JP6359662B2 - 磁性体薄膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

磁性体薄膜形成用スパッタリングターゲット Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特に垂直磁気記録方式を採用したハードディスクの磁気記録媒体におけるグラニュラー膜の成膜に使用される磁性材スパッタリングターゲットに関し、スパッタリングの際にパーティクル発生の原因となる非磁性材の異常放電を抑制することができる、Co又はFeを主成分とする非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲットに関する。
垂直磁気記録方式を採用するハードディスクの記録層には、強磁性金属であるCo又はFeをベースとした材料が用いられている。中でも、Co−Cr系、Co−Pt、Co−Cr−Pt系、また、Fe−Pt系などの強磁性金属を主成分とする合金と非磁性の無機材料からなる複合材料が多く用いられている。そして、このようなハードディスクなどの磁気記録媒体の磁性薄膜は、生産性の高さから、上記の材料を成分とするスパッタリングターゲットをスパッタリングして作製されることが多い。
磁気記録媒体用スパッタリングターゲットの作製方法としては、溶解法や粉末冶金法が考えられる。どちらの手法で作製するかは、要求される特性によるため一概には言えないが、垂直磁気記録方式のハードディスクの記録層に使用される、強磁性金属を主成分とする合金と非磁性の無機物粒子からなるスパッタリングターゲットは、一般に粉末冶金法によって作製されている。これは無機物粒子を合金素地中に均一に分散させる必要があるため、溶解法では作製することが困難だからである。
粉末冶金法として、例えば、特許文献1には、Co粉末とCr粉末とTiO粉末とSiO粉末を混合して得られた混合粉末とCo球形粉末を遊星運動型ミキサーで混合し、この混合粉をホットプレスにより成形し特許文献2には、磁気記録媒体用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている。
また、特許文献2には、Co−Cr二元系合金粉末とPt粉末とSiO粉末を混合して、得られた混合粉末をホットプレスすることにより、磁気記録媒体薄膜形成用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている。
また、特許文献3には、Co、Ptのマトリックス相と、平均粒径が0.05μm以上7.0μm未満の金属酸化物相からなるスパッタリングターゲットが提案され、結晶粒の成長を抑制し、低透磁率、高密度のターゲットを得て、成膜効率を上げる提案がなされている。
さらに、特許文献4には、酸化物相が形成する粒子の平均粒径を3μm以下とすること、特許文献5には、シリカ粒子又はチタニア粒子はスパッタリングターゲットの主表面に垂直な断面において、スパッタリングターゲットの主表面に対して垂直な方向の粒径をDn、前記主表面に平行な方向の粒径をDpとした時に、2≦Dp/Dnを満たすことが記載されている。
その他、特許文献6には、ターゲット中に存在する酸化物粒子の平均粒径が1.5μm以下であり、酸化物粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.4μm以下の酸化物粒子が、ターゲットの観察面において60%以上占めることが記載されている。
しかし、これらの条件では、いずれも十分ではなく、さらなる改善が求められているのが現状である。
国際公開第2011/089760号パンフレット 特開2009−1860号公報 特開2009−102707号公報 特開2009−215617号公報 特開2011−222086号公報 国際公開第2013/125469号パンフレット
一般的に、Co又はFeを主成分とする、非磁性材粒子分散型スパッタリングターゲットにおいて、酸化物などの非磁性材が絶縁体であるため異常放電の原因となっている。そして、この異常放電が原因でスパッタリング中のパーティクル発生が問題となる。特に、スパッタリングターゲットの組織内に粗大な非磁性材相が形成されると、そこを起点として異常放電が発生して、パーティクルが著しく増加するということがあった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、非磁性材粒子として酸化物相を含有するスパッタリングターゲットにおいて、該酸化物相を融点の高い材料の形態でターゲットの組織中に存在させることにより、酸化物相の粗大化を防止することができ、スパッタリング時の非磁性材による異常放電が生じず、パーティクルの発生の少ないターゲットが得られることを見出した。
このような知見に基づき、本発明者らは、以下の発明を提供するものである。
1)Co又はFeを含む合金と少なくともTi、Bを含む酸化物を含有するスパッタリングターゲットであって、該スパッタリングターゲットにおいて、酸化物の粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の平均個数が0.0015個/μm以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)酸化物の粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の平均個数が0.0007個/μm以下であることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)スパッタリングターゲットの組成において、酸化物を構成するBを0.5at%〜15at%含有することを特徴とする上記1)又は2)記載のスパッタリングターゲット。
4)スパッタリングターゲットの組成において、酸化物を構成するTiを0.5at%〜15at%含有することを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
このように調整した本発明の非磁性材粒子分散型の磁性材スパッタリングターゲットは、スパッタリング時の非磁性材による異常放電が生ぜず、パーティクルの発生の少ないターゲットが得られる。これにより、歩留まり向上によるコスト改善効果を得ることができるという優れた効果を有する。
実施例1のスパッタリングターゲット断面組織を示す図(写真)である。 比較例1のスパッタリングターゲット断面組織を示す図(写真)である。 実施例2のスパッタリングターゲット断面組織を示す図(写真)である。 比較例2のスパッタリングターゲット断面組織を示す図(写真)である。
本発明のスパッタリングターゲットは、Co又はFeを主成分とする合金中に、非磁性材料として酸化物粒子が分散する組織を有するものである。Co又はFeを主成分とする合金としては、Co−Cr合金、Co−Pt合金、Co−Cr−Pt合金、Fe−Pt合金などの強磁性合金が挙げられる。また、磁気特性を向上させるために、Ag、Au、B、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mo、Nb、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Ta、W、V、Znから選択した1種以上の元素を含有させることが有効である。
非磁性材料として分散する酸化物粒子には、少なくともTi、Bを含む酸化物を含有するものである。従来、B(ホウ素)を構成成分とする酸化物の原料粉末としてB(酸化ホウ素)が用いられていたが、酸化ホウ素は融点が577℃と焼結温度に比べて低いため、焼結時に溶けて凝集し、酸化物の粒子が粗大化する傾向があった。そして、このような粗大粒は、スパッタリング時にパーティクルの発生原因となっていた。そこで、本発明は、Bを構成成分とする酸化物の原料粉末の一部又は全部に、融点の高いTiBOを用いることで、焼結時の溶出を防止することを特徴とするものである。
本発明は、このようにして酸化物粒子の粗大化を抑制することを可能とすることができ、具体的には、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数が、0.0015個/μm以下とすることができる。このように酸化物粒子を微細なものとすることで、スパッタリング時のパーティクルの発生を著しく抑制することができるという優れた効果を発揮する。さらに好ましくは、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数を、0.007個/μm以下とする。
また本発明は、B(ホウ素)と、Bよりも熱力学的に不安定な酸化物を含有する場合に特に有効である。Bと、Bよりも熱力学的に不安定な酸化物が共存する場合、焼結中に酸化ホウ素が生成されやすくなって、酸化物粒子が粗大化することになる。しかし、原料としてホウ素の複合酸化物を使用することで、焼結中に酸化ホウ素の生成を抑制することができる。Bよりも熱力学的に不安定な酸化物とは、金属酸化物の標準生成エネルギー(△G)の絶対値がBのそれより小さい金属酸化物を意味し、例えば、CoO、Co、FeO、Fe、CuO、CuOが挙げられる。
また、上述した酸化物の他、非磁性材料として公知の酸化物を含有してもよく、例えば、SiO、TiO、Crなどが挙げられる。スパッタリングターゲットの組織中、Ti、Bの酸化物を含め、上記の酸化物は単独の酸化物及び/又は複合酸化物として存在する。また、これらの酸化物からなる酸化物粒子も、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数が、0.0015個/μm以下を満たすものである。さらに、酸化物粒子以外にも、非磁性材料として、炭化物、窒化物、などの公知の材料を添加することができる。酸化物を含む非磁性材料は、体積比率で10%以上50%以下とするのが好ましい。10%未満であると磁性粒子間の磁気的な相互作用を遮断する効果が薄れ、50%を超えると、非磁性粒子の分散性が悪くなり、パーティクルが増加する傾向にあるため好ましくない。
酸化物粒子の大きさ及び個数の計測は、ばらつきをできるだけ抑えるために、スパッタリングターゲットの表面を酸化物粒子が判別できるまで研磨し、視野70μm×100μmでスパッタリングターゲットの任意10箇所を観察し、そして、粒子面積Sが10μm以上、かつ粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である、いわゆる、粗大な形状の酸化物粒子の個数を計数し、観察面積の合計で除することで、酸化物粒子の単位面積当たりの個数を算出するものとする。
酸化物を構成するBは、スパッタリングターゲットの組成に対して、0.5at%以上15at%以下含有することが好ましい。Bが0.5at%未満であると所望の磁気特性が得にくくなり、15at%超であると、Bが形成され易くなって粗大化が進行するため好ましくない。さらに、酸化物を構成するTiは、スパッタリングターゲットの組成に対して、0.5at%以上15at%以下含有することが好ましい。0.5at%未満である複合酸化物の形成が十分でなく、15at%超であると、磁気特性を制御し難くなるため好ましくない。
本発明のスパッタリングターゲットは、粉末冶金法により作製することができる。まず、金属粉として、Co粉、Fe粉、Pt粉などを用意する。このとき単元素の金属粉だけでなく、合金粉を用いることもできる、これらの金属粉は粒径が0.1〜10μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が0.1〜10μmであるとより均一な混合が可能であり、焼結ターゲットの偏析と粗大結晶化を防止できる。金属粉末の10μmより大きい場合には、酸化物相が微細に分散しないことがあり、また、0.1μmより小さい場合には、金属粉の酸化の影響が問題になることがある。
本発明において重要なことは、Bを構成成分とする酸化物として、Bの代わりにTiBOなどの融点の比較的高いBの複合酸化物を原料粉として使用することである。TiBO粉末は、例えばTi粉末とB粉末とを混合、合成、粉砕したものを使用することができる。酸化物粉の平均粒径は、0.2〜5μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が0.2〜5μmであると金属粉との均一な混合が容易になるという利点がある。一方、酸化物粉の平均粒径が5μmより大きい場合には、焼結後に粗大な酸化物相が生じることがあり、0.2μmより小さい場合には、酸化物粉同士の凝集が生じることがある。
次に、上記の原料粉所望の組成になるように秤量し、ボールミル等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。混合時間を短縮して生産性を高めるためには、高エネルギーボールミルを用いることが好ましい。次に、このように得られる混合粉をホットプレス法で真空雰囲気中あるいは不活性ガス雰囲気において成型・焼結を行う。前記ホットプレス以外にも、プラズマ放電焼結法など様々な加圧焼結方法を使用することができる。特に熱間静水圧焼結法は焼結体の密度向上に有効である。焼結温度は組成にもよるが、多くの場合700℃〜1100°Cの範囲にある。
次に、得られた焼結体を旋盤で所望の形状に加工し、その表面を切削、研磨などすることにより、本発明のスパッタリングターゲットを作製することができる。このようにして製造したスパッタリングターゲットは、スパッタリング時に発生するパーティクル量を著しく低減することができるので、成膜時における歩留まりを向上することができるという優れた効果を有する。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、TiBO粉末、TiO粉末、SiO粉末、CoO粉末を、用意した。TiBO粉末については、予め、Ti粉末とB粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Co−16.26Pt−3.25B−4.88Ti−1.63Si−18.7O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲット表面を研磨して組織をレーザー顕微鏡で観察した。図1において、白っぽく見える領域がCo、Ptの金属相であり、黒っぽく見える領域が酸化物相であった。スパッタリングターゲット表面の任意10箇所について視野71μm×94μmで観察したところ、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の平均個数は1.40個であった。すなわち、単位面積当たりの平均個数は、0.0002個/μmであった。
なお、酸化物粒子の面積、周囲の長さを算出するにあたっては、レーザー顕微鏡像をディスプレイに映し出し、画像解析(二値化処理)して、酸化物粒子(黒い部分)の輪郭を明確にした上で算出を行った。また、これら一連の粒子解析は、VK Analyzer(KEYENCE社製)を用いて行った。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.0kW、Arガス圧3.2Paとし、200秒間、4インチ径のシリコン基板上にスパッタした。そして、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均5個と極めて少ないレベルにあった。
(実施例2)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、TiBO粉末、TiO粉末、SiO粉末、CoO粉末を、用意した。TiBO粉末については、予め、Ti粉末とB粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Co−15.63Pt−4.69B−3.91Ti−3.13Si−21.88O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲット表面を研磨して組織をレーザー顕微鏡で観察した。図1において、白っぽく見える領域がCo、Ptの金属相であり、黒っぽく見える領域が酸化物相であった。そして、実施例1と同様の方法を用いて、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数を計数したところ、単位面積当たりの平均個数は、0.0003個/μmと良好な結果を示した。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.0kW、Arガス圧3.2Paとし、200秒間、4インチ径のシリコン基板上にスパッタした。そして、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均5個と極めて少ないレベルにあった。
(比較例1)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、B粉末、TiO2粉末、SiO粉末、CoO粉末を、用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Co−16.26Pt−3.25B−4.88Ti−1.63Si−18.7O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲット表面を研磨して組織をレーザー顕微鏡で観察した。図2において、白っぽく見える領域がCo、Ptの金属相であり、黒っぽく見える領域が酸化物相であった。そして、実施例1と同様の方法を用いて、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数を計数したところ、単位面積当たりの平均個数は、0.0022個/μmと増加していた。次に、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行い、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均100個以上と非常に多いレベルにあった。
(比較例2)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、B粉末、TiO2粉末、SiO粉末、CoO粉末を、用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Co−15.63Pt−4.69B−3.91Ti−3.13Si−21.88O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲット表面を研磨して組織をレーザー顕微鏡で観察した。図2において、白っぽく見える領域がCo、Ptの金属相であり、黒っぽく見える領域が酸化物相であった。そして、実施例1と同様の方法を用いて、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数を計数したところ、単位面積当たりの平均個数は、0.0032個/μmと増加していた。次に、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行い、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均100個以上と非常に多いレベルにあった。
(実施例3)
金属粉末として、Co粉末、Co−B粉末を、非磁性材粉末として、TiBO粉末、TiO粉末、SiO粉末を、用意した。TiBO粉末については、予め、Ti粉末とB粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Co−3.39B−3.39Ti−3.39Si−15.25O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲット表面を研磨して組織をレーザー顕微鏡で観察した。実施例1と同様の方法を用いて、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数を計数したところ、単位面積当たりの平均個数は、0.0002個/μmと良好な結果を示した。次に、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行い、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均6個と極めて少ないレベルにあった。
(実施例4)
金属粉末として、Fe粉末、Fe−B粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、TiBO粉末、TiO粉末、MnO粉末を、用意した。TiBO粉末については、予め、Ti粉末とB粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Fe−33.33Pt−3.33B−3.33Ti−4.17Mn−16.67O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体の鋼球ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲット表面を研磨して組織をレーザー顕微鏡で観察した。実施例1と同様の方法を用いて、粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の個数を計数したところ、単位面積当たりの平均個数は、0.0006個/μmと良好な結果を示した。次に、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行い、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均6個と極めて少ないレベルにあった。
本発明は、酸化物相の凝集(粗大化)を抑制することにより、スパッタリング時の非磁性材による異常放電を抑制することができる。本発明によれば、異常放電が原因となるスパッタリング中のパーティクル発生を減少させ、歩留まり向上によるコスト改善効果を得ることができるという優れた効果を有するので、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特にハードディスクドライブ記録層の成膜に使用される強磁性材スパッタリングターゲットとして有用である。

Claims (2)

  1. Co又はFeを含む合金と、少なくともTi−B酸化物を含有するスパッタリングターゲットであって、前記Ti−B酸化物はTiBO からなり、酸化物の粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の平均個数が0.0015個/μm以下であり、スパッタリングターゲットの組成において、酸化物を構成するBを0.5at%〜15at%含有し、酸化物を構成するTiを0.5at%〜15at%含有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 酸化物の粒子面積Sが10μm以上、かつ、粒子面積Sと粒子の周囲の長さLとの比(S/L)が0.35以上である酸化物粒子の平均個数が0.0007個/μm以下であることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。



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