JP6361113B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン(lithium ion)二次電池において、高い電位および高容量を実現する正極活物質として、リチウムニッケル複合酸化物(lithium nickel composite oxide)を用いる技術が提案されている。
ここで、リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、満充電状態で高温保存した場合に、多量のガス(gas)が発生したり、電池特性が劣化したりすることが問題になっていた。
そのため、特許文献1には、例えば、不飽和結合を有する環状カーボネート(carbonate)を電解液に添加することによって、高温での熱的安定性を向上させる技術が開示されている。
特開2004−139743号公報
しかし、特許文献1に開示された技術では、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が上昇し、出力などの電池特性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高温保存時の熱的安定性および電池特性を向上させることが可能な、新規かつ改良されたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、リチウムニッケル複合酸化物を含む正極活物質と、下記化学式(1)で表される環状ジスルホン酸エステル(disulfonate)、および下記化学式(2)で表される鎖状ジスルホン酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種以上のジスルホン酸エステルと、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate)およびビニルエチレンカーボネート(vinyl ethylene carbonate)からなる群より選択された少なくとも1種以上の不飽和結合を有するカーボネートと、を含有する非水電解液と、を含み、前記非水電解液は、前記ジスルホン酸エステルを前記非水電解液の総質量に対して0.05質量%以上0.5質量%以下で含有し、前記不飽和結合を有するカーボネートを前記非水電解液の総質量に対して0.2質量%以上1.5質量%以下で含有する、リチウムイオン二次電池が提供される。
Figure 0006361113
Figure 0006361113
ただし、前記化学式(1)および(2)において、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキレン(alkylene)基、および置換または非置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン(fluoroalkylene)基からなる群より選択された1つであり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル(alkyl)基、および置換または非置換の炭素数1〜4のフルオロアルキル(fluoroalkyl)基からなる群より選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、0〜5から選択された整数である。
この観点によれば、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、高温保存時のガス発生および抵抗増加が抑制されるため、熱的安定性および電池特性が向上する。
前記化学式(1)および(2)において、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1または2のアルキレン基であり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換のメチル基、および置換または非置換のフルオロメチル(fluoromethyl)基から選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、1〜3から選択された整数であってもよい。
この観点によれば、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、さらに高温保存時のガス発生および抵抗増加が抑制されるため、熱的安定性および電池特性が向上する。
前記非水電解液は、下記化学式(3)で表される、イミドリチウム塩(lithium imide salt)をさらに含んでもよい。
Figure 0006361113
ただし、前記化学式(3)において、RfおよびRfは、互いに独立して、フッ素および炭素数1〜4のフルオロアルキル(fluoroalkyl)基からなる群より選択された1つを表す。
この観点によれば、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、さらに高温保存時のガス発生および抵抗増加が抑制されるため、熱的安定性および電池特性が向上する。
前記化学式(3)において、RfおよびRfは、フッ素(F)であってもよい。
この観点によれば、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、さらに高温保存時のガス発生および抵抗増加が抑制されるため、熱的安定性および電池特性が向上する。
前記リチウムニッケル複合酸化物は、下記の一般式(1)で示される組成を有してもよい。
Li(Nib−1)O・・・(1)
前記一般式(1)において、
Mは、Ni以外の1種類以上の金属であり、
aは、1.0≦a≦1.2であり、
bは、0.5≦b≦1.0である。
この観点によれば、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、高温保存時のガス発生および電池特性の劣化が効果的に抑制されるため、より好適に用いることができる。
以上説明したように本発明によれば、高温保存時の熱的安定性および電池特性を向上させることが可能である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構成を説明する説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の概要>
まず、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の概要について説明を行う。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質としてリチウムニッケル複合酸化物を含む。リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、高い電位と高い放電容量を実現することができるものの、満充電状態で高温保存した場合に、多量のガスが発生したり、電池特性が劣化したりしてしまう。
特に、ニッケル(Ni)比率が高い下記一般式(1)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、エネルギー(energy)密度が高いため、高温保存における上記問題の解決が望まれていた。
Li(Nib−1)O・・・(1)
ただし、上記一般式(1)において、Mは、Ni以外の1種類以上の金属であり、aは、1.0≦a≦1.2であり、bは、0.5≦b≦1.0である。
そこで、本発明者は、上記の問題点等を詳細に検討することにより、本発明を想到するに至った。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、ジスルホン酸エステルと、不飽和結合を有するカーボネートと、を同時に、本発明で特定する濃度の範囲にて、非水電解液中に含有することにより、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加を抑制することができる。したがって、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池によれば、高温保存時の熱的安定性および電池特性を向上させることが可能である。
ここで、上記におけるジスルホン酸エステルとは、例えば、下記化学式(1)で表される環状ジスルホン酸エステル、および下記化学式(2)で表される鎖状ジスルホン酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種以上のジスルホン酸エステルである。
Figure 0006361113
Figure 0006361113
なお、上記化学式(1)および(2)において、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキレン基、および置換または非置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基からなる群より選択された1つであり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基、および置換または非置換の炭素数1〜4のフルオロアルキル基からなる群より選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、0〜5から選択された整数である。
また、上記における不飽和結合を有するカーボネートとは、例えば、ビニレンカーボネートおよびビニルエチレンカーボネートからなる群より選択された少なくとも1種以上のカーボネートである。
さらに、上記のジスルホン酸エステルおよび不飽和結合を有するカーボネートは、複数種を混合して用いてもよい。
<2.リチウムイオン二次電池の構成>
以下では、図1を参照して、上述した本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池10の具体的な構成について説明を行う。図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構成を説明する説明図である。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池であり、正極20と、負極30と、セパレータ(separator)層40と、を備える。なお、リチウムイオン二次電池10の形態は、特に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池10は、円筒形、角形、ラミネート(laminate)形、ボタン(button)形等のいずれであってもよい。
正極20は、集電体21と、正極活物質層22とを備える。集電体21は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム(aluminium)、ステンレス鋼(stainless steel)、およびニッケルメッキ鋼(nickel‐plated steel)等で構成される。
正極活物質層22は、少なくとも正極活物質および導電剤を含み、結着剤をさらに含んでもよい。なお、正極活物質、導電剤、および結着材の含有量は、特に制限されず、従来のリチウムイオン二次電池において、適用される含有量であればいずれであってもよい。
正極活物質は、例えば、リチウムニッケル複合酸化物である。例えば、正極活物質は、Ni比率が高いリチウムニッケル複合酸化物であり、具体的には、下記一般式(1)で表されるリチウムニッケル複合酸化物であってもよい。
Li(Nib−1)O・・・(1)
上記一般式(1)において、Mは、Ni以外の1種類以上の金属であり、aは、1.0≦a≦1.2であり、bは、0.5≦b≦1.0であってもよい。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池によれば、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加を抑制することができる。したがって、エネルギー密度が高く高温保存時の熱安定性および電気特性の改善が望まれていた上記組成のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いることが可能である。
導電剤は、例えば、ケッチェンブラック(ketjen black)、アセチレンブラック(acetylene black)等のカーボンブラック(carbon black)、天然黒鉛、人造黒鉛等である。なお、導電剤は、正極の導電性を高めるためのものであれば特に制限されない。
結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoride)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(ethylene−propylene−diene terpolymer)、スチレンブタジエンゴム(styrene−butadiene rubber)、アクリロニトリルブタジエンゴム(acrylonitrile−butadiene rubber)、フッ素ゴム(fluoroelastomer)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)、ポリエチレン(polyethylene)、ニトロセルロース(nitrocellulose)等である。なお、結着材は、正極活物質および導電剤を集電体21上に結着させることができるものであれば、特に制限されない。
正極活物質層22は、例えば、適当な有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン(N−methyl−2−pyrrolidone))に正極活物質、導電剤、および結着剤を分散させたスラリー(slurry)を集電体21上に塗工し、乾燥、圧延することで形成される。
負極30は、集電体31と、負極活物質層32とを含む。集電体31は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、およびニッケルメッキ鋼等で構成される。
ここで、負極活物質層32は、少なくとも負極活物質を含み、結着剤をさらに含んでいてもよい。負極活物質は、例えば、黒鉛活物質(人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等)、ケイ素(Si)もしくはスズ(Sn)もしくはそれらの酸化物の微粒子と黒鉛活物質との混合物、ケイ素もしくはスズの微粒子、ケイ素もしくはスズを基本材料とした合金、およびLiTi12等の酸化チタン(TiO)系化合物等を使用することができる。なお、ケイ素の酸化物は、SiO(0≦x≦2)で表される。また、負極活物質としては、これらの他に、例えば金属リチウム(lithium)等を使用することができる。
さらに、結着剤は、正極活物質層22を構成する結着剤と同様のものが使用可能である。なお、負極活物質と結着剤との質量比は特に制限されず、従来のリチウムイオン二次電池で採用される質量比が本発明でも適用可能である。
セパレータ層40は、セパレータ41と、電解液43とを含む。
セパレータ41は、リチウムイオン二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、特に制限されず、どのようなものも使用可能である。セパレータ41としては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。また、セパレータは、Al、SiO等の無機物によってコーティング(coating)されていてもよく、上述した無機物をフィラー(filler)として含んでいてもよい。かかるセパレータを構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(polyethylene),ポリプロピレン(polypropylene)等に代表されるポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate),ポリブチレンテレフタレート(polybuthylene terephthalate)等に代表されるポリエステル(polyester)系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoride)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(perfluorovinylether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン(fluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン(hexafluoroacetone)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン(propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン(trifluoropropylene)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を使用することができる。セパレータの気孔率も特に制限されず、従来のリチウムイオン二次電池のセパレータが有する気孔率を任意に適用することができる。
電解液43は、リチウム塩と、溶媒と、第1の添加剤であるジスルホン酸エステルと、第2の添加剤である不飽和結合を有するカーボネートと、を含む。
リチウム塩は、電解液43の電解質である。リチウム塩は、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiSOCF、LiC(SOCFCF、LiC(SOCF、LiI、LiCl、LiF、LiPF(SOCF)、LiPF(SOCF等であってもよい。なお、これらのリチウム塩は、単独、あるいは2種類以上を混合して用いることが可能である。また、リチウム塩の濃度は、特に制限はないが、例えば、0.5〜2.0mol/L程度の濃度で電解液43に含有される。
溶媒は、リチウム塩および添加剤の各々を溶解する非水溶媒である。溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート(propylene carbonate)、(ethylene carbonate)、ブチレンカーボネート(buthylene carbonate)、クロロエチレンカーボネート(chloroethylene carbonate)等の環状炭酸エステル(ester)類;γ−ブチロラクトン(butyrolactone)、γ−バレロラクトン(valerolactone)等の環状エステル類;ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(ethylmethyl carbonate)等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル(methyl formate)、酢酸メチル(methyl acetate)、酪酸メチル(methyl butyrate)等の鎖状エステル類;テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)またはその誘導体;1,3−ジオキサン(1,3−dioxane)、1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)、1,2−ジメトキシエタン(1,2−dimethoxyethane)、1,4−ジブトキシエタン(1,4−dibutoxyethane)、メチルジグライム(methyldiglyme)等のエーテル(ether)類;アセトニトリル(acetonitrile)、ベンゾニトリル(benzonitrile)等のニトリル(nitrile)類;ジオキソラン(dioxolane)またはその誘導体;エチレンスルフィド(ethylene sulfide)、スルホラン(sulfolane)、スルトン(sultone)またはその誘導体等を単独で、またはそれら2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。なお、溶媒を2種以上混合して使用する場合、各溶媒の混合比は、従来のリチウムイオン二次電池で用いられる混合比が適用可能である。
第1の添加剤であるジスルホン酸エステルは、具体的には、以下の化学式(1)で表される構造を有する環状ジスルホン酸エステル、または化学式(2)で表される構造を有する鎖状ジスルホン酸エステルである。
Figure 0006361113
Figure 0006361113
上記化学式(1)および(2)において、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキレン基、および置換または非置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基からなる群より選択された1つであり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基、および置換または非置換の炭素数1〜4のフルオロアルキル基からなる群より選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、0〜5から選択された整数である。
また、第1の添加剤は、具体的には、上記化学式(1)および(2)において、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1または2のアルキレン基であり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換のメチル基、および置換または非置換のフルオロメチル基から選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、1〜3から選択された整数であるジスルホン酸エステルであってもよい。
さらに、第1の添加剤は、より具体的には、以下の化合物(11)、(12)および(21)〜(24)から選択された少なくとも1種以上のジスルホン酸エステルであってもよい。
Figure 0006361113
第2の添加剤である不飽和結合を有するカーボネートは、具体的には、不飽和結合を有する環状カーボネートである。また、第2の添加剤は、より具体的には、ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートであってもよい。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、上記の第1の添加剤および第2の添加剤の両方を電解液43に含むことにより、後述する実施例で実証されるように、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加を抑制することができる。具体的には、電解液43が第1の添加剤を含み、第2の添加剤を含まなかった場合、高温保存時におけるガス発生量が顕著に増加する。また、電解液43が第2の添加剤を含み、第1の添加剤を含まなかった場合、高温保存時における抵抗増加率が大きくなる。
また、第1の添加剤であるジスルホン酸エステルの添加濃度は、電解液の総質量に対して、0.05質量%以上0.5質量%以下である。後述する実施例にて実証されるように、第1の添加剤がこれらの範囲内の濃度となる場合に、リチウムイオン二次電池において、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加が抑制される。具体的には、ジスルホン酸エステルの濃度が0.05質量%未満である場合、高温保存時のガス発生量が増加し、また抵抗増加率が大きくなる。一方、ジスルホン酸エステルの濃度が0.5質量%を超える場合、高温保存時のガス発生量が顕著に増加する。
さらに、第2の添加剤である不飽和結合を有するカーボネートの添加濃度は、電解液の総質量に対して、0.2質量%以上1.5質量%以下である。後述する実施例にて実証されるように、第2の添加剤がこれらの範囲内の濃度となる場合に、リチウムイオン二次電池において、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加が抑制される。具体的には、不飽和結合を有するカーボネートの濃度が0.2質量%未満である場合、高温保存時のガス発生量が顕著に増加する。一方、不飽和結合を有するカーボネートの濃度が1.5質量%を超える場合、高温保存時のガス発生量が増加し、また抵抗増加率が大きくなる。
さらに、電解液43は、第3の添加剤であるイミドリチウム塩を含有してもよい。
第3の添加剤であるイミドリチウム塩は、具体的には、以下の化学式(3)で表される構造を有するイミドリチウム塩であってもよい。
Figure 0006361113
上記化学式(3)において、RfおよびRfは、互いに独立して、フッ素および炭素数1〜4のフルオロアルキル基からなる群より選択された1つを表す。
また、第3の添加剤は、具体的には、イミドリチウム塩である以下の化合物(31)であってもよい。
Figure 0006361113
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、上記の第3の添加剤を電解液43に含むことにより、後述する実施例で実証されるように、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加がさらに抑制される。ここで、第3の添加剤の添加濃度は、一般的なリチウムイオン二次電池において電解液の添加剤として許容される添加濃度であれば、特に限定されないが、好ましくは、電解液43の総質量に対して、0.5質量%以上2.0質量%以下である。第3の添加剤が、かかる範囲の濃度で電解液43に添加された場合、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、高温保存時のガス発生、容量低下、および抵抗増加が顕著に抑制される。
なお、電解液43は、上述した第1〜第3の添加剤に加えて、負極SEI(Solid Electrolyte Interface)形成剤、界面活性剤等の他の各種添加剤が添加されてもよい。このような添加剤としては、例えば、コハク酸無水物(succinic anhydride)、リチウムビスオキサラート(lithium bis(oxalate))、テトラフルオロホウ酸リチウム(lithium tetrafluoroborate)、ジニトリル(dinitrile)化合物、プロパンスルトン(propane sultone)、ブタンスルトン(butane sultone)、プロペンスルトン(propene sultone)、3−スルフォレン(3−sulfolene)、フッ素化アリルエーテル(fluorinated aryl ether)、フッ素化アクリレート(fluorinated methacrylate)等を使用することができる。また、このような添加剤の含有濃度としては、一般的なリチウムイオン二次電池における添加剤の含有濃度が使用可能である。
<3.リチウムイオン二次電池の製造方法>
続いて、リチウムイオン二次電池10の製造方法について説明する。
正極20は、以下のように製造される。まず、正極活物質、導電剤、及び結着剤を所望の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させてスラリーを形成する。次に、スラリーを集電体21上に形成(例えば塗工)し、乾燥させることで、正極活物質層22を形成する。なお、塗工の方法は、特に限定されないが、例えば、ナイフコーター(knife coater)法、グラビアコーター(gravure coater)法等を用いてもよい。以下の各塗工工程も同様の方法により行われる。さらに、圧縮機により正極活物質層22を所望の厚さとなるように圧縮する。これにより、正極20が製造される。ここで、正極活物質層22の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池の正極活物質層が有する厚さであればよい。
負極30も、正極20と同様に製造される。まず、負極活物質及び結着剤を所望の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることでスラリーを形成する。次に、スラリーを集電体31上に形成(例えば塗工)し、乾燥させて、負極活物質層32を形成する。さらに、圧縮機により負極活物質層32を所望の厚さとなるように圧縮する。これにより、負極30が製造される。ここで、負極活物質層32の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池の負極活物質層が有する厚さであればよい。また、負極活物質層32として金属リチウムを用いる場合、集電体31に金属リチウム箔を重ねれば良い。
続いて、セパレータ41を正極20および負極30で挟むことで、電極構造体を製造する。さらに、電極構造体を所望の形態(例えば、円筒形、角形、ラミネート形、ボタン形等)に加工し、当該形態の容器に挿入する。さらに、当該容器内に上記のジスルホン酸エステルと、上記の不飽和結合を有するカーボネートと、を添加剤として添加した電解液43を注入することで、セパレータ41内の各気孔に電解液を含浸させる。これにより、リチウムイオン二次電池10が製造される。
以下では、本発明の一実施形態に係る実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1に係るリチウムイオン二次電池を以下の方法にて製造した。まず、LiNi0.6Co0.2Mn0.298質量部、ポリフッ化ビニリデン1質量部、カーボンブラック1質量部をN−メチル−2−ピロリドンに分散させることで、スラリーを形成した。続いて、スラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗工し、乾燥させて正極活物質層とすることで正極を製造した。
次に、人造黒鉛98質量部、スチレンブタジエンゴム1質量部、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose)1質量部をN−メチル−2−ピロリドンに分散させることで、スラリーを形成した。続いて、スラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗工し、乾燥させて負極活物質層とすることで負極を製造した。
また、セパレータとして多孔質ポリエチレンフィルム(polyethylene film)(厚さ12μm)を用意し、セパレータを正極および負極で挟むことで、電極構造体を製造し、電池容器に収納した。一方、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)を30:40:30の体積比で混合した溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lの濃度で溶解し、電解液を製造した。さらに、この電解液に、添加剤として、化合物(11)と、ビニレンカーボネートとを添加した。添加濃度は、電解液(すなわち、溶媒、LiPF、および各種添加剤を合せたもの)の総質量に対して、化合物(11)が0.5質量%、ビニレンカーボネートが1質量%である。
次に、電池容器内に上記組成の電解液を注入することで、セパレータ内の各気孔に電解液を含浸させた。これにより、実施例1に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
(実施例2〜18、比較例1〜12)
実施例1と同様の方法で、実施例2〜18、比較例1〜12に係るリチウムイオン二次電池を製造した。ここで、実施例2〜18、比較例1〜12は、実施例1に対して、添加剤として加えた化合物およびその濃度がそれぞれ異なる。なお、添加剤として加えた化合物およびその濃度については、表1および2にて示す。ここで、表1および2において、「VC」はビニレンカーボネートのことを表し、「VEC」はビニルエチレンカーボネートのことを表す。また、「−」は、対応する添加剤を添加しなかったことを表す。
(実施例19〜23、比較例13〜17)
実施例1と同様の方法で、実施例19〜23、比較例13〜17に係るリチウムイオン二次電池を製造した。ここで、実施例19は、実施例1のLiNi0.6Co0.2Mn0.2に替えて、LiNi0.5Co0.2Mn0.3を正極活物質として用いたことのみが異なる。また、実施例20〜23、比較例13〜17は、実施例19に対して、添加剤として加えた化合物およびその濃度がそれぞれ異なる。なお、添加剤として加えた化合物およびその濃度については表3にて示す。ここで、表3における表記は、表1および2と同様である。
(実施例24〜26、比較例18〜20)
実施例1と同様の方法で、実施例24〜26、比較例18〜20に係るリチウムイオン二次電池を製造した。ここで、実施例24は、実施例1のLiNi0.6Co0.2Mn0.2に替えて、LiNi0.8Co0.1Mn0.1を正極活物質として用いたことのみが異なる。また、実施例25および26、比較例18〜20は、実施例21に対して、添加剤として加えた化合物およびその濃度がそれぞれ異なる。なお、添加剤として加えた化合物およびその濃度については表4にて示す。ここで、表4における表記は、表1および2と同様である。
(高温保存試験)
続いて、上記で製造した実施例1〜26、比較例1〜20に係るリチウムイオン二次電池に対して高温保存試験を行った。具体的には、リチウムイオン二次電池に対して、電池電圧が4.2VとなるまでCC−CV充電(定電流定電圧充電)を行い、満充電後に60℃の温度環境下に60日間放置した。また、放置前後で、リチウムイオン二次電池の直流抵抗、容量、体積を測定し、高温保存による直流抵抗増加率、回復容量(すなわち、放置前後での容量維持率)、ガス発生量(すなわち、放置前後での体積増加量)を算出した。
ここで、直流抵抗増加率は、放置前後での直流抵抗の増加量を放置前の直流抵抗で除した値である。また、回復容量は、放置後のリチウムイオン二次電池の容量を放置前のリチウムイオン二次電池の容量で除した値である。さらに、ガス発生量は、放置前後でのリチウムイオン二次電池の体積増加量を容量で除し、単位容量あたりに直した値である。
なお、直流抵抗は、具体的には、50%充電の状態で1C、2C、3C、および6Cで放電してIRドロップ(IR drop)を測定し、かかるIRドロップより算出した。また、リチウムイオン二次電池の容量は、電池電圧が4.2Vになるまで、0.5CにてCC−CV充電(定電流定電圧充電)を行い、電池電圧が2.8Vになるまで、0.2CにてCC放電(定電流放電)を行った際に測定された容量を用いた。さらに、リチウムイオン二次電池の体積は、アルキメデス法(Archimedes method)により測定した。
上記の高温保存試験の結果を表1〜4に示す。なお、表1および2は、正極活物質がLiNi0.6Co0.2Mn0.2であるリチウムイオン二次電池の結果であり、表3は、正極活物質がLiNi0.5Co0.2Mn0.3であるリチウムイオン二次電池の結果であり、表4は、正極活物質がLiNi0.8Co0.1Mn0.1であるリチウムイオン二次電池の結果である。
まず、表1にて、第1〜第3の添加剤による効果を測定した実施例1〜9および比較例1〜8の評価結果を示す。
Figure 0006361113
表1を参照すると、実施例1〜9は、比較例1〜8に対して、直流抵抗増加率およびガス発生量が減少し、かつ回復容量が増加している。したがって、第1の添加剤および第2の添加剤が添加された実施例1〜9は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が向上していることがわかる。また、第3の添加剤である化合物(31)が添加された実施例2、3、5および7は、化合物(31)が添加されていない実施例1、4、8および9に対して、より直流抵抗増加率およびガス発生量が減少し、かつ回復容量が増加している。したがって、第3の添加剤である化合物(31)が添加された実施例2、3、5および7は、高温保存時の熱的安定性および電池特性がさらに向上していることがわかる。
一方、比較例1〜6は、第1の添加剤を含むものの、第2の添加剤を含んでいないため、実施例1〜9に対して回復容量が低下し、また、ガス発生量が大幅に増加している。また、比較例7および8は、第2の添加剤を含むものの、第1の添加剤を含んでいないため、実施例1〜9に対して直流抵抗増加率およびガス発生量が増加している。したがって、比較例1〜8は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が低下していることがわかる。
次に、表2にて、第1〜第3の添加剤のそれぞれについて濃度を変更して測定を行った実施例10〜18および比較例9〜12の評価結果を示す。
Figure 0006361113
表2を参照すると、実施例10〜18は、第1の添加剤である化合物(11)の濃度、および第2の添加剤であるVCの濃度が本発明の範囲内であり、直流抵抗増加率およびガス発生量が減少し、かつ回復容量が増加していることがわかる。したがって、実施例10〜18は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が向上していることがわかる。
また、実施例16〜18は、第3の添加剤である化合物(31)が0.5〜2.0質量%添加されており、第3の添加剤が添加されていない実施例11に対して、さらに直流抵抗増加率およびガス発生量が減少し、かつ回復容量が増加していることがわかる。したがって、実施例16〜18は、高温保存時の熱的安定性および電池特性がさらに向上していることがわかる。
一方、比較例9および10は、第1の添加剤である化合物(11)の濃度が本発明の範囲から外れており、ガス発生量が増加している。したがって、比較例9および10は、高温保存時の熱的安定性が低下していることがわかる。また、比較例11および12は、第2の添加剤であるVCの濃度が本発明の範囲から外れており、直流抵抗増加率およびガス発生量が増加し、かつ回復容量が減少している。したがって、比較例11および12は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が低下していることがわかる。
さらに、表3にて、LiNi0.5Co0.2Mn0.3を正極活物質として用いた実施例19〜23および比較例13〜17の評価結果を示す。
Figure 0006361113
表3を参照すると、実施例19〜23は、比較例13〜17に対して、直流抵抗増加率およびガス発生量が減少し、かつ回復容量が増加している。したがって、第1の添加剤および第2の添加剤が添加された実施例19〜23は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が向上していることがわかる。また、第3の添加剤である化合物(31)が添加された実施例20および21は、化合物(31)が添加されていない実施例19、22、23に対して、より直流抵抗増加率およびガス発生量が減少している。したがって、第3の添加剤である化合物(31)が添加された実施例20および21は、高温保存時の熱的安定性および電池特性がさらに向上していることがわかる。
一方、比較例14および15は、第1の添加剤を含むものの、第2の添加剤を含んでいないため、実施例19〜23に対して回復容量が低下し、また、ガス発生量が増加している。また、比較例16および17は、第2の添加剤を含むものの、第1の添加剤を含んでいないため、実施例19〜23に対して直流抵抗増加率およびガス発生量が増加している。したがって、比較例14〜17は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が低下していることがわかる。
加えて、表4にて、LiNi0.8Co0.1Mn0.1を正極活物質として用いた実施例24〜26および比較例18〜20の評価結果を示す。
Figure 0006361113
表4を参照すると、実施例24〜26は、比較例18〜20に対して、直流抵抗増加率およびガス発生量が減少し、かつ回復容量が増加している。したがって、第1の添加剤および第2の添加剤が添加された実施例24〜26は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が向上していることがわかる。また、第3の添加剤である化合物(31)が添加された実施例25は、化合物(31)が添加されていない実施例24および26に対して、より直流抵抗増加率およびガス発生量が減少している。したがって、第3の添加剤である化合物(31)が添加された実施例24は、高温保存時の熱的安定性および電池特性がさらに向上していることがわかる。
一方、比較例18および19は、第1の添加剤を含むものの、第2の添加剤を含んでいないため、実施例24〜26に対して直流抵抗増加率およびガス発生量が増加しており、また、回復容量が低下している。また、比較例20は、第2の添加剤を含むものの、第1の添加剤を含んでいないため、実施例24〜26に対して直流抵抗増加率およびガス発生量が増加している。したがって、比較例18〜20は、高温保存時の熱的安定性および電池特性が低下していることがわかる。
表3および4の評価結果を参照すると、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、いずれの組成のリチウムニッケル複合酸化物を用いた場合でも、表1および2と同様に高温保存時の熱的安定性および電池特性を向上させることができることがわかる。
以上の評価結果からわかるように、本発明の一実施形態によれば、リチウムニッケル複合酸化物を含む正極活物質と、環状ジスルホン酸エステル、および鎖状ジスルホン酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種以上のジスルホン酸エステルと、ビニレンカーボネートおよびビニルエチレンカーボネートからなる群より選択された少なくとも1種以上の不飽和結合を有するカーボネートとを含有する非水電解液と、を含み、ジスルホン酸エステルを非水電解液の総質量に対して0.05質量%以上0.5質量%以下で含有し、不飽和結合を有するカーボネートを非水電解液の総質量に対して0.2質量%以上1.5質量%以下で含有することにより、高温保存時の熱的安定性および電池特性を向上させることが可能である。
また、本発明の一実施形態によれば、イミドリチウム塩をさらに非水電解液に含むことにより、高温保存時の熱的安定性および電池特性をさらに向上させることが可能である。
さらに、本発明の一実施形態は、Ni比率が高いリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池に対して、より好適に用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 リチウムイオン二次電池
20 正極
21 集電体
22 正極活物質層
30 負極
31 集電体
32 負極活物質層
40 セパレータ層
41 セパレータ
43 電解液

Claims (3)

  1. リチウムニッケル複合酸化物を含む正極活物質と、
    下記化学式(1)で表される環状ジスルホン酸エステル、および下記化学式(2)で表される鎖状ジスルホン酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種以上のジスルホン酸エステルと、ビニレンカーボネートおよびビニルエチレンカーボネートからなる群より選択された少なくとも1種以上の不飽和結合を有するカーボネートと、下記化学式(3)で表されるイミドリチウム塩と、を含有する非水電解液と、を含み、
    前記非水電解液は、前記ジスルホン酸エステルを前記非水電解液の総質量に対して0.05質量%以上0.5質量%以下で含有し、前記不飽和結合を有するカーボネートを前記非水電解液の総質量に対して0.2質量%以上1.5質量%以下で含有する、リチウムイオン二次電池。
    Figure 0006361113
    Figure 0006361113
    Figure 0006361113
    ただし、前記化学式(1)および(2)において、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキレン基、および置換または非置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基からなる群より選択された1つであり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基、および置換または非置換の炭素数1〜4のフルオロアルキル基からなる群より選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、0〜5から選択された整数であり、
    前記化学式(3)において、Rf およびRf は、フッ素を表す。
  2. 前記化学式(1)および(2)において、
    およびRは、互いに独立して、置換または非置換の炭素数1または2のアルキレン基であり、RおよびRは、互いに独立して、置換または非置換のメチル基、および置換または非置換のフルオロメチル基から選択された1つであり、xおよびyは、互いに独立して、1〜3から選択された整数である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記リチウムニッケル複合酸化物は、下記の一般式(1)で示される組成を有する、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
    Li(Ni 1−b )O・・・(1)
    前記一般式(1)において、
    Mは、Ni以外の1種類以上の金属であり、
    aは、1.0≦a≦1.2であり、
    bは、0.5≦b≦1.0である。
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