反応して高融点な金属間化合物を形成することで、再リフローや高温環境に耐えることができるようにした接合材料が、特許文献3,4に提案されている。
しかしながら、このような接合材料は、はんだの融点や、金属どうしの反応温度が高いために、正常な接合構造体を得るためには、上述の理由により、樹脂の硬化を開始させる温度が218℃を超えるような硬化剤を選択する必要があり、選択肢が狭いという問題がある。また、熱により溶融して活性化する潜在性の硬化剤として、イミダゾール化合物がよく知られるが、イミダゾール化合物の融点は、硬化反応の開始する温度の目安とはなるものの、正確に反応温度そのものを示すものではない。熱硬化性樹脂の硬化反応は、反応速度論に従うため、加熱条件に大きく影響される。よって、確実に良好な接合構造を得るためには、加熱条件を詳細に管理しなければならない。なお、ここでいう良好な接合構造とは、例えば、電極どうしが確実にはんだ接合され、はんだボールを残さず、さらに、その周囲が熱硬化性樹脂で封止されている構造をいう。この構造が得られなければ、信頼性が高い接合構造とはいえない。
また、熱硬化性樹脂の硬化反応によって、流動性が損なわれた場合でも、流動性を確保するために、熱硬化性樹脂の硬化温度と同等の融点を持つ熱可塑性樹脂を配合することが、特許文献5に提案されている。
しかしながら、熱可塑性樹脂は、熱伝導率が低いため、その温度に達すると同時に一気に流動性が発現するのではなく、熱が伝わるのに対応して、流動性が生じるため、温度、時間軸に対して流動性に分布が生じる。また、分子量のばらつきによって、特性は分布を持つため、その分、余裕をもった加熱条件を設定しなければならず、工程が複雑化し、生産性が低下するという問題点がある。
また、硬化剤を、熱可塑性樹脂や固形の樹脂などに閉じ込めてカプセル化し、カプセルの外殻を構成している物質が軟化して流動する温度に達するまで、硬化反応を抑制しておくことにより、硬化反応温度を制御する技術が特許文献6に示されている。
しかしながら、上記カプセルの外殻部分は、樹脂などの有機物で構成されているため、温度に対して流動性の発現する感度は高くない。したがって、加熱条件を、精度よく管理しなければならず、工程が複雑化し、生産性が制約されるという問題点がある。
特開2006−150413号公報 特開2002−176248号公報 特開2011−56527号公報 特開2004−363052号公報 特開2002−256303号公報 特開2011−208098号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、目標とする温度で熱硬化性樹脂の硬化反応を開始させることが可能な硬化剤、該硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた接合方法、および熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の硬化剤は、
熱硬化性樹脂を硬化させる硬化薬剤の表面が、
(a)400℃を超える融点を有し、かつ、
(b)融点が400℃以下の、溶融状態にある金属または合金に拡散する
という要件を備えた金属であって、Cu、Au、Ag、Pd、Niからなる群より選ばれる1種である被覆金属により被覆されており、
前記融点が400℃以下の、溶融状態にある金属または合金は、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種であること
を特徴としている。
なお、硬化薬剤の表面には、上記被覆金属の他に、上記被覆金属の働きを妨げない範囲で、例えばカーボン粉末や、セラミック粉末などの他の物質が存在していてもよい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、
上記本発明の硬化剤と、
前記硬化剤と反応して硬化を開始する熱硬化性樹脂と
を含有することを特徴としている。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、融点が400℃以下であり、溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種を含有していることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、融点が400℃以下で溶融状態において、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤を構成する被覆金属を拡散させる金属または合金を含有させておくことにより、熱硬化性樹脂組成物を接合対象物間に配置して、前記金属または合金の融点以上の温度であって、400℃以下の所定の温度に加熱することにより、被覆金属を拡散させて硬化薬剤を露出させ、熱硬化性樹脂の硬化反応を開始させることが可能になり、接合対象物を確実に接合することが可能になる。
なお、上記金属または合金としては,被覆金属を拡散させて除去する機能を有する種々の金属および合金を用いることができる。
また、被覆金属を拡散させて除去する機能を果たすとともに、接合材料としての機能を果たす金属または合金を用いることも可能である。
また、被覆金属を拡散させて除去するための金属または合金と、接合材料としての機能を果たす金属または合金(例えば、はんだなど)を併用するようにしてもよい。
また、前記金属または合金としては、被覆金属が拡散することにより、前記金属または合金の融点よりもたかい融点を持つ金属間化合物を形成するような材料を用いることも可能である。
また、本発明の熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法は、
上記本発明の熱硬化性樹脂組成物と、
融点が400℃以下であり、溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種
を共存させるとともに、
前記金属または合金として、前記熱硬化性樹脂の硬化を開始させたい温度に対応する融点を有する金属または合金を選択して用いること
を特徴としている。
また、本発明の熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法は、
上記本発明の熱硬化性樹脂組成物を用い、
前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる、前記熱硬化性樹脂の硬化を開始させたい温度に対応する融点を有する金属または合金を選択して用いること
を特徴としている。
また、本発明の接合方法は、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物と、融点が400℃以下であり、溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種とを、一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行い、前記金属または合金を溶融させることにより、溶融した前記金属または合金に前記被覆金属を拡散させて前記熱硬化樹脂の硬化反応を開始させ、前記熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記一方の接合対象物と前記他方の接合対象物とを接合することを特徴としている。
また、本発明の接合方法は、上記本発明の、被覆金属を拡散させる金属または合金を含む熱硬化性樹脂組成物を、一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行い、前記金属または合金を溶融させることにより、溶融した前記金属または合金に前記被覆金属を拡散させて前記熱硬化樹脂の硬化反応を開始させ、前記熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記一方の接合対象物と前記他方の接合対象物とを接合することを特徴としている。
本発明の硬化剤は、熱硬化性樹脂を硬化させる硬化薬剤の表面が、(a)400℃を超える融点を有し、かつ、(b)融点が400℃以下の、溶融状態にある金属または合金に拡散するという要件を備えた金属であって、Cu、Au、Ag、Pd、Niからなる群より選ばれる1種である被覆金属により被覆されており、融点が400℃以下の、溶融状態にある金属または合金は、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種である。
したがって、本発明の硬化剤を用いた場合、被覆金属が除去されて硬化薬剤が露出するまでは、硬化薬剤が熱硬化性樹脂(ベース樹脂)と接触することができず、硬化反応は開始しない。
一方、被覆金属として、融点が400℃以下で、溶融状態にある金属または合金に拡散するものが用いられていることから、被覆金属の融点が400℃を超えるものである場合にも、溶融した上記金属または合金に被覆金属が接触すると、被覆金属は溶融した金属または合金に拡散して硬化薬剤が露出し、熱硬化性樹脂と接触し、硬化反応が開始する。
それゆえ、本発明によれば、被覆金属を拡散させる上述の金属または合金として、所定の金属または合金を選択し、その融点以上の温度に加熱することで、速やかに熱硬化性樹脂の硬化反応を開始させることが可能な硬化剤を提供することができる。
なお、被覆金属を拡散させる上記金属または合金が溶融すると、被覆金属は速やかに、溶融した上述の金属または合金に拡散するので、適切な昇温速度で加熱を行うことにより、上述の金属または合金の融点か、それよりいくらか高い温度で、熱硬化性樹脂の硬化を開始させることができる。
また、本発明において、上記金属または合金として、融点が400℃以下のものを用いるようにしているので、特別な耐熱性を有する高価な熱硬化性樹脂を用いる必要がなく、経済性、実用性が損なわれることはない。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記本発明の硬化剤と、該硬化剤と反応して硬化を開始する熱硬化性樹脂とを含有しているので、硬化剤の被覆金属を拡散させる上記金属または合金として、用途に応じた適切な融点を有するものを選択して用いることにより、目標とする温度で速やかに硬化反応を開始させることが可能な熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
また、これらの金属または合金としては、被覆金属を拡散させて除去する機能を果たすとともに、接合材料としての機能を果たす金属または合金を用いることも可能である。
また、被覆金属を拡散させて除去するための金属または合金と、接合材料としての機能を果たす金属または合金(例えば、はんだなど)を併用するようにしてもよい。
また、本発明の熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法においては、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物(請求項2の熱硬化性樹脂組成物)と、融点が400℃以下であり、溶融状態において熱硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤の被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種とを共存させるとともに、上記金属または合金として、熱硬化性樹脂の硬化を開始させたい温度に対応する融点を有する金属または合金を選択して用いるようにしているので、上記金属または合金を適宜選択するだけで、熱硬化性樹脂の硬化温度(硬化を開始する温度)を容易かつ確実に制御することができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法は、融点が400℃以下で溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する被覆金属を拡散させる金属または合金を含む本熱硬化性樹脂組成物(請求項3の熱硬化性樹脂組成物)を用いるようにしているので、予め、熱硬化性樹脂組成物と組み合わせて用いられている上記金属または合金の種類を確認して用いるだけで、熱硬化性樹脂の硬化温度(硬化を開始する温度)を容易かつ確実に制御することができる。
また、本発明の接合方法は、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物と、融点が400℃以下であり、溶融状態において上記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種とを、一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行い、上記金属または合金を溶融させるようにしているので、溶融した金属または合金に被覆金属を拡散させて熱硬化樹脂の硬化反応を開始させ、熱硬化性樹脂を硬化させて、一方の接合対象物と他方の接合対象物とを容易かつ確実に接合することができる。
なお、本発明においては、上述の金属または合金として,先にも説明したように、S、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金などを用いることが可能であり、例えば、Sn−Bi合金を熱硬化性樹脂組成物とともに一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行った場合、Sn−Bi合金が先に溶融した後、硬化剤を構成する被覆金属が溶融したSn−Bi合金に拡散し、その後、熱硬化性樹脂の硬化が開始するため(すなわち、硬化反応が開始するよりも先にSn−Bi合金が溶融するため)、信頼性の高い接合を実現することができる。
また、上記金属または合金として、はんだ材料を用いる場合においては、硬化薬剤を被覆する被覆金属として、はんだ材料を構成する金属と、高融点の金属間化合物を形成する金属を含むものを用いることが好ましい。そのような被覆金属を用いることにより、はんだ接合部に金属間化合物を生成させて高融点化させることが可能になり、さらに信頼性の高い接合を実現することができる。
また、本発明の接合方法は、上記本発明の、融点が400℃以下であり、溶融状態において熱硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金を含む熱硬化性樹脂組成物を、一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行い、上記金属または合金を溶融させることにより、溶融した金属または合金に被覆金属を拡散させて熱硬化樹脂の硬化反応を開始させ、熱硬化性樹脂を硬化させることにより、一方の接合対象物と前記他方の接合対象物とを接合するようにしているので、一方の接合対象物と他方の接合対象物とを容易かつ確実に接合することが可能になる。
本発明の接合方法を説明する図であって、熱硬化性樹脂組成物を基板の電極上に付与した後、セラミック電子部品を、その外部電極が、基板の電極上に付与された熱硬化性樹脂組成物を介して、上記電極と対向するように載置した状態を示す図である。 図1の状態の基板を、所定の条件でリフロー連続炉を通過させることによりリフローはんだ付けを行った状態を示す図である。
以下に本発明を実施するための形態として、以下の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態]
(1)硬化薬剤
本発明において用いることが可能な硬化薬剤としては、具体的には、脂肪族アミン、芳香族アミン、イミダゾール類などが例示される。また、これらに別の物質をあらかじめ反応(アダクト)させた化合物を用いることも可能である。
なお、本発明において用いることが可能な硬化薬剤はこれらに限られるものではなく、熱硬化性樹脂の硬化剤として用いられる種々の物質を用いることが可能である。液状であっても、固形状であってもよいが、表面を金属により被覆する見地からは、常温で固形のものを用いることが好ましい。
また、固形の硬化薬剤を用いる場合、通常、直径が0.1〜50μmの粒子状の硬化薬剤を用いることが望ましい。
(2)硬化薬剤の表面を被覆する金属
硬化薬剤の表面を被覆する金属としては、融点が400℃を超える純金属(単一金属)を用いることができる。
硬化薬剤の表面を被覆するのに用いられる、融点が400℃を超える金属としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pd、Niなどの金属が例示される。
硬化薬剤の表面を金属により被覆する方法としては、無電解めっきや、スパッタリングなどの方法が例示される。ただし、金属による硬化薬剤の表面の被覆方法に特別の制約はなく、その他にも種々の方法を用いることができる。
また、硬化薬剤を被覆する金属(合金または純金属)の厚みは、通常0.1〜10μmとすることが望ましい。これは、硬化薬剤を被覆する金属の厚みが0.1μm未満になると、金属による硬化薬剤の被覆信頼性が不十分になり、10μmを超えると金属の割合が無用に大きくなり、好ましくないことによる。
(3)熱硬化性樹脂
本発明の熱硬化性樹脂組成物において用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミドなどが挙げられる。ただし、これらに限られるものではなく、他の熱硬化性樹脂を用いることも可能である。
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、熱硬化性樹脂に対する硬化剤の割合は、熱硬化性樹脂を硬化させることが可能な配合量を適宜選択することができる。
(4)被覆金属を拡散させる機能を果たす金属または合金
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、硬化剤および熱硬化性樹脂に、さらに、融点が400℃以下であり、溶融状態において上記硬化剤を構成する被覆金属を拡散させる機能を果たす金属または合金を含有させることが可能である。
また、上記金属または合金は、接合工程において別途配合するように構成することも可能である。
この金属、合金としては、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金などが例示される
なお、被覆金属を拡散させる機能を果たす金属または合金としては、被覆金属を拡散させる機能のみを果たす金属または合金を用いることも可能であるが、被覆金属を拡散させて除去する機能を果たすとともに、接合材料としての機能を果たす金属または合金を用いることもできる。
また、被覆金属を拡散させて除去する機能を果たす金属または合金と、接合材料としての機能を果たす金属または合金を併用することも可能である。
<試験>
本発明の硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物を用いて以下に説明する実験を行い、その効果を確認した。
(a)硬化剤
硬化薬剤として、4,4−ジアミノジフェニルスルホン(44DDS)をペレット状に加工し、その表面に、表1に示す金属を、無電解めっきの方法でめっきすることにより、硬化薬剤が被覆金属で被覆された硬化剤を作製した。
(b)熱硬化性樹脂組成物
それから、上述のようにして作製した硬化剤を、以下の材料とともに、所定の割合で秤量し、乳鉢中で混合することにより、硬化薬剤を被覆する被覆金属を拡散させる金属または合金を含む熱硬化性樹脂組成物(樹脂混合物)を作製した。
熱硬化性樹脂(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂):23.5重量部
硬化剤(44DDS) :8.0重量部
金属または合金(表1参照) :137.0重量部
活性剤(アジピン酸) :2.7重量部
(c)リフロー
作製した熱硬化性樹脂組成物を直径5mm、深さ5mmのアルミパンに入れ、昇温速度:0.2℃/s、ピーク温度220℃(キープ10分)の条件でリフロー熱処理を行った。
そして、リフロー熱処理の終了後に、試料断面を観察し、評価を行った。
その結果を表1に併せて示す。
Figure 0006361370
表1の試料番号1〜20の試料のように、硬化薬剤の表面を被覆金属で被覆した,本発明の要件を満たす試料の場合、被覆金属で硬化薬剤の表面を被覆した効果によって,被覆金属を拡散させる金属または合金(例えばはんだ)が溶融し、硬化薬剤を被覆する被覆金属が、溶融した金属または合金(溶融はんだ)に拡散した後に、熱硬化性樹脂の硬化反応が起きる。そのため、被覆金属を拡散させる金属または合金(はんだ)が溶解した後、樹脂が流動するまでに,短時間であってもしかるべき時間を確保することが可能になる。その結果、被覆金属を拡散させる金属または合金(はんだ)どうしが溶融して凝集し,1次粒子は残留しなくなること、すなわち、良好な金属接合を行うことが可能であることが確認された(表1では○と表記)。
一方、試料番号21の、硬化薬剤を被覆する被覆金属を備えておらず、本発明の要件を満たさない試料の場合、被覆金属を拡散させる金属または合金(はんだ(融点139℃))が溶融するまでに、約120℃で硬化薬剤と熱硬化性樹脂との反応が開始したため、はんだどうしが凝集することができず、はんだの1次粒子が多数残存すること、すなわち、良好な金属接合を行うことが困難であることが確認された(表1では×と表記)。
<本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた接合方法>
次に、本発明の実施形態にかかる熱硬化性樹脂組成物を用いて表面実装型のセラミック電子部品の外部電極を、基板の電極上に実装する場合の接合方法の一例について、図1および2を参照しつつ説明する
例えば、セラミック電子部品をプリント配線基板のNi/Auめっきした電極上に実装するにあたっては、例えば、表1の試料番号6の熱硬化性樹脂組成物1を、図1に示すように、基板10の電極11a,11b上に付与する。
それから、セラミック電子部品20を、その一対の外部電極21a,21bが、基板10の電極11a,11b上に付与された熱硬化性樹脂組成物1を介して、電極11a,11bと対向するように載置する。
そして、セラミック電子部品20が載置された基板10を、所定の条件でリフロー連続炉を通過させることによりリフロー接合を行う(図2)。
このとき、硬化剤を構成する硬化薬剤の表面は、融点が1083℃と高いCu(被覆金属)により被覆されており、はんだ材料として融点が218℃のSn−3.0Ag−0.5Cuはんだが用いられている。
したがって、リフローの工程で、はんだ材料であるSn−3.0Ag−0.5Cuはんだが、硬化剤を構成する被覆金属(Cu)よりも先に溶融し、セラミック電子部品20の外部電極21a,21bと、基板10の電極11a,11bとの間(接合部)に、溶融したはんだが行き渡る。一方、硬化薬剤を被覆する被覆金属であるCuは、溶融したはんだ31に速やかに拡散して,硬化薬剤が露出し、硬化薬剤が熱硬化性樹脂と接触して、硬化反応が進行する。
その結果、セラミック電子部品20の外部電極21a,21bと、基板10の電極11a,11bとが,図2に示すように、はんだ31および硬化した樹脂(熱硬化性樹脂)32により強固に接合される。
したがって、この接合方法によれば、セラミック電子部品20の外部電極21a,21bと、基板10の電極11a,11bとを、はんだ31により電気的に接続するとともに、熱硬化性樹脂により機械的に強固に接合して、信頼性の高い実装を効率よく行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、接合すべき対象物の種類や、接合工程における条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 熱硬化性樹脂組成物
10 基板(プリント配線基板)
11a,11b 基板上の電極
20 セラミック電子部品
21a,21b セラミック電子部品の外部電極
31 はんだ
32 硬化した樹脂(熱硬化性樹脂)

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂を硬化させる硬化薬剤の表面が、
    (a)400℃を超える融点を有し、かつ、
    (b)融点が400℃以下の、溶融状態にある金属または合金に拡散する
    という要件を備えた金属であって、Cu、Au、Ag、Pd、Niからなる群より選ばれる1種である被覆金属により被覆されており、
    前記融点が400℃以下の、溶融状態にある金属または合金は、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種であること
    を特徴とする硬化剤。
  2. 請求項1記載の硬化剤と、
    前記硬化剤と反応して硬化を開始する熱硬化性樹脂と
    を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  3. 融点が400℃以下であり、溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種を含有していることを特徴とする請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物と、
    融点が400℃以下であり、溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種
    を共存させるとともに、
    前記金属または合金として、前記熱硬化性樹脂の硬化を開始させたい温度に対応する融点を有する金属または合金を選択して用いること
    を特徴とする熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法。
  5. 請求項3記載の熱硬化性樹脂組成物を用い、
    前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる、前記金属または合金として、前記熱硬化性樹脂の硬化を開始させたい温度に対応する融点を有する金属または合金を選択して用いること
    を特徴とする熱硬化性樹脂の硬化温度の制御方法。
  6. 請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物と、融点が400℃以下であり、溶融状態において前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化剤を構成する前記被覆金属を拡散させる金属または合金であって、Sn、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi合金、Bi−Cu合金からなる群より選ばれる1種とを、一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行い、前記金属または合金を溶融させることにより、溶融した前記金属または合金に前記被覆金属を拡散させて前記熱硬化樹脂の硬化反応を開始させ、前記熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記一方の接合対象物と前記他方の接合対象物とを接合することを特徴とする接合方法。
  7. 請求項3記載の熱硬化性樹脂組成物を、一方の接合対象物と他方の接合対象物との間に介在させた状態で加熱を行い、前記金属または合金を溶融させることにより、溶融した前記金属または合金に前記被覆金属を拡散させて前記熱硬化樹脂の硬化反応を開始させ、前記熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記一方の接合対象物と前記他方の接合対象物とを接合することを特徴とする接合方法。
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