JP6358031B2 - 水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法 - Google Patents

水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、耐ファウリング性と耐薬品性を併せ持つ水処理用多孔質濾過膜の製造方法に関する。
最近、限外濾過、精密濾過、逆浸透などの水処理用多孔質濾過膜は、例えば、飲料水製造、上下水道処理、あるいは廃液処理など、多くの産業分野で利用されている。限外濾過膜や精密濾過膜は水質の浄化などに多用されており、例えば、透水性や機械的・化学的耐久性に優れる、ポリフッ化ビニリデンを主材とする多孔質濾過膜が多用されている。しかしながら、該ポリフッ化ビニリデン多孔質濾過膜は、疎水性が高く、ファウリングし易いことが問題となっている。ファウリングとは、原水に含まれるファウラントと呼ばれる原因物質、例えば、難溶性成分や、蛋白質、多糖類などの高分子の溶質、コロイド、微小固形物、微生物などが膜に沈着して透過流速を低下させる現象であり、膜性能低下の主要原因として知られている。
このような蛋白質や微生物を原因とするファウリングに対し、比較的効果の高い多孔質濾過膜の製造法として、例えば、蛋白質や微生物などのファウラントを吸着抑制できる素材を、多孔質濾過膜に保持または吸着させる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ホスホリルコリン基を有する単量体を構成単位として含む重合体を保持させたポリスルホン系多孔質濾過膜の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献2には、ホスホリルコリン基を有する単量体を構成単位として含む重合体を吸着させたポリエチレン系又はポリアミド系多孔質濾過膜の製造方法が記載されている。その製造方法とは、該重合体を溶液に溶解し、この溶液とポリエチレン系又はポリアミド系多孔質濾過膜を接触させ、当該濾過膜に当該重合体を吸着させる方法である。
国際公開第2002/009857号 特開2006−239636号公報
しかしながら、特許文献1は、ポリスルホン系多孔質濾過膜を該重合体で変性した血液浄化用濾過膜の製造に関する発明であり、飲料水製造や上下水道処理用など水処理用濾過膜の製造に関しては、何ら開示が無い。また、水処理用途では次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品で洗浄することも想定されるが、特許文献1の技術では、それら薬品に対する耐性(耐薬品性)について考慮されていない。また、特許文献2に係る製造方法を、水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造に適用しても、繰返しの薬品洗浄や過激な薬品洗浄後に耐ファウリング性が低下するという問題の発生が懸念される。
そこで、本発明は、ファウリングを効果的に抑制することが可能であり、ファウリングが生じた時に使用するアルカリ等の薬剤に対する耐薬品性を有し、繰返しの薬品洗浄後も十分なファウリング抑制効果を有する水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法を提供することを課題とする。
特許文献2のようにホスホリルコリン基を有する単量体を構成単位として含む重合体を膜に吸着させる多孔質濾過膜では、繰返しの薬品洗浄や過激な薬品洗浄後に耐ファウリング性が低下することが懸念される。その理由は、ファウリングが生じたときに行われるアルカリなどを用いた繰返しの薬品洗浄によって、ホスホリルコリン基を有する単量体を構成単位として含む重合体が、徐々に多孔質濾過膜から溶出する可能性があるからである。そこで、本発明者らは、これらの問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、多孔質濾過膜の製膜時に特定の2―メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン共重合体(以下、MPC共重合体と略称する場合がある)を使用し、MPC共重合体が膜中に取り込まれるように複合化させることによって、繰返しのアルカリを用いた薬品洗浄や過激な薬品洗浄によってMPC共重合体が溶出することなく、ファウリング抑制効果が維持されることを見出し、本発明を完成させた。膜とMPC共重合体とが複合化された多孔質濾過膜の状態について、特許文献2の技術と本発明の技術とを比較して模式的に示したものを図1に示した。
即ち、本発明によれば、(A)2―メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン5〜70モル%、n−ブチルメタクリレート20〜80モル%、及びグリセロールメタクリレート5〜50モル%からなる単量体組成物を共重合させた、重量平均分子量が5,000〜300,000である共重合体を、0.01〜10質量%の濃度で溶解させた凝固液を準備する工程と、ポリフッ化ビニリデン製膜原液と前記凝固液を接触させ、相分離により濾過膜を製膜させる工程と、を有する、水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法が提供される。
なお、MPC共重合体とは、特に断らない限り、上記共重合体(A)を指すものとする。また以後、2―メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンをMPC、n−ブチルメタクリレートをBMA、グリセロールメタクリレートをGLMと略称する。
本発明の製造方法によれば、MPC共重合体が膜中に取り込まれた、水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜を製造することができる。従って、繰返しの薬品洗浄や過激な薬品洗浄によってMPC共重合体が溶出することのない、ファウリング抑制効果が長期間維持できる水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜(以後、単に、本発明の濾過膜と称することがある)を製造することができる。なお、以後、ポリフッ化ビニリデン膜と称した場合は、MPC共重合体が膜中に取り込まれたり、吸着されたりしていない多孔質濾過膜を指すものとする。
膜とMPC共重合体とが複合化された多孔質濾過膜の状態を、従来技術と本発明の技術とを比較して示した模式図である。(a)は従来技術のMPC共重合体が単に膜に吸着した状態を示し、(b)は本発明のMPC共重合体が膜中に取り込まれた状態を示す。 実施例及び比較例においてファウリング抑制試験を行った試験装置の概略を示す概略図である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の濾過膜の製造方法は、MPC共重合体を溶解させた凝固液を使用して、ポリフッ化ビニリデンを製膜させることにより、ポリフッ化ビニリデン膜にMPC共重合体が取り込まれた多孔質濾過膜を製造できる点に特徴がある。
本発明の製造方法に使用するMPC共重合体は、MPC5〜70モル%、BMA20〜80モル%、及びGLM5〜50モル%からなる単量体組成物を共重合させた3元共重合体であり、好ましくは、MPC20〜40モル%、BMA20〜70モル%、及びGLM5〜40モル%である。
MPCが70モル%を超える場合には、ポリフッ化ビニリデン膜に対して親和性の高いBMA由来部の含有割合が小さくなるため、ポリフッ化ビニリデン膜へのMPC共重合体の保持が不十分となって十分なファウリング抑制効果を示さないおそれがある。
また、BMAが80モル%を超える場合には、MPC共重合体の親水性が不足するため十分なファウリング抑制効果を示さない、又は水に溶解しにくくなるおそれがある。一方、BMAが20モル%未満の場合には、上記のようにポリフッ化ビニリデン膜へのMPC共重合体の保持が不十分となって十分なファウリング抑制効果を示さないおそれがある。
GLMが50モル%を超える場合は、同様に、ポリフッ化ビニリデン膜に対して親和性の高いBMA由来部の含有割合が小さくなるため、ポリフッ化ビニリデン膜へのMPC共重合体の保持が不十分となって十分なファウリング抑制効果を示さないおそれがある。一方、GLMを5モル%以上50モル%以下含有することにより、本発明の濾過膜は、良好なファウリング抑制効果を長く維持し得る。なお、GLMとしては、例えば特許文献第3461721号に記載されている、ケタール化されたGLMをカチオン交換樹脂の存在下で水と反応させて得たものが好ましい。
凝固液中のMPC共重合体の濃度は、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%である。0.01質量%未満の場合は、ポリフッ化ビニリデン膜に保持されるMPC共重合体の量が不足し、ファウリング抑制効果が小さくなるおそれがあり、10質量%を超える場合は、MPC共重合体溶液の粘度が高くなることによる、ポリフッ化ビニリデン膜への保持量不足が起きるため、やはりファウリング抑制効果が小さくなるおそれがある。
なお、MPC共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等いずれの構造であってもよく、これらのMPC共重合体の混合物でもよい。
MPC共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量(Mw)で、5,000〜300,000であり、好ましくは20,000〜300,000である。該分子量が5,000未満の場合には、ポリフッ化ビニリデンとの絡み合いが弱く十分なファウリング抑制効果を示さないおそれがあり、分子量が300,000を超える場合は、凝固液に難溶で、本発明の製造方法に用いることができないおそれがある。
MPC共重合体の重合法としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等公知の方法を用いることができ、例えば、MPC、BMA及びGLMを溶媒中で開始剤の存在下、重合反応させる方法を採用することができる。
前記重合反応に用いる溶媒としてはこれらのモノマーが溶解すればよく、具体的には、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられ、2種以上を混合してもよい。
前記重合反応に用いる開始剤としては、通常の開始剤ならばいずれを用いてもよく、例えば、ラジカル重合の場合は脂肪族アゾ化合物や有機過酸化物を用いることができる。
以上説明したMPC共重合体は、詳細について後述する凝固液に上記濃度範囲で溶解させて使用する。
次に、本発明の濾過膜の製造方法における相分離の方法について説明する。
本発明のMPC共重合体を溶解させた凝固液を用いた相分離の方法としては、非溶媒相分離法と熱誘起相分離法を挙げることができる。
なお、本発明の濾過膜の形状としては、中空糸膜状と平膜状を挙げることができ、相分離法と該形状の組み合わせにおいて各々特徴点があるので、それぞれの場合について以下に説明する。
(a)非溶媒相分離法による中空糸膜状の本発明の濾過膜の製造方法
非溶媒相分離法では、ポリフッ化ビニリデンが溶解されているポリフッ化ビニリデン製膜原液(以後単に、製膜原液と称する場合がある)と、非溶媒を含む凝固液とを接触させ、ポリフッ化ビニリデン濃厚相とポリフッ化ビニリデン希薄相に相分離させる。
製膜原液中には、ポリフッ化ビニリデン及び溶媒以外に、孔径制御のための親水性物質が含まれていてもよい。
ポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N―メチル−2−ピロリドン、N,N―ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。また、これらは混合して用いてもよい。
また、製膜原液中におけるポリフッ化ビニリデンの濃度は、10〜40質量%程度が好ましく、個々の所望の製膜条件により、当該範囲で適宜濃度を設定することができる。当該濃度範囲は、以下に述べる他の製造方法においても同様である。
一方、凝固液にはポリフッ化ビニリデンを溶解しない非溶媒とポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒が含まれる。ポリフッ化ビニリデンを溶解しない非溶媒としては、水、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、凝固液としては、下記に示すように内部凝固液と外部凝固液を使用し、両者は同一組成であってもよいし、溶媒と非溶媒の種類やその比率が異なるものであってもよい。
孔径制御のための親水性物質としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、グリセリン等が挙げられる。また、これらは混合して用いてもよい。
次に、具体的な製造工程について説明する。
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン及び孔径制御のための親水性物質を溶媒に添加し、40〜70℃に加温して溶解させ製膜原液を得る。
(2)製膜工程:製膜原液を2重紡糸ノズルより中空糸膜状に吐出させる。具体的には、2重紡糸ノズルへの製膜原液の供給と同時に、2重紡糸ノズルの芯部に内部凝固液を供給して吐出させる。これによって、ポリフッ化ビニリデン膜が中空糸膜状となって排出され、直ちに、下記工程(3)の外部凝固液中に投入される。このとき、MPC共重合体を含有する内部凝固液を使用すれば、中空糸膜内側にMPC共重合体が保持された本発明の濾過膜が吐出される。内部凝固液とは、製膜原液と同時にノズルに供給され、ノズル通過時に製膜原液の内部に配置されるようにしてポリフッ化ビニリデンを析出、製膜させるように使用するものである。
(3)凝固液浸漬工程:吐出された中空糸膜状のポリフッ化ビニリデン膜を外部凝固液に浸漬させる。これによって、中空糸膜状の本発明の濾過膜の製膜を完全なものとする。外部凝固液の温度は30〜60℃である。外部凝固液とは、紡糸後の製膜が不完全な中空糸膜の製膜を完全なものにするために使用するものである。
(2)の製膜工程、(3)の凝固液浸漬工程において、内部凝固液及び/又は外部凝固液に、MPC共重合体を0.01〜10質量%溶解させた溶液を用いる。中空糸膜内側にMPC共重合体を保持させたいときは、上記のようにMPC共重合体を含む内部凝固液を用いればよく、中空糸膜外側にMPC共重合体を保持させたいときはMPC共重合体を含む外部凝固液を用いればよい。保持とは、ポリフッ化ビニリデン膜中にMPC共重合体分子の少なくとも一部が取りこまれていることを意味する。
以上の製造工程を採ることにより、内部凝固液及び/又は外部凝固液に含まれるMPC共重合体が製膜原液又は製膜が不完全状態のポリフッ化ビニリデン膜に浸透するため、MPC共重合体が中空糸膜状のポリフッ化ビニリデン膜に取り込まれた本発明の濾過膜が形成される。
なお、工程(3)の後に、30〜95℃の温水又は熱水を用いて溶媒等を除去する洗浄工程や40〜70℃の乾燥工程を行ってもよい。また、すぐに使用しないときはグリセリンやエタノールを含む保存液で保存すればよい。
(b)非溶媒相分離法による平膜状の本発明の濾過膜の製造方法
製膜原液を調製する際にポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒は上記(a)で例示したものと同じものを用いることができる。さらに、(a)で例示した孔径制御のための親水性物質が含まれていてもよい。
また、凝固液に使用する溶媒及び非溶媒も上記(a)で例示したものと同じものを用いることができる。
次に、具体的な製造工程について説明する。
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン及び孔径制御のための親水性物質を溶媒に添加し、40〜70℃に加温して溶解させ製膜原液を得る。
(2)吐出工程:製膜原液をスリットより平膜状に吐出させる。
(3)凝固液浸漬・製膜工程:吐出された製膜原液を、MPC共重合体を含む凝固液に浸漬させ、平膜状の本発明の濾過膜を製膜させる。凝固液の温度は30〜60℃である。凝固液中のMPC共重合体の濃度は0.01〜10質量%である。
以上の製造工程を採ることにより、凝固液に含まれるMPC共重合体が製膜原液に浸透するため、MPC共重合体が平膜状のポリフッ化ビニリデン膜に取り込まれた本発明の濾過膜が形成される。
なお、工程(3)の後に、30〜95℃の温水又は熱水を用いて溶媒等を除去する洗浄工程や40〜70℃の乾燥工程を行ってもよい。また、すぐに使用しないときはグリセリンやエタノールを含む保存液で保存すればよい。
(c)熱誘起相分離法による中空糸膜状の本発明の濾過膜の製造方法
熱誘起相分離法では高温でポリフッ化ビニリデンを溶媒に溶解させて製膜原液を調製後、凝固液である冷水等で冷却することにより、ポリフッ化ビニリデン濃厚相とポリフッ化ビニリデン希薄相に相分離させる。冷却時にポリフッ化ビニリデンの溶媒に対する溶解度が低下するため相分離が起こる。
製膜原液中には、ポリフッ化ビニリデン及び溶媒以外に、孔径制御のための親水性物質が含まれていてもよい。
ポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒としては、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、イソホロン、γ―ブチロラクトン等が挙げられる。また、これらは混合して用いてもよい。
また、凝固液としては、上記(a)と同様、内部凝固液と外部凝固液とを使用し、内部凝固液には、ポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒と水が含まれる。また、(a)と同様に内部凝固液中にMPC共重合体を含有させてもよい。さらに、内部凝固液は均一である必要がある。一方、外部凝固液にも、ポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒と水が含まれる。また、(a)と同様に外部凝固液中にMPC共重合体を含有させてもよい。外部凝固液は、内部凝固液同様、均一である必要がある。MPC共重合体は、(a)と同様、内部凝固液及び外部凝固液のいずれか一方に含有させてもよく、両方に含有させてもよい。
凝固液に使用するポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒としては、上記本分離法の製膜原液に使用される溶媒と同じもので良い。
孔径制御のための親水性物質としては、(a)で例示したものと同じものを用いることができる。
次に、具体的な製造工程について説明する。
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン及び孔径制御のための親水性物質を溶媒に添加し、100〜180℃に加温して溶解させ製膜原液を得る。
(2)製膜工程:製膜原液を2重紡糸ノズルより中空糸膜状に吐出させる。具体的には、2重紡糸ノズルへの製膜原液の供給と同時に、2重紡糸ノズルの芯部に内部凝固液を供給して吐出させる。これによって、ポリフッ化ビニリデン膜が中空糸膜状となって排出され、直ちに、下記工程(3)の外部凝固液中に投入される。このとき、MPC共重合体を含有する内部凝固液を使用すれば、中空糸膜内側にMPC共重合体が保持された本発明の濾過膜が吐出される。内部凝固液中にMPC共重合体を含む場合、その濃度は0.01〜10質量%である。
(3)冷却及び凝固液浸漬工程:吐出された中空糸膜状のポリフッ化ビニリデン膜を、MPC共重合体を含む外部凝固液に浸漬させ冷却する。これによって、中空糸膜状の本発明の濾過膜の製膜を完全なものとする。外部凝固液の温度は0〜50℃である。外部凝固液中にMPC共重合体を含む場合、その濃度は0.01〜10質量%である。
以上の製造工程を採ることにより、内部凝固液及び/又は外部凝固液に含まれるMPC共重合体が製膜原液又は製膜が不完全状態の主素材濾過膜に浸透するため、MPC共重合体が中空糸膜状のポリフッ化ビニリデン膜に取り込まれた本発明の濾過膜が形成される。
なお、工程(3)の後に、30〜95℃の温水又は熱水を用いて溶媒等を除去する洗浄工程、溶媒を抽出によって除去する抽出工程、及び40〜70℃の乾燥工程を行ってもよい。また、すぐに使用しないときはグリセリンやエタノールを含む保存液で保存すればよい。
(d)熱誘起相分離法による平膜状の本発明の濾過膜の製造方法
製膜原液を調製する際にポリフッ化ビニリデンを溶解する溶媒は上記(c)で例示したものと同じものを用いることができる。さらに、(a)で例示した孔径制御のための親水性物質が含まれていてもよい。
また、凝固液に使用する溶媒及び非溶媒も上記(c)で示した凝固液と同じものを用いることができる。
次に、具体的な製造工程について説明する。
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン及び孔径制御のための親水性物質を溶媒に添加し、100〜180℃に加温して溶解させ製膜原液を得る。
(2)吐出工程:製膜原液をスリットより平膜状に吐出させる。
(3)冷却及び凝固液浸漬・製膜工程:吐出された製膜原液を、MPC共重合体を含む凝固液に浸漬させ冷却して平膜状の本発明の濾過膜を製膜させる。凝固液の温度は0〜50℃である。凝固液中のMPC共重合体の濃度は0.01〜10質量%である。
以上の製造工程を採ることにより、凝固液に含まれるMPC共重合体が製膜原液に浸透するため、MPC共重合体が平膜状のポリフッ化ビニリデン膜に取り込まれた本発明の濾過膜が形成される。
なお、工程(3)の後に、30〜95℃の温水又は熱水を用いて溶媒等を除去する洗浄工程、溶媒を抽出によって除去する抽出工程、及び40〜70℃の乾燥工程を行ってもよい。また、すぐに使用しないときはグリセリンやエタノールを含む保存液で保存すればよい。
上記説明した本発明の(a)〜(d)の製造方法によれば、MPC共重合体がポリフッ化ビニリデン膜に取り込まれた本発明の濾過膜が形成されるが、本発明の「取り込まれた」状態は模式的に図1(b)のように表すことができる。従来技術である図1(a)では、MPC共重合体が、多孔質表面に吸着しているだけであるので、洗浄等によりMPC共重合体が洗い流されてしまう。しかし、本発明の製造方法によれば、図1(b)のようにポリフッ化ビニリデンの膜中にMPC共重合体分子の少なくとも一部が取り込まれているので、洗浄等によって容易に洗い流されてしまうことが無い。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下にMPC共重合体の合成例を示す。なお、下記表1に示すMPC共重合体8〜12及びMPC共重合体13は、本発明の範囲外のMPC共重合体であり、共重合体(A)ではない。
合成例1:MPC共重合体1
MPC28.51g(0.0966モル)、BMA13.74g(0.0966モル)及びGLM7.74g(0.0483モル)をエタノール262.50gに溶解し、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、重合開始剤としてパーブチル−ND(登録商標)(日油株式会社製)0.01gを添加し、60℃で3時間、さらに70℃で2時間重合した。重合終了後、エタノールを良溶媒として、アセトンを貧溶媒として再沈精製し、加熱乾燥させてMPC共重合体1を得た。次に、得られたMPC共重合体の重量平均分子量を以下にようにして測定した。
<分子量測定>
得られた共重合体水溶液を1.0w/v%になるよう20mMリン酸バッファー(pH7.4)で希釈し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過して試験溶液とし、GPCにより重量平均分子量(Mw)を測定・算出した。なお、GPC分析の測定条件は次のとおりである。
<GPC分析の測定条件>
カラム;G3000PWXL及びG6000PWXLを直列に配列(東ソー株式会社製)、溶離溶媒;20mMリン酸バッファー(pH7.4)、標準物質;ポリエチレングリコール(Polymer Laboratories Ltd.製)、検出;示差屈折計RI−8020(東ソー株式会社製)、流速;0.5mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;45℃。
合成例2〜12:MPC共重合体2〜12
表1に示す原料組成を用い、表1に示すMwとなるように、重合液濃度、重合開始剤濃度や重合反応温度などを変更した以外は合成例1と同様にしてMPC共重合体を合成した。Mwは合成例1と同様に測定・算出した。結果を表1に示す。
合成例13:MPC共重合体13
MPCとメタクリロイルオキシエチルカルバミン酸フェニルの共重合比が30/70となるように、MPC19.78g(0.0670モル)、メタクリロイルオキシエチルカルバミン酸フェニル54.81g(0.156モル)をエタノール242.50gに溶解し、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、重合開始剤としてパーブチル−ND(登録商標)(日油株式会社製)0.01gを添加し、60℃で3時間、さらに70℃で2時間重合した。重合終了後、エタノールを良溶媒として、アセトンを貧溶媒として再沈精製し、加熱乾燥させてMPC共重合体13を得た。得られた共重合体のMwを合成例1と同様に測定・算出した結果、Mwは30,000であった。
実施例1
(a)非溶媒相分離法による中空糸膜状の本発明の濾過膜の製造
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン(シグマアルドリッチ・ジャパン株式会社製)18部をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)57部とテトラエチレングリコール(TEG)25部を混合したものに添加して、60℃で6時間攪拌、溶解し、製膜原液を得た。
(2)製膜工程:45℃に保温した製膜原液を2重紡糸ノズルの紡糸口金より中空糸膜状に吐出させる際に、内部凝固液として、合成例1で合成されたMPC共重合体1を1質量%とDMACを40質量%含む水溶液を、2重紡糸ノズルの芯部に供給して同時に吐出させた。
(3)凝固液浸漬工程:吐出される中空糸膜を、DMACを40質量%含む外部凝固液(水溶液)に浸漬させ、巻き取った。この時、外部凝固液の温度は55℃とした。
(4)洗浄工程:製膜が完了した中空糸膜を90℃の熱水で洗浄し、過剰のMPC共重合体および溶媒を除去した。
(5)乾燥工程:洗浄後の中空糸膜を40℃で5時間乾燥させた。
以上の様にして、中空糸膜状の本発明の濾過膜を製造した。 以後、該濾過膜を実施例1の濾過膜1と称し、他の実施例及び比較例についても同様に称する。得られた実施例1の濾過膜1を用いて以下の試験を行った。
1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験
ファウリング抑制試験に使用した装置の概略図を図2に示す。実施例1の濾過膜1に、BOD500mg/Lの活性汚泥槽水(汚染原水)2を、クロスフロー方式、圧力0.5atm、流速16mL/min、液温15℃で3時間送液・通過させ、透水開始時の透水量F0(L)と透水開始から3時間経過後の透水量F3(L)より、以下の式で洗浄前透水量低下率(%)を算出した。ここで、透水量とは、図2に示す透過液の量のことを意味する。
洗浄前透水量低下率(%)=[(F0―F3)/F0]×100
結果を表2に示した。
2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験
1.の薬品洗浄前のファウリング抑制試験後、0.6%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、該試験後の実施例1の濾過膜1を浸漬させて18時間放置し、その後純水を30分間通水させることにより、薬品洗浄処理を行った。汚染原水通水から薬品洗浄処理までを1サイクルとし、これを計5サイクル繰り返した。透水開始時の透水量F0(L)と5回繰り返した後に再度汚染原水を送液・通過させたときの透水開始から3時間経過後の透水量F3'(L)より、以下の式で洗浄後透水量低下率(%)を算出した。
洗浄後透水量低下率(%)=[(F0―F3')/F0]×100
結果を表2に示した。
実施例2〜7
各々表1の合成例2〜7で合成されたMPC共重合体2〜7を使用した以外は、実施例1と同様にして各実施例の濾過膜1を得た。各実施例の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
実施例8
(1)製膜原液調製工程:実施例1の工程(1)と同様にして製膜原液を得た。
(2)製膜工程:45℃に保温した製膜原液を2重紡糸ノズルの紡糸口金より中空糸膜状に吐出させる際に、内部凝固液として、DMACを40質量%含む水溶液を、2重紡糸ノズルの芯部に供給して同時に吐出させた。
(3)凝固液浸漬工程:吐出される中空糸膜を、MPC共重合体1を1質量%とDMACを40質量%含む外部凝固液(水溶液)に浸漬させ、巻き取った。この時、外部凝固液の温度は55℃とした。
(4)洗浄工程:実施例1の工程(4)と同様にして洗浄、溶媒除去を行った。
(5)乾燥工程:実施例1の工程(5)と同様にして乾燥させた。
得られた実施例8の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
実施例9、10
工程(2)の製膜工程において、MPC共重合体1の濃度をそれぞれ0.05質量%、8質量%とした以外は、実施例1と同様にして各実施例の濾過膜1を得た。各実施例の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
実施例11
(b)非溶媒相分離法による平膜状の本発明の濾過膜の製造
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン(シグマアルドリッチ・ジャパン株式会社製)18部をDMAC57部とTEG25部を混合したものに添加して、60℃で6時間攪拌、溶解し、製膜原液を得た。
(2)吐出工程:45℃に保温した製膜原液をスリットより平膜状に吐出させた。
(3)凝固液浸漬・製膜工程:吐出される製膜原液を、MPC共重合体1を1質量%とDMACを40質量%含む凝固液(水溶液)に浸漬させ、巻き取った。この時、凝固液の温度は45℃とした。
(4)洗浄工程:製膜が完了した平膜を90℃の熱水で洗浄し、過剰のMPC共重合体および溶媒を除去した。
(5)乾燥工程:洗浄後の平膜を40℃で5時間乾燥させた。
以上の様にして得られた実施例11の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
実施例12
(c)熱誘起相分離法による中空糸膜状の本発明の濾過膜の製造
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン(シグマアルドリッチ・ジャパン株式会社製)40部を、ジメチルスルホキシド(DMSO)35部とTEG25部を混合したものに添加して、130℃で6時間攪拌、溶解し、製膜原液を得た。
(2)製膜工程:120℃に保温した製膜原液を2重紡糸ノズルの紡糸口金より中空糸膜状に吐出させる際に、内部凝固液として、DMSOを40質量%含む水溶液を、2重紡糸ノズルの芯部に供給して同時に吐出させた。
(3)冷却及び凝固液浸漬工程:吐出される中空糸膜を、MPC共重合体1を1質量%とDMSOを40質量%含む外部凝固液(水溶液)に浸漬させ、巻き取った。この時、外部凝固液の温度は10℃とした。
(4)洗浄工程:製膜が完了した中空糸膜を90℃の熱水で洗浄し、過剰のMPC共重合体および溶媒を除去した。
(5)乾燥工程:洗浄後の中空糸膜を40℃で5時間乾燥させた。
以上の様にして得られた実施例12の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
実施例13
(d)熱誘起相分離法による平膜状の本発明の濾過膜の製造方法
(1)製膜原液調製工程:ポリフッ化ビニリデン(シグマアルドリッチ・ジャパン株式会社製)40部をDMSO35部とTEG25部を混合したものに添加して、130℃で6時間攪拌、溶解し、製膜原液を得た。
(2)吐出工程:120℃に保温した製膜原液をスリットより平膜状に吐出させた。
(3)冷却及び凝固液浸漬・製膜工程:吐出される製膜原液を、MPC共重合体1を1質量%とDMSOを40質量%含む凝固液(水溶液)に浸漬させ、巻き取った。この時、凝固液の温度は10℃とした。
(4)洗浄工程:製膜が完了した平膜を90℃の熱水で洗浄し、過剰のMPC共重合体および溶媒を除去した。
(5)乾燥工程:洗浄後の平膜を40℃で5時間乾燥させた。
以上の様にして得られた実施例13の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
比較例1
(a)非溶媒相分離法による中空糸膜状の濾過膜の製造
内部凝固液としDMACを40%含む水溶液を用いた以外、すなわち、MPC共重合体を内部及び外部凝固液のいずれにも使用しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の濾過膜1を得た。得られた比較例1の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
比較例2〜7
各々表1の合成例8〜12、及び合成例13で合成されたMPC共重合体8〜13を使用した以外は、実施例1と同様にして各比較例の濾過膜1を得た。各比較例の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
比較例8
比較例1と同様にして工程(1)〜(5)を行った後、次の工程(6)により、製膜後の中空糸膜内側からMPC共重合体を通過させる処理を行った。
(6)後処理工程:工程(5)の後の中空糸膜を濾過機に設置した。設置した中空糸膜の内側にMPC共重合体1を0.5質量%含む水溶液を通過させ、MPC共重合体1を中空糸膜に吸着させる処理をした。得られた比較例8の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
比較例9
比較例1と同様にして工程(1)〜(5)を行った後、次の工程(6)により、製膜後の中空糸膜外側からMPC共重合体を通過させる処理を行った。
(6)後処理工程:工程(5)の後の中空糸膜を濾過機に設置した。設置した中空糸膜の外側にMPC共重合体1を0.5質量%含む水溶液を通過させ、MPC共重合体1を中空糸膜に吸着させる処理をした。得られた比較例9の濾過膜1について、実施例1と同様に1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験を行った。結果を表2に示した。
表2から明らかなように、実施例1〜13は、1.薬品洗浄前のファウリング抑制試験、及び2.薬品洗浄後のファウリング抑制試験のいずれにおいても、透水量低下率が比較例1〜9よりも小さかった。すなわち、本発明の製造方法により製造した水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜は、繰返しの薬品洗浄後も耐ファウリング性が維持されることが認められた。
また、実施例1と比較例8及び9との比較により、濾過膜製膜後に単にMPC共重合体を吸着処理する製造方法に比べて、本発明に係る製造方法は、耐ファウリング性に顕著に優れる水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜を製造できることが判った。
1:水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜(本発明の濾過膜)又は比較例用のポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜
2:活性汚泥槽水(汚染原水)

Claims (3)

  1. (A)2―メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン5〜70モル%、n−ブチルメタクリレート20〜80モル%、及びグリセロールメタクリレート5〜50モル%からなる単量体組成物を共重合させた、重量平均分子量が5,000〜300,000である共重合体を、0.01〜10質量%の濃度で溶解させた凝固液を準備する工程と、
    ポリフッ化ビニリデン製膜原液と前記凝固液を接触させ、相分離により濾過膜を製膜させる工程と、を有する、
    水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法。
  2. 前記相分離が非溶媒相分離法によるものである、
    請求項1に記載の水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法。
  3. 前記相分離が熱誘起相分離法によるものである、
    請求項1に記載の水処理用ポリフッ化ビニリデン製多孔質濾過膜の製造方法。
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