JP6357620B2 - 鋼管構造物の腐食補修方法 - Google Patents

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本発明は、鋼管構造物の腐食補修方法に関する。
送電鉄塔を構成する部材は、断面がL字型のアングル鋼材、または鋼管に大別される。アングル鋼材よりも鋼管のほうが剛性が高いため、大型の鉄塔には鋼管が多く用いられる。鋼材の表面や、鋼管の表面には、鉄塔建設時に防食処理としてめっきが施される。このため、鋼材や鋼管の表面においては高い防食性能が得られる。これに対し、現存する多くの既設鉄塔の建設時には鋼管の内面へのめっき技術が確立されていなかったため、鋼管を主材とする既設鉄塔は、かかる鋼管の内面のめっきにムラが生じていることが多い。故に、鋼管部材で構成された既設鉄塔では、経年での自然環境の影響によって鋼管の内面の腐食(内面への錆付き)が生じやすい傾向がある。
腐食(錆付き)は、一度生じるとその後急速に進行する。このため、鋼管の内面へ腐食が発見された場合には早急に対処する必要がある。腐食を完全に除去する方法としては、腐食が生じた鋼管の部分的な交換や、鉄塔自体の全面的な建替が考えられる。しかしながら、鋼管の部分的な交換は、一時的に荷重を支持する治具を作成したり足場を組んだりする必要があるため、大がかりで長期的な工事となり多額のコストがかかる上に、送電の長期停止を伴ってしまう。
また鉄塔自体の全面的な建替は、既設鉄塔の撤去および新設鉄塔の建設に加え、既設鉄塔を撤去した後に新設鉄塔を建設し終わるまでに送電線を支持する仮設鉄塔の建設も必要となる。このため、鋼管の部分的な交換工事よりもさらに莫大なコストがかかり、工期もより長期化してしまう。このように鋼管の部分的な交換や鉄塔自体の全面的な建替は、多くの課題を有する。
鋼管の部分的な交換や鉄塔自体の全面的な建替を必要とすることなく鉄塔の腐食を補修する方法としては、鉄塔(鋼管)内部を合成樹脂によって充填する方法が開示されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、既設の中空鋼管鉄塔を構成する鉄塔鋼管の内部空間に押出機を挿入し、押出機から合成樹脂(発泡スチロール)を押し出しながら押出機を徐々に引き上げることにより、鉄塔鋼管の内部空間の底部から頂部までを合成樹脂によって充填している。
特許第4832072号
特許文献1によれば、鋼管鉄塔の腐食を低コストで補修可能であるとしている。しかしながら、特許文献1のように鉄塔鋼管の内部空間の底部から頂部までを合成樹脂によって充填する方法であると、腐食箇所が鋼管鉄塔の中途部分であった場合にも底部から合成樹脂を注入しなくてはならない。このため、特許文献1の方法であると、腐食箇所以外にも合成樹脂を注入しなければならず、材料コストおよび作業時間が多大となり、無駄なコストが生じてしまう。
鋼管鉄塔では、例えば鉄塔の下部の太い鋼管にはTP鋼管が用いられ、上部の少し細い鋼管には普通の鋼管が用いられることがある。TP鋼管は、内面がモルタルによって被覆されていて、アルカリ性が保たれているため腐食が発生しづらい。しかしTP鋼管の上部に連結された普通の鋼管の内面には、腐食が生じることがある。このような場合、特許文献1の方法であると、補修が必要ないTP鋼管にも合成樹脂を充填しなければ、その上部に連結された鋼管に合成樹脂を充填することができず、合成樹脂を余分に消費してしまう。
本発明は、このような課題に鑑み、鋼管の内面に生じた腐食を、より低コストで効率的に補修することが可能な鋼管構造物の腐食補修方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる鋼管構造物の腐食補修方法の代表的な構成は、非膨張状態のバルーンを鋼管構造物を構成する鋼管の上部の開口から挿入し、バルーンを膨張させることにより鋼管内の補修箇所より下方を閉塞し、充填材となる液体を注入するノズルの先端に挿入管を装着し、挿入管を鋼管の上部の開口に挿入して挿入管の下端をバルーン近傍に配置し、挿入管から液体を注入してバルーンの上方に充填材を充填することを特徴とする。


上記構成によれば、鋼管内に挿入したバルーンを補修箇所の下部で膨張させることにより、鋼管内のバルーンより下方の空間、すなわち補修箇所より下方の空間が閉塞される。これにより、バルーンより上方の補修箇所のみに充填材を充填することができるため、充填材の無駄な消費を防ぎ、補修コストをより削減することが可能となる。また補修箇所のみに充填材を充填可能であることにより作業時間を短縮することができるため、作業効率の向上が図られる。
上記バルーンは、円筒形状の弾性を有する素材からなり、バルーンの上部には、バルーンに気体を供給するチューブが接続されているとよい。バルーンを円筒形状とすることにより、断面が円筒形状の鋼管により沿うようにバルーンを膨張させることができ、バルーンが弾性を有する素材からなることにより、鋼管内面への追従性を高めることができる。これにより、バルーンを鋼管内面に好適に密着させることができるため、補修箇所より下方の空間をより確実に閉塞し、かかる空間への充填材の漏れを防ぐことが可能となる。またバルーン上部にチューブが接続されていることにより、かかるチューブを索体としながら鋼管内にバルーンを挿入することが可能となる。
上記バルーンの上部には、バルーンを吊り下げるロープが接続されているとよい。これにより、鋼管内への挿入時におけるバルーンの落下を好適に防ぐことができる。また上記バルーンの下部には、下方に向かって細くなる紡錘形状のウエイトが取り付けられているとよい。これにより、バルーンを、その自重のみによって鋼管内に挿入する場合よりも安定した状態で下方まで導くことが可能となる。
上記充填材は、モルタル、合成樹脂、発泡樹脂、反応性発泡樹脂から選択されるとよい。これらの材料を充填材とすることにより、腐食箇所への酸素および水分の接触を防ぐことができるため腐食の進行が防止され、かかる腐食箇所を好適に補修することが可能となる。特にモルタルを注入するとバルーンの内圧が高まるため、バルーンと鋼管内面との密着性を高めることができる。
本発明によれば、鋼管の内面に生じた腐食を、より低コストで効率的に補修することが可能な鋼管構造物の腐食補修方法を提供することができる。
本実施形態にかかる鋼管構造物の補修方法によって補修する鉄塔を例示する図である。 本実施形態にかかる腐食補修方法を説明する図である。 図2に示すノズルの詳細を説明する図である。 充填材である発泡成形体の注入方法の他の例を示す図である。 充填材である発泡成形体の注入方法の他の例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかる鋼管構造物の補修方法によって補修する鉄塔100を例示する図である。図1に示すように、鉄塔100は、複数の鋼管110a〜110jを連結して構成される。鋼管110a〜110jは、円筒状であり、鋼管110cに例示するように、その端部にはフランジ112a・112bが形成されている。そして、下方に配置される鋼管110dの上端のフランジ112cと、その上部に連結される鋼管110cの下端のフランジ112bとを固定することにより、それらの鋼管110c・110dが連結される。
また鋼管にはガセットプレート(図1ではガセットプレート114a・114bを例示)が設けられていて、かかるガセットプレート114a・114bに斜材120が連結されることにより、鋼管110c・110hが連結される。更に、鉄塔100には足場130が設けられていて、この足場130において作業員Pが補修作業を行う。
図2は、本実施形態にかかる腐食補修方法を説明する図であり、図1に示す鉄塔100の下部を断面にて図示している。図2(a)に示すように、鉄塔100の最下部の鋼管110eには、内面がモルタル102によって被覆されているTP鋼管が用いられていて、その上部に連結される鋼管110dは、モルタル102による被覆処理がなされていない普通の鋼管である。
本実施形態の腐食補修方法では、まず図2(a)に示すように非膨張状態のバルーン170を鋼管110dの上部の開口からかかる鋼管110d内に挿入し、バルーン170を補修対象の領域より下方に配置する。上述したように、鋼管110e(TP鋼管)はモルタル102によって被覆されているため腐食が生じにくく、その上部に連結される鋼管110dは、モルタル102による被覆がなされていないため、TP鋼管よりも腐食が生じやすい傾向がある。このため、本実施形態では、鋼管110e(TP鋼管)の上部に連結される鋼管110dを補修対象とし、その鋼管110dの下方、すなわち鋼管110e(TP鋼管)の内部にバルーン170を配置している。
本実施形態のバルーン170は、円筒形状であり、例えばクロロプレンゴム等の弾性を有する素材から構成される。バルーン170の上部には、かかるバルーン170に気体を供給するチューブ172が接続されていて、チューブ172を通じてバルーン170に気体を供給することにより、図2(b)に示すようにバルーン170が膨張する。これにより、鉄塔100内(図1参照)において、鋼管110d内の補修箇所より下方の空間、すなわち鋼管110e(TP鋼管)の内部の空間が閉塞される。
上記のようにバルーン170を膨張させる際、バルーン170が円筒形状であることにより、鋼管110eの円筒形状の内面に沿うようにバルーン170を膨張させることができる。またバルーン170が弾性を有する素材からなることにより、鋼管110eの内面への追従性を高めることができる。これらにより、バルーン170が鋼管110eの内面に好適に密着するため、補修箇所より下方の空間を確実に閉塞することができ、後述する充填材の漏れを防ぐことが可能となる。
またバルーン170の上部にチューブ172が接続されていることにより、そのチューブ172を索体としながら鋼管110e内にバルーン170を挿入することができる。なお、本実施形態では、膨張状態において円筒形状となるバルーン170を例示したが、これに限定するものではない。バルーン170が鋼管110eの内面に良好に密着する素材からなる場合には、円筒形以外の形状とすることも可能である。
更に、図2に示すように、本実施形態では、バルーン170の下部にウエイト174を取り付けている。これにより、バルーン170を、自重のみで挿入する場合に比して安定した状態で鋼管110e内に挿入することができる。特に本実施形態のようにウエイト174を下方に向かって細くなる紡錘形状とすることにより、鋼管110d内でのウエイト174の引っ掛かりを防ぐことができ、ウエイト174ひいてはバルーン170を、鉄塔100内(鋼管110d内)をスムーズに通過させることが可能となる。
また本実施形態では、バルーン170の上部に、かかるバルーン170を吊り下げるロープ176を接続している。これにより、上述したようにバルーン170にウエイト174を取り付けた場合であっても、ウエイト174の重量をロープ176によっても支持することができる。したがって、ウエイト174の重量によるチューブ172からのバルーン170の脱落を防ぎ、挿入時におけるバルーン170の落下を好適に防止することが可能となる。
図2(b)に示すように、補修箇所の下方に配置したバルーン170を膨張させたら、図2(c)に示すように、バルーン170の上方に充填材を充填する。かかる充填材としては、モルタル、合成樹脂、発泡樹脂、反応性発泡樹脂等を好適に用いることができる。これらの充填材により、腐食箇所への酸素および水分の接触を防ぐことができるため腐食の進行が防止され、かかる腐食箇所を好適に補修することが可能となる。特にモルタルを注入するとバルーンの内圧が高まるため、バルーンと鋼管内面との密着性を高めることができる。ただし、これらの材料に限定するものではなく、他の材料を充填材として用いることも可能である。
以下、本実施形態では充填材として、反応性発泡樹脂である反応硬化型樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体152と称する)を用いる場合を例示して説明する。反応性発泡樹脂とは、2種類以上の液体(薬剤)を混合しながら注入することにより、注入後に反応して発泡膨張および硬化する樹脂である。図2(c)に示すように、本実施形態では、鋼管110dの開口から2種類以上の液体を、ノズル140内で混合しながらかかるノズル140の先端(後述する吐出口140a)から鋼管110d内に注入する。なお、本実施形態では、2種類の液体150を混合して注入する場合を例示して説明するがこれに限定するものではなく、3種類以上の液体を混合して注入することも可能である。
図3は、図2に示すノズル140の詳細を説明する図であり、ノズルを断面にて図示している。本実施形態では、図3に示すノズル140によって、2種類の液体150を高圧混合しながら高圧注入する。図3に示すように、ノズル140には、かかるノズル140に、2種類の液体のうち一方(以下、液体Aと称する)を供給する第1供給管142a、および他方(以下、液体Bと称する)を供給する第2供給管142bが接続されている。またノズル140には、かかるノズル140に供給された液体Aおよび液体Bそれぞれを供給タンク(不図示)に送出する第1送出管144aおよび第2送出管144bが接続されている。更に、ノズル140には、吐出口140aを封止するコック146が設けられていて、コンプレッサ(不図示)に接続され、かかるコック146の開閉に用いられる油圧ケーブル(不図示)が接続されている。
上記構成によれば、2種類の液体(液体Aおよび液体B)は、供給タンクとノズル140とを循環するように流れる。そして、コック146を開くことにより、吐出口140aにおいて液体Aと液体Bとが混合され、かかる吐出口140aから噴出する。このとき、本実施形態のように液体Aと液体Bとが供給タンクとノズル140とを循環する構成としていることにより、コック146を開状態としたときのノズル140内の圧力低下を防ぐことができる。したがって、ノズル140内の高圧状態が好適に維持されるため、液体Aと液体Bを高圧混合しながら高圧注入することが可能となる。
本実施形態のように液体Aと液体Bを高圧混合可能であることにより、それらを均一に混合することができ、それらが反応することによって生成される発泡成形体において高い品質安定性を得ることが可能となる。そして、混合した液体150を高圧注入可能であることにより、かかる液体150を、鋼管110dの上部から下方まで迅速に搬送することができる。したがって、反応時の発泡膨張が開始する前に液体150の注入を完了することが可能となる。
上述したようにノズル140において高圧混合した液体を、図2(c)に示すように鋼管110d内に注入すると、図2(d)に示すように反応した液体が上方に向かって発泡膨張する。そして、発泡膨張した液体150が硬化して反応硬化型樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体152と称する)となることにより、図2(e)に示すように、かかる発泡成形体152が鋼管110d内に充填される。そして、バルーン170に接続されているチューブ172およびロープ176を切断することにより、補修作業が完了する。
このとき、本実施形態では、膨張させたバルーン170が補修箇所の下方に配置されているため、鉄塔100内において、バルーン170より下方の空間、すなわち補修の必要がない鋼管110e(TP鋼管)の内部の空間はバルーン170によって閉塞されている。これにより、図2(e)に示すように、鉄塔100内では、補修の必要がない空間に発泡成形体152(充填材)を充填することなく、バルーン170より上方の補修が必要な空間のみに発泡成形体152を充填することができる。したがって、充填材の無駄な消費を防ぎ、補修コストをより削減することが可能となる。また充填量が減らせることにより、充填に要する作業時間を短縮することができ、作業効率の向上を図ることも可能となる。
そして、図2(e)に示すように、鋼管110d内において腐食箇所が発泡成形体152によって覆われた状態となることにより、腐食箇所への酸素および水分の接触が防がれる。これにより、腐食を防止することができ、腐食箇所を好適に補修することが可能となる。このとき、混合された液体150が反応して発泡しながら膨張し発泡成形体152が充填されることにより、従来行われていた鋼管110d内に押出機を挿入して樹脂を押し出して充填しながら押出機を徐々に引き上げるといった操作が不要となる。このため、補修作業の簡略化、ひいては作業効率の向上を図ることが可能となる。
また従来のように押出機のノズルを鋼管の下端近傍まで挿入する必要がないことで、鋼管110dの長さに対応した長いケーブル(チューブ)が不要となるため、装置を小型化することができ、高所作業においても良好な作業性が得られる。加えて、鋼管110d内に押出機のような装置を挿入することなく、鋼管110dの開口からその内部に2種類以上の液体150を混合しながら注入することにより、いかなる大きさの装置を用いる場合であっても本実施形態の補修方法を適用することができるため、高い汎用性が得られる。
更に、上述したように混合した液体150が反応して発泡膨張することにより、従来のように単に液状の樹脂を注入する場合に比して、鋼管110d内に注入する液体150の量を鋼管110d内部の体積よりも極めて少ない量とすることができる。このため、液体150の注入作業、すなわち鋼管110d内の充填作業に要する時間を大幅に短縮することができ、作業効率を更に向上させることが可能となる。
なお、反応硬化型樹脂発泡成形体(発泡成形体152)としては、例えば2種類の液体としてポリオールとイソシアネートを用い、それらが反応して生成される発泡ポリウレタン樹脂を好適に用いることができる。ただし、これに限定するものではなく、フェノール樹脂等、2種類以上の液体が反応した際に発泡膨張して硬化する発泡成形体であれば他の材料を用いることも可能である。また本実施形態では、発泡成形体152が鋼管110dに充填された後にチューブ172およびロープ176を切断する構成を例示したが、これに限定するものではなく、図2(b)のようにバルーン170を膨張させた後であれば、液体150を注入する前に切断してもよい。
図4および図5は、充填材である発泡成形体152の注入方法の他の例を示す図である。図4では、図4(a)に示すように、鋼管110dの側面116aに注入孔116bを形成し、その注入孔116bから2種類の液体150を混合しながら鋼管110d内に注入する。そして、注入が完了したら、図4(b)に示すように注入孔116bを栓118によって封止する。これにより、図4(b)に示すように、反応した液体150が上方に向かって発泡膨張し、発泡膨張した液体150が硬化して発泡成形体152となることにより、図4(c)に示すように発泡成形体152が鋼管110d内に充填される。
上記説明したように、図4に示す注入方法によっても、混合された液体150が反応して発泡しながら膨張して発泡成形体152が充填される。したがって、上述したように上方から充填材を注入した場合と同様の効果を得ることが可能である。また鋼管110dの側面116aの注入孔116bから液体150を注入する構成であれば、腐食箇所近傍に注入孔116bを形成することにより、腐食箇所近傍のみを補修することができるため、発泡成形体152の使用量ひいてはコストを削減することも可能である。
なお、鋼管110dの側面116aに形成する注入孔116bは、本実施形態のように鋼管110dの下端近傍に設けることが好ましい。これにより、混合された液体150の鋼管110dの内面への付着が抑制されるため、液体150をより好適に発泡膨張させることができ、鋼管110dに充填される発泡成形体152の密度を均一化することが可能となるからである。ただし、本実施形態の注入孔116bの位置は例示にすぎず、鋼管110dの上部や中途部に形成する構成を除外するものではない。
図5では、図5(a)に示すように、2種類の液体(液体Aおよび液体B)を混合するノズル140の先端に使い捨ての挿入管160を装着し、ノズル140において混合した液体150を挿入管160から鋼管110d内に注入する。これにより、図5(b)に示すように、反応した液体150が上方に向かって発泡膨張し、発泡膨張した液体150が硬化して発泡成形体152となり、図5(c)に示すように、発泡成形体152が鋼管110d内に充填される。
上記説明したように、ノズル140の先端に接続された挿入管160によって液体150を注入することにより、混合された液体150の鋼管110d内面への付着を抑制することができる。したがって、液体150をより好適に発泡膨張させ、鋼管110dに充填される発泡成形体152の密度を均一化することが可能となる。また使い捨ての挿入管160を採用することにより、図5(b)および図5(c)に示すように、混合した液体150を注入後、ノズル140から挿入管160を外し、挿入管160をそのまま廃棄する(埋設する)ことができる。更に、ノズル140は液体150を高圧注入することが可能であるため、仮に挿入管160内において液体の反応(発泡膨張)が開始してしまっても、それを圧力によって挿入管160外に吐出させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、鋼管構造物の腐食補修方法として利用することができる。
100…鉄塔、102…モルタル、110a〜110j…鋼管、112a・112b・112c…フランジ、114a・114b…ガセットプレート、116a…側面、116b…注入孔、118…栓、120…斜材、122…フランジ、130…足場、140…ノズル、140a…吐出口、142a…第1供給管、142b…第2供給管、144a…第1送出管、144b…第2送出管、146…コック、150…液体、152…発泡成形体、160…挿入管、170…バルーン、172…チューブ、174…ウエイト、176…ロープ

Claims (5)

  1. 鋼管構造物の腐食補修方法であって、
    非膨張状態のバルーンを前記鋼管構造物を構成する鋼管の上部の開口から挿入し、
    前記バルーンを膨張させることにより前記鋼管内の補修箇所より下方を閉塞し、
    充填材となる液体を注入するノズルの先端に挿入管を装着し、
    前記挿入管を前記鋼管の上部の開口に挿入して該挿入管の下端を前記バルーン近傍に配置し、
    前記挿入管から前記液体を注入して前記バルーンの上方に充填材を充填することを特徴とする鋼管構造物の腐食補修方法。
  2. 前記バルーンは、筒形状の弾性を有する素材からなり、
    前記バルーンの上部には、該バルーンに気体を供給するチューブが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管構造物の腐食補修方法。
  3. 前記バルーンの上部には、該バルーンを吊り下げるロープが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼管構造物の腐食補修方法。
  4. 前記バルーンの下部には、下方に向かって細くなる紡錘形状のウエイトが取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鋼管構造物の腐食補修方法。
  5. 前記充填材は、モルタル、合成樹脂、発泡樹脂、反応性発泡樹脂から選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鋼管構造物の腐食補修方法。
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