JP6358419B2 - 脂環式テトラカルボン酸の製造方法 - Google Patents

脂環式テトラカルボン酸の製造方法 Download PDF

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本発明は、電子材料分野などで使用される脂環式ポリイミドの原料として有用なビシクロ[3.3.0]オクタン−2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−テトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸の製造方法に関する。
一般に、ポリイミド樹脂はその特長である高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性のために、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料、カラーフィルターなどの電子材料として広く用いられている。また、最近では光導波路用材料等の光通信用材料としての用途も期待されている。
近年、この分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求される様になっている。即ち、単に耐熱性、耐溶剤性に優れるだけでなく、用途に応じた性能を多数合わせもつことが期待されている。
しかし、特に、全芳香族ポリイミド樹脂においては、濃い琥珀色を呈し着色するため、高い透明性を要求される光学材料用途においては問題が生じてくる。また、全芳香族ポリイミドは有機溶剤に不溶であるため、実際にはその前駆体であるポリアミド酸を熱による脱水閉環によって得る必要がある。
透明性を実現する一つの方法として、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応によりポリイミド前駆体を得て、該当前駆体をイミド化してポリイミドを製造すれば、比較的着色が少なく、高透明性のポリイミドが得られることは知られている(特許文献1、2参照)。
近年、構造式[3]

で表されるビシクロ[3.3.0]オクタン−2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−テトラカルボン酸−2:4,6:8−二無水物(以下、2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODAと略称する。)を使用するポリイミドが、基板への印刷性、密着性に優れ、かつラビング時に基板からの剥離がなく、またラビングによる配向膜への傷がつきにくく、液晶セル駆動時に優れた電圧保持特性が得られる液晶配向処理剤及びそれを用いた液晶配向膜として知られている。(特許文献3参照)。
しかしながら、2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODAの前駆体である、構造式[2]

で表されるビシクロ[3.3. 0]オクタン−2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−テトラカルボン酸(エキソ−エンド−BOTCと略称する。)の製造法には、以下のような実用的な問題を抱えていた。
即ち、エキソ−エンド−BOTCの製造する反応では、原料である構造[1]

で表されるエキソ−エンド−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3,8−ジエン(以下、エキソ−エンド−TCDEと略称する。)中には、構造式[4]

で表されるエンド−エンド−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3,8−ジエン(以下、エンド−エンド−TCDEと略称する。)が、沸点が近接しているところから不純物としての混入が避けられず、これを分別することはたいへんなコスト増になる。このため、原料としては、上記不純物を含む混合物を使用するのが実用的である。
一方、エキソ−エンド−TCDEから目的生成物のエキソ−エンド−BOTCの製造法として、従来、知られているオゾン酸化法(非特許文献1参照)では、目的生成物のエキソ−エンド−BOTC中には、原料中の不純物であるエンド−エンド−TCDEから生成した構造式[5]

で表されるビシクロ[3.3.0]オクタン−2−エンド−4−エンド−6−エンド−8−エンド−テトラカルボン酸(以下、エンド−エンド−BOTCと略称する。)の混入が避けらず、高純度品を得るための精製操作に大きな問題を有する。また、オゾン酸化法の場合、反応中間体であるオゾニドは不安定な化合物であり、大量生産に際しての管理やオゾニドから蟻酸中での過酸化水素による分解反応時の激しい発熱に不安がある。更に、高価なオゾン発生装置や電力コスト等の経済性上の点でも工業的製法として相応しくない。
また、従来、過マンガン酸カリウムによる酸化法も知られているが(非特許文献2参照)、収率等の点で引き続き課題を残している。
特開昭60−188427号公報 特開昭58−208322号公報 特開平11−249148号公報
J. Am. Chem. Soc., 81, 4273 (1959) J. Am. Chem. Soc., 82, 6342 (1960)
本発明は、電子材料分野などで使用される脂環式ポリイミドの原料として有用な2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODAの前躯体であるエキソ−エンド−BOTCなどの脂環式テトラカルボン酸の製造法であり、目的物が収率よく得られる製造法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行い、以下の要旨を有する本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記1および2に関する。
1. 下記式[A]で表される化合物を(A):アセトン及びピリジン誘導体から選ばれる1種又は2種の溶媒に溶解した溶液を、pH8.5〜10.5に調整しながら過マンガン酸カリウム水溶液に添加し、(B):ピリジン誘導体及び炭化水素誘導体から選ばれる1種又は複数種の添加剤存在下、pH8.5〜10.5の条件下で反応させることによる下記式[B]で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造方法。

2.式[B]で表される化合物が式[2]で表されるビシクロ[3.3.0]オクタン−2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−テトラカルボン酸である上記1に記載の脂環式テトラカルボン酸の製造方法。
3.式[A]で表される化合物が、式[1]で表されるエキソ−エンド−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3,8−ジエンである上記1又は2に記載の脂環式テトラカルボン酸の製造方法。
本発明によれば、電子材料分野等に有用な脂環式ポリイミド原料などとして使用される、2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODAの前躯体であるエキソ−エンド−BOTCなどの脂環式テトラカルボン酸を収率よく製造することができる製造法が提供される。
本発明では、下記式[A]で表される化合物である、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3,8−ジエン((以下、TCDEとも略称する。)から、下記式[B]で表される化合物である、シクロ[3.3.0]オクタン−テトラカルボン酸(以下、BOTCとも略称する。)が製造される。

本発明における原料であるTCDEは、種々の方法で製造できるが、例えば、下記の反応スキームで製造することができる。

即ち、ノルボルナジエン(ND)とシクロペンタジエン(CP)(又はジシクロペンタジエン(DCPD))を170〜230℃の高温で加熱し、得られた反応粗物(エキソ−エンド−TCDE、エンド−エンド−TCDE及びエキソ−エキソ−TCDE(僅か)の混合物)を蒸留することにより目的物を単離できる。本発明では、エキソ−エンド−TCDEが目的物として好ましい。しかしながら、このエキソ−エンド−TCDEは、エンド−エンド−TCDEと沸点が近接しているところから、再蒸留してもエンド−エンド−TCDEが混入し、高純度まで精製することは実用的には困難である。
本発明では、エキソ−エンド−TCDEとエンド−エンド−TCDEとの混合物を使用しても、後記するように、酸化反応後の目的物が容易に精製でき、高純度のエキソ−エンド−BOTCなどが製造できるので、本発明では、エキソ−エンド−TCDEとエンド−エンド−TCDEとの混合物が使用できる。この混合物としては、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDEの質量割合が好ましくは60〜99/40〜1、特に好ましくは70〜99/30〜1である。
本発明におけるTCDEの酸化反応は、下記式[A]で表される化合物を(A):アセトン及びピリジン誘導体から選ばれる1種又は2種の溶媒に溶解した溶液を、pH8.5〜10.5に調整しながら過マンガン酸カリウム水溶液に添加し、(B):ピリジン誘導体及び炭化水素誘導体から選ばれる1種又は複数種の添加剤存在下、pH8.5〜10.5の条件下で反応させることにより行う。pH8.5〜10.5の条件下では、目的物であるテトラカルボン酸の収率が高い。また、(B)添加剤の存在下で進行させることにより、TCDEの酸化反応における反応選択性を向上させ、さらには逐次反応も制御することができる。
(A)溶媒としては、アセトン及びピリジン誘導体が挙げられる。ピリジン誘導体としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、2−シアノピリジン、3−シアノピリジン、4−シアノピリジン等が挙げられる。
(A)溶媒の使用量は、溶媒量が多くなり過ぎると反応の進行が遅くなることから、原料TCDEに対し0.5〜10質量倍、特には1〜5質量倍が経済的にも好ましい。
(B)添加剤としては、ピリジン誘導体及び炭化水素誘導体が挙げられる。ピリジン誘導体としては、上記(A)溶媒で例示したピリジン誘導体に準じる。炭化水素誘導体としては、n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、及びベンゼン、トルエン、キシレン、安息香酸、ベンゾニトリル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルアセトアニリド等の芳香族炭化水素が挙げられる。
(B)添加剤の使用量は、溶媒量が多くなり過ぎると反応の進行が遅くなることから、原料TCDEに対し0.5〜10質量倍、特には1〜5質量倍が経済的にも好ましい。
(A)溶媒と(B)添加剤とがともにピリジン誘導体であってもよく、そのような場合、その使用量は、原料TCDEに対し1〜20質量倍、特には2〜10質量倍が経済的にも好ましい。
上記(A)溶媒と(B)添加剤以外にも、他の有機溶媒が使用できる。
当該他の有機溶媒としては、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールやオクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノールやエトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドンやN,N-ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、2,2−ジクロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1,4−ジクロロブタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンやメチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルやプロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン等)及びニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリルやブチロニトリル等)、酢酸、ニトロメタン、ジオキサン等が挙げられる。(ろ過性向上の記載に合わせました)
過マンガン酸カリウムの使用量は、原料TCDE1モルに対して3〜20モル倍が好ましく、特には、5〜10モル倍が望ましい。
過マンガン酸カリウム水溶液を調整する際に用いる水の量は、過マンガン酸カリウムに対し5〜100質量部が好ましく、特には、10〜60質量部が望ましい。
本反応は、上記の通り、pHを8.5〜10.5に調整しながら行う。好ましくは、pHを9〜10に調整するのがよい。
pHの調整には、酸の水溶液とアルカリの水溶液を、pHを測定しつつ加える方法が好ましい。酸の水溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸等の水溶液が好ましい。アルカリの水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液が好ましい。酸の水溶液とアルカリの水溶液は、同じ濃度、例えば30%に調製することが好ましい。
なお、(A)溶媒や(B)添加剤としてピリジン誘導体を用いた場合は、pHは9前後になるため、さらなるpH調整の必要はない。
本発明におけるTCDEの酸化反応の具体的手順は、まず、反応容器中に過マンガン酸カリウム水溶液を調製する。そこに、必要に応じて(B)添加剤を添加した後、TCDEを(A)溶媒に溶解した溶液を滴下する。その際、過マンガン酸カリウム水溶液を含む反応系のpHを、酸の水溶液とアルカリの水溶液を用いて8.5〜10.5に調整する。そして、滴下終了後に、pH8.5〜10.5の条件下で攪拌して反応させる。
酸化反応における温度は、過マンガン酸カリウム水溶液に対する原料TCDEの添加時の温度、及びTCDEの添加後の、好ましくは攪拌を伴う反応温度に分けられる。前者のTCDEの添加時の温度は、0〜50℃が好ましく、特には5〜25℃で行うことが好ましい。添加した未反応のTCDEを反応槽内に蓄積させないように、添加時間をかけて行うことが好ましい。後者の温度は、0〜50℃が好ましく、特には5〜25℃で行うことが好ましい。
酸化反応時間は、過マンガン酸カリウム水溶液中への原料TCDEの添加時間とその後の反応時間とを合わせて、安全上及び目的物の収率面から時間をかけて行うのが好ましい。添加時間は、反応のスケールや反応槽の冷却能力により異なるが、通常は0.5〜10時間が好ましく、1.5〜3時間が特に好ましい。添加後の反応時間は、通常5〜120時間、好ましくは10〜80時間が好ましい。
本発明では、BOTCの製造を目的とするが、なかでも、2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODAの前躯体であるエキソ−エンド−BOTCであるのが好ましい。本発明では、目的物がエキソ−エンド−BOTCである場合、かかるエキソ−エンド−BOTCは、副生するエンド−エンド−BOTCとの分離が容易であり、高純度のエキソ−エンド−BOTCが容易に製造できる特徴がある。
すなわち、酸化反応終了後、過マンガン酸カリウム由来の固体をろ過で除いた後、濾液を濃縮し、塩酸を加えて中和し、析出した結晶を濾取後、水で洗浄し乾燥することにより目的物であるエキソ−エンド−BOTCの高純度品が一次結晶として得られる。
また、上記エキソ−エンド−BOTCの一次結晶は、既知の洗浄方法や再結晶法によって更に精製して純度を上げることもできる。洗浄方法としては、一次結晶や二次結晶に対してアセトニトリルや酢酸エチルなどの有機溶媒を加えて加温し、氷冷し、濾過、乾燥することにより行われる。また、再結晶法は、溶媒として水やN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が使用できる。DMFを使用する場合は、貧溶媒として酢酸エチルやアセトニトリル等との組み合わせで回収率を上げることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明の解釈はこれらに限定されるものではないことはもちろんである。
尚、実施例で用いた分析法は以下の通りである。
[1] [H NMR]
機種:Varian社製NMR System 400NB(400MHz),
測定溶媒:DMSO−d6
標準物質:tetramethylsilane(TMS).
実施例1:BOTCの合成
1Lの四つ口フラスコに、過マンガン酸カリウム 54.50g (344.9mmol)、水426.25g、トルエン33.67gを仕込み、羽根攪拌下に、TCDE8.53g(55mmol)をアセトン33.67gに溶解した溶液を10〜15℃で2時間かけて適下し、10〜15℃で20時間撹拌した。滴下から攪拌にかけては、pHメーター(堀場製作所製D−51)を用い、常時pHのモニタリングを行いながら、必要に応じて30%硫酸水溶液または30%水酸化カリウム水溶液を滴下することにより、pH9−10にコントロールした。反応収率は83.0%であった。続いて、廃マンガンろ過後、ろ液を濃縮。次いで、10−15℃まで冷却、塩酸61.40g を滴下し、析出した結晶をろ過後、水42.7gで洗浄し、減圧乾燥すると白色結晶 11.4g (純度96.4%) (収率74.8%)が得られた。この結晶は、1H NMR分析結果より、エキソ−エンド−BOTCであることを確認した。1H NMR ( DMSO-d6, δppm ) : 12.15 ( s, 4H ), 3.17-3.07 ( m, 2H ), 2.78-2.66 ( m, 2H ),2.54-2.42 ( m, 2H ), 2.21 ( dt, J=12.0, 6.0 Hz, 1H ), 1.83-1.72 ( m, 2H ), 1.58 ( dt, J=12.0, 12.0 Hz, 1H ).
実施例2:BOTCの合成
1Lの四つ口フラスコに、過マンガン酸カリウム 54.50g (344.9mmol)、水426.25gを仕込み、羽根攪拌下に、TCDE8.53g(55mmol)をピリジン67.34gに溶解した溶液を10〜15℃で2時間かけて適下し、10〜15℃で20時間撹拌した。反応収率は85.0%であった。続いて、廃マンガンろ過後、ろ液を濃縮。次いで、10−15℃まで冷却、塩酸61.40g を滴下し、析出した結晶をろ過後、水42.7gで洗浄し、減圧乾燥すると白色結晶 11.9g (純度98.2%) (収率77.8%)が得られた。
実施例3:BOTCの合成
1Lの四つ口フラスコに、過マンガン酸カリウム 54.50g (344.9mmol)、水426.25g、トルエン33.67gを仕込み、羽根攪拌下に、TCDE8.53g(55mmol)をピリジン33.67gに溶解した溶液を10〜15℃で2時間かけて適下し、10〜15℃で20時間撹拌した。滴下〜攪拌にかけては、30%硫酸水溶液、30%水酸化カリウム水溶液を用いて、pH9−10にコントロールした。反応収率は93.0%であった。
実施例4〜8:BOTCの合成
トルエン33.67gの代わりに表1に記載のピリジン誘導体33.67gを用いて、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
実施例9〜13:BOTCの合成
トルエン33.67gの代わりに表1に記載の炭化水素33.67gを用いて、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
比較例1
1Lの四つ口フラスコに、過マンガン酸カリウム 54.50g (344.9mmol)、水426.25gを仕込み、羽根攪拌下に、TCDE8.53g(55mmol)をアセトン67.34gに溶解した溶液を10〜15℃で2時間かけて適下し、10〜15℃で20時間撹拌した。反応収率は67.0%であった。続いて、廃マンガンろ過後、ろ液を濃縮。次いで、10−15℃まで冷却、塩酸61.40g を滴下し、析出した結晶をろ過後、水42.7gで洗浄し、減圧乾燥すると白色結晶 9.4g (純度95.0%) (収率61.8%)が得られた。
比較例2
1Lの四つ口フラスコに、過マンガン酸カリウム 54.50g (344.9mmol)、水426.25gを仕込み、羽根攪拌下に、TCDE8.53g(55mmol)をアセトン67.34gに溶解した溶液を10〜15℃で2時間かけて適下し、10〜15℃で20時間撹拌した。滴下〜攪拌にかけては、30%硫酸水溶液、30%水酸化カリウム水溶液を用いて、pH9−10にコントロールした。反応収率は71.0%であった。
表1
実施例及び比較例で示したとおり、添加物を加えて反応を行った実施例においては、添加物を加えずに反応を行った比較例よりも、収率の向上が見られた。

Claims (3)

  1. 下記式[A]で表される化合物を(A):アセトン及びピリジンから選ばれる1種又は2種の溶媒に溶解した溶液を、pH8.5〜10.5に調整しながら過マンガン酸カリウム水溶液に添加し、(B):ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−シアノピリジン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、o−キシレン、安息香酸及びベンゾニトリルから選ばれる1種又は複数種の添加剤存在下、pH8.5〜10.5の条件下で反応させることによる下記式[B]で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造方法。
  2. 式[B]で表される化合物が式[2]で表されるビシクロ[3.3.0]オクタン−2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−テトラカルボン酸である請求項1に記載の脂環式テトラカルボン酸の製造方法。
  3. 式[A]で表される化合物が、式[1]で表されるエキソ−エンド−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3,8−ジエンである請求項1又は2に記載の脂環式テトラカルボン酸の製造方法。
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